説明

RFIDプラットフォームシステム、ロガー装置、プラットフォーム装置、マスタプラットフォーム装置、及び、管理方法

【課題】管理するRFタグが増加しても、パフォーマンスが低下しないRFIDプラットフォームシステムを提供する。
【解決手段】RFIDプラットフォームシステム1は、ロガー4と、複数のプラットフォーム3と、複数のプラットフォーム3を管理するマスタプラットフォーム2を備えている。プラットフォーム3はそれぞれ、自身が管理するRFタグ7に固有のタグIDを含むマスタデータを保持している。ロガー4は、自身を管理するプラットフォーム3が保持するマスタデータに、検出したRFタグ7のタグIDが含まれていないと判定したとき、当該タグIDをマスタデータに含むプラットフォーム3をマスタプラットフォーム2に問い合わせる。マスタプラットフォーム2は、全てのプラットフォーム3に、当該タグIDをマスタデータに含むか否かを問い合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はRFID(Radio Freqency IDentification)タグの所在を管理するRFIDプラットフォームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の情報を個別に識別するためのRFIDシステムの開発が活発化されている。もともとRFIDシステムは、バーコードに代わる新たな商品識別及び管理技術として開発されてきたが、現在ではそれに留まらず、様々な技術分野への応用も展開されている。管理対象も物品に限らず、人も対象とするようになってきた。例えば、公共交通機関においては、従来の改札券や定期券の代わりに、RFタグを内蔵した入場管理カードの利用が急速に進展している。また、RFタグを用いて人を管理する技術の一つとして、RFタグを所持した人がどこにいるのかをコンピュータ上で把握する在席管理システムが挙げられる。
【0003】
従来のRFIDシステムは、単一のプラットフォームと、複数のタグリーダとにより構成される。RFタグから送信されるタグデータは、タグリーダの何れかを介してプラットフォームに集約される。プラットフォームに集約されたタグデータは、データベース化されて、在席管理システムのような各種アプリケーションに提供される。特許文献1〜4には、タグリーダにおいて取得したタグデータを管理し、各種アプリケーションに提供するRFIDシステムが記載されている。
【0004】
特に特許文献4に記載のイベント管理デバイスは、複数の種類の異なるタグリーダからアプリケーションに伝送されるデータ量を低減するために、各種タグリーダと各種アプリケーションとの通信をサポートし、タグリーダから取得したタグデータに対してイベント生成処理及びデータフィルタリング処理を行っている。このイベント管理デバイスにおいて、タグリーダとアプリケーションとの通信は、互いに異なるタグリーダのプロトコルの互換及び変換を行うことによってサポートされ、タグリーダ毎に取得されたタグデータは、フィルタリング及びイベント生成の後にデータ格納ユニットに格納され、各種アプリケーションに提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−157779号公報(2009年7月16日公開)
【特許文献2】特開2009−134722号公報(2009年6月18日公開)
【特許文献3】特開2008−158651号公報(2008年7月10日公開)
【特許文献4】特表2008−524742号公報(2008年7月10日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献4に記載の従来技術においては、システムで管理すべきRFタグ及びタグリーダの情報を一つのイベント管理デバイスで一括管理し、さらに取得したタグデータは全て一つのデータベースに格納される。したがって、管理すべきRFタグの数が増加すると、タグデータの管理を行うイベント管理デバイスの負荷が増大し、システムのパフォーマンスが著しく低下する。換言すれば、システムのパフォーマンスを一定以上に保つためには、管理するRFタグの数を一定数以下に抑える必要が生じる。特許文献1〜3に記載の従来技術も、一つのプラットフォームで全てのタグ情報を一括管理しているので、同様の問題点を有している。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、管理すべきRFタグの数が増加しても、著しいパフォーマンスの低下を生じることのないRFIDプラットフォームシステム、換言すれば、著しいパフォーマンスの低下を生じることなく、管理すべきRFタグの数をいくらでも増加させることのできるRFIDプラットフォームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るRFIDプラットフォーム装置システムは、異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置であって、RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれる場合、上記RFタグから読み出したタグデータを上記対応プラットフォーム装置に送信するロガー装置とを含み、上記ロガー装置は、上記RFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせ、上記マスタプラットフォーム装置は、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答し、上記ロガー装置は、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記マスタプラットフォーム装置から回答されたアドレス宛てに送信する、ことを特徴としている。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る管理方法は、異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置とを用いてRFタグから読み出したタグデータを管理する管理方法であって、上記RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれる場合、上記ロガー装置が、上記RFタグから読み出したタグデータを上記対応プラットフォーム装置に送信するステップと、上記RFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合、上記ロガー装置が、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせるステップと、上記マスタプラットフォーム装置が、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答するステップと、上記ロガー装置が、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記問い合わせに対して上記マスタプラットフォーム装置から回答されたアドレス宛てに送信するステップと、を含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合でも、ロガー装置は、マスタプラットフォーム装置に問い合わせることによって、そのRFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを知り、そのRFタグを管理するプラットフォーム装置にタグデータを送信することができる。すなわち、ロガー装置は、どのプラットフォーム装置が管理しているRFタグであろうと、正しくタグデータを送信することができる。
【0011】
しかも、RFIDプラットフォームシステムは、複数のプラットフォーム装置によってRFタグを分担して管理している。このため、管理すべきRFタグの枚数が増加しても、新たなプラットフォーム装置を追加することにより、システムのパフォーマンスの低下を容易に回避することができる。なお、新たなプラットフォーム装置の追加は、そのアドレスをマスタプラットフォームに登録するだけでよいので極めて容易である。
【0012】
また、マスタプラットフォーム装置は、複数のプラットフォーム装置のアドレスさえ管理すればよく、タグIDやタグデータを管理する必要がない。このため、管理すべきRFタグの枚数が増加し、プラットフォーム装置の台数が増加したとしても、マスタプラットフォーム装置がボトルネックになって、システムのパフォーマンスが低下する虞がない。
【0013】
