PET(陽電子放射断層撮影)においてヘリカルスキャン及びリストモード再構成によりサンプリングを強化するシステム及び方法
【課題】空間分解能の向上。
【解決手段】検出器は、PETイベント情報を収集する(ステップ701)。検出器は、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成されている。患者ベッドは、PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成されている。第1の収集部は、患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する(ステップ702)。第2の収集部は、検出器に関する第2のイベント情報を収集する(ステップ703)。生成部は、PETイベント情報、第1のイベント情報、及び第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する(ステップ704)。再構成部は、生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する(ステップ705)。
【解決手段】検出器は、PETイベント情報を収集する(ステップ701)。検出器は、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成されている。患者ベッドは、PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成されている。第1の収集部は、患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する(ステップ702)。第2の収集部は、検出器に関する第2のイベント情報を収集する(ステップ703)。生成部は、PETイベント情報、第1のイベント情報、及び第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する(ステップ704)。再構成部は、生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する(ステップ705)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、収集されたPET情報、収集された患者ベッドの位置情報、及び収集された検出器システムの位置情報に基づいて画像を再構成するPETスキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用イメージングの分野では、PETの使用が増えている。PETイメージングにおいては、注入、吸入、または食物摂取によって、患者に放射性薬剤が取り入れられる。放射性薬剤の投与後、薬剤の物理的及び生体分子的特性によって薬剤が人体内の特定の場所に集積する。薬剤の実際の空間分布、薬剤の集積度合い、及び投与されてから最終的に排出されるまでのプロセスの動態は全て、臨床的有意性を有しうる因子である。このプロセスにおいて、放射性薬剤に付着された陽電子放射体は、半減期や分岐比などの同位体の物理的特性に応じて陽電子を放射する。
【0003】
放射性核種は、陽電子を放射する。放射された陽電子が電子に衝突すると消滅イベントが生ずる。衝突により陽電子と電子とは、消滅する。多くの場合、消滅イベントは、略180度方向に放出される2つの511keVのガンマ線を生成する。
【0004】
2つのガンマ線を検出し、検出位置間に線(すなわち、LOR:line-of-response)を結ぶことによって、実際の消滅位置を推定することができる。このプロセスは、可能性のある相互作用の線しか識別しないが、そのような線を多数集積し、画像再構成プロセスを実行することにより、実際の分布を推定することができる。2つのシンチレーションイベントの位置に加え、正確なタイミング(数100ピコ秒以内)が利用可能な場合、飛行時間(TOF:time-of-flight)を計算することにより、LOR上でのイベントのおおよその位置情報を追加することができる。スキャナの時間分解能に関する制限は、LOR上の位置決定精度を決定する。実際のシンチレーションイベントの位置決定に関する制限は、スキャナの根本的な空間分解能を決定する。同位元素の特定の特徴(例えば、陽電子エネルギー)は、特定の薬剤の空間分解能の決定に寄与する(2つのガンマ線の陽電子範囲と共直線性とにより)。
【0005】
多数のイベントを収集することにより、画像再構成によって推定される患者の画像に必要な情報が得られる。一対の検出器素子で略同時に生じる2つの検出イベントにより、再構成対象の投影またはサイノグラムを規定するために、その幾何学的属性に応じてヒストグラムを作成可能なLORが形成される。イベントは、画像に個々に追加することもできる。
【0006】
従って、データ収集と画像再構成との基本要素は、患者が挿入される開口を横断する線であるLORである。イベント位置に関する追加情報を得ることができる。最初に、サンプリングと再構成とによって、システムがあるポイントを再構成したり位置決めしたりする能力は、撮像視野における空間的な不変量ではなく、中心の方が良く、周辺にいくにつれて徐々に悪化する。点広がり関数(PSF)は、この振る舞いを特徴付けるために典型的に利用されている。PSFを再構成プロセスに組み込むためのツールが開発されている。次に、飛行時間、すなわちペアリング(対検出)に伴う各検出器へのガンマ線の到達時間差を利用して、イベントが生じた可能性の高いLOR上の位置を決定することができる。
【0007】
上記の検出プロセスは、多数の消滅イベントに対して繰り返される必要がある。イメージングタスクを支援するために必要なカウント(すなわち、対イベント)数を決定するために各イメージングの事例を解析しなければならない。現在の運用では、一般に長さ100cmのFDG(フルオロデオキシグルコース)の研究で数億カウントを蓄積する必要がある。この数のカウントを蓄積するのに必要な時間は、薬剤の投与量、スキャナの感度、及びカウント性能によって決まる。
【0008】
PETイメージングシステムは、被検体から放射されるガンマ線を検出するために互いに対向する位置に配置された検出器を使用する。典型的には、各角度から飛来するガンマ線を検出するために検出器リングが利用される。従って、PETスキャナは、典型的には、できるだけ多くのガンマ線を収集できるように略円筒形状を有しており、当然のことながら、等方性でなければならない。また、欠落角度を収集するために検出器の部分リングまたは回転も利用できる。しかし、そのような手法は、PETスキャナの全体的な感度に対して厳しい影響を与える。円筒形状の場合、平面内に含まれる全てのガンマ線は、検出器と干渉する可能性を有する。このような円筒形状の場合、軸方向に関する寸法を大きくすると、ガンマ線を収集する感度や性能にきわめて有利な効果がある。従って、最良の構造は、全てのガンマ線が検出される可能性がある球体構造である。当然ながら、人間への応用では、球状構造は、極めて大きくなり、極めて高価にならざるをえない。従って、現実的には、検出器の軸方向の長さが可変である円筒形状が、最新のPETスキャナの構造の基本である。
【0009】
PETスキャナは、PET検出器リング内の結晶(シンチレーション結晶)を次第に小さくすることによってサンプリングの品質(密度)を徐々に高めている。PETスキャナは、PET検出器システムに実装するリング数を増やすことによって立体的になってきている。結晶は、PETスキャナの最も高価な部品の1つである。小動物スキャナは、結晶をどれだけ小さくできるかの限界に挑んでいる。典型的には、人間サイズの臨床システムは、約4〜6mmの正方形または長方形の結晶を使用している。小動物サイズの臨床システムは、実質上、1ミリメートル以下のサイズの結晶を使用している。しかしながら、各結晶を用意したり特性を決定するためのコストが増えたり、各結晶の複雑さ(結晶が小さくなることは、チャネルが多くなり、再構成要件が厳密になることを意味する)が増えたりするので、臨床システムで使用する結晶を小さくすることは、重い負担となる。
【0010】
収集されたPETデータの空間分解能を改善する他の方法は、二段抽出(sub-sampling)を行うことである。この手法では、スキャナの「本来(native)」の幾何学的配置で第1のデータセットが収集され、次にこの幾何学的配置が僅かに変化した状態で第2のデータセットが収集される。幾何学的配置の小さな変化の情報がシステムの本来の空間分解能より優れている場合、二段抽出が行われ、システム全体の分解能が改善される。2種類のデータセットを利用するこの手法は、より多くの要素を利用して繰り返すことができる。しかしながらこの手法は、フィルタ逆投影法やフーリエリビニング法などの「単一光線」の画像再構成法に限定される。その理由は、最新の統計的画像再構成法(例えば、最尤推定―期待値最大化法(ML―EM))が、有限サイズのサンプリング要素を既にモデル化しているので、そのようなサンプリングから恩恵を受けないからである。
【0011】
単一光線の画像再構成システムには、2つのタイプの二段抽出が実行されている。1つの手法では、体軸横断面内においてPETスキャナ全体が動かされ(揺動)、体軸横断面内の再構成において結晶より小さいサイズの解像度が可能になる。第2の手法は、SPECTイメージングでも使用可能な手法に極めて類似しており、患者ベッドを連続的に移動させなければならない。この手法では、体軸方向において結晶サイズ以下の解像度を得ることができる。
【0012】
図1A、図1B、及び図1Cに示すように、単純な回転と平行移動とにより、同一検出からのサンプリング密度(同時計測線)を大幅に高めることができる。図1Aは、体軸横断面内の本来(オリジナル)のサンプリングパターンを示す。図1Bは、主軸回り(架台のアイソセンタ回り)の単純な回転により得られる体軸横断面内のサンプリングパターンを示す。図1Cは、体軸横断面内における垂直方向の平行移動により得られる体軸横断面内のサンプリングパターンを示す。図2Aは、軸平面内の本来(オリジナル)のサンプリングパターンを示す。図2Bは、軸方向に沿う単純な水平方向の平行移動によって得られるサンプリングパターンを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
目的は、空間分解能の向上を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本実施形態に係るPETスキャナシステムは、PETイベント情報を収集し、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成された検出器と、前記PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成された患者ベッドと、前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する第1の収集部と、前記検出器に関する第2のイベント情報を収集する第2の収集部と、前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する生成部と、前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】オリジナルのサンプリングパターンに関する体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図1B】主軸回りの単純な回転により得られたサンプリングパターンに関する体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図1C】体軸横断面内の垂直方向に関する平行移動によって得られたサンプリングパターンを含む体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図2A】軸平面内のオリジナルのサンプリングパターン示す図。
