TVディスプレイのオーバースキャンエリアにおける再生可能性を改善するための方法および装置
テレビ(TV)モニタまたは受信器は、普通、ビデオ信号のアクティブ部分のみを表示し、一般には、HBI(水平帰線消去期間)および/またはVBI(垂直帰線消去期間)は表示されない。しかしながら、一部のTVディスプレイでは、帰線消去期間(オーバースキャンエリア)の少なくとも一部を表示することが提供されている。一部のディスプレイ(例えば、プロ使用のためのモニタ)では、ユーザがテスト、コマンドおよび/または基準信号をモニタリングすることを可能にする方法としてVBIが表示される。水平(または垂直)タイミングまたはリカバリー回路が誤ったタイミングという結果になることをもたらすビデオ信号の帰線消去期間内に存在する周知のコピー防止信号のような追加のパルスがある場合、TVディスプレイに対して少なくとも1つの帰線消去期間のみの表示(viewing)が損なわれる。例えば、VBI領域内の追加のコピー防止パルスが、TVディスプレイ内の水平位相ロックループ回路がミスタイミングを引き起こす原因となる場合、VBI(オーバースキャンエリア)内の信号の表示(viewing)が損なわれる。そのような信号は、テスト信号および/またはシンク信号を含んでもよい。本明細書中に開示された方法および装置は、帰線消去期間のより良い表示を可能にするためにTV表示回路におけるタイミングを改善または補正する。そのような一方法は、VBIおよび/またはHBI内の少なくとも1つの追加または他のパルスを再配置および/または除去または修正することである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビデオおよびテレビに関し、より詳細には、TV(テレビ)セットおよびモニタのようなビデオ/テレビディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、TV信号の非アクティブ(オーバースキャン)ビデオ部分のディスプレイに関する。TVディスプレイは、時々、ユーザが普通見ることができない特定のTV信号(TVスクリーンのオーバースキャンエリアにあるため)を見ることを可能にするH(水平)および/またはV(垂直)走査遅延機能を提供する。これらの信号は、テスト、タイミング、タイムコード、テレテキスト、CGMSおよび/またはクローズドキャプション信号を含んでもよい。一部の場合、追加のパルスは、位相ロックループ回路を含むTVディスプレイ(TVモニタまたはTVセットのような)内の水平走査回路がVBI(垂直帰線消去期間)またはオーバースキャンエリア内のその付近における表示信号に歪みをもたらす時間軸誤差を生成する原因となる。
【0003】
そのような追加のパルスは、水平タイミング回路からの正常な周期的出力が非周期的パルスあるいはVBIまたはオーバースキャンエリア内の位相および/または周波数誤差という結果をもたらす特定の負方向パルスを含み得る。
【0004】
従来、等化前後のシンク(同期)パルスは、TVディスプレイ水平発振回路を同相で保つはずであった。しかしながら、速いAFC(自動周波数制御)応答に対して設定された水平タイミング回路を注意深く見ると、TV(ビデオ)走査線の真ん中にある追加のパルスは、実際、水平位相ロックループ回路内のVBI中にいくつかの小さなタイミング誤差をもたらす。さらに、前置または後置の等化パルスの(水平シンクパルスと比べて)狭い幅は、水平周波数位相ロックループ回路内のVBI中に位相検出器エラーに寄与し得る。垂直シンクパルスを見ると、これらのパルスは水平シンクパルスより幅が広いが、水平周波数位相ロックループを同期状態に保つために鋸歯状である。しかしながら、実際には、広い垂直シンクパルスは、水平発振回路に対するAFCループ内のVBI中のタイミング誤差にも寄与する。
【0005】
