ＰＯＳシステムにおける単価読み出し機能を備えたＰＯＳ端末
【課題】本発明はＰＯＳシステムにおける練習機能及び単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末に関し，単価読出しモードでも条件により連続した単価読出しを行うことを可能にすることを目的とする。
【解決手段】ＰＯＳ端末の処理部に，練習キーの押下による練習モードの状態や，単価読出しキーの押下による単価読出し状態を記憶するモード設定状態記憶部を備える。モード設定状態記憶部が単価読出し状態に設定された状態で，入力部からの商品コードが入力されると，対応する商品価格を出力部に表示する入力商品価格表示手段と，モード設定状態記憶部が練習モードに設定されているか，通常モードに設定されているかを判別し，単価読出しの動作を連続して実行するか，１回の単価読出しだけで終了するかの制御を行うモード判別処理手段を備えるよう構成する。
【解決手段】ＰＯＳ端末の処理部に，練習キーの押下による練習モードの状態や，単価読出しキーの押下による単価読出し状態を記憶するモード設定状態記憶部を備える。モード設定状態記憶部が単価読出し状態に設定された状態で，入力部からの商品コードが入力されると，対応する商品価格を出力部に表示する入力商品価格表示手段と，モード設定状態記憶部が練習モードに設定されているか，通常モードに設定されているかを判別し，単価読出しの動作を連続して実行するか，１回の単価読出しだけで終了するかの制御を行うモード判別処理手段を備えるよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は，スーパーマーケットや大規模の小売り店で用いられるＰＯＳシステムにおける単価読み出し機能を備えたＰＯＳ端末に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＰＯＳシステムでは，顧客が持参した商品のバーコードをＰＯＳ端末に備えられたスキャナにより読み取って商品コードを識別し，複数のＰＯＳ端末に対して共通に設けられたＰＯＳサーバに問い合わせ，ＰＯＳサーバに登録された商品コードに対応した価格を取得して，各商品の価格を積算することにより売り上げ金額を求める。
【０００３】
このようなＰＯＳ端末のキーボードには「単価読出し」という機能キーが設けられている場合が多い。「単価読出し」キーの機能を説明すると，「単価読出し」キーを押下すると，その後にスキャナにより価格を知りたい商品のバーコードを読取るか，または特定の商品名を表すキーを押下する等により特定の商品コードを入力すると，対応する商品の価格をＰＯＳサーバから取り出して，表示部に表示して，操作者（キャッシャーまたはチェッカー）に価格を認識（確認）させる。なお，ＰＯＳ端末には，商品のバーコードをスキャナにより読取って価格を入力する操作を行うチェッカーと，購入金額の支払いのための現金の受け渡しを行うキャッシャーとを別の人が担当する場合と，一人で両方の作業を行う場合がある。
【０００４】
「単価読出し」のキーの操作により，単価読出しのモードにすると，商品の金額は売り上げ金額として計算されないように処理される。この機能により，時間で価格が変更する商品（タイムサービスの商品）の現在の価格を確認したり，キャッシャー（またはチェッカー）の初心者に対し商品価格を習得させることが可能となる。
【０００５】
この「単価読出し」キーを押下した場合，スキャナによる商品コードの入力または商品名が表示された商品キーの押下により，その商品の価格を表示するモードで動作を続け，そのモードを解除するには，もう一度「単価読出し」キーを押す必要がある。これにより，単価読出しモードから商品価格を売上げ金額として処理する取引モードになる。
【０００６】
ところが，「単価読出し」キーを押下して，商品の単価を読出した状態から，そのモードを解除することを忘れて，顧客取引を開始して商品の入力を行ってしまうというミスが多く発生している。その場合，その商品の価格が売り上げ金額として計算されないため，「単価読出し」キーを押して，単価読出しのモードを解除した上で，通常の取引処理のためにもう一度商品の入力（スキャナによる読取りを含む）を行う必要があるという問題（第１の問題という）があった。
【０００７】
なお，従来のＰＯＳシステムの技術において，各商品の単価が予め決められた時間に変更するよう決められている場合，登録処理を行う機能部から商品コードを指定した単価の問い合わせがあると，現在時刻が単価問い合わせがあった商品コードに対応する単価変更時刻に達しているか調べ，その時刻に達していると単価変更と判別し，その商品コードに対応して設定された変更単価を読み出す技術が存在する（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平４−７５１９４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
上記第１の問題を解決するために，「単価読出し」キーの押下による単価読出しモードに設定した場合，その後に商品コードの入力（スキャナによるバーコード読取りまたは特定の商品キーの押下）が一度行われると，その商品の価格を読み出して表示すると，単価読出しモードを自動的に解除するように構成する方法がある。この方法によれば，単価読出しモードを解除するための操作を行う必要がなく，取引モードに戻すことができ，単価読出しモードのまま取引処理を開始するというミスの発生を防止することができる。
【０００９】
ところが，この改良した方法によると，顧客が来店する前の時間に，当日の価格変更になった複数の商品の価格を連続して確認したい場合，「単価読出し」キーを押して，一つの商品の単価を読出してその単価を確認した時，続いて他の商品の単価読出しを実行しようとしても，自動的に取引モードに戻ってしまうため，改めて「単価読出し」キーを押さなければならないという問題（第２の問題という）があった。
【００１０】
上記特許文献１の技術は，登録処理を行う時に商品の単価を変更するか否かの判断を変更時間を基準により行うというだけで，上記の第１の問題及び第２の問題を解決することはできない。
【００１１】
本発明は単価読出しモードでも条件により連続した単価読出しを行うことを可能にするＰＯＳシステムの端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
図１は本発明の原理構成である。図中，１はＰＯＳ端末，１０は処理部，１０ａはモード入力設定手段，１０ｂは入力商品価格表示手段，１０ｃはモード判別処理手段である。１１は記憶部，１１ａはＰＯＳ端末操作の初心者等によってスキャナや，キーによる商品コードの入力と会計計算の練習を行う練習モードにするための「練習」キーの押下の状態と，現在の商品の単価を読出すための「単価読出し」キーの押下の状態を記憶保持するモード設定状態記憶部，１１ｂはこのＰＯＳ端末１が置かれた店舗の営業時間帯を記憶する営業時間記憶部，１２は上記「練習」キー，「単価読出し」キー，だけでなく各種の機能キー，テンキー等を含むキーボード，商品のバーコードを読取るスキャナや，タッチパネルを含む入力部，１３は表示や印字等の出力を行う出力部，２はＰＯＳサーバ，２０は商品価格テーブル，２１は現在時間を表示するタイマである。なお，図１にはＰＯＳ端末１が一台だけ示されているが，ＰＯＳサーバ２に対し複数のＰＯＳ端末１が接続される。また，ＰＯＳ端末１にはバーコードを読み取るスキャナや，現金を入出力する機構が設けられているが図示省略されている。
【００１３】
図１において，処理部１０は操作者による「練習」キーの設定または解除や，「単価読出し」キーの設定または解除を検出すると，モード入力設定手段１０ａはモード設定状態記憶部１１ａに検出した状態を記憶する。その後，操作者が入力部１２のスキャナにより商品のバーコードを入力するか，入力部１２のキーボードに設けられた商品を指定するキーを押下すると，商品コードが得られ，入力商品価格表示手段１０ｂは，その商品コードを用いてＰＯＳサーバ２の商品価格テーブル２０を参照して，その商品コードに対して設定された価格を取得して，出力部１３に価格を表示する。次に，モード判別処理手段１０ｃは，モード設定状態記憶部１１ａを参照し，「練習」モードが設定されているか，「単価読出し」のモードが設定されているかを判別する。この時，「単価読出し」のモードが設定されていて，「練習」モードが設定されていると，営業時間内か否かに関係なく上記の出力部１３に表示された商品の価格を取引対象とすることなく，単価読出しを連続して行えるようにし，次の商品コードの入力とその商品コードの価格表示が行われる。
【００１４】
一方，「単価読出し」のモードが設定されて，「練習」モードが設定されてないことが判別されると，モード判別処理手段１０ｃは，ＰＯＳサーバ２のタイマ２１が表す現在時間が営業時間記憶部１１ｂに設定されている営業時間内か，否か（営業時間外）を判別し，営業時間外であれば，「練習」モードの場合と同様に，単価読出しの動作を連続して実行するよう処理し，営業時間内の場合は出力部１３に表示された商品の価格は取引処理の対象としないが，モード設定状態記憶部１１ａの「単価読出し」の設定状態を解除する。これにより，通常モードで「単価読出し」の状態が設定されている時，営業時間内の場合は，１回だけ商品価格の読出し（表示）を行うが，その後は，単価読出しを行わないで，通常の取引処理が実行される。
【発明の効果】
【００１５】
本発明により，単価読出しのキーを押下（単価読出しの宣言）をした場合に，モードの状態に応じて連続価格読出しを可能にすることで価格確認を連続して行うことが可能となる。また，営業時間のチェックを行うことで，開店前等の営業時間外では，当日価格が変更になった商品を連続価格確認できる。更に，営業時間内に起動した単価読出しモード状態を自動的に解除することで，顧客取引に入る場合に操作者へ負担をかけることなく，ミスを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
図２は実施例の構成を示す。図中，１，２の符号は上記図１と同様にＰＯＳ端末，ＰＯＳサーバを表し，ＰＯＳ端末１内の１ａはプログラムにより動作するＣＰＵを含む処理装置，１ｂは入力制御部，１ｃは出力制御部，１ｄはキーボード，１ｅはバーコードリーダ，１ｆは操作者に対して表示と入力が可能なタッチパネル，１ｇは顧客に向かって表示を行う顧客表示パネル，１ｈはレシートプリンタ，１ｉはジャーナルプリンタである。また，複数のＰＯＳ端末１に対して１台設けられたＰＯＳサーバ２内の２０は商品価格テーブル，２１はタイマであり，３はＰＯＳサーバ２とＰＯＳ端末１を結ぶ通信回線である。なお，複数のＰＯＳ端末１がハブ（図示省略）を介してＰＯＳサーバ１と接続されているが，図２では１台のＰＯＳ端末１だけ示す。
【００１７】
１００は処理装置１ａに接続されたメモリであり，１０１は「練習」モードの宣言（設定）しているか否（通常モード）かのモードを記憶するモード記憶部，１０２は「単価読出し」状態に設定されているか否かを記憶する単価読出し状態記憶部，１０３は当該店舗の営業時間記憶部である。
【００１８】
予めメモリ１００の営業時間記憶部１０３に当該ＰＯＳ端末１が設けられた店舗の営業時間を設定し，ＰＯＳサーバ２内の商品価格テーブル２０には，図２内に２０の具体例として示すように，スキャンコード，商品名，及び価格が設定される。
【００１９】
本発明による動作シーケンスを図３に示す。最初に，「練習」キーが押下（練習モードの宣言）されたか否（通常モード）かに応じた設定が行われ（図３のＳ１），「練習」キーの押下が検出されるとメモリ１００のモード記憶部１０１に“１”が設定される。この後「単価読出し」キーが押下（単価読出しの宣言）されたか否か（通常取引）に応じた設定が行われ（図３のＳ２）。「単価読出し」キーが押されることでメモリ１００の単価読出し状態記憶部１０２が“１”に設定される。なお，後述するＳ４，Ｓ５の処理は，「単価読出し」キーが押下されて単価読出し状態記憶部１０２が“１”に設定された場合に（練習モードの設定状態に関係なく）実行される。
【００２０】
続いて，バーコードリーダ（図２の１ｅ）による商品のバーコードのスキャニング（固定スキャナまたはハンドスキャナ）が実行されるか（図３のＳ３０），スキャナでの入力ができない場合に，バーコードの数値を手動で入力して「ＰＬＵ」（Price Look- Up) キー押下することで商品コードの入力するか（同Ｓ３１），あるいはキーボードのキー（商品キー）か電子多項目商品キー（商品名対応のキー）を押下する（同Ｓ３２）。
【００２１】
上記Ｓ３０〜Ｓ３２の何れかにより，バーコード（または商品コード）が入力されると，処理装置１ａは，検出されたバーコード（商品コード）によりＰＯＳサーバ２の商品価格テーブル２０を参照して，その商品の価格を取得して，商品に対する価格表示をする（図３のＳ４）。続いて，モードの判定による処理（Ｓ５，Ｓ６）が実行される。すなわち，モード記憶部１０１を参照して練習モードであるか判別し（図３のＳ５），練習モードの場合は上記Ｓ３０〜Ｓ３２の前の状態に戻り，練習モードでない場合（通常モード），営業時間内か判別する（同Ｓ６）。この場合，ＰＯＳサーバ２のタイマ２１から現在時間を取り出し，メモリ１００の営業時間記憶部１０３に設定された営業時間（例えば，９：００〜２１：００）と比較して，現在時間が営業時間外であると判別されると，上記Ｓ３０〜Ｓ３２の前の状態に戻り，他の商品のバーコード（または商品コード）の入力による単価読出しが可能な状態になり，営業時間内であると判別されると，通常取引の状態に移るため単価読出し状態を解除し（図３のＳ７），通常取引のモードに移行する。
【００２２】
これにより，単価読出し状態が“１”に設定されている時，練習モードが設定されていると，営業時間に関係なく連続して単価読出し動作を行い，通常モード（練習モードでない時）の場合は，営業時間内の場合は商品の単価読出しを１回だけ行ってその後は売り上げ取引に移行し，営業時間外の場合は連続して単価読出しが実行される。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の原理構成を示す図である。
【図２】実施例の構成を示す図である。
【図３】本発明による動作シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ ＰＯＳ端末
１０ 処理部
１０ａ モード入力設定手段
１０ｂ 入力商品価格表示手段
１０ｃ モード判別処理手段
１１ 記憶部
１１ａ モード設定状態記憶部
１１ｂ 営業時間記憶部
１２ 出力部
１３ 表示部
２ ＰＯＳサーバ
２０ 商品価格テーブル
２１ タイマ
【技術分野】
【０００１】
本発明は，スーパーマーケットや大規模の小売り店で用いられるＰＯＳシステムにおける単価読み出し機能を備えたＰＯＳ端末に関する。
【背景技術】
【０００２】
ＰＯＳシステムでは，顧客が持参した商品のバーコードをＰＯＳ端末に備えられたスキャナにより読み取って商品コードを識別し，複数のＰＯＳ端末に対して共通に設けられたＰＯＳサーバに問い合わせ，ＰＯＳサーバに登録された商品コードに対応した価格を取得して，各商品の価格を積算することにより売り上げ金額を求める。
【０００３】
このようなＰＯＳ端末のキーボードには「単価読出し」という機能キーが設けられている場合が多い。「単価読出し」キーの機能を説明すると，「単価読出し」キーを押下すると，その後にスキャナにより価格を知りたい商品のバーコードを読取るか，または特定の商品名を表すキーを押下する等により特定の商品コードを入力すると，対応する商品の価格をＰＯＳサーバから取り出して，表示部に表示して，操作者（キャッシャーまたはチェッカー）に価格を認識（確認）させる。なお，ＰＯＳ端末には，商品のバーコードをスキャナにより読取って価格を入力する操作を行うチェッカーと，購入金額の支払いのための現金の受け渡しを行うキャッシャーとを別の人が担当する場合と，一人で両方の作業を行う場合がある。
【０００４】
「単価読出し」のキーの操作により，単価読出しのモードにすると，商品の金額は売り上げ金額として計算されないように処理される。この機能により，時間で価格が変更する商品（タイムサービスの商品）の現在の価格を確認したり，キャッシャー（またはチェッカー）の初心者に対し商品価格を習得させることが可能となる。
【０００５】
この「単価読出し」キーを押下した場合，スキャナによる商品コードの入力または商品名が表示された商品キーの押下により，その商品の価格を表示するモードで動作を続け，そのモードを解除するには，もう一度「単価読出し」キーを押す必要がある。これにより，単価読出しモードから商品価格を売上げ金額として処理する取引モードになる。
【０００６】
ところが，「単価読出し」キーを押下して，商品の単価を読出した状態から，そのモードを解除することを忘れて，顧客取引を開始して商品の入力を行ってしまうというミスが多く発生している。その場合，その商品の価格が売り上げ金額として計算されないため，「単価読出し」キーを押して，単価読出しのモードを解除した上で，通常の取引処理のためにもう一度商品の入力（スキャナによる読取りを含む）を行う必要があるという問題（第１の問題という）があった。
【０００７】
なお，従来のＰＯＳシステムの技術において，各商品の単価が予め決められた時間に変更するよう決められている場合，登録処理を行う機能部から商品コードを指定した単価の問い合わせがあると，現在時刻が単価問い合わせがあった商品コードに対応する単価変更時刻に達しているか調べ，その時刻に達していると単価変更と判別し，その商品コードに対応して設定された変更単価を読み出す技術が存在する（特許文献１参照）。
【特許文献１】特開平４−７５１９４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
上記第１の問題を解決するために，「単価読出し」キーの押下による単価読出しモードに設定した場合，その後に商品コードの入力（スキャナによるバーコード読取りまたは特定の商品キーの押下）が一度行われると，その商品の価格を読み出して表示すると，単価読出しモードを自動的に解除するように構成する方法がある。この方法によれば，単価読出しモードを解除するための操作を行う必要がなく，取引モードに戻すことができ，単価読出しモードのまま取引処理を開始するというミスの発生を防止することができる。
【０００９】
ところが，この改良した方法によると，顧客が来店する前の時間に，当日の価格変更になった複数の商品の価格を連続して確認したい場合，「単価読出し」キーを押して，一つの商品の単価を読出してその単価を確認した時，続いて他の商品の単価読出しを実行しようとしても，自動的に取引モードに戻ってしまうため，改めて「単価読出し」キーを押さなければならないという問題（第２の問題という）があった。
【００１０】
上記特許文献１の技術は，登録処理を行う時に商品の単価を変更するか否かの判断を変更時間を基準により行うというだけで，上記の第１の問題及び第２の問題を解決することはできない。
【００１１】
本発明は単価読出しモードでも条件により連続した単価読出しを行うことを可能にするＰＯＳシステムの端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
図１は本発明の原理構成である。図中，１はＰＯＳ端末，１０は処理部，１０ａはモード入力設定手段，１０ｂは入力商品価格表示手段，１０ｃはモード判別処理手段である。１１は記憶部，１１ａはＰＯＳ端末操作の初心者等によってスキャナや，キーによる商品コードの入力と会計計算の練習を行う練習モードにするための「練習」キーの押下の状態と，現在の商品の単価を読出すための「単価読出し」キーの押下の状態を記憶保持するモード設定状態記憶部，１１ｂはこのＰＯＳ端末１が置かれた店舗の営業時間帯を記憶する営業時間記憶部，１２は上記「練習」キー，「単価読出し」キー，だけでなく各種の機能キー，テンキー等を含むキーボード，商品のバーコードを読取るスキャナや，タッチパネルを含む入力部，１３は表示や印字等の出力を行う出力部，２はＰＯＳサーバ，２０は商品価格テーブル，２１は現在時間を表示するタイマである。なお，図１にはＰＯＳ端末１が一台だけ示されているが，ＰＯＳサーバ２に対し複数のＰＯＳ端末１が接続される。また，ＰＯＳ端末１にはバーコードを読み取るスキャナや，現金を入出力する機構が設けられているが図示省略されている。
【００１３】
図１において，処理部１０は操作者による「練習」キーの設定または解除や，「単価読出し」キーの設定または解除を検出すると，モード入力設定手段１０ａはモード設定状態記憶部１１ａに検出した状態を記憶する。その後，操作者が入力部１２のスキャナにより商品のバーコードを入力するか，入力部１２のキーボードに設けられた商品を指定するキーを押下すると，商品コードが得られ，入力商品価格表示手段１０ｂは，その商品コードを用いてＰＯＳサーバ２の商品価格テーブル２０を参照して，その商品コードに対して設定された価格を取得して，出力部１３に価格を表示する。次に，モード判別処理手段１０ｃは，モード設定状態記憶部１１ａを参照し，「練習」モードが設定されているか，「単価読出し」のモードが設定されているかを判別する。この時，「単価読出し」のモードが設定されていて，「練習」モードが設定されていると，営業時間内か否かに関係なく上記の出力部１３に表示された商品の価格を取引対象とすることなく，単価読出しを連続して行えるようにし，次の商品コードの入力とその商品コードの価格表示が行われる。
【００１４】
一方，「単価読出し」のモードが設定されて，「練習」モードが設定されてないことが判別されると，モード判別処理手段１０ｃは，ＰＯＳサーバ２のタイマ２１が表す現在時間が営業時間記憶部１１ｂに設定されている営業時間内か，否か（営業時間外）を判別し，営業時間外であれば，「練習」モードの場合と同様に，単価読出しの動作を連続して実行するよう処理し，営業時間内の場合は出力部１３に表示された商品の価格は取引処理の対象としないが，モード設定状態記憶部１１ａの「単価読出し」の設定状態を解除する。これにより，通常モードで「単価読出し」の状態が設定されている時，営業時間内の場合は，１回だけ商品価格の読出し（表示）を行うが，その後は，単価読出しを行わないで，通常の取引処理が実行される。
【発明の効果】
【００１５】
本発明により，単価読出しのキーを押下（単価読出しの宣言）をした場合に，モードの状態に応じて連続価格読出しを可能にすることで価格確認を連続して行うことが可能となる。また，営業時間のチェックを行うことで，開店前等の営業時間外では，当日価格が変更になった商品を連続価格確認できる。更に，営業時間内に起動した単価読出しモード状態を自動的に解除することで，顧客取引に入る場合に操作者へ負担をかけることなく，ミスを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
図２は実施例の構成を示す。図中，１，２の符号は上記図１と同様にＰＯＳ端末，ＰＯＳサーバを表し，ＰＯＳ端末１内の１ａはプログラムにより動作するＣＰＵを含む処理装置，１ｂは入力制御部，１ｃは出力制御部，１ｄはキーボード，１ｅはバーコードリーダ，１ｆは操作者に対して表示と入力が可能なタッチパネル，１ｇは顧客に向かって表示を行う顧客表示パネル，１ｈはレシートプリンタ，１ｉはジャーナルプリンタである。また，複数のＰＯＳ端末１に対して１台設けられたＰＯＳサーバ２内の２０は商品価格テーブル，２１はタイマであり，３はＰＯＳサーバ２とＰＯＳ端末１を結ぶ通信回線である。なお，複数のＰＯＳ端末１がハブ（図示省略）を介してＰＯＳサーバ１と接続されているが，図２では１台のＰＯＳ端末１だけ示す。
【００１７】
１００は処理装置１ａに接続されたメモリであり，１０１は「練習」モードの宣言（設定）しているか否（通常モード）かのモードを記憶するモード記憶部，１０２は「単価読出し」状態に設定されているか否かを記憶する単価読出し状態記憶部，１０３は当該店舗の営業時間記憶部である。
【００１８】
予めメモリ１００の営業時間記憶部１０３に当該ＰＯＳ端末１が設けられた店舗の営業時間を設定し，ＰＯＳサーバ２内の商品価格テーブル２０には，図２内に２０の具体例として示すように，スキャンコード，商品名，及び価格が設定される。
【００１９】
本発明による動作シーケンスを図３に示す。最初に，「練習」キーが押下（練習モードの宣言）されたか否（通常モード）かに応じた設定が行われ（図３のＳ１），「練習」キーの押下が検出されるとメモリ１００のモード記憶部１０１に“１”が設定される。この後「単価読出し」キーが押下（単価読出しの宣言）されたか否か（通常取引）に応じた設定が行われ（図３のＳ２）。「単価読出し」キーが押されることでメモリ１００の単価読出し状態記憶部１０２が“１”に設定される。なお，後述するＳ４，Ｓ５の処理は，「単価読出し」キーが押下されて単価読出し状態記憶部１０２が“１”に設定された場合に（練習モードの設定状態に関係なく）実行される。
【００２０】
続いて，バーコードリーダ（図２の１ｅ）による商品のバーコードのスキャニング（固定スキャナまたはハンドスキャナ）が実行されるか（図３のＳ３０），スキャナでの入力ができない場合に，バーコードの数値を手動で入力して「ＰＬＵ」（Price Look- Up) キー押下することで商品コードの入力するか（同Ｓ３１），あるいはキーボードのキー（商品キー）か電子多項目商品キー（商品名対応のキー）を押下する（同Ｓ３２）。
【００２１】
上記Ｓ３０〜Ｓ３２の何れかにより，バーコード（または商品コード）が入力されると，処理装置１ａは，検出されたバーコード（商品コード）によりＰＯＳサーバ２の商品価格テーブル２０を参照して，その商品の価格を取得して，商品に対する価格表示をする（図３のＳ４）。続いて，モードの判定による処理（Ｓ５，Ｓ６）が実行される。すなわち，モード記憶部１０１を参照して練習モードであるか判別し（図３のＳ５），練習モードの場合は上記Ｓ３０〜Ｓ３２の前の状態に戻り，練習モードでない場合（通常モード），営業時間内か判別する（同Ｓ６）。この場合，ＰＯＳサーバ２のタイマ２１から現在時間を取り出し，メモリ１００の営業時間記憶部１０３に設定された営業時間（例えば，９：００〜２１：００）と比較して，現在時間が営業時間外であると判別されると，上記Ｓ３０〜Ｓ３２の前の状態に戻り，他の商品のバーコード（または商品コード）の入力による単価読出しが可能な状態になり，営業時間内であると判別されると，通常取引の状態に移るため単価読出し状態を解除し（図３のＳ７），通常取引のモードに移行する。
【００２２】
これにより，単価読出し状態が“１”に設定されている時，練習モードが設定されていると，営業時間に関係なく連続して単価読出し動作を行い，通常モード（練習モードでない時）の場合は，営業時間内の場合は商品の単価読出しを１回だけ行ってその後は売り上げ取引に移行し，営業時間外の場合は連続して単価読出しが実行される。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の原理構成を示す図である。
【図２】実施例の構成を示す図である。
【図３】本発明による動作シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ ＰＯＳ端末
１０ 処理部
１０ａ モード入力設定手段
１０ｂ 入力商品価格表示手段
１０ｃ モード判別処理手段
１１ 記憶部
１１ａ モード設定状態記憶部
１１ｂ 営業時間記憶部
１２ 出力部
１３ 表示部
２ ＰＯＳサーバ
２０ 商品価格テーブル
２１ タイマ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＰＯＳシステムにおける練習キー及び単価読出しキーを備えたＰＯＳ端末であって，
前記ＰＯＳ端末の処理部に，前記練習キーの押下による練習モードの状態や，単価読出しキーの押下による単価読出し状態を記憶するモード設定状態記憶部を備え，
モード設定状態記憶部が単価読出し状態に設定された状態で，入力部から商品コードが入力されると，対応する商品価格を出力部に表示する入力商品価格表示手段と，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されているか，通常モードに設定されているかを判別し，前記単価読出しの動作を連続して実行するか，１回の単価読出しだけで終了するかの制御を行うモード判別処理手段とを備えることを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項２】
請求項１において，
前記ＰＯＳ端末の処理部に，当該ＰＯＳ端末の営業時間を設定した営業時間記憶部を備え，
前記モード判別処理手段は，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されてない通常モードの状態の場合，前記入力商品価格表示手段による商品価格の表示実行後，現在時間が前記営業時間記憶部に設定された営業時間内か否かを判別し，営業時間内であれば前記単価読出し状態を解除し，営業時間外であれば連続して単価読出しを実行するよう制御することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項３】
請求項１において，
前記モード判別処理手段は，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されていると，前記入力商品価格表示手段による商品価格の表示実行後，連続して単価読出しを実行するよう制御することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項４】
請求項１において，
ＰＯＳシステムを構成するＰＯＳサーバに商品価格テーブルと現在時間を表すタイマを備え，
前記ＰＯＳ端末の入力商品価格表示手段は，前記ＰＯＳサーバの商品価格テーブルから商品価格を取り出して表示することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項１】
ＰＯＳシステムにおける練習キー及び単価読出しキーを備えたＰＯＳ端末であって，
前記ＰＯＳ端末の処理部に，前記練習キーの押下による練習モードの状態や，単価読出しキーの押下による単価読出し状態を記憶するモード設定状態記憶部を備え，
モード設定状態記憶部が単価読出し状態に設定された状態で，入力部から商品コードが入力されると，対応する商品価格を出力部に表示する入力商品価格表示手段と，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されているか，通常モードに設定されているかを判別し，前記単価読出しの動作を連続して実行するか，１回の単価読出しだけで終了するかの制御を行うモード判別処理手段とを備えることを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項２】
請求項１において，
前記ＰＯＳ端末の処理部に，当該ＰＯＳ端末の営業時間を設定した営業時間記憶部を備え，
前記モード判別処理手段は，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されてない通常モードの状態の場合，前記入力商品価格表示手段による商品価格の表示実行後，現在時間が前記営業時間記憶部に設定された営業時間内か否かを判別し，営業時間内であれば前記単価読出し状態を解除し，営業時間外であれば連続して単価読出しを実行するよう制御することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項３】
請求項１において，
前記モード判別処理手段は，前記モード設定状態記憶部が練習モードに設定されていると，前記入力商品価格表示手段による商品価格の表示実行後，連続して単価読出しを実行するよう制御することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【請求項４】
請求項１において，
ＰＯＳシステムを構成するＰＯＳサーバに商品価格テーブルと現在時間を表すタイマを備え，
前記ＰＯＳ端末の入力商品価格表示手段は，前記ＰＯＳサーバの商品価格テーブルから商品価格を取り出して表示することを特徴とするＰＯＳシステムにおける単価読出し機能を備えたＰＯＳ端末。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−２３５７８７（Ｐ２００６−２３５７８７Ａ）
【公開日】平成１８年９月７日（２００６．９．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−４６５６１（Ｐ２００５−４６５６１）
【出願日】平成１７年２月２３日（２００５．２．２３）
【出願人】（０００００５２２３）富士通株式会社 (25,993)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月７日（２００６．９．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月２３日（２００５．２．２３）
【出願人】（０００００５２２３）富士通株式会社 (25,993)
【Ｆターム（参考）】
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