説明

PTFE成型体、及びその製造方法

【課題】層間の剥離がなく可撓性に優れ、且つ、生産性にも優れたPTFE成型体、及びこれらの製造方法を得ること。
【解決手段】充実構造のPTFEからなる充実部分と、多孔構造のPTFEからなる多孔部分とからなり、上記充実部分の樹脂部と上記多孔部分の樹脂部とが連続している成型体。上記PTFEが完全焼成している成型体。形状が円筒形であり、その内周面が上記充実部分から構成されているの成型体。PTFE粉末を圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、PTFE粉末と造孔剤とを混合したPTFE混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ充実部分と上記プレ多孔部分とを接合させてプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)成型体、このPTFE成型体を製造するための中間材料であるプレ成型体、及びPTFE成型体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PTFEは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、生体適合性も有していることから、例えば医療用チューブ、カテーテル、人工血管などに使用されている。しかしながら、PTFEは固く可撓性に劣ることが知られている。この対策として、例えば、特許文献1,2等には、柔軟なPTFEの多孔質の層を設けて、可撓性を向上させたチューブが開示されている。
【0003】
また、本発明に関連する当該出願人の特許出願として、例えば、特許文献3,4が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3184387号公報:オリンパス、ゴアテックス
【特許文献2】特許第3808246号公報:オリンパス、ゴアテックス
【特許文献3】特開2005−336459公報:クラベ
【特許文献4】国際公開WO2008/035682公報:クラベ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1によるチューブは、充実構造のPTFEからなる第1層と、その外周面に積層された多孔質構造のPTFEからなる第2層とからなり、第1層と第2層が熱融着又は接着剤層によって一体化されたものである。ここで、PTFEは、溶融流動しないものであるため、他の熱可塑性フッ素樹脂、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などを使用して、熱融着或いは接着させることになる。このようにPTFEとは異なる材料を使用すると、そこに界面が発生することになり、屈曲や圧縮などの外力を受けた際、或いは、加熱−冷却の熱サイクルを受けた際、この界面で剥離を生じてしまうおそれがある。剥離を生じると、その部分からクラックが発生してチューブが破壊したり、僅かに曲げただけでキンクが発生してチューブ内が塞がれたりすることなる。また、医療用の部材として使用する際には、蒸気滅菌(オートクレーブ)や乾熱滅菌などの加熱滅菌や、薬品による化学滅菌などを行う必要があるため、接着剤や熱融着層の材料によっては、これら滅菌処理によって劣化してしまうことになる。
【0006】
また、特許文献2によるチューブは、充実構造のPTFEである内層と、充実層−移行層−多孔質層と変化する外層とからなるものである。この製造方法については、「内層と外層とを一体的に押出成型し、その後、外層のみを延伸発泡させる。」とされているが、このような外層のみの延伸は技術的に非常に困難である。また、製造時に一度、意図的に内層と外層とを剥離させることになるため、完成したチューブに内層と外層の接着について強固なものは望めず、内層と外層とが容易に剥離してしまうこととなる。更には、延伸発泡させた多孔質層は、その製造工法によって残留応力が生じるため、多孔質層が熱収縮や変形を起こしやすく、これも剥離の原因になってしまうという欠点がある。
【0007】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、層間の剥離がなく可撓性に優れ、且つ、生産性にも優れたPTFE成型体、及びこれらの製造方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1による成型体は、充実構造のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる充実部分と、多孔構造のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる多孔部分とからなり、上記充実部分の樹脂部と上記多孔部分の樹脂部とが連続していることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の成型体は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂が完全焼成しているものである。