この技術的な問題を示すために、Wijnenの米国特許番号第5,481,608号では、特定の負パルスがコピー防止目的のためにVBI(オーバースキャンエリア内)の近くで挿入され、それによって、非標準パルス幅または位置を有する。結果的に、オーバースキャンエリア内でそのような信号を再生するTVディスプレイに対する水平発振回路は、その公称位相が取り除かれ、水平および/または垂直遅延走査ディスプレイにおいて望ましくないシフトした外観をもたらすことがある。ビデオ信号に対するさらなる他の修正においては、HBI内あるいはVBI内またはその近くの追加の負方向パルスは、水平周波数位相ロックループにおけるオーバースキャン期間中の誤り位相シフトにも寄与する。さらに、コピー防止目的のためにTV信号に追加された特定の「擬似シンク」パルスは、TVディスプレイ内のそのような水平タイミング回路における位相検出器がVBIエリアの一部に歪んだ走査を生成する原因となり得るが、オーバースキャンエリア内に存在するこれらの擬似シンクまたは負方向パルス(またはオーバースキャンエリアにおける正方向パルス)は、従来のディスプレイ(例えば、消費者TVセットのような、HまたはV遅延機能を有していないディスプレイ)上で普通に見たときに歪みを生成しない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ビデオ信号の帰線消去期間またはオーバースキャン部分のTVディスプレイにより良い見易さ、例えば、特定または選択されたTV走査線におけるHシンクおよび/またはカラーバースト包絡線に対してより良い見易さを提供することである。さらに、HBI部分における選択されたTV走査線に信号が存在する場合、ビデオ信号を修正することによって上記同様の見易さを高めることが目的である。より良い見易さは、テレビディスプレイのオーバースキャン部分の暗がり効果の減少、および/またはHBI部分および/またはVBI部分、および/またはオーバースキャンエリア内のHBIおよび/またはVBI付近におけるディスプレイ上の幾何学的または位置的誤差の減少または消去を含み得る。本明細書中の「テレビディスプレイ」は、Hおよび/またはV遅延を有するディスプレイのような、オーバースキャンエリアを表示できるテレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタおよびコンピュータディスプレイを含む。標準TVディスプレイまたはセットを普通に見た場合(例えば、HまたはV遅延機能を有さず)、オーバースキャン期間またはエリアは見えないまたは表示されない。したがって、少量のアクティブビデオ線は、通常、標準ディスプレイ内のオーバースキャンエリアまたは期間に存在し、ビデオ信号のアクティブ部分のこれらの小さな期間またはエリアは、標準ディスプレイを介して切り取られ、言い換えると、ユーザからは見えない。
【0007】
さらなる別の目的は、TV帰線消去期間中のTVディスプレイ水平タイミング回路の位相誤差を減少させることである。この帰線消去期間は、HBIを含み得、例えば、オーバースキャンエリア内にあるHBIおよび/またはVBI内またはその付近のAGC(追加の正方向)パルスを修正することによってHBI内のカラーバーストを見ることを含み得る。産業標準ビデオコピー防止信号に対する特定のテスト条件では、多数の擬似シンクパルスが1本のビデオ走査線から別のビデオ走査線へと変化する。さらに、擬似シンクパルスは、位置および/またはパルス幅が変調されてもよい。このようなパルスは、VBI内またはオーバースキャンエリア内のその付近に挿入または追加されてもよく、これは、速い反応のAFC水平位相ロックループ発振器を有するディスプレイがVBIまたはオーバースキャンエリア内のその付近に幾何学的歪みを表示する原因となる。
【0008】
US特許第6,836,549号は、擬似シンク(または正常シンク)パルスおよび/またはAGCパルスを変調するための様々な方法および装置を記載している。変調は、位置および/またはパルス幅および/または振幅変調を含んでもよい。変調(振幅、位置またはパルス持続期間を含み得る)は、一度に1つ以上のパルスに適用されてもよい。VBIロケーション内および/またはオーバースキャンエリア内のVBI付近の負方向パルスの持続期間および/または位置の変調を用いて、位相検出器または位相ロックループは、オーバースキャン期間中に水平電圧制御発振器に対して動的または時変誤差信号を生成し得る。位相ロックループ回路の位相検出器または発振器安定性に対するオーバースキャン期間中の時変効果の量を少なくとも減らすことが、本開示の別の目的である。
