説明

RFID通信装置及びプログラム

【課題】RFIDタグの読み取り速度及び通信範囲を小さくすること無く、消費電力を低減することである。
【解決手段】携帯端末10は、RFIDタグ30と電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行うRFIDリーダライタ部18と、RFIDリーダライタ部18によるRFIDタグ30のポーリング時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を大きく設定し、RFIDリーダライタ部18を介してRFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定するCPU11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID通信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動識別技術として、RFID(Radio Frequency IDentification)が知られている。具体的には、RFIDリーダライタが、電磁界又は電波を用いた近距離無線通信により、RFIDタグに記憶されている情報を読み取り又は情報の書き込みを行う技術である。
【0003】
RFIDタグとしては、通常、パッシブ型(パッシブタグ)が用いられている。パッシブタグは、電池を備えず、RFIDリーダライタからの電磁波又は電波を受信して電流を発生及び整流し、RFIDタグ自体が駆動する電力として用いる。このRFIDタグは、RFIDリーダライタへの応答時の駆動電力も、上記受信による電力によりまかなわれる構成が多くとられている。
【0004】
上記のような構成のため、RFIDタグは、RFIDリーダライタのアンテナとある程度近くなければ、RFIDタグが動作できるだけの駆動電力を発生できず、通信距離は近距離であることが多い。周波数帯やアンテナ形状にもよっても異なるが、PDA(Personal Digital Assistant)やハンディターミナル等の電池駆動の携帯端末では、通信距離が最大で20mm程度である。
【0005】
また、通信対象の非接触ICカード(RFIDタグ)が接近したときに、アンテナからの強い磁界による通信断を防ぐため、送信出力レベルを下げる無線通信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−54703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
RFIDは、倉庫の棚卸しのための備品に付されたRFIDタグや、小売店等の在庫管理のために商品に付されたRFIDタグの情報を読み取る用途だけでなく、RFIDタグを、RFリーダライタ機能を有する携帯端末の認証キーに用いる用途がある。このような認証の用途でポーリングを行う構成において、携帯端末のRFIDリーダライタ部は、ログイン待ちの間、常に通信範囲内でのRFIDタグがあるか否かの監視動作(RFIDタグの検出動作)を実行し続ける。ポーリングとは、RFIDタグに対して定期的に捜索(送信要求があるか)の問合せを行う処理である。RFIDタグから送信要求がある旨の応答があると通信を開始する。そのため、RFIDタグの検出動作中に、RFリーダライタ部から電磁界を定期的且つ継続的に出してポーリングをすることになり、電磁界出力による電力消費で携帯端末の動作時間が短くなっていた。
【0008】
上記従来の送信出力レベルを下げる無線通信装置では、送信出力レベルを下げる際に消費電力を低減することができるが、通信範囲(通信距離)も小さくなってしまう。また、ポーリングを行う構成において、消費電力を低減するためにポーリングの間隔を広くあける構成も考えられるが、RFIDタグの検出動作が遅くなり、携帯端末の使用感が悪化してしまう。
【0009】
本発明の課題は、RFIDタグの読み取り速度及び通信範囲を小さくすること無く、消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のRFID通信装置は、
RFIDタグと電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行う通信部と、
前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定し、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、RFIDタグの読み取り速度及び通信範囲を小さくすること無く、消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】RF出力回路の回路図である。
【図3】(a)は、ASK変調における変調後の電気信号の波形を示す図である。(b)は、ASK変調における変調前の電気信号の波形を示す図である。
【図4】(a)は、ASK変調における変調度が100%の場合の電気信号の波形を示す図である。(b)は、ASK変調における変調度が10%の場合の電気信号の波形を示す図である。
【図5】第1の変調度テーブルの構成を示す図である。
【図6】第1のポーリング処理を示すフローチャートである。
【図7】第2のポーリング処理を示すフローチャートである。
【図8】第3の変形例の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図9】(a)は、第2の変調度テーブルの構成を示す図である。(b)は、閾値テーブルの構成を示す図である。
【図10】第3の変調度テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態及び第1〜第4の変形例を順に詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態)
