説明

SMA熱エンジンとそれを利用したSMA式発電装置

【課題】低負荷ひずみで高出力が得られ,またSMA素子を均一に加熱−冷却することのできる機構を持つ新しいSMA(形状記憶合金)発電エンジンとそれを多数組み合わせて低品位熱エネルギで稼働させるSMA式発電装置を提供する。
【解決手段】、回転可能に装着した円筒状容器100内に、形状記憶合金板で成型したゼンマイばね200を収容し、前記ゼンマイばね200の加熱−冷却による巻取り巻戻し力で円筒状容器10を回転させるゼンマイばね型のアクチュエータを一対A1、A2設け、各アクチュエータA1、A2間をベルト400を巻取り巻戻し可能に連結し、前記アクチュエータA1-A2間に誘電コイル600を配置し、前記誘電コイル600内を挿通するベルト部401に永久磁石700を装着し、前記誘電コイル600に起電流送電回路610、620を接続したSMA熱エンジン。複数基の前記SMA熱エンジンからなるMSA式発電装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状記憶合金を利用した所謂SMA熱エンジンとそれを利用したSMA式発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球環境問題や資源枯渇などの問題を克服するためには,合理的なエネルギー利用体制を構築する必要がある.それゆえ,工場などから排出される未利用エネルギーの回収システムの構築が望まれている.
図1は工場排熱の温度別排出比率を示している.200℃以上の排熱は熱交換器や熱電素子などにより50〜90%のエネルギー回収が可能である.
しかし排熱の約80%は200℃以下の低品位熱エネルギーが占めている.100℃でのエクセルギー効率は10%程度と小さく,低品位熱エネルギーの回収はランキンサイクルのような液体の相変化を利用する方法では,伝熱面積あるいはポンプ動力などの補助動力が大きくなり,エネルギーコストに大きな課題を持つ.また熱電素子を利用するためには250℃以上の温度差が必要である.
【0003】
このような理由から,現在低品位熱エネルギーはヒートポンプあるいは給湯用の熱源として利用されている.
しかし熱供給は遠距離の輸送が困難であるため,熱源と熱需要地が隣接した場合に限られており,排熱の一部分しか有効活用されていない.そのため,低品位熱エネルギーを機械的・電気的エネルギーに変換することができればエネルギー輸送が容易になり,排熱の一層の有効活用を図ることができる.
【0004】
このような観点から,200℃以下の低品位熱エネルギーを機械的・電気的エネルギーに変換するシステムの開発が求められている.これまでに,低品位熱エネルギーを使用し低沸点のアンモニアを蒸発させ,タービンを駆動させることにより発電する低位熱発電システムが開発されている.しかし装置が大型で設置コストが多大であるため,コンビナートなど一部大型な工場施設で使用されるにとどまっている.このような理由から,低コストな低品位熱エネルギー回収システムとして形状記憶合金(以下SMAと言う)を用いたエンジンが研究されている.
【0005】
<形状記憶合金(SMA)エンジンについて>
形状記憶合金(SMA)は,変形を与えても変態温度以上に加熱すると形状が回復し,また形状回復時に大きな回復力を発生する機能性材料である.SMAは民生に限らず,原子力発電所,新幹線および医療・生体材料など,高い信頼性が要求される分野においても応用されている.現在実用化されているTi-Ni形状記憶合金の作動温度領域は室温近傍〜80℃であり,いわゆる温水の温度に加熱するだけで大きな回復力を発生する.このような理由から,Ti-Ni合金を使用したSMA熱エンジンは「低品位の熱エネルギーを機械的・電気的エネルギーへと変換する」システムとして注目されていた.これまでに研究されたSMA熱エンジンにはクランク型,プーリー型,斜板式,レシプロ型の4つのタイプがある.
【0006】
<SMA熱エンジンの動作原理>
上記4つのSMA熱エンジンの基本動作原理は、ほぼ同一である.
図2はSMAの応力−ひずみ関係を示したものである.
SMA熱エンジンは基本的に2つのSMA素子を拮抗させて配置した構造となっており,加熱−冷却のサイクルを行うことによりお互いが変形−回復のサイクルを行いあうことでエンジンとして動作する.
