説明

SELEX法用のプライマーの設計方法、プライマーの製造方法、アプタマーの製造方法、プライマーの設計装置、プライマー設計用コンピュータプログラムおよび記録媒体

【課題】 SELEX法用のプライマーを効率良く設計可能な設計方法を提供する。
【解決手段】 本発明のプライマー設計方法は、プライマー候補配列を生成する工程(S1)と、予め設定した基準に基づき、前記プライマー候補配列を評価してプライマー候補配列を選択する工程(S2)と、前記選択されたプライマー候補配列に基づき、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を複数含むランダムプールを生成する工程(S3)と、前記ランダムプールの各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択する工程(S4)と、前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列として採用することを決定する工程(S5)とを、コンピュータを用いて実施することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SELEX法用のプライマーの設計方法、プライマーの製造方法、アプタマーの製造方法、プライマーの設計装置、プライマー設計用コンピュータプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
アプタマーは、標的物質に特異的に結合する核酸リガンドである。アプタマーは、1990年に、GOLD等によって初めてその概念が報告され、Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment (SELEX)法によって取得される(特許文献1、非特許文献1)。SELEX法は、標的物質をビーズ等の担体に固定化し、これにDNAやRNA等の核酸ライブラリーを添加し、前記標的物質に結合する核酸を回収し、回収した核酸を増幅し、増幅した核酸を再び前記標的物質に添加するという一連の工程を10回ほど繰り返して、前記標的物質に対する特異性および結合力が高い核酸を濃縮し、その塩基配列を決定することで、アプタマーを獲得する方法である。アプタマーは、医薬品およびセンサへの応用が期待されており、例えば、アプタマー医薬として、血管新生型加齢黄斑変性症(AMD)の治療薬であるペガプタニブ・ナトリウム注射剤が開発され実用化されている。
【0003】
SELEX法では、核酸の増幅のために、プライマーを設計する必要がある。PCRを代表とする遺伝子増幅法でもプライマーを設計する必要があり、そのためのプライマー設計を支援するソフトが多数開発されている。しかしながら、SELEX法に使用するプライマーの設計を支援するソフトは無い。また、遺伝子の配列を想定して設計できる遺伝子増幅法のプライマー設計とは異なり、SELEX法でのプライマー設計は、想定できる情報が無く、ゼロの状態から二次構造やTm値等を計算しながら人手による試行錯誤を繰り返する必要がある。しかも、設計したプライマーが、必ずしも希望したように働くとは限らない。このように、SELEX法のプライマー設計には、労力、時間およびコストがかかり、しかも不確実性が伴い、効率が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2763958号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Science.(1990)249,505−510.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、効率良くSELEX法のプライマーを設計可能なプライマーの設計方法、それを用いたプライマーの製造方法、アプタマーの製造方法、プライマーの設計装置、プライマー設計用コンピュータプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のSELEX法用のプライマー設計方法は、
プライマー候補配列を生成するプライマー候補配列生成工程と、
予め設定した基準に基づき、前記プライマー候補配列を評価してプライマー候補配列を選択するプライマー候補配列選択工程と、
前記選択されたプライマー候補配列に基づき、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を複数含むランダムプールを生成するランダムプール生成工程と、
前記ランダムプールの各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択するランダムプール選択工程と、
前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列として採用することを決定するプライマー配列決定工程とを、コンピュータを用いて実施してSELEX法用のプライマーを設計することを特徴とする。
【0008】
本発明のSELEX法用のプライマーの製造方法は
プライマー設計工程と、
前記設計工程で設計されたプライマーの配列に基づきプライマーを合成する合成工程とを有し、
前記プライマー設計工程が、前記本発明のプライマー設計方法により実施されることを特徴とする。
【0009】