図1〜図6を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態の携帯端末10の構成を示す。図2に、RF出力回路18Aの構成を示す。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態のRFID通信装置としての携帯端末10は、読み取り対象物としてのRFIDタグ30の情報を読み取り管理するハンディターミナルである。RFIDタグ30は、使用するユーザが固定されているものとする。例えば、RFIDタグ30が、企業の各社員の社員証バッジにそれぞれ設けられているものとする。そして、RFIDタグ30は、所有するユーザ(社員)を識別するためのユーザIDを記憶しているものとする。携帯端末10は、RFIDタグ30を用いてユーザ認証を行うものとする。
【0016】
RFIDタグ30は、電磁誘導方式のRFIDタグであるものとする。RFIDタグ30は、コイルアンテナを含む通信部と、制御部と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)と、を備える。RFIDタグ30において、制御部は、通信部により電磁界を介して携帯端末10と無線通信を行い、受信した携帯端末10からの読み取り要求に応じてEEPROMに記憶されているデータを読み出して携帯端末10に送信する。また、RFIDタグ30の制御部は、携帯端末10から受信したデータをEEPROMに書き込み又は書き換える。
【0017】
RFIDタグ30のEEPROMには、RFIDタグ30の個体識別情報と、上記ユーザIDと、が記憶されているものとする。また、RFIDタグ30は、携帯端末10からの電磁界により電力を得るパッシブ型のRFIDタグとする。しかし、RFIDタグ30が、電源部を備え、この電源部の電力により電磁界を出力するアクティブ型のRFIDタグとしてもよい。
【0018】
携帯端末10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、ROM(Read Only Memory)15と、無線通信部16と、フラッシュメモリ17と、通信部としてのRFIDリーダライタ部18と、電源部19と、を備える。電源部19を除く携帯端末10の各部は、バス20を介して互いに接続されている。
【0019】
CPU11は、携帯端末10の各部を制御する。CPU11は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM15から読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0020】
CPU11は、第1のポーリングプログラム151に従い、RFIDリーダライタ部18によるRFIDタグ30のポーリング時に、RFIDリーダライタ部18のASK(Amplitude Shift Keying;振幅偏移変調)変調の変調度を大きく設定し、RFIDリーダライタ部18を介してRFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定する。
【0021】
操作部12は、文字入力キー等の各種キーからなるキー群を備え、ユーザからの各キーの押下入力に応じた操作情報をCPU11に出力する。操作部12は、少なくとも、RFIDリーダライタ部18による情報読み取りのトリガキーを含む。
【0022】
RAM13は、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを格納するワークエリアを有する。
【0023】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示パネルを備える表示部であり、CPU11から入力される表示情報に応じて表示パネルに各種表示を行う。
【0024】
ROM15は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用の半導体メモリである。ROM15には、第1のポーリングプログラム151が記憶されている。
【0025】
無線通信部16は、携帯電話通信方式の無線通信部である。無線通信部16は、アンテナ、変調部、復調部、信号処理部等を備え、基地局と無線通信を行う。無線通信部16は、送信する情報の信号を、信号処理部で信号処理し、変調部により変調してアンテナから無線電波として基地局に送信する。この基地局は、通信先の機器と通信ネットワークを介して接続されている。また、無線通信部16は、アンテナにより基地局から受信した無線電波の受信信号を復調部により復調し、信号処理部で信号処理して受信情報を得る。このようにして、無線通信部16は、基地局を介して、通信先の機器と通信を行う。また、無線通信部16は、無線LAN(Local Area Network)方式の無線通信部とし、アクセスポイントを介して、通信先の機器と通信を行うこととしてもよい。
【0026】
フラッシュメモリ17は、情報を読み出し及び書き込み可能に記憶する不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ17には、後述する変調度テーブル40が記憶されている。
【0027】
RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ30に記憶されている情報を読み取り及び書き込みする電磁誘導方式のRFIDリーダライタ部であるものとする。RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ30と電磁界を介してASK変調方式の通信を行う。RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ30と通信を行うための電磁界を出力するRF出力回路18A、復調部、信号処理部等を有する。RFIDリーダライタ部18は、CPU11から入力された送信データの電気信号を信号処理部により信号処理し、RF出力回路18AによりASK変調して電磁界として出力する。RFIDタグ30は、RFIDリーダライタ部18から出力された電磁界を介してデータを受信し、RFIDリーダライタ部18に送信するデータを電磁界を介して出力する。RFIDリーダライタ部18は、RFIDタグ30から出力された電磁界を介してRF出力回路18Aでデータを受信し、このデータの電気信号を復調部により復調して信号処理部により信号処理してデータを受信する。
【0028】
電源部19は、リチウム電池等の二次電池であり、携帯端末10の各部に電源供給を行う。なお、電源部19は、アルカリ電池等の一次電池でもよい。
【0029】
ここで、図2を参照して、RFIDリーダライタ部18のRF出力回路18Aを説明する。図2に、RF出力回路18Aの回路構成を示す。
【0030】
RF出力回路18Aは、スイッチング回路181と、出力アンプ182と、振幅調整用抵抗183と、変調部184と、アンテナ及びマッチング回路185と、を備える。変調部184は、タイミング回路1841と、抵抗値調整回路1842と、を有する。
【0031】
スイッチング回路181は、基本周波数の波形の電気信号を生成する発振部である。基本周波数は、例えば、RFIDの規格により定められた13.56[MHz]である。出力アンプ182は、スイッチング回路181から出力された電気信号を増幅する。振幅調整用抵抗183は、可変抵抗であり、出力アンプ182から出力された電気信号の抵抗である。
【0032】
変調部184は、CPU11から入力される送信データに応じて、振幅調整用抵抗183の抵抗値を調整することにより、出力アンプ182から出力された電気信号のASK変調を行う。タイミング回路1841は、CPU11から入力される送信データに応じて、変調時と無変調時とで抵抗値を変化させて、振幅調整用抵抗183の抵抗値を変化させるタイミングを制御する。抵抗値調整回路1842は、CPU11から入力される送信データに応じて、変調時と無変調時とで抵抗値を変化させて、振幅調整用抵抗183の抵抗値の乗数を制御する。
【0033】
アンテナ及びマッチング回路185は、コイルアンテナ及びマッチング回路を有する。但し、図2においては、アンテナ及びマッチング回路185を単純化して抵抗で示している。アンテナ及びマッチング回路185は、マッチング回路により、コイルアンテナとのインピーダンスマッチングをとるとともに、振幅調整用抵抗183から出力された電気信号をコイルアンテナから電磁界として出力する。アンテナ及びマッチング回路185の出力インピーダンスは、50[Ω]に設定されているものとする。
【0034】
出力アンプ182の出力段からみると、変調時には振幅を低くするために、無変調時に比べてRF出力回路18A全体の抵抗値が大きくなる。このため、変調時と無変調時を比べると、RF出力回路18Aに流れる電流が小さくなる。すなわち、変調時の変調度が大きいほど電流は少なく済む。後述するように、ISO(International Organization for Standardization)などで変調度は標準化され、振幅の割合は数値化されているが、RFIDタグ30の回路自体は、これを逸脱したとしても、実力性能によってある程度は通信できるようになっている。RFIDタグ30が動作するための電力を無変調時に十分に供給できるなら、変調度を大きくして出力を減らすことが可能である。
【0035】
次いで、図3及び図4を参照して、RFIDリーダライタ部18のRF出力回路18Aにおける変調を説明する。図3(a)に、ASK変調における変調後の電気信号の波形を示す。図3(b)に、ASK変調における変調前の電気信号の波形を示す。図4(a)に、ASK変調における変調度が100%の場合の電気信号の波形を示す。図4(b)に、ASK変調における変調度が10%の場合の電気信号の波形を示す。
【0036】
RFIDリーダライタ部18のRF出力回路18Aでは、ASK変調を行うものとする。RFIDの通信には、回路構成を単純にできるASK変調が広く使われている。ASK変調は、図3(b)に示すような0と1とのデジタル信号を、図3(a)に示すように、二種類の振幅の波形に置き換えて変調する方式である。
【0037】
ASK変調の変調度は、次式(1)で規定されている。但し、a:大きい方の振幅値、b:小さい方の振幅値、である。
変調度[%]=100*(a−b)/(a+b) …(1)
【0038】
変調度は、RFIDタグの通信規格によって異なるが、互換性を持つためにISOなどの標準化団体により数値で規定されている。次表1に、13.56[MHz]のRFID規格の変調度を示す。ただし、実際のRFIDタグは、この標準化された基準をある程度逸脱しても通信できるようにマージンを持たせた設計がなされている場合が多い。
【表1】

【0039】
図4(a)に示すように、13.56[MHz]のRFID規格において、ISO14443のTypeAは、変調度が100[%]の変調方式であり、変調時に電磁界をオフする方式をとっている。これに対し、図4(b)に示すように、ISO14443のTypeBやFelica(登録商標)は、変調度が10[%]の変調方式であり、振幅の変化は小さい。なお、これらの規格に準拠しないRFIDタグも多数存在する。
【0040】
本実施の形態では、RF出力回路18Aが、ASK変調の変調度を30[%]と10[%]との2種類で切り替えて設定するものとして説明するが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、図5を参照して、携帯端末10に記憶されている情報を説明する。図5に、変調度テーブル40の構成を示す。