また、本発明に係るRFIDプラットフォーム装置システムにおいて、上記ロガー装置は、上記RFタグのタグIDを上記マスタプラットフォーム装置に送信することによって、上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせるものであり、上記マスタプラットフォーム装置は、上記RFタグのタグIDを上記複数のプラットフォーム装置の各々に送信することによって、上記複数のプラットフォーム装置の各々に問い合わせるものであり、上記複数のプラットフォーム装置の各々は、自身の管理するRFタグのタグIDを格納したデータベースを有しており、上記マスタプラットフォーム装置から送信された上記RFタグのタグIDが当該データベースに格納されているか否かを判定し、上記RFタグのタグIDが上記データベースに格納されていると判定した場合、自身のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に送信することによって、上記マスタプラットフォーム装置に回答し、上記マスタプラットフォーム装置は、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に送信することによって、上記ロガー装置に回答する、ことが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、ロガー装置からマスタプラットフォーム装置に送信される問い合わせ、及びマスタプラットフォーム装置から各プラットフォーム装置に送信される問い合わせには、ロガー装置が検出したRFタグのタグIDが含まれている。そして、プラットフォーム装置は、データベースに格納された自身の管理するRFタグのタグIDに、マスタプラットフォーム装置からの問い合わせに含まれる上記RFタグのタグIDが含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合にプラットフォーム装置は自身のアドレスをマスタプラットフォーム装置に送信する。さらに、マスタプラットフォーム装置は、プラットフォーム装置から送信されたアドレスをロガー装置に送信することによって、ロガー装置に回答する。
【0015】
また、本発明に係るRFIDプラットフォーム装置システムにおいて、上記ロガー装置は、RFタグのタグIDと、該RFタグから読み出したタグデータを送信した送信先アドレスとを関連付けて記憶するキャッシュを備えており、新たなRFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合に、該新たなRFタグから読み出したタグデータを送信する送信先アドレスを、上記キャッシュにおいて該新たなRFタグのタグIDに関連付けられた送信先アドレスに設定する、ことが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合であっても、そのRFタグのタグデータの送信が2度目以降であれば、マスタプラットフォーム装置への問い合わせを行わずに、キャッシュから送信先アドレスを読み出すことができる。このため、システムのパフォーマンスを更に向上させることができる。
【0017】
また、上記RFIDプラットフォームシステムを複数含み、更に、各RFIDプラットフォームシステムに含まれるマスタプラットフォーム装置のアドレスを管理する上位マスタプラットフォーム装置を追加した構成も本発明の範疇に入る。
【0018】
上記の構成によれば、管理すべきRFタグの枚数が指数関数的に増加しても、より上位のマスタプラットフォーム装置を追加することにより、システムのパフォーマンスの低下を容易に回避することができる。
【0019】
また、上記RFIDプラットフォームシステムに含まれるロガー装置、プラットフォーム装置、及びマスタプラットフォーム装置も本発明の範疇に入る。
【0020】
すなわち、本発明のロガー装置は、RFタグ群を管理するプラットフォーム装置に対応するロガー装置であって、RFタグが上記RFタグ群に含まれない場合、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを、上記プラットフォーム装置を含む複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置に問い合わせる問合手段と、上記RFタグが上記RFタグ群に含まれる場合、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記プラットフォーム装置に送信し、上記RFタグが上記RFタグ群に含まれない場合、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記問い合わせに対して上記マスタプラットフォーム装置が回答したアドレス宛てに送信する送信手段と、を備えていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明のプラットフォーム装置は、RFタグ群を管理するプラットフォーム装置であって、当該プラットフォーム装置を含む複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置からの問い合わせであって、特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問う問い合わせに対して、上記特定のRFタグが上記RFタグ群に含まれている場合、上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置である旨を回答する回答手段を備えている、ことを特徴としている。
【0022】
また、異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置であって、上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置からの問い合わせであって、特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを問う問い合わせに応じて、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答する回答手段を備えている、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るRFIDプラットフォームシステムは、以上のように、異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置であって、RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれる場合、上記RFタグから読み出したタグデータを上記対応プラットフォーム装置に送信するロガー装置とを含み、上記ロガー装置は、上記RFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせ、上記マスタプラットフォーム装置は、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答し、上記ロガー装置は、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記マスタプラットフォーム装置から回答されたアドレス宛てに送信する。
【0024】
したがって、管理すべきRFタグの数が増加しても、著しいパフォーマンスの低下を生じることのないRFIDプラットフォームシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るRFIDプラットフォームシステムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】図1のRFIDプラットフォームシステムに含まれるロガーの要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1のRFIDプラットフォームシステムに含まれるプラットフォームの要部構成を示すブロック図である。
【図4】図1のRFIDプラットフォームシステムに含まれるマスタプラットフォームの要部構成を示すブロック図である。
【図5】図3に示すプラットフォームのデータベース(マスタデータベース)に含まれるタグ管理テーブルを示す図である。
【図6】図3に示すプラットフォームのデータベース(マスタデータベース)に含まれるタグリーダ管理テーブルを示す図である。
【図7】図3に示すプラットフォームのデータベース(マスタデータベース)に含まれる抽象データ管理テーブルを示す図である。
【図8】図4に示すマスタプラットフォームのインデックスデータ管理テーブルを示す図である。