本発明のアプタマーの製造方法は、前記本発明のプライマーの製造方法により製造されたプライマーを用いたSELEX法によりアプタマーを製造することを特徴とする。
【0010】
本発明のSELEX法用のプライマー設計装置は、
データ処理装置、記憶装置、入力装置および出力装置を備え、
前記データ処理装置が、
プライマー候補配列を生成するプライマー候補配列生成手段と、
予め設定した基準に基づき、前記プライマー候補配列を評価してプライマー候補配列を選択するプライマー候補配列選択手段と、
前記選択されたプライマー候補配列に基づき、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を複数含むランダムプールを生成するランダムプール生成手段と、
前記ランダムプールの各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択するランダムプール選択手段と、
前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列として採用することを決定するプライマー配列決定手段を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のSELEX法用のプライマー設計用コンピュータプログラムは、前記本発明のプライマー設計方法をコンピュータ上で実行可能なことを特徴とする。
【0012】
本発明の記録媒体は、前記本発明のSELEX法用のプライマー設計用コンピュータプログラムが格納されたことを特徴とする
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、実際にプライマーを合成する前に、コンピュータでシュミレーションして目的に合ったプライマーを設計可能であるため、労力、時間およびコストを低減でき、かつ確実性に優れ、効率良くプライマーを設計することが可能となる。さらに、本発明によれば、ランダムプールの核酸の二次構造を制御可能であるため、例えば、アプタマーの構造を制御可能であり、また、既得のアプタマー構造を参考にしたランダムプールの設計も可能となり、目的とするアプタマーの取得効率の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明のプライマー設計装置の一例の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明のプライマー設計方法の一例を示すフローチャート図である。
【図3】図3は、本発明のプライマー設計装置のその他の構成を示す構成図である。
【図4】図4は、前記その他の例のプライマー設計装置が通信回線網を介してサーバーと接続する状態を示す説明図である。
【図5】図5は、核酸の二次構造の構造クラスの分類図である。
【図6】図6は、本発明の実施例1のランダムプールにおけるランダム領域のみの二次構造の頂点の数の分布を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施例1のランダムプールにおける核酸配列全体の二次構造の頂点の数の分布を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の実施例1のランダムプールにおけるランダム領域のみの二次構造のクラスの分布を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施例1のランダムプールにおける核酸配列全体の二次構造のクラスの分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに、本発明について、例をあげて説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1に、本発明のプライマー設計装置の一例の構成を示す。図示のように、本例の装置は、入力装置11、記憶装置12、出力装置13およびデータ処理装置14を主要構成要素とする。入力装置11は、データ処理装置14に情報を入力するためのものであり、例えば、キーボード、キーシート、マウス、USB等の端子、CDやCD-R等のドライブ等があげられる。記憶装置12は、プライマー設計条件に関する情報、ランダムプールに関する情報、設計されたプライマー配列に関する情報等の各種情報および各種プログラムを記憶するためのものであり、例えば、フラッシュメモリ、RAMおよびROM等を適宜組み合わせて構成される。出力装置は、設計されたプライマー配列情報およびその他の情報を出力するためのものであり、例えば、ディスプレーおよびプリンターがあげられる。データ処理装置14は、プライマー設計のための一連の処理を行うものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)があげられる。本例のデータ処理装置14は、プライマー候補配列生成手段141、プライマー候補配列選択手段142、ランダムプール生成手段143、ランダムプール選択手段144およびプライマー配列決定手段145を備える。本発明において、プライマー設計装置は、一台のコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータにより構成してもよい。
【0017】
本例において、前記プライマー設計装置は、例えば、図2に示すフローチャートに従い、つぎに示すようにして、プライマーを設計することができる。
【0018】