また、請求項3記載の成型体は、形状が円筒形であり、その内周面が上記充実部分から構成されているものである。
また、請求項4記載のプレ成型体は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末からなるプレ充実部分と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体からなるプレ多孔部分とからなり、内周面が上記プレ充実部分で構成されるように圧縮成型によって円筒形に成型されたものである。
また、請求項5記載のプレ成型体は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末からなるプレ充実部分と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体からなるプレ多孔部分とからなり、内周面が上記プレ多孔部分で構成されるように圧縮成型によって円筒形に成型されたものである。
また、請求項6記載のプレ成型体は、上記造孔剤が、フマル酸を含有していることを特徴とするものである。
また、請求項7記載の成型体は、上記プレ成型体から上記造孔剤を除去することによって多孔構造が形成されたものである。
また、請求項8記載の成型体は、上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂が焼成されたものである。
また、請求項9記載の成型体の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ充実部分と上記プレ多孔部分とを接合させてプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成するものである。
また、請求項10記載の成型体の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を円筒形に圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ充実部分の外周に上記プレ多孔部分が配置されたプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成するものである。
また、請求項11記載の成型体の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を円筒形に圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ多孔部分の外周に上記プレ充実部分が配置されたプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成するものである。
また、請求項12記載の成型体の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体とを配置する工程と、これらを一括して圧縮成型することでプレ充実部分とプレ多孔部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成するものである。
また、請求項13記載の成型体の製造方法は、内側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末、外側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を配置する工程と、これらを一括して円筒形に圧縮成型することで内側にプレ充実部分、外側にプレ多孔部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成するものである。
また、請求項14記載の成型体の製造方法は、内側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体、外側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を配置する工程と、これらを一括して円筒形に圧縮成型することで内側にプレ多孔部分、外側にプレ充実部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、多孔構造の多孔部分と充実構造の充実部分とを形成するものである。
