説明

PIPD繊維を含有する摩擦紙

本発明は、重量部が、紙中のa)およびb)の総量を基準とし、(a)40〜70重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物とを含んでなる紙に関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本件出願は、その開示が参照により本明細書に援用される、2005年12月21日出願の米国仮特許出願第60/752,854号明細書の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物を含有する摩擦紙に関する。
【背景技術】
【0003】
摩擦紙は、例えば、自動車業界でブレーキおよび変速機システムに利用されている。これらの紙は耐久性があり、そして高い耐熱性を持たなければならない。
【0004】
かかる紙を提供する1つのアプローチは樹脂含浸繊維システムの使用である。特許文献1は、芳香族ポリアミド繊維、フィラー、および硬化性の熱硬化性樹脂を含浸させた他の材料を含む摩擦紙を開示している。特許文献2は、表面上に摩擦改質粒子を有する樹脂を含浸させた繊維ベースを開示している。特許文献3は、キトサンでコートされたアラミド繊維が摩擦紙の製造に有用であることを開示している。
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第123,312号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1,203,847号明細書
【特許文献3】米国特許第6,139,688号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
改善された特性の摩擦紙に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態では、本発明は、重量部が、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、(a)40〜70重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と、(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物とを含んでなる紙に関する。
【0008】
幾つかの紙は50〜65重量部ポリピリドビスイミダゾール繊維を有する。幾つかの紙では、ポリピリドビスイミダゾール繊維はPIPDである。
【0009】
好適な摩擦改質剤には、シリカ、セライト、またはカーボンが含まれる。
【0010】
ある種の実施形態では、構造用樹脂は、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはエポキシ樹脂またはそれらの混合物である。
【0011】
幾つかの紙は、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂である湿潤紙力増強用樹脂を有する。
【0012】
好適な加工助剤には、硫酸アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、塩化カルシウム、鉱酸、水酸化アンモニウム、微粉歩留向上剤、シラン、またはソーダ灰が含まれる。
【0013】
幾つかの実施形態では、紙はバインダーをさらに含む。好ましい一バインダーはラテックスである。幾つかの実施形態では、ラテックス分散系が使用される。
【0014】
幾つかの態様では、本発明は、重量部が、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、(a)40〜70重量部の(i)ポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と(ii)パラ−アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、グラファイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、ガラス質繊維、およびそれらの混合物の群から選択される繊維との混合物、ならびに(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物の群から選択される材料を含んでなる摩擦紙に関する。
【0015】
幾つかの実施形態では、紙は50〜65重量部ポリピリドビスイミダゾール繊維を有する。幾つかの実施形態では、ポリピリドビスイミダゾール繊維はPIPDである。
【0016】
幾つかの実施形態では、本発明の紙は自動変速機に使用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
幾つかの実施形態では、本発明は、重量部が、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、(a)40〜70重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と、(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物とを含んでなる紙に関する。
【0018】
幾つかの実施形態では、本発明は、重量部が、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、(a)40〜70重量部の(i)ポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と(ii)パラ−アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、グラファイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、ガラス質繊維、およびそれらの混合物の群から選択される繊維との混合物、ならびに(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物の群から選択される材料を含んでなる摩擦紙に関する。
【0019】
本発明の目的のためには、「紙」は、フォアドリニール(Fourdrinier)機または傾斜ワイヤ機などの、抄紙機で製造できる平らなシートである。好ましい実施形態では、これらのシートは、水懸濁液からレイドダウンされ、そしてそれら自身の親和力、摩擦、絡み合い、バインダー、またはそれらの組み合わせによって一緒に接合されたランダムに配向した短繊維の網状構造よりなる一般に薄い繊維シートである。紙は、約10〜約700g/mの坪量および約0.015〜約2mmの厚さを有する。
【0020】
摩擦紙は、様々な条件下で安定した摩擦性能を提供する湿式変速機およびブレーキ・システムに使用される耐久性の、耐熱性およびストレス抵抗性の、そしてしばしば多孔質の紙である。摩擦紙は幾らかの弾性を持たなければならず、紙の性能は、圧縮永久歪みおよび摩耗による影響を受けてはならず、それはまた熱を効果的に消散させることができなければならない。
【0021】
本発明はポリピリドビスイミダゾール繊維を利用する。この繊維は、高強度のものである剛性ロッドポリマーから製造される。この繊維のポリピリドビスイミダゾールポリマーは、少なくとも20dl/gまたは少なくとも25dl/gまたは少なくとも28dl/gの固有粘度を有する。かかる繊維には、PIPD繊維(M5(登録商標)繊維としても知られ、ポリ[2,6−ジイミダゾ[4,5−b:4,5−e]−ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン)から製造される繊維)が含まれる。PIPD繊維は下の構造をベースにしている:
【0022】
【化1】

【0023】
ポリピリドビスイミダゾール繊維は、ポリベンゾイミダゾール繊維がポリビベンゾイミダゾールであるという点において、周知の商業的に入手可能なPBI繊維すなわちポリベンゾイミダゾール繊維とは区別することができる。ポリビベンゾイミダゾール繊維は剛性ロッドポリマーではなく、ポリピリドビスイミダゾールと比較されたときに低い繊維強度および低い引張弾性率を有する。
【0024】
PIPD繊維は、約310GPa(2100グラム/デニール)の平均弾性率および約5.8Gpa(39.6グラム/デニール)以下の平均靱性を有する可能性があると報告されてきた。これらの繊維は、ブルー(Brew)ら著、Composites Science and Technology 59(1999)、1109ページ;ファンデルジャグト(Van der Jagt)、ビューカース(Beukers)著、Polymer 40(1999)、1035ページ;シッケマ(Sikkema)著、Polymer 39(1998)、5981ページ;クロップ(Klop)、ラムマース(Lammers)著、Polymer 39(1998)、5987ページ;ハーゲマン(Hageman)ら著、Polymer 40(1999)、1313ページによって記載されてきた。
【0025】
剛性ロッド・ポリピリドビスイミダゾールポリマーの一製造方法は、シッケマらに付与された米国特許第5,674,969号明細書に詳細に開示されている。ポリピリドビスイミダゾールポリマーは、乾燥原料とポリリン酸(PPA)溶液との混合物を反応させることによって製造されてもよい。乾燥原料は、ピリドビスイミダゾール形成モノマーおよび金属粉末を含んでなってもよい。本発明の布に使用される剛性ロッド繊維を製造するために使用されるポリピリドビスイミダゾールポリマーは、少なくとも25、好ましくは少なくとも100の繰り返し単位を有するべきである。
【0026】
本発明の目的のためには、ポリピリドビスイミダゾールポリマーの相対分子量は、メタンスルホン酸などの好適な溶媒でポリマー製品を0.05g/dlのポリマー濃度に希釈し、そして30℃で1つもしくはそれ以上の希薄溶液粘度を測定することによって好適にキャラクタリゼーションされる。本発明のポリピリドビスイミダゾールポリマーの分子量増加は、1つもしくはそれ以上の希釈溶液粘度測定によって好適に監視され、そしてそれらと相互に関係づけられる。従って、相対粘度(「V相対」または「η相対」または「n相対」)および固有粘度(「V固有」または「η固有」または「n固有」)の希薄溶液測定は典型的にはポリマー分子量を監視するために用いられる。希薄ポリマー溶液の相対粘度および固有粘度は、式
固有=ln(V相対)/C
(ここで、lnは自然対数関数であり、Cはポリマー溶液の濃度である)
に従って関係づけられる。V相対は、ポリマー溶液粘度対ポリマーを含まない溶媒のそれの単位なしの比であり、こうしてV固有は逆濃度の単位で、典型的にはグラム当たりのデシリットル(「dl/g」)として表される。従って、本発明のある種の態様では、メタンスルホン酸中0.05g/dlのポリマー濃度で、30℃で少なくとも約20dl/gの固有粘度を有するポリマー溶液を提供すると特徴づけられるポリピリドビスイミダゾールポリマーが製造される。本明細書に開示される本発明に由来するより高い分子量のポリマーは粘稠なポリマー溶液を生成するので、メタンスルホン酸中の約0.05g/dlポリマーの濃度が適量の時間で固有粘度を測定するために有用である。
【0027】
本発明で有用な模範的ピリドビスイミダゾール形成モノマーには、2,3,5,6−テトラアミノピリジンおよび、テレフタル酸、ビス−(4−安息香酸)、オキシ−ビス−(4−安息香酸)、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ピリドジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−キノリンジカルボン酸、またはそれらの任意の組み合わせをはじめとする、様々な酸が含まれる。好ましくは、ピリドビスイミダゾール形成モノマーには、2,3,5,6−テトラアミノピリジンおよび2,5−ジヒドロキシテレフタル酸が含まれる。ある種の実施形態では、ピリドビスイミダゾール形成モノマーはリン酸化されていることが好ましい。好ましくは、リン酸化ピリドビスイミダゾール形成モノマーは、ポリリン酸および金属触媒の存在下に重合させられる。