低温状態では合金は柔らかいマルテンサイト相のため,A点の変形に必要な引張応力は小さい.一方のSMA素子にひずみを与えた後加熱すると,高温相であるオーステナイト相へと変態し,形状を回復する.このとき,ひずみ量に対する応力差が発生し,これが回復力として利用できる.発生した回復力により,冷却されているもう一方のSMA素子に変形を与える.b点まで形状を回復させた後,加熱と冷却を入れ替えると,上記と同様のプロセスが行われる.加熱−冷却サイクルを繰り返すことによってSMA熱エンジンは連続的に作動する.ここで,c−A−a−b−cで囲まれた領域が,SMA熱エンジンにおける合金の単位体積当たりに利用できる仕事量となる.
【0007】
<SMA熱エンジンの特徴>
表1に各SMA熱エンジンの特徴を示す.いずれも熱エネルギーを回転運動や往復運動などの機械的エネルギーに変換する機構である.また,負荷ひずみ3〜7%に対してSMAのエネルギー変換効率は1〜2%と大きい.また各システム単位素子質量・ひずみ当たりの出力は0.04〜0.07W/g/%程度である.さらに,SMA熱エンジンは複雑な機構を必要とせず,低コストでの作製が可能である.
【0008】
【表1】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
<SMA熱エンジンの課題>
上記に挙げたSMA熱エンジンは耐久性に課題があり,SMA素子が103〜104回のサイクルで破断に至る.そのため,SMA熱エンジンは工業的な実用レベルの耐久性を持たず,研究段階のまま実用化には至っていない.耐久性が低い原因は以下の2点が考えられる.
(1)、エンジン出力を大きくするためには負荷ひずみ(図2,E2)を大きく取る必要ある.しかしSMAの疲労寿命は負荷ひずみ1%で104回程度であり,また負荷ひずみの増加はSMA素子の疲労寿命の低下を引き起こす.
(2)、プーリー型およびレシプロ型は機構上,SMA素子に温度分布が生じる.そのためSMA素子の温度変化および形状変化が不均一になり,素子の一部分に過負荷が発生しやすく,疲労寿命低下の要因となる.
これらの課題を解決するためには,低負荷ひずみで高出力が得られ,またSMA素子を均一に加熱−冷却することのできる機構を持つ新しいSMA熱エンジンの開発が必要である.
本発明で提案する新しいSMA熱エンジンは、この問題点を克服し,実用的な耐久性である106回以上のサイクル寿命を有することを目標とする.この熱エンジンが実用化できれば,これまで排熱として処理されてきた低品位熱エネルギーを機械的・電気的エネルギーに変換して回収する排熱回収機構式のSMA式発電装置を構築する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を満足する本発明の排熱回収機構式のSMA熱エンジンとSMA式発電装置の特徴とするところは、図3及び図4に示す実施例のように次の(1)〜(2)の通りである。
(1)、固定中心軸101に回転可能に装着した円筒状容器100内に、形状記憶合金板で成型したゼンマイばね200を巻取り巻戻し自在に収容し、前記ゼンマイばね200の内巻端部200Bを前記円筒状容器100内中心部に位置する前記固定中心軸101に固定装着し、前記ゼンマイばね200の外巻端部200Tを円筒状容器100の内周壁102部に固定装着してなるゼンマイばね型のアクチュエータを一対A1、A2設け、各アクチュエータA1、A2の円筒状容器100内に冷却媒体と加熱媒体を交互に給・排する冷・熱媒体給排装置300を設け、各アクチュエータA1、A2の円筒状容器100の外周室110の外周部をベルト400で巻取り巻戻し可能に連結し、前記アクチュエータA1-A2間のベルト通路500の所定区間501周囲に誘電コイル600を配置し、前記誘電コイル600内を挿通するベルト部401に永久磁石700を固定装着し、前記誘電コイル600に起電流送電回路610、620を接続したことを特徴とするSMA熱エンジン。
(2)、前記SMA熱エンジンを複数基並列配置したSMA式発電装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明は前記の手段のようにゼンマイばね型アクチュエータを利用したSMA式発電装置であり次記のように前記の課題をすべて解決した優れた効果を有する。
(1)、SMAに曲げ方向のひずみを与えた場合の疲労寿命は,曲げひずみ振幅1%で105回以上であり,引張変形よりも有利である.それゆえ,SMA素子の形状をゼンマイばね形状にし,曲げ方向の変形のみを与える.また巻数を多くすることによって動作距離を増大させることができ,低負荷ひずみで高出力(仕事量)が実現できる.
(2)、長尺のSMA素子がゼンマイばね形状に収納された形状であるため,加熱‐冷却を均一に行うことができる.
<期待される効果>
次の実施例に示すSMA式発電装置では、106回以上のサイクル寿命(8時間/日×200日=約3×106サイクル)を持つSMA熱エンジンとなれば,実用的な耐久性を持つ熱エンジンとなる.SMA熱エンジンが実用化できれば,例えば工場など熱機関から未利用のまま排出されている200℃以下の低品位エネルギーを機械的・電気的エネルギーに変換することができる.機械的・電気的エネルギーに変換することにより,需要地へのエネルギー輸送が容易になり,これまで熱源近辺の給湯等にしか使用されていなかったエネルギーの有効活用が期待できる.また,地球温暖化の原因の一つであるCO2の削減効果も大きい,
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明を実施するための最良の形態を以下に示す実施例(具体例)により詳細に紹介する。
【実施例】
【0013】
<高寿命SMA熱エンジンの提案>
前記(1)と(2)の課題を解決した本発明のSMA式発電装置におけるSMA熱エンジンは、図3に示すゼンマイばね型アクチュエータA1、A2の原理を利用したものである。
図3において、ゼンマイばね型アクチュエータA1、A2は、固定中心軸101に回転可能に装着した円筒状容器100内に、形状記憶合金板で成型したゼンマイばね200を巻き取り巻き戻し自在に収容し、前記ゼンマイばね200の内巻端部200Bを前記円筒状容器100内中心部に位置する前記固定中心軸101に固定装着し、前記ゼンマイばね200の外巻端部200Tを円筒状容器100の内周壁102部に固定装着してなるゼンマイばね型としたものである。
つまりゼンマイばね型アクチュエータA1、A2は、ゼンマイばね200が、内巻端部200Bを円筒状容器100の固定中心軸101に固定連結され、外巻端部200Tを円筒状容器100の内周壁102部に固定連結しているので.変態温度以下の温度ではゼンマイばね200の変形力は小さく,円筒状容器100を回転させることでゼンマイばね200を巻くことができる.これを逆変態温度以上にするとゼンマイばね200の形状回復が起こり,その際の巻戻り回復力により円筒状容器100が逆回転する機構である.この機構を用いたゼンマイばね型アクチュエータAは、低負荷ひずみで高出力が得られ,かつ円筒状容器100内に直接冷熱媒体を交互に給排して、又は円筒状容器100内に冷・熱媒体を交互に給排して間接的にゼンマイばね200を均一に加熱−冷却することができる.そのため,ゼンマイばね200は高寿命となり、従来の熱エンジン機構に比べて耐久性に優れた熱エンジンになる.
【0014】
<ゼンマイばね型アクチュエータを用いたSMA熱エンジン>
ゼンマイばね型アクチュエータを用いたSMA熱エンジンは、図4に示す新しい機構となる。
新しい機構のSMA熱エンジンは、図4に示すように一対のゼンマイばね型アクチュエータA1、A2を可撓性のベルト400で連結し、前記アクチュエータA1、A2のベルト通路の所定区間の周囲に誘電コイル600を配置し、前記誘電コイル600内を挿通するベルト部401に永久磁石700を固定装着し、前記誘電コイル600に起電流送電回路610、620を接続することにより、熱エネルギーでゼンマイばね型アクチュエータA1、A2のゼンマイばね200、200の拡縮とその拡縮力によるベルト巻取り・巻戻しを交互に作動させて機械的エネルギーに変換し、機械的エネルギーをベルト部401と永久磁石700と誘電コイル600により電気エネルギーに変換して起電流送電回路610、620で回収するものである.
即ち、SMA熱エンジンは、円筒状容器100内に冷却媒体と加熱媒体を交互に給・排する冷却媒体供給管301と加熱媒体供給管302と排出管303とを主構成とする冷・熱媒体給排装置300により片方のアクチュエータA1を加熱し他方のアクチュエータA2を冷却すると,片方A1のゼンマイばね200の形状回復による収縮巻締めと他方A2のゼンマイばね200の巻戻り反力によりベルト400を片方A1のゼンマイばね200側に巻き取る.次に加熱した片方A1のゼンマイばね200を冷却し,他方A2のゼンマイばね200を加熱すると,ベルト400は他方A2のゼンマイばね200側に巻き取られる.この加熱−冷却のサイクルを繰り返して当該熱エネルギーをベルト400の往復運動という機械的エネルギーに変換する。そしてこの機械的エネルギーをゼンマイばね200間に位置するベルト400による永久磁石700の直線往復運動により,誘電コイル600に誘導電流を誘起し,発電が行われるのである.
【0015】
<前記SMA熱エンジンを使用した本発明のSMA式発電装置>
上記SMA熱エンジンを使用し排熱回収する本発明のSMA式発電装置は、その概略図を図5に示す.同システムは図4で示した前記SMA熱エンジンを複数基並列に配置して起電流送電回路610を統合化するとともに,冷・熱媒体給排装置300を統合化したタンデム式発電装置である。
冷・熱媒体給排装置300は、排熱回収機構式の冷・熱媒体給排装置であり、各SMA熱エンジンのゼンマイばね型アクチュエータA1、A2における円筒状容器100内に又は円筒状容器100内に、冷却媒体と加熱媒体を交互に給・排する冷却媒体供給管301と加熱媒体供給管302と排出管303とを連通統合して、これらの冷・熱給排切替制御機能を有して構成される.
冷却媒体供給管301と加熱媒体供給管302の切替バルブ300Vの操作は、図6に示す例のように、各SMA熱エンジンの切替動作に連動して機械的に行えば外部動力は不要である.
【0016】
図6には各対のゼンマイばね型アクチュエータA1、A2に対する冷・熱給排装置の切替機構の概略図を示す。この切替機構は,一対の前記切替バルブ300VにリミットバーL1、L2を設け、このリミットバーL1、L2をリンクアームRで連結して連動可能にし、リミットバーL1、L2の先部をベルト400上の永久磁石700の往復作動路に蹴り作動可能に隣接する。これにより、ベルト400上の永久磁石700は往作動限位置ではリミットバーL1を蹴ってゼンマイばね型アクチュエータA1側の切替バルブ300Vを冷水供給から熱水供給に切り替え、これと並行してリミットバーL2はリンクアームRを介してリミットバーL1と連動してゼンマイばね型アクチュエータA2側の切替バルブ300Vを熱水供給から冷水供給に切り替える。また永久磁石700は復作動限位置ではリミットバーL2を蹴ってゼンマイばね型アクチュエータA2側の切替バルブ300Vを冷水供給から熱水供給に切り替え、これと並行してリミットバーL1はリンクアームRを介してリミットバーL2と連動してゼンマイばね型アクチュエータA1側の切替バルブ300Vを熱水供給から冷水供給に切り替える。以上を交互に行いゼンマイばね型アクチュエータA1、A2への冷媒・熱媒給排を自動的に行い連続発電作動を行うものである。
【0017】
<排熱回収機構の出力>
例として断面積1mm2,長さ1500mmのSMA材10gと,外径が100mm,中心軸の直径が16mmの容器を用いた場合のゼンマイばね型アクチュエータの出力を試算する.この容器にSMA素子をゼンマイ状に巻いた場合,巻き数は5となり,また最大の曲げひずみは約1%となる.
ここで、一般的に使用されるTi-Ni形状記憶合金の応力-ひずみ曲線から、図2のAおよびc点での応力を100MPa、a点での応力を200MPa,b点での応力を600MPaと仮定し、またb点でのひずみE1を0.2%とする.
利用できるひずみ量は、最大の曲げひずみであるE2とE1の差0.8%であるため、エンジンのストロークは
1500(mm)×0.8(%)×10-2=12(mm)=0.012(m)
である.
また断面積が1mm2であるため、100MPaであれば100Nの力が作用していることになる.
ここから,図2の利用できるエネルギーc→A→a→bは、その面積を台形に近似して概算すると
0.012(m)×((600(N)-100(N))+(200(N)-100(N))×2-1=3.6(N・m)=3.6(J)
と計算される.
2つのゼンマイばね型アクチュエータを使用し,1秒間で引張、1秒間で圧縮を行う、つまり1サイクルを2秒で行ったとすると,仕事率は
3.6(J)×2÷2(s)=3.6(J/s)=3.6(W)
と試算される。
このゼンマイばね型アクチュエータを一対により構成した1基のSMA熱エンジンの出力を試算する.小型の誘電コイルと永久磁石を用いた場合の,運動エネルギーから電気エネルギーへの変換効率を60%とする.1基のSMA熱エンジンの発電量は出力3.6Wの60%である2.16Wであると試算される.この場合,単位素子質量・ひずみ当たりの出力は0.102W/g/%となり,表1で示した他のSMA熱エンジンに比べ高効率な機構である.
25組のSMA熱エンジン(50個のゼンマイねじ型アクチュエータ)を並列に配置したSMA式発電装置(排熱回収機構型)の出力とサイズを試算する.SMA式発電装置の出力は約50Wとなり,小型の街灯を照らすに十分な電力を発生させることができる.また複雑な機構を必要としないため,装置全体のサイズは長さ80cm×幅50cm×高さ30cm程度の大きさになり,低コストで作製可能である.
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のSMA式発電装置は、前記のように優れた効果を呈するため、これまで熱源近辺の給湯等にしか使用されていなかった廃熱エネルギーを電気ネルギーに有効活用できる.また,地球温暖化の原因の一つであるCO2の削減効果も大きいなど地球環境改善・維持産業等に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】工場排熱の温度別排出比率を示したグラフである。左 (a) 冷却時は変態温度以下のためSMAの変形力は小さい。 右 (b) 加熱時は変態温度以上ではSMAは形状回復する。
【図2】SMAの応力−ひずみ関係を示したグラフである。
【図3】ゼンマイばね型SMAアクチュエータの原理の説明図である。
【図4】ゼンマイばね型アクチュエータを用いたSMA熱エンジンの基本原理構成を模式的に示す説明図である。
【図5】SMA熱エンジンを使用し排熱回収するSMA式発電装置の説明図である。
【図6】図5における冷・熱給排装置における切替機構の概略説明図である。
【符号の説明】
【0020】
101 固定中心軸
100 円筒状容器
200 ゼンマイばね
200B 内巻端部
200T 外巻端部
102 内周壁
A1、A2 ゼンマイばね型のアクチュエータ
110 外周室
300 冷・熱媒体給排装置
400 ベルト
500 ベルト通路
501 所定区間
600 誘電コイル
700 永久磁石
610、620 起電流送電回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定中心軸101に回転可能に装着した円筒状容器100内に、形状記憶合金板で成型したゼンマイばね200を巻取り巻戻し自在に収容し、前記ゼンマイばね200の内巻端部200Bを前記円筒状容器100内中心部に位置する前記固定中心軸101に固定装着し、前記ゼンマイばね200の外巻端部200Tを円筒状容器100の内周壁102部に固定装着してなるゼンマイばね型のアクチュエータを一対A1、A2設け、各アクチュエータA1、A2の円筒状容器100内に冷却媒体と加熱媒体を交互に給・排する冷・熱媒体給排装置300を設け、各アクチュエータA1、A2の円筒状容器100の外周室110の外周部をベルト400で巻取り巻戻し可能に連結し、前記アクチュエータA1-A2間のベルト通路500の所定区間501周囲に誘電コイル600を配置し、前記誘電コイル600内を挿通するベルト部401に永久磁石700を固定装着し、前記誘電コイル600に起電流送電回路610、620を接続したことを特徴とするSMA熱エンジン。
【請求項2】
前記SMA熱エンジンを複数基配置したMSA式発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−188654(P2011−188654A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52512(P2010−52512)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(304028726)国立大学法人 大分大学 (181)