【図9】図2に示すロガーのキャッシュデータ管理テーブルを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るRFIDプラットフォームシステムの全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔RFIDプラットフォームシステム〕
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態について、図1〜図9に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、以下の説明において、「RFタグ」とは、タグIDを記憶するICチップが埋め込まれた近距離無線通信可能なタグのことを指し、パッシブタグであるか、アクティブタグであるかは問わない。
【0027】
本実施形態に係るRFIDプラットフォームシステム1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るRFIDプラットフォームシステム1の全体構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、RFIDプラットフォームシステム1は、マスタプラットフォーム(マスタプラットフォーム装置)2(MPLAT)、プラットフォーム(プラットフォーム装置)3(PLAT1〜2)、及びロガー(ロガー装置)4(LOG1〜4)を備えている。
【0028】
本実施形態において、RFIDプラットフォームシステム1は、マスタプラットフォーム2であるMPLATの下位に、プラットフォーム3であるPLAT1及びPLAT2を備えている。また、PLAT1の下位には、ロガー4であるLOG1及びLOG2を備えており、PLAT2の下位には、ロガー4であるLOG3及びLOG4を備えている。このように、マスタプラットフォーム2、プラットフォーム3、及びロガー4は、階層構造を形成している。また、各ロガー4の下位には、それぞれ2つの子ロガー5が設けられている。子ロガー5は、それぞれに1対1で対応するRFタグリーダ6に接続されている。
【0029】
マスタプラットフォーム2の下位にある2つのプラットフォーム3は、異なるサーバ8上で動作している。そして、各プラットフォーム3の下位のロガー4及び子ロガー5は、そのプラットフォーム3と同一のサーバ8上で動作している。また、マスタプラットフォーム2は、これら2つのプラットフォーム2とは異なるサーバ(不図示)上で動作している。すなわち、RFIDプラットフォームシステム1は、PLAT1、LOG1、LOG2、LOG11、LOG12、LOG21及びLOG22として機能する第1のサーバ8と、PLAT2、LOG3、LOG4、LOG31、LOG32、LOG41及びLOG42として機能する第2のサーバ8と、MPLATとして機能する第3のサーバとにより実現されている。
【0030】
RFIDプラットフォームシステム1は、各RFタグ7の所在を管理するためのシステムである。ここで、RFタグ7がどのRFIDリーダ6の近傍に存在しているのかを管理するとは、各RFタグ7のタグIDと、そのRFタグ7を検出したRFタグリーダ6のリーダIDとの間に動的な関連付けを与えることを指す。
【0031】
そして、本実施形態に係るRFIDプラットフォームシステム1は、管理すべきRFタグ7の所在を2つのプラットフォーム3で分担して管理する点に特徴がある。すなわち、管理すべきRFタグ7を第1のRFタグ群と第2のRFタグ群とに分け、第1のRFタグ群の所在を第1のプラットフォーム3(PLAT1)で管理し、第2のRFタグ群の所在を第2のプラットフォーム3(PLAT2)で管理する。
【0032】
RDIDプラットフォームシステム1において、各RFタグ7の所在は、以下のように管理される。
【0033】
すなわち、RFタグリーダ6は、RFタグ7との間で近距離無線通信が可能になると、そのRFタグ7からタグIDを取得することによって、そのRFタグ7を検出する。そして、RFタグリーダ6は、RFタグ7を検出すると、そのRFタグ7から取得したタグデータを、子ロガー5を介して上位のロガー4に送信する。ここで、RFタグリーダ6から送信されるタグデータには、少なくとも検出されたRFタグ7のタグIDと、検出したRFタグリーダ6のリーダIDとが含まれる。
【0034】
ロガー4は、自身の上位にあるプラットフォーム3で管理すべき全てのRFタグ7のタグIDを記憶しており、受信したタグデータに含まれるタグIDが自身の上位にあるプラットフォーム3が管理すべきRFタグ7のものであるか否かを判定することができる。そして、受信したタグデータに含まれるタグIDが自身の上位にあるプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7のものである場合、ロガー4は、受信したタグデータを自身の上位にあるプラットフォーム3のデータベースに格納する。これは、従来のRFIDプラットフォームシステムと同様の処理である。一方で、受信したタグデータに含まれるタグIDが自身の上位にあるプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7のものでない場合、このタグデータがいずれのプラットフォーム3で管理されるべきタグデータであるのかは、ロガー4にとって差し当たり不明である。
【0035】
そこで、ロガー4は、受信したタグデータに含まれるタグIDが自身の上位にあるプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7のものでない場合、タグデータを格納すべきプラットフォーム3をマスタプラットフォーム2に問い合わせる。ここで、ロガー4が送信する問い合わせには、タグID(ロガー4が受信したタグデータに含まれるタグID)が含まれている。ロガー4からの問い合わせを受けたマスタプラットフォーム2は、インデックスデータを参照して、自身の下位に存在する全てのプラットフォーム3(問い合わせのあったロガー4を関するプラットフォーム3以外)に、当該問い合わせをブロードキャストする。ここで、マスタプラットフォーム2が送信する問い合わせにも、タグID(ロガー4が受信したタグデータに含まれるタグID)が含まれている。なお、ロガー4がマスタプラットフォーム3に送信する問い合わせ、及び、マスタプラットフォーム3が各プラットフォーム2に送信する問い合わせは、例えば、問い合わせ言語(データベース言語を含む)におけるクエリとして実現することができる。
【0036】
マスタプラットフォーム2からの問い合わせを受け付けた各プラットフォーム3は、当該問い合わせに含まれるタグIDと自身の管理すべきRFタグ7のタグIDとを比較し、一致する場合にはIPアドレスをマスタプラットフォーム2に送信することによって回答する。回答を受け付けたマスタプラットフォーム2は、プラットフォーム3から送信されたIPアドレスを、問い合わせのあったロガー4に送信することによって回答する。回答を受け付けたロガー4は、当該回答に基づいて、タグデータをプラットフォーム3に格納する。
【0037】
このように、RFIDプラットフォームシステム1は、複数のプラットフォーム3によって、複数のRFタグ7のタグデータを分担して管理し、それぞれのプラットフォーム3にRFタグ7のタグデータを格納するデータベースを設けている。このため、1つのサーバにアクセスが集中することがなく、パフォーマンスの低下を回避することができる。したがって、管理すべきRFタグ7及びRFタグリーダ6の台数が増加した場合でも、それに伴ってこれらを管理すべきプラットフォーム3の台数を増加させれば、1つのサーバにかかる負担を軽減することができる。
【0038】
また、各プラットフォーム3を管理するマスタプラットフォーム2は、配下のプラットフォーム3のインデックスデータのみを有しているので、配下のプラットフォーム3の数が増加した場合でも、そのIPアドレスをインデックスデータに追加するだけでよい。したがって、大容量のデータベースを特に用いる必要がなく、拡張性に優れている。
【0039】
なお、本実施形態において、RFIDプラットフォームシステム1は、プラットフォーム3と、その下位のロガー4とを同一サーバにおいて動作させているが、サーバのパフォーマンスをさらに向上させるために、これらを異なるサーバにおいて動作させてもよい。また、マスタプラットフォーム2は、プラットフォーム3及びロガー4とは異なるサーバ上で動作させてもよいし、いずれかのプラットフォーム3と同一サーバ上で動作させてもよい。すなわち、複数のプラットフォーム3をそれぞれ異なるサーバ上で動作させていれば、他のブロックの動作場所は特に限定されない。
【0040】