(プライマー候補配列の生成:S1)
まず、プライマー候補配列生成手段により、プライマー候補配列を生成する。プライマー配列は、例えば、A,G,C,T,Uの塩基を組み合わせたものである。配列がDNAの場合は、Tを使用し、RNAの場合は、Uを使用する。プライマー候補配列は、3´末端側および5´末端側の二種類を生成する必要がある。プライマー候補配列の長さ(塩基数)は、特に制限されないが、10〜100塩基数であり、好ましくは、15〜50塩基数であり、より好ましくは、20〜30塩基数である。プライマー候補配列は、例えば、ランダムに配列を生成してもよいし、既知のプライマー配列のデータベースを参照して生成してもよい。また、入力装置11からプライマー候補配列を入力してもよい。
【0019】
(プライマー候補配列の選択:S2)
つぎに、生成されたプライマー候補配列を、予め設定された基準に従い評価し、前記基準を満たすプライマー候補配列を選択する。この場合、前記基準を満たすプライマー候補配列でない場合(No)は、再度、プライマー候補配列を生成し、前記基準を満たすプライマー候補配列の場合(Yes)は、次のステップに進む。前記基準は、例えば、プライマーの二次構造形成能、Tm値、ナトリウム濃度、GC含量、GC含量のぶれ幅、核酸濃度、GCにおけるGとCの偏り、ATにおけるAとTの偏り等があげられる。前記プライマーの二次構造形成能は、例えば、Max free energy(プライマーの構造として許容する自由エネルギーの閾値)があげられる。プライマー候補配列の評価は、例えば、遺伝子増幅のプライマーを設計するためのソフトウエアを使用することができる。このようなソフトウエアは、市販品を用いてもよいし、インターネットで公開されているサイトにあるものを使用してもよい。また、これらの遺伝子増幅のプライマー設計ソフトウエアは、プライマー配列を生成することもできるものも多く、このようなソフトウエアを使用した場合は、プライマー候補配列の生成(S1)および選択(S2)を同時に実施することも可能である。
【0020】
(ランダムプールの生成:S3)
前記ランダムプールは、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を、複数含む核酸配列混合物(ライブラリー)である。前記ランダム配列は、アプタマー候補となる配列であり、例えば、A,G,C,およびUまたはTの塩基をランダムに連結した配列である。前記ランダム配列の長さ(塩基数)は、例えば、20〜120塩基数であり、好ましくは、30〜80塩基数であり、より好ましくは、30〜40塩基数である。前記ランダムプールに含まれる前記核酸配列の種類は、例えば、420〜4120種類(約1012〜1072種類)であり、好ましくは、430〜460種類(約1018〜1036種類)である。
【0021】
前記ランダムプールに含まれる各核酸配列において、さらに、ランダム配列に対する固定配列を含んでいてもよい。前記固定配列としては、例えば、GまたはCの塩基が連結した配列があげられる。例えば、フォワード(Fw)のプライマー候補配列の末端側にGGGG配列を付加し、リバース(Rv)のプライマー候補配列の先端にCCCC配列を付加してもよい。
【0022】
(ランダムプールの選択:S4)
次に、生成したランダムプールについて、各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択する。前記構造の予測には、例えば、DNAおよびRNA等の構造を予測する既知のソフトウエアを使用することができる。前記基準としては、二次構造の多様性を使用することができる。二次構造の多様性としては、グラフ構造によるクラス分類を使用することができる(GEVERTZ J. et.al. RNA 2005;11;853-863)。二次構造の前記グラフ構造によるクラス分類を、図5に示す。同図に示すように、前記クラス分類は、ステムを辺(−)として表し、ループを点(・)として表すものである。同図では、点の数が7以下のグラフ構造を示すものである。そして、前記基準を満たさない場合(No)は、再度、ランダムプールの生成ステップに戻り、前記基準を満たす場合(Yes)は、次のステップに進む。
【0023】
(プライマー配列の決定:S5)
次に、前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列に採用し、前記配列をプライマー配列として決定する。決定されたプライマー配列情報は、ディスプレー等の出力装置から出力される(S6)。その他、決定されたプライマー配列情報は、記憶装置に記憶されてもよい。
【0024】
(実施形態2)
次に、通信インターフェース(通信装置)を備えたプライマー設計装置の例について説明する。本例の装置の構成を図3に示す。図3において、図1と同一部分には同一符号を付している。図示のように、本例の装置は、前記実施形態1の装置と、通信インターフェースを備えてインターネット等の通信回線網に接続可能な他は、主要構成は同様である。図4に示すように、本例の装置1は、インターネット等の通信回線網2を介して、装置外に設置されたサーバー3に接続可能である。したがって、例えば、プライマー候補配列の生成、プライマー候補配列の評価、ランダムプールの生成、およびランダムプールの各核酸配列の構造予測等の各種の工程を、装置外のサーバーにあるサイトのプログラムにより、実施可能である。したがって、本例の装置は、プライマー候補配列生成手段、プライマー候補配列選択手段、ランダムプール生成手段、ランダムプール選択手段およびプライマー配列決定手段の少なくとも一つを、装置外のサーバーのサイトにあるプログラムで実行することが可能であり、その場合は、本例の装置のデータ処理装置は、装置外のサーバーのプログラムで実行する各前記手段については含まなくてもよい。
【0025】
(実施形態3)
本実施形態は、前記本発明のプライマー設計方法で設計されたプライマー配列に基づき、プライマーを製造する方法である。プライマーの設計方法は、前述のとおりである。また、プライマーの合成方法は、既知の方法を使用でき、例えば、DNA合成装置やRNA合成装置により、dNTP等を材料として、末端塩基から化学合成する方法等があげられる。前記合成装置としては、市販品を使用してもよい。
【0026】
(実施形態4)
本実施形態は、前記本発明のプライマー製造方法で製造したプライマーを用い、SELEX法によりアプタマーを製造する方法の一例である。プライマーの製造は、前述のとおりである。下記において、SELEX法について、説明する。
【0027】
(アプタマー)
本発明において、前記アプタマーとは、特定の標的物質に特異的に結合可能な核酸分子であり、例えば、一本鎖RNAおよび一本鎖DNA等の一本鎖核酸や、二本鎖RNAおよび二本鎖DNA等の二本鎖核酸があげられる。前記核酸アプタマーが、後者の二本鎖核酸の場合、例えば、使用に先立って、変性等により一本鎖にすることが好ましい。前記核酸アプタマーは、例えば、自己アニーリングによる二次構造を有してもよく、前記二次構造としては、例えば、ステムループ構造があげられる。
【0028】
本発明において、前記核酸アプタマーは、例えば、天然由来の核酸配列であってもよいし、合成した核酸配列であってもよい。合成方法は、何ら制限されず、例えば、DNA合成装置やRNA合成装置により、dNTP等を材料として、末端塩基から化学合成する方法等があげられる。前記核酸アプタマーとしては、例えば、DNAやRNA等があげられ、また、例えば、PNA等のペプチド核酸を含んでもよい。前記核酸アプタマーは、例えば、A、C、G、TおよびU等の天然核酸(非人工核酸)を含んでもよいし、2’−フルオロウラシル、2’−アミノウラシル、2’−O−メチルウラシル、2−チオウラシル等の人工核酸を含んでもよい。
【0029】
SELEX法による核酸アプタマーの製造は、特に制限されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、複数の核酸を含む核酸プールを準備し、前記核酸ライブラリーと標的物質とを結合(会合)させ、前記核酸プールと前記標的物質との複合体を形成する。そして、前記複合体から、前記複合体の形成に関与した核酸プローブのみを回収することにより、前記標的物質に特異的に結合可能な核酸アプタマーを調製できる。以下に、SELEX法を用いて、前記標的物質に特異的に結合可能な核酸アプタマーを調製する方法を具体的に説明するが、本発明は、これらには何ら制限されない。
【0030】
前記核酸プールとは、例えば、ランダム配列を有する核酸のライブラリー(混合物)である。前記ライブラリーにおける前記核酸は、例えば、RNAやDNA等のポリヌクレオチドがあげられる。前記ランダム領域とは、例えば、A、G、C、および、UまたはTの塩基をランダムに連結した領域であり、その長さは、例えば、20〜120merである。前記核酸プールは、例えば、420〜4120種類(約1012〜1072種類)の核酸を含むことが好ましく、より好ましくは、430〜460種類(約1018〜1036種類)である。
【0031】
前記核酸プールに含まれる前記ポリヌクレオチドは、例えば、前記ランダム配列の5’末端および3’末端の少なくとも一方に、後述する核酸増幅で利用するプライマー配列、ポリメラーゼが認識するポリメラーゼ認識配列等を有する。前記プライマー配列は、前述のプライマー設計方法により設計された配列である。前記ポリメラーゼ認識領域は、例えば、アプタマー調製における後述の核酸増幅で使用するポリメラーゼの種類に応じて適宜決定できる。前記核酸プールがRNAプールの場合、前記ポリメラーゼの認識配列は、例えば、DNA依存性RNAポリメラーゼの認識配列(以下、「RNAポリメラーゼ認識配列」ともいう)が好ましく、具体例としては、T7RNAポリメラーゼの認識配列であるT7プロモーター等があげられる。前記RNAプールの具体例としては、例えば、5’末端側から、前記RNAポリメラーゼ認識配列と前記プライマー配列(以下、「5’末端側プライマー配列」ともいう)とを、この順序で連結し、前記5’末端側プライマー配列の3’末端側に、前記ランダム配列を連結し、さらに、前記ランダム配列の3’末端側にプライマー配列(以下、「3’末端側プライマー配列」ともいう)を連結した構造があげられる。前記RNAにおける前記5’末端側プライマー配列とは、例えば、前記RNAを鋳型として合成したDNAアンチセンス鎖の3’末端に対して相補的な配列、つまり、前記アンチセンス鎖の3’末端に結合可能なプライマーと同様の配列であることが好ましい。また、前記RNAプールは、例えば、さらに、標的物質への結合を補助する領域を有してもよい。また、前記核酸プールに含まれるポリヌクレオチドは、それぞれ、異なるランダム配列を有してもよいし、一部の配列が共通するランダム配列を有してもよい。前記ポリヌクレオチドにおいて、前記各配列は、例えば、直接隣接してもよいし、介在配列を介して間接的に隣接してもよい。
【0032】
前記核酸プールの調製方法は、特に制限されず、公知の方法が採用できる。前記核酸プールがRNAプールの場合、例えば、DNAを含む初期プールを使用し、前記DNAを鋳型として調製できる。以下、核酸プールのRNAの鋳型となるDNA鎖をアンチセンス鎖、前記RNAのUをTに置換した配列を有するDNA鎖をセンス鎖ともいう。前記DNAを含む初期プールとしては、例えば、前記RNAプールにおける前記ランダム領域の相補鎖のUをTに置換したDNA(アンチセンス鎖)、および、前記ランダム領域のUをTに置換した配列を有するDNA(センス鎖)のいずれか一方を含むことが好ましい。この初期プールのDNAを鋳型として、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて核酸増幅を行った後、得られたDNA増幅産物を鋳型として、DNA依存性RNAポリメラーゼを用いて転写反応を行うことにより、RNAの核酸プールを調製できる。
【0033】
また、前記ランダム領域のUをTに置換したDNAを含む初期プールを準備し、これを鋳型として、前記RNAポリメラーゼ認識配列と、前記5’末端側プライマー配列に相補的な配列とを含むプライマーをアニーリングさせ、核酸増幅を行うことにより、RNAの核酸プールを調製することもできる。
【0034】
そして、前記核酸プールと標的物質とを反応させ、前記核酸と前記標的物質との複合体を形成する。前記核酸プールと前記標的物質との結合形式は、特に制限されず、例えば、水素結合等の分子間力等があげられる。前記核酸プールと前記標的物質との結合処理は、例えば、前記両者を溶媒中で一定期間インキュベートする方法があげられる。前記溶媒としては、特に制限されないが、前記両者の結合等が保持されるものが好ましく、例えば、各種緩衝液があげられる。
【0035】
続いて、前記核酸プールと標的物質との複合体を回収する。なお、前記複合体形成のために前記両者を反応させた反応液には、前記複合体の他に、例えば、前記複合体形成に関与しない核酸プール(以下、「未反応核酸プール」という)が含まれる。このため、例えば、前記反応液から、前記複合体と、前記未反応核酸プールとを、分離することが好ましい。前記分離方法としては、特に制限されないが、例えば、前記標的物質と前記核酸プールとの吸着性の違いや、前記複合体と前記核酸プールとの分子量の違いを利用する方法等があげられる。
【0036】
前者の吸着性の違いを利用する方法としては、例えば、以下の方法が例示できる。すなわち、まず、前記標的物質に吸着性を有する担体と、前記複合体を含む前記反応液とを接触させる。この際、前記未反応核酸プールは、前記担体に吸着せず、他方、前記標的物質と前記核酸プールとの複合体は、前記担体に吸着する。これによって、前記未反応核酸プールと前記複合体とを分離することができる。そして、前記未反応核酸プールを除去後、前記担体に吸着した前記複合体を回収すればよい。また、前記担体から前記複合体を回収する前に、例えば、前記未反応核酸プールを十分に除去するため、前記担体を洗浄することが好ましい。前記標的物質に吸着性を有する担体としては、特に制限されず、例えば、標的物質の種類に応じて適宜選択できる。前記標的物質が、例えば、抗体等のタンパク質の場合、前記吸着性を有する担体としては、例えば、ニトロセルロース膜等があげられる。
【0037】
後者の分子量の違いを利用する方法としては、例えば、担体を使用する方法が例示できる。前記担体としては、例えば、前記核酸プールが通過し且つ前記複合体が通過できないようなサイズのポアを有する担体があげられる。このような担体を利用して、前記複合体と、前記未反応核酸プールとを分離できる。前記分離は、例えば、アガロースゲルやポリアクリルアミドゲルを用いた電気的な分離であってもよい。
【0038】
この他にも、例えば、前記複合体の形成時において、担体に固定化した標的物質を使用する方法もあげられる。すなわち、前記標的物質を予め担体に固定化し、前記担体と前記核酸プールとを接触させ、前記固定化標的物質と核酸プールとの複合体を形成させる。そして、前記固定化標的物質に結合していない未反応の核酸プールを除去した後、前記担体から、前記標的物質と前記核酸プールとの複合体を解離させればよい。前記標的物質の担体への固定化方法は、何ら制限されず、公知の方法が採用できる。具体例としては、例えば、前記標的物質にタグを結合しておき、前記タグとの結合基を有する担体に、前記タグを結合した標的物質を接触させる方法があげられる。前記タグとしては、例えば、His−tag等があげられ、前記結合基としては、例えば、ニッケルイオン(Ni2+)、コバルトイオン(Co2+)等の金属イオンがあげられる。前記担体の具体例としては、例えば、前記金属イオンをベースとするNi−アガロース、Ni−セファロース等があげられる。
【0039】
つぎに、回収した前記複合体から、前記複合体形成に関与した核酸プールを回収する。前記複合体形成に関与した核酸プールは、例えば、前記複合体について、前記標的物質と核酸プールとの結合を解除することによって回収できる。
【0040】
続いて、回収した前記複合体形成に関与した核酸プールについて、核酸増幅を行う。前記核酸増幅の方法は、特に制限されず、例えば、核酸プールの種類に応じて、公知の方法により行うことができる。前記核酸プールがRNAプールの場合、例えば、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いた逆転写反応によりcDNAを調製し、前記cDNAを鋳型としてPCR等によりDNAの核酸増幅を行い、得られた増幅産物を鋳型として、さらに、DNA依存性RNAポリメラーゼを用いてRNAの転写を行うことができる。これによって、前述の前記複合体形成に関与したRNAプールの増幅を行うことができる。
【0041】
前記RNAプールが、例えば、前述のように、前記RNAポリメラーゼ認識配列、前記5’末端側プライマー配列、前記ランダム配列および前記3’末端側プライマー配列を有する場合、これらの配列を利用する増幅方法があげられる。前記RNAを鋳型として前記cDNAを調製するための逆転写反応では、例えば、プライマーとして、前記RNAプールの3’末端側プライマー配列に相補的な配列を含むポリヌクレオチドを使用することが好ましい。また、前記cDNAを鋳型とするDNAの増幅には、例えば、プライマーとして、前記5’末端側プライマー配列を含むポリヌクレオチドと、前記3’末端側プライマー配列の相補鎖を含むポリヌクレオチドとを使用することが好ましい。前者のポリヌクレオチドは、例えば、さらに、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ認識配列を有し、その3’側に、前記5’末端側プライマー配列を有することが好ましい。得られたDNAの増幅産物を鋳型とするRNAの増幅には、前記DNA増幅産物を鋳型として、前記DNAに含まれる5’末端側プライマー配列および3’末端側プライマー配列を利用して、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、PCR等の核酸増幅を行う。この際、プライマーとしては、例えば、前記5’末端側プライマー配列を含むポリヌクレオチドと、前記3’末端側プライマー配列の相補鎖を含むポリヌクレオチドとを使用することが好ましい。前者のポリヌクレオチドは、例えば、さらに、5’末端側に前記RNAポリメラーゼ認識配列を有し、その3’側に、前記5’末端側プライマー配列を有することが好ましい。そして、得られた増幅産物を鋳型として、前記増幅産物に含まれるRNAポリメラーゼ認識配列を利用して、DNA依存性RNAポリメラーゼを用いて、in vitroでの転写反応を行うことによって、前記複合体形成に関与するRNAプールの核酸増幅を行うことができる。増幅産物のうち、例えば、アンチセンス鎖のDNAは、その3’末端側に、RNAポリメラーゼ認識配列を有するため、この領域に前記DNA依存RNAポリメラーゼが結合し、前記アンチセンス鎖を鋳型として、前記RNAを合成できる。前記逆転写反応に使用するRNA依存性DNAポリメラーゼとしては、特に制限されないが、例えば、トリ骨髄芽球症ウィルス由来リバーストランスクリプターゼ(AMV Reverse Transcriptase)等が使用できる。
【0042】
なお、前記核酸増幅の方法は、特に制限されず、例えば、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法や、各種等温増幅法等が採用できる。また、その条件も、特に制限されない。
【0043】
このように、標的物質と複合体を形成した核酸プールを回収し、さらに、前述と同様にして、標的物質を用いた複合体の形成、複合体の回収、前記複合体形成に関与した核酸プールの分離、前記分離した核酸プールの増幅等を繰り返し行うことで、最終的に、標的物質に結合性を有する核酸アプタマーを得ることができる。
【0044】
本発明において、前記標的物質としては、特に制限されず、例えば、酵素、抗体、構造タンパク質等のタンパク質、核酸、脂質、有機高分子等があげられる。
【実施例】
【0045】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例によって、なんら制限ないし限定されない。
【0046】
(プライマー候補配列の生成および選択)
プライマー候補配列の生成および選択は、例えば、Oligo Calculator(http://www.genosys.jp/whatsnew/active/active_manual.html、シグマジェノシス社製)等を使用して行った。主要な評価基準として、二次構造の形成能を採用した。二次構造を形成し易いプライマーセットと形成し難いプライマーセットの差異として、Max free energy(プライマーの構造として許容するエネルギーの閾値)のパラメーターを用い、形成し易いものは、-10kcal/molに設定し、形成し難いものは-1kcal/molに設定した。その他の共通のパラメーターは、前記ソフトウエアのデフォルト値に従って以下の通りにした。
【0047】
(共通パラメーター)
FwTm limit=75.0(Fwプライマーのt7配列込みのTm値が75程度)
RvTm limit=65.0(RvプライマーのTm値が65程度)
Ct concentration=1.0(PCR時の核酸濃度が1.0μmol/L(μM))
Na+ concentration=50.0(PCR時のNa+濃度が50.0mmol/L(mM))
GC%=0.6(t7配列を除くFwとRvのプライマーのGC%がそれぞれ60%程度)
GC% range=0.1(上記GC%のぶれ幅を±10%まで許容。50%〜70%)
Minimum Na%=0.4(t7配列を除くFwとRvに含まれるGCにおけるGとC、ATにおけるAとTの偏りを4:6まで許容)
【0048】
(ランダムプールの生成)
前述のようにして生成したプライマー候補配列を、二次構造を形成し易いセットと形成し難いセットのそれぞれに10000セットずつ用意し、それぞれのプライマーセットに対して100本の塩基数40のランダム配列を付加し、ランダムプールを生成した。また、生成したプライマーセットのFw側の末端にGGGGを、Rv側の先端にCCCCを付加したプライマーセットを別途生成し、前述と同様にしてランダム配列を付加し、ランダムプールを生成した。
【0049】
(二次構造予測)
二次構造予測には、ViennaPackageのRNAfold(例えば、文献Hofacker, I. L., Nucl. Acids Res. 2003 31:3429-3431、http://www.tbi.univie.ac.at/RNA/)を用いた。RNAfoldの実行には-noLPオプションを付加し、一つの塩基対のみで形成されるステムを許容しないこととした。また、ランダム配列のみの二次構造を予測するために、RNAfoldの実行により二次構造を得た後、かつ後述の多様性の評価の前に、得られた二次構造のうち、プライマー候補配列で形成されるステムについてはループに置換した。
【0050】
(二次構造の多様性の評価)
二次構造の多様性の評価は、例えば、論文"GEVERTZ J. et.al. RNA 2005;11:853-863"に基づいて行った。この論文では、二次構造予測結果を入力として、二次構造の構造クラスを判定することが提案されている。二次構造の構造クラスについては、前記論文で採用されているグラフ構造によるクラス分類を採用した。
【0051】
(評価結果)
図6および図7のグラフに、ランダムプールの二次構造の頂点の数の分布を示す。前記両図において、strは、二次構造を形成しやすいプライマーセットのランダムプールを示し、nstrは、二次構造を形成し難いプライマーセットのランダムプールを示し、str_GCは、二次構造を形成しやすいプライマーセットにGGGG+CCCCを付加したランダムプールを示し、nstr_GCは、二次構造を形成し難いプライマーセットにGGGG+CCCCを付加したランダムプールを示し、これらは、下記の図8および図9も同じである。
【0052】
図6は、ランダム配列のみの二次構造の頂点の数の分布を示す。同図に示すように、str_GC、nstr_GC、strおよびnstrの順序で、分布が平坦になった。このことは、前記順序で、二次構造の多様性が低くなっていくことを意味する。
【0053】
図7は、核酸配列全体の二次構造の頂点の数の分布である。同図に示すように、各グラフとも同様の分布を示し、プライマーセットによる多様性に相違は認められなかった。
【0054】
図8に、ランダム配列のみの二次構造のクラス分布を示す。同図に示すように、頂点の数の分布の通りに、二次構造を形成しやすいプライマーセットを用いたランダムプールは、クラス3〜5あたりに二次構造が集中するのに対し、二次構造を形成し難いプライマーセットを用いたランダムプールは、クラス6と7においても、クラス3〜5と同様に二次構造が出現した。
【0055】
図9に、核酸配列全体の二次構造のクラス分布を示す。同図に示しように、プライマーセットにより相違は認められなかったが、GGGGおよびCCCCを付加した場合に、直線型の二次構造が出現する確率が高くなった。
【0056】
(核酸配列全体の二次構造を基準とした場合の選択)
前述のように、GGGGおよびCCCCを付加した場合に、直線型の二次構造が出現する確率が高くなった。このため、取得されるランダムプールの核酸配列の小型化を目的とする場合は、GGGGおよびCCCCを付加したプライマー配列を採用すればよく、逆に、取得されるランダムプールの核酸配列の小型化を目的せず、二次構造の多様化を目的とする場合は、GGGGおよびCCCCを付加しないプライマー配列を採用すればよい。
【0057】
(ランダム配列のみの二次構造を基準とした場合の選択)
前述のように、str_GC、nstr_GC、strおよびnstrの順序で二次構造の多様性が低くなっているので、二次構造の多様性を目的とする場合は、二次構造を形成し難く、かつGGGG+CCCCを付加しないプライマー配列を採用すればよい。これとは逆に、アプタマー取得後の後加工を容易にするためには、二次構造の多様性は低い方がよいので、この目的のためには、二次構造を形成し易く、かつGGGG+CCCCが付加されたプライマー配列を採用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、SELEX法に用いるプライマーを効率良く設計可能であり、これにより、アプタマーの取得効率も向上することが期待できる。したがって、本発明は、例えば、アプタマーを利用した医薬品やセンサの分野等の広い分野に適用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 プライマー設計装置
2 通信回線網
3 サーバー
11 入力装置
12 記憶装置
13 出力装置
14 データ処理装置
15 通信インターフェース
141 プライマー候補配列生成手段
142 プライマー候補配列選択手段
143 ランダムプール生成手段
144 ランダムプール選択手段
145 プライマー配列決定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマー候補配列を生成するプライマー候補配列生成工程と、
予め設定した基準に基づき、前記プライマー候補配列を評価してプライマー候補配列を選択するプライマー候補配列選択工程と、
前記選択されたプライマー候補配列に基づき、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を複数含むランダムプールを生成するランダムプール生成工程と、
前記ランダムプールの各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択するランダムプール選択工程と、
前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列として採用することを決定するプライマー配列決定工程とを、コンピュータを用いて実施してSELEX法用のプライマーを設計することを特徴とするプライマーの設計方法。
【請求項2】
前記プライマー候補配列選択工程の前記基準が、プライマーの二次構造形成能に関する基準であることを特徴とする請求項1記載のプライマー設計方法。
【請求項3】
前記ランダムプール選択工程の前記基準が、前記核酸配列の前記ランダム配列が取り得る二次構造の多様性に関する基準であることを特徴とする請求項1または2記載のプライマー設計方法。
【請求項4】
前記核酸配列が、さらに、ランダム配列に対する固定配列を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプライマー設計方法。
【請求項5】
プライマー設計工程と、
前記設計工程で設計されたプライマーの配列に基づきプライマーを合成する合成工程とを有し、
前記プライマー設計工程が、請求項1から4のいずれか一項に記載のプライマー設計方法により実施されることを特徴とするSELEX法用のプライマーの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の製造方法により製造されたプライマーを用いたSELEX法によりアプタマーを製造することを特徴とするアプタマーの製造方法。
【請求項7】
データ処理装置、記憶装置、入力装置および出力装置を備え、
前記データ処理装置が、
プライマー候補配列を生成するプライマー候補配列生成手段と、
予め設定した基準に基づき、前記プライマー候補配列を評価してプライマー候補配列を選択するプライマー候補配列選択手段と、
前記選択されたプライマー候補配列に基づき、ランダム配列およびプライマー候補配列を含む核酸配列を複数含むランダムプールを生成するランダムプール生成手段と、
前記ランダムプールの各核酸配列の構造を予測し、予め設定された基準に基づき、前記予測構造を評価してランダムプールを選択するランダムプール選択手段と、
前記選択されたランダムプールに使用されたプライマー候補配列を、プライマー配列として採用することを決定するプライマー配列決定手段を含むことを特徴とするSELEX法用のプライマー設計装置。
【請求項8】
前記プライマー候補配列選択工程の前記基準が、プライマーの二次構造形成能に関する基準であることを特徴とする請求項7記載のプライマー設計装置。
【請求項9】
前記ランダムプール選択工程の前記基準が、前記核酸配列の前記ランダム配列が取り得る二次構造の多様性に関する基準であることを特徴とする請求項7または8記載のプライマー設計装置。
【請求項10】
前記核酸配列が、さらに、ランダム配列に対する固定配列を含むことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のプライマー設計装置。
【請求項11】
さらに、通信装置を備え、前記通信装置により、装置外の通信回線網を介してサーバーに接続可能であり、前記サーバー内のプログラムにより、前記プライマー候補配列生成手段、前記プライマー候補配列選択手段、前記ランダムプール生成手段、前記ランダムプール選択手段および前記プライマー配列決定手段からなる群の少なくとも一つの手段を実行可能であることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載のプライマー設計装置。
【請求項12】
前記データ処理装置が、前記サーバー内のプログラムにより実行される手段を含まないことを特徴とする請求項11記載のプライマー設計装置。
【請求項13】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプライマー設計方法をコンピュータ上で実行可能なことを特徴とするSELEX法用のプライマー設計用コンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のSELEX法用のプライマー設計用コンピュータプログラムが格納されたことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−239873(P2010−239873A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89607(P2009−89607)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】