【0028】
金属粉末を、最終ポリマーの分子量を構築することを助けるために用いることができる。金属粉末には典型的には、鉄粉、スズ粉末、バナジウム粉末、クロム粉末、およびそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0029】
ピリドビスイミダゾール形成モノマーおよび金属粉末は混合され、次に混合物はポリリン酸と反応させられてポリピリドイミダゾールポリマー溶液を形成する。追加のポリリン酸を必要ならばポリマー溶液に加えることができる。ポリマー溶液は典型的には、ダイまたは紡糸口金を通して押し出されてまたは紡糸されてフィラメントを製造するまたは紡糸する。
【0030】
PIPDパルプは、パルプが高い含水率を有することを意味する、水への高い親和力を有する。これは、水を同程度に吸収しない、そして静的問題に苦しむ他の高性能パルプに普通に関連した凝集および欠陥をもたらす静的効果を排除するのを助けると考えられる。加えて、PIPDパルプおよびPIPDフロックの両方は粘着性という驚くべき属性を有する、すなわち、本パルプから専らまたは本フロックから専ら形成された紙は、高性能繊維から製造された先行技術紙から予想されるより驚くほど高い強度を有する。理論によって縛られたくないが、このより高い強度はパルプおよびフロックの一片の表面間の水素結合によると考えられる。
【0031】
PIPDパルプは、当業者に周知の従来のパルプ製造方法で製造することができる。例えば、ゲリー A.スモック(Gary A.Smook)、コクレック、M.J.(Kocurek,M.J.)著、「パルプおよび紙技術者ハンドブック(Handbook for Pulp & Paper Technologists)」、パルプおよび紙工業技術協会、カナダ国パルプおよび紙協会(Technical Association of the Pulp and Paper Industry;Canadian Pulp and Paper Association)、第3編、2002年;ならびにヘインズ(Haines)らに付与された米国特許第5,171,402号明細書および米国特許第5,084,136号明細書を参照されたい。
【0032】
摩擦紙は、スラリー中で所望の原料を組み合わせ、そして従来技術によって紙を作ることによって製造することができる。かかる方法は当業者に周知である。
【0033】
例えば、次の工程よりなる方法によるPIPDパルプからの紙:(a)PIPDパルプの水性分散系を調製し、(b)水性分散系を製紙金型キャビティで希釈し、(c)水性分散系から水を排出させて湿った紙を生成し、(d)得られた紙を脱水し、乾燥させる、そして(e)紙を物理的特性試験のために順化させること。
【0034】
幾つかの実施形態では、1つもしくはそれ以上の追加の繊維が使用されてもよい。これらの繊維には、パラ−アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、グラファイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、ガラス質繊維、およびそれらの混合物が含まれる。
【0035】
摩擦改質剤は当業者に周知である。好適な摩擦改質剤には、シリカ、セライト、またはカーボンが含まれる。
【0036】
多数の構造用樹脂が当業者に公知である。ある種の実施形態では、構造用樹脂は、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはエポキシ樹脂またはそれらの混合物である。変性フェノール樹脂には、エポキシ、カシュー、アルキル、キリ油、およびシリコーン変性フェノール樹脂が含まれる。
【0037】
幾つかの紙は、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂またはポリアミド−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂である湿潤紙力増強用樹脂を有する。
【0038】
好適な加工助剤には、硫酸アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、塩化カルシウム、鉱酸、水酸化アンモニウム、微粉歩留向上剤、シラン、またはソーダ灰が含まれる。他の加工助剤は、それらが意図される最終用途を妨げない限り、本発明に使用することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、紙はバインダーをさらに含む。好ましい一バインダーはラテックス懸濁液である。
【0040】
試験方法
次の試験方法を以下の実施例で用いた。
【0041】
カナダ標準ろ水度(CSF)は、水がパルプおよび繊維のスラリーまたは分散系から較正スクリーンを通って排出する機能のよく知られた製紙業者の尺度である。ろ水度はTAPPI(パルプ製紙業界技術協会)試験T227によって測定する。試験は、繊維/粒子/水スラリーが抄紙機の移動スクリーン上で紙を形成するときに起こるものを模倣している。試験から得られるデータは、規定条件下に水性スラリーから排出する水のミリリットルである、カナダ標準ろ水度数として表される。大きい数、すなわち、高いろ水度は、水がスクリーン上に蓄積しつつある繊維パッドを通って迅速に排出することを示唆する。低い値は、繊維スラリーがゆっくり排水することを示唆する。繊維なしの水は880mlのCSFを与えるが、100mlより下の数は、多くの短繊維がスクリーンを通過しつつあるかもしれないので問題である。ショッパー−リーグラー(Schopper−Riegler)ろ水度試験は、100mlより下のCSF値にとってより確実である。フィブリルのより大きい数は、水が形成中の紙マットを通って排出する速度を下げるので、ろ水度はパルプのフィブリル化の程度に反比例する。
【実施例】
【0042】
本発明は、以下の具体的な実施例によって今例示される。全ての部および百分率は、特に明記しない限り重量による。本発明の方法に従って製造された実施例は数値で示す。