また、請求項15記載の成型体の製造方法は、上記造孔剤を除去する工程と、上記焼成する工程の前に、上記プレ成型体を押出成型するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による成型体は、充実部分の樹脂部と上記多孔部分の樹脂部とが連続しており、充実部分と多孔部分の間に界面が存在しない。そのため、充実部分と多孔部分が剥離するようなことはない。また、柔軟な多孔部分が存在するため、可撓性に優れたものとなる。また、通常の押出成型などの方法により成型できるため、生産性にも優れる。
また、通常のPTFE多孔体の場合、特に気孔率を高くした際には、焼成をすると収縮が起こるため、気孔率が減少するとともに、寸法精度も悪くなってしまう。これに対して、本発明の成型体においては、多孔部分の樹脂部と充実部分の樹脂部とが連続しているため、充実部分によって多孔部分が拘束され、多孔部分の収縮を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例を表す図で、チューブの構成を示す一部切欠斜視図図である。
【図2】本発明の実施例によるPTFE成型体について長手方向にカットした面について、100倍に拡大した写真である。
【図3】本発明の実施例によるPTFE成型体について長手方向にカットした面について、2000倍に拡大した写真である。
【図4】本発明の実施例によるPTFE成型体について長手方向と垂直にカットした面について、100倍に拡大した写真である。
【図5】本発明の実施例によるPTFE成型体について長手方向と垂直にカットした面について、2000倍に拡大した写真である。
【図6】本発明の実施例によるPTFE成型体の結晶融解曲線である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
PTFE粉末としては、例えば、乳化重合によって得られたファインパウダーや懸濁重合によって得られたモールディングパウダーが挙げられる。これらの内、繊維化しやすく、それにより得られる成型体の強度が向上するファインパウダーが好ましい。一般的なPTFEファインパウダーは、平均粒径約0.2μmの一次粒子が凝集してなる平均粒径約600μmの二次粒子からなるものである。PTFE混合体中のPTFE粉末の含有割合が40%を下回る場合、PTFE同士の結合が弱く、成型中および焼成後に素材が裂けやすくなる傾向がある。そのため、平均二次粒径が100μm以下のPTFE粉末を用いることにより、PTFEの結合点を増やし、機械的強度を向上させることで、より裂け難くすることができる。特に、押出成型をする場合は、長手方向は繊維化して成型上十分な強度を有するが、横方向に対しては繊維間の結合が弱く、ペースト成型中および焼成後に素材が裂けやすくなる傾向がある。このように、ファインパウダーによる繊維化と、平均二次粒径100μm以下にすることによって、結合点の増加との相乗効果により、多孔部分の機械的強度は格段に向上することができる。更に、PTFE粉末が二次粒径30μm以下の粉体を主体としていれば、例え、粗大なPTFE粉末が存在したとしても、その周囲を二次粒径の細かい粉体が取り囲み、PTFE粉末同士の結合点は増加することになる。そのため、これによっても多孔部分の機械的強度は格段に向上することになる。なお、ここでいう「PTFE粉末が二次粒径30μm以下の粉体を主体とする」とは、PTFE粉末全体の中で、二次粒径30μm以下の粉体の個数が過半数を超える程度であることを示す。
【0012】
本発明において、PTFE混合体を得る際にPTFE粉末と混合される造孔剤は、容易にPTFE混合体から除去できるものであれば特に限定はない。造孔剤を除去する方法としては、設備の簡便さから加熱により造孔剤を気化や熱分解させることが好ましいが、減圧により造孔剤を気化させてもよい。また、溶媒や蒸気等により造孔剤を抽出させてもよい。
【0013】
造孔剤の種類としては、例えば、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸、安息香酸、ショウノウ、メントール、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アニリン、ナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸が好ましい。これらのようなジカルボン酸の粉末であれば、その原因については明確になっていないが、特に、肌理が細かく、且つ、寸法精度が良好な多孔部分を得ることができる。更に、管壁抵抗が大きくなることもないため、押出成型による成型もより良好なものとなる。また、プレ多孔部分から造孔剤を除去し多孔部分とする際に臭気が発生することがない。これらのジカルボン酸の中でも、フマル酸は、特に焼成時の収縮を抑える効果が大きいため好ましい。また、ジカルボン酸の中でも、空気中での加熱により気化する性質を有するもの(例えば、フマル酸、アジピン酸、コハク酸)であれば、加熱によって造孔剤を気化させて除去することが容易であるため、好ましい。造孔剤を気化させて除去する方法は、例えば、熱分解させて除去する方法に比べて、多孔部分中に残渣を残しにくく、残渣による電気諸特性への悪影響を防止することができる。このような空気中での加熱により気化する性質を有するジカルボン酸粉末として、例えば、沸点(又は昇華点)が300℃以下のもの(例えば、フマル酸、コハク酸)であれば、特別な装置を必要とせず、通常用いられる加熱炉などにより容易に造孔剤を除去することができるため、好ましい。また、ジカルボン酸粉末の沸点が300℃以下のものであれば、PTFEの焼成温度(例えば、370〜400℃)より低い温度で除去されるため、ジカルボン酸成分が焼成中に引火することを防ぐことができる。