【0009】
さらに、「コンテンツ制御システムにおける後続生成制御コマンドを修正する方法及び装置」と題した係属中のUS特許出願番号第11/123,826号(その全容において本明細書中に参考に援用される)には、特定のコンテンツ制御またなコピー防止信号がVBIエリア内で再配置されることがあり、これは、オーバースキャンエリア内で表示されたときに追加の幾何学的歪みの原因となり得る。本開示の一目的は、コンテンツ制御またはコピー防止信号がコンテンツ制御システム内のコマンドを変更するように操作された場合にオーバースキャンエリアにおけるそのような幾何学的歪みのより少ない表示を可能にすることである。
【0010】
別の実施形態では、選択されたTV線のカラーバースト位相修正は、オーバースキャンエリアで見たときに特定の種類のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。従来のカラーストライプ信号または新しいカラーストライプ信号は、カラー処理システムを識別するために使用されてもよい。さらに、TV線に追加された正しくない位相のサイクルの少なくとも一部を有する新しいカラーストライプ信号は有効性を上げ、これは、記載されたように、コピー防止および/または識別目的のために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】TVディスプレイに一般的に使用される典型的な従来の水平タイミング回路のブロック図を示す。
【図1B】TVディスプレイに使用される典型的な従来のクランプ回路のブロック図を示す。
【図1C】正常な水平シンク信号の後に非標準シンクパルスに追加される水平周波数位相ロックループの応答に対する波形を示す。
【図1D】位置および/または持続時間(例えば、TV線内であっても、1本のTV線から別のTV線であってもよい)が変化している追加の負パルスの波形の一例を示す。
【図1E】ビデオ信号の一部に追加された1つより多いパルスの効果を示している波形を示す。
【図2】遅延垂直および水平走査を有するビデオディスプレイの図を示す。
【図3】オーバースキャンエリア内の幾何学的歪みがディスプレイ内に生じる、遅延垂直および水平走査を有するビデオディスプレイの図を示す。
【図4A】ビデオ信号がそのVBIの少なくとも一部および/またはオーバースキャン期間内の少なくとも一部に追加の波形または信号を有するシステムのブロック図を示す。
【図4B】図4Aの信号と同様の信号に応じて水平および垂直期間を表示する、H−V遅延を有するTVディスプレイの画像を示す。
【図5A】図5Aは、本装置の一般的な実施形態を示す。
【図5B1−6】図5Bは、図5Aの実施形態の変形を示す。
【図6A】図6Aは、少なくとも1つの位相スイッチポイントがあるカラーバースト信号の変形を示す。
【図6B】図6Bは、少なくとも1つの位相スイッチポイントがあるカラーバースト信号の変形を示す。
【図7A】図7Aは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。
【図7B】図7Bは、正常なカラーバースト波形を示す。
【図7C】図7Cは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。図7Cは、帯域通過および/またはくし形フィルタリングにあまり反応しない波形を示す。
【図7D】図7Dは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。図7Dは、帯域通過および/またはくし形フィルタリングにあまり反応しない波形を示す。
【図8】HBI修正器のブロック図を示す。
【図9】カラーサブキャリア信号をビデオ信号の一部に挿入、追加または提供するための装置のブロック図を示す。