また、プラットフォーム3、ロガー4、及び子ロガー5の台数も特に限定されず、管理すべきRFタグリーダ6及びRFタグ7の台数に応じて適宜増加させてもよい。特に、プラットフォーム3にかかる負荷を分散させるために、1つのプラットフォーム3あたり複数のロガー4を動作させたり、他のプラットフォーム3よりも処理頻度が高いプラットフォーム3に対して、その下位のロガー4を他のプラットフォーム3の下位のロガー4よりも多数動作させたりする等、種々の運用形態にも対応できる。
【0041】
(ロガー4の構成)
ロガー4の要部構成について、図2を参照して説明する。図2は、ロガー4の要部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ロガー4は、マスタデータ取得部11、マスタデータメモリ12、キャッシュメモリ13、タグデータ受信部14、タグID判定部15、タグID問合部(問合手段)16、タグメモリ17、及びタグデータ送信部(送信手段)18を備えている。
【0042】
以下、ロガー4の各部について説明する。なお、本実施形態においては、PLAT1が管理するLOG1を、ロガー4の例として説明する。
【0043】
マスタデータ取得部11は、上位のプラットフォーム3(本実施形態においてはPLAT1)で管理されているRFタグ7のタグIDを取得するための手段である。マスタデータ取得部11は、取得したタグIDをマスタデータとしてマスタデータメモリ12に格納する。なお、マスタデータメモリ12に格納されているタグIDを、以下では「マスタタグID」と呼称する。
【0044】
タグデータ受信部14は、RFタグリーダ6(本実施形態においてはR1またはR2)がRFタグ7から取得したタグデータを受信するための手段である。タグデータ受信部14で受信するタグデータは、RFタグ7を検出したときにRFタグリーダ6から送信されるものであり、少なくとも、そのRFタグ7のタグIDと、そのRFタグリーダ6のリーダIDとを含んでいる。タグデータ受信部14は、受信したタグデータをタグメモリ17に格納すると共に、受信したタグデータに含まれるタグIDをタグID判定部15に提供する。なお、タグメモリ17には、自身を管理するプラットフォーム3のIPアドレス(PLATアドレス)が予め格納されている。
【0045】
タグID判定部15は、受信したタグデータが上位のプラットフォーム3(本実施形態においてはPLAT1)で管理すべきRFタグ7に関するものであるか否かを判定するための手段である。具体的には、(1)タグデータ受信部14から取得したタグIDをマスタデータメモリ12に格納されている各マスタタグIDと比較し、(2−1)一致するマスタタグIDが存在する場合、そのタグデータは上位のプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7に関するものであると判定し、(2−2)一致するマスタタグIDが存在しない場合、そのタグデータは上位のプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7に関するものでないと判定する。タグID判定部15は、この判定結果をタグデータ送信部18に提供する。また、そのタグデータが上位のプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7に関するものでないと判定した場合には、タグデータ受信部14から取得したタグIDをタグID問合部16に提供する。
【0046】
タグID問合部16は、受信したタグデータが上位のプラットフォーム3(本実施形態においてはPLAT1)で管理すべきRFタグ7に関するものでない場合に、そのタグデータを管理しているプラットフォーム3(本実施形態においてはPLAT2)のIPアドレスを、マスタプラットフォーム2に問い合わせるための手段である。具体的には、タグID判定部15から取得したタグIDをマスタプラットフォーム2に送信し、その応答として、受信したタグデータを管理すべきプラットフォーム3のIPアドレスをマスタプラットフォーム2から受信する。そして、タグID問合部16は、受信したIPアドレスをタグデータ送信部18に提供する。本実施形態においては、マスタプラットフォーム2から受信するのは、PLAT2のIPアドレスとなる。
【0047】
なお、本実施形態においては、タグID問合部におけるIPアドレスの問い合わせ処理を高速化するためにキャッシュを利用する構成を採用している。すなわち、タグIDを取得すると、タグID問合部16は、まず、キャッシュメモリ13からキャッシュデータ(キャッシュ情報)を読み出す。このキャッシュデータには、以前に検出されたRFタグ7に関するデータが含まれている。すなわち、キャッシュデータは、以前に検出されたRFタグ7のうち、PLAT1以外のプラットフォーム3が管理するRFタグ7のタグIDを、当該RFタグ7を管理するプラットフォーム3のIPアドレスと関連付けて格納している。本実施形態においては、キャッシュデータに含まれるのは、PLAT2が管理するRFタグ7のタグIDと、これを管理するPLAT2のIPアドレスとなる。
【0048】
タグID問合部16は、タグID判定部15から取得したタグIDを、キャッシュデータに含まれるタグIDと比較して、一致するタグIDが存在するか否かを判断する。キャッシュデータに一致するタグIDが存在する場合、マスタプラットフォーム2への問い合わせは行わずに、キャッシュデータに含まれる当該タグIDに関連付けられたIPアドレスをタグデータ送信部18に提供する。
【0049】
なお、マスタプラットフォーム2からプラットフォーム3のIPアドレスを受信したとき、検出したRFタグ7のタグIDを、マスタプラットフォーム2から受信したIPアドレスに関連付けて、キャッシュメモリに格納する。このように更新したキャッシュデータは、次に同一のRFタグ7を検出したときに利用される。また、一定期間利用されなかったキャッシュデータは削除されるようになっている。
【0050】
タグデータ送信部18は、タグデータ受信部14で受信したタグデータが上位のプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7に関するタグデータである場合、そのタグデータを上位のプラットフォーム3のIPアドレス(本実施形態においてはPLAT1のIPアドレス)宛に送信し、そうでない場合、そのタグデータをマスタプラットフォーム2から取得したIPアドレス(本実施形態においてはPLAT2のIPアドレス)宛に送信するたの手段である。
【0051】
具体的には、受信したタグデータが上位のプラットフォーム3で管理されているRFタグ7に関するものであるとの判定結果をタグID判定部15から取得した場合、タグデータ送信部18は、タグメモリ17からタグデータと、上位のプラットフォーム3のIPアドレスとを読み出す。そして、タグデータ送信部18は、タグメモリ17から読み出したタグデータを、タグメモリ17から読み出したIPアドレス宛に送信する。受信したタグデータが上位のプラットフォーム3で管理すべきRFタグ7に関するものでないとの判定結果をタグID判定部15から取得した場合、タグデータ送信部18は、タグメモリ17からタグデータを読み出し、タグID問合部16からIPアドレスを取得する。そして、タグデータ送信部18は、タグメモリ17から読み出したタグデータを、タグID問合部16から取得したIPアドレス宛に送信する。
【0052】
このようにロガー4は、RFタグリーダ6から、検出したRFタグ7のタグデータを受信したとき、自身を管理するプラットフォーム3のマスタデータ、又は以前に検出したタグデータに関するキャッシュデータに基づいて、検出したRFタグ7のタグデータを格納するプラットフォーム3を判定する。そして、マスタデータ又はキャッシュデータに、検出したRFタグ7のタグデータを格納するプラットフォーム3の情報が含まれていない場合、プラットフォーム3を管理するマスタプラットフォーム2に対して、当該RFタグ7のタグデータを格納するプラットフォーム3を問い合わせる。
【0053】
これにより、タグデータを格納するデータベースが複数のサーバに分散していても、タグデータを正確に格納することができる。また、マスタデータの参照、キャッシュデータの参照、及びマスタプラットフォーム2への問い合わせを組み合わせてタグデータの格納先を取得することによって、タグデータの格納処理時間を短縮することができる。
【0054】
(プラットフォーム3の構成)
プラットフォーム3の要部構成について、図3を参照して説明する。図3は、プラットフォーム3の要部構成を示すブロック図である。図3に示すように、プラットフォーム3は、タグデータ受信部21、抽象データベース22、マスタデータベース23、タグデータ問合判定部(回答手段)24、及びタグID問合部25を備えている。
【0055】
以下、プラットフォーム3によるタグデータの格納処理の概要について説明する。なお、本実施形態においては、PLAT1のタグデータ格納処理を、プラットフォーム3の処理例として説明する。
【0056】
タグデータ受信部21は、ロガー4から送信されたタグデータを受信し、抽象データベース22に格納する。抽象データベースには、子ロガー5を介してロガー4にタグデータを送信するRFタグリーダ6に固有の識別情報(リーダID)と、当該RFタグリーダ6により検出されたRFタグ7のタグIDとに関連付けて、RFタグ7の検出履歴を表すタグデータが格納される。
【0057】
マスタデータベース23は、PLAT1が管理すべきRFタグ7に関する情報を含むマスタデータを、LOG1のマスタデータ取得部11に送信する。また、マスタデータベース23は、タグデータ問合判定部24に、当該マスタデータに含まれるマスタIDを送信する。マスタデータベース23には、後述するタグ管理テーブル及びタグリーダ管理テーブルが格納されている。
【0058】
タグID問合部25は、マスタプラットフォーム2から、検出したRFタグ7のタグIDをマスタデータに含むか否かの問い合わせを受け付け、受信したタグIDをタグデータ問合判定部24に送信する。タグIDを受信したタグデータ問合判定部24は、マスタデータベース23からマスタIDを取得して、マスタIDにタグIDが含まれるか否かを判定し、判定結果をタグID問合部25に送信する。タグID問合部25は、受信した判定結果をマスタプラットフォーム2に送信する。
【0059】
このように、プラットフォーム3は、自身が管理するRFタグ7が検出された場合のみタグデータの格納処理を行い、他のRFタグ7が検出された場合には、タグデータの格納処理を行う必要がない。したがって、1つのプラットフォーム3にアクセスが集中することがなく、パフォーマンスの低下を回避することができる。
【0060】
(マスタプラットフォーム2の構成)
マスタプラットフォーム2の要部構成について、図4を参照して説明する。図4は、マスタプラットフォーム2の要部構成を示すブロック図である。図4に示すように、マスタプラットフォーム2は、タグID問合部(回答手段)31、PLATアドレスデータベース32、及びPLAT問合部33を備えている。
【0061】
以下、プラットフォーム3からの問い合わせに対する、マスタプラットフォーム2における応答処理の概要について説明する。なお、本実施形態においては、LOG1からの問い合わせに対する応答処理を、マスタプラットフォーム2の処理例として説明する。
【0062】
タグID問合部31は、LOG1から、検出したRFタグ7のタグデータを格納するプラットフォーム3の問い合わせを受け付けると、当該問い合わせに含まれる、RFタグ7のタグIDをPLAT問合部33に提供する。タグIDを取得したPLAT問合部33は、PLATアドレスデータベース32から、マスタプラットフォーム2が管理する全てのプラットフォーム3のIPアドレスを取得する。PLATアドレスデータベース32には、マスタプラットフォーム2が管理する全てのプラットフォーム3のIPアドレスを含むインデックスデータテーブルが格納されている。
【0063】
PLAT問合部33は、PLATアドレスデータベース32から取得した全てのIPアドレス宛に、LOG1からの問い合わせに含まれるタグIDを送信し、当該タグIDをマスタデータに含むか否かを問い合わせる。ただし、問い合わせのあったLOG1を管理するPLAT1には、この問い合わせをする必要はない。問い合わせを受けた各プラットフォーム3は、マスタプラットフォーム2から受信したタグIDが、自装置で管理するRFタグ7のタグIDであれば(受信したタグIDがマスタデータに含まれるタグIDであれば)、自装置のIPアドレスをマスタプラットフォーム2に回答する。そして、PLAT問合部33は、問い合わせの対象になっているRFタグ7を管理するプラットフォーム3からの回答を受信すると、当該プラットフォーム3のIPアドレスをPLATアドレスとして、タグID問合部31に提供する。タグID問合部31は、取得したPLATアドレスをLOG1に送信する。
【0064】
このように、マスタプラットフォーム2は、ロガー4からの問い合わせをロガー4からの問い合わせを配下のプラットフォーム3に転送するのみで、自身でタグデータの格納処理や格納先の検索処理を行わない。すなわち、自身が管理するプラットフォーム3のIPアドレスのみをインデックスデータとして管理し、他のマスタデータは有していない。したがって、配下のプラットフォーム3、ロガー4及びRFタグリーダ6の台数が増加したとしても、プラットフォーム3のIPアドレスを追加するだけでよく、大容量のデータベースは必要なく、拡張性に優れている。
【0065】
(マスタデータベース23内のテーブル例)
プラットフォーム3が備えたマスタデータベース23には、プラットフォーム3自身が管理するRFタグ7及びRFタグリーダ6のマスタデータが格納されている。すなわち、自身の抽象データベース22にタグデータを格納するRFタグ7、及びこれを検出するRFタグリーダ6に関するマスタデータが格納されている。このマスタデータは、ロガー4のマスタデータ取得部11又はプラットフォーム3のタグデータ問合判定部24によって引き出されて、タグデータの管理に利用される。
【0066】
マスタデータベース23内に格納されるテーブルの例を、図5及び6に示す。図5は、タグ管理テーブルを示す図であり、図6は、タグリーダ管理テーブルを示す図である。なお、マスタデータベース23内には、これらのテーブルに限らず、RFIDプラットフォームシステム1内の各ブロックが所定の処理を実行する際に必要とする各種テーブルを格納しておくことができる。
【0067】
(タグ管理テーブル)
図5に示すタグ管理テーブルは、RFタグ7に固有の識別情報(タグID)と、当該RFタグ7を所持するユーザの氏名情報とを関連付けて格納している。タグIDは、RFタグ7ごとに一意に割り当てられた識別情報(本実施形態では整数)である。すなわち各ユーザは一意のタグIDが割り当てられたRFタグ7を所持する。
【0068】
したがって、ロガー4は、RFタグリーダ6から送信された無線信号に含まれるタグIDの値を用いて、タグ管理テーブルから取得したマスタデータを参照すれば、RFタグリーダ6が検出したRFタグ7のタグデータを、自身を管理するプラットフォーム3に格納するか否かを判定することができる。
【0069】
(タグリーダ管理テーブル)
図6に示すタグリーダ管理テーブルは、RFタグリーダ6に固有の識別情報(リーダID)と、当該RFタグリーダ6の設置場所を示す情報とを関連付けて格納している。このリーダIDは、RFタグリーダ6ごとに一意に割り当てられた識別情報(本実施形態では整数)である。また、RFタグリーダ6は、RFタグ7の検出結果を含む信号をロガー4に送信する際、自身に割り当てられた一意のリーダIDを当該信号に含めている。
【0070】
すなわち、RFタグリーダ6が出力する信号において、検出されたRFタグ7のタグIDと、当該RFタグリーダ6のリーダIDとが互いに関連付けられている。そして、ロガー4は、RFタグリーダ6が検出したRFタグ7の検出結果を、検出したRFタグリーダ6のリーダIDと関連付けて、プラットフォーム3に格納する。
【0071】
(抽象データベース22内のテーブル例)
プラットフォーム3が備えた抽象データベース22には、RFタグリーダ6によるRFタグ7の検出情報又は非検出情報を表す履歴データ(抽象データ)が格納される。抽象データはタグデータとして、ロガー4のタグデータ送信部18からプラットフォーム3のタグデータ受信部21に送信され、タグデータ受信部21により抽象データベース22に格納される。
【0072】
抽象データベース22に格納される抽象データ管理テーブルの例を、図7に示す。図7は、抽象データ管理テーブルを示す図である。なお、抽象データベース22内には、このテーブルに限らず、RFIDプラットフォームシステム1内の各ブロックが所定の処理を実行する際に必要とする各種テーブルを格納しておくことができる。
【0073】
図7に示す抽象データ管理テーブルは、RFタグ7のタグIDと、そのRFタグ7を検出したRFタグリーダ6のリーダIDと、そのRFタグ7の検出開始時間と、そのRFタグ7の検出終了時間と、そのRFタグ7の検出状態を示す情報とを、互いに関連付けて格納している。
【0074】
各RFタグリーダ6は、一定の時間が経過するたびに、RFタグ7の検出結果を含む信号を、子ロガー5を介してRFIDプラットフォームシステム1に送信する。子ロガー5において受信された信号は、当該子ロガー5を管理するロガー4に送られる。ロガー4は、受信した信号を解析することによって、ある時刻において、RFタグ7がRFタグリーダ6によって検出されたか否かを示すレコード情報を生成し、プラットフォーム3に保存する。したがって、プラットフォーム3には、一定の時間が経過するたびに、プラットフォーム3において管理されている全RFタグ7を対象に、ある時刻において、RFタグ7が検出されたか否かを示すデータが格納されていく。