【0014】
また、造孔剤の平均粒径は100μm以下であることが好ましい。このような粒径であれば、気孔がより小さいものとなり、より肌理の細かい多孔部分を得ることができる。また、粒径のより小さな造孔剤を用いることにより、成型時のクラック、裂けを防止し成型性をより良くする効果も生じる。
【0015】
上記PTFE粉末や造孔剤粉末は、粒径の大きな状態の粉体を粉砕して細粒化することにより製造できる。粉砕は、回転刃方式の混合機や粉砕機を用いて気相中で容易に行うことができる。粉砕方法は、気相中での粉砕に限定されるものではなく、溶液中での粉砕が可能な場合もある。例えば、フマル酸は水への溶解度が小さいので水中での回転刃による粉砕も可能である。しかし、溶液中での粉砕方法では、水との分離工程が生じるので、気相中での粉砕が好ましい。また、粉砕方法や粉砕に用いる設備のサイズ(処理量能力)は、特に限定されず、回転刃方式の他に、ボールミル、ジェットミル(気流粉砕)などを用いることができる。特にPTFE粉末は、細粒化の際に繊維化してしまうと、その後の、積層と圧縮の工程における繊維化の余地がなくなり、最終的な成型品の強度が充分なものにならなくなる恐れがある。そのため、PTFE粉末の細粒化は、繊維化が起こりにくいジェットミルにより行うことが好ましい。
【0016】
本発明において、さらに、有機溶剤を含むことが好ましい。この有機溶剤としては、例えば、流動パラフィン、ナフサ、ホワイトオイル、灯油、軽油等の炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類などの溶剤が挙げられ、これらの中でも、PTFEとの浸透性からナフサ、灯油、軽油等の石油系溶剤を使うことが好ましい。有機溶剤を適量含むことにより、PTFE混合体の成型や加圧の際に割れが生じてしまうことを防止することができる。
【0017】
特に、PTFE粉末に良好に保持させるために、動粘度2mm/s(40℃)以上の石油系溶剤を使うことが好ましい。このような有機溶剤であれば、粉体の粒子間に一旦保持されれば、低粘度の有機溶剤をそのまま造孔剤として使用したときよりも、所定形状に成型する際の圧力が加わった際に有機溶剤のみが滲み出て、PTFE粉末と有機溶剤とが分離するようなことは起こり難く、管壁抵抗を下げる潤滑効果を保持することになる。そのため、PTFE粉末と造孔剤との配合量の適応範囲が広く、また潤滑効果が高く成型性(成型体の外観)が良好となる。更に、PTFE粉末やジカルボン酸粉末による継粉の形成を効果的に防止することができ、気孔の大きさをより微細なものとすることができる。但し、PTFEを焼成させる場合、通常370〜400℃程度の温度で焼成させるが、焼成前に完全に溶剤が蒸発していることが好ましいため、有機溶剤の沸点は300℃以下であることが好ましい。
【0018】
PTFE混合体は、上記のような造孔剤とPTFE粉末とを、例えば、タンブラーなどで攪拌、混合して得ることができる。この際、造孔剤の混合量を変えることにより、気孔率を容易に制御することができる。尚、造孔剤として複数の成分を混合して使用する場合、予め造孔剤を構成する各成分を混合しておけば、造孔剤が均質となるため、より肌理の細かい多孔部分を作製することができ好ましいが、造孔剤を構成する各成分をPTFE粉末に別に加えた後、攪拌などによりこれらを一括して混合しても良い。
【0019】
特に、多孔部分が55%を超える高気孔率となるように、ペースト押出をする場合には、素材の機械的強度(裂けやすさ)の面から、PTFE粉末はもちろんのこと、造孔剤についても、平均粒径100μm以下の微粉末を用いることが好ましい。PTFE粉末の細粒化は必ずしもPTFE粉末単独で行う必要はなく、PTFE粉末及び造孔剤の混合と、PTFE粉末の細粒化とを、1つの工程で同時に行うことができる。この混合と細粒化とを兼ねた処理は、回転刃式の粉砕機、混合機などを用いて気相中で容易に行うことができる。
【0020】