【図2B】軸方向の単純な横方向平行移動によって得られたパターンを示す図。
【図3】本実施形態によるシステムを示す図。
【図4A】検出器リングに半分の検出器モジュールしか含まない検出器リングを示す図。
【図4B】検出器リングに半分の検出器モジュールしか含まない検出器リングを示す図。
【図5】単一イベントのリスト形式を示す図。
【図6A】単一イベントのデータ形式を示す図。
【図6B】簡易タイムスタンプのデータ形式を示す図。
【図6C】大域タイムスタンプのデータ形式を示す図。
【図7】本実施形態に係る方法のフローチャート。
【図8】非検出器イベントの収集を示すシステム図。
【図9A】PET/CTスキャナの関連座標系を示す図。
【図9B】PET/CTスキャナを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態は、放射性場(radioactive field)や被検体のサンプリング性能を決定づけるPETイメージングシステムの構成要素に関する。検出器は、単一イベントしか収集できない。しかしながら、適切なエネルギー特性とタイミング特性とを有する2つの単一イベントをペアリングすることによってPET情報が得られる。最終情報(画像)の精度は、タイミング弁別とエネルギー弁別との精度に依存する。また、最終情報(画像)の精度は、同時計測線(LOR)すなわち同時計測(コインシデンス)イベントに関する2つの結晶を結ぶ線の密度にも依存する。空間分解能は、このサンプリングの精度と数学的再構成の詳細との両方に依存する。
【0017】
本実施形態によれば、PETスキャナの全体コストを削減すると同時にサンプリング精度を改善する方法は、所望の空間分解能を支援するのに適した特性を有する検出器モジュールを形成し、検出器モジュールを軸方向と円周方向との両方に沿って検出器リング上に離散的に配置し、そして、ガントリや患者ベッドを移動することによってサンプリングギャップを埋めることである。なおサンプリングギャップは、検出器リングが検出器モジュールにより完全には埋められていないことによって形成される。この場合、検出器リングは、検出器モジュールが配置されていない部分を有している。すなわち、サンプリングギャップは、検出器リングが検出器モジュールにより不完全に埋められことにより形成される。PET/CTスキャナシステムの患者ベッドと検出器リングとを示す図9Aと図9Bとを参照されたい。この手法は感度が低下するが(例えば、スキャナの有効範囲を半分にすると、同時計測イベントを検出する確率が4分の1になる)、イメージング時間を犠牲にすることなく所望の空間分解能を達成することは明かである。
【0018】
図4Aは、不完全に埋められている検出器リングを示す。この検出器リングは、平面状において検出器(あるいは検出器素子)を半分のみ有する。LORの数と分布とは適切に見えるが、図4Bに示すラドン空間(γ,φ)のグラフは、明らかに、サンプリング空間内の多数のギャップを示し、「セル」の1/4しか埋まっていないことを示す。検出器システム全体の回転によってグラフを上下に漸次移動し、欠落したセルを埋める。患者ベッドの上下方向の移動は、一般に左右方向の移動よりも実現しやすい。患者ベッドの上下方向の移動は、例えば、このグラフを複雑に変形させる。完全な1対1対応の水平方向のシフトは、移動方向軸に対応する角度で得られ、他の場合はcos(φ)で構成される。回転と平行移動との組み合わせは、欠落したセルを埋めることに関して複合的な効果(また効率)を有する。しかしながら、検出器リングや患者ベッドの動きがある場合、全ての動きがPETスキャナの開口自体の範囲内で起こらなければならないので、有効視野が減少する。
【0019】
軸方向のギャップは、z方向の全有効範囲が間にギャップを有する2つの半分の検出器によって達成される場合、LORの数を増やす。
【0020】
この二段抽出法において、収集によって得られたそれぞれの新しい変数は、再構成によって明示的に認識されなければならない。ヒストグラムモード再構成において、サイノグラムは、四次元エンティティ(r,φ,z,θ)であり、直線サイノグラムと傾斜サイノグラムとにおいて全ての可能なLORを含む。ここで、tは半径方向の距離、φはリング内側の角度、zは軸方向の距離、θは傾斜角、すなわち体軸横断面からの傾き角度(チルト角)である。そのような手法は、動的情報d(1〜数十次元)やゲート制御情報g(8〜16次元)、及び飛行時間tof(少なくとも8〜16次元)を含む他の変数も必要であることを考えると、複雑さが大きい。これらの要件により、軸方向の患者ベッドの動きbz(2〜8次元)とガントリの動きgφ(2〜8次元)とを追加することにより、9次元のデータ構造(r,φ,z,θ,d,g,tof,bz,gφ)が生成される。同時に生じない場合があるdとgとを除いて、いくつかの代表的な臨床手順には他の全ての変数が必要である。従って、従来システムは、通常、1つまたは限られた数の変数しか追加せず、一般に追加のサンプリングに対応していない。データセットの次元数が増えることに加え、カウントの総数は増えない。その結果、8または9次元のデータセットは、典型的には、きわめて簡易になり、空のボクセルまたはカウントが1つしかないボクセルが極めて高い割合で出現する。
【0021】
リストモード再構成において、各イベントは、全ての必要な(多くの場合、9個以上)変数が付加され、再構成プロセスに個々に組み込まれる。この手法においては、各イベントで追加する情報を増やすことは、再構成の複雑さと全体の再構成時間とにほんのわずかしか影響を与えない。さらに、個々のイベントが再構成によって直接的に考慮されるので、どの変数も一定の増分を有する必要がなく、そのような動きを高速で正確に監視できれば、どの軸も連続的に動かすことができる。
【0022】
本実施形態は、再構成プロセスにおいて、軸方向(bz)データと横断方向(gφ)データとを含む、被検体(患者)の位置の情報を含むシステム及び方法を対象とする。
【0023】
本実施形態は、軸方向と横断方向とに関するサンプリングと分解能との強化が、連続的な患者ベッドの動きとPET検出器の全体的な動きとによって同時に可能であり、全ての空間情報がそれぞれの個別のイベントに付与され、いかなる種類のヒストグラムも生成することなく直接的に再構成されるシステムについて述べる。
【0024】
本実施形態の実施態様における要素は、検出器情報(タイミング情報、エネルギー情報、及び空間情報を有するイベント)と非検出器情報(患者ベッド位置、ガントリ回転、及び他の標準臨床タイミング基準)との統合である。後でより詳しく述べる図3は、大域イベントコレクタ300が、それぞれのサブまたは局所コレクタ301〜303と、非検出器情報を制御/監視する回路とに接続されたシステムを示す。
【0025】
患者ベッドの動きは、かなり単純で一様であり、一般に直線的である。ガントリの動きは、主軸のまわりの単純な回転、任意の他の点のまわりの回転、体軸横断面内の線に沿った平行移動、またはこれらの組み合わせである。他の例において、患者ベッド(既に適所にある)の線形及び上下の動きを使用して、体軸横断面と軸方向面とにおいて同レベルの二段抽出を達成する。
【0026】
図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、局所コレクタ301からイベント情報を受け取る。局所コレクタ301は、局所イベントコレクタに接続されたN個の検出器モジュールを含む。局所コレクタは、類似の構造を有する。図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、非検出器イベントも受け取る。非検出器イベントは、患者ベッド位置に関する情報、ガントリ回転に関する情報、及び他の標準臨床タイミング基準情報を含む。図8を参照されたい。大域イベントコレクタは、局所コレクタ301〜303が受け取った検出器情報を、患者ベッド位置やガントリ位置などの対応する非検出器イベント情報に関連付ける。
【0027】
図3に示すように、大域イベントコレクタによって収集された情報は、関連付けられたデータベース/磁気ディスク装置320に記憶するためにデータ収集サーバ310に送られる。イベントのペアリングは、データベース320に記憶された情報にアクセスするペアリングサーバ330によって実行される。あるいは、データ収集サーバ310とペアリングサーバ330とが同一の装置によって実現されてもよい。
【0028】
大域イベントコレクタ300は、全ての検出器からのイベントデータを単一のイベントリストに組み込む。イベントリストの形式は、図5と図6とを参照しながら後でより詳細に説明される。
【0029】
大域イベントコレクタ300は、また、非検出器イベントをイベントリストに組み込む。非検出器イベントは、患者ベッドの運動及び位置と、検出器リングの運動及び位置と、EKG情報などの生理学的情報とに関する。非検出器イベントは、異なる時間スケールで発生する。非検出器イベントは、例えば、患者ベッドの位置を時間の関数として記述する。また、非検出器イベントは、例えば、PET検出器リング上の角度位置を時間の関数や、EKG信号の関数、呼吸信号トレースの関数、あるいはPETイベントデータの最終的な再構成と提示とを実行するための他の生理学的または変換器信号の関数として記述する。
【0030】
イベントリストを生成する際、大域イベントコレクタ300は、イベントを並び替えてイベントを時間順に配列する。さらに、大域イベントコレクタ300は、一時的なイベントバーストを、後で処理するために、一時的なイベントバッファ340内にバッファする。一時的なイベントバッファ340がオーバフロー状態の場合、大域イベントコレクタは、受け取ったイベントをランダムに廃棄する。
【0031】
大域イベントコレクタが実行できる他の機能は、インライン(in-line)イベントフィルタリングにおいて、対象のウィンドウに含まれないデータ情報(例えば、エネルギー)を有するイベントをイベントリストから廃棄することである。対象のウィンドウや他のフィルタリング基準は、任意に設定可能である。
【0032】
図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、ペアリングサーバ330による最終処理のために、イベントリストをイベントデータと共にデータ収集サーバ310に分配する。例えば、データは、所定の時間量に達するか所定のイベント数に達したときにペアリングサーバに定期的に転送される。ペアリングサーバへのデータ転送は、大域イベントコレクタの一時バッファ内にコンパイルされたイベントリストの一部分をメッセージ内に定期的に圧縮し、それらをサーバに送信することによって実行される。最適なデータ転送のために、メッセージのサイズと転送速度とは、イベントカウントレートの関数である。カウントレートが高いほどメッセージは大きくなり、従って、各メッセージに関連したオーバヘッドは無視できるようになる。カウントレートが低いほど大きな帯域幅が利用できるのでメッセージオーバヘッドが重要でなくなり、従って、より小さいメッセージがより頻繁に送信される。サーバは、データの大きな部分をバースト処理し次に長期間休止するのではなく、データのより小さな部分を連続的に処理することができる。
【0033】
図5は、本実施形態で使用される前述のイベントリストの形式を示す。図5に示すように、イベントリストは、一連のエントリを含む。各エントリは、エントリに含まれるデータの型を示す「エントリタイプ」フィールドを含む。単一のイベントには、(1)検出器情報に関するイベントデータ、(2)簡易タイムスタンプデータ、及び(3)生理学的データ、患者ベッド位置、検出器位置、EKGデータなどの非検出器情報に関する非検出器イベントデータ、の少なくとも3つの異なるエントリタイプが使用される。図5に示すように、簡易タイムスタンプイベントは、例えば、25.6マイクロ秒ごとに発生する。非検出器イベントは、典型的には、簡易タイムスタンプイベントのイベントデータほど頻繁に発生しない。
