PETデータ処理方法、PETデータ処理装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びデータ処理方法
【課題】均一に標本化されたサイノグラムを高速に生成することができるPETデータ処理方法、PETデータ処理装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びデータ処理方法を提供することである。
【解決手段】PET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法は、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集することと、収集したPET事象データから、2次元のLORサイノグラムを生成することと、LORサイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、それら複数の三角形を決定するために、LORサイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定することと、それら決定された複数の三角形を使って、LORサイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定することと、を含む。
【解決手段】PET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法は、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集することと、収集したPET事象データから、2次元のLORサイノグラムを生成することと、LORサイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、それら複数の三角形を決定するために、LORサイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定することと、それら決定された複数の三角形を使って、LORサイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定することと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、全般的に、収集した検出器情報を素材とする画像を、三角形分割補間法を用いて再構成するガンマ線スキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)の用途は、画像診断の分野で広がっている。PETイメージングでは、注射、吸入、又は経口摂取によって、画像形成すべき被検体に放射性医薬品を導入する。放射性医薬品は、投与後、その物理的性質及び分子生物学的性質により、人体内の特定の部位に集中する。薬品の実際の空間分布、蓄積領域における薬品の濃さ、及び投与から最終的な排出に至るプロセスの動態はどれも、臨床的に重要な意味を持つ可能性のある要素である。このプロセスの間に、放射性医薬品に付着させた1つのポジトロン放出体は、半減期、分岐比といった同位体の物理的性質に従ってポジトロンを放出する。
【0003】
放射性核種はポジトロンを放出する。1つの放出ポジトロンが1つの電子と衝突すると、1つの消滅現象が起こり、それらポジトロン及び電子は崩壊する。ほとんどの場合、1つの消滅現象によって、実質的に180度離れて進行する2つの511keVガンマ線が発生する。
【0004】
それら2つのガンマ線を検出し、検出部位同士を結ぶ線、即ち同時計数線(Line-Of-Response:LOR)を引くことによって、蓋然性の高い元の分解部位を探し出すことができる。このプロセスは、相互作用が起こっている可能性のある線を単に識別するだけのことであるが、それらの線を数多く蓄積すれば、断層を再構成するプロセスを用いることによって、元の分布を推定することができる。上記2つのシンチレーション事象の部位の他に正確なタイミング(数百ピコ秒以内)も利用可能であれば、飛行時間(Time-Of-Flight:TOF)の計算により、それらの事象が生じた蓋然性の高い、上記の線に沿ったその位置に関する更なる情報を加えることができる。事象を数多く集めれば、そこから、断層の再構成によって被検体の画像を推定するのに必要な情報が生まれる。対応する検出器エレメントで検出された実質的に同時に起こっている2つの事象は、同時計数線を形成する。この同時計数線を幾何学的属性に従ってヒストグラム化して、再構成すべき投影、即ちサイノグラムを形成することができる。
【0005】
PET画像再構成では、フィルター逆投影法(Filtered Back-Projection:FBP)、3D再投影法(Re-Projection:RP)、及びフーリエリビニング法(Fourier Re-binning:FORE)による再構成アルゴリズムを使用する目的で、不均一に標本化された原LORサイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを得るために、補間法が使用される場合がある。通常、かかる多次元補間は、均一に標本化された矩形格子点の値に基づいて実施される。しかしながら、多角形の検出器モジュールが環体に内設されたPETシステムでは、原LORサイノグラムの標本化点は、図1に示すように、矩形の格子上にあるのではなく、ひし形の標本化格子上にある。これらひし形の標本化格子は、離散的な標本化点と考えることができる。
【0006】
一部の用途で離散的なデータ用に用いられてきた補間法は、いわゆる線形三角形分割補間法(2D)である。これは、3Dにおける線形四面体法として知られている。線形三角形分割補間法では、まず、離散的な標本化点から2D三角形が形成される。例えばドロネー三角形分割では、所与の点の集合であるボロノイ図で、隣接する全ての点を接続することによって三角形が形成される。ひとたび全ての三角形が決定されれば、均一に標本化されたサイノグラムの各標本化点は、特定の三角形の内部(又はその辺上)に位置することになる。更に、その次に、重心座標を用いた補間方法を使ってその三角形上に線形表面を適合させることによって、新たな標本化における値が決定される。図2に、補間サイノグラムを得るための均一に標本化された格子を示しているが、これは、再構成プロセスの必要性に基づいて決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Isaac Amidror, "Scattered data interpolation methods for electronic imaging systems: a survey", Journal of Electronics Imaging, April 2002, Vol.11, No.2, pp.157-176.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、原LORサイノグラムを補間する際に見られる難点の例として、(1)所望の標本化点の最近傍点を決定することが、それらが矩形の格子上に存在していないために困難であること、及び(2)不規則に分布する標本化点を処理するのに系統だった方法が存在しないこと、が挙げられる。
【0009】
更に、線形三角形分割補間を実現することは、非自明な作業である。例えば、三角形を形成する際に、どの原標本化点も、他の三角形の内部に存在することができない。不規則で離散的なデータの三角形分割は一義的ではないため、最大の最小角度を有する三角形を生成する最適の三角形分割方法を見出すことが望まれる。更に、標本化データ点の三角形分割は、各変数に使用されるユニットの影響を受け易い。最適の三角形分割法であるドロネーの方法でさえ、場合によっては、異なる三角形分割のセットを生成することがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係るPETデータ処理方法は、PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理方法であって、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、を含む。
【0011】
付属図面と併せて考察すれば、以下の詳細な説明を参照することによって本発明の理解が深まるため、本発明及びそれに付随する諸利点の多くをより完全に理解することが容易であろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、矩形の格子上ではなく、ひし形の標本化格子上に存在する標本化点を有する、原LORサイノグラムを示す図である。
【図2】図2は、補間サイノグラムを得るための均一に標本化された格子を示す図である。
【図3】図3は、中央ラジアルビンで均一に分布する、撮像野の中心に配置された点源(小型ディスク)の2Dサイノグラムについて、線形補間と三角形分割補間とを比較した図である。
【図4】図4は、本明細書に記載の一実施形態に従って形成された三角形の実例を示す図である。
【図5】図5は、本明細書に記載の一実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図6】図6は、本明細書に記載した一実施形態のあるコンポーネントを用いて形成した三角形を示す図である。
【図7】図7は、本明細書に記載した一実施形態の別のコンポーネントを用いて形成した三角形を示す図である。
【図8】図8は、本明細書に記載の代替実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図9】図9は、本明細書に記載の別の代替実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図10A】図10Aは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10B】図10Bは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10C】図10Cは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10D】図10Dは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図11】図11は、本明細書に記載の実施形態に従ってPET事象情報を得るのに使用することが可能なガンマ線検出システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施形態では、PET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法は、(1)PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、(2)収集したPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、(3)その原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、(4)それら決定された複数の三角形を使って、原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、を含む。
【0014】