上記したPTFE粉末、造孔剤、必要に応じて有機溶剤により、充実部分を得るためのプレ充実部分、及び、多孔部分を得るためのプレ多孔部分が作成される。プレ充実部分は、上記したPTFE粉末に、必要に応じて有機溶剤を加え、例えば、金型成型や圧延成型などにより、所定形状に圧縮して成型される。プレ多孔部分は、上記したようにPTFE粉末と、造孔剤と、必要に応じて有機溶剤を混合してPTFE混合体とした後、このPTFE混合体について、例えば、金型成型や圧延成型などにより、所定形状に圧縮して成型される。このプレ充実部分とプレ多孔部分とが接合されることで、プレ成型体が得られる。そして、このプレ成型体を所望とする形状に変形させることで、最終的な成型体の形状とされる。但し、プレ成型体の状態で最終的な成型体の形状となっている場合は、この変形の工程は必要ない。変形の一例として、例えば、プレ成型体を公知のペースト押出機等に導入し押出成型して長尺形状とすること、シート形状としたプレ成型体を所望の形状に型打ち抜きすること、シート形状としたプレ成型体を更に積層すること、など種々の態様が考えられる。上記長尺形状としては、シート形状のものや、断面の形状が円柱形、円筒形、多角形など種々の形状のものなど、種々の形状が考えられる。この内、断面の形状が円筒形のプレ成型体を得る場合、内部に流体を通過させるチューブとしての使用が考えられるため、内面はプレ充実部分で構成されていることが好ましい。このようなプレ成型体を得る方法としては、例えば、円筒形に圧縮成型したプレ充実部分の外周にPTFE混合体を配置してこのPTFE混合体を圧縮成型する方法、円筒形に圧縮成型したプレ多孔部分の内面にPTFE粉末を配置してこのPTFE粉末を円筒形状に圧縮成型する方法、円筒形に圧縮成型したプレ充実部分の外周にシート形状に圧延成型したプレ多孔部分を巻回する方法、マンドレルの外周に圧延成型したプレ充実部分を巻回し、その外周にPTFE混合体を配置してこのPTFE混合体を圧縮成型する方法、プレ充実部分とプレ多孔部分を夫々円筒形状に圧縮成型し、プレ多孔部分の内面にプレ充実部分を嵌合させる方法、内側にPTFE粉末、その外周にPTFE混合体を配置し、これらを一括して円筒形に圧縮成型してプレ充実部分とプレ多孔部分を同時に形成する方法、などが挙げられる。また、充実部分と多孔部分をどのように配置するか、という点についても限定はなく、充実部分や多孔部分が2区画以上存在するようなものも考えられる。例えば、上記の円筒形の場合、内面から充実部分、多孔部分、充実部分、多孔部分と変化していくようなものも考えられる。他にも、例えば、多孔部分の中に充実部分の小片が分散している態様(或いは逆の態様)や、多孔部分と充実部分がストライプを形成している態様、多孔部分の表面を充実部分で覆うような態様、充実部分で骨組みを形成してその隙間を多孔部分で充填する態様など、充実部分の特性と多孔部分の特性を考慮して最適な配置を選択すればよい。
【0021】
上記のようにして得られたプレ成型体について、造孔剤を除去することにより、プレ多孔部分に気孔が設けられ、本発明による成型体が製造される。造孔剤を除去する方法としては、設備の簡便さから加熱により造孔剤を気化させること好ましいが、減圧により造孔剤を気化させてもよい。また、溶媒や蒸気等により造孔剤を溶出させてもよい。気化の形態としては、昇華するもの、液化を経て蒸発するものがあるが、液化する場合、PTFE混合体表面に液膜を形成することがあることから、加熱速度が速すぎると内部の気化した造孔剤が抜けずにPTFE混合体自体を膨らめることがある。そのため、気化させて除去する場合には、造孔剤としては、液化せず昇華するフマル酸などを使用することが好ましい。溶媒などで抽出する場合の溶媒としては、造孔剤を溶解するものであれば限定されないが、水はPTFEに浸入し難く造孔剤を抽出し難いので、PTFEに浸透しやすいエタノール等のアルコール、ジエチルエーテル等のエーテル、アセトンやメチルエチルケトン等のケトンなどといった有機系の溶媒が好ましい。ただし、溶媒による抽出の場合には、抽出工程に時間を要するので、加熱による昇華が最も好ましい。
【0022】
尚、本発明の成型体は、200℃程度の加熱処理などにより造孔剤を除去し、その後に焼成を行わず、未焼成PTFEの成型体として使用しても良い。また、造孔剤を除去した後、更に370℃以上の焼成を行い、完全焼成PTFEの成型体として使用しても良い。また、焼成温度を調節することで未焼成と完全焼成が混在した半焼成PTFEの成型体としても良い。焼成の状態については、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解曲線によって確認することができる。「未焼成状態」の場合は340℃付近に1箇所だけピークが観察され、「完全焼成状態」の場合は320℃付近に1箇所だけピークが観察され、「半焼成状態」の場合は340℃付近にピークが観察されると同時にその手前の320℃付近にも別のピークが観察される。これらの他に、国際特許公開WO04/086416に記載されたような、「微焼成状態」という状態があり、上記した「未焼成状態」と「半焼成状態」との中間の状態を示している。そして、これを区分けする目安になるのが、320℃付近におけるピークの有無である。つまり、この320℃付近におけるピークが明確に観察されるまで焼成が進行すると「半焼成状態」となってしまい、「微焼成状態」とは、そのようなピークが観察されるに至る手前の焼成状態を意味するものである。この焼成の状態については、国際特許公開WO04/086416の他、上記特許文献3、4にも詳しい記載があるので参照することができる。
