説明

PCB汚染土壌の前処理方法

【課題】掘削したPCBを含有した汚染土壌の状況に柔軟に対応して効果的に前処理し、本処理装置の様々な受入基準に適合した前処理土壌を得る。
【解決手段】掘削した汚染土壌から100ミリメートル以上の大型混入物を分離して取り除く1次分離ステップ(S100)と、1次分離ステップで大型混入物を取り除いた汚染土壌の乾装を行う乾燥ステップ(S101)と、乾燥ステップを実施後の汚染土壌から少なくとも40ミリメートル以上の中型混入物を分離して取り除く2次分離ステップ(S102)と、2次分離ステップで分離した汚染土壌から有害物質含有部品等の廃棄物の少なくとも5ミリメートル以上の小型混入物を取り除く3次分離ステップ(S103)を有し、3次分離ステップの篩を通過した汚染土壌に調整砂10を混合して受入基準値以下のPCB濃度に調整する調整砂混合ステップ(S105)からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削したPCBを含有する汚染土壌を本処理装置で無害化処理するための汚染土壌の前処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、PCB(ポリ塩化ビフェニル)等に代表される有機塩素化合物に汚染された土壌が、工場跡地等の地中に殆んど分解されずに存在する。また、この汚染土壌は無害化処理のために地中から掘削して、ドラム缶等の容器、保管ヤード等に保管されている。特に掘削した汚染土壌が無害化処理されないままの状態で大量に保管されているのが実態で、その無害化処理が急がれている。
【0003】
汚染土壌の無害化の処理方法としては、例えば、熱分解法、鉄粉法、アルカリ触媒化学分解法、溶融固化法、鉄粉法等が知られている。また、前記各種無害化処理方法においては、掘削した汚染土壌を本処理装置と一体となった前処理工程(装置)で前処理した後、本処理装置に搬送して無害化処理を行うものがある。従来これらの代表的な汚染土壌の無害化処理方法として下記のものが知られている。
【0004】
本処理装置に投入する汚染土壌に、水と発熱反応する無機化合物等の含有水分調整剤を混合して汚染土壌中の水分を調整(含水率を下げる)する前処理装置を設けて、汚染土壌に脱塩素化を促進する薬剤を添加・攪拌するとともに加熱し、土壌中の汚染物質を分解する本処理装置での脱塩素化を促進する汚染土壌の処理システムとしたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、含水率調整手段に含水被処理物(汚染土壌)と本処理装置の加熱処理手段で加熱処理し減容化した加工処理物(炭化物)の一部とを投入して混合し、含水被処理物の含水率を低減させこれに処理剤を投入した後、加熱処理手段で加熱処理するものである。(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−97913号公報
【特許文献2】特開2001−246400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した特許文献1に記載のものは、含有水分調整剤に水と発熱反応する生石灰を汚染土壌に混合するため、この生石灰が本処理装置に様々な悪影響を与える。特に発熱反応を生じることから汚染土壌への混合量を幅広く設定することが困難で、さらに安全管理上からも課題がある。
【0008】
また、前記した特許文献2に記載のものは、本処理装置で無害化処理した加熱処理物を汚染土壌に投入して混合するため、本処理装置での無害化処理の開始時等を含め常に安定した含水率の調整に課題がある。
【0009】
さらに、前記した特許文献1、2記載のものは、本処理装置の各々の無害化処理方法に特化した汚染土壌の前処理方法であって汎用性が無い。また、掘削した汚染土壌の中には変圧器、安定器、家電製品のペーパーコンデンサのような低圧トランス、コンデンサ等のPCB含有物品も含まれていることがあり、これらの破損を防止して取り除いた汚染土壌として本処理装置で無害化処理することが求められる。
【0010】