【0034】
図6Aに示すように、イベントデータエントリの形式は、例えば、(1)9ビットのエネルギーフィールド、(2)18ビットの結晶位置フィールド、(3)20ビットの精密タイムスタンプ、及び(4)エントリタイプフィールドの4つのフィールドを含む。エネルギーフィールドは、検出イベントのエネルギーを示す。結晶位置フィールドは、イベントの結晶場所を示す。精密タイムスタンプは、例えば、25.6ピコ秒の分解能を有し、従って30時間の範囲を有する。
【0035】
図6Bに示すように、簡易タイムスタンプフィールドは、例えば、(1)32ビットの簡易タイムスタンプフィールドと(2)エントリタイプフィールドとを含む。簡易タイムスタンプフィールドの分解能は、精密タイムスタンプフィールドの範囲と等しく、例えば、25.6マイクロ秒である。従って、簡易タイムスタンプフィールドに32ビットが割り当てられるので、範囲は、この場合、約30時間である。
【0036】
前述のもの以外のフィールドタイプや各フィールドへのビット割り当ても使用することができる。
【0037】
図6Cは、25.6ピコ秒の分解能と約30時間の範囲とを提供するために簡易タイムスタンプと精密タイムスタンプとを連結することによって、リスト内の各イベントから導き出すことができる大域タイムスタンプを示す。
【0038】
前述のように、大域イベントコレクタは、主に、図5に示されたイベントリストを生成し、処理(すなわち、イベントのペアリングと再構成)のためにイベントデータをデータ収集サーバとペアリングサーバとに送信する。しかしながら、イベントカウントレートに依存する資源の可用性により、大域イベントコレクタは、フィルタリングとイベントペアリングと再構成とを含むデータ処理タスクを実行することもできる。
【0039】
大域イベントコレクタ300は、進行中に様々な機能を実行するように構成されるプログラマブルロジックで実装される。例えば、PETスキャン中、最初のカウントレートは、典型的には、きわめて高い。また、大域イベントコレクタのほとんどの論理資源は、イベントリスト内のイベントデータをデータ収集サーバに転送するために利用される。スキャンが続くとき、カウントレートは減少する。これにより、大域イベントコレクタのロジックのいくつかをデータ処理のために解放することができる。カウントレートが更に減少し続ける場合、データ処理に利用できる大域イベントコレクタの論理資源を増やすことができ、ペアリングサーバの活動が支援される。
【0040】
従って、大域イベントコレクタは、絶えずカウントレートを監視し、データ処理を実行するか否かを判断する。これにより、大域イベントコレクタは、システムの資源を完全に利用することができる。その結果、システムのコスト効果が向上し、画像処理が高速になる。カウントレートは、各検出器モジュールによって絶え間なく監視される。しかし、全ての検出器モジュールは、この情報を大域イベントコレクタに提供する。そして大域イベントコレクタは、PETスキャナ全体について実時間カウントレートを計算する。スキャナ全体のカウントレートに基づいて、大域イベントコレクタは、データ収集に加えて、常に、実行可能なデータ処理の種類と量とを決定する。これにより、検査範囲内の瞬間的なカウントレートに従って、様々な計算処理資源がどのように動的に割り当てられるかを調整することができる。例えば、86Rbの検査においては、極端に高いカウントレートが、始めの1,2分続き、次に中間または低いカウントレートになる。
【0041】
本実施形態において、用語「オフライン」は、検出された時と大きく異なる時間にイベントを処理することができるシステムを指す。実際的な実施態様では、当然ながら、許容可能な時間期間内で画像を得るために、検出後できるだけ迅速にペアリングを開始することが望ましい。他の実施態様においては、検出とペアリングとは、パイプラインモードで同時に(様々なイベントで)行われる。
【0042】
図7は、本実施形態に係る方法のフローチャートである。図7において、ステップ701、702、及び703は、繰り返しかつ同時に実行される。ステップ701において、消滅イベントに関するPETイベント情報(検出器イベント情報)は、検出器リング内の検出器モジュールによって収集される。PETイベント情報は、例えば、消滅イベントの時間や位置、エネルギー等の検出器情報を含む。ステップ702において、患者ベッドの位置に関連した非検出器イベント情報が収集される。例えば、ステップ702で収集された非検出器イベント情報は、患者ベッドの位置の変化である。同様に、ステップ703において、検出器リングの位置に関連した非検出器イベント情報が収集される。例えば、ステップ703において収集された非検出器イベント情報は、検出器の位置の軸方向または体軸横断方向に関する変化である。ステップ704において、収集されたPETイベント情報、収集された患者ベッド位置イベント情報、及び収集された検出器位置イベント情報は、イベントリスト/バッファに追加される。PETイベント情報と非検出器イベント情報とは、異なる頻度で発生し、それに応じてリストに追加される。ステップ705において、リストモード再構成が実行され、イベントリストに含まれるイベント情報に基づいて画像が再構成される。
【0043】
図8は、患者ベッドの位置と検出器リング/ガントリの位置とを含む非検出器イベントが検出され、図3に示した大域イベントコレクタ300に送られるPETシステムの一部分を示す。図9Aと図9Bとも参照されたい。図8に示したように、患者ベッド800の位置は、患者ベッドコントローラ810によって制御される。患者ベッドコントローラは、オペレータにより設定可能なスキャン軌道に基づいてベッドを制御する。同様に、検出器リング/ガントリ830の位置や回転は、検出器リングコントローラ840によって制御される。検出器リングコントローラ840は、オペレータにより設定可能なスキャン軌道に基づいて検出器リングを制御する。もしくは、患者ベッドコントローラと検出器リングコントローラとは、所定のスキャン軌道またはオペレータにより選択されたスキャン軌道に基づいて、患者ベッドと検出器リングとの両方を制御する単一の制御部に組み込むことができる。患者ベッドコントローラ810と検出器リングコントローラ840とは、ハードウェアで実現したり、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現したりすることができる。
【0044】
患者ベッド位置検出器820は、定期的に、患者ベッド800の位置や速度を検出し、検出された位置や速度を非検出器イベントとして大域イベントコレクタ300に送る。患者ベッド位置検出器は、患者ベッド800の動きを検出するための種々のセンサを含む。同様に、検出器リング位置検出器850は、検出器リング830の位置や角速度を定期的に検出し、検出された位置や角速度を非検出器イベントとして大域イベントコレクタ300に送る。検出器リング位置検出器は、検出器リング830の動きを検出するための種々のセンサを含む。
【0045】
本実施形態は、追加のハードウェアを使用せずにより優れた空間分解能を得ることや、より少数の検出器素子で類似の分解能を得ることができる。検出器情報と非検出器情報とを1つの流れに統合して、リストモード再構成を使用することにより、ヒストグラム作成のために追加の変数を形成するという観点で、固定されたサンプルが収集されるときに必要な厳密な制御とは対照的に、種々の位置の純粋な監視が可能になる。
【0046】
大域イベントコレクタ、データ収集サーバ、及びペアリングサーバを含む前述のPETシステムの様々な構成要素は、コンピュータシステムまたはプログラマブルロジックを使用して実施することができる。本実施形態の種々の構成要素を実施することができるコンピュータシステムは、情報を通信するためのバスや他の通信機構と、バスに結合されて情報を処理するためのプロセッサとを含む。コンピュータシステムは、また、ランダムアクセスメモリ(RAM)や他のダイナミック記憶装置(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)及びシンクロナスDRAM(SDRAM))など、情報ならびにプロセッサによって実行される命令を記憶するためにバスに結合された主記憶装置を含む。更に、主記憶装置は、プロセッサによる命令の実行中に一時的数値変数や他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステムは、さらに、プロセッサのための静的情報と命令を記憶するためにバスに結合された読み出し専用メモリ(ROM)や他のスタティック記憶装置(例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、及び電気的消去書込み可能PROM(EEPROM))を含む。
【0047】
コンピュータシステムは、また、情報と命令とを記憶するための、磁気ハードディスクやリムーバブルメディアドライブ(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、読み出し専用コンパクトディスクドライブ、読み出し/書き込みコンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクジュークボックス、テープドライブ、及びリムーバブル光磁気ドライブ)などの1つまたは複数の記憶装置を制御するためにバスに結合されたディスクコトローラを含む。記憶装置は、適切な機器インタフェース(例えば、小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI)、集積装置電子回路(IDE)、拡張IDE(E−IDE)、ダイレクトメモリアクセス(DMA)、またはウルトラDMA)を使用して、コンピュータシステムに追加されてもよい。
【0048】
コンピュータシステムは、また、専用論理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))または構成可能論理装置(例えば、単純プログラム可能論理装置(SPLD)、複雑プログラム可能論理装置(CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))を含んでもよい。
【0049】
コンピュータシステムは、また、バスに結合されて、コンピュータユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)などの表示装置を制御するディスプレイコントローラを含んでもよい。コンピュータシステムは、コンピュータのユーザと対話しプロセッサに情報を提供するための、キーボードやポインティング装置などの入力装置を含む。ポインティング装置は、例えば、指示情報とコマンド選択とをプロセッサに通信しかつ表示装置上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはポインティングスティックでよい。更に、プリンタは、コンピュータシステムによって記憶されたデータや生成されたデータの印刷リストを提供することができる。
【0050】
コンピュータシステムは、主記憶装置などの記憶装置に含まれる命令のシーケンスを実行するプロセッサに応じて、本実施形態の処理ステップの一部または全てを実行する。そのような命令は、ハードディスクやリムーバルブメディアドライブなどの別のコンピュータ可読媒体から主記憶装置に読み込まれてもよい。主記憶装置に含まれる命令シーケンスを実行するために多重処理機構のプロセッサが使用されてもよい。他の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令の代わりまたはそのソフトウェア命令との組み合わせで使用されてもよい。従って、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0051】
以上のように、コンピュータシステムは、本実施形態の教示に従ってプログラムされた命令を保持し、データ構造、テーブル、レコード、または本明細書で述べる他のデータを収容するための少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、若しくは他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、またはコンピュータが読み出すことができる他の媒体である。
【0052】
本実施形態は、コンピュータシステムを制御し、本実施形態を実施するための装置を駆動し、コンピュータシステムが人間ユーザと対話することを可能にするために、コンピュータ可読媒体のいずれか1つまたは組み合わせに記憶されたソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、及びアプリケーションソフトウェアを含んでもよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、さらに、本実施形態を実施する際に実行される処理の全てまたは一部分(処理が分散される場合)を実行するための本実施形態のコンピュータプログラム製品を含む。
【0053】
本実施形態のコンピュータコード装置は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス、及び完全実行可能プログラムを含むがこれに限定されない任意の解釈可能または実行可能なコード機構でよい。さらに、本実施形態の処理の一部分は、パフォーマンスや信頼性、コスト効果を高めるために分散されてもよい。
【0054】
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるとき、実行用のプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体や揮発性媒体を含むがこれに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、ハードディスクやリムーバブルメディアドライブなどの、光ディスク、磁気ディスク、及び光磁気ディスクがある。揮発性媒体には、主記憶装置などのダイナミックメモリがある。
【0055】
コンピュータ可読媒体の種々の形態は、実行用のプロセッサに対する命令のシーケンスの実行に関与してもよい。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスクに保持されてもよい。リモートコンピュータは、本実施形態の全てまたは一部分を実施するための命令をダイナミックメモリにリモートでロードし、モデムを用いて電話線で命令を送信することができる。コンピュータシステムに対してローカルなモデムが、電話線でデータを受信し、赤外線トランスミッタを用いてデータを赤外線信号に変換してもよい。バスに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、そのデータをバスに乗せることができる。バスは、データを主記憶装置に送り、プロセッサは、そこから命令を取り出し実行する。主記憶装置が受け取った命令は、必要に応じて、プロセッサによる実行前または実行後に記憶装置に記憶されてもよい。
【0056】
コンピュータシステムは、また、バスに結合された通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、インターネットなどの別の通信ネットワークに接続されたネットワークリンクに結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェースは、任意のパケット交換LANに接続するためのネットワークインタフェースカードでよい。別の例として、通信インタフェースは、データ通信接続を対応するタイプの通信回線に提供する非対称デジタル加入者線(ADSL)カード、総合サービスデジタル網(ISDN)カード、またはモデムでよい。無線リンクが実装されてもよい。任意のそのような実施態様において、通信インタフェースは、種々のタイプの情報を表わすデジタルデータストリームを伝える電気信号、電磁気信号、または光学信号を送受信する。
【0057】
ネットワークリンクは、一般に、ネットワークを介してデータ通信を他のデータ装置に提供する。例えば、ネットワークリンクは、ローカルネットワーク(例えば、LAN)、または通信ネットワークを介して通信サービスを提供するサービスプロバイダによって操作された機器によって、別のコンピュータに接続を提供してもよい。ローカルネットワークと通信ネットワークとは、例えば、デジタルデータストリームを伝える電気信号、電磁気信号、または光学信号と、関連する物理層(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなど)とを使用する。種々のネットワークを介した信号と、ネットワークリンク上にありコンピュータシステムとの間でデジタルデータをやりとりする通信インタフェースを介した信号は、ベースバンド信号、または搬送波ベース信号で実施されてもよい。ベースバンド信号は、デジタルデータビットの流れを表す非変調電気パルスとしてデジタルデータを伝え、ここで、用語「ビット」は、記号を意味するように広義に解釈されるべきであり、各記号は、情報ビットを伝える。デジタルデータは、また、導電性媒体によって伝播されるかあるいは伝播媒体を介して電磁波として送信される、振幅偏移符号化信号や位相偏移符号化信号、周波数偏移符号化信号などで搬送波を変調するために使用されてもよい。従って、デジタルデータは、「配線」通信チャネルによって非変調ベースバンドデータとして送信されもよい。また、デジタルデータは、搬送波を変調することによって、ベースバンドと異なる所定の周波数帯の範囲内で送信されてもよい。コンピュータシステムは、ネットワーク、ネットワークリンク、及び通信インタフェースを通して、プログラムコードを含むデータを送受信することができる。さらに、ネットワークリンクは、LANによって、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのモバイル装置に接続してもよい。
【0058】
以上の教示を鑑みて本発明の多数の修正と変形が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内で、本発明が、本明細書に具体的に記述されたものと異なる方法で実施されてもよいことを理解されたい。
【符号の説明】
【0059】
300…大域イベントコレクタ、301…局所コレクタ、302…局所コレクタ、303…局所コレクタ、310…データ収集サーバ、320…ディスク、330…ペアリングサーバ、340…一時的なイベントバッファ
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、収集されたPET情報、収集された患者ベッドの位置情報、及び収集された検出器システムの位置情報に基づいて画像を再構成するPETスキャナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用イメージングの分野では、PETの使用が増えている。PETイメージングにおいては、注入、吸入、または食物摂取によって、患者に放射性薬剤が取り入れられる。放射性薬剤の投与後、薬剤の物理的及び生体分子的特性によって薬剤が人体内の特定の場所に集積する。薬剤の実際の空間分布、薬剤の集積度合い、及び投与されてから最終的に排出されるまでのプロセスの動態は全て、臨床的有意性を有しうる因子である。このプロセスにおいて、放射性薬剤に付着された陽電子放射体は、半減期や分岐比などの同位体の物理的特性に応じて陽電子を放射する。
【0003】
放射性核種は、陽電子を放射する。放射された陽電子が電子に衝突すると消滅イベントが生ずる。衝突により陽電子と電子とは、消滅する。多くの場合、消滅イベントは、略180度方向に放出される2つの511keVのガンマ線を生成する。
【0004】
2つのガンマ線を検出し、検出位置間に線(すなわち、LOR:line-of-response)を結ぶことによって、実際の消滅位置を推定することができる。このプロセスは、可能性のある相互作用の線しか識別しないが、そのような線を多数集積し、画像再構成プロセスを実行することにより、実際の分布を推定することができる。2つのシンチレーションイベントの位置に加え、正確なタイミング(数100ピコ秒以内)が利用可能な場合、飛行時間(TOF:time-of-flight)を計算することにより、LOR上でのイベントのおおよその位置情報を追加することができる。スキャナの時間分解能に関する制限は、LOR上の位置決定精度を決定する。実際のシンチレーションイベントの位置決定に関する制限は、スキャナの根本的な空間分解能を決定する。同位元素の特定の特徴(例えば、陽電子エネルギー)は、特定の薬剤の空間分解能の決定に寄与する(2つのガンマ線の陽電子範囲と共直線性とにより)。
【0005】
多数のイベントを収集することにより、画像再構成によって推定される患者の画像に必要な情報が得られる。一対の検出器素子で略同時に生じる2つの検出イベントにより、再構成対象の投影またはサイノグラムを規定するために、その幾何学的属性に応じてヒストグラムを作成可能なLORが形成される。イベントは、画像に個々に追加することもできる。
【0006】
従って、データ収集と画像再構成との基本要素は、患者が挿入される開口を横断する線であるLORである。イベント位置に関する追加情報を得ることができる。最初に、サンプリングと再構成とによって、システムがあるポイントを再構成したり位置決めしたりする能力は、撮像視野における空間的な不変量ではなく、中心の方が良く、周辺にいくにつれて徐々に悪化する。点広がり関数(PSF)は、この振る舞いを特徴付けるために典型的に利用されている。PSFを再構成プロセスに組み込むためのツールが開発されている。次に、飛行時間、すなわちペアリング(対検出)に伴う各検出器へのガンマ線の到達時間差を利用して、イベントが生じた可能性の高いLOR上の位置を決定することができる。
【0007】
上記の検出プロセスは、多数の消滅イベントに対して繰り返される必要がある。イメージングタスクを支援するために必要なカウント(すなわち、対イベント)数を決定するために各イメージングの事例を解析しなければならない。現在の運用では、一般に長さ100cmのFDG(フルオロデオキシグルコース)の研究で数億カウントを蓄積する必要がある。この数のカウントを蓄積するのに必要な時間は、薬剤の投与量、スキャナの感度、及びカウント性能によって決まる。
【0008】
PETイメージングシステムは、被検体から放射されるガンマ線を検出するために互いに対向する位置に配置された検出器を使用する。典型的には、各角度から飛来するガンマ線を検出するために検出器リングが利用される。従って、PETスキャナは、典型的には、できるだけ多くのガンマ線を収集できるように略円筒形状を有しており、当然のことながら、等方性でなければならない。また、欠落角度を収集するために検出器の部分リングまたは回転も利用できる。しかし、そのような手法は、PETスキャナの全体的な感度に対して厳しい影響を与える。円筒形状の場合、平面内に含まれる全てのガンマ線は、検出器と干渉する可能性を有する。このような円筒形状の場合、軸方向に関する寸法を大きくすると、ガンマ線を収集する感度や性能にきわめて有利な効果がある。従って、最良の構造は、全てのガンマ線が検出される可能性がある球体構造である。当然ながら、人間への応用では、球状構造は、極めて大きくなり、極めて高価にならざるをえない。従って、現実的には、検出器の軸方向の長さが可変である円筒形状が、最新のPETスキャナの構造の基本である。
【0009】
PETスキャナは、PET検出器リング内の結晶(シンチレーション結晶)を次第に小さくすることによってサンプリングの品質(密度)を徐々に高めている。PETスキャナは、PET検出器システムに実装するリング数を増やすことによって立体的になってきている。結晶は、PETスキャナの最も高価な部品の1つである。小動物スキャナは、結晶をどれだけ小さくできるかの限界に挑んでいる。典型的には、人間サイズの臨床システムは、約4〜6mmの正方形または長方形の結晶を使用している。小動物サイズの臨床システムは、実質上、1ミリメートル以下のサイズの結晶を使用している。しかしながら、各結晶を用意したり特性を決定するためのコストが増えたり、各結晶の複雑さ(結晶が小さくなることは、チャネルが多くなり、再構成要件が厳密になることを意味する)が増えたりするので、臨床システムで使用する結晶を小さくすることは、重い負担となる。
【0010】
収集されたPETデータの空間分解能を改善する他の方法は、二段抽出(sub-sampling)を行うことである。この手法では、スキャナの「本来(native)」の幾何学的配置で第1のデータセットが収集され、次にこの幾何学的配置が僅かに変化した状態で第2のデータセットが収集される。幾何学的配置の小さな変化の情報がシステムの本来の空間分解能より優れている場合、二段抽出が行われ、システム全体の分解能が改善される。2種類のデータセットを利用するこの手法は、より多くの要素を利用して繰り返すことができる。しかしながらこの手法は、フィルタ逆投影法やフーリエリビニング法などの「単一光線」の画像再構成法に限定される。その理由は、最新の統計的画像再構成法(例えば、最尤推定―期待値最大化法(ML―EM))が、有限サイズのサンプリング要素を既にモデル化しているので、そのようなサンプリングから恩恵を受けないからである。
【0011】
単一光線の画像再構成システムには、2つのタイプの二段抽出が実行されている。1つの手法では、体軸横断面内においてPETスキャナ全体が動かされ(揺動)、体軸横断面内の再構成において結晶より小さいサイズの解像度が可能になる。第2の手法は、SPECTイメージングでも使用可能な手法に極めて類似しており、患者ベッドを連続的に移動させなければならない。この手法では、体軸方向において結晶サイズ以下の解像度を得ることができる。
【0012】
図1A、図1B、及び図1Cに示すように、単純な回転と平行移動とにより、同一検出からのサンプリング密度(同時計測線)を大幅に高めることができる。図1Aは、体軸横断面内の本来(オリジナル)のサンプリングパターンを示す。図1Bは、主軸回り(架台のアイソセンタ回り)の単純な回転により得られる体軸横断面内のサンプリングパターンを示す。図1Cは、体軸横断面内における垂直方向の平行移動により得られる体軸横断面内のサンプリングパターンを示す。図2Aは、軸平面内の本来(オリジナル)のサンプリングパターンを示す。図2Bは、軸方向に沿う単純な水平方向の平行移動によって得られるサンプリングパターンを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
目的は、空間分解能の向上を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本実施形態に係るPETスキャナシステムは、PETイベント情報を収集し、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成された検出器と、前記PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成された患者ベッドと、前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する第1の収集部と、前記検出器に関する第2のイベント情報を収集する第2の収集部と、前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する生成部と、前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】オリジナルのサンプリングパターンに関する体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図1B】主軸回りの単純な回転により得られたサンプリングパターンに関する体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図1C】体軸横断面内の垂直方向に関する平行移動によって得られたサンプリングパターンを含む体軸横断面内のサンプリングプロセスを示す図。
【図2A】軸平面内のオリジナルのサンプリングパターン示す図。
【図2B】軸方向の単純な横方向平行移動によって得られたパターンを示す図。
【図3】本実施形態によるシステムを示す図。
【図4A】検出器リングに半分の検出器モジュールしか含まない検出器リングを示す図。
【図4B】検出器リングに半分の検出器モジュールしか含まない検出器リングを示す図。
【図5】単一イベントのリスト形式を示す図。
【図6A】単一イベントのデータ形式を示す図。
【図6B】簡易タイムスタンプのデータ形式を示す図。
【図6C】大域タイムスタンプのデータ形式を示す図。
【図7】本実施形態に係る方法のフローチャート。
【図8】非検出器イベントの収集を示すシステム図。
【図9A】PET/CTスキャナの関連座標系を示す図。
【図9B】PET/CTスキャナを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態は、放射性場(radioactive field)や被検体のサンプリング性能を決定づけるPETイメージングシステムの構成要素に関する。検出器は、単一イベントしか収集できない。しかしながら、適切なエネルギー特性とタイミング特性とを有する2つの単一イベントをペアリングすることによってPET情報が得られる。最終情報(画像)の精度は、タイミング弁別とエネルギー弁別との精度に依存する。また、最終情報(画像)の精度は、同時計測線(LOR)すなわち同時計測(コインシデンス)イベントに関する2つの結晶を結ぶ線の密度にも依存する。空間分解能は、このサンプリングの精度と数学的再構成の詳細との両方に依存する。
【0017】
本実施形態によれば、PETスキャナの全体コストを削減すると同時にサンプリング精度を改善する方法は、所望の空間分解能を支援するのに適した特性を有する検出器モジュールを形成し、検出器モジュールを軸方向と円周方向との両方に沿って検出器リング上に離散的に配置し、そして、ガントリや患者ベッドを移動することによってサンプリングギャップを埋めることである。なおサンプリングギャップは、検出器リングが検出器モジュールにより完全には埋められていないことによって形成される。この場合、検出器リングは、検出器モジュールが配置されていない部分を有している。すなわち、サンプリングギャップは、検出器リングが検出器モジュールにより不完全に埋められことにより形成される。PET/CTスキャナシステムの患者ベッドと検出器リングとを示す図9Aと図9Bとを参照されたい。この手法は感度が低下するが(例えば、スキャナの有効範囲を半分にすると、同時計測イベントを検出する確率が4分の1になる)、イメージング時間を犠牲にすることなく所望の空間分解能を達成することは明かである。
【0018】
図4Aは、不完全に埋められている検出器リングを示す。この検出器リングは、平面状において検出器(あるいは検出器素子)を半分のみ有する。LORの数と分布とは適切に見えるが、図4Bに示すラドン空間(γ,φ)のグラフは、明らかに、サンプリング空間内の多数のギャップを示し、「セル」の1/4しか埋まっていないことを示す。検出器システム全体の回転によってグラフを上下に漸次移動し、欠落したセルを埋める。患者ベッドの上下方向の移動は、一般に左右方向の移動よりも実現しやすい。患者ベッドの上下方向の移動は、例えば、このグラフを複雑に変形させる。完全な1対1対応の水平方向のシフトは、移動方向軸に対応する角度で得られ、他の場合はcos(φ)で構成される。回転と平行移動との組み合わせは、欠落したセルを埋めることに関して複合的な効果(また効率)を有する。しかしながら、検出器リングや患者ベッドの動きがある場合、全ての動きがPETスキャナの開口自体の範囲内で起こらなければならないので、有効視野が減少する。
【0019】
軸方向のギャップは、z方向の全有効範囲が間にギャップを有する2つの半分の検出器によって達成される場合、LORの数を増やす。
【0020】
この二段抽出法において、収集によって得られたそれぞれの新しい変数は、再構成によって明示的に認識されなければならない。ヒストグラムモード再構成において、サイノグラムは、四次元エンティティ(r,φ,z,θ)であり、直線サイノグラムと傾斜サイノグラムとにおいて全ての可能なLORを含む。ここで、tは半径方向の距離、φはリング内側の角度、zは軸方向の距離、θは傾斜角、すなわち体軸横断面からの傾き角度(チルト角)である。そのような手法は、動的情報d(1〜数十次元)やゲート制御情報g(8〜16次元)、及び飛行時間tof(少なくとも8〜16次元)を含む他の変数も必要であることを考えると、複雑さが大きい。これらの要件により、軸方向の患者ベッドの動きbz(2〜8次元)とガントリの動きgφ(2〜8次元)とを追加することにより、9次元のデータ構造(r,φ,z,θ,d,g,tof,bz,gφ)が生成される。同時に生じない場合があるdとgとを除いて、いくつかの代表的な臨床手順には他の全ての変数が必要である。従って、従来システムは、通常、1つまたは限られた数の変数しか追加せず、一般に追加のサンプリングに対応していない。データセットの次元数が増えることに加え、カウントの総数は増えない。その結果、8または9次元のデータセットは、典型的には、きわめて簡易になり、空のボクセルまたはカウントが1つしかないボクセルが極めて高い割合で出現する。
【0021】
リストモード再構成において、各イベントは、全ての必要な(多くの場合、9個以上)変数が付加され、再構成プロセスに個々に組み込まれる。この手法においては、各イベントで追加する情報を増やすことは、再構成の複雑さと全体の再構成時間とにほんのわずかしか影響を与えない。さらに、個々のイベントが再構成によって直接的に考慮されるので、どの変数も一定の増分を有する必要がなく、そのような動きを高速で正確に監視できれば、どの軸も連続的に動かすことができる。
【0022】
本実施形態は、再構成プロセスにおいて、軸方向(bz)データと横断方向(gφ)データとを含む、被検体(患者)の位置の情報を含むシステム及び方法を対象とする。
【0023】
本実施形態は、軸方向と横断方向とに関するサンプリングと分解能との強化が、連続的な患者ベッドの動きとPET検出器の全体的な動きとによって同時に可能であり、全ての空間情報がそれぞれの個別のイベントに付与され、いかなる種類のヒストグラムも生成することなく直接的に再構成されるシステムについて述べる。
【0024】
本実施形態の実施態様における要素は、検出器情報(タイミング情報、エネルギー情報、及び空間情報を有するイベント)と非検出器情報(患者ベッド位置、ガントリ回転、及び他の標準臨床タイミング基準)との統合である。後でより詳しく述べる図3は、大域イベントコレクタ300が、それぞれのサブまたは局所コレクタ301〜303と、非検出器情報を制御/監視する回路とに接続されたシステムを示す。
【0025】
患者ベッドの動きは、かなり単純で一様であり、一般に直線的である。ガントリの動きは、主軸のまわりの単純な回転、任意の他の点のまわりの回転、体軸横断面内の線に沿った平行移動、またはこれらの組み合わせである。他の例において、患者ベッド(既に適所にある)の線形及び上下の動きを使用して、体軸横断面と軸方向面とにおいて同レベルの二段抽出を達成する。
【0026】
図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、局所コレクタ301からイベント情報を受け取る。局所コレクタ301は、局所イベントコレクタに接続されたN個の検出器モジュールを含む。局所コレクタは、類似の構造を有する。図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、非検出器イベントも受け取る。非検出器イベントは、患者ベッド位置に関する情報、ガントリ回転に関する情報、及び他の標準臨床タイミング基準情報を含む。図8を参照されたい。大域イベントコレクタは、局所コレクタ301〜303が受け取った検出器情報を、患者ベッド位置やガントリ位置などの対応する非検出器イベント情報に関連付ける。
【0027】
図3に示すように、大域イベントコレクタによって収集された情報は、関連付けられたデータベース/磁気ディスク装置320に記憶するためにデータ収集サーバ310に送られる。イベントのペアリングは、データベース320に記憶された情報にアクセスするペアリングサーバ330によって実行される。あるいは、データ収集サーバ310とペアリングサーバ330とが同一の装置によって実現されてもよい。
【0028】
大域イベントコレクタ300は、全ての検出器からのイベントデータを単一のイベントリストに組み込む。イベントリストの形式は、図5と図6とを参照しながら後でより詳細に説明される。
【0029】
大域イベントコレクタ300は、また、非検出器イベントをイベントリストに組み込む。非検出器イベントは、患者ベッドの運動及び位置と、検出器リングの運動及び位置と、EKG情報などの生理学的情報とに関する。非検出器イベントは、異なる時間スケールで発生する。非検出器イベントは、例えば、患者ベッドの位置を時間の関数として記述する。また、非検出器イベントは、例えば、PET検出器リング上の角度位置を時間の関数や、EKG信号の関数、呼吸信号トレースの関数、あるいはPETイベントデータの最終的な再構成と提示とを実行するための他の生理学的または変換器信号の関数として記述する。
【0030】
イベントリストを生成する際、大域イベントコレクタ300は、イベントを並び替えてイベントを時間順に配列する。さらに、大域イベントコレクタ300は、一時的なイベントバーストを、後で処理するために、一時的なイベントバッファ340内にバッファする。一時的なイベントバッファ340がオーバフロー状態の場合、大域イベントコレクタは、受け取ったイベントをランダムに廃棄する。
【0031】
大域イベントコレクタが実行できる他の機能は、インライン(in-line)イベントフィルタリングにおいて、対象のウィンドウに含まれないデータ情報(例えば、エネルギー)を有するイベントをイベントリストから廃棄することである。対象のウィンドウや他のフィルタリング基準は、任意に設定可能である。
【0032】
図3に示すように、大域イベントコレクタ300は、ペアリングサーバ330による最終処理のために、イベントリストをイベントデータと共にデータ収集サーバ310に分配する。例えば、データは、所定の時間量に達するか所定のイベント数に達したときにペアリングサーバに定期的に転送される。ペアリングサーバへのデータ転送は、大域イベントコレクタの一時バッファ内にコンパイルされたイベントリストの一部分をメッセージ内に定期的に圧縮し、それらをサーバに送信することによって実行される。最適なデータ転送のために、メッセージのサイズと転送速度とは、イベントカウントレートの関数である。カウントレートが高いほどメッセージは大きくなり、従って、各メッセージに関連したオーバヘッドは無視できるようになる。カウントレートが低いほど大きな帯域幅が利用できるのでメッセージオーバヘッドが重要でなくなり、従って、より小さいメッセージがより頻繁に送信される。サーバは、データの大きな部分をバースト処理し次に長期間休止するのではなく、データのより小さな部分を連続的に処理することができる。
【0033】
図5は、本実施形態で使用される前述のイベントリストの形式を示す。図5に示すように、イベントリストは、一連のエントリを含む。各エントリは、エントリに含まれるデータの型を示す「エントリタイプ」フィールドを含む。単一のイベントには、(1)検出器情報に関するイベントデータ、(2)簡易タイムスタンプデータ、及び(3)生理学的データ、患者ベッド位置、検出器位置、EKGデータなどの非検出器情報に関する非検出器イベントデータ、の少なくとも3つの異なるエントリタイプが使用される。図5に示すように、簡易タイムスタンプイベントは、例えば、25.6マイクロ秒ごとに発生する。非検出器イベントは、典型的には、簡易タイムスタンプイベントのイベントデータほど頻繁に発生しない。
【0034】
図6Aに示すように、イベントデータエントリの形式は、例えば、(1)9ビットのエネルギーフィールド、(2)18ビットの結晶位置フィールド、(3)20ビットの精密タイムスタンプ、及び(4)エントリタイプフィールドの4つのフィールドを含む。エネルギーフィールドは、検出イベントのエネルギーを示す。結晶位置フィールドは、イベントの結晶場所を示す。精密タイムスタンプは、例えば、25.6ピコ秒の分解能を有し、従って30時間の範囲を有する。
【0035】
図6Bに示すように、簡易タイムスタンプフィールドは、例えば、(1)32ビットの簡易タイムスタンプフィールドと(2)エントリタイプフィールドとを含む。簡易タイムスタンプフィールドの分解能は、精密タイムスタンプフィールドの範囲と等しく、例えば、25.6マイクロ秒である。従って、簡易タイムスタンプフィールドに32ビットが割り当てられるので、範囲は、この場合、約30時間である。
【0036】
前述のもの以外のフィールドタイプや各フィールドへのビット割り当ても使用することができる。
【0037】
図6Cは、25.6ピコ秒の分解能と約30時間の範囲とを提供するために簡易タイムスタンプと精密タイムスタンプとを連結することによって、リスト内の各イベントから導き出すことができる大域タイムスタンプを示す。
【0038】
前述のように、大域イベントコレクタは、主に、図5に示されたイベントリストを生成し、処理(すなわち、イベントのペアリングと再構成)のためにイベントデータをデータ収集サーバとペアリングサーバとに送信する。しかしながら、イベントカウントレートに依存する資源の可用性により、大域イベントコレクタは、フィルタリングとイベントペアリングと再構成とを含むデータ処理タスクを実行することもできる。
【0039】
大域イベントコレクタ300は、進行中に様々な機能を実行するように構成されるプログラマブルロジックで実装される。例えば、PETスキャン中、最初のカウントレートは、典型的には、きわめて高い。また、大域イベントコレクタのほとんどの論理資源は、イベントリスト内のイベントデータをデータ収集サーバに転送するために利用される。スキャンが続くとき、カウントレートは減少する。これにより、大域イベントコレクタのロジックのいくつかをデータ処理のために解放することができる。カウントレートが更に減少し続ける場合、データ処理に利用できる大域イベントコレクタの論理資源を増やすことができ、ペアリングサーバの活動が支援される。
【0040】
従って、大域イベントコレクタは、絶えずカウントレートを監視し、データ処理を実行するか否かを判断する。これにより、大域イベントコレクタは、システムの資源を完全に利用することができる。その結果、システムのコスト効果が向上し、画像処理が高速になる。カウントレートは、各検出器モジュールによって絶え間なく監視される。しかし、全ての検出器モジュールは、この情報を大域イベントコレクタに提供する。そして大域イベントコレクタは、PETスキャナ全体について実時間カウントレートを計算する。スキャナ全体のカウントレートに基づいて、大域イベントコレクタは、データ収集に加えて、常に、実行可能なデータ処理の種類と量とを決定する。これにより、検査範囲内の瞬間的なカウントレートに従って、様々な計算処理資源がどのように動的に割り当てられるかを調整することができる。例えば、86Rbの検査においては、極端に高いカウントレートが、始めの1,2分続き、次に中間または低いカウントレートになる。
【0041】
本実施形態において、用語「オフライン」は、検出された時と大きく異なる時間にイベントを処理することができるシステムを指す。実際的な実施態様では、当然ながら、許容可能な時間期間内で画像を得るために、検出後できるだけ迅速にペアリングを開始することが望ましい。他の実施態様においては、検出とペアリングとは、パイプラインモードで同時に(様々なイベントで)行われる。
【0042】
図7は、本実施形態に係る方法のフローチャートである。図7において、ステップ701、702、及び703は、繰り返しかつ同時に実行される。ステップ701において、消滅イベントに関するPETイベント情報(検出器イベント情報)は、検出器リング内の検出器モジュールによって収集される。PETイベント情報は、例えば、消滅イベントの時間や位置、エネルギー等の検出器情報を含む。ステップ702において、患者ベッドの位置に関連した非検出器イベント情報が収集される。例えば、ステップ702で収集された非検出器イベント情報は、患者ベッドの位置の変化である。同様に、ステップ703において、検出器リングの位置に関連した非検出器イベント情報が収集される。例えば、ステップ703において収集された非検出器イベント情報は、検出器の位置の軸方向または体軸横断方向に関する変化である。ステップ704において、収集されたPETイベント情報、収集された患者ベッド位置イベント情報、及び収集された検出器位置イベント情報は、イベントリスト/バッファに追加される。PETイベント情報と非検出器イベント情報とは、異なる頻度で発生し、それに応じてリストに追加される。ステップ705において、リストモード再構成が実行され、イベントリストに含まれるイベント情報に基づいて画像が再構成される。
【0043】
図8は、患者ベッドの位置と検出器リング/ガントリの位置とを含む非検出器イベントが検出され、図3に示した大域イベントコレクタ300に送られるPETシステムの一部分を示す。図9Aと図9Bとも参照されたい。図8に示したように、患者ベッド800の位置は、患者ベッドコントローラ810によって制御される。患者ベッドコントローラは、オペレータにより設定可能なスキャン軌道に基づいてベッドを制御する。同様に、検出器リング/ガントリ830の位置や回転は、検出器リングコントローラ840によって制御される。検出器リングコントローラ840は、オペレータにより設定可能なスキャン軌道に基づいて検出器リングを制御する。もしくは、患者ベッドコントローラと検出器リングコントローラとは、所定のスキャン軌道またはオペレータにより選択されたスキャン軌道に基づいて、患者ベッドと検出器リングとの両方を制御する単一の制御部に組み込むことができる。患者ベッドコントローラ810と検出器リングコントローラ840とは、ハードウェアで実現したり、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現したりすることができる。
【0044】
患者ベッド位置検出器820は、定期的に、患者ベッド800の位置や速度を検出し、検出された位置や速度を非検出器イベントとして大域イベントコレクタ300に送る。患者ベッド位置検出器は、患者ベッド800の動きを検出するための種々のセンサを含む。同様に、検出器リング位置検出器850は、検出器リング830の位置や角速度を定期的に検出し、検出された位置や角速度を非検出器イベントとして大域イベントコレクタ300に送る。検出器リング位置検出器は、検出器リング830の動きを検出するための種々のセンサを含む。
【0045】
本実施形態は、追加のハードウェアを使用せずにより優れた空間分解能を得ることや、より少数の検出器素子で類似の分解能を得ることができる。検出器情報と非検出器情報とを1つの流れに統合して、リストモード再構成を使用することにより、ヒストグラム作成のために追加の変数を形成するという観点で、固定されたサンプルが収集されるときに必要な厳密な制御とは対照的に、種々の位置の純粋な監視が可能になる。
【0046】
大域イベントコレクタ、データ収集サーバ、及びペアリングサーバを含む前述のPETシステムの様々な構成要素は、コンピュータシステムまたはプログラマブルロジックを使用して実施することができる。本実施形態の種々の構成要素を実施することができるコンピュータシステムは、情報を通信するためのバスや他の通信機構と、バスに結合されて情報を処理するためのプロセッサとを含む。コンピュータシステムは、また、ランダムアクセスメモリ(RAM)や他のダイナミック記憶装置(例えば、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)及びシンクロナスDRAM(SDRAM))など、情報ならびにプロセッサによって実行される命令を記憶するためにバスに結合された主記憶装置を含む。更に、主記憶装置は、プロセッサによる命令の実行中に一時的数値変数や他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステムは、さらに、プロセッサのための静的情報と命令を記憶するためにバスに結合された読み出し専用メモリ(ROM)や他のスタティック記憶装置(例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、及び電気的消去書込み可能PROM(EEPROM))を含む。
【0047】
コンピュータシステムは、また、情報と命令とを記憶するための、磁気ハードディスクやリムーバブルメディアドライブ(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、読み出し専用コンパクトディスクドライブ、読み出し/書き込みコンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクジュークボックス、テープドライブ、及びリムーバブル光磁気ドライブ)などの1つまたは複数の記憶装置を制御するためにバスに結合されたディスクコトローラを含む。記憶装置は、適切な機器インタフェース(例えば、小型コンピュータシステムインタフェース(SCSI)、集積装置電子回路(IDE)、拡張IDE(E−IDE)、ダイレクトメモリアクセス(DMA)、またはウルトラDMA)を使用して、コンピュータシステムに追加されてもよい。
【0048】
コンピュータシステムは、また、専用論理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))または構成可能論理装置(例えば、単純プログラム可能論理装置(SPLD)、複雑プログラム可能論理装置(CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))を含んでもよい。
【0049】
コンピュータシステムは、また、バスに結合されて、コンピュータユーザに情報を表示するための陰極線管(CRT)などの表示装置を制御するディスプレイコントローラを含んでもよい。コンピュータシステムは、コンピュータのユーザと対話しプロセッサに情報を提供するための、キーボードやポインティング装置などの入力装置を含む。ポインティング装置は、例えば、指示情報とコマンド選択とをプロセッサに通信しかつ表示装置上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはポインティングスティックでよい。更に、プリンタは、コンピュータシステムによって記憶されたデータや生成されたデータの印刷リストを提供することができる。
【0050】
コンピュータシステムは、主記憶装置などの記憶装置に含まれる命令のシーケンスを実行するプロセッサに応じて、本実施形態の処理ステップの一部または全てを実行する。そのような命令は、ハードディスクやリムーバルブメディアドライブなどの別のコンピュータ可読媒体から主記憶装置に読み込まれてもよい。主記憶装置に含まれる命令シーケンスを実行するために多重処理機構のプロセッサが使用されてもよい。他の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令の代わりまたはそのソフトウェア命令との組み合わせで使用されてもよい。従って、実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0051】
以上のように、コンピュータシステムは、本実施形態の教示に従ってプログラムされた命令を保持し、データ構造、テーブル、レコード、または本明細書で述べる他のデータを収容するための少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または記憶装置を含む。コンピュータ可読媒体の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、若しくは他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD−ROM)、またはコンピュータが読み出すことができる他の媒体である。
【0052】
本実施形態は、コンピュータシステムを制御し、本実施形態を実施するための装置を駆動し、コンピュータシステムが人間ユーザと対話することを可能にするために、コンピュータ可読媒体のいずれか1つまたは組み合わせに記憶されたソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、及びアプリケーションソフトウェアを含んでもよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、さらに、本実施形態を実施する際に実行される処理の全てまたは一部分(処理が分散される場合)を実行するための本実施形態のコンピュータプログラム製品を含む。
【0053】
本実施形態のコンピュータコード装置は、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス、及び完全実行可能プログラムを含むがこれに限定されない任意の解釈可能または実行可能なコード機構でよい。さらに、本実施形態の処理の一部分は、パフォーマンスや信頼性、コスト効果を高めるために分散されてもよい。
【0054】
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるとき、実行用のプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。コンピュータ可読媒体は、不揮発性媒体や揮発性媒体を含むがこれに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、ハードディスクやリムーバブルメディアドライブなどの、光ディスク、磁気ディスク、及び光磁気ディスクがある。揮発性媒体には、主記憶装置などのダイナミックメモリがある。
【0055】
コンピュータ可読媒体の種々の形態は、実行用のプロセッサに対する命令のシーケンスの実行に関与してもよい。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスクに保持されてもよい。リモートコンピュータは、本実施形態の全てまたは一部分を実施するための命令をダイナミックメモリにリモートでロードし、モデムを用いて電話線で命令を送信することができる。コンピュータシステムに対してローカルなモデムが、電話線でデータを受信し、赤外線トランスミッタを用いてデータを赤外線信号に変換してもよい。バスに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、そのデータをバスに乗せることができる。バスは、データを主記憶装置に送り、プロセッサは、そこから命令を取り出し実行する。主記憶装置が受け取った命令は、必要に応じて、プロセッサによる実行前または実行後に記憶装置に記憶されてもよい。
【0056】
コンピュータシステムは、また、バスに結合された通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)や、インターネットなどの別の通信ネットワークに接続されたネットワークリンクに結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェースは、任意のパケット交換LANに接続するためのネットワークインタフェースカードでよい。別の例として、通信インタフェースは、データ通信接続を対応するタイプの通信回線に提供する非対称デジタル加入者線(ADSL)カード、総合サービスデジタル網(ISDN)カード、またはモデムでよい。無線リンクが実装されてもよい。任意のそのような実施態様において、通信インタフェースは、種々のタイプの情報を表わすデジタルデータストリームを伝える電気信号、電磁気信号、または光学信号を送受信する。
【0057】
ネットワークリンクは、一般に、ネットワークを介してデータ通信を他のデータ装置に提供する。例えば、ネットワークリンクは、ローカルネットワーク(例えば、LAN)、または通信ネットワークを介して通信サービスを提供するサービスプロバイダによって操作された機器によって、別のコンピュータに接続を提供してもよい。ローカルネットワークと通信ネットワークとは、例えば、デジタルデータストリームを伝える電気信号、電磁気信号、または光学信号と、関連する物理層(例えば、CAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなど)とを使用する。種々のネットワークを介した信号と、ネットワークリンク上にありコンピュータシステムとの間でデジタルデータをやりとりする通信インタフェースを介した信号は、ベースバンド信号、または搬送波ベース信号で実施されてもよい。ベースバンド信号は、デジタルデータビットの流れを表す非変調電気パルスとしてデジタルデータを伝え、ここで、用語「ビット」は、記号を意味するように広義に解釈されるべきであり、各記号は、情報ビットを伝える。デジタルデータは、また、導電性媒体によって伝播されるかあるいは伝播媒体を介して電磁波として送信される、振幅偏移符号化信号や位相偏移符号化信号、周波数偏移符号化信号などで搬送波を変調するために使用されてもよい。従って、デジタルデータは、「配線」通信チャネルによって非変調ベースバンドデータとして送信されもよい。また、デジタルデータは、搬送波を変調することによって、ベースバンドと異なる所定の周波数帯の範囲内で送信されてもよい。コンピュータシステムは、ネットワーク、ネットワークリンク、及び通信インタフェースを通して、プログラムコードを含むデータを送受信することができる。さらに、ネットワークリンクは、LANによって、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのモバイル装置に接続してもよい。
【0058】
以上の教示を鑑みて本発明の多数の修正と変形が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内で、本発明が、本明細書に具体的に記述されたものと異なる方法で実施されてもよいことを理解されたい。
【符号の説明】
【0059】
300…大域イベントコレクタ、301…局所コレクタ、302…局所コレクタ、303…局所コレクタ、310…データ収集サーバ、320…ディスク、330…ペアリングサーバ、340…一時的なイベントバッファ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PETイベント情報を収集し、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成された検出器と、
前記PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成された患者ベッドと、
前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する第1の収集部と、
前記検出器に関する第2のイベント情報を収集する第2の収集部と、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する生成部と、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、
を具備するPETスキャナシステム。
【請求項2】
前記生成部は、前記イベントリスト内の前記複数のイベントの各々についてタイムスタンプを生成し、前記タイムスタンプに基づいて前記イベントの時間順に従って前記イベントリストを生成する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項3】
前記検出器は、前記PETイベント情報をリストモードで取得し、
前記リストモードは、飛行時間情報を含む、
請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項4】
前記患者ベッドは、直線的に移動可能に構成されている、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項5】
前記検出器は、PETスキャナのアイソセンタ回りに回転する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項6】
前記検出器は、PETスキャナの任意の点回りに回転する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項7】
前記検出器は、PETスキャナの体軸横断面上において曲線に沿って移動する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項8】
前記検出器は、前記PETイベント情報を収集している期間に静止し続け、
前記患者ベッドは、三次元空間内を曲線状に移動する、
請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項9】
PETイベント情報の収集中に移動するように構成された検出器と患者ベッドとを含むPETスキャナシステムにおける画像再構成の方法であって、
前記PETイベント情報を収集するステップと、
前記収集されたPETイベント情報に対応する、前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集するステップと、
前記収集されたPETイベント情報に対応する、前記検出器に関する第2のイベント情報を収集するステップと、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成するステップと、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像をリストモード再構成するステップと、
を具備する方法。
【請求項10】
前記生成するステップは、前記イベントリスト内の前記複数のイベントの各々のタイムスタンプを生成し、前記タイムスタンプに基づいて前記イベントの時間順に従って前記イベントリストを生成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記PETイベント情報を収集するステップは、飛行時間情報を含むリストモードで前記PETイベント情報を収集するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記患者ベッドを直線的に移動させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器をPETスキャナのアイソセンタ回り回転させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器をPETスキャナの任意点回りに回転させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器を前記PETスキャナの体軸横断面上において曲線に沿って移動させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記PETイベント情報を収集するステップは、
前記PETイベント情報の収集中に前記検出器を静止させるステップと、
前記PETイベント情報の収集中に前記患者ベッドを三次元空間内を曲線状に移動させるステップと、
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項17】
PETイベント情報を収集する第1の収集部と、
患者ベッドの位置に関する第1のイベント情報を収集する部であって、前記第1のイベント情報が前記収集されたPETイベント情報に対応する第2の収集部と、
検出器の位置の第2のイベント情報を収集する部であって、前記第2のイベント情報が前記収集されたPETイベント情報に対応する第3の収集部と、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントのイベントリストを生成する生成部と、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、
を具備するPETスキャナシステム。
【請求項1】
PETイベント情報を収集し、前記PETイベント情報を収集している期間に移動可能に構成された検出器と、
前記PETイベント情報が収集されている期間に移動可能に構成された患者ベッドと、
前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集する第1の収集部と、
前記検出器に関する第2のイベント情報を収集する第2の収集部と、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成する生成部と、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、
を具備するPETスキャナシステム。
【請求項2】
前記生成部は、前記イベントリスト内の前記複数のイベントの各々についてタイムスタンプを生成し、前記タイムスタンプに基づいて前記イベントの時間順に従って前記イベントリストを生成する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項3】
前記検出器は、前記PETイベント情報をリストモードで取得し、
前記リストモードは、飛行時間情報を含む、
請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項4】
前記患者ベッドは、直線的に移動可能に構成されている、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項5】
前記検出器は、PETスキャナのアイソセンタ回りに回転する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項6】
前記検出器は、PETスキャナの任意の点回りに回転する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項7】
前記検出器は、PETスキャナの体軸横断面上において曲線に沿って移動する、請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項8】
前記検出器は、前記PETイベント情報を収集している期間に静止し続け、
前記患者ベッドは、三次元空間内を曲線状に移動する、
請求項1に記載のPETスキャナシステム。
【請求項9】
PETイベント情報の収集中に移動するように構成された検出器と患者ベッドとを含むPETスキャナシステムにおける画像再構成の方法であって、
前記PETイベント情報を収集するステップと、
前記収集されたPETイベント情報に対応する、前記患者ベッドに関する第1のイベント情報を収集するステップと、
前記収集されたPETイベント情報に対応する、前記検出器に関する第2のイベント情報を収集するステップと、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントに関するイベントリストを生成するステップと、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像をリストモード再構成するステップと、
を具備する方法。
【請求項10】
前記生成するステップは、前記イベントリスト内の前記複数のイベントの各々のタイムスタンプを生成し、前記タイムスタンプに基づいて前記イベントの時間順に従って前記イベントリストを生成するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記PETイベント情報を収集するステップは、飛行時間情報を含むリストモードで前記PETイベント情報を収集するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記患者ベッドを直線的に移動させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器をPETスキャナのアイソセンタ回り回転させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器をPETスキャナの任意点回りに回転させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記PETイベント情報を収集するステップは、前記PETイベント情報の収集中に前記検出器を前記PETスキャナの体軸横断面上において曲線に沿って移動させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記PETイベント情報を収集するステップは、
前記PETイベント情報の収集中に前記検出器を静止させるステップと、
前記PETイベント情報の収集中に前記患者ベッドを三次元空間内を曲線状に移動させるステップと、
を含む請求項9に記載の方法。
【請求項17】
PETイベント情報を収集する第1の収集部と、
患者ベッドの位置に関する第1のイベント情報を収集する部であって、前記第1のイベント情報が前記収集されたPETイベント情報に対応する第2の収集部と、
検出器の位置の第2のイベント情報を収集する部であって、前記第2のイベント情報が前記収集されたPETイベント情報に対応する第3の収集部と、
前記PETイベント情報、前記第1のイベント情報、及び前記第2のイベント情報を含む複数のイベントのイベントリストを生成する生成部と、
前記生成されたイベントリストを処理することによって画像を再構成する再構成部と、
を具備するPETスキャナシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2011−75549(P2011−75549A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165074(P2010−165074)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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