【0023】
焼成をした場合、PTFEは半溶融状態となるため、程度の大小はあるが多孔部分の気孔は減少し気孔率が低下することになる。この気孔率が低下する度合いは焼成の進行に従い大きくなる。そのため、焼成前の気孔率は、焼成後の気孔率よりも更に大きくしておく必要があるが、これには造孔剤を過剰気味に添加する必要がある。
【0024】
上記のようにして得られた成型体は、多孔部分の気孔状態を制御することも可能であり、例えば、気孔率5%以上40%未満では独立気孔を主体とし、気孔率40%以上50%未満では独立気孔と連続気孔をともに有し、気孔率50%以上では連続気孔を主体とする、というような気孔状態とすることができる。勿論、造孔剤の粒径や混合量を適宜設定することで、気孔率50%未満でも連続気孔を主体とした多孔部分とすることが可能である。また、造孔剤の混合量を増加させることにより、例えば気孔率80%以上の多孔部分を得ることも可能である。また、長尺の成型体を押出成型によって製造した場合、多孔部分の気孔形状は長手方向に配向したものとなる。このような気孔形状であれば、長手方向の引張強度が高いため長尺品であっても切断され難く、クラックが入り難いため曲げに対しても強いものとなり、取扱いが容易である。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1〜3)
まず、PTFE粉末をジェットミルにて粉砕する。このPTFE粉末について、任意の部分を抽出して走査型電子顕微鏡を用いて拡大した写真を撮影し、各粉末の定方向径を算術平均して、平均二次粒径を求めた。これによると、本実施例のPTFE粉末の平均二次粒径は、34μmであった。また、この拡大した写真により二次粒径30μm以下の粉体が個数換算で全体の60%を超えていることが確認された。このPTFE粉末と有機溶剤(ナフサ、軽油及びナフテン系溶剤の混合物)を、PTFE粉末83重量%、有機溶剤17重量%になるように混合し、これを金型に入れ圧縮成型して円筒形のプレ充実部分とした。次いで、上記したPTFE粉末及び有機溶剤と造孔剤としてのフマル酸を、PTFE粉末60重量%、有機溶剤17重量%、造孔剤23重量%になるように混合し、PTFE混合体を得た。方法としては、円筒形に圧縮成型したプレ充実部分の外周にPTFE混合体を配置してこのPTFE混合体を圧縮成型する方法でプレ多孔部分とした。それと同時に、プレ充実部分の外周にプレ多孔部分が配置されたプレ成型体を得た。このプレ成型体について、ペースト押出成型機(シリンダー径60mm)にてペースト押出成型し、内径3.5mm、外径4.5mmで、内面がプレ充実部分のチューブ形状とした。さらにPTFEの融点以下の温度で加熱処理して造孔剤を気化させて除去し、さらに同一工程にてPTFEの融点以上の温度で加熱処理をしてPTFE樹脂を焼成した。このようにして、充実部分1の外周に、多孔部分2が形成されたチューブ形状の成型体5を製造した。この成型体5は、内径3.5mm、外径4.5mmであった。充実部分1と多孔部分2の肉厚については、表1に示すように、実施例1〜3でそれぞれ異なるものとした。また、こうして得られた成型体5の多孔部分2について、重量とその体積を測定し、充実部分1の比重(2.155g/cm)から下記式により気孔率を算出した。
「気孔率=(試料の重量−充実部分の重量)/(多孔部分の体積×充実部分の比重)×100%」
【0026】
(比較例1,2)
全てが上記充実部分1から構成された成型体を比較例1、全てが上記多孔部分2から構成された成型体を比較例2とした。尚、比較例1及び比較例2に係る成型体の内径及び外径は、上記実施例1〜3と同一である。また、充実部分1の製造方法、及び、多孔部分2の製造方法も、上記した通りである。
【0027】
【表1】

【0028】
表1に示すように、本発明の実施例1〜3に係る成型体5の多孔部分2は何れも気孔率40%とすることができた。また、実施例1〜3の成型体は、押出成型直後や焼成後も表面にしわやクラックの発生がなく、外観が良好であった。
【0029】
また、実施例1〜3の成型体について、引張速度50mm/minにて引張強度及び引張伸びの測定を行った。その結果、実施例1〜3の何れについても、引張強度17MPa以上、引張伸びも280%以上であり、実使用上充分な引張強度および引張伸びを有していることが確認できた。
【0030】