近年、本処理装置で無害化処理する汚染土壌の受入基準が設定されており、例えば廃棄物をふくまないこと、含水率、PCB濃度、粒径等を受入基準値以下とすることが条件となっている。さらに、本処理装置について様々な処理方法があり、また、受入基準値としての含水率、PCB濃度、粒径等にも巾があり柔軟な対応が必要となっている。この受入基準の様々な要求条件に適合するPCB汚染土壌の前処理方法が求められている。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、掘削したPCBを含有した汚染土壌の状況に柔軟に対応して効果的に前処理し、本処理装置の様々な受入基準に適合した前処理土壌を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明のPCB汚染土壌の前処理方法は、掘削したPCBを含有する汚染土壌を無害化処理する本処理装置の受入基準に適合させるための汚染土壌の前処理方法であって、
掘削した砂、礫質土壌を主体とする汚染土壌から石、ガラ、廃棄物等の少なくとも100ミリメートル以上の大型混入物を分離して取り除く1次分離ステップと、前記1次分離ステップで石、ガラ、廃棄物等の大型混入物を取り除いた汚染土壌の乾燥を行う乾燥ステップと、前記乾燥ステップを実施後の汚染土壌から小石、ガラ、廃棄物等の少なくとも40ミリメートル以上の中型混入物を分離して取り除く2次分離ステップと、前記2次分離ステップで分離した汚染土壌から小石、有害物質含有部品等の廃棄物の少なくとも5ミリメートル以上の小型混入物を取り除く3次分離ステップを有し、前記3次分離ステップの篩を通過した汚染土壌のPCB濃度が受け入れ基準値より高い場合は、調整砂を混合して受入基準値以下のPCB濃度に調整する調整砂混合ステップを設けて前記本処理装置の受入基準に適合する前処理汚染土壌を得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、掘削したPCBを含有した汚染土壌の状況に柔軟に対応して効果的に前処理し、本処理装置の様々な受入基準に適合した前処理土壌を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態の処理ステップを示すフロー図
【図2】図1における代表的な前処理例を示すブロック構成図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、掘削したPCBを含有する汚染土壌を無害化処理する本処理装置の受入基準に適合させるための汚染土壌の前処理方法であって、
掘削した砂、礫質土壌を主体とする汚染土壌から石、ガラ、廃棄物等の少なくとも100ミリメートル以上の大型混入物を分離して取り除く1次分離ステップと、前記1次分離ステップで石、ガラ、廃棄物等の大型混入物を取り除いた汚染土壌の乾燥を行う乾燥ステップと、前記乾燥ステップを実施後の汚染土壌から小石、ガラ、廃棄物等の少なくとも40ミリメートル以上の中型混入物を分離して取り除く2次分離ステップと、前記2次分離ステップで分離した汚染土壌から小石、有害物質含有部品等の廃棄物の少なくとも5ミリメートル以上の小型混入物を取り除く3次分離ステップを有し、前記3次分離ステップの篩を通過した汚染土壌のPCB濃度が受け入れ基準値より高い場合は、調整砂を混合して受入基準値以下のPCB濃度に調整する調整砂混合ステップを設けて前記本処理装置の受入基準に適合する前処理汚染土壌を得ることを特徴とするPCB汚染土壌の前処理方法としたものである。
【0016】
これによって、掘削したPCBを含有した汚染土壌を効果的に前処理し、本処理装置の様々な受入基準に適合した前処理土壌を得ることができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明において、乾燥ステップは、ロータリーキルンによりPCBの揮発抑制温度以下で加熱して汚染土壌の乾燥を行うことを特徴とするPCB汚染土壌の前処理方法としたものである。
【0018】
これによって、PCBを揮発させることなく加熱して揮発成分の処理設備を不要とし、かつ、ロータリーキルンによる汚染土壌の回動と加熱作用により塊状化した汚染土壌を解砕して分離ステップにおける分離を確実に行い、また、PCB含有物品を塊状化した汚染土壌から露出させてより取り除きやすくすることができる。
【0019】
第3の発明は、第1の発明において、調整砂として硅砂を混合することを特徴とするPCB汚染土壌の前処理方法としたものである。