【図10A】図10Aは、TVセットのカラー処理回路の種類を識別することを可能にする少なくとも1つの垂直帰線消去期間における位相修正をディスプレイ上に示す。
【図10B】図10Bは、TVセットのカラー処理回路の種類を識別することを可能にする少なくとも1つの垂直帰線消去期間における位相修正をディスプレイ上に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aは、TVディスプレイにおける従来の型の(従来技術)水平周波数位相ロックループ回路10のブロック図を示しており、回路10は、TVディスプレイのシンク分離器12を回路10の位相検出器11の第1の入力端子に結合するためにシンク分離器12からビデオ信号パルスを受信する。位相検出器11の出力信号は、フィルタおよび/または増幅器13に結合され、次いで可変周波数発振器(または電圧制御発振器)15に供給される。次いで、発振器15の出力信号は、位相検出器11の第2の入力端子に結合される。従来、フィルタ13は長い時定数に設定され、および/または可変周波数発振器15は、非常に限定された周波数偏差範囲を有する。その理由としては、ホームVCR(ビデオカセットレコーダー)が流行する前、TVディスプレイ水平位相ロックループ回路10に結合された信号は時間ベースの面では非常に安定しており、周波数にあまり偏差がなかったからである。しかしながら、ホームビデオカセットレコーダーの導入は、TV水平位相ロックループ回路の製造者がフィルタ13および/または可変周波数発振器15の周波数偏差範囲を再設計する原因となった。したがって、シンク分離器12によって分離または感知される追加の負方向パルスは、そのようなより新しい型の水平位相ロックループが古い水平位相ロックループ回路と比べてオーバースキャンエリアにおいてより顕著な走査誤差を生成する原因となり得る。図1Aの水平位相ロックループ回路10は、水平走査回路に対する波形を生成するためにTVディスプレイで使用されてもよい。
【0013】
図1Bは、表示された画像に対して帰線消去または黒レベル振幅基準レベルを確立させるためにTVディスプレイで使用される従来の(従来技術)クランプ回路31のブロック図を示している。クランプ回路31は、通常、HBIのバックポーチの一部と一致するパルスを生成するためにシンク分離器または水平位相ロックループ回路からサンプリング信号を導き出す。クランプ回路31がどれくらい早く反応するかによって、所定の時間間隔内で帰線消去または黒レベルを参照する能力が決定される。通常、クランプ回路31は、TV信号バックポーチ領域(Hシンクパルスに続く)における雑音に反応しないように少し遅く反応する。オーバースキャンエリアのバックポーチ領域内のいくらかの追加のパルスによって、クランプ回路は、正常に見た標準TVセットに対して表示誤差を示さない一方、オーバースキャンエリア内(例えば、HまたはV遅延機能を有するTVセット内の)で見た場合に輝度誤差を生成し得る。
【0014】
図1Cは、従来の水平シンクパルスに続く余剰または追加の(例えば、擬似シンク)負方向パルスの効果を表す一連の波形を示している。波形41は、水平偏向回路で使用される正および負の領域を有するのこぎり波信号のような水平走査波形を表す。のこぎり波形の正および負の領域は、斜線で示されている。波形41は、上述したように水平周波数位相ロックループ回路(PLL)から供給されるか、または電圧制御発振器から供給されてもよい。波形42は、シンク分離回路からの出力信号を表している(例えば、シンク分離器は、シンク分離器の出力に極性の反転を提供する一方、ビデオ信号に対して帰線消去レベルより下のレベルで分割する)。波形42で示されるように、水平シンクパルス(Hシンク)47および余剰シンクパルス(Eシンク)48が存在する。波形43は、シンク分離器および水平周波数電圧制御発振器からの入力を有する典型的な位相検出器の出力信号を表す。パルス51は、シンク分離器出力が負の電圧領域内の電圧制御発振器の波形と一致した場合、正方向パルスを表す一方、パルス52は、シンク分離器出力信号が正の電圧領域内の波形41と一致した場合、負方向パルスである。
