説明

POSレジスタ及びPOSシステム

【課題】レジが登録装置と精算装置とに分離されたPOSシステムにおいて、登録装置が既に伝票を発行した商品の明細と顧客が追加購入した商品の明細とを1枚の伝票にまとめて発行する。
【解決手段】顧客が購入する商品を商品登録し、当該商品登録された商品の明細である取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票を発行するPOSレジスタは、前記発行した伝票に印刷された会計用コードを読み取る読取部と、前記読取部に読み取られた会計用コードに対応する取引データを読み出し、前記顧客が追加して購入する商品の明細を読み出した取引データに追加する制御部と、前記制御部により商品の明細が追加された取引データを特定する会計用コードを印刷した伝票を発行する発行部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店等で使用されるPOS(Point Of Sales)レジスタ及びPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の小売店で利用されるPOSシステムとして、レジを登録装置と精算装置とに分離した無人会計システムが存在する(特許文献1参照)。この無人会計システムでは、登録装置が、仮レシート(会計用伝票)に顧客コードをバーコードで印字し、顧客コードと取引データを精算装置に転送する。そして、精算装置が、仮レシート(会計用伝票)のバーコードから顧客コードを読み取り、その顧客の取引データを読み出して代金精算を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−184995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、登録装置で会計用伝票を発行した後に、顧客が1品買い忘れたと言ってレジ前に陳列する商品を追加購入することがある。この場合、先に主とする購入する商品の会計用伝票が発行済みであるため、顧客が追加購入する商品のみの会計用伝票が追加でもう1枚発行されることになるで、発行された会計用伝票は計2枚となる。そのため、当然ながら、精算装置で会計精算する場合、2枚の会計用伝票を順次読み込ませることにより顧客が購入する商品の明細が合算され会計精算が行われる。
しかしながら、顧客としては複数の伝票を順次読み込ませる操作が面倒であるとともに、それぞれの会計用伝票が完結しているため、2枚の伝票のうち1枚の伝票しか読み込ませていない状態であっても、前記精算装置で会計精算を行うことができる。このため、顧客が会計用伝票を1枚読み込ませることを忘れた場合には、読み込ませることを忘れた会計用伝票の商品の会計精算が行われず、顧客にとって不本意であるが不正を行ったことになってしまうため、このような問題が生じた場合には顧客に不快な思いをさせてしまう。また、このような問題が生じたとしても、店員から見ると、あたかも前記顧客が購入する全ての商品の会計精算が終わったかのように見えてしまうため顧客をサポートすることが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レジが登録装置と精算装置とに分離されたPOSシステムにおいて、登録装置が既に伝票を発行した後、顧客が商品を追加購入しても問題の無い伝票を発行することができるPOSレジスタ及びPOSシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、顧客が購入する商品を商品登録し、当該商品登録された商品の明細である取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票を発行するPOSレジスタであって、前記発行した伝票に印刷された会計用コードを読み取る読取部と、前記読取部に読み取られた会計用コードに基づいて取引データを読み出し、前記顧客が追加して購入する商品の明細を前記読み出した取引データに追加する制御部と、前記制御部により商品の明細が追加された取引データを特定する会計用コードを印刷した伝票を発行する発行部と、を備えることを特徴とするPOSレジスタである。
【0007】
この発明によれば、一度伝票を発行した後に、顧客から商品の追加購入の申し出があった場合には、既に伝票を発行した取引データに追加購入する商品の明細を追加し、追加購入する商品の明細が追加された取引データの会計用コードが印刷された伝票を再発行する。このように、既に伝票を発行した商品の明細と顧客が追加購入した商品の明細とを1つの会計用コードにして1枚の伝票に印刷し発行することができるため、会計用の伝票を発行した後に顧客から商品の追加購入の申し出があった場合であっても不用意に異なる複数の会計用コードを伝票に印刷し発行することがない。また、顧客が会計で用いる会計用コードを1つに統一し1枚の伝票にして発行することができるので、顧客は、精算装置において1つの会計用コードで追加購入する商品を含む全ての購入商品の会計を行うことができるので会計操作が容易であり、伝票の会計用コードの読み取りを忘れるといった事態を防ぐことができる。これにより、顧客に不快な思いをさせることがない。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記のPOSレジスタにおいて、前記伝票に印刷される会計用コードは、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードであることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、会計用コードに基づいて会計処理を行う精算装置は、二次元コード又は一次元コードを1度読み取るだけで会計処理を行うことができるため、会計処理の時間を短縮することができる。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記のPOSレジスタにおいて、前記伝票が発行された取引データと該取引データを識別する取引番号とを対応付けて管理装置に送信する送信部を備え、前記読取部は、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードを読み取り、前記制御部は、前記読取部が二次元コードを読み取った場合には当該二次元コードに記録された取引データを読み出し、前記読取部が一次元コードを読み取った場合には当該一次元コードに記録された前記取引番号に対応する取引データを前記管理装置から受信することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、顧客が購入する商品を商品登録し、当該商品登録された商品の明細である取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票を発行する商品登録装置と、前記会計用コードに基づいて会計を行う精算装置とからなるPOSシステムであって、前記商品登録装置は、前記発行した伝票に印刷された会計用コードを読み取る読取部と、前記読取部に読み取られた会計用コードに基づいて取引データを読み出し、前記顧客が追加して購入する商品の明細を読み出した取引データに追加する制御部と、前記制御部により商品の明細が前記追加された取引データを特定する会計用コードを印刷した伝票を発行する発行部と、を備え、前記精算装置は、前記登録装置が発行した伝票に印刷された会計用コードに基づいて、前記顧客が購入する商品の明細である取引データを読み出し会計を行うことを特徴とするPOSシステムである。
【0012】
この発明によれば、一度伝票を発行した後に、顧客から商品の追加購入の申し出があった場合には、既に発行済みの伝票の取引データに追加購入する商品の明細を追加し、追加購入する商品の明細が追加された取引データの会計用コードが印刷された伝票を再発行する。このように、既に発行済み伝票の取引データである商品の明細と顧客が追加購入した商品の明細とを1つの会計用コードにして伝票に印刷し発行することができるため、伝票を発行した後に顧客が商品を追加購入する場合であっても不用意に異なる会計用コードを複数の伝票に印刷し発行することがない。また、顧客が会計で用いる会計用コードを1つに統一し1枚の伝票で発行することができるので、顧客は、精算装置において1つの会計用コードで追加購入する商品を含む全ての購入商品の会計を行うことができるので会計操作が容易であり、伝票の会計用コードの読み取りを忘れるといった事態を防ぐことができる。これにより、顧客に不快な思いをさせることがない。
また、顧客は、混雑している精算装置を避け、空いている精算装置へ自由に移動することができるため、会計待ちの顧客を減少させるとともに、会計の分散及び会計時間の短縮を行うことができる。このため、店全体の会計効率を向上させ、顧客満足度を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記のPOSシステムにおいて、前記伝票に印刷される会計用コードは、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードであることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、精算装置は、二次元コード又は一次元コードを1回読み取るだけで会計処理を行うことができるため、会計処理の時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、一度伝票を発行した後に、顧客から商品の追加購入の申し出があった場合には、既に発行済みの伝票の取引データに追加購入する商品の明細を追加し、追加購入する商品の明細が追加された取引データの会計用コードを1枚の伝票に印刷し発行する。このように、既に発行済み伝票の商品の明細と顧客が追加購入する商品の明細とを1つの会計用コードにして1枚の伝票に印刷し発行することができるため、伝票を発行した後に顧客が商品を追加購入した場合であっても不用意に異なる会計用コードが印刷された複数の伝票を発行することがない。また、発行済み伝票の会計用コードを回収することができ、会計に用いられる会計用コードを1つに統一し1枚の伝票で発行することができるので、顧客は、精算装置において1つの会計用コードで追加購入する商品を含む全ての購入商品の会計を行うことができるので会計操作が容易であり、伝票に印刷された会計用コードの読み取りを忘れるといった事態を防ぐことができる。これにより、顧客に不快な思いをさせることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態におけるPOSシステムが稼働している様子を表す斜視図である。
【図2】本実施形態におけるPOSシステムの構成を表すブロック図である。
【図3】本実施形態における商品登録装置の構成を表すブロック図である。
【図4】本実施形態における1取引分の取引データの例を表す図である。
【図5】本実施形態における伝票の例を表す図である。
【図6】本実施形態における精算装置の構成を表すブロック図である。
【図7】本実施形態におけるレシートの例を表す図である。
【図8】本実施形態における商品登録装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図9】本実施形態における精算装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図10】本実施形態におけるストアコントローラの動作手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、POSシステムが稼働している様子が、斜視図により表されている。POSシステム100は、店舗フロアに設置される。POSシステム100は、商品登録装置10と、精算装置20と、ストアコントローラ30とを含んで構成される。
【0018】
商品登録装置10は、商品登録カウンタ11に設置される。また、精算装置20は、精算カウンタ21に設置される。ここで、図1に表された商品登録装置10及び精算装置20の各設置数は、一例である。これらの設置数は、例えば、店舗の規模及びコストに応じて定められてよい。また、ストアコントローラ30(図1では不図示)は、店舗のバックヤードに設置される。
【0019】
オペレータS(店員)は、商品登録装置10を操作し、顧客Cが買い上げた商品に付された商品データを商品登録装置10に読み取らせることにより商品登録を行う。そして、オペレータS(店員)は、商品登録された商品の明細を含む取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票をその商品登録装置10に発行させる。
ところで、この商品登録装置10の近くには、ガムやチョコレート等、顧客のついで買いを促進する商品が陳列されており、伝票が発行された後に、顧客がこれらの商品を追加して購入すると申し出る場合がある。この場合、オペレータSは、商品登録装置10に備えられた追加購入ボタンを押下し、発行した伝票の会計用コードを商品登録装置10に読み取らせた後に、顧客が追加購入する商品の商品データを商品登録装置10に読み取らせる。これにより、商品登録装置10は、既に発行された伝票の商品の明細と追加購入した商品の明細とを含む会計用コードが印刷された伝票を発行する。オペレータSは、先に発行された伝票を回収破棄し、再発行された伝票を顧客Cに手渡す。
【0020】
顧客Cは、発行された伝票を受け取って、精算装置20が設置されている場所まで移動し、伝票に印刷されている会計用コードを精算装置20に読み取らせることにより、その精算装置20に代金精算(会計処理)を実行させる。
【0021】
図2には、POSシステムの構成がブロック図により表されている。ストアコントローラ30(管理装置)と各商品登録装置10aとは、LAN(Local Area Network)40を介して通信可能に接続されている。また、ストアコントローラ30と各精算装置20aとは、LAN40を介して通信可能に接続されている。
【0022】
各商品登録装置10aは同構成を有するため、以下では、商品登録装置10aを商品登録装置10と表記する。また、各精算装置20aは同構成を有するため、以下では、精算装置20aを精算装置20と表記する。
【0023】
まず、ストアコントローラ30(管理装置)について説明する。
ストアコントローラ30は、コンピュータ(サーバ)である。ストアコントローラ30は、ストアコントローラ記憶部(不図示)と、ストアコントローラ通信部(不図示)とを備える。
【0024】
ストアコントローラ記憶部は、商品データファイルを記憶する。ここで、商品データファイルは、店舗が取り扱う商品に関するデータを含むデータファイルであり、例えば、商品名(商品番号)と、販売価格とが対応付けられているデータファイル(データテーブル)である。
【0025】
また、ストアコントローラ記憶部は、ログファイルとして取引データと、取引データに対応付けられた取引番号とを多数記憶する。ここで、取引データとは、顧客が買い上げた商品(買上商品)の明細を含むデータである。取引データについては、図4を用いて後述する。また、取引番号は、取引データの識別番号である。
【0026】
ストアコントローラ通信部は、商品の販売状況及び仕入れ状況等に応じて更新された商品データファイルを、各商品登録装置10と各精算装置20とに供給する。ここで、ストアコントローラ通信部は、更新された商品データファイルを、1日に1回の頻度で供給するとしてもよい。
【0027】
また、ストアコントローラ通信部は、商品登録装置10から取引データを受信し、受信した取引データをストアコントローラ記憶部のログファイルに記憶させる。また、ストアコントローラ通信部は、商品登録装置10又は精算装置20から取引番号を受信し、受信した取引番号に対応付けられた取引データをストアコントローラ記憶部から読み出し、読み出した取引データをその取引番号を送信した商品登録装置10又は精算装置20に返信する。
【0028】
次に、商品登録装置10について説明する。
商品登録装置10は、オペレータSにより操作され、顧客Cが買い上げた商品に付された商品データを読み取り、読み取った商品データの商品の明細を含む取引データを、ストアコントローラ30に登録する。尚、管理装置としは、前記ストアコントローラ30に限らず、例えば、複数台の商品登録装置10の内1台をマスターレジスタ(管理装置を兼ねた登録装置)とし、残りの商品登録装置10をスレーブレジスタ(通常の登録装置)とする構成であっても良い。この場合、スレーブ設定のレジスタである商品登録装置10(通常の商品登録装置)で登録された取引データは、該取引データを識別する取引番号が対応付けられて、マスタ設定されたレジスタである商品登録装置10(管理装置を兼ねた商品登録装置)に登録される。
【0029】
また、商品登録装置10は、ストアコントローラ30(或いは、管理装置を兼ねた商品登録装置)との通信状態の良否に応じて、バーコード(例えば、JAN(Japanese Article Number)コード)、又は二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))のいずれかを紙媒体に印刷し、この紙媒体を排出することで伝票を発行する。顧客Cは、発行された伝票を受け取り、伝票に印刷されたバーコード又は二次元コードを精算装置20に読み取らせることにより、その精算装置20に代金精算(会計処理)を実行させる。なお、本実施形態におけるバーコード(一次元コード)及び二次元コードは、取引データを特定する会計用コードである。なお、商品登録装置10がバーコード又は二次元コードを伝票に印刷する条件として精算装置20との通信状態の良否に応じて、一次元コード又は二次元コードのいずれかを紙媒体に印刷するようにしてもよい。また、管理装置(ストアコントローラ30、或いは管理装置を兼ねた商品登録装置)と精算装置20との両方の通信状態の良否を判定し、どちらか一方の通信状態が悪い場合は2次元コードで会計用コードを印刷し、両方ともに通信状態が良い場合には一次元コードで会計用コードを印刷するという印刷する会計用コードの判定をしてもよい。
【0030】
また、商品登録装置10は、商品の追加購入を受け付ける追加購入ボタンを備え、追加購入ボタンが押下されると、伝票を発行済みの取引データに、追加購入する商品の明細を追加する。具体的には、商品登録装置10は、追加購入ボタンが押下されると、バーコード又は二次元コードを読み込むモードに移行する。そして、商品登録装置10は、バーコード又は二次元コードを読み込むと、読み取ったバーコード又は二次元コードに対応する取引データに追加購入する商品の明細を追加する。次に、商品登録装置10は、追加購入する商品の明細が追加された取引データに対応するバーコード又は二次元コードを印刷した伝票を発行する。
【0031】
図3には、商品登録装置10の構成がブロック図により表されている。商品登録装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、ハードディスク107と、店員用操作部108と、通信部109と、ブザー110と、印刷部111と、バス112とを備える。これらは、バス112を介して互いに接続されている。
【0032】
ROM102は、商品の登録処理をCPU101に実行させるための商品登録プログラムを記憶する。また、ROM102は、自装置を識別させるための装置番号を記憶する。
【0033】
スキャナ部(読取部)104は、伝票に印刷されたバーコード又は二次元コードを光学的に読み取るスキャナである。スキャナ部104は、オペレータSによる操作により、商品に付されたバーコードから商品データを光学的に読み取って、読み取った商品データをRAM103に記憶させる。また、スキャナ部104は、そのオペレータSを識別するための担当者名(担当者番号)を名札等のバーコードから光学的に読み取って、読み取った担当者名をRAM103に記憶させる。
【0034】
RAM103には、ROM102から読み出された商品登録プログラムが展開される。
また、RAM103は、商品登録プログラムが実行されることによって生成された各種変数及びデータ(例えば、スキャナ部104が読み取った商品データ、担当者名)を一時記憶する。
【0035】
また、RAM103は、その処理領域に、取引データ(図4を用いて後述する)を一時記憶する。また、RAM103は、商品登録によって確定した取引データを、ログファイルに追加記憶する。RAM103は、この確定した取引データを、例えば、取引当日は記憶し続けるとしてもよい。また、RAM103は、通信部109を介して接続されたストアコントローラ30から供給された商品データファイルを記憶してもよい。
【0036】
CPU101は、ROM102に記憶された商品登録プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開した商品登録プログラムのステップを実行することにより、商品登録装置10全体を制御する。
【0037】
CPU101は、印刷部111に伝票を印刷させる前に、取引データを識別する取引番号を定める。ここで、取引番号は、自装置の装置番号と、顧客Cが商品を買い上げる取引ごとに定められる固有の番号(例えば、シリアル番号)とから構成される番号である。例えば、取引番号は、装置番号「01」と、これに続く固有の番号「123」とから構成される番号「01123」である。CPU101は、顧客が買い上げた商品の明細を含む取引データと取引番号とを対応付け、通信部109を介してストアコントローラ30に送信する。これにより、確定した取引データ及び取引番号は、ストアコントローラ30に記憶される。
【0038】
図4には、1取引分の取引データの例が表されている。取引データの項目には、装置番号と、担当者名と、取引日時と、取引データに対応付けられた取引番号と、合計金額と、商品名(商品番号)と、購入数とが含まれる。
【0039】
ここで、装置番号とは、商品を登録した商品登録装置10、すなわち取引を実行した商品登録装置10を示す識別番号である。また、担当者名は、装置番号が示す商品登録装置10を操作したオペレータSの氏名である。取引日時は、商品が登録された日時、すなわち取引された日時を表す。まず、これらの項目が、1取引分の取引データに最初に書き込まれる。この場合、他の項目は未だ登録されていないため、取引データは確定していない。
【0040】
取引番号は、装置番号と取引毎に固有の番号とから構成される番号である。また、商品名(商品番号)は、顧客Cが買い上げた商品の名称(番号)である。また、購入数は、顧客Cが買い上げた商品毎の個数である。CPU101は、商品名(商品番号)及び購入数と、RAM103に記憶された商品データファイルとに基づいて、小計金額(販売価格と購入数とを乗算した金額)、及び合計金額を算出する。CPU101は、全ての買上商品の登録が終了した時に、取引番号と、合計金額とを取引データに書き込むことで、取引データを確定させる。
【0041】
また、CPU(制御部)101は、追加購入ボタンが押下されると、追加購入する商品の明細(商品名(商品番号)及び購入数)を確定した取引データに書き込む(図4の符号A参照)。このとき、CPU101は、商品名(商品番号)及び購入数と、RAM103に記憶された商品データファイルとに基づいて、小計金額及び合計金額を再度算出し、算出した小計金額及び合計金額を取引データに書き込む。なお、前記取引番号は一つの取引データが生成される毎に都度新たな番号が生成されるようにしてもよく、この場合、前記追加購入する商品が追加された取引データの取引番号は新しい取引番号に書き換えられることとなる。これにより、仮に古い発行済みの伝票が存在したとしても、前記追加購入する商品が追加された取引データには新しい取引番号が対応付けられているので、古い取引番号では会計ができないこととなるので不正等を防止することができるという効果がある。
【0042】
図3に戻り、商品登録装置10についての説明を続ける。CPU101は、精算装置20が通信により取引データを得られる状態の有無を判定する。CPU101は、例えば、自装置とストアコントローラ30との通信状態が良い場合に、共通であるLAN40の動作が正常であるとして、精算装置20が通信により取引データを得られる状態であると判定する。
【0043】
また、CPU101は、精算装置20が通信により取引データを得られる状態であると判定した場合、取引番号をバーコードに変換して、取引番号を表す(記録した)バーコードが印刷された伝票を印刷部111に発行させる。一方、CPU101は、精算装置20が通信により取引データを得られる状態が否である、すなわち、前記状態が良好でないと判定した場合、RAM103が記憶している確定した取引データを二次元コードに変換する。CPU101は、印刷部111を制御し、この取引データを表す(記録した)二次元コードを紙媒体に印刷させることで伝票を発行する。
【0044】
図5には、伝票の例が表されている。図5(A)には、バーコードが印刷された伝票の例が表されている。この伝票には、取引日時と、取引番号と、個数と、バーコードとが印刷されている。また、図5(B)には、二次元コードが印刷された伝票の例が表されている。この伝票には、取引日時と、取引番号と、個数と、二次元コードとが印刷されている。顧客Cは、発行された図5(A)又は(B)いずれかの伝票を受け取り、その伝票に印刷されたバーコード又は二次元コードを精算装置20に読み取らせる。なお、図5(B)に表された1枚の伝票には、取引データのデータ量に応じて、複数の二次元コードが印刷される場合がある。
【0045】
図3に戻り、商品登録装置10についての説明を続ける。オペレータSによる操作により、伝票に印刷されたバーコードをスキャナ部104がスキャンした場合、CPU101は、そのバーコードが表す取引番号に対応付けられた取引データを二次元コードに変換する。
CPU101は、この二次元コードが印刷された伝票を、確定した取引データに基づいて印刷部111から発行する。また、オペレータSによる操作により、店員用操作部108から取引番号がキー入力された場合(発行要求)、CPU101は、その取引番号に対応付けられた取引データを二次元コードに変換する。CPU101は、この二次元コードが印刷された伝票を、確定した取引データに基づいて印刷部111から発行する。これにより、CPU101は、伝票にバーコードを印刷した後に通信トラブルが発生した場合でも、二次元コードが印刷された伝票を改めて発行することができる。
【0046】
また、CPU101は、スキャナ部104が読み取った商品データと、ハードディスク107に記憶された商品データファイル(データテーブル)とに基づいて、買上商品の商品名及び小計金額等を、店員用表示部105に表示させる。
【0047】
店員用表示部105は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、オペレータSに対して情報を表示する。ここで、店員用表示部105が表示する情報は、例えば、買上商品の商品名、購入数、販売価格、入金額(預かり金額)などである。
【0048】
客用表示部106は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、顧客Cに対して情報を提示する。客用表示部106は、例えば、店員用表示部105が表示している情報と同一の情報を表示する。
【0049】
ハードディスク107は、通信部109を介して接続されたストアコントローラ30から供給された商品データファイルを記憶する。ハードディスク107は、例えば、磁気記録装置である。なお、ハードディスク107は、商品登録プログラムを記憶してもよい。
【0050】
店員用操作部108は、商品の追加購入を受け付けるための追加購入ボタンと、金額を指定入力するための数字キーと、顧客が買い上げた全ての商品の登録が完了したことを指定入力するための現計キーと、伝票を発行する要求(発行要求)をCPU101に通知するための印刷キーとを備える。
【0051】
また、店員用操作部108は、特定商品の商品データを入力するために予め設定された商品指定キーを備えてもよい。これにより、特定商品については、商品に付された商品データを読み取らせる操作の代わりに、その商品に対応する商品指定キーを押下する操作によって、その特定商品の商品データを取引データに加えて商品登録を行う。
【0052】
通信部109は、LAN40を介して外部の装置と通信するための通信インタフェースである。通信部(送信部)109は、取引番号及び取引データをストアコントローラ30に送信する。
【0053】
ブザー110は、確認音及び警告音を発生させるための音発生部である。ブザー110は、例えば、スキャナ部104がバーコードを正常に読み取った場合、店員用操作部108の各キーが押された場合、又は、誤った操作が行われた場合等に、音を発生させる。
【0054】
印刷部(発行部)111は、CPU101が生成したバーコード又は二次元コードを伝票(紙媒体)に印刷して排出する。
【0055】
次に、精算装置20について説明する。
精算装置20は、伝票に印刷されたバーコード又は二次元コードを読み取り、代金精算(会計処理)を実行する。
【0056】
図6には、精算装置20の構成がブロック図により表されている。精算装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部205と、客用操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、釣銭機210と、バス211とを備える。これらは、バス211を介して互いに接続されている。
【0057】
ROM202は、CPU101に実行させる会計プログラムを記憶する。また、ROM202は、自装置を識別させるための装置番号を記憶する。
【0058】
スキャナ部204は、顧客Cによる操作により、伝票に印刷されたバーコードを光学的に読み取って、読み取ったバーコードが表す取引番号をCPU201に出力する。また、スキャナ部204は、顧客Cによる操作により、伝票に印刷された二次元コードを光学的に読み取り、読み取った二次元コードが表す取引データをCPU201に出力する。
【0059】
RAM203は、ストアコントローラ30から通信部207を介して供給された商品データファイルを記憶する。また、RAM203には、ROM202から読み出された会計プログラムが展開される。また、RAM203は、会計プログラムが実行されることによって生成された各種変数及びデータ(例えば、釣銭額)を一時記憶する。また、RAM203は、通信部207が受信した取引データを記憶する。また、RAM203は、スキャナ部204が読み取った二次元コードが表す取引データを記憶する。
【0060】
CPU201は、ROM202に記憶された会計プログラムを読み出してRAM203に展開し、展開した会計プログラムのステップを実行することにより、精算装置20全体を制御する。
【0061】
CPU201は、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードであるか否かを判定する。ここで、二次元コードであるか否かは、例えば、コードの記録方式(形態)が二次元であるか否かに基づいて判定される。
【0062】
スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードでない場合、すなわち、スキャナ部204が読み取ったコードがバーコードである場合、CPU201は、このバーコードに基づいて代金精算を実行する。具体的には、CPU201は、バーコードを取引番号に逆変換し、逆変換により取得した取引番号を通信部207に出力する。これにより、逆変換により取得した取引番号は、通信部207を介してストアコントローラ30に送信される。また、CPU201は、通信部207がストアコントローラ30から受信した取引データを取得する。
【0063】
一方、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードである場合、CPU201は、この二次元コードに基づいて代金精算を実行する。具体的には、CPU201は、二次元コードを取引データに逆変換することにより、二次元コードから取引データを直接取得し、直接取得した取引データに基づいて代金精算を実行する。
【0064】
CPU201は、代金精算を進める操作を顧客Cに促すための文字列等を含む情報(以下、「会計メニュー」という)を、表示部205に表示させる。また、CPU201は、取得した取引データに基づいて、買上商品の商品名、購入数、販売価格及び合計金額を、表示部205に表示させる。また、CPU201は、釣銭機210に投入された現金の金額(以下、「入金額」という)を釣銭機210から取得し、入金額を表示部205に表示させる。また、CPU201は、釣銭額を表示部205に表示させる。
【0065】
CPU201は、入金額が合計金額以上であれば、代金精算を終了させる。ここで、CPU201は、入金額が合計金額よりも多い場合、釣銭額と等しい額の現金を釣銭機210から排出させる。また、CPU201は、代金精算が終了したと判断し、レシートを印刷部209から排出させることで、レシートを発行する。
【0066】
表示部205は、例えば、液晶ディスプレイ装置であり、顧客Cに対して情報を表示する。ここで、表示部205が表示する情報は、例えば、買上商品の商品名、購入数、販売価格、入金額、合計金額、釣銭額及び会計メニューなどである。
【0067】
客用操作部206は、タッチパネル式の入力装置である。客用操作部206は、表示部205に表示されたGUI(Graphical User Interface)操作ボタンに対する操作に応じて、操作信号をCPU201に出力する。ここで、GUI操作ボタンとして、例えば、CPU201に代金精算を開始させるための会計キーと、釣銭機210に釣銭処理を開始させるための精算キーとが、表示部205に表示される。
【0068】
通信部207は、LAN40を介して外部の装置と通信するための通信インタフェースである。通信部207は、ストアコントローラ30から供給された商品データファイルを、RAM203に記憶させる。
【0069】
また、通信部207は、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードでない、すなわち、スキャナ部204が読み取ったコードがバーコードであるとCPU201が判定した場合、このバーコードが表す取引番号をストアコントローラ30に送信する。また、通信部207は、その返信としてストアコントローラ30から送信された取引データを受信し、受信した取引データをCPU201に出力し、CPU201はRAM203に一時記憶させる。
【0070】
ブザー208は、確認音及び警告音を発生させるための音発生部である。ブザー208は、例えば、スキャナ部204がバーコードを正常に読み取った場合、客用操作部206の各キーが押された場合、又は、誤った操作が行われた場合等に、音を発生させる。
【0071】
印刷部209は、代金精算が終了したことをCPU201から通知された場合、RAM203が記憶している取引データに基づいて、レシートを紙媒体に印刷して排出する。
【0072】
図7には、レシートの例が表されている。レシートには、担当者名と、取引日時と、取引番号と、商品名と、その商品の購入数と、金額と、合計金額と、預り金額と、店舗名とが印刷される。なお、商品毎の商品名や金額は明細データである。
【0073】
図6に戻り、精算装置20についての説明を続ける。釣銭機210には、現金の投入口及び排出口が備えられている。釣銭機210は、顧客Cによって投入口に投入された現金(硬貨及び紙幣の少なくとも一方)を計数して、その入金額をCPU201に通知する。また、釣銭機210は、CPU201から通知された釣銭額に基づいて、その釣銭額と等しい額の現金を排出口から排出する。
【0074】
次に、POSシステムの動作手順を説明する。
図8は、商品登録装置10の動作手順を表すフローチャートである。
まず、CPU101は、伝票の会計用コードが読み取られたか否かを判定する(ステップS1)。ここで、CPU101は、伝票に印刷されたバーコード又は二次元コードをスキャナ部104がスキャンした場合、又は、店員用操作部108から取引番号がキー入力された場合に、顧客から追加購入する商品登録の要求がなされたと判定する。
【0075】
伝票の会計用コードが読み取られていない場合(ステップS1−NO)、CPU101は、追加購入ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS2)。追加購入ボタンが押下されていない場合(ステップS2−NO)、CPU101は、スキャナ部104がバーコードから読み取った商品コード又は店員用操作部108から入力された商品コードに基づいて、商品登録を実行する(ステップS3)。すなわち、CPU101は、RAM103の処理領域に記憶している取引データの各項目に、入力された商品コードに対応する商品の明細を書き込む。
【0076】
CPU101は、顧客Cが買い上げた全ての商品について商品登録が終了したか否かを判定する(ステップS4)。CPU101は、例えば、現計キーが押下操作された場合、顧客Cが買い上げた全ての商品について商品登録が終了したと判定する。商品登録が終了していない場合(ステップS4−NO)、CPU101は、ステップS3に処理を戻す。
【0077】
一方、全ての商品について商品登録が終了した場合(ステップS4−YES)、CPU101は、確定した取引データに取引番号を付与し、確定した取引データと取引番号とを対応付けてRAM103のログファイルに追加記憶させる(ステップS5)。そして、CPU101は、確定した取引データと取引番号とを対応付け、ストアコントローラ30に通信部109を介して送信することで、前記取引データをストアコントローラ30のログファイルにも書き込み記憶させる(ステップS6)。
【0078】
さらに、CPU101は、ステップS5において送信が正常に行われたかにより通信状態の良否を判定する(ステップS7)。CPU101は、通信状態が良いと判定した場合(ステップS7−YES)、取引番号をバーコードに変換して、取引番号を表すバーコードが印刷された伝票を印刷部111に発行させる(ステップS8)。そして、CPU101は、ステップS1に処理を戻す。
【0079】
一方、CPU101は、通信状態が否である、すなわち、通信状態が良好でないと判定した場合(ステップS7−NO)、RAM103が記憶している確定した取引データを二次元コードに変換して、取引データを表す二次元コードが印刷された伝票を印刷部111から発行する(ステップS9)。そして、CPU101は、ステップS1に処理を戻す。
【0080】
一方、ステップS1において会計用コードが読み取られた場合(ステップS1−YES)、又は、ステップS2において追加購入ボタンが押下された場合(ステップS2−YES)、CPU101は、伝票に印刷された二次元コードをスキャナ部104がスキャンしたか否かを判定する(ステップS11)。
【0081】
スキャナ部104が二次元コードをスキャンした場合(ステップS11−YES)、CPU101は、スキャンした二次元コードから取引データを読み出す(ステップS12)。そして、CPU101は、顧客が追加購入する商品の商品コードが入力されると、その商品コードの商品の明細を読み出した取引データに追記することにより商品登録を実行する(ステップS3)。
【0082】
次に、CPU101は、追加購入する全ての商品について商品登録が終了したか否かを判定する(ステップS4)。CPU101は、例えば、現計キーが押下操作された場合に追加購入する全ての商品について商品登録が終了したと判定する。商品登録が終了していない場合(ステップS4−NO)、CPU101は、ステップS3に処理を戻す。
一方、追加購入する全ての商品について商品登録が終了した場合(ステップS4−YES)、CPU101は、ステップS5へ進み、追加購入する商品の明細を追加して更新した取引データをRAM103のログファイルに追加記憶させる。
【0083】
また、ステップS11において、二次元コードがスキャンされなかった場合(ステップS11−NO)、CPU101は、伝票に印刷されたバーコードをスキャナ部104がスキャンしたか否かを判定する(ステップS15)。スキャナ部104がバーコードをスキャンしていない場合(ステップS15−NO)、CPU101は、ステップS1に処理を戻す。
【0084】
一方、スキャナ部104がバーコードをスキャンした場合(ステップS15−YES)、CPU101は、スキャンしたバーコードから取引番号を読み出し、読み出した取引番号に対応する取引データをストアコントローラ30に通信部109を介して送信する。ストアコントローラ30は、取引番号を受信すると、受信した取引番号に対応する取引データを商品登録装置10に送信する。これにより、CPU101は、読み出した取引番号に対応する取引データを受信する(ステップS16)。そして、CPU101は、顧客が追加購入する商品の商品コードが入力されると、その商品コードの商品の明細を受信した取引データに追記することにより商品登録を実行する(ステップS3)。
【0085】
次に、CPU101は、追加購入する全ての商品について商品登録が終了したか否かを判定する(ステップS4)。商品登録が終了していない場合(ステップS4−NO)、CPU101は、ステップS3に処理を戻す。一方、追加購入する全ての商品について商品登録が終了した場合(ステップS4−YES)、CPU101は、ステップS5へ進み、追加購入する商品の明細を追加して更新した取引データをRAM103のログファイルに追加記憶させる。
【0086】
図9は、精算装置20の動作手順を表すフローチャートである。
まず、CPU201は、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードであるか否かを判定する(ステップSa1)。ステップSa1において、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードである場合(ステップSa1−YES)、CPU201は、ステップSa4に処理を移行させる。一方、スキャナ部204が読み取ったコードが二次元コードでない場合(ステップSa1−NO)、CPU201は、スキャナ部204が読み取ったバーコードを取引番号に逆変換し、逆変換により取得した取引番号を、ストアコントローラ30に通信部207を介して送信する(ステップSa2)。
【0087】
また、CPU201は、所定時間内に通信部207がストアコントローラ30から取引データを受信したか否かを判定する(ステップSa3)。所定時間内に取引データを受信した場合、CPU201は、表示部205に合計金額を表示させる(ステップSa4)。
【0088】
そして、CPU201は、代金処理を実行する(ステップSa5)。ここで、CPU201は、会計メニューを表示部205に表示させる。また、CPU201は、取得した取引データに基づいて、買上商品の商品名、購入数、販売価格及び合計金額を、表示部205に表示させる。また、CPU201は、入金額を釣銭機210から取得し、入金額を表示部205に表示させる。また、CPU201は、釣銭額を表示部205に表示させる。CPU201は、入金額が合計金額以上であれば、代金精算を終了させる。CPU201は、入金額が合計金額よりも多い場合、釣銭額と等しい額の現金を釣銭機210から排出させる。
【0089】
また、CPU201は、代金精算が終了した時に、レシートが印刷された紙媒体を印刷部209から排出させることで、レシートを発行する(ステップSa6)。そして、ステップS1に戻る。
【0090】
一方、ステップSa3において、所定時間内に取引データを受信しなかった場合(ステップSa3−NO)、CPU101は、メッセージ(例えば、「この伝票で代金精算ができません。ただ今、係の者を呼んでいますのでしばらくお待ち下さい。」)を、表示部205に表示させ、精算装置20に組付けられたカラーポール(不図示)を点滅させて店員に告知する(ステップSa7)。
そして、ステップSa1に戻る。
【0091】
図10は、ストアコントローラ30の動作手順を表すフローチャートである。
まず、ストアコントローラ30のストアコントローラ通信部(不図示)は、取引データを受信したか否かを判定する(ステップSb1)。取引データを受信した場合(ステップSb1−YES)、ストアコントローラ通信部は、受信した取引データをストアコントローラ30のストアコントローラ記憶部(不図示)のログファイルに記憶させる(ステップSb2)。そして、ストアコントローラ通信部は、ステップSb1に処理を戻す。
【0092】
また、ステップSb1において、取引データを受信していない場合(ステップSb1−NO)、ストアコントローラ通信部は、取引番号を受信したか否かを判定する(ステップSb3)。取引番号を受信した場合(ステップSb3−YES)、ストアコントローラ通信部は、受信した取引番号に対応付けられた取引データを、ストアコントローラ記憶部が記憶するログファイルの中から検索する(ステップSb4)。この検索結果に基づいて、ストアコントローラ通信部は、受信した取引番号に対応付けられた取引データを、その取引番号を送信した精算装置20に返信する(ステップSb5)。そして、ストアコントローラ通信部は、ステップSb1に処理を戻す。
【0093】
一方、ステップSb3において、取引番号を受信していない場合(ステップSb3−NO)、ストアコントローラ通信部は、他の処理(例えば、商品データファイルの管理、及びメンテナンス)を実行する(ステップSb6)。そして、ストアコントローラ通信部は、ステップSb1に処理を戻す。
【0094】
このように、本実施形態による商品登録装置10は、一度伝票を発行した後に、顧客から商品の追加購入の申し出があった場合には、既に伝票を発行した取引データに追加購入する商品の明細を追加し、追加購入する商品の明細が追加された取引データの会計用コードを伝票に印刷して発行する。このため、伝票を発行した後に顧客が商品を追加購入した場合であっても不用意に複数の会計用コードを伝票に印刷し発行することがない。また、顧客から商品の追加購入の申し出があった場合には、先に発行した伝票の会計用コードを読ませるようにしたので、先に発行した伝票を回収することができる。また、顧客が会計で用いる会計用コードを1つに統一して伝票を発行するので、顧客は、精算装置20において一つに統一された会計用コードで会計を行うことができるので会計操作が容易であり、伝票の会計用コードの読み取りを忘れるといった事態を防ぐことができる。これにより、顧客に不快な思いをさせることがない。
【0095】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0096】
例えば、本実施形態では、追加購入ボタンを押下して、追加購入する商品の商品登録を行っているが、追加購入する商品の商品コードを読み取った後に、「発行済みの伝票があれば会計用コードを読み取って下さい」等のメッセージを表示し、会計用コードが読み込まれると、読み込まれた会計用コードの取引データに追加購入する商品の明細を追加してもよい。
また、例えば、ログファイルの取引データ毎に、精算装置20に送信したフラグと精算装置20で会計が終了したフラグを設け、精算装置20が処理した都度、ストアコントローラ30及び商品登録装置10に送信して処理の経過がわかるようにしてもよい。
この場合、取引コードに顧客を識別する顧客コードを対応付けて、商品を追加購入する顧客に未会計の取引データがないかチェックしてもよい。この場合、商品登録装置10は、会計が終了していない取引データのある顧客が追加購入する商品の商品コードが読み込まれると、「発行済みの伝票の会計用コードを読み取って下さい」等のメッセージを表示する。
【0097】
また、例えば、取引番号を表すコードは、バーコードに限らなくてもよい。取引番号を表すコードは、最大データ量が小さく制限された、すなわち小容量である、高速読み取りが可能であるコード体系(規格)であって、光学式読取装置(OCR:OpticalCharacter Reader)等によって機械読み取りが可能であるコードであれば、バーコードに限られない。
また、取引データを表すコードは、二次元コードに限らなくてもよい。取引データを表すコードは、最大データ量が小さく制限されていない、すなわち大容量であるコード体系であって、光学式読取装置等によって機械読み取りが可能であるコードであれば、二次元コードに限られない。
また、取引番号を表すコードと、取引データを表すコードとを識別するための相違点は、コードの記録方式(形態)が二次元であるか否かという点に限らなくてよい。例えば、取引番号を表すコードと、取引データを表すコードとは、体系(規格)によって最大データ量が小さく制限されているコードであるか否かというコード体系の相違に応じて識別されてもよい。
【0098】
また、例えば、取引データを記憶する手段と送信する手段をストアコントローラ30に設けることに限らず、これらの手段を商品登録装置10に設け、精算装置20は伝票の取引番号に応じて該当する商品登録装置10に要求を出して受信するようにしてもよい。
また、例えば、精算装置20は、顧客により操作されるのではなく(セルフ式でなく)、店員によって操作されてもよい。
【0099】
また、例えば、精算装置20は、クレジットカード端末、及び電子マネー端末等を備えてもよい。これにより、精算装置20は、現金以外によっても、代金精算を実行することができる。
【0100】
なお、以上に説明したPOSシステムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0101】
10,10a…商品登録装置、11…商品登録カウンタ、20,20a…精算装置、21…精算カウンタ、30…ストアコントローラ、40…LAN、100…POSシステム、101,201…CPU、102,202…ROM、103,203…RAM、104…スキャナ部、105…店員用表示部、106…客用表示部、107…ハードディスク、108…店員用操作部、109,207…通信部、110,208…ブザー、111…印刷部、112,211…バス、204…スキャナ部、205…表示部、206…客用操作部、209…印刷部、210…釣銭機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を商品登録し、当該商品登録された商品の明細である取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票を発行するPOSレジスタであって、
前記発行した伝票に印刷された会計用コードを読み取る読取部と、
前記読取部に読み取られた会計用コードに基づいて取引データを読み出し、前記顧客が追加して購入する商品の明細を前記読み出した取引データに追加する制御部と、
前記制御部により商品の明細が追加された取引データを特定する会計用コードを印刷した伝票を発行する発行部と、
を備えることを特徴とするPOSレジスタ。
【請求項2】
前記伝票に印刷される会計用コードは、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードであることを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ。
【請求項3】
前記伝票が発行された取引データと該取引データを識別する取引番号とを対応付けて管理装置に送信する送信部を備え、
前記読取部は、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードを読み取り、
前記制御部は、前記読取部が二次元コードを読み取った場合には当該二次元コードに記録された取引データを読み出し、前記読取部が一次元コードを読み取った場合には当該一次元コードに記録された前記取引番号に対応する取引データを前記管理装置から受信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のPOSレジスタ。
【請求項4】
顧客が購入する商品を商品登録し、当該商品登録された商品の明細である取引データを特定する会計用コードが印刷された伝票を発行する商品登録装置と、前記会計用コードに基づいて会計を行う精算装置とからなるPOSシステムであって、
前記商品登録装置は、
前記発行した伝票に印刷された会計用コードを読み取る読取部と、
前記読取部に読み取られた会計用コードに基づいて取引データを読み出し、前記顧客が追加して購入する商品の明細を読み出した取引データに追加する制御部と、
前記制御部により商品の明細が前記追加された取引データを特定する会計用コードを印刷した伝票を発行する発行部と、
を備え、
前記精算装置は、前記登録装置が発行した伝票に印刷された会計用コードに基づいて、前記顧客が購入する商品の明細である取引データを読み出し会計を行う
ことを特徴とするPOSシステム。
【請求項5】
前記伝票に印刷される会計用コードは、前記取引データが記録された二次元コード又は前記取引データを識別する取引番号が記録された一次元コードであることを特徴とする請求項4に記載のPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−113652(P2012−113652A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264209(P2010−264209)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】