【0020】
これによって、石英を主成分とする硅砂は全体の成分が一定しており、本処理装置で処理する際の安定性をより増すことができる。
【0021】
第4の発明は、第1の発明において、調整砂として低PCB濃度の前処理土壌を混合することを特徴とするPCB汚染土壌の前処理方法としたものである。
【0022】
これによって、前処理土壌を有効に活用することができる。
【0023】
以下、本発明の一実施形態のPCB汚染土壌の前処理方法を図1、図2を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施形態の処理ステップを示すフロー図、図2は図1における代表的な前処理例を示すブロック構成図である。
【0025】
特に砂、礫質土壌を主体として掘削した保管容器1中の汚染土壌を、1次分離ステップ(S100)となる振動篩装置2に搬送する。この振動篩装置2は、振動篩の網目が例えば1000mm程度に設定されており、振動篩上には汚染土壌中に混入している比較的大サイズの石、ガラ、各種廃棄物等の大型混入物が残り、これらを保管容器3に収納し保管、管理する。振動篩を通過して下に振るい落とされたPCB等の有害物質含有部品の混入した汚染土壌はベッセル内(図示なし)に収容する。
【0026】
次に、1次分離ステップで石、ガラ、廃棄物等の大型混入物を取り除いたベッセル内の汚染土壌を、乾燥ステップ(S101)のロータリーキルン(乾燥装置)4に搬送する。
【0027】
汚染土壌は、土壌粒子が結合して部分的に塊状化(団粒化)しやすい傾向を有する。塊状化した汚染土壌は、本来、本処理装置で処理可能な粒径の範囲のものであるにもかかわらず、分離ステップの篩において取り除かれてしまう恐れがある。
【0028】
そこで汚染土壌をロータリーキルン4の回転する横方向の加熱筒内で加熱する。これによって塊状化土壌の表面から乾燥させてひび割れを生じさせ、かつ塊状化土壌の回動時の擦れ、衝撃により表面部から順次解砕することができる。したがって、本処理装置で処理する汚染土壌を掘削した汚染土壌から効果的に取り出すことができる。
【0029】
また、汚染土壌を解砕することよって、次の2次、3次分離ステップにおける分離を確実に行うとともに、PCB含有物品を塊状化した汚染土壌から露出させてより取り除きやすくすることができる。
【0030】
乾燥ステップ(S101)には、ロータリーキルン4を用いるが、汚染土壌の加熱はPCBの揮発抑制温度以下(例えば180℃)で加熱して汚染土壌の乾装を行う。これによって、PCBを揮発させることなく加熱して揮発成分の処理設備を不要とすることができる。
【0031】
なお、ロータリーキルン4による汚染土壌の乾燥により、塊状化土壌を解砕し、さらに、汚染土壌中の水分が蒸発して含水率を低減させる。これによって受入基準以下の含水率に調整することができる。
【0032】
また、乾燥ステップ(S101)は、1次分離ステップ(S100)で石、ガラ、廃棄物等の大型混入物を取り除いた後に実施する。これによって、石、ガラ、廃棄物等の大型混入物の回動によるロータリーキルンの破損を防止して耐久性を向上させることができる。
【0033】
次に、乾燥ステップ(S101)で処理した汚染土壌を、2次分離ステップ(S102)となる振動篩装置5に搬送する。この振動篩装置5は、振動篩の網目が例えば40mm程度に設定されており、振動篩上には汚染土壌中に混入している比較的中サイズの石、ガラ、各種廃棄物等の中型混入物が残り、これらを保管容器6に収納し保管、管理する。振動篩を通過して下に振るい落とされた有害物質含有部品の混入した汚染土壌はベッセル内(図示なし)に収容する。
【0034】
次に、石、ガラ、各種廃棄物等の中型混入物を取り除いたベッセル内の汚染土壌を、3次分離ステップ(S103)となる振動篩装置7に搬送する。この振動篩装置7は、振動篩の網目が例えば5mm程度に設定されており、振動篩上には汚染土壌中に混入している比較的小サイズの石、ガラ、有害物質含有部品等の各種廃棄物等の小型混入物が残り、これらを保管容器8に収納し保管、管理する。振動篩を通過して下に振るい落とされた汚染土壌はベッセル内(図示なし)に前処理汚染土壌として収容する。
【0035】