【0015】
PLLはフィードバック回路であるため、パルス51および52のエリアをゼロ平均した場合に平衡が確立される。図1Cの期間1および2で見られるように、帰線開始時間は水平シンクパルス47の1時間単位の前であり、パルス51および52の平均値はゼロである。期間3および4では、擬似シンクパルスのような余剰負方向パルス48は(正常)水平シンクパルスに続く。位相検出器波形43は、余剰負方向パルス53を表す(例えば、パルス48によって)。次いで、この負パルス53は、位相検出器からの出力に対して正味負の平均値をもたらし、電圧制御発振器は、位相検出器から平均ゼロ値を確立するためにその位相を変更する必要がある。PLLが最終的にロックされるか平衡になるにつれて、期間5に示されるように、パルス51は新しいパルス51’へと幅が広げられ、パルス52は新しいパルス52’へと短くなる一方、パルス53は、位相検出器出力にて同じに保たれる。
【0016】
期間5で見られるように、波形43は、パルス51’、52’および53のエリアを合計して平均値ゼロを有する。期間5では、波形41は、位相検出器に対して平衡状態を確立するためにのこぎり波信号が単位正方形の二分の一分進んだことを示している。したがって、図1Cに示されたような余剰負方向パルスは、走査波形の位相がシフトしたことを示す(例えば、進んだ位置または位相にシフトする)。
【0017】
図1Dは、垂直帰線消去期間またはオーバースキャンエリア内のその付近における1つ以上のTV線に生じるであろう追加の負方向パルスを示している。追加の負方向パルスは、1本のTV線内または一連のTV線内の幅および/または位置が異なる場合がある擬似シンクパルスのような擬似シンクパルスを含んでもよい。任意のこれらの追加の負方向パルスは、オーバースキャン領域に対して遅延HまたはVテレビモニタ内に誤ったまたは歪んだ表示の原因となり得る。図1Cで見られるように、Eシンク48のような1つのパルスのみを追加することは、水平位相ロックループ発振器に対して誤った帰線起点の原因になる。さらに、図1Dで示されたような複数の追加のパルスは、通常、オーバースキャン領域内での帰線起点のさらなるシフトをもたらす(例えば、Eシンクパルス48で示されたように1つのパルスのみを追加することと反対に)。
【0018】
図1Eは、遅延HまたはV機能を有するテレビディスプレイに対する走査誤差または(幾何学的)歪みをどのように補償する(または少なくとも部分的にオフセットする)かについての一例を示している。一例においては、図1Eは、2つのパルス(例えば、JBH、水平シンクの直前およびRAH、水平シンクの直後)がどのように水平発振器のタイミングのスキューイングをバランスさせるかまたは実質的に減少させるかを示しており、スキューイングのバランスまたは減少ができない場合、オーバースキャン領域内のディスプレイに対する(顕著な)画像シフトという結果となる。
【0019】
図1Eで示されたように、第1の部および第2の部では、水平位相ロックループ発振器の位相検出器に結合されたのこぎり波形41’’が示されている。真ん中の部分では、「正常」水平シンク(Hシンク)は、シンク分離回路(図示せず)から引き出された正方向パルス47によって表されている。下の部分では、示された位相検出器の出力は、水平パルスの幅である、正方向パルスおよび負方向パルスの全時間を有する。図1Eの第1の部および第2の部では、位相検出器出力の半分は正方向51であり、位相検出器出力の別の半分は負方向52である。上部波形(のこぎり波信号)は、位相検出器の極性を決定する。例えば、Hシンクがのこぎり波形の正のサイクル(正の領域)と一致した場合、位相検出器は、負方向パルス52を出力する。Hシンクパルスがのこぎり波形の負のサイクル(負の領域)中ののこぎり波形と一致した場合、位相検出器は正パルス51を出力する。
【0020】