【0042】
携帯端末10のフラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル40は、RFIDリーダライタ部18のRF出力回路18AのASK変調の変調度を切り替えるための情報を有するテーブルである。図5に示すように、変調度テーブル40は、Rmod41と、設定値42と、変調度43と、のフィールドを有する。
【0043】
Rmod41は、RF出力回路18Aの振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類である。本実施の形態では、Rmod41としてR1とR2との2種類が設定されるものとする。設定値42は、Rmod41に対応する振幅調整用抵抗183の設定抵抗値[Ω]である。変調度43は、Rmod41に対応するRF出力回路18AのASK変調の変調度[%]である。
【0044】
次に、図6を参照して、携帯端末10の動作を説明する。図6に、第1のポーリング処理を示す。
【0045】
携帯端末10で実行される第1のポーリング処理は、ユーザ認証時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を変更してRFIDタグ30のポーリングを行う処理である。ユーザは、自身が有するRFIDタグ30を含むバッジを、RFIDリーダライタ部18にかざす。
【0046】
携帯端末10において、例えば、ユーザにより操作部12のRFIDタグ読み取りのトリガボタンが押下入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第1のポーリングプログラム151との協働で、第1のポーリング処理を行う。また、第1のポーリング処理は、例えば、操作部12のトリガボタン押下中に実行され、押下がやめられると、中断するものとする。
【0047】
先ず、CPU11は、ポーリング回数の変数としてのカウント値Coを0に設定する(ステップS11)。そして、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル40を参照して、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを抵抗値R1(設定値42:50[Ω]、変調度43:30[%])として、変調部184に設定する(ステップS12)。
【0048】
そして、CPU11は、RFIDタグ30の捜索コマンドを発行し、捜索のための情報を応答要求としてRFIDリーダライタ部18から送信(電磁界を出力)する(ステップS13)。
【0049】
そして、CPU11は、RFIDリーダライタ部18により、RFIDタグ30から応答要求に対する応答があるか(応答情報が受信されたか)否かを判別する(ステップS14)。RFIDタグ30から応答がない場合(ステップS14;NO)、CPU11は、カウント値Coを1インクリメントする(ステップS15)。そして、CPU11は、カウント値Coが、予め設定された閾値Y以上であるか否かを判別する(ステップS16)。閾値Yは、ASK変調の変調度を下げてRFIDタグ30の捜索コマンドを再発行するタイミングを示すカウント値Coの閾値である。
【0050】
Co≧Yである場合(ステップS16;YES)、ステップS11に移行される。Co<Yである場合(ステップS16;NO)、CPU11は、カウント値Coが、予め設定された閾値X以上であるか否かを判別する(ステップS17)。閾値Xは、ASK変調の変調度を上げてRFIDタグ30の捜索コマンドを再発行するタイミングを示すカウント値Coの閾値である。また、X<Yであるものとする。
【0051】
Co≧Xである場合(ステップS16;YES)、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル40を参照して、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを抵抗値R2(設定値42:10[Ω]、変調度43:10[%])として、変調部184に設定し(ステップS18)、ステップS13に移行される。Co<Xである場合(ステップS16;NO)、ステップS13に移行される。
【0052】
RFIDタグ30から応答がある場合(ステップS14;YES)、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル40を参照して、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを抵抗値R2(設定値42:10[Ω]、変調度43:10[%])として、変調部184に設定し(ステップS19)、第1のポーリング処理を終了する。第1のポーリング処理後に、RFIDタグ30は、EEPROMに記憶されているユーザIDを読み出して携帯端末10に送信する。携帯端末10は、RFIDタグ30から受信したユーザIDを用いてユーザ認証を行う。
【0053】
以上、本実施の形態によれば、携帯端末10は、RFIDリーダライタ部18によるRFIDタグ30のポーリング時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を大きく設定し、RFIDリーダライタ部18を介してRFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定する。このため、通常のポーリング処理に比べて、ポーリングの間隔を空けることがないのでRFIDタグの読み取り速度を小さくする(変える)こと無く、且つASK変調の変調度を変更するのでRFIDタグ30との通信範囲を小さくする(変える)こと無く、RFIDタグ30の読み取りの消費電力を低減することができる。
【0054】
また、携帯端末10は、アンテナ及びマッチング回路185に電気信号を出力するRF出力回路18Aの振幅調整用抵抗183の抵抗値を変更することによりRFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を変更する。このため、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を容易に変更できる。
【0055】
また、携帯端末10は、RFIDリーダライタ部18によるRFIDタグ30のポーリング時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中のカウント値CoがX以上となる所定のタイミングでRFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定する。このため、RFIDタグ30の読み取りの消費電力を低減できるとともに、RFIDタグ30の読み取りを確実に行うことができる。特に、携帯端末10が電池の電源部19で駆動するので、消費電力の低減が有効である。
【0056】
(第1の変形例)
図7を参照して、上記実施の形態の第1の変形例を説明する。図7に、第2のポーリング処理を示す。
【0057】
本変形例では、上記実施の形態の携帯端末10を用いる。但し、ROM15には、第1のポーリングプログラム151に代えて、第2のポーリングプログラムが記憶されているものとする。
【0058】
図7を参照して、本変形例における携帯端末10の動作を説明する。携帯端末10において、例えば、ユーザにより操作部12のRFIDタグ読み取りのトリガボタンが押下入力されたことをトリガとして、CPU11は、ROM15から読み出されて適宜RAM13に展開された第2のポーリングプログラムとの協働で、第2のポーリング処理を行う。第2のポーリング処理は、第1のポーリング処理と同様に、ユーザ認証時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を変更してRFIDタグ30のポーリングを行う処理である。
【0059】
図7に示すように、ステップS21〜S28は、図6の第1のポーリング処理のステップS11〜S18と同様である。RFIDタグ30から応答がある場合(ステップS24;YES)、第2のポーリング処理が終了する。つまり、RFIDタグ30から応答情報を受信しても、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を変えることなくそのままにする。特に、携帯端末10は、変調度が大きく(30%)設定されていて、RFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、変調度が大きい状態でも通信ができていると判断して、そのままの変調度に設定する。
【0060】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を大きく設定していて、RFIDリーダライタ部18を介してRFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を変更しない。このため、上記実施の形態よりも、RFIDタグ30の読み取りの消費電力をさらに低減できる。
【0061】
(第2の変形例)
上記実施の形態では、ポーリング時に、時間経過(カウント値Coのカウントアップ)に応じて、RF出力回路18Aの振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodをR1→R2→R1→…と2段階に変化させる構成であった。しかし、上記実施の形態の第2の変形例として、カウント値Coが大きくなるに応じて、RF出力回路18Aの抵抗値の種類Rmodを3段階以上で細かく変化させる構成としてもよい。
【0062】
例えば、時間経過(カウント値Coのカウントアップ)に応じて、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodをR1→R2→R3→R4→R1→…(R1>R2>R3>R4)の4段階で変化させる構成としてもよい。
【0063】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、RFIDリーダライタ部18によるRFIDタグのポーリング時に、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中の所定の複数のタイミングでRFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を段階的に小さくして設定する。このため、RFIDタグ30からの応答情報をより適切な大きさの変調度で受信でき、RFIDタグ30の読み取りの消費電力をさらに低減できる。
【0064】
(第3の変形例)
図8及び図9を参照して、上記実施の形態の第3の変形例を説明する。図8に、本変形例の携帯端末10Aの構成を示す。図9(a)に、変調度テーブル50の構成を示す。図9(b)に、閾値テーブル60の構成を示す。
【0065】
本変形例では、上記実施の形態の携帯端末10に代えて、図8に示す携帯端末10Aを用いる。携帯端末10Aのうち、携帯端末10と同じ部分には、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
携帯端末10Aは、CPU11と、操作部12と、RAM13と、表示部14と、ROM15と、無線通信部16と、フラッシュメモリ17と、RFIDリーダライタ部18と、電源部19と、監視部19Aと、を備える。電源部19を除く携帯端末10Aの各部は、バス20を介して互いに接続されている。
【0067】
監視部19Aは、電源部19の電池残量を計測して監視し、電池残量の情報をCPU11に出力する。
【0068】
次に、図9を参照して、フラッシュメモリ17に記憶される情報を説明する。フラッシュメモリ17には、図9(a)に示す変調度テーブル50と、図9(b)に示す閾値テーブル60と、が記憶されている。
【0069】
変調度テーブル50は、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmod51と、設定値52と、変調度53と、電池残量54と、のフィールドを有する。Rmod51、設定値52、変調度53は、上記実施の形態の変調度テーブル40のRmod41、設定値42、変調度43と同様である。電池残量54は、Rmod51に対応する電源部19の電池残量(範囲)の情報である。
【0070】
但し、Rmod51、設定値52、変調度53は、電池残量54の異なる値(範囲)に応じて、異なる複数の抵抗値R1,R2に対応する情報を有するものとする。例えば、電池残量54が小さくなるほど、設定値52がより小さく(変調度53が大きく)設定される。
【0071】
閾値テーブル60は、電池残量61と、閾値としてのX62と、閾値としてのY63と、のフィールドを有する。電池残量61は、電源部19の電池残量(範囲)の情報である。X62は、電池残量61に対応するカウント値Coの閾値Xの値である。Y63は、電池残量61に対応するカウント値Coの閾値Yの値である。例えば、電池残量61が小さくなるほど、X62がより小さく設定される。
【0072】
次に、本変形例における携帯端末10Aの動作を説明する。携帯端末10において、上記実施の形態と同様に、第1のポーリング処理が実行される。但し、第1のポーリング処理の実行中に、監視部19Aは、繰り返し、電源部19の電池残量の情報を取得してCPU11に出力している。
【0073】
本変形例では、図6の第1のポーリング処理において、ステップS12で、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル50を参照し、監視部19Aから電池残量の情報を取得し、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを、取得した電池残量54に対応する抵抗値R1の設定値52にして、変調部184に設定する。
【0074】
ステップS16で、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている閾値テーブル60を参照し、監視部19Aから電池残量の情報を取得し、カウント値Coが、取得した電池残量61に対応する閾値Y63以上であるか否かを判別する。ステップS17で、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている閾値テーブル60を参照し、監視部19Aから電池残量の情報を取得し、カウント値Coが、取得した電池残量61に対応する閾値X62以上であるか否かを判別する。
【0075】
ステップS18,S19で、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル50を参照し、監視部19Aから電池残量の情報を取得し、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを、取得した電池残量54に対応する抵抗値R2の設定値52にして、変調部184に設定する。
【0076】
以上、本変形例によれば、携帯端末10Aは、監視部19Aから取得された電源部19の電池残量に応じて、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度と、ポーリング中のRFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定する所定のタイミングと、を変更する。このため、電池残量が小さいほど、ASK変調の変調度をより大きく設定できるとともに、ASK変調の変調度を小さく設定する所定のタイミングを早くでき、RFIDタグ30の読み取りの消費電力をさらに低減できる。なお、携帯端末10AのCPU11が、監視部19Aから取得された電源部19の電池残量に応じて、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度と、ポーリング中のRFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を小さく設定する所定のタイミングと、のいずれか一方を変更する構成としてもよい。
【0077】
(第4の変形例)
図10を参照して、上記実施の形態の第4の変形例を説明する。図10に、変調度テーブル70の構成を示す。
【0078】
本変形例では、上記実施の形態の携帯端末10を用いる。但し、フラッシュメモリ17には、図5に示す変調度テーブル40に代えて、図10に示す変調度テーブル70が記憶されているものとする。
【0079】
図10に示すように、変調度テーブル70は、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmod71と、設定値72と、変調度73と、タグ種類74と、のフィールドを有する。Rmod71、設定値72、変調度73は、上記実施の形態の変調度テーブル40のRmod41、設定値42、変調度43と同様である。タグ種類74は、RFIDタグ30の種類を示す情報である。タグ種類74は、例えば、RFIDタグ30の製造元の識別情報である。また、Rmod71、設定値72、変調度73(抵抗値R1又はR2)は、それぞれ、タグ種類74に対応したRFIDリーダライタ部18の通信に適切な値の情報を有する。
【0080】
次に、本変形例における携帯端末10の動作を説明する。携帯端末10において、上記実施の形態と同様に、第1のポーリング処理が実行される。
【0081】
携帯端末10からポーリングした場合に、RFIDタグ30から得られる応答情報には、RFIDタグ30の個体識別情報が含まれる。この個体識別情報には、RFIDタグ30のタグ種類(例えば、製造元の識別情報)が含まれている。タグ種類によっては、変調度が規格に準拠していない場合がある。例えば、あるメーカが製造するRFIDタグの変調度が規格に準拠していない場合である。このようなRFIDタグが応答を返した場合に、安定した通信を確保するために変調度を規格どおりにすることがよいとは限らない。そこで、このRFIDタグ30からの応答情報に含まれるタグ種類74により特定されるIC(Integrated Circuit)の型番やアンテナ形状に応じて、適切な設定値72を設定する。
【0082】
本変形例では、図6の第1のポーリング処理において、ステップS19で、CPU11は、フラッシュメモリ17に記憶されている変調度テーブル70を参照して、振幅調整用抵抗183の抵抗値の種類であるRmodを、ステップS14で受信した応答情報に含まれるタグ種類74に対応する抵抗値の設定値72にして、変調部184に設定する。
【0083】
以上、本変形例によれば、携帯端末10は、RFIDリーダライタ部18を介してRFIDタグ30から応答情報を受信した場合に、当該応答情報に含まれるRFIDタグ30の識別情報により特定されるRFIDタグの種類の情報に応じて、RFIDリーダライタ部18のASK変調の変調度を設定する。このため、RFIDタグから応答があった後に、RFIDタグの種類に応じて通信に適切なASK変調の変調度でRFIDタグと通信することができる。
【0084】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0085】
なお、上記実施の形態及び各変形例における記述は、本発明に係るRFID通信装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態及び各変形例のうちの少なくとも2つを組み合わせる構成としてもよい。
【0086】
上記実施の形態及び各変形例では、RFID通信装置としての携帯端末10,10Aが、RFIDリーダライタ部18を備えるハンディターミナルである構成としたが、これに限定されるものではない。RFID通信装置としては、少なくともRFIDタグの情報読み取り機能を有するRFID通信装置であればよい。また、RFID通信装置としては、PDA、携帯電話機、携帯パーソナルコンピュータ等、他の携帯端末を用いる構成としてもよい。さらに、RFID通信装置としては、固定式のRFID通信装置としてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態及び各変形例では、RFIDタグ30に、RFIDカード(非接触ICカード)を含める。例えば、RFIDタグに、各ユーザが所持する社員証カード、乗車カード、電子マネーカードとしてのRFIDカードを含める。
【0088】
また、上記実施の形態及び各変形例では、RFIDタグ30を用いてユーザ認証を行う場合の携帯端末10,10Aによるポーリング処理時に、ASK変調の変調度を変更する構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、倉庫の備品、小売店の商品等に付されたRFIDタグ30や、顧客から料金支払いのために差し出された電子マネーカードを読み取る際など、他のポーリング処理時に、ASK変調の変調度を変更する構成としてもよい。
【0089】
また、上記実施の形態及び各変形例では、RFIDタグ30及びRFIDリーダライタ部18が、電磁誘導方式のRFIDタグ及びRFIDリーダライタ部である構成を説明したが、これに限定されるものではない。RFIDタグ30及びRFIDリーダライタ部18が、電波方式のRFIDタグ及びRFIDリーダライタ部である構成としてもよい。
【0090】
また、上記実施の形態及び各変形例では、各ポーリング処理において、操作部12のトリガキー押下に応じて、ポーリングが実行される構成としたが、これに限定されるものではない。上記各ポーリング処理のプログラムの実行により、操作部12を介する操作を行わなくても、自動的にポーリングが実行される構成としてもよい。
【0091】
また、上記実施の形態及び変形例における携帯端末10,10Aの各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0092】
本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態及び変形例に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
RFIDタグと電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行う通信部と、
前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定し、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する制御部と、を備えるRFID通信装置。
<請求項2>
前記通信部は、アンテナと、当該アンテナに出力する電気信号の振幅を変更可能な振幅調整用抵抗と、を有し、
前記制御部は、前記振幅調整用抵抗の抵抗値を変更することにより前記通信部のASK変調の変調度を変更する請求項1に記載のRFID通信装置。
<請求項3>
前記制御部は、前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中の所定のタイミングで前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する請求項1又は2に記載のRFID通信装置。
<請求項4>
前記制御部は、前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中の所定の複数のタイミングで前記通信部のASK変調の変調度を段階的に小さく設定する請求項3に記載のRFID通信装置。
<請求項5>
前記制御部は、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定している場合に、前記通信部を介して前記RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を変更しない請求項3又は4に記載のRFID通信装置。
<請求項6>
電池で構成される電源部と、
前記電源部の電池残量を取得する監視部と、を備え、
前記監視部により取得された電池残量に応じて、前記通信部のASK変調の変調度と、前記ポーリング中の前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する所定のタイミングと、の少なくとも一つを変更する請求項1から5のいずれか一項に記載のRFID通信装置。
<請求項7>
前記制御部は、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、当該応答情報に含まれる前記RFIDタグの識別情報により特定される当該RFIDタグの種類の情報に応じて、前記通信部のASK変調の変調度を設定する請求項1から6のいずれか一項に記載のRFID通信装置。
<請求項8>
コンピュータを、
RFIDタグと電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行う通信部、
前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定し、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0093】
10,10A 携帯端末
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 ROM
16 無線通信部
17 フラッシュメモリ
18 RFIDリーダライタ部
18A RF出力回路
181 スイッチング回路
182 出力アンプ
183 振幅調整用抵抗
184 変調部
185 アンテナ及びマッチング回路
19 電源部
19A 監視部
20 バス
30 RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグと電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行う通信部と、
前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定し、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する制御部と、を備えるRFID通信装置。
【請求項2】
前記通信部は、アンテナと、当該アンテナに出力する電気信号の振幅を変更可能な振幅調整用抵抗と、を有し、
前記制御部は、前記振幅調整用抵抗の抵抗値を変更することにより前記通信部のASK変調の変調度を変更する請求項1に記載のRFID通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中の所定のタイミングで前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する請求項1又は2に記載のRFID通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定するとともに、当該ポーリング中の所定の複数のタイミングで前記通信部のASK変調の変調度を段階的に小さく設定する請求項3に記載のRFID通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定している場合に、前記通信部を介して前記RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を変更しない請求項3又は4に記載のRFID通信装置。
【請求項6】
電池で構成される電源部と、
前記電源部の電池残量を取得する監視部と、を備え、
前記監視部により取得された電池残量に応じて、前記通信部のASK変調の変調度と、前記ポーリング中の前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する所定のタイミングと、の少なくとも一つを変更する請求項1から5のいずれか一項に記載のRFID通信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、当該応答情報に含まれる前記RFIDタグの識別情報により特定される当該RFIDタグの種類の情報に応じて、前記通信部のASK変調の変調度を設定する請求項1から6のいずれか一項に記載のRFID通信装置。
【請求項8】
コンピュータを、
RFIDタグと電磁界又は電波を介してASK変調方式の通信を行う通信部、
前記通信部によるRFIDタグのポーリング時に、前記通信部のASK変調の変調度を大きく設定し、前記通信部を介して当該RFIDタグから応答情報を受信した場合に、前記通信部のASK変調の変調度を小さく設定する制御部、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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