【0075】
なお、本実施形態では、RFタグリーダ6が自ら時間をカウントし、規定の時間が経過した時点で、RFタグ7の検出処理を開始する。そして、検出処理の終了後、RFタグ7の検出結果を含む無線信号を、子ロガー5を介してロガー4に送信する。一方、ロガー4は、RFタグリーダ6から送られてくる信号を受動的に処理することによって、上記規定の時間が経過するたびにタグデータを蓄積させていく。
【0076】
逆に、ロガー4のタグデータ受信部14が能動的に自ら時間をカウントし、規定の時間が経過した時点で、各RFタグリーダ6に、RFタグ7の検出を指示する信号を送信してもよい。この場合、各RFタグリーダ6は当該指示信号を受信したら直ちにRFタグ7の検出処理を開始する。
【0077】
(抽象データ管理テーブルへのデータ蓄積)
ロガー4は、検出したRFタグ7の検出履歴を表すタグデータを解析することによって、プラットフォーム3にRFタグ7の検出履歴を格納していく。具体的には、プラットフォーム3の抽象データベース22内の抽象データ管理テーブルにおいて、RFタグ7が非検出状態になっているときに、当該RFタグ7が検出されれば、当該RFタグ7の検出履歴を示すレコードを1つ生成し、抽象データ管理テーブルに蓄積する。
【0078】
本実施形態では、ロガー4は、検出履歴の蓄積処理を、新たなタグデータを検出するたびに行う。なお、一定数のタグデータを検出した時点において、検出履歴の格納処理をまとめて行うことも可能である。
【0079】
図7を例に、抽象データ管理テーブルにレコードが蓄積されていく流れを説明する。まず初期状態では抽象データ管理テーブルに何のレコードも格納されていないので、いずれのRFタグ7の検出状態も「非検出」である。ここで、ロガー4が、時刻「11:11:10」において、「0001」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から、「0001」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出したことを示す生データを受信したとする。
【0080】
このときロガー4は、当該生データを処理することによって、当該RFタグ7が非検出状態から検出状態に変化したと判定する。この結果、第1行目のレコードを抽象データ管理テーブルに生成する。具体的には、検出されたRFタグ7のタグID、当該RFタグ7を検出したRFタグリーダ6のリーダID、当該RFタグ7が検出された時間(タグ検出開始時間)、および検出状態を示す情報(ここでは「検出」)を互いに関連付けたレコードを生成する。なお、RFタグ7の検出はまだ終わっていないので、タグ検出終了時間は空白(データなし)である。
【0081】
これ以降、ロガー4は、「0001」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出していることを示す信号を、「0001」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から定期的に受信している。すなわち、RFタグ7の検出は終了せずに継続している。したがって、抽象データ管理テーブルの1行目のレコードはそのままの状態で変化させない。
【0082】
ここで、ロガー4が、時刻「01:01:00」において、「0002」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から、「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出したことを示す生データを受信したとする。ロガー4は、当該生データを処理することによって、当該RFタグ7が非検出状態から検出状態に変化したと判定する。その結果、第2行目のレコードを抽象データ管理テーブルに生成する。このとき、検出されたRFタグ7のタグID、当該RFタグ7を検出したRFタグリーダ6のリーダID、当該RFタグ7が検出された時間(タグ検出開始時間)、および検出状態を示す情報(ここでは「検出」)を互いに関連付けたレコードを生成する。なお、RFタグ7の検出はまだ終わっていないので、タグ検出終了時間は空白(データなし)である。
【0083】
なお、ロガー4は、「0001」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出していることを示す信号を、「0001」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から、依然として定期的に受信している。すなわち、当該RFタグ7の検出は終了せずに継続している。したがって、抽出データ管理テーブルの1行目のレコードは依然としてそのままの状態で変化させない。
【0084】
次に、ロガー4が、時刻「01:01:01」において、「0002」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から、「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出したことを示す信号を受信しなかったとする。このときロガー4は、当該RFタグ7が当該時刻において検出されなかったことを示す生データを抽象データ管理テーブルに格納する。ロガー4は、当該生データを処理することによって、当該RFタグ7の検出が終了したと判定し、第2行のレコードにおいて、タグ検出終了時間の欄に、時刻「01:01:01」を書き込み、さらに、同レコードの検出状態欄を「検出」から「非検出」に変更する。これらの処理によって、当該RFタグ7の検出履歴を示すデータ(レコード)が閉じられる。すなわち、当該第2行目のレコードは抽象データ管理テーブル内に履歴として残り、これ以上、その内容が変化することはない。
【0085】
次に、ロガー4が、時刻「01:01:10」において、「0002」のリーダIDが割り当てられたRFタグリーダ6から、「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7を検出したことを示す生データを受信したとする。このときロガー4は、当該生データを処理することによって、検出されたRFタグ7のタグIDを特定する。そして、抽出データ管理テーブルに記録されたレコードのうち、特定した「0002」のタグIDが記憶されている最新のレコードを検索する。そして、検索したレコードにおける検出状態欄の値を取得する。
【0086】
図7の例では、このときロガー4は第2行目のレコードを検出し、検出状態欄の値として「非検出」を取得する。したがって、ロガー4は、「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7が、新たに非検出状態から検出状態に変化したと判定する。これにより、抽出データ管理テーブルに新たなレコードとして第3行目のレコードを生成する。具体的には、検出されたRFタグ7のタグID、当該RFタグ7を検出したRFタグリーダ6のリーダID、当該RFタグ7が検出された時間(タグ検出開始時間)、および検出状態を示す情報(ここでは「検出」)を互いに関連付けたレコードを生成する。なお、RFタグ7の検出はまだ終わっていないので、タグ検出終了時間は空白(データなし)である。
【0087】
上記の手順を繰り返すことによって、ロガー4は、抽象データ管理テーブルにレコードを蓄積させていく。図7の例では、第3行までのレコードが蓄積されており、各レコードはいずれかのRFタグ7の検出履歴を示している。すなわち、図7の例では、「0001」のタグIDが割り当てられたRFタグ7、および「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7は、タグの検出が開始されてから、現時点(ロガー4がタグ抽象データ管理テーブルを参照する最新の時点)に至るまで、ずっと検出され続けている。なお、「0002」のタグIDが割り当てられたRFタグ7は、以前に一度、検出が完了しているので、その履歴が抽象データ管理テーブルに残っている(第2行のレコード)。
【0088】
(PLATアドレスデータベース32内のテーブル例)
マスタプラットフォーム2のPLATアドレスデータベース32には、マスタプラットフォーム2が管理する全てのプラットフォーム3のIPアドレスを含むインデックスデータが格納されている。このインデックスデータは、PLAT問合部33によって引き出されて、検出したRFタグ7を管理するプラットフォーム3の問い合わせに利用される。
【0089】
PLATアドレスデータベース32内に格納されるインデックスデータ管理テーブルの例を、図8に示す。図8は、インデックスデータ管理テーブルを示す図である。なお、PLATアドレスデータベース32内には、これらのテーブルに限らず、RFIDプラットフォームシステム1内の各ブロックが所定の処理を実行する際に必要とする各種テーブルを格納しておくことができる。
【0090】
図8に示すインデックスデータ管理テーブルは、マスタプラットフォーム2が管理する全てのプラットフォーム3のIPアドレスを格納している。したがって、マスタプラットフォーム2は、ロガー4から問い合わせを受け付けたとき、当該インデックスデータ管理テーブルにIPアドレスが含まれる全てのプラットフォーム3に対して、RFタグリーダ6が検出したRFタグ7のタグIDの値を送信して、当該タグIDをマスタデータに含むプラットフォーム3を問い合わせることができる。
【0091】
(キャッシュメモリ13内のテーブル例)
ロガー4のキャッシュメモリ13には、ロガー4がRFタグリーダ6から最近受信した、RFタグ7を管理するプラットフォーム3に関する情報が格納されている。すなわち、キャッシュメモリ13は、最近検出されたRFタグ7の検出データを格納するプラットフォーム3のIPアドレスを、当該RFタグ7のタグIDと関連付けてキャッシュデータとして格納している。このキャッシュデータは、タグID問合部16において利用される。
【0092】
キャッシュメモリ13内に格納されるキャッシュデータテーブルの例を、図9に示す。図9は、キャッシュデータテーブルを示す図である。図9に示すキャッシュデータテーブルは、ロガー4の配下のRFタグリーダ6において、最近検出したRFタグ7のタグIDと、当該RFタグ7の検出データを蓄積したプラットフォーム3のIPアドレスとを関連付けて格納している。
【0093】
ロガー4のタグID問合部16は、マスタプラットフォーム2からRFタグ7のタグデータを格納するプラットフォーム3のIPアドレスを取得すると、キャッシュデータテーブルを更新し、RFタグ7のタグIDと当該RFタグ7を管理するプラットフォーム3のIPアドレスとを関連付けた新たなキャッシュデータを追加する。追加されたデータは、次に同一のRFタグ7を検出したときに利用される。また、一定期間利用されなかったキャッシュデータは削除される。
【0094】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態について、図10に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態に係るRFIDプラットフォームシステム100について、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係るRFIDプラットフォームシステム100の全体構成を示す図である。図10に示すように、RFIDプラットフォームシステム100は、2つのマスタプラットフォーム102を備え、これらのマスタプラットフォーム102のさらに上位に、マスタプラットフォーム102を管理する上位マスタプラットフォーム101を備えている点において、実施形態1のRFIDプラットフォームシステム1と異なっている。本実施形態においては、実施形態1と異なる点について説明し、他の詳細については省略する。
【0095】
本実施形態において、RFIDプラットフォームシステム100は、上位マスタプラットフォーム(MPLAT1)101の下位に、2つのマスタプラットフォーム(MPLAT11及びMPLAT12)102を備えている。そして、MPLAT11の下位には、2つのプラットフォーム(PLAT1及びPLAT2)103を備えており、MPLAT12の下位にはプラットフォーム(PLAT3)103を備えている。PLAT1の下位構造は、実施形態1のRFIDプラットフォームシステム1と同様である。
【0096】
PLAT2は、その下位に2つのロガー(LOG3及びLOG4)104を備えており、LOG3は2つの子ロガー(LOG31及びLOG32)105を、LOG4は1つの子ロガー(LOG41)105を、それぞれの下位に備えている。PLAT3は、その下位に3つのロガー(LOG5、LOG6及びLOG7)104を備えている。LOG5は2つの子ロガー(LOG51及びLOG52)105を、LOG6は1つの子ロガー(LOG61)105を、LOG7は1つの子ロガー(LOG71)105を、それぞれの下位に備えている。
【0097】
各子ロガー105は、それぞれに1対1で対応するRFタグリーダ106に接続されている。マスタプラットフォーム102の下位にある3つのプラットフォーム103はそれぞれ、異なるサーバ108上で動作している。そして、各プラットフォーム103の下位のロガー104及び子ロガー105は、自身を管理するプラットフォーム103と同一のサーバ108上で動作している。また、2つのマスタプラットフォーム102は、その下位にある何れか1つのプラットフォーム103と同一のサーバ108、又は、これらのサーバ108とは異なるサーバ上で動作している。
【0098】
上位マスタプラットフォーム101は、自身が管理する全てのマスタプラットフォーム102のIPアドレスを、マスタプラットフォーム102を識別するインデックスデータ(マスタプラットフォーム識別情報)として有している。ロガー104から、RFタグ107のタグデータを格納するプラットフォーム103の問い合わせを受け付けたマスタプラットフォーム102は、自身が管理する全てのプラットフォーム3のマスタデータに当該RFタグ107のタグIDが見つからなかった場合、上位マスタプラットフォーム101に、当該RFタグ107のタグデータを格納するプラットフォーム103を問い合わせる。
【0099】
問い合わせを受け付けた上位マスタプラットフォーム101は、インデックスデータを参照して、問い合わせのあったマスタプラットフォーム102以外の全てのマスタプラットフォーム102に、当該RFタグ107の検出データを格納するプラットフォーム103を問い合わせる。問い合わせを受け付けたマスタプラットフォーム102は、自身が管理するプラットフォーム103に、当該RFタグ107のタグIDをマスタデータに含むか否かを問い合わせる。このような問い合わせを繰り返すことによって、検出したRFタグ107のタグデータの格納先を取得することができる。
【0100】
このように、RFIDプラットフォームシステム100は、マスタプラットフォーム102の台数を増加させ、これらのマスタプラットフォーム102の上位に、これらを管理する上位マスタプラットフォーム101を備えているので、管理するRFタグリーダ106及びRFタグ107の台数がさらに増加しても、1つのマスタプラットフォーム102に処理を集中させることがなく、パフォーマンスの低下を回避することができる。また、管理するRFタグリーダ106及びRFタグ107の台数がさらに増加しても、これらを管理するプラットフォーム103を増加させ、さらにマスタプラットフォーム102や上位マスタプラットフォーム101を増加させて階層を増やすことによって、対応することができる。
【0101】
〔プログラム及び記録媒体〕
RFIDプラットフォームシステム1に含まれている各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0102】
すなわち、RFIDプラットフォームシステム1を構成する各機器は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0103】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアであるRFIDプラットフォームシステム1のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。RFIDプラットフォームシステム1に、この記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしてのRFIDプラットフォームシステム1(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0104】
プログラムコードをRFIDプラットフォームシステム1を構成する各機器に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0105】
また、RFIDプラットフォームシステム1を構成する各機器を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してRFIDプラットフォームシステム1を構成する各機器に供給する。この通信ネットワークはRFIDプラットフォームシステム1を構成する各機器にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0106】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0107】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、RFIDシステムとして、幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 RFIDプラットフォームシステム
2 マスタプラットフォーム
3 プラットフォーム
4 ロガー
5 子ロガー
6 RFタグリーダ
7 RFタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置と、
上記複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置と、
上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置であって、RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれる場合、上記RFタグから読み出したタグデータを上記対応プラットフォーム装置に送信するロガー装置とを含み、
上記ロガー装置は、上記RFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせ、
上記マスタプラットフォーム装置は、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答し、
上記ロガー装置は、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記マスタプラットフォーム装置から回答されたアドレス宛てに送信する、ことを特徴とするRFIDプラットフォーム装置システム。
【請求項2】
上記ロガー装置は、上記RFタグのタグIDを上記マスタプラットフォーム装置に送信することによって、上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせるものであり、
上記マスタプラットフォーム装置は、上記RFタグのタグIDを上記複数のプラットフォーム装置の各々に送信することによって、上記複数のプラットフォーム装置の各々に問い合わせるものであり、
上記複数のプラットフォーム装置の各々は、自身の管理するRFタグのタグIDを格納したデータベースを有しており、上記マスタプラットフォーム装置から送信された上記RFタグのタグIDが当該データベースに格納されているか否かを判定し、上記RFタグのタグIDが上記データベースに格納されていると判定した場合、自身のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に送信することによって、上記マスタプラットフォーム装置に回答し、
上記マスタプラットフォーム装置は、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に送信することによって、上記ロガー装置に回答する、
ことを特徴とする請求項1に記載のRFIDプラットフォーム装置システム。
【請求項3】
上記ロガー装置は、RFタグのタグIDと、該RFタグから読み出したタグデータを送信した送信先アドレスとを関連付けて記憶するキャッシュを備えており、新たなRFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合に、該新たなRFタグから読み出したタグデータを送信する送信先アドレスを、上記キャッシュにおいて該新たなRFタグのタグIDに関連付けられた送信先アドレスに設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のRFIDプラットフォーム装置システム。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか1項に記載のRFIDプラットフォーム装置システムを複数含み、更に、各RFIDプラットフォーム装置システムに含まれるマスタプラットフォーム装置のアドレスを管理する上位マスタプラットフォーム装置を含んでいる、
ことを特徴とするRFIDプラットフォーム装置システム。
【請求項5】
RFタグ群を管理するプラットフォーム装置に対応するロガー装置であって、
RFタグが上記RFタグ群に含まれない場合、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを、上記プラットフォーム装置を含む複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置に問い合わせる問合手段と、
上記RFタグが上記RFタグ群に含まれる場合、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記プラットフォーム装置に送信し、上記RFタグが上記RFタグ群に含まれない場合、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記問い合わせに対して上記マスタプラットフォーム装置が回答したアドレス宛てに送信する送信手段と、を備えている、
ことを特徴とするロガー装置。
【請求項6】
RFタグ群を管理するプラットフォーム装置であって、
当該プラットフォーム装置を含む複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置からの問い合わせであって、特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問う問い合わせに対して、上記特定のRFタグが上記RFタグ群に含まれている場合、上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置である旨を回答する回答手段を備えている、
ことを特徴とするプラットフォーム装置。
【請求項7】
異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置であって、
上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置からの問い合わせであって、特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを問う問い合わせに応じて、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記特定のRFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答する回答手段を備えている、ことを特徴とするマスタプラットフォーム装置。
【請求項8】
異なるRFタグ群を管理する複数のプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置のアドレスを管理するマスタプラットフォーム装置と、上記複数のプラットフォーム装置の何れかに対応するロガー装置とを用いてRFタグから読み出したタグデータを管理する管理方法であって、
上記RFタグが対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれる場合、上記ロガー装置が、上記RFタグから読み出したタグデータを上記対応プラットフォーム装置に送信するステップと、
上記RFタグが上記対応プラットフォーム装置で管理するRFタグ群に含まれない場合、上記ロガー装置が、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置のアドレスを上記マスタプラットフォーム装置に問い合わせるステップと、
上記マスタプラットフォーム装置が、上記複数のプラットフォーム装置の各々に上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であるかを問い合わせ、上記RFタグを管理するプラットフォーム装置であると回答したプラットフォーム装置のアドレスを上記ロガー装置に回答するステップと、
上記ロガー装置が、上記RFタグから読み出したタグデータを、上記問い合わせに対して上記マスタプラットフォーム装置から回答されたアドレス宛てに送信するステップと、を含むことを特徴とする管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−186656(P2011−186656A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49680(P2010−49680)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】