図1Eの第1の部および第2の部におけるHシンクパルスが正のサイクルおよび負のサイクルののこぎり波形と一致するため、位相検出器は、ゼロに平均される、正方向パルス51および負方向パルス52を出力する。この例において、ゼロの平均は、「中心にある」画像をもたらす。図1Eのパネル3では、実質的に「中心にある」画像を得るために余剰信号(例えば、JBHおよびRAH42’’)をビデオ信号に追加する方法、または位相検出器をゼロ平均にする一方(例えば、波形43’’では、JBHを介するパルス54、Hシンク47を介するパルス51および52、ならびにRAHを介するパルス55の組み合わされたエリアが約ゼロに平均されるはずである)、約ゼロまたはわずかな走査オフセットが生じることを可能とする方法が示されている。したがって、余剰シンクパルスが水平シンクパルスJBHの直前に追加された場合、水平シンクパルスRAHの直後の別のパルスが、例えば、スキューイングを減少または消去させるために追加される必要がある(またはその逆)。例えば、好ましくは、JBHおよびRAHのパルス幅は、発振器内のわずかなオフセットに対して本質的/実質的に同じである。さらに、前および後のパルスは、好ましくは、位相検出器出力を減少したまたはわずかな走査オフセットを有するゼロにバランスさせるようにおよそ同じ合計または累積持続時間を有するべきである。例えば、Hシンクより前の1つ以上のパルスの合計持続時間がHシンクより後の1つ以上のパルスの合計持続時間と実質的に同じである以上、走査オフセットまたはスキューイングにおける減少が発生する。パルス(例えば、JBHおよび/またはRAH)の相対的な位置は、各々が波形41’’で見られるようにそれぞれの負および正のエリアを超えない限り、移動されてもよい。
【0021】
図2(従来技術)は、帰線消去期間がスクリーンの中央で表示されるような従来のH−V(例えば、クロスパルス)遅延特徴を有するTVディスプレイ(プロタイプのTVモニタのような)を示している。ここで、正常なビデオ信号は、その垂直および/または水平帰線消去期間(オーバースキャン領域)が完全に表示されている。(典型的な消費者TVセットは、垂直および/または水平帰線消去期間を全く表示しないことに留意されたい。)図3は、オーバースキャンエリアの少なくとも一部または垂直帰線消去期間(VBI)の少なくとも一部内に追加された負パルスを有するビデオ信号を有するH−V遅延特徴を有するTVモニタのようなオーバースキャンエリアを表示しているTVの図を示している。ここで、示されるように、VBI内のまっすぐな縁のディスプレイの代わりに、ディスプレイは、図2と比較してオーバースキャンエリア内で望ましくない非線形であるか、乱雑風であるか、または幾何学的に歪んでいる。したがって、少なくとも1つの水平パルスの前および/または後に1つ以上の負方向信号(またはパルス)を追加/挿入することによってビデオ信号(少なくとも1つのコピー防止信号を含み得る)を修正することは、帰線消去期間で表示されるように、オーバースキャンエリアで表示された(幾何学的)歪みを減少させる。この修正は、位相ロックループ回路またはタイミング回路におけるオーバースキャン期間中の位相誤差をオフセットまたは減少することができるか、または修正は、位相検出器からのVBIまたはオーバースキャンエリア中の位相誤差信号を減少することができる。標準ディスプレイ(例えば、Hおよび/またはV遅延機能を使用または有さない消費者TVセット)で普通に見る場合、オーバースキャンエリア内の負方向パルスまたは正方向パルスはディスプレイ上に歪みを発生させないことに留意されたい。
【0022】
図4Aは、ディスプレイのオーバースキャンエリアの一部に波形を提供するために組み合わせ回路62を介して組み合わされ、追加または挿入された源63からの信号(例えば、オーバースキャン期間またはエリアに提供されたコピー防止信号)とともに端末61(例えば、プログラムビデオ源)で付与されたビデオ信号を示している。回路62の出力信号は、次いで、ビデオレコーダー(例えば、VCR)64に結合される。レコーダー64から「出た」出力信号は、次いで、オーバースキャン波形とともにビデオ信号をプレイバックする。ビデオレコーダー64がVCRで通常発見されるような時間軸誤差を多少導入する場合があるため、ビデオレコーダー64からの出力信号を再生するように接続されたTVディスプレイは、通常、普通に見た場合、またはHおよび/またはV遅延機能なしに見た場合に標準TVディスプレイ上に歪みを表示しないそのような時間軸誤差(例えば、レコーダー64のような再生デバイスの速度変化)に対して素早く反応する水平走査回路を有している。したがって、少なくとも1つの負方向パルスが水平シンクパルスとずれているため、追加の波形は、時間軸誤差として解釈されることがある。したがって、図4Bで示されるように、そのようなH−V遅延を有するTVディスプレイ65は、オーバースキャン領域内の幾何学的歪みまたは裂け目を表す。特に、追加の波形がVBI領域および/またはオーバースキャンエリア内のその付近にある場合、幾何学的歪みは、通常、VBI内で表示される。しかしながら、レコーダー64の出力信号がビデオ信号および/または波形を変化させる修正回路66に結合されている場合、TVディスプレイ67はH−V遅延も有しており、したがって、オーバースキャンエリア内の減少された幾何学的歪みを表す。さらに、図4A内の点線で示されるように、コピー防止信号のような帰線消去またはオーバースキャン期間内に信号を含むビデオ源は、修正器66に結合されてもよい。修正器66の出力は、次いで、オーバースキャンエリア内の減少または消去された歪みを表示または示すTVディスプレイ67に接続されてもよい。
【0023】
図4Aに関して、源63によって生成された波形は、TVディスプレイ65がVBIまたはオーバースキャンエリア内の輝度および/または色度誤差および/または幾何学的歪みの任意の組み合わせを表す原因となり得る。輝度および/または色度誤差は、例えば、TVディスプレイ65によって表示されるようなオーバースキャンエリア内の1つ以上の帰線消去期間の少なくとも一部における暗がりまたは明るみとして表れる。したがって、修正回路66は、オーバースキャンエリアまたは帰線消去期間の一部を表示するモニタ上の輝度および/または色度および/または幾何学的誤差/歪みの任意の組み合わせを減少し得る。回路または装置66のような修正器がVBIまたはオーバースキャンエリアの一部に信号を提供するビデオ源(例えば、信号61+63、またはオーバースキャンエリアまたは期間内にコピー防止信号を含み得るビデオ源)と入力端末との間で録画デバイスまたはビデオデバイスに結合されてもよいことに留意されたい。
【0024】
図5Aは、TVディスプレイのオーバースキャンエリア内のTV信号の再生可能性を改善するためのビデオ信号のための修正装置71の一般例を示している。修正装置71は、デジタルおよび/またはアナログドメイン内の入力ビデオ信号を修正してもよい。アナログ回路、デジタル回路またはソフトウェアの任意の組み合わせが、修正装置71の少なくとも一部を実行してもよい。修正装置71は、任意の以下の方法またはそれらの組み合わせによってビデオ信号を修正し得る:
a)オーバースキャンエリア内の位相ロックループ誤差をオフセット(例えば、オーバースキャンディスプレイ上の幾何学的誤差をオフセット)するために信号を追加する。これは、少なくとも1つの負方向パルスをビデオ信号の一部に追加することを含んでもよい。
b)VBIの少なくとも一部および/またはHBIの少なくとも一部、オーバースキャンエリアおよび/またはVBI内の少なくとも1つの選択された負方向パルスの少なくとも一部の位置、パルス幅、レベルおよび/または振幅を修正する。例えば、この修正は、オーバースキャン期間またはエリアにおける表示(viewing)、幾何学的誤差、位相ロックループ発振器誤差、位相検出器オフセット誤差、発振器位相/周波数変化、および/またはオーバースキャンまたは帰線消去エリアの走査の任意の組み合わせを改善する。
c)VBIの一部および/またはHBIの一部、オーバースキャンエリアおよび/またはVBI内の少なくとも1つの選択された正方向パルスの一部の位置、パルス幅、レベルおよび/または振幅を修正する。例えば、修正は、オーバースキャン領域における表示(viewing)を改善する。
d)ディスプレイデバイスに対するオーバースキャンエリア内の再生可能性を改善するために帰線消去期間および/またはオーバースキャンエリア内のレベルを修正する。
【0025】
図5B1〜図5B6は、本開示に従ってビデオ信号修正するために様々な方法および関連の装置を使用した修正装置71の変形を示している。減衰器72は、オーバースキャンエリア内の少なくとも1つの負方向または正方向パルスを減衰してもよい。そのような負パルスは、擬似シンクパルスのような任意の追加の負方向パルスおよび/または等化パルスを含んでもよい。例えば、正方向パルスは、AGC(自動ゲイン制御追加の正方向)パルスであってもよい。例えば、等化パルスの場合、オーバースキャン領域内のTV走査線の真ん中に生じる1つ以上の等化パルスは、オーバースキャン部分における再生可能性を改善するために減衰されてもよい。例えば、追加の負方向(擬似シンク)パルスの場合、1つ以上の擬似シンクパルスの少なくとも一部は、オーバースキャンエリア内の再生可能性を改善するために減衰または修正されてもよい(例えば、帰線消去期間またはオーバースキャン部分を示すディスプレイに対して)。
【0026】
同様に、減衰について上述された例に対して、減衰装置72、レベルシフト装置73、クリッピング装置74、位置シフト装置75、除去装置76および/または置換または加算装置77の任意の組み合わせも、オーバースキャン領域内の再生可能性を改良するために使用されてもよい。上述されたそのような方法および/または装置は、図5Aでは修正器71に含まれてもよく、そのような方法および/または装置は、静的および/または動的(例えば、時変)方法で修正し得る。修正器77はV信号を示しており、V信号は、ビデオ信号の一部または1つ以上の追加のパルスの少なくとも一部に挿入および/または追加された波形または信号であり得る。V信号は、ビデオ信号の選択された帰線消去またはオーバースキャン期間における(表示)ビューイング効果を減少させるための追加または挿入された信号である。例えば、V信号は、図1CにおけるパルスEシンクによるオフセット誤差を減少または取り消すために追加および/または挿入された負方向パルスであってもよい。水平シンクパルスの後の負パルスである信号RAH(例えば、図1CのEシンクパルスと同様)の走査オフセット効果が水平シンクパルスの前の負パルスである信号JBHによって少なくとも部分的に相殺される例として、図1Eを参照。あるいは、例えば、V信号は、正方向パルスによるオーバースキャンエリア内の暗がりを減少させるためにVBIおよび/またはその付近の一部を下げることがある。これらの効果は、表示されたVBIおよび/またはHBIの暗がりおよび/または幾何学的歪みを含み得る。
【0027】
図6A(従来技術)は、例えば、単相スイッチポイント83を有するコピー防止またはコンテンツ制御のために従来使用されている修正されたビデオカラーバースト81の波形を示す一方、図6Bは、位相スイッチポイント84および85を用いた同様の修正されたカラーバースト82を示している。図6Aおよび/または図6Bで示されたような修正されたカラーバーストは、ディスプレイの特定の型のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。
【0028】
図7A〜図7Dは、様々なカラーバースト波形を示している。カラーバースト101は、正位相ΦNを有する正常な(従来技術)カラーバーストを示している。波形102は、位相ΦAおよびΦBの一連のサイクルを分けるスイッチポイントを有する従来のカラーバーストを示している。波形103は、スイッチポイントが2つの位相Φ1およびΦ2を分けるカラーバーストの一例を示す(例えば、Φ2は、実質的に正位相ΦNであり得る)。波形102または103は、選択されたTV線上のコピー防止信号として使用されてもよく、またはディスプレイ内のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。
【0029】
一般に、波形103(またはカラーストライプ波形)のようなコピー防止信号は、カラーストライプ信号の一バージョンを形成するