説明

RFID付き眼鏡の製造方法

【課題】書き込まれた情報が半永久的に認識でき、眼鏡とRFIDが一体であり、レンズの度数や所有者の情報等の確認ができること。
【解決手段】眼鏡に内蔵もしくは、一体として剥がれない様に取り付けたRFID5付きの眼鏡を生産するため、眼鏡の丁番3とテンプル4および、モダン7とテンプル4の接合される部分に、RFID5の外寸形状から、RFID5をしっかり保持するに足る凹空間を成形し、丁番3とテンプル4の金属による電磁干渉を減らすため、丁番3もしくはテンプル4側をRFID5の胴体部分が一部露出させる穴が開いたものとし、さらに丁番3のテンプル4接合部分は、RFID5をはさむように左右2ヶ所の接合部分6が設けられておりRFID5を丁番3もしくはテンプル4に設置し、この2つの接合部をネジ止めや、ロー付けや、溶接、レーザー、樹脂や接着剤等で張り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID付き眼鏡を製造するための、製造とRFID設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡のシリアル番号や品番は眼鏡本体に書かれたり刻印されている、そのため、時間が経過すると読めなくなってしまい修理などの品質管理に重大な支障をきたしていた。
【0003】
販売の場においては、RFIDを眼鏡とは取りはずしできる状態で個別に付けて、値札代わりに使う場合はあったが、販売時に取りはずすため、RFIDを使った商品管理が眼鏡と一体化していなかったため、弊害があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
眼鏡本体に刻印もしくは印刷により表記された情報は時間の経過とともにかすれたり汚れたりして、眼鏡に関する情報を認識できなくなる。
【0005】
価格確認や、盗難防止のために別途付けられたRFIDでは、販売の際に取り外すと情報の流れがそこで途切れてしまう。
【0006】
また、接着剤などで貼り付けただけでは、時間とともに剥がれてしまうだけでなく、見栄えも悪い。
【0007】
RFIDは、熱に弱くロー付けや、溶接等、あるいは樹脂で内包するような製造工程上で壊れてしまいやすい。
【0008】
また、チタンや鉄などの金属でRFIDを覆いかぶせた場合、RFIDが電波で情報をやり取りする際に金属との干渉により情報が送受信できないようになる。
【0009】
また、デザイン性の面からどこにでもRFIDを配置すると非常に見栄えが悪くなる。
【0010】
この発明の目的は、従来の眼鏡や、RFIDを別途後付けした眼鏡の不都合を解消し、どのような素材の眼鏡でもRFIDを一体として取りつける事が可能で、書き込まれた情報は時間の経過とともにかすれたり汚れたりせずしっかりと認識でき、しかも、小売店において商品の販売時における代金決済とともに取り分けられることなく、組み立て設置する際に、熱によりRFIDの機能を損傷することなく、チタンや鉄、マグネシュウムなどの金属でRFIDを覆いかぶせ固定した場合でも、RFIDが金属との干渉なしに電波で情報をやり取りでき、外観上も体裁の良いRFID付き眼鏡を提供するためのRFID付き眼鏡の製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の眼鏡の製造方法は、眼鏡の丁番とテンプルおよび、モダンとテンプルの接合される部分およびその付近に、RFIDの外寸形状から、RFIDをしっかり保持するに足る凹空間を成形する、丁番とテンプルの接合される部分においては、RFIDを設置するに当たり、丁番とテンプルで挟み込んで密閉するのではなく、丁番とテンプルの金属による電磁干渉を減らすため、丁番もしくはテンプル側にRFIDの胴体部分を一部露出させる穴が開いている、これによりRFIDの保持はRFIDの設置投影面積形状の外周形状で丁番とテンプルが接合されている部分から適度数mm内側に入った部分によって保持され接合面付近以外のRFIDの側胴面は金属により一部内包されていない状態となる、さらにRFIDを直接接合するのではなく、丁番のテンプル接合部分は、RFIDをはさむように左右2ヶ所の接合部分が設けられておりRFIDを丁番もしくはテンプルに設置し、この2つの接合部をネジ止め、ロー付けや、溶接、レーザー、樹脂や接着剤等で張り合わせRFIDを固定する、また、眼鏡のテンプルとモダンの接合される部分においては、テンプル側凹空間に、RFIDを設置した後、そのテンプルを半溶融状態のモダン中心部に差し込んでRFIDをモダンで内包させる、そして、前記丁番接合部および、後記モダン接合部の接合面に生じている接合面の熱がRFIDに伝達する数秒間の間に冷水または、冷却エアー等を接合面付近に接触させることにより、丁番とテンプル、もしくは、モダンとテンプルの接合面に生じている、接合面の熱を、RFIDに伝達する前に取り除くことを要旨としたものである。