【0043】
実施例1
本実施例は、どのようにして本発明のパルプを自動変速機紙用途へ組み込むことができるかを例示する。望ましい量の本発明のパルプ、粘土、ラテックス、シリカおよびカーボンなどの摩擦改質剤、ならびにケイ藻土を含有するスラリーを使用して抄紙機で紙を形成する。紙からリングを打ち抜き、物体をフェノール樹脂などのバインダー樹脂の溶液に浸漬する。残存溶媒を除去しそして樹脂を硬化させるために加熱するとすぐに、リングを自動変速機に使用される金属板に付着させる。
【0044】
実施例2
本実施例は、抄紙機でのPIPDベース摩擦紙の製造を例示する。60%のPIPD繊維と、等量のカーボン、セライト、シリカ、およびケイ藻土を含んでなる35%の摩擦改質剤およびフィラーと、5%ラテックスとよりなるスラリーを抄紙機で紙を形成する。水を除去するとすぐに、紙に35%(乾燥紙重量を基準として)フェノール樹脂を含浸させる。紙の加熱は樹脂を硬化させるであろう。
【0045】
実施例3
本実施例は、どのようにして繊維ベース前駆体摩擦紙(含浸なし)を実験室で得ることができるかを例示する。0.80グラムの乾燥重量に相当する量の本発明のPIPDパルプを、16500回転にセットされたパルプ粉砕機で3リットルの水中でかき混ぜる。次に、40%のフィラーおよび摩擦改質剤を加え、上記からのパルプスラリーと共にさらに16500回転でかき混ぜる。4%ラテックスを手動撹拌しながら加える。ミョウバンを次に使用して完成紙料のpHを5〜6に下げる。水を次に加えてスラリーを計8リットルの容量にする。スラリーを次に21×21cmハンドシート金型へ注ぎ込む。形成した紙を次にハンドシートロールで処理し、120℃で乾燥させ、フェノール樹脂を含浸させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量部は、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、
(a)40〜70重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と、
(b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物と
を含んでなる紙。
【請求項2】
50〜65重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維を含んでなる請求項1に記載の紙。
【請求項3】
ポリピリドビスイミダゾール繊維がPIPDである請求項1に記載の紙。
【請求項4】
摩擦改質剤がシリカ、セライト、ケイ藻土、またはカーボンである請求項1に記載の紙。
【請求項5】
構造用樹脂がフェノール樹脂、変性フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはエポキシ樹脂またはそれらの混合物である請求項1に記載の紙。
【請求項6】
湿潤紙力増強用樹脂がメラミン・ホルムアルデヒドである請求項1に記載の紙。
【請求項7】
加工助剤が硫酸アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、塩化カルシウム、鉱酸、水酸化アンモニウム、微粉歩留向上剤、シラン、またはソーダ灰である請求項1に記載の紙。
【請求項8】
バインダーをさらに含む請求項1に記載の紙。
【請求項9】
バインダーがラテックスである請求項8に記載の紙。
【請求項10】
請求項1に記載の紙を含んでなる自動変速機。
【請求項11】
重量部は、紙に含有されるa)およびb)中の固形分の総量を基準とし、
a)40〜70重量部の
i)ポリピリドビスイミダゾール繊維、ポリピリドビスイミダゾールパルプ、またはそれらの混合物と、
ii)パラ−アラミド繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、グラファイト繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、ガラス質繊維、およびそれらの混合物の群から選択される繊維と
の混合物、ならびに
b)30〜60重量部の摩擦改質剤、構造用樹脂、湿潤紙力増強用樹脂、加工助剤、フィラー、およびそれらの混合物の群から選択される材料
を含んでなる摩擦紙。
【請求項12】
50〜65重量部のポリピリドビスイミダゾール繊維を有する請求項11に記載の紙。
【請求項13】
ポリピリドビスイミダゾール繊維がPIPDである請求項11に記載の紙。
【請求項14】
摩擦改質剤がシリカ、セライト、またはカーボンである請求項11に記載の紙。
【請求項15】
構造用樹脂がフェノール樹脂、変性フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、もしくはエポキシ樹脂またはそれらの混合物である請求項11に記載の紙。
【請求項16】
湿潤紙力増強用樹脂がメラミン・ホルムアルデヒドである請求項11に記載の紙。
【請求項17】
加工助剤が硫酸アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、塩化カルシウム、鉱酸、水酸化アンモニウム、歩留向上剤、シラン、またはソーダ灰である請求項1に記載の紙。
【請求項18】
バインダーをさらに含む請求項11に記載の紙。
【請求項19】
バインダーがラテックス懸濁液である請求項18に記載の紙。
【請求項20】
請求項11に記載の紙を含んでなる自動変速機。

【公表番号】特表2009−521622(P2009−521622A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547716(P2008−547716)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/062271
【国際公開番号】WO2007/076335
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】