前記した複数段階の分離ステップと、さらに3次分離ステップ(S103)となる振動篩装置7の振動篩の網目を例えば5mm程度に設定したことによって汚染土壌からコンデンサ等のPCB等の有害物質含有部品、その他の廃棄物を確実に取り除くとともに、粒径を安定化させた前処理汚染土壌を得ることができる。
【0036】
なお、各分離ステップに用いる振動篩装置は、スクリーンマット面を波動運動させるジャンピングスクリーン、徐々に網目を細かくした多層スクリーンを用いてもよい。また、篩を固定し、篩上で汚染土壌を移動させる手段を用いてもよい。
【0037】
本処理装置における汚染土壌の受入基準の例として下記のものが挙げられる。(1)廃棄物を含まないこと、(2)粒径が100mm以下、(3)含水率が25%以下、(4)PCB濃度が10000mg/Kg以下、というものである。以下これを例として説明する。
【0038】
前記した複数段階の分離ステップ、および乾燥ステップによって、前記受入基準の(1)廃棄物を含まないこと、(2)粒径が100mm以下、(3)含水率が25%以下、を満足する前処理汚染土壌を得ることができるものである。
【0039】
なお、粒径が100mm以下とした受入基準値に対して、本実施形態においては3次分離ステップ(S103)で粒径が5mm以下となるようにしている。これは前記したように汚染土壌中に混入した有害物質含有部品である廃棄物を確実に取り除くためであり、さらに、受入基準値に対して余裕をもった粒径としたことによって、本処理装置における汚染土壌のより安定したな無害化処理を可能とするものである。
【0040】
次に、PCB濃度計測ステップ(S104)で計測したPCB濃度に基づき、PCB濃度を調整する調整砂混合ステップ(S105)について説明する。なお、PCB濃度計測ステップ(S104)、および調整砂混合ステップ(S105)は、3次分離ステップ(S103)で振動篩装置7の篩を通過した汚染土壌に実施する。なお、調整砂は硅砂を含む概念として以下説明する。
【0041】
これらのステップは、本処理装置における汚染土壌の受入基準の内、(4)PCB濃度が10000mg/Kg以下、に適合させるためのものである。
【0042】
調整砂混合ステップ(S105)において、PCB濃度計測ステップ(S104)で計測した汚染土壌のPCB濃度が受入基準値よりも高い場合は、3次分離ステップ(S103)の篩を通過した汚染土壌にPCB濃度の調整に必要な調整砂10を混合装置9にて混合してPCB濃度を受入基準値以下に調整する。この前処理土壌を保管容器11に収納する。また、汚染土壌のPCB濃度が受入基準値よりも低い場合は、調整砂混合ステップ(S105)を実施しないで3次分離ステップ(S103)の篩を通過した前処理土壌を保管容器11に収納する。
【0043】
なお、本処理装置における汚染土壌の受入基準の内、(3)含水率が25%以下、(4)PCB濃度が10000mg/Kg以下、とする例で説明したが、これらの受入基準の値をさらに低いものとして要求される場合であっても、調整砂10の混合量を調整することによって任意に対応することができる。
【0044】
調整砂混合ステップ(S105)において、汚染土壌のPCB濃度を受入基準値以下とするために必要な調整砂10の量は、PCB濃度の値とこれを受入基準値以下とするために必要な調整砂10の量の相関を予め把握しておき、PCB濃度計測ステップ(S104)で計測した値をベースに、受入基準値以下とするために必要な調整砂10の量を設定する。
【0045】
なお、PCB濃度計測ステップ(S104)は、3次分離ステップ(S103)での振動篩装置7の篩を通過した汚染土壌に実施するようにしたが、掘削した汚染土壌のPCB濃度を計測し、これに基づいて混合する調整砂の必要量を設定してもよい。
【0046】
また、調整砂10は、例えば汎用の砂を乾燥処理して乾燥状態としたものを用いる。これは低含水率で、PCBを含有しないため、調整砂10の必要量を最小限とすることができる。さらに、粘り気がなく汚染土壌の再塊状化(団粒化)を防止するとともに、より精度よくPCB濃度を受入基準値以下に調整することができる。なお、調整砂10の平均粒径は0.1〜0.2mmのものを用いる。
【0047】
また、調整砂10として硅砂を用いることが好ましい。石英を主成分とする硅砂は全体の成分が一定しており、本処理装置で処理する際の安定性をより増すことができる。また、より低含水率であるため硅砂の必要量を最小限とし、また、粘り気がなく汚染土壌の再塊状化(団粒化)を防止するとともに、より精度よくPCB濃度を受入基準値以下に調整することができる。さらに安定して入手することができる。
【0048】
また、平均粒径が0.1〜0.2mmの硅砂を用いることにより、3次分離ステップの篩を通過した汚染土壌と均一に混合させることができる。なお、平均粒径が0.1〜0.2mmの硅砂は、JISG5901に規定される鋳物用珪砂8号〜7号に相当するものである。
【0049】
また、調整砂10として低PCB濃度の前処理土壌を混合してもよい。これによって、前処理土壌を有効に活用することができる。
【0050】
なお、本実施形態で述べた本処理装置の受入基準は一例であって、これに限定されるものではない。
【0051】
また、分離ステップにおける篩の段階数の設定等は一例であってこれに限定するものではなく、さらに多段階による分離ステップとしてもよい。
【0052】
本発明の汚染土壌の前処理方法によれば、掘削した汚染土壌から廃棄物を含まない受入基準値以下の粒径の汚染土壌を得るための篩による複数段階の分離ステップ、乾燥ステップによって、本処理装置の受入基準である廃棄物を含まず、かつ基準値以下の粒径の前処理汚染土壌とすることができる。
【0053】
さらに、乾燥ステップで塊状化した汚染土壌を解砕し、掘削した汚染土壌から有害物質含有部品を取り除いて、これらの廃棄物を含まず、かつ受入基準値以下の粒径、含水率の前処理汚染土壌とすることができる。
【0054】
また、汚染土壌のPCB濃度にもとづいて、調整砂混合ステップにおいてPCB濃度を任意に調整することができる。
【0055】
これによって、掘削したPCBを含有する汚染土壌の様々な状況および本処理装置の様々な受入基準に柔軟に対応して効果的に汚染土壌の前処理を行い、受入基準に適合した前処理汚染土壌を得ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
汚染土壌を無害化処理する本処理装置に供給するための汚染土壌の前処理方法として広範囲の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 保管容器
2 振動篩装置
3 保管容器
4 ロータリーキルン(乾燥装置)
5 振動篩装置
6 保管容器
7 振動篩装置
8 保管容器
9 混合装置
10 調整砂
11 保管容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削したPCBを含有する汚染土壌を無害化処理する本処理装置の受入基準に適合させるための汚染土壌の前処理方法であって、
掘削した砂、礫質土壌を主体とする汚染土壌から石、ガラ、廃棄物等の少なくとも100ミリメートル以上の大型混入物を分離して取り除く1次分離ステップと、前記1次分離ステップで石、ガラ、廃棄物等の大型混入物を取り除いた汚染土壌の乾燥を行う乾燥ステップと、前記乾燥ステップを実施後の汚染土壌から小石、ガラ、廃棄物等の少なくとも40ミリメートル以上の中型混入物を分離して取り除く2次分離ステップと、前記2次分離ステップで分離した汚染土壌から小石、有害物質含有部品等の廃棄物の少なくとも5ミリメートル以上の小型混入物を取り除く3次分離ステップを有し、
前記3次分離ステップの篩を通過した汚染土壌のPCB濃度が受け入れ基準値より高い場合は、調整砂を混合して受入基準値以下のPCB濃度に調整する調整砂混合ステップを設けて前記本処理装置の受入基準に適合する前処理汚染土壌を得ることを特徴とするPCB汚染土壌の前処理方法。
【請求項2】
乾燥ステップは、ロータリーキルンによりPCBの揮発抑制温度以下で加熱して汚染土壌の乾燥を行うことを特徴とする請求項1に記載のPCB汚染土壌の前処理方法。
【請求項3】
調整砂として硅砂を混合することを特徴とする請求項1に記載のPCB汚染土壌の前処理方法。
【請求項4】
調整砂として低PCB濃度の前処理土壌を混合することを特徴とする請求項1に記載のPCB汚染土壌の前処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate