説明

SNSを利用した協同購入システムおよび方法

【課題】SNSの会員個人の買物の支払いを、SNSが代行することで、購買力やポイントをSNSに集約させ、これにより得られる利益をSNS会員に還元するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】SNS1のシステム管理コンピュータ5は、提携している店舗4の端末6と、SNS名義のSNS口座3を開設している金融機関2と通信可能に接続され、コンピュータ5は、会員7の支払可能金額を記憶する会員情報DBと、提携店舗の決済機関を記憶する店舗情報DBを含むとともに、店舗4で買い物をする会員7が、SNS口座3を通じた支払いを希望する場合に、代金が支払可能金額内か否かを判定する手段と、前記店舗4の決済機関を店舗情報DBから抽出して、この決済機関へ送金するようにSNS口座3を開設している金融機関2に指示する手段と、買い物をした会員7の支払可能金額を更新する手段を含み構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の会員個人の買物の支払いを、SNSが代行することで、購買力やポイントをSNSに集約させ、これにより得られる利益をSNS会員に還元するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、各種新しいサービスやシステムが出現しており、SNSもそのひとつである。SNSは元来仲間作りを目的とするシステムであるが、単なる人脈形成の手段にとどめず、ビジネスにも利用しようとする動きがある。たとえば、特許文献1には、携帯電話のWebサイトを介して、SNS及び会員制の電子マネーによる決済サービスを提供する会員制Web電子マネーサイト管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−305112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、会員はシステムの管理会社の口座を介して代金の決済をするのであるが、管理会社の口座が決済の代行をすることによる利点に関心が払われていない。決済代行口座を持つ管理会社が1個の仮想的な巨大な消費者と考えれば、スケールメリットを活かした数々の利点(値引き、ポイント加算などの優遇措置)が生ずるはずであるが、会員にこの利点を還元する仕組みが見当たらない。
本発明は、SNS運営主体(以下「SNS」)が個々の会員に代わって支払いの代行をすることで得られる利点を会員に還元することにより、SNSも会員も提携店舗も揃って実益を享受できる仕組みの提案を目的とする。
【0005】
ところで販売促進のためのポイントサービスは、既に各種の小売業者で実施されている。しかしながら、それらは、他人への貸与・譲渡は不可とされ、カードを一定期間使用しなければ無効となる。本発明は、ポイント交換を可能とし、カードが期限切れにより無効となるおそれを減少させる仕組みの提案も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、SNSの会員による商品の購入代金の支払いが、当該SNS名義で金融機関に開設された口座(以下、「SNS口座」)からの引き落としにより行われるSNSを利用した協同購入システムに係るものであって、
商品を提供する提携店舗が使用する店舗コンピュータとインターネットを介しての接続が可能なシステム管理コンピュータの機能によって実現される。システム管理コンピュータは、記憶部と処理部を備え、記憶部は、
会員の識別情報と支払可能金額とを対応づけて記憶する会員情報データベースと、
提携店舗の識別情報と決済機関とを対応づけて記憶する店舗情報データベースと、
提携店舗における会員による購入の履歴を記憶する購入履歴データベースと、
決済日および決済金額を決済機関と対応づけて記憶する決済情報データベースと、
を含んでいる。
処理部は、
前記店舗コンピュータからの販売可否照会要求を、会員識別情報と当該会員が購入を希望する商品の代金とともに受信して前記商品代金が前記会員情報データベースから抽出した当該会員の支払可能金額の範囲内か否かを返答する照会応答手段と、
前記商品代金が前記支払可能金額の範囲内の場合に前記店舗コンピュータから送信されてきた代金を含む購入情報を店舗識別情報とともに前記購入履歴データベースに登録する購入履歴登録手段と、
前記購入情報を送信してきた店舗の決済機関を前記決済情報データベースから抽出して前記SNS口座が開設された金融機関に対して、所定のタイミングで当該SNS口座から前記店舗の決済機関への送金を指示する決済指示手段と、
前記会員情報データベースの各会員について、その支払可能金額の設定と更新を行う支払可能金額管理手段と、
を含んでいる。
「店舗」には、リアルな店舗だけでなく、オンラインショッピングのサイトも含まれる。
「店舗コンピュータ」は、下記の実施形態では店舗端末が相当する。
「商品」には有形の商品だけでなく、無形の商品(サービス)も含まれる。
SNSには、既会員からの招待がないと加入できないタイプと、誰でも加入できるタイプとがあるが、本発明ではいずれでもよい。ただし、対外的な信用の獲得の観点からは、前者が好ましい。
消費者だけでなく、店舗も本システムの会員になることができる。店舗は、生産販売だけでなく、購買も行うからである。もし、店舗が本システムに加入するならば、消費者としての利益だけでなく、SNSを利用して広告宣伝できるという利益も得られる。SNSが基礎とするインターネットの広告宣伝機能は目覚しいものがあるからである。
【0007】
このように、SNSが支払いの窓口となることにより、SNS会員個人の買物は、SNS単一の買い物とみなされ、従って購入主体もSNSになるから、当然にして割引や獲得ポイントもSNSに集約される。
SNSが代理人として購入し支払いを行うので、SNSは「巨大な消費者」とみなすことができる。個々の消費者は売主に比べて圧倒的に弱いのが通常であるが、本システムのSNSは巨大な消費者として強い立場がとれる。通常の消費者よりも割引やポイント獲得などの場面でのスケールメリットも期待できる。このスケールメリットは最終的には会員に還元される。現状のSNSは、経済的な面でSNS運営者から会員への還元は特にないが、本システムは、会員に実利的な利益ももたらすことができる。
さらに、本システムは、SNSを管理主体とすることから、SNSならではの機能を活用できる。例えば、趣味や地域などテーマを決めて掲示板などで交流できる機能、新しくできた知人を登録する機能、サイト内に掲載される広告や、友人に商品・サービスを推薦する機能、等を活用できる。そのため、特に費用をかけなくても会員が増加するという利点がある。会員が増加すればするほど、一個の消費者としてのSNSの立場が強化され、それに伴う会員への還元も豊かなものとなる。また、すぐれた広告機能により、提携する店舗が増加する。このことは、同種の店舗間の競争を促し、会員は良質な商品をリーズナブルな価格で入手できることにつながる。
【0008】
上記の目的を達成するために、前記システム管理コンピュータは、取得ポイントデータベースとポイント管理手段とをさらに備え、前記ポイント管理手段は、会員が商品を購入した提携店舗によって前記SNSに対して発行された有価価値情報を当該店舗の識別情報とともに前記取得ポイントデータベースに登録するとともに、前記会員情報データベースに会員別に取得した有価価値情報を集計して更新登録するとよい。
「有価価値情報」とは、下記の実施形態では「ポイント」が相当する。つまり、さまざまな小売業者が導入しているポイントサービスの「ポイント」である。
【0009】
これにより、SNSに一括してポイントがたまるので、各会員は、たまったポイント(自分が購入したことのない店のポイントもある)の中から気に入ったポイントを利用できる。つまり、事実上のポイント交換が可能になる。
【0010】
上記の目的を達成するために、前記システム管理コンピュータは、前記SNS口座が開設されている金融機関に当該SNS口座に関する入出金情報を照会する入出金照会手段をさらに備え、前記入出金照会手段が、会員の識別情報と入金額を含む入金情報を受信したときに、前記支払可能金額管理手段は、前記会員情報データベースの当該会員の支払可能金額に前記受信した入金額を加算するとよい。
ここで、入金方法としては、通常の振込みと電子マネーによる入金とがある。
【0011】
上記の目的を達成するために、前記支払可能金額管理手段は、当該SNSあるいは与信業務を行う金融機関から所定限度額の信用を供与されている会員について、前記会員情報データベースの当該会員の支払可能金額に信用供与されている限度額内の金額を加算するようにしてもよい。
これにより、SNS口座に預託できるような手持ちの現金がない場合でも、商品の購入ができる。
【0012】
上記の目的を達成するために、前記支払可能金額管理手段は、前記会員情報データベースの支払可能金額に、当該会員の前記取得ポイント数の全部または一部を所定の方法で金額に換算した換算額を加算するようにしてもよい。また、前記会員情報データベースには会員の年齢を示す情報を含み、前記支払可能金額管理手段は、年齢が所定の条件を満たす会員に対してのみ前記換算額の加算をしてもよい。
「年齢を示す情報」とは、下記の実施形態では、生年月日が相当する。
例えば、ポイントの使用は60歳になってから、といった取り決めを設けておくならば、将来の年金代わりともなる。
【0013】
SNSの会員が使用する会員端末は、前記システム管理コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能であり、前記システム管理コンピュータは会員端末からの要求に対して、前記使用可能金額と前記購入履歴を含む当該会員に関する情報を送信する会員情報提供手段をさらに備えるとよい。
これにより、会員は、自分の利用実績などを適宜閲覧できるので、万が一他人による不正があっても早期に被害を把握でき、本システムを安心して利用できる。
【0014】
コンピュータを、上記協同購入システムのシステム管理コンピュータとして動作させる方法も、本発明の目的を達成するものである。
【0015】
本発明は、個々の会員の消費行動をSNSが集約することから、既存の生活協同組合との類似に着目する向きがあるかもしれない。しかし、本システムと生活協同組合とは、次のように似て非なるものである。
生活協同組合は、主として商品を共同で仕入れて組合員へ小売するという共同購買活動を事業として行う。一方本発明では、主体となるSNSつまりシステムは、自らが仕入れや小売を行うことを想定していない。
また、生活協同組合は、地域や大学といった狭い社会でのみの展開にとどまる。これに対し、本発明の場合、通信ネットワークに接続できるならば、居住地がどこであれSNSへの参加が可能となる。つまり本システムは全国展開が可能なのである。また、通信ネットワークを介して会員間で大量の情報交換がなされ、その中には商品や商業主体に関する情報も含まれる。SNSが会員制を採用するならば、情報の信頼性も高い。信頼できる情報に大量に接することにより、参加者は購買意欲を喚起される。本システムは、巨大な1個の仮想的消費主体を作り出し、産業界全体に影響を及ぼす可能性を秘めている。
さらに、生活協同組合によっては店舗利用者にポイントサービスを取り入れるところもあるが、各個人が貯めたポイントは自分で管理して使用する。しかし、本発明では、本システムと提携しているすべての業者(生活協同組合の場合は自店舗に限定される)のポイントサービスが対象であって使い勝手がよい。更に、SNSがポイントを一括して管理しているので、各会員は、種々の業者のポイントを利用できる等の柔軟性がある。
【発明の効果】
【0016】
個々のSNS会員の商品購入代金の支払いを、SNSが代行することで、購買力やポイントをSNSに集約させ、これにより得られる利益をSNS会員に還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る協同購入方法を実現するためのシステムを概略的に示す全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るシステム管理コンピュータの機能を簡略的に示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る会員情報の一例を示すデータ構造図である。
【図4】第1の実施の形態に係る店舗情報の一例を示すデータ構造図である。
【図5】第1の実施の形態に係る購入履歴情報の一例を示すデータ構造図である。
【図6】第1の実施の形態に係る決済情報の一例を示すデータ構造図である。
【図7】第1の実施の形態に係る協同購入方法の全体の処理概要を説明する図である。
【図8】第1の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係るシステム管理コンピュータの機能を簡略的に示すブロック図である。
【図12】第2の実施の形態に係る店舗情報の一例を示すデータ構造図である。
【図13】第2の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態に係る購入履歴情報の一例を示すデータ構造図である。
【図15】第2の実施の形態に係る会員情報の一例を示すデータ構造図である。
【図16】第2の実施の形態に係る取得ポイント情報の一例を示すデータ構造図である。
【図17】第2の実施の形態で用いられるシステム管理コンピュータにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この実施の形態のシステム(以下「本システム」)を概略的に示す全体構成図であり、図2は、本システムに用いられるシステム管理コンピュータにおける構成を簡略的に示す機能ブロック図である。
本実施形態では、SNSの加入者7(以下、「SNS会員」という)が、SNS運営者1がSNS名義で金融機関2に開設したSNS口座3に資金を預託し、SNS運営者1から提携店舗として指定された店舗4から商品を購入する際、預託した資金の範囲内で、SNS口座3を介して代金の支払いを行う場合について説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態で用いる協同購入システムは、SNS運営者1が設置し、このシステムで必要な各種データとプログラムを格納したシステム管理コンピュータ5と、SNS口座3を開設した金融機関2の端末と、SNS口座3を介して購入代金の支払いを受ける店舗が利用する店舗端末6と、SNS口座3に資金を預託し、同口座より購入代金の引き落としが行われるSNS会員7が利用する会員端末8とを有する。そして、システム管理コンピュータ5は、店舗端末6及びSNS会員端末8と、インターネット、有線電話回線、無線電話回線、CATV(cable television)回線などの通信回線網Nを介して情報の授受が可能に構成されている。
【0020】
ここで、店舗端末6とは、システム管理コンピュータ5と情報の授受が可能に接続された店舗が所有するパソコンや携帯電話などをいう。本実施の形態では、店舗がこれらの端末を介して行った行為を含め、店舗の行為を単に「提携店舗」と称して説明することがある。
会員端末8とは、システム管理コンピュータ5と情報の授受が可能に接続された会員が所有するパソコンや携帯電話などをいう。本実施の形態では、会員がこれらの端末を介して行った行為を含め、会員の行為を単に「SNS会員」と称して説明することがある。
会員および店舗と、システム管理コンピュータ5との情報の送受信はもっぱらWebページを介して行うので会員端末8および店舗端末6は画面表示手段とWebブラウザと呼ばれるソフトウェアを備えていることが必要である。なお、SNSのようにインターネットを利用したシステムは、HTML言語で記述されたファイルを読みこんで画面に表示させ、これをユーザインターフェースとするのが通常である。したがって、以下、ユーザインターフェースに関する説明は省略する。
【0021】
このシステム管理コンピュータ5は、図2に示すように、記憶部9、処理部10、通信インターフェース手段11から構成される。
記憶部9は、少なくとも会員情報データベース12と、店舗情報データベース13と、購入履歴データベース14と、決済情報データベース15から構成されている。この記憶部9は、ハードディスクドライブ装置あるいはシステム管理コンピュータ5とは別体のデータベースサーバなどによって実装される。
【0022】
処理部10は、少なくとも会員情報登録手段16と、店舗情報登録手段17と、入出金照会手段18と、支払可能金額管理手段19と、照会応答手段20と、購入履歴登録手段21と、決済指示手段22と、会員情報提供手段23から構成されている。これらの処理部10の各手段は、主として図示しないCPUが所定のプログラムをCD−ROMなどの記憶媒体からメモリ上に読みこんで実行することにより実現される。
【0023】
また、システム管理コンピュータ5は、図示しないが、オペレーティング・システム、各種アプリケーションプログラム、各種データ、およびWebページを記述したHTMLファイルをハードディスクドライブ装置、RAMなどに記憶している。また、キーボードやマウスなどの入力手段とディスプレイやプリンタなどの出力手段も適宜備える。
なお、システム管理コンピュータ5の機能は、複数のコンピュータに分散させてもよい。たとえば、会員および店舗との情報の送受信はもっぱらWebページを介して行うが、このWebサイトを管理するWebサーバを別個に設けてもよい。
【0024】
会員情報登録手段16は、SNSに加入している者であって、本システムを利用して提携店舗での買い物をしようとするSNS会員に関する個人情報を受付け、会員情報データベース12にこれらの情報を記憶する。
ここで、SNS会員に関する情報とは、本システムが会員に対して付与した会員IDや、住所・氏名などの会員を特定できる情報、会員の所定期間内に購入可能な金額を示す支払可能金額などの本システムが購入可否を判定するために参照できる情報をいう。なお、会員IDは、会員情報登録手段16が予め決められた規則に基づいて発行する。
【0025】
店舗情報登録手段17は、本システムと提携し、購入代金の支払いをSNS口座3を介して受けようとする提携店舗に関する情報を受付け、本システムが店舗に対して付与した店舗IDとともに、店舗情報データベース13にこれらの情報を記憶する。
なお、店舗IDは、店舗情報登録手段17が予め決められた規則に基づいて発行する。
【0026】
入出金照会手段18は、金融機関2が管理しているSNS口座3に対する入金、出金、振替、振込などの取引内容を照会する処理を行う。SNS口座3に対する入金としては、会員からの振込み、あるいは電子マネーを利用した形態の口座間の資金移動などがある。
【0027】
支払可能金額管理手段19は、前記会員情報データベース12の各会員について、その支払可能金額の設定と更新処理を行う。入出金照会手段18によって会員からのSNS口座3への入金情報を取得したならば、当該会員の支払可能金額に、取得された入金額を加算する。
【0028】
照会応答手段20は、提携店舗において、いずれかの会員が買い物をしようとする際、SNS口座3を介しての決済の可否についての提携店舗からの照会を受付け、SNS口座3からの支払い代行が可能か否かを判断し、提携店舗に通知する処理を行う。
すなわち、店舗端末6が買い物をしようとしている会員の会員IDと商品の金額を送信してくるので、この会員IDをキーとしてデータベースから支払可能金額を抽出し、この金額が商品の金額より少なくなければSNS口座3からの決済が可能であると判断し、店舗端末6に対して支払代行が可能な旨を送信する。
【0029】
購入履歴登録手段21は、照会応答手段20が決済可能である旨を送信した会員による購入情報が店舗端末6から送信されてくると、この情報を受信しデータベースに登録する処理を行う。
すなわち、店舗IDとともに、当該会員の会員IDと、購入商品および購入金額を含む購入情報が送信されてくるので、購入履歴データベース14に登録するとともに、会員情報データベース12の当該会員の支払可能金額から購入金額を差し引いて、更新後の支払可能金額を書き込む。あわせて、店舗IDに基づき店舗情報データベース13を参照して、決済情報データベース15に、当該店舗の口座番号と決済金額と決済日を登録する。決済日は、当該店舗を提携店舗として登録する際にあらかじめ取り決めておく。たとえば、即日とか、月末締めの翌月27日払いとかである。
【0030】
決済指示手段22は、決済情報データベース15を参照して、決済日が到来したならば、SNS口座3が開設された金融機関2に対して、SNS口座3から当該店舗の決済機関への送金を指示する処理を行う。
システム管理コンピュータ5としては、SNS口座3の開設された金融機関2に対して店舗が開設した口座への資金移動を依頼する信号を送信するだけでよい。口座間の資金移動は、ネットバンキングなどの既存のシステムを利用すればよい。
【0031】
会員情報提供手段23は、会員端末8からの問い合わせに対して、前記使用可能金額と前記購入履歴を含む当該会員に関する情報を送信する処理を行う。
【0032】
会員情報データベース12は、たとえば図3に示すように、会員IDと対応づけて、会員名、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日といった個人情報とともに、当該会員がSNS口座3を介した買い物が可能な支払可能金額が記憶される。他に、会員の個人口座に関する情報、会員本人と認証するための暗証番号や指紋データなどの認証情報も適宜記憶される。
【0033】
店舗情報データベース13は、たとえば図4に示すように、店舗IDに対応づけて、所在地・名称・電話番号などの店舗を特定できる情報、店舗が金融機関に開設した金融機関名・口座番号・口座種別などの口座を特定できる情報が記憶される。他に、正当な店舗であることを認証するための情報も適宜記憶される。
【0034】
購入履歴データベース14は、たとえば図5に示すように、システムが付与した購入IDとともに、誰が・どの店で・何時・何を・いくらで購入したかが記憶される。また、支払い済みか否かを示す情報も記憶される。
【0035】
決済情報データベース15は、たとえば図6に示すように、購入というイベントを特定するID,何時・いくらを・どこに振り込むかを示す情報が記憶される。
【0036】
次に、上述のように構成された本システムにおける処理の概要を図7を参照しながら説明する。
SNSの運営者は、いずれかの金融機関2にSNS口座3を開設する(ステップ〔A〕) 。このSNS口座3は、会員の購入代金の支払いを代行する口座であって、開設されている金融機関名、口座番号、口座の種別が会員に周知される。
【0037】
このシステムを利用して商品の購入をしたいと希望するSNSの参加者は、SNS運営者に本システムの会員登録をする(ステップ〔B〕)。会員登録手段は、必要な情報を会員情報データベース12に記憶させる。例えば図3に示すように、氏名が「○山□夫」、住所が「渋谷区西1−1−1」、電話番号が「0300010002」、メールアドレスが「Az@bbb.jp」の会員が新規登録され、本システムによって付与された「0123」という会員IDと対応づけて記憶される。
なお、本システムの会員は、当該SNSの参加者であれば上記の登録をすることによって誰でもなれるようにしてもよく、本システムの審査にパスした者のみが会員となれるようにしてもよい。
【0038】
会員登録をした者は、SNS口座3に所定のあるいは任意の金額を入金する(ステップ〔C〕) 。入金方法は、振込みでも、電子マネーを利用した方法でも何でもよい。誰がいくらの金額をSNS口座3に入金したのかが、入出金照会手段18によって把握され、会員情報データベース12の支払可能金額の欄が更新される。図3の中段に示す例では、会員「○山□夫」は、現在SNS口座3に30000円入金していることが示されている。会員は、高額の買い物をしようとする場合、支払可能金額が減少した場合など、適当なタイミングで何回でもSNS口座3に入金をする。
【0039】
本システムを利用してSNS口座3からの支払代行サービスを受けようとする店舗は、SNS運営者に本システムの提携店舗として登録をする(ステップ〔D〕)。店舗情報登録手段17は、必要な情報を店舗情報データベース13に記憶させる。例えば図4に示すように、名称が「◎○書店」、住所が「新宿区南2−2」、電話番号が「0310002000」の店舗が新規登録され、本システムによって付与された「S1001」という店舗IDと対応づけて記憶される。
【0040】
以上の、ステップ〔A〕、〔B〕、〔C〕および〔D〕の処理がなされた後、登録された会員は登録された提携店舗にて買い物をし、代金支払いをSNSに代行してもらうことができる。ここで、ステップ〔B〕とステップ〔D〕の処理は、新規に登録する会員や店舗が現れる都度、任意のタイミングで行われる。
【0041】
次に、会員が、提携店舗にて買い物をしようとする(ステップ〔E〕)。買い物の形態は、複数が考えられる。
たとえば、
第1に、SNSの会員になった際に会員IDを記載したカードを発行されている場合、購入しようとする商品を決めた後、店舗にこのカードを提示するとともに、システム管理コンピュータ5と通信可能に接続された状態の店舗端末6に会員本人が認証情報を入力する形態、
第2に、購入しようとする商品を決めた後、システム管理コンピュータ5と通信可能に接続された状態の店舗端末6に会員本人が会員IDと認証情報を入力する形態、
第3に、提携店舗が開設するネットショッピングサイトに、会員が自分の端末からアクセスし、購入しようとする商品を特定するとともに、会員IDと認証情報を入力する形態、
などが考えられる。
本システムでは、どのような形態で買い物をするかは問わないが、上記の第2、第3の方法は、カードが不要であるため、システムにとってカード発行の手間が省け、会員にとってカードの紛失のおそれが無いなど利点が多い。
【0042】
店舗は、システム管理コンピュータ5に、購入を希望する会員IDと購入希望商品の代金を送信する(ステップ〔F〕)。
照会応答手段20は、受信した会員IDに基づき会員情報データベース12を参照し、当該会員の支払可能金額を抽出する。送信された商品代金が支払可能金額以下であるならば、SNSによる代行決済が可能であるため、店舗側に購入可であることを送信する(ステップ〔G〕)。
【0043】
本システムから当該会員による購入可を受信した店舗は、商品を販売するとともに、システム管理コンピュータ5に対して、販売した商品、商品代金、販売日などの購入履歴情報を送信する(ステップ〔H〕)。
システム管理コンピュータ5の購入履歴登録手段21は、受信した情報を購入履歴データベース14に登録し、支払可能金額管理手段19は、会員情報データベース12の支払可能金額を更新し、決済指示手段22は、決済情報データベース15に当該店舗の口座情報と金額と決済日とを登録する(ステップ〔I〕)。
【0044】
決済指示手段22は、定期的に決済情報データベース15を参照し、決済日が到来した要決済データが見つかれば、SNS口座3を開設してある金融機関2に対して、SNS口座3から該当する店舗の口座への資金移動を依頼する(ステップ〔J〕)。
依頼された金融機関2は、金融機関同士の取り決めに従い、依頼された店舗口座へ資金を移動する(ステップ〔K〕)。
なお、既存のインターネットバンキングの仕組みを利用すれば、口座間の資金移動が簡便にできる。
【0045】
以上が、SNS会員が提携店舗にて買い物をし、その代金の決済がSNSによって代行されるまでの概要である。
提携店舗にとっては、SNSという仮想的な巨大な消費者と取引をすることができ、確実に代金の支払いを受けることができる。提携店舗は、このような有力な消費者を顧客としてつなぎとめておくために、値引きや会員限定プレゼントといった付加価値を設けることが多く、会員は、このようなスケールメリットを享受できる。例えば、本来の商品代金は1000円であるが、SNS口座3を利用することの見返りに1割引きにされたとする。値引きされた100円のうち、2割(20円)はSNS側で手数料として受け取るとともに、残る8割(80円)は、当該会員の支払可能金額に戻すとするならば、会員は、
1000円の商品を920円で購入したことになる。
このように、本システムは、提携店舗にとっても、会員にとっても、手数料を受け取れるSNSにとっても、利益がもたらされるシステムであり、個人消費の拡大に寄与するものである。
【0046】
次に、以上のような構成のシステムにおけるシステム管理コンピュータ5での動作の一例を説明する。
システム管理コンピュータ5の処理は、
第1に、店舗および会員を登録・更新するための処理、
第2に、図7のステップ〔C〕に対応する会員からの入金をシステム側で把握するための処理、
第3に、ステップ〔F〕〜〔I〕に対応する会員による購入に対応した処理、
第4に、ステップ〔J〕に対応する金融機関に決済を指示する処理
に大別され、これらの処理はそれぞれ独立に実行される。
【0047】
会員の登録処理は、登録を希望する会員が本システムにアクセスし、会員登録のためのwebページを会員端末8に表示させ、氏名、メールアドレスなどの所定の情報を入力することによって、会員情報登録手段16が入力された情報を会員情報データベース12に記憶させる。提携店舗の登録処理も同様に行われる。会員情報の登録例は図3に、店舗情報の登録例は図4に示すとおりである。
【0048】
図7のステップ〔C〕に対応する会員からの入金をシステム側で把握するための処理を図8に従い説明する。
入出金照会手段18は、予め決めたタイミング(例えば、毎日1回午前9時など)でSNS口座3を開設している金融機関2に所定期間内の入金に関する情報を照会する(ステップS1)。新規の入金情報があれば(ステップS2で‘有り’)、会員IDなどの会員を特定する情報に基づき、会員情報データベース12を検索する(ステップS3)。もし、該当する会員のレコードが存在しなければ(ステップS4で‘no’)、会員からの入金ではないと判断し、エラー処理などの適宜の処理をする。該当する会員のレコードが存在すれば(ステップS4で‘yes’)、当該会員の支払可能金額を抽出し、入金額を加算して更新する(ステップS5)。ステップS3以降の処理を、新規の入金データがなくなるまで繰り返す。
【0049】
続いて、ステップ(F)〜(I)に対応する会員による購入に対応した処理を図9に従い説明する。なお以下の説明に於いて、表記「U*」はユーザ即ち会員或いは店舗の処理を示し、表記「ステップS*」はシステム管理コンピュータ5の処理を示す。
【0050】
店舗は、会員から商品購入の意思表示を受けると(U1)、システム管理コンピュータ5に、購入を希望する会員IDおよび認証情報と購入希望商品の代金を、店舗IDとともに送信する(U2)。
照会応答手段20は、受信した会員IDおよび認証情報が一致する会員データを会員情報データベース12から検索する。あわせて、受信した店舗IDと一致する店舗データを店舗情報データベース13から検索する(ステップS31)。会員と店舗の少なくとも一方がデータベースに存在しなければ(ステップS31で‘no’)、本システムを用いた購入は認めず(ステップS32)、店舗側は、販売しないか、現金決済などの他の支払い方法による販売に応ずる等の対応をする。
【0051】
会員が提携店舗で買い物をしようとしている場合(ステップS31で‘yes’)、会員IDに基づき会員情報データベース12を参照し、当該会員の支払可能金額を抽出し、送信された商品代金が支払可能金額の範囲内であるかを判定する(ステップS33)。支払可能金額内であるならば(ステップS33で‘yes’)、SNSによる代行決済が可能であるため、店舗側に購入可であることを送信する(ステップS35)。もし、支払可能金額を上回る場合は(ステップS33で‘no’)、購入不可であることを送信し(ステップS34)、店舗側は、販売しないか、現金決済などの他の支払い方法による販売に応ずる等の対応をする。
【0052】
システム管理コンピュータ5から当該会員による購入可を受信した店舗は、SNS会員に本システムを利用できる旨を通知し(U3)、購入の意思を確認(U4)した後、希望する商品を販売するとともに、システム管理コンピュータ5に対して、販売した商品、商品代金、販売日などの購入情報を店舗ID、会員IDとともに送信する(U5)。システム管理コンピュータ5は、これらの情報を受信すると、購入履歴登録手段21は、受信した情報を購入履歴データベース14に登録し(ステップS36)、支払可能金額管理手段19は、会員情報データベース12の支払可能金額欄の数値から商品代金を減額して更新し(ステップS37)、決済指示手段22は、決済情報データベース15に当該店舗の口座情報と金額と決済日とを登録する(ステップS38)。
【0053】
例えば店舗IDがS1001の店舗にて会員IDが0123の会員が平成20年12月30日に6000円の漢和辞典を購入した履歴は、図5のように購入履歴データベース14に記録される。ここで、本システムによって購入ID「E0012」が発行されて、他の購入履歴と識別される。この例では、会員情報データベース12は、図3の下段のように、購入前の30000円から代金6000円が減額された24000円が現在の支払可能金額として更新される。また、決済情報は、図6に例示するように記憶される。購入ID「E0012」に対応する支払いは、平成21年1月31日に6000円を店舗IDがS1001の店舗の口座(店舗情報データベース13から抽出した口座情報:aa銀行に開設した普通預金口座0123456)に振り込むべきことが記録される。
【0054】
購入と同時に支払う旨の取り決めが本システムと店舗との間でなされている場合は、ただちに決済されるが、それ以外の場合は、決済情報データベース15に登録しておき、後日決済日が到来したときに処理をする〔図7のステップ〔J〕の処理)。
この処理について図10に従い説明する。
【0055】
決済指示手段22は、予め決めたタイミング(例えば、毎日午前9時)で決済情報データベース15を参照する(ステップS51)。本日決済すべきデータがあれば(ステップS52で‘有り’)、金額と送金先の口座情報を取り出して(ステップS53)、SNS口座3を開設してある金融機関2に送信し、当SNS口座3からの資金移動を依頼する(ステップS54)。例えば、本日が平成21年1月31日であれば、図6に示すように購入ID「E0012」が決済日到来である。そのため、金融機関2に対して、6000円をSNS口座3から、aa銀行の普通預金口座01233456へ送金するように依頼する。
次に、当該決済データの購入IDと同一のIDをもつ購入履歴データを購入履歴データベース14から抽出して、決済フラグ欄を更新する(ステップS55)。例えば、図5の例では、購入ID「E0012」が決済されたので、決済フラグ0が下段のように、決済済みを示す1に更新される。
ステップS53以降の処理を、決済すべきデータがなくなるまで繰り返す。
【0056】
会員が自分の現在の支払可能金額や過去の購入履歴などを参照したい場合は、次のようにする。
システム管理コンピュータ5は、会員からの閲覧要求に対応するためのWeb画面データ(図示せず)を用意し、記憶手段に格納しておく。会員は、このWeb画面を介して自分の会員IDと認証情報を入力して問い合わせをすると、会員情報提供手段23は、正当な会員か否かを確認する。会員IDが一致するデータを会員情報データベース12、購入履歴データベース14から抽出して会員端末8に送信する。
【0057】
(第2の実施形態)
本発明の他の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この第2の実施の形態は、提携店舗が顧客に対してポイントを発行し、顧客である会員はこのポイントを買い物の際に利用できる点で、上記の第1の実施の形態と相違する。つまり、ポイントシステムを加味した点以外は、第1の実施の形態と変わるところはないので、以下の説明において、同一の機能の要素(例えば「入出金照会手段18」)については同一の符号を用いるとともに、説明を省略する。
図11は、本実施形態のシステムに用いられるシステム管理コンピュータ101における構成を簡略的に示すブロック図である。
【0058】
このシステム管理コンピュータ101は、図11に示すように、記憶部102、処理部103、通信インターフェース手段11から構成される。
記憶部102は、少なくとも会員情報データベース104と、店舗情報データベース105と、購入履歴データベース106と、決済情報データベース15と、取得ポイントデータベース107から構成されている。
【0059】
処理部103は、少なくとも会員情報登録手段16と、店舗情報登録手段108と、入出金照会手段18と、支払可能金額管理手段19と、照会応答手段20と、購入履歴登録手段109と、決済指示手段22と、会員情報提供手段23と、ポイント管理手段110から構成されている。
【0060】
本実施形態は、ポイントシステムを取り入れたことにより、提携店舗を登録する際に、店舗情報登録手段108は、当該店舗がポイントを発行しているか否か、発行している場合はポイントの換算率、有効期限も店舗情報データベース105に記憶する。
図12の例では、例えば、A商店とB商店は、換算率が1/100のポイントシステムを採用し、C商店は、換算率が5/100のポイントシステムを採用している。ここで、換算率が1/100とは、100円分購入すると1円分と換金可能なポイント1がつくことを意味する。同様に、換算率が5/100とは、100円分購入すると5円分と換金可能なポイント5がつくことを意味する。A商店とB商店の1ポイントは100円の買い物に対応するが、C商店の1ポイントは20円の買い物に対応する。
【0061】
次に、本システムの会員がポイント制を採用している店舗で買い物をした場合の、システム管理コンピュータ101の処理を図13に従い説明する。
店舗端末6から、販売した商品、商品代金、販売日などの購入履歴情報とともに付与されたポイント数を店舗ID、会員IDとともに受信する(ステップS101)。この処理は、第1の実施形態の図9のステップS36に対応する。
購入履歴登録手段109は、受信した情報を購入履歴データベース106に登録する(ステップS102)。図14の例では、3000円の商品を購入して30ポイントが与えられたことが示されている。
【0062】
ポイント管理手段110は、会員情報データベース104から購入した会員の現在の取得ポイントに新たに付与されたポイント数を加算して更新する(ステップS103)とともに、取得ポイントデータベース107を更新する(ステップS104)。図15の例では、更新前の120ポイントが150ポイントになったことが示されている。この例では、ポイント数とともに、取得ポイントに対応する購入金額も合わせて記憶されている。
取得ポイントデータベース107は、図16に例示するように、店舗IDと対応付けて、当該店舗の累積ポイント数、および店舗情報データベース105から抽出した換算率を記憶する。ここで、累積ポイント数を換算率で除した値が、当該店舗におけるポイント取得のもとになった購入金額である。図16のIDが「S1012」の店舗における購入金額は、24000円(=240/(1/100))である。
また、当該店舗のポイントを最初に利用した日と最新の利用をした日も記憶する。また、最新の利用をした日から有効期限(この例では1年)を加算した日を利用期限として記憶する。ポイント制を採用する場合、長期間不使用のときは、取得済みのポイントを無効にする規約を定めることが多いので、日付のチェックは欠かせないからである。
【0063】
ここで、取得ポイントデータベース107はSNS全体として、どの店舗でどれだけのポイントを取得したかを記録するもので、どの店舗でどの会員がポイントを取得したかという情報は不要である。会員情報データベース104には、トータルでどれだけのポイントを取得したかが記録されるが、そのポイントはどの店舗で取得したかという情報は不要である。
【0064】
次に、本システムの会員が、ポイント制を採用している店舗で取得済みのポイントを利用した買い物をする場合の、システム管理コンピュータ101の処理を図17に従い説明する。
店舗端末6から会員が使用を希望するポイント数を、会員IDおよび店舗IDとともに受信する(ステップS111)。
ポイント管理手段110は、店舗IDに基づいて、取得ポイントデータベース107から累積ポイント数と利用期限とを取り出す(ステップS112)。
累積ポイント数が使用希望ポイント数未満の場合、あるいは利用期限を経過している場合(ステップS113でno)は、店舗端末6に使用不可の旨を送信する(ステップS114)。
【0065】
累積ポイント数が使用希望ポイント数以上であり、かつ、利用期限を経過していない場合(ステップS113でyes)は、会員IDに基づき会員情報データベース104から当該会員の取得ポイント数を取り出す(ステップS115)。
会員個人の累積ポイント数が使用希望ポイント数未満の場合(ステップS116でno)は、店舗端末6に使用不可の旨を送信する(ステップS114)。それ以外の場合(ステップS116でyes)は、店舗端末6に使用可の旨を送信する(ステップS117)。
提携店舗によってポイントの換算率が異なる場合は、ステップS116の判定処理は次のようにする。その店舗のポイント換算率を店舗情報DB107から取り出し、このポイント換算率で使用希望ポイント数を除し、ポイント使用希望金額を求める。会員情報データベース104から取り出した当該会員の購入金額が、ポイント使用希望金額を下回っていなければ、ポイント使用可と判定する。つまり、すべての提携店舗の換算率が等しければ、ポイント数同士を比較すればよいが、提携店舗によって異なるときは、ポイント数を金額に換算してから比較するわけである。
【0066】
上記第2の実施の形態では、会員は取得した範囲内であればポイントの利用できるものとして説明したが、年齢制限を設けてもよい。たとえば、図17のステップS116の判定処理において、会員情報データベース104から生年月日を取り出し、予め定めた年齢範囲にある場合のみポイントの使用を認めてもよい。仮に、60歳以上でなければポイントの使用ができないと定めておくならば、蓄積されたポイントをあたかも年金のように使用できる。若くて収入が多く消費意欲が高いときに蓄積したポイントによって、老後の収入の減少を補うことも可能である。これも本システムの利点のひとつにあげられる。
【0067】
上記第2の実施の形態では、商品を購入する際、全部又は一部の支払いにポイントを利用する。ポイントを使用しない部分は、支払可能金額の範囲内でSNS口座3からの決済が前提となっている。しかし、取得したポイントを金額に換算して、各会員の支払可能金額に組み入れ、代金の全額をSNS口座3から決済するようにしてもよい。取得ポイントを支払可能金額に組み入れるに際し、年齢制限を設けてもよい。
【0068】
上記の実施の形態では、支払可能金額の裏づけとなるのは、SNS口座3に預託してある金額、あるいはSNS口座3に預託してある金額と取得ポイントの換算額との和である。しかし、SNSが会員に対して一定額以内の信用を供与し、後日SNS口座3に対してSNSが立て替えた金額を返済させるようにしてもよい。つまり、SNSが店舗への支払いを肩代わりし、後日会員に請求する。いわゆるクレジット機能であるが、SNSが直接信用供与する代りに、SNSと提携する金融機関が会員に信用供与をしてもよい。
【0069】
要は、本発明のシステムでは、SNSが会員の支払いを代行し、ポイントも一括して管理し、SNSがあたかも1個の巨大な消費者であるかのように振舞う点が重要なのである。したがって、上述した各実施形態におけるデータベースのデータ構造や処理フローは一例にすぎず、これに限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
普及しつつあるSNSを活用し、消費者にとっても、生産者・販売者にとっても利点が有る協同購入システムの形成によって、個人消費の拡大が見込める。
【符号の説明】
【0071】
1 SNSの運営主体
2 SNS口座の開設される金融機関
3 SNS口座
4 提携店舗
5 (第1の実施の形態の)システム管理コンピュータ
6 店舗端末
7 SNS会員
8 会員端末
9 記憶部
10 処理部
11 通信インターフェース手段
12 会員情報データベース
13 店舗情報データベース
14 購入履歴データベース
15 決済情報データベース
16 会員情報登録手段
17 店舗情報登録手段
18 入出金照会手段
19 支払可能金額管理手段
20 照会応答手段
21 購入履歴登録手段
22 決済指示手段
23 会員情報提供手段
N 通信ネットワーク
101 (第2の実施の形態の)システム管理コンピュータ
102 記憶部
103 処理部
104 会員情報データベース
105 店舗情報データベース
106 購入履歴データベース
107 取得ポイントデータベース
108 店舗情報登録手段
109 購入履歴登録手段
110 ポイント管理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SNSの会員による商品の購入代金の支払いが、当該SNS名義で金融機関に開設された口座(以下、「SNS口座」)からの引き落としにより行われるSNSを利用した協同購入システムであって、
前記協同購入システムの管理コンピュータと商品を提供する提携店舗が使用する店舗コンピュータとは、インターネットを介しての接続が可能であるとともに、前記管理コンピュータは、記憶部と処理部を備え、
前記記憶部は、
会員の識別情報と支払可能金額とを対応づけて記憶する会員情報データベースと、
提携店舗の識別情報と決済機関とを対応づけて記憶する店舗情報データベースと、
提携店舗における会員による購入の履歴を記憶する購入履歴データベースと、
決済日および決済金額を決済機関と対応づけて記憶する決済情報データベースと、
を含み、
前記処理部は、
前記店舗コンピュータからの販売可否照会要求を、会員識別情報と当該会員が購入を希望する商品の代金とともに受信して前記商品代金が前記会員情報データベースから抽出した当該会員の支払可能金額の範囲内か否かを返答する照会応答手段と、
前記商品代金が前記支払可能金額の範囲内の場合に前記店舗コンピュータから送信されてきた代金を含む購入情報を店舗識別情報とともに前記購入履歴データベースに登録する購入履歴登録手段と、
前記購入情報を送信してきた店舗の決済機関を前記決済情報データベースから抽出して前記SNS口座が開設された金融機関に対して、所定のタイミングで当該SNS口座から前記店舗の決済機関への送金を指示する決済指示手段と、
前記会員情報データベースの各会員について、その支払可能金額の設定と更新を行う支払可能金額管理手段と、
を含み構成されることを特徴とするSNSを利用した協同購入システム。
【請求項2】
前記管理コンピュータは、取得ポイントデータベースとポイント管理手段とをさらに備え、
前記ポイント管理手段は、会員が商品を購入した提携店舗によって前記SNSに対して発行された有価価値情報を当該店舗の識別情報とともに前記取得ポイントデータベースに登録するとともに、前記会員情報データベースに会員別に取得した有価価値情報を集計して更新登録する
ことを特徴とする請求項1に記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項3】
前記管理コンピュータは、前記SNS口座が開設されている金融機関に当該SNS口座に関する入出金情報を照会する入出金照会手段をさらに備え、
前記入出金照会手段が、会員の識別情報と入金額を含む入金情報を受信したときに、前記支払可能金額管理手段は、前記会員情報データベースの当該会員の支払可能金額に前記受信した入金額を加算する
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項4】
前記支払可能金額管理手段は、当該SNSあるいは与信業務を行う金融機関から所定限度額の信用を供与されている会員について、前記会員情報データベースの当該会員の支払可能金額に信用供与されている限度額内の金額を加算する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項5】
前記支払可能金額管理手段は、前記会員情報データベースの支払可能金額に、当該会員の前記取得ポイント数の全部または一部を所定の方法で金額に換算した換算額を加算する
ことを特徴とする請求項2に記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項6】
前記会員情報データベースには会員の年齢を示す情報を含み、前記支払可能金額管理手段は、年齢が所定の条件を満たす会員に対してのみ前記換算額の加算をする
ことを特徴とする請求項5に記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項7】
SNSの会員が使用する会員端末は、前記管理コンピュータと通信ネットワークを介して接続可能であり、
前記管理コンピュータは会員端末からの要求に対して、前記使用可能金額と前記購入履歴を含む当該会員に関する情報を送信する会員情報提供手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のSNSを利用した協同購入システム。
【請求項8】
SNSの会員による商品の購入代金の支払いが、当該SNS名義で金融機関に開設された口座(以下、「SNS口座」)からの引き落としにより行われるSNSを利用した協同購入を行うために、
商品を提供する提携店舗が使用する店舗コンピュータとインターネットを介しての接続が可能なコンピュータによって行われる方法であって、
前記コンピュータは、
会員の識別情報と支払可能金額とを対応づけて記憶する会員情報データベースと、
提携店舗における会員による購入の履歴を記憶する購入履歴データベースと、
提携店舗の識別情報と決済機関とを対応づけて記憶する決済情報データベースと、
を含む記憶手段と接続するとともに、
前記店舗コンピュータからの販売可否照会要求を、会員識別情報と当該会員が購入を希望する商品の代金とともに受信して前記商品代金が前記会員情報データベースから抽出した当該会員の支払可能金額の範囲内か否かを返答するステップと、
前記商品代金が前記支払可能金額の範囲内の場合に前記店舗コンピュータから送信されてきた代金を含む購入情報を店舗識別情報とともに前記購入履歴データベースに登録するステップと、
前記購入情報を送信してきた店舗の決済機関を前記決済情報データベースから抽出して前記SNS口座が開設された金融機関に対して、所定のタイミングで当該SNS口座から前記店舗の決済機関への送金を指示するステップと、
前記会員情報データベースの各会員について、その支払可能金額の設定と更新を行うステップと、
を含む処理を行うことを特徴とするSNSを利用した協同購入方法。
【請求項9】
前記記憶手段は、取得ポイントデータベースをさらに含むとともに、
前記コンピュータは、さらに、会員が商品を購入した提携店舗によって前記SNSに対して発行された有価価値情報を当該店舗の識別情報とともに前記取得ポイントデータベースに登録するとともに、前記会員情報データベースに会員別に取得した有価価値情報を集計して更新登録するステップを
実行することを特徴とする請求項8に記載のSNSを利用した協同購入方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−244222(P2010−244222A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90663(P2009−90663)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(500481732)株式会社メキキ (15)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)