別の実施形態では、原サイノグラムを生成するステップは、原サイノグラム内の各標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルを決定することと、原サイノグラム内の各標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルを決定することと、を含み、複数の三角形を決定する上記ステップは、それら複数の三角形を決定するために、原サイノグラム内で、隣接する標本化点を水平方向に列毎に接続することを含む。
【0015】
別の実施形態では、原サイノグラムを生成するステップは、(1)原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択することと、(2)第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定することと、(3)第3の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定することと、(4)それら第1、第2、及び第3の各三角形点を、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納することと、を含む。
【0016】
更に、別の実施形態によれば、複数の三角形を決定するステップは、iradインデックス値のある範囲でiphiインデックスを固定した状態で、iradインデックスを1だけ増加させることによって選択される複数の第1の原標本化点に対して、上記の選択ステップ、第1の決定ステップ、第2の決定ステップ、及び格納ステップを反復することと、iphiインデックス値のある範囲で上述の反復ステップを反復することと、を含む。
【0017】
別の実施形態では、均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップは、(1)均一に標本化されたサイノグラムの均一な標本化点毎に、上記複数の三角形のうちの対応する三角形を決定することと、(2)上記複数の三角形の各三角形について、その三角形の各頂点におけるデータ値(例えば事象の度数)を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、その三角形に対応する均一標本化点に対して補間データ値を生成することと、を含む。
【0018】
更に別の実施形態では、上記の方法は、均一に標本化されたサイノグラム及び補間データ値を使って再構成を実施し、PET画像を生成することを含む。
【0019】
別の実施形態では、画像を再構成するために断層法データを補間する方法は、(1)スキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られた事象データを収集することと、(2)収集した事象データから原サイノグラムを生成することと、(3)その原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、それら複数の三角形を決定するために、その原サイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定することと、(4)それら決定された複数の三角形を使って、原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定することと、を含む。
【0020】
上記方法は、後で更に詳細に説明するが、3次元空間にも拡張することができる。
【0021】
モジュール様式の多角形の環体を備えたPETシステムでは、原サイノグラムの標本化点は、完全には自由に設定できるようになっていない。ドロネー三角形分割のような方法を用いる代わりに、クリスタルインデックスに基づく直接三角形分割法が用いられる。詳細には、この方法は、隣接する標本化点を接続して水平方向に列毎に三角形を構成するものであり、その結果、図5に示す三角形が構成される。この方法は、三角形分割プロセス及びその実施態様を大幅に簡略化する。更に、このような態様で直接三角形を形成する際に、三角形の最小角度を最大化するために、標本化パターンの情報が使用される。
【0022】
次に、三角形分割補間法の一実施形態を、擬似コードに関連させて説明する。多数の環体を有する所与のPET検出器システムにおいて、2D原サイノグラム座標を、環体毎にirad及びiphiとする。これらは整数であって、irad=1,2,...,nrad、iphi=1,2,...,nphiである。nrad及びnphiは、irad及びiphiにおけるインデックスの総数である。S[irad,iphi]が、インデックスirad及びiphiを有する所与の原標本化点のs値を備えたテーブルであるとする。同様に、P[irad,iphi]が、インデックスirad及びiphiを有する所与の原標本化点のp値を備えたテーブルであるとする。更に、1つの三角形が3つの頂点(x(1),y(1)),(x(2),y(2)),及び(x(3),y(3))を有するものとする。
【0023】
一実施形態では、三角形を生成するのに、Radに関する2つの内側ループ及びPhiに関する1つの外側ループを有する下記の擬似コードが使用される。
【0024】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi);
x(3)=S(irad+2,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi);
y(3)=P(irad+2,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
loop over Rad index:irad=1 to nrad-3 in step of 2
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+2,iphi);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+2,iphi);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad+2,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+3,iphi+1);
y(1)=P(irad+2,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+3,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0025】
iphi=1(角度が0°付近)又はiphi=nphi(角度が180°付近)であるPhiの境界では、三角形は、iphi=1とiphi=nphiがまるで相互に隣同士であるかのように形成される。このような終了条件が適用されるが、図示は簡略化のため省略している。
【0026】
図4は、前に示した擬似コードを用いて形成された三角形を示している。詳細には、上の2つの三角形は、第1の内側ループによって生成されており、下の2つの三角形は、第2の内側ループによって生成されている。なお、図4の底部に示す2つの三角形は、前に示した第2の内側ループの第1及び第2の各ブロックによってそれぞれ生成されている。インデックスiphiのある固定値に対し、iradインデックスが増加するのに伴って、P(irad,iphi)値が、左から右に2つの値相互間で切り換わることにも留意されたい。したがって、図4の三角形に示しているように、P(irad,iphi)=P(irad+2,iphi)である。
【0027】
例えば、図4の左下の三角形は、下記の擬似コード(前に示した第2の内側ブロック)によって生成される。
【0028】
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+2,iphi);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+2,iphi);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
詳細には、上述の擬似コードにおいてirad=ir且つiphi=jpのときに、図4の(ir,jp)なる標示が付された点によって、三角形の第1の頂点(x(1),y(1))が与えられる。更に、擬似コードによれば、第2の頂点(x(2),y(2))は、図4の(ir+2,jp)なる標示が付された点によって与えられ、第3の頂点(x(3),y(3))は、図4の(ir+1,jp+1)なる標示が付された点によって与えられる。
【0029】
更に、図4の右下の三角形は、下記の擬似コード(前に示した第3の内側ブロック)によって生成される。
【0030】
x(1)=S(irad+2,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+3,iphi+1);
y(1)=P(irad+2,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+3,iphi+1);
【0031】
詳細には、上述の擬似コードにおいてirad=ir且つiphi=jpのときに、図4の(ir+2,jp)なる標示が付された点によって、三角形の第1の頂点(x(1),y(1))が与えられる。更に、擬似コードによれば、第2の頂点(x(2),y(2))は、図4の(ir+1,jp+1)なる標示が付された点によって与えられ、第3の頂点(x(3),y(3))は、図4の(ir+3,jp+1)なる標示が付された点によって与えられる。
【0032】
図1は、前に示した擬似コードへの入力として提供される原標本化空間のほんの一部分を示している。図5は、同じ標本化空間領域に対して上記の方法を行ったときの三角形分割の結果を示している。
【0033】
図6は、前に示した擬似コードの、第1の内側ループだけを実行したときの結果を示しており、図7は、第2の内側ループだけを実行したときの結果を示している。
【0034】
下記の擬似コードを使って一部の三角形を生成する代替実施形態では、図8に示す三角形が生成される。
【0035】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad+1,iphi+1);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad+1,iphi+1);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0036】
下記の擬似コードを使って一部の三角形を生成する別の代替実施形態では、図9に示す三角形が生成される。
【0037】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0038】
なお、こうして得られた図8及び図9の三角形のいくつかは細い三角形になっているが、これはあまり望ましい結果ではない。
【0039】
3D収集では、3D原サイノグラムは、(Rad,Phi,ringCombination)なる座標を有する。関連の補間サイノグラムは、4つの次元(s,p,z,tilt)を有する。この場合、zはLORの軸方向の位置の平均であり、tiltは横断面に対するLORの軸傾斜角度である。3D LORサイノグラムのringCombinationは、補間サイノグラムにおいて、(z,tilt)と関係がある。
【0040】
本明細書で開示する三角形分割補間法の諸実施形態には、いくつもの利点がある。
【0041】
第1に、それらは、所望の標本化点の最近傍点を見つけるのに系統だったやり方を提供するものであり、それらを離散的なデータ分布に適用することができる。
【0042】
第2に、上記の方法は局所的なものであり、最近傍点だけを使って、所望の標本化点における補間値を決定する。これに対し、線形補間法は、近傍のビン内部の原標本化点全部が所望の標本化点に寄与するという点で、広域的(相対的に言えば)な方法である。局所的であるという上記の方法の性質は、活動密度の境界付近での補間結果を向上するのに役立つ。例えば、1つの極端な事例が、撮像野(field-of-view)の中心に配置された点源(小型ディスク)の2Dサイノグラムである。これは、図3に示すように、ラジアルビンの中央では均一に分布する線である。図3の上側に示す線形補間法は、ひどく不均一な分布に帰着しているが、三角形分割補間は、図3の下側に示すように、遥かに上質の結果を与えている。
【0043】
第3に、開示の三角形分割法の実施形態を実現したものは単純明快であって、実現するのが容易であり、望ましい成果をもたらす。
【0044】
図10A〜10Dは、一実施形態に従ってPET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法の諸々のステップを示している。
【0045】
図10Aは、本実施形態の方法を総合的に示している。
【0046】
ステップ201において、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データが入手される。PET事象データは、以前にPETスキャンに引き続いてメモリに格納されており、そのメモリから取り出されることになる。事象データは、関連出願第12/571,562号で説明しているように、リストモードの再構成に適したリストに編成することができる。この出願の内容は、本明細書で参照することにより援用されている。
【0047】
ステップ202において、収集したPET事象データから、原同時計数線(Line-Of-Response:LOR)サイノグラムが生成される。前に論じたように、2次元の場合、原LORサイノグラムを生成するステップは、原LORサイノグラム内の各原標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルS[irad,iphi]を決定することと、原LORサイノグラム内の各原標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルP[irad,iphi]を決定することと、を含む。原標本化点の動径値及び角度値は、一対のインデックス(irad,iphi)を使って、第1及び第2の各テーブルから得られる。
【0048】
ステップ203において、図10B〜10Dに示すような種々の方法を使って、複数の三角形が原標本化点から生成される。
【0049】
ステップ208において、それら決定された複数の三角形を使って、均一に標本化されたサイノグラムが、原LORサイノグラムから決定される。詳細には、ステップ208は、均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、上記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択することと、上記複数の三角形のうちのかかる三角形毎に、その三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、その三角形に対応する均一標本化点に対して補間データ値を生成することと、を含む。
【0050】
ステップ209において、PET画像を生成するために、均一に標本化されたサイノグラム及び補間データ値を使って、再構成が実施される。
【0051】
図10Bは、上記複数の三角形を生成する方法を示している。
【0052】
ステップ301において、第1及び第2の各テーブルの大きさに基づいて、パラメータnphi及びnradが初期化される。インデックスiphiも1に初期化される。
【0053】
ステップ302において、第1の方法、即ち前述の第1の内側ループを使って三角形群が生成され、格納される。図10Cを参照のこと。
【0054】
ステップ303において、第2の方法、即ち前述の第2の内側ループを使って別の三角形群が生成され、格納される。図10Dを参照のこと。
【0055】
ステップ304において、iphi=nphi−1の場合には三角形を生成するプロセスが終了するが、通常は、本方法はステップ305に進む。そこでiphiインデックスは1だけインクリメントされ、本プロセスは再度ステップ302に進む。
【0056】
図10Cは、前に示した擬似コードの第1の内側ループに従って三角形を生成する第1の方法を示している。
【0057】
ステップ401において、iradインデックスは1に初期化される。
【0058】
ステップ402において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0059】
ステップ403において、第2の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0060】
ステップ404において、第3の三角形点が、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0061】
ステップ405において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0062】
ステップ406において、iradがnrad−2に等しければ、本プロセスは終了する。さもなければ、ステップ407でiradインデックスが1だけインクリメントされ、本プロセスは、再びステップ402に進む。
【0063】
図10Dは、前に示した擬似コードの第2の内側ループに従って三角形を生成する第2の方法を示している。
【0064】
ステップ501において、iradインデックスは1に初期化される。
【0065】
ステップ502において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0066】
ステップ503において、第2の三角形点が、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0067】
ステップ504において、第3の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0068】
ステップ505において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0069】
ステップ506において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0070】
ステップ507において、第2の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0071】
ステップ508において、第3の三角形点が、インデックス(irad+3,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0072】
ステップ509において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0073】
ステップ510において、iradがnrad−3以上であれば、本プロセスは終了する。さもなければ、ステップ511でiradインデックスが2だけインクリメントされ、本プロセスは、再びステップ502に進む。
【0074】
図11は、本実施形態に従ってガンマ線又はPET事象情報を得るのに使用することが可能なガンマ線検出システムの模式図である。図11において、ライトガイド130の上に光電子増倍管135及び140が配置され、ライトガイド130の下に第1のシンチレーション結晶のアレイ105が配置されている。また、第2のシンチレーション結晶のアレイ125が、シンチレーション結晶105に対向して配設されており、その上にライトガイド115と光電子増倍管195及び110が配置されている。光電子増倍管、ライトガイド、及びシンチレーション結晶で検出器モジュールを形成することも可能であり、同図のガンマ線検出システムは、環体に内設された複数の検出器モジュールを具備している。
【0075】
図11において、被検体(図示省略)からガンマ線が放出される際に、それらのガンマ線は、相互に約180°離れて、逆方向に移動する。シンチレーション結晶100及び120で同時にガンマ線検出が行われており、それらのガンマ線が所定の制限時間内にシンチレーション結晶100及び120で検出されたときに、シンチレーション事象が決定される。したがって、ガンマ線のタイミングを検出するシステムは、シンチレーション結晶100及び120で同時にガンマ線を検出する。但し、もっぱら簡略化のために、ガンマ線検出は、シンチレーション結晶100に関連させて説明している。しかしながら、本明細書でなされているシンチレーション結晶100についての説明は、シンチレーション結晶120でのガンマ線検出にも等しく適用できるのであり、当業者であれば、このことに気付くであろう。
【0076】
各光電子増倍管110、135、140、及び195はそれぞれ、データ収集ユニット150に接続されている。データ収集ユニットは、光電子増倍管からの信号を処理するように構成されたハードウェアを具備している。データ収集ユニット150は、ガンマ線の到達時間を測定する。システムクロック(図示省略)に対する判別パルスの時間をコード化するデータ収集ユニット150は、2つの出力(1つは光電子増倍管135/140を組み合わせたものであり、1つは光電子増倍管110/195を組み合わせたものである)を生成する。飛行時間PETシステム用に、データ収集ユニット150は、典型的には15〜25psの精度で時間スタンプを生成する。データ収集ユニットは、各PMTの信号(データ収集ユニット150からの4つの出力)の振幅を測定する。
【0077】
データ収集ユニット150の出力は、CPU(Central Processing Unit)170に提供され、そこで処理される。その処理は、データ収集ユニット出力からエネルギー及び位置を推定するとともに、事象毎に時間スタンプ出力から到達時間を推定することから成っており、以前の校正に基づいて多くの補正ステップを適用し、エネルギー、位置、及び時間の推定精度を向上することを含む場合もある。当業者であれば気付くように、CPU170は、個別論理ゲート、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、又は他のコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)として実現することができる。FPGA又はCPLDの実施態様は、VHDL、Verilog、又は他の任意のハードウェア記述言語でコード化することができ、そのコードは、そのFPGA若しくはCPLD内部に直接搭載されている電子メモリ又は独立した電子メモリとしての電子メモリに格納することができる。更に、電子メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、又はフラッシュメモリといった不揮発性とすることができる。電子メモリは更に、スタティックRAM(Random Access Memory)又はダイナミックRAMといった揮発性とすることも可能であり、電子メモリの管理並びにFPGA又はCPLDと電子メモリとの間の相互作用の管理を行うために、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサといったプロセッサを設けてもよい。
【0078】
或いは、CPU170は、本明細書に記載の機能を実施する一組のコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムであって、前述の非一時的電子メモリ及び/又はハードディスクドライブ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュドライブ、若しくは他の任意の公知の記憶媒体のうちのいずれかに格納されているプログラムを実行してもよい。更に、コンピュータ可読命令は、米国インテル社によるXeon(登録商標)プロセッサ又は米国AMD社によるOpteron(登録商標)プロセッサといったプロセッサ、並びにMicrosoftVISTA(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、Apple(登録商標)、MAC−OS(登録商標)、及び当業者に公知の他のオペレーティングシステムといったオペレーティングシステムと一緒に作動する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、若しくはオペレーティングシステムの構成要素、又はそれらの組み合わせとして提供することができる。
【0079】
ひとたびCPU170によって処理されれば、その処理済みの信号は、電子的記憶部180に格納され、且つ/又はディスプレイ145に表示される。当業者であれば気付くように、電子的記憶部180は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、又は当該技術分野で公知の他の任意の電子的記憶部とすることができる。ディスプレイ145は、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED(Organic Light Emitted Diode)、LED(Light Emitted Diode)、又は当該技術分野で公知の他の任意のディスプレイとして実現することができる。したがって、本明細書でなされた電子的記憶部180及びディスプレイ145の説明は、単なる例示に過ぎず、決して本進歩的技術の範囲を限定するものではない。
【0080】
図11は更に、インターフェース175も具備しており、ガンマ線検出システムは、これを介して他の外部装置及び/又はユーザとのやりとりを行う。例えば、インターフェース175は、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)インターフェース、イーサネット(登録商標)インターフェース、又は当該技術分野で公知の他の任意のインターフェースとすることができる。インターフェース175は更に、有線式又は無線式とすることも可能であり、キーボード及び/若しくはマウス又はユーザと対話するための当該技術分野で公知の他のヒューマンインターフェースを含んでいても構わない。
【0081】
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、単に例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。実際に、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、他の様々な形態で具現化することができる。しかも、本発明の精神から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの形態に種々の省略、交換、及び改変を行うことが可能である。添付の請求項及びそれらの均等物は、本発明の範囲及び精神に属する形態又は変更例を対象として含むものと意図されている。
【符号の説明】
【0082】
100、120 シンチレーション結晶
105、125 シンチレーション結晶のアレイ
110、135、140、195 光電子増倍管
115、130 ライトガイド
145 ディスプレイ
150 データ収集ユニット
170 CPU
175 インターフェース
180 電子的記憶部
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、全般的に、収集した検出器情報を素材とする画像を、三角形分割補間法を用いて再構成するガンマ線スキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)の用途は、画像診断の分野で広がっている。PETイメージングでは、注射、吸入、又は経口摂取によって、画像形成すべき被検体に放射性医薬品を導入する。放射性医薬品は、投与後、その物理的性質及び分子生物学的性質により、人体内の特定の部位に集中する。薬品の実際の空間分布、蓄積領域における薬品の濃さ、及び投与から最終的な排出に至るプロセスの動態はどれも、臨床的に重要な意味を持つ可能性のある要素である。このプロセスの間に、放射性医薬品に付着させた1つのポジトロン放出体は、半減期、分岐比といった同位体の物理的性質に従ってポジトロンを放出する。
【0003】
放射性核種はポジトロンを放出する。1つの放出ポジトロンが1つの電子と衝突すると、1つの消滅現象が起こり、それらポジトロン及び電子は崩壊する。ほとんどの場合、1つの消滅現象によって、実質的に180度離れて進行する2つの511keVガンマ線が発生する。
【0004】
それら2つのガンマ線を検出し、検出部位同士を結ぶ線、即ち同時計数線(Line-Of-Response:LOR)を引くことによって、蓋然性の高い元の分解部位を探し出すことができる。このプロセスは、相互作用が起こっている可能性のある線を単に識別するだけのことであるが、それらの線を数多く蓄積すれば、断層を再構成するプロセスを用いることによって、元の分布を推定することができる。上記2つのシンチレーション事象の部位の他に正確なタイミング(数百ピコ秒以内)も利用可能であれば、飛行時間(Time-Of-Flight:TOF)の計算により、それらの事象が生じた蓋然性の高い、上記の線に沿ったその位置に関する更なる情報を加えることができる。事象を数多く集めれば、そこから、断層の再構成によって被検体の画像を推定するのに必要な情報が生まれる。対応する検出器エレメントで検出された実質的に同時に起こっている2つの事象は、同時計数線を形成する。この同時計数線を幾何学的属性に従ってヒストグラム化して、再構成すべき投影、即ちサイノグラムを形成することができる。
【0005】
PET画像再構成では、フィルター逆投影法(Filtered Back-Projection:FBP)、3D再投影法(Re-Projection:RP)、及びフーリエリビニング法(Fourier Re-binning:FORE)による再構成アルゴリズムを使用する目的で、不均一に標本化された原LORサイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを得るために、補間法が使用される場合がある。通常、かかる多次元補間は、均一に標本化された矩形格子点の値に基づいて実施される。しかしながら、多角形の検出器モジュールが環体に内設されたPETシステムでは、原LORサイノグラムの標本化点は、図1に示すように、矩形の格子上にあるのではなく、ひし形の標本化格子上にある。これらひし形の標本化格子は、離散的な標本化点と考えることができる。
【0006】
一部の用途で離散的なデータ用に用いられてきた補間法は、いわゆる線形三角形分割補間法(2D)である。これは、3Dにおける線形四面体法として知られている。線形三角形分割補間法では、まず、離散的な標本化点から2D三角形が形成される。例えばドロネー三角形分割では、所与の点の集合であるボロノイ図で、隣接する全ての点を接続することによって三角形が形成される。ひとたび全ての三角形が決定されれば、均一に標本化されたサイノグラムの各標本化点は、特定の三角形の内部(又はその辺上)に位置することになる。更に、その次に、重心座標を用いた補間方法を使ってその三角形上に線形表面を適合させることによって、新たな標本化における値が決定される。図2に、補間サイノグラムを得るための均一に標本化された格子を示しているが、これは、再構成プロセスの必要性に基づいて決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Isaac Amidror, "Scattered data interpolation methods for electronic imaging systems: a survey", Journal of Electronics Imaging, April 2002, Vol.11, No.2, pp.157-176.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、原LORサイノグラムを補間する際に見られる難点の例として、(1)所望の標本化点の最近傍点を決定することが、それらが矩形の格子上に存在していないために困難であること、及び(2)不規則に分布する標本化点を処理するのに系統だった方法が存在しないこと、が挙げられる。
【0009】
更に、線形三角形分割補間を実現することは、非自明な作業である。例えば、三角形を形成する際に、どの原標本化点も、他の三角形の内部に存在することができない。不規則で離散的なデータの三角形分割は一義的ではないため、最大の最小角度を有する三角形を生成する最適の三角形分割方法を見出すことが望まれる。更に、標本化データ点の三角形分割は、各変数に使用されるユニットの影響を受け易い。最適の三角形分割法であるドロネーの方法でさえ、場合によっては、異なる三角形分割のセットを生成することがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係るPETデータ処理方法は、PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理方法であって、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、を含む。
【0011】
付属図面と併せて考察すれば、以下の詳細な説明を参照することによって本発明の理解が深まるため、本発明及びそれに付随する諸利点の多くをより完全に理解することが容易であろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、矩形の格子上ではなく、ひし形の標本化格子上に存在する標本化点を有する、原LORサイノグラムを示す図である。
【図2】図2は、補間サイノグラムを得るための均一に標本化された格子を示す図である。
【図3】図3は、中央ラジアルビンで均一に分布する、撮像野の中心に配置された点源(小型ディスク)の2Dサイノグラムについて、線形補間と三角形分割補間とを比較した図である。
【図4】図4は、本明細書に記載の一実施形態に従って形成された三角形の実例を示す図である。
【図5】図5は、本明細書に記載の一実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図6】図6は、本明細書に記載した一実施形態のあるコンポーネントを用いて形成した三角形を示す図である。
【図7】図7は、本明細書に記載した一実施形態の別のコンポーネントを用いて形成した三角形を示す図である。
【図8】図8は、本明細書に記載の代替実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図9】図9は、本明細書に記載の別の代替実施形態に従って図1に示すサイノグラムから三角形分割を行った結果を示す図である。
【図10A】図10Aは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10B】図10Bは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10C】図10Cは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図10D】図10Dは、本明細書に記載した一実施形態に係る方法のステップを示す図である。
【図11】図11は、本明細書に記載の実施形態に従ってPET事象情報を得るのに使用することが可能なガンマ線検出システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施形態では、PET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法は、(1)PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、(2)収集したPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、(3)その原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、(4)それら決定された複数の三角形を使って、原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、を含む。
【0014】
別の実施形態では、原サイノグラムを生成するステップは、原サイノグラム内の各標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルを決定することと、原サイノグラム内の各標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルを決定することと、を含み、複数の三角形を決定する上記ステップは、それら複数の三角形を決定するために、原サイノグラム内で、隣接する標本化点を水平方向に列毎に接続することを含む。
【0015】
別の実施形態では、原サイノグラムを生成するステップは、(1)原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択することと、(2)第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定することと、(3)第3の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定することと、(4)それら第1、第2、及び第3の各三角形点を、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納することと、を含む。
【0016】
更に、別の実施形態によれば、複数の三角形を決定するステップは、iradインデックス値のある範囲でiphiインデックスを固定した状態で、iradインデックスを1だけ増加させることによって選択される複数の第1の原標本化点に対して、上記の選択ステップ、第1の決定ステップ、第2の決定ステップ、及び格納ステップを反復することと、iphiインデックス値のある範囲で上述の反復ステップを反復することと、を含む。
【0017】
別の実施形態では、均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップは、(1)均一に標本化されたサイノグラムの均一な標本化点毎に、上記複数の三角形のうちの対応する三角形を決定することと、(2)上記複数の三角形の各三角形について、その三角形の各頂点におけるデータ値(例えば事象の度数)を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、その三角形に対応する均一標本化点に対して補間データ値を生成することと、を含む。
【0018】
更に別の実施形態では、上記の方法は、均一に標本化されたサイノグラム及び補間データ値を使って再構成を実施し、PET画像を生成することを含む。
【0019】
別の実施形態では、画像を再構成するために断層法データを補間する方法は、(1)スキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られた事象データを収集することと、(2)収集した事象データから原サイノグラムを生成することと、(3)その原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、それら複数の三角形を決定するために、その原サイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定することと、(4)それら決定された複数の三角形を使って、原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定することと、を含む。
【0020】
上記方法は、後で更に詳細に説明するが、3次元空間にも拡張することができる。
【0021】
モジュール様式の多角形の環体を備えたPETシステムでは、原サイノグラムの標本化点は、完全には自由に設定できるようになっていない。ドロネー三角形分割のような方法を用いる代わりに、クリスタルインデックスに基づく直接三角形分割法が用いられる。詳細には、この方法は、隣接する標本化点を接続して水平方向に列毎に三角形を構成するものであり、その結果、図5に示す三角形が構成される。この方法は、三角形分割プロセス及びその実施態様を大幅に簡略化する。更に、このような態様で直接三角形を形成する際に、三角形の最小角度を最大化するために、標本化パターンの情報が使用される。
【0022】
次に、三角形分割補間法の一実施形態を、擬似コードに関連させて説明する。多数の環体を有する所与のPET検出器システムにおいて、2D原サイノグラム座標を、環体毎にirad及びiphiとする。これらは整数であって、irad=1,2,...,nrad、iphi=1,2,...,nphiである。nrad及びnphiは、irad及びiphiにおけるインデックスの総数である。S[irad,iphi]が、インデックスirad及びiphiを有する所与の原標本化点のs値を備えたテーブルであるとする。同様に、P[irad,iphi]が、インデックスirad及びiphiを有する所与の原標本化点のp値を備えたテーブルであるとする。更に、1つの三角形が3つの頂点(x(1),y(1)),(x(2),y(2)),及び(x(3),y(3))を有するものとする。
【0023】
一実施形態では、三角形を生成するのに、Radに関する2つの内側ループ及びPhiに関する1つの外側ループを有する下記の擬似コードが使用される。
【0024】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi);
x(3)=S(irad+2,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi);
y(3)=P(irad+2,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
loop over Rad index:irad=1 to nrad-3 in step of 2
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+2,iphi);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+2,iphi);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad+2,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+3,iphi+1);
y(1)=P(irad+2,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+3,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0025】
iphi=1(角度が0°付近)又はiphi=nphi(角度が180°付近)であるPhiの境界では、三角形は、iphi=1とiphi=nphiがまるで相互に隣同士であるかのように形成される。このような終了条件が適用されるが、図示は簡略化のため省略している。
【0026】
図4は、前に示した擬似コードを用いて形成された三角形を示している。詳細には、上の2つの三角形は、第1の内側ループによって生成されており、下の2つの三角形は、第2の内側ループによって生成されている。なお、図4の底部に示す2つの三角形は、前に示した第2の内側ループの第1及び第2の各ブロックによってそれぞれ生成されている。インデックスiphiのある固定値に対し、iradインデックスが増加するのに伴って、P(irad,iphi)値が、左から右に2つの値相互間で切り換わることにも留意されたい。したがって、図4の三角形に示しているように、P(irad,iphi)=P(irad+2,iphi)である。
【0027】
例えば、図4の左下の三角形は、下記の擬似コード(前に示した第2の内側ブロック)によって生成される。
【0028】
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+2,iphi);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+2,iphi);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
詳細には、上述の擬似コードにおいてirad=ir且つiphi=jpのときに、図4の(ir,jp)なる標示が付された点によって、三角形の第1の頂点(x(1),y(1))が与えられる。更に、擬似コードによれば、第2の頂点(x(2),y(2))は、図4の(ir+2,jp)なる標示が付された点によって与えられ、第3の頂点(x(3),y(3))は、図4の(ir+1,jp+1)なる標示が付された点によって与えられる。
【0029】
更に、図4の右下の三角形は、下記の擬似コード(前に示した第3の内側ブロック)によって生成される。
【0030】
x(1)=S(irad+2,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+3,iphi+1);
y(1)=P(irad+2,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+3,iphi+1);
【0031】
詳細には、上述の擬似コードにおいてirad=ir且つiphi=jpのときに、図4の(ir+2,jp)なる標示が付された点によって、三角形の第1の頂点(x(1),y(1))が与えられる。更に、擬似コードによれば、第2の頂点(x(2),y(2))は、図4の(ir+1,jp+1)なる標示が付された点によって与えられ、第3の頂点(x(3),y(3))は、図4の(ir+3,jp+1)なる標示が付された点によって与えられる。
【0032】
図1は、前に示した擬似コードへの入力として提供される原標本化空間のほんの一部分を示している。図5は、同じ標本化空間領域に対して上記の方法を行ったときの三角形分割の結果を示している。
【0033】
図6は、前に示した擬似コードの、第1の内側ループだけを実行したときの結果を示しており、図7は、第2の内側ループだけを実行したときの結果を示している。
【0034】
下記の擬似コードを使って一部の三角形を生成する代替実施形態では、図8に示す三角形が生成される。
【0035】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad+1,iphi+1);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad+1,iphi+1);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0036】
下記の擬似コードを使って一部の三角形を生成する別の代替実施形態では、図9に示す三角形が生成される。
【0037】
jT=0;
loop over Phi index:iphi=1 to nphi-1 in step of 1
loop over Rad index:irad=1 to nrad-2 in step of 1
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi+1);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi+1);
saveTriangle(jT);
jT++;
x(1)=S(irad,iphi);
x(2)=S(irad+1,iphi+1);
x(3)=S(irad+1,iphi);
y(1)=P(irad,iphi);
y(2)=P(irad+1,iphi+1);
y(3)=P(irad+1,iphi);
saveTriangle(jT);
jT++;
end loop
end loop
【0038】
なお、こうして得られた図8及び図9の三角形のいくつかは細い三角形になっているが、これはあまり望ましい結果ではない。
【0039】
3D収集では、3D原サイノグラムは、(Rad,Phi,ringCombination)なる座標を有する。関連の補間サイノグラムは、4つの次元(s,p,z,tilt)を有する。この場合、zはLORの軸方向の位置の平均であり、tiltは横断面に対するLORの軸傾斜角度である。3D LORサイノグラムのringCombinationは、補間サイノグラムにおいて、(z,tilt)と関係がある。
【0040】
本明細書で開示する三角形分割補間法の諸実施形態には、いくつもの利点がある。
【0041】
第1に、それらは、所望の標本化点の最近傍点を見つけるのに系統だったやり方を提供するものであり、それらを離散的なデータ分布に適用することができる。
【0042】
第2に、上記の方法は局所的なものであり、最近傍点だけを使って、所望の標本化点における補間値を決定する。これに対し、線形補間法は、近傍のビン内部の原標本化点全部が所望の標本化点に寄与するという点で、広域的(相対的に言えば)な方法である。局所的であるという上記の方法の性質は、活動密度の境界付近での補間結果を向上するのに役立つ。例えば、1つの極端な事例が、撮像野(field-of-view)の中心に配置された点源(小型ディスク)の2Dサイノグラムである。これは、図3に示すように、ラジアルビンの中央では均一に分布する線である。図3の上側に示す線形補間法は、ひどく不均一な分布に帰着しているが、三角形分割補間は、図3の下側に示すように、遥かに上質の結果を与えている。
【0043】
第3に、開示の三角形分割法の実施形態を実現したものは単純明快であって、実現するのが容易であり、望ましい成果をもたらす。
【0044】
図10A〜10Dは、一実施形態に従ってPET画像を再構成するためにPETデータを補間する方法の諸々のステップを示している。
【0045】
図10Aは、本実施形態の方法を総合的に示している。
【0046】
ステップ201において、PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データが入手される。PET事象データは、以前にPETスキャンに引き続いてメモリに格納されており、そのメモリから取り出されることになる。事象データは、関連出願第12/571,562号で説明しているように、リストモードの再構成に適したリストに編成することができる。この出願の内容は、本明細書で参照することにより援用されている。
【0047】
ステップ202において、収集したPET事象データから、原同時計数線(Line-Of-Response:LOR)サイノグラムが生成される。前に論じたように、2次元の場合、原LORサイノグラムを生成するステップは、原LORサイノグラム内の各原標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルS[irad,iphi]を決定することと、原LORサイノグラム内の各原標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルP[irad,iphi]を決定することと、を含む。原標本化点の動径値及び角度値は、一対のインデックス(irad,iphi)を使って、第1及び第2の各テーブルから得られる。
【0048】
ステップ203において、図10B〜10Dに示すような種々の方法を使って、複数の三角形が原標本化点から生成される。
【0049】
ステップ208において、それら決定された複数の三角形を使って、均一に標本化されたサイノグラムが、原LORサイノグラムから決定される。詳細には、ステップ208は、均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、上記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択することと、上記複数の三角形のうちのかかる三角形毎に、その三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、その三角形に対応する均一標本化点に対して補間データ値を生成することと、を含む。
【0050】
ステップ209において、PET画像を生成するために、均一に標本化されたサイノグラム及び補間データ値を使って、再構成が実施される。
【0051】
図10Bは、上記複数の三角形を生成する方法を示している。
【0052】
ステップ301において、第1及び第2の各テーブルの大きさに基づいて、パラメータnphi及びnradが初期化される。インデックスiphiも1に初期化される。
【0053】
ステップ302において、第1の方法、即ち前述の第1の内側ループを使って三角形群が生成され、格納される。図10Cを参照のこと。
【0054】
ステップ303において、第2の方法、即ち前述の第2の内側ループを使って別の三角形群が生成され、格納される。図10Dを参照のこと。
【0055】
ステップ304において、iphi=nphi−1の場合には三角形を生成するプロセスが終了するが、通常は、本方法はステップ305に進む。そこでiphiインデックスは1だけインクリメントされ、本プロセスは再度ステップ302に進む。
【0056】
図10Cは、前に示した擬似コードの第1の内側ループに従って三角形を生成する第1の方法を示している。
【0057】
ステップ401において、iradインデックスは1に初期化される。
【0058】
ステップ402において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0059】
ステップ403において、第2の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0060】
ステップ404において、第3の三角形点が、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0061】
ステップ405において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0062】
ステップ406において、iradがnrad−2に等しければ、本プロセスは終了する。さもなければ、ステップ407でiradインデックスが1だけインクリメントされ、本プロセスは、再びステップ402に進む。
【0063】
図10Dは、前に示した擬似コードの第2の内側ループに従って三角形を生成する第2の方法を示している。
【0064】
ステップ501において、iradインデックスは1に初期化される。
【0065】
ステップ502において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0066】
ステップ503において、第2の三角形点が、インデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0067】
ステップ504において、第3の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0068】
ステップ505において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0069】
ステップ506において、原LORサイノグラム内の第1の原標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad+2,iphi)を使って第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の原標本化点が、第1の三角形点として選択される。
【0070】
ステップ507において、第2の三角形点が、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0071】
ステップ508において、第3の三角形点が、インデックス(irad+3,iphi+1)を使って第1及び第2の各テーブルから得られる原標本化点に決定される。
【0072】
ステップ509において、それら第1、第2、及び第3の各三角形点が、上記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点としてメモリに格納される。
【0073】
ステップ510において、iradがnrad−3以上であれば、本プロセスは終了する。さもなければ、ステップ511でiradインデックスが2だけインクリメントされ、本プロセスは、再びステップ502に進む。
【0074】
図11は、本実施形態に従ってガンマ線又はPET事象情報を得るのに使用することが可能なガンマ線検出システムの模式図である。図11において、ライトガイド130の上に光電子増倍管135及び140が配置され、ライトガイド130の下に第1のシンチレーション結晶のアレイ105が配置されている。また、第2のシンチレーション結晶のアレイ125が、シンチレーション結晶105に対向して配設されており、その上にライトガイド115と光電子増倍管195及び110が配置されている。光電子増倍管、ライトガイド、及びシンチレーション結晶で検出器モジュールを形成することも可能であり、同図のガンマ線検出システムは、環体に内設された複数の検出器モジュールを具備している。
【0075】
図11において、被検体(図示省略)からガンマ線が放出される際に、それらのガンマ線は、相互に約180°離れて、逆方向に移動する。シンチレーション結晶100及び120で同時にガンマ線検出が行われており、それらのガンマ線が所定の制限時間内にシンチレーション結晶100及び120で検出されたときに、シンチレーション事象が決定される。したがって、ガンマ線のタイミングを検出するシステムは、シンチレーション結晶100及び120で同時にガンマ線を検出する。但し、もっぱら簡略化のために、ガンマ線検出は、シンチレーション結晶100に関連させて説明している。しかしながら、本明細書でなされているシンチレーション結晶100についての説明は、シンチレーション結晶120でのガンマ線検出にも等しく適用できるのであり、当業者であれば、このことに気付くであろう。
【0076】
各光電子増倍管110、135、140、及び195はそれぞれ、データ収集ユニット150に接続されている。データ収集ユニットは、光電子増倍管からの信号を処理するように構成されたハードウェアを具備している。データ収集ユニット150は、ガンマ線の到達時間を測定する。システムクロック(図示省略)に対する判別パルスの時間をコード化するデータ収集ユニット150は、2つの出力(1つは光電子増倍管135/140を組み合わせたものであり、1つは光電子増倍管110/195を組み合わせたものである)を生成する。飛行時間PETシステム用に、データ収集ユニット150は、典型的には15〜25psの精度で時間スタンプを生成する。データ収集ユニットは、各PMTの信号(データ収集ユニット150からの4つの出力)の振幅を測定する。
【0077】
データ収集ユニット150の出力は、CPU(Central Processing Unit)170に提供され、そこで処理される。その処理は、データ収集ユニット出力からエネルギー及び位置を推定するとともに、事象毎に時間スタンプ出力から到達時間を推定することから成っており、以前の校正に基づいて多くの補正ステップを適用し、エネルギー、位置、及び時間の推定精度を向上することを含む場合もある。当業者であれば気付くように、CPU170は、個別論理ゲート、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、又は他のコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)として実現することができる。FPGA又はCPLDの実施態様は、VHDL、Verilog、又は他の任意のハードウェア記述言語でコード化することができ、そのコードは、そのFPGA若しくはCPLD内部に直接搭載されている電子メモリ又は独立した電子メモリとしての電子メモリに格納することができる。更に、電子メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、又はフラッシュメモリといった不揮発性とすることができる。電子メモリは更に、スタティックRAM(Random Access Memory)又はダイナミックRAMといった揮発性とすることも可能であり、電子メモリの管理並びにFPGA又はCPLDと電子メモリとの間の相互作用の管理を行うために、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサといったプロセッサを設けてもよい。
【0078】
或いは、CPU170は、本明細書に記載の機能を実施する一組のコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムであって、前述の非一時的電子メモリ及び/又はハードディスクドライブ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュドライブ、若しくは他の任意の公知の記憶媒体のうちのいずれかに格納されているプログラムを実行してもよい。更に、コンピュータ可読命令は、米国インテル社によるXeon(登録商標)プロセッサ又は米国AMD社によるOpteron(登録商標)プロセッサといったプロセッサ、並びにMicrosoftVISTA(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、Apple(登録商標)、MAC−OS(登録商標)、及び当業者に公知の他のオペレーティングシステムといったオペレーティングシステムと一緒に作動する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、若しくはオペレーティングシステムの構成要素、又はそれらの組み合わせとして提供することができる。
【0079】
ひとたびCPU170によって処理されれば、その処理済みの信号は、電子的記憶部180に格納され、且つ/又はディスプレイ145に表示される。当業者であれば気付くように、電子的記憶部180は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、又は当該技術分野で公知の他の任意の電子的記憶部とすることができる。ディスプレイ145は、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED(Organic Light Emitted Diode)、LED(Light Emitted Diode)、又は当該技術分野で公知の他の任意のディスプレイとして実現することができる。したがって、本明細書でなされた電子的記憶部180及びディスプレイ145の説明は、単なる例示に過ぎず、決して本進歩的技術の範囲を限定するものではない。
【0080】
図11は更に、インターフェース175も具備しており、ガンマ線検出システムは、これを介して他の外部装置及び/又はユーザとのやりとりを行う。例えば、インターフェース175は、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)インターフェース、イーサネット(登録商標)インターフェース、又は当該技術分野で公知の他の任意のインターフェースとすることができる。インターフェース175は更に、有線式又は無線式とすることも可能であり、キーボード及び/若しくはマウス又はユーザと対話するための当該技術分野で公知の他のヒューマンインターフェースを含んでいても構わない。
【0081】
特定の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は、単に例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。実際に、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、他の様々な形態で具現化することができる。しかも、本発明の精神から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの形態に種々の省略、交換、及び改変を行うことが可能である。添付の請求項及びそれらの均等物は、本発明の範囲及び精神に属する形態又は変更例を対象として含むものと意図されている。
【符号の説明】
【0082】
100、120 シンチレーション結晶
105、125 シンチレーション結晶のアレイ
110、135、140、195 光電子増倍管
115、130 ライトガイド
145 ディスプレイ
150 データ収集ユニット
170 CPU
175 インターフェース
180 電子的記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理方法であって、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、
前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、
を含む、PETデータ処理方法。
【請求項2】
前記原サイノグラムを生成するステップが、
前記原サイノグラム内の各標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルを決定するステップと、
前記原サイノグラム内の各標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルを決定するステップと、を含み、
前記複数の三角形を決定するステップが、前記原サイノグラム内で、隣接する標本化点を水平方向に列毎に接続して前記複数の三角形を決定することを含む、
請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項3】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択する選択ステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定する第1の決定ステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定する第2の決定ステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納する格納ステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項4】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択するステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納するステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項5】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択するステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+3,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納するステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項6】
前記複数の三角形を決定するステップが、
iradインデックス値のある範囲でiphiインデックスを固定した状態で、iradインデックスを1だけ増加させることによって選択される複数の第1の標本化点に対して、前記選択ステップ、前記第1の決定ステップ、前記第2の決定ステップ、及び前記格納ステップを反復するステップと、
iphiインデックス値のある範囲で前記反復ステップを反復するステップと、
を含む、請求項3に記載のPETデータ処理方法。
【請求項7】
均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップが、
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択するステップと、
前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成するステップと、
を含む、請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項8】
前記PET画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施するステップをさらに含む、請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項9】
PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理装置であって、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを格納する記憶手段と、
前記格納されたPET事象データから原サイノグラムを生成する生成手段と、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定する第1の決定手段と、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定する第2の決定手段と、
を備える、PETデータ処理装置。
【請求項10】
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択し、前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成する補間手段をさらに備える、請求項9に記載のPETデータ処理装置。
【請求項11】
前記PET画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施する再構成手段をさらに備える、請求項9に記載のPETデータ処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集する手順と、
前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成する手順と、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定する手順と、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定する手順と、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
均一に標本化されたサイノグラムを決定する手順が、
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択する手順と、
前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成する手順と、
を含む、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記プログラムが、前記画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施する手順を前記コンピュータにさらに実行させる、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
画像再構成のための断層データを補間するデータ処理方法であって、
スキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られた事象データを収集するステップと、
前記収集された事象データから原サイノグラムを生成するステップと、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、前記複数の三角形を決定するために、前記原サイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定するステップと、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、
を含む、データ処理方法。
【請求項1】
PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理方法であって、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集するステップと、
前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成するステップと、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定するステップと、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、
を含む、PETデータ処理方法。
【請求項2】
前記原サイノグラムを生成するステップが、
前記原サイノグラム内の各標本化点に対する動径値を格納した第1のテーブルを決定するステップと、
前記原サイノグラム内の各標本化点に対する角度値を格納した第2のテーブルを決定するステップと、を含み、
前記複数の三角形を決定するステップが、前記原サイノグラム内で、隣接する標本化点を水平方向に列毎に接続して前記複数の三角形を決定することを含む、
請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項3】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択する選択ステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定する第1の決定ステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定する第2の決定ステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納する格納ステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項4】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択するステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納するステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項5】
前記複数の三角形を決定するステップが、
前記原サイノグラム内の第1の標本化点であって、動径値及び角度値が、一対のインデックス(irad+2,iphi)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られたものである第1の標本化点を、第1の三角形点として選択するステップと、
第2の三角形点を、インデックス(irad+1,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
第3の三角形点を、インデックス(irad+3,iphi+1)を使って前記第1及び第2の各テーブルから得られる標本化点に決定するステップと、
前記第1、第2、及び第3の各三角形点を、前記複数の三角形のうちのある三角形の各頂点として格納するステップと、
を含む、請求項2に記載のPETデータ処理方法。
【請求項6】
前記複数の三角形を決定するステップが、
iradインデックス値のある範囲でiphiインデックスを固定した状態で、iradインデックスを1だけ増加させることによって選択される複数の第1の標本化点に対して、前記選択ステップ、前記第1の決定ステップ、前記第2の決定ステップ、及び前記格納ステップを反復するステップと、
iphiインデックス値のある範囲で前記反復ステップを反復するステップと、
を含む、請求項3に記載のPETデータ処理方法。
【請求項7】
均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップが、
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択するステップと、
前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成するステップと、
を含む、請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項8】
前記PET画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施するステップをさらに含む、請求項1に記載のPETデータ処理方法。
【請求項9】
PET画像を再構成するためにPETデータを補間するPETデータ処理装置であって、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを格納する記憶手段と、
前記格納されたPET事象データから原サイノグラムを生成する生成手段と、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定する第1の決定手段と、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定する第2の決定手段と、
を備える、PETデータ処理装置。
【請求項10】
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択し、前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成する補間手段をさらに備える、請求項9に記載のPETデータ処理装置。
【請求項11】
前記PET画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施する再構成手段をさらに備える、請求項9に記載のPETデータ処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
PETスキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られたPET事象データを収集する手順と、
前記収集されたPET事象データから原サイノグラムを生成する手順と、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形を決定する手順と、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定する手順と、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
均一に標本化されたサイノグラムを決定する手順が、
前記均一に標本化されたサイノグラムの均一標本化点毎に、前記複数の三角形のうちの対応する三角形を選択する手順と、
前記複数の三角形の各三角形について、前記三角形の各頂点におけるデータ値を使って重心座標を用いた補間方法を実施し、前記三角形に対応する前記均一標本化点に対して補間データ値を生成する手順と、
を含む、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記プログラムが、前記画像を生成するために、前記均一に標本化されたサイノグラム及び前記補間データ値を使って再構成を実施する手順を前記コンピュータにさらに実行させる、請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
画像再構成のための断層データを補間するデータ処理方法であって、
スキャナを使って被検体をスキャンすることによって得られた事象データを収集するステップと、
前記収集された事象データから原サイノグラムを生成するステップと、
前記原サイノグラム内の標本化点を接続する複数の三角形であって、前記複数の三角形を決定するために、前記原サイノグラム内で隣接する標本化点が水平方向に列毎に接続される、複数の三角形を決定するステップと、
前記決定された複数の三角形を使って、前記原サイノグラムから均一に標本化されたサイノグラムを決定するステップと、
を含む、データ処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【公開番号】特開2012−118079(P2012−118079A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262973(P2011−262973)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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