接着性の測定として、充実部分1から多孔部分2に遷移する部分に、剃刀にて30mmのスリットを入れ、充実部分1の端部と多孔部分2の端部をそれぞれ把持して引き離すことで両部分の剥離強度を測定した。柔軟性として、成型体長手方向と垂直に加圧し、変形し始めから加圧部が断面下部に接触するまでの加圧力を測定した。可撓性(耐座屈性)として、長さ600mm程度の成型体を輪状にして、その両端を引張ることで輪を小さくしていき、座屈する直前の直径を測定した。これら、接着性、柔軟性及び可撓性の結果については、表1に併せて示す。
【0031】
接着性について、本発明の実施例1〜3は、充実部分1と多孔部分2が完全に一体化しており、引き離しの力によって多孔部分2を把持していた箇所が破壊してしまい、剥離強度が測定できなかった。また、柔軟性について、本発明の実施例1〜3は、全てが充実部分1である比較例1と比べて優れた小さい力で変形可能なものであり、柔軟性に優れていることが確認できた。また、可撓性について、本発明の実施例1〜3は、全てが多孔部分2である比較例2と比べて座屈(キンク)しにくいものであり、可撓性に優れていることが確認できた。特に、実施例1〜3をそれぞれ比較すると、多孔部分2の断面積率が大きくなるほど、柔軟性及び可撓性に優れ、特に、実施例3においては、柔軟性、可撓性の両方について、比較例1及び比較例2の何れよりも優れた値となっていた。
【0032】
実施例1の成型体をナイフでカットした面について、走査型電子顕微鏡で観察し、気孔状態を確認した。図2は実施例1における成型体について長手方向にカットした面を100倍に拡大した写真、図3は実施例1による成型体について長手方向にカットした面を2000倍に拡大した写真、図4は実施例1における成型体について長手方向と垂直にカットした面を100倍に拡大した写真、図5は実施例1における成型体について長手方向と垂直にカットした面を2000倍に拡大した写真を示す。何れの写真においても、多孔部分の樹脂部と充実部分の樹脂部とが連続しており、充実部分と多孔部分との間に界面というべきものが存在していないことがわかる。
【0033】
また、実施例1〜3によるサンプル片について、JIS K7122プラスチックの転移熱測定方法により示差走査熱量測定(DSC)を実施し、それによって得られた結晶融解曲線において、吸熱ピークを確認した。このDSCによれば、何れのサンプル片も、完全焼成PTFEに特徴的な320〜330℃付近のピークが見られていることから、完全焼成PTFEとなっていることが確認できた。図6に代表して実施例1の結晶融解曲線を示す。
【0034】
例えば、本発明においては、造孔剤の配合量により、多孔部分の気孔率を容易に制御することができる。そのため、上記実施例のような気孔率の範囲のものだけでなく、例えば、気孔率が5%、10%、20%、30%といった比較的低気孔率のもの、60%、70%、80%といった比較的高気孔率のものなど、適宜作り分けることができる。
【0035】
また、本発明によれば、接着剤や他のフッ素樹脂等を含まない、実質的にPTFEのみからなる成型体を得ることができる。従って、接着剤や他のフッ素樹脂等により、耐熱性や耐薬品性などに悪影響が出ることがないため、各種の高温環境や薬品の暴露がある環境などに好適に使用される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、層間の剥離がなく可撓性に優れ、且つ、生産性にも優れた成型体、及びこれらの製造方法を得ることが可能である。このようなPTFE成型体は、例えば、電線被覆材、同軸ケーブルの誘電体、フィルタ、ガスケット、断熱材、人工血管、カテーテル、チューブ、培養器など多くの用途に対して好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 充実部分
2 多孔部分
5 PTFE成型体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充実構造のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる充実部分と、多孔構造のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる多孔部分とからなり、上記充実部分の樹脂部と上記多孔部分の樹脂部とが連続していることを特徴とする成型体。
【請求項2】
上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂が完全焼成している請求項1記載の成型体。
【請求項3】
形状が円筒形であり、その内周面が上記充実部分から構成されている請求項1又は請求項2記載の成型体。