【0012】
この発明によれば、書き込まれた情報はRFIDの内部にあるため、時間の経過とともにかすれたり汚れたりせず半永久的に認識できるため、販売などにより眼鏡の情報を保管していた会社が、眼鏡に付いたRFIDの情報を利用することにより、あるいは、データベースに照会し、また必要なら通信回線およびインターネットを経由し、データを蓄積したホストコンピュータ、もしくは、分散されたコンピュータ群などの情報端末などから情報を得る事により、有用な情報を簡単に得ることができる。
【0013】
しかも、眼鏡とRFIDは一体であるため、購入後に消費者が販売店に持って行けば、RFIDに保管してある情報をコンピュータもしくは、POSレジスター、携帯端末、などの情報処理機で処理し、データベースに照会し、また必要なら通信回線およびインターネットを経由し、データを蓄積したホストコンピュータ、もしくは、分散されたコンピュータ群などの情報端末などから情報を得る事により、レンズの度数や所有者の情報等の確認ができる。
【0014】
しかも、RFIDが眼鏡の中に一体として内包されるように丁番付近およびモダンで保持されているので、時間の経過によって剥がれ落ちることなく、使用で無理な力がかかっても取れることがない、見栄え的にも、外見からはその存在がほとんど目立たない。
【0015】
また、RFIDを直接ロー付けや、溶接等、接着剤により固定するのではなく、RFIDを保持している丁番もしくはテンプルの接合部分に対して、ネジ止めや、ロー付けや、溶接等、あるいは接着剤での固定を行い、もしくは、モダン部分でRFIDを固定する際はセルロース・プロピオネート樹脂などの低温で溶融する樹脂を使い半溶融のモダンの中心部にRFID付きのテンプルを差し込むため、接合面の熱が低くまた、生じてもRFIDを痛めないように、すぐに急冷するため、熱によってRFIDが劣化損傷することが無い。
【0016】
さらに、チタンや鉄、マグネシュウムなどの金属でRFIDの周囲を保持し囲んでも、RFIDが電波で情報をやり取りするための穴が、丁番およびテンプル側にあけてあり、RFIDは一部露出した状態になっており、金属との干渉なしに情報が送受信できる。
【0017】
さらに、テンプル上の丁番およびモダン付近に配置したことにより、人が眼鏡をかけた状態で、人から見て外側ではなく内側にRFID設置のための構造をもって来れるため、見た目もよく、デザイン上の制約がほとんどない。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたようにこの発明の、RFID付き眼鏡の製造方法は、書き込まれた情報が時間の経過とともにかすれたり汚れたりせず半永久的に認識でき、眼鏡とRFIDは一体であるため、情報をコンピュータもしくは、POSレジスター、携帯端末、などの情報処理機で処理し、データベースに照会し、また必要なら通信回線およびインターネットを経由し、データを蓄積したホストコンピュータ、もしくは、分散されたコンピュータ群などの情報端末などから情報を得る事により、レンズの度数や所有者の情報等の確認ができ、時間の経過によって剥がれ落ちることなく、使用で無理な力がかかっても取れることがない、また、製造中の熱によってRFIDが損傷することが無く、さらに、チタンや鉄、マグネシュウムなどの金属でRFIDの周囲を保持し囲んでも、金属との干渉なしに情報が送受信でき、見た目もよく、デザイン上の制約がほとんどない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明の実施例について説明する。図1はこの発明のRFID付き眼鏡の製造方法の1実施形態を示す斜視図で、眼鏡としては、老眼鏡、近視、遠視用眼鏡、サングラス、ファッション用眼鏡などで、プラスチック、金属、セラミック、または動植物から製造されたもの、石やガラス類などでできたものの場合で、図中1はリム、2は智、3は丁番、4はテンプル、5はRFID、6は接合面、7はモダンである。
【0020】
眼鏡の丁番3とテンプル4および、モダン7とテンプル4の接合される部分およびその付近に、RFID5の外寸形状から、RFID5をしっかり保持するに足る凹空間を成形する。
【0021】
RFID5を丁番3側とテンプル4側によって挟み込むように設置するが、この際、丁番3のテンプル4接合部分は、RFID5をはさむように左右2ヶ所の、のりしろ接合部分6が設けられており、この2つの接合部6を使い、ネジ止めしたり、ロー付けや、溶接、レーザー、樹脂や接着剤等で剥がれないように張り合わせる。
【0022】
また、眼鏡のモダン7とテンプル4が接合される部分およびその付近にRFID5を内蔵、もしくは配置するため、テンプル4に成形された凹空間にRFID5を設置した後、そのテンプル4を半溶融のモダン7中心部に差し込んでRFID5をモダン7で内包固定させる。
【0023】
接合面の熱は、熱がRFID5に伝達する数秒間の間に冷水または、冷却エアー等を接触させることにより取り除く。
【0024】
このRFID5の設置は、丁番3とテンプル4の間に設置する場合だけでなく、丁番3と智2の間にも同じように設置できるものとする。
【0025】
出来たRFID一体型の眼鏡は、運用上は、眼鏡のRFID部分をリーダライタ質問機に近づけ、情報を無線情報として送信する情報送信機能と情報を無線情報として受信記憶する情報受信記憶機能により、RFID内にある情報をリーダライタ質問機を経由して、コンピュータ等もしくは、POSレジスター、携帯端末、などの情報処理機で処理し、その眼鏡の修理や管理、維持に関わる情報、つまり鼻パッドの位置、レンズをはめ込むための溝仕様、レンズの色や度数、反射防止膜の種類、顧客の個々の情報、つまり氏名、年齢、住所、電話番号、被検眼の処方値、鼻の位置、顔サイズなどを表示し、あるいは、データベースに照会し適当な情報を表示させ、また必要なら通信回線およびインターネットを経由し、データを蓄積したコンピュータ等、もしくは、分散されたコンピュータ群などの情報端末などから情報を得る。
【0026】
本発明で使用するRFIDであるが、これはグラスタグで周波数帯125kHzが好適であり、その他、無線自動認識ICタグ、RFIDタグ、ICタグ、コンタクトレスIDカード、リモートIDカード、リモートIDタグ、非接触ICカード、電子タグなどと称されるものであり、中にはコイル、コンデンサー、水晶発信器などが組み合わされた情報記憶用の素子が入っており、リーダライタ質問器の指定された番地の情報を読み取る事が出来ると共に質問器から送信される情報を指定メモリー内の番地に書きこんで格納される様になっている。
【0027】
また、眼鏡の種類についても任意で老眼鏡、近視、遠視用眼鏡、サングラス、ファッション用眼鏡などで、素材もプラスチック、金属、セラミック、または動植物から製造されたもの、石やガラス類などでできたものとする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明のRFID付き眼鏡の製造方法の1実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1…リム
2…智
3…丁番
4…テンプル
5…RFID
6…接合面
7…モダン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡の丁番とテンプルおよび、モダンとテンプルの接合される部分およびその付近に、RFIDの外寸形状から、RFIDをしっかり保持するに足る凹空間を成形することを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法
【請求項2】
丁番もしくはテンプル側に電磁干渉を減らすために、RFIDの胴体部分を一部露出させる穴が開いていることを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法
【請求項3】
丁番のテンプル接合部分は、RFIDをはさむように左右2ヶ所の、のりしろ接合部分が設けられており、RFIDを直接接合せず、この2つの接合部分をネジ止めや、ロー付けや、溶接、レーザー、樹脂や接着剤等で接合することで、RFIDを保持することを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法
【請求項4】
請求項1のテンプル側凹空間にRFIDを設置し、そのテンプルを半溶融のモダン中心に差し込んで、RFIDをモダンで内包保護させることを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法
【請求項5】
請求項3、4の接合した際の熱がRFIDに伝達する前に、冷水または、冷却エアー等を接合面付近に接触させることにより、接合面の熱を取り除くことを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法
【請求項6】
前記請求項1、2、3,5記載の製造方法を丁番と智に対して施したことを特徴とするRFID付き眼鏡の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−102138(P2007−102138A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295885(P2005−295885)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(599109847)有限会社 内田プラスチック (4)
【Fターム(参考)】