【請求項4】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末からなるプレ充実部分と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体からなるプレ多孔部分とからなり、内周面が上記プレ充実部分で構成されるように圧縮成型によって円筒形に成型されたプレ成型体。
【請求項5】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末からなるプレ充実部分と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体からなるプレ多孔部分とからなり、内周面が上記プレ多孔部分で構成されるように圧縮成型によって円筒形に成型されたプレ成型体。
【請求項6】
上記造孔剤が、フマル酸を含有していることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のプレ成型体。
【請求項7】
請求項4〜請求項6記載のプレ成型体から上記造孔剤を除去することによって多孔構造が形成された成型体。
【請求項8】
上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂が焼成された請求項7記載の成型体。
【請求項9】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ充実部分と上記プレ多孔部分とを接合させてプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項10】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を円筒形に圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ充実部分の外周に上記プレ多孔部分が配置されたプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項11】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を円筒形に圧縮成型することでプレ充実部分を作成する工程、及び、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を圧縮成型することでプレ多孔部分を形成する工程、を経て、上記プレ多孔部分の外周に上記プレ充実部分が配置されたプレ成型体を得た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項12】
ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体とを配置する工程と、これらを一括して圧縮成型することでプレ充実部分とプレ多孔部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項13】
内側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末、外側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体を配置する工程と、これらを一括して円筒形に圧縮成型することで内側にプレ充実部分、外側にプレ多孔部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、充実構造の充実部分と多孔構造の多孔部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項14】
内側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末と造孔剤とを混合したポリテトラフルオロエチレン混合体、外側にポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末を配置する工程と、これらを一括して円筒形に圧縮成型することで内側にプレ多孔部分、外側にプレ充実部分を形成してプレ成型体とする工程と、を経た後、上記造孔剤を除去する工程と、焼成する工程によって、多孔構造の多孔部分と充実構造の充実部分とを形成する成型体の製造方法。
【請求項15】
上記造孔剤を除去する工程と、上記焼成する工程の前に、上記プレ成型体を押出成型する請求項9〜請求項14記載の成型体の製造方法。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−1441(P2011−1441A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145002(P2009−145002)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000129529)株式会社クラベ (125)
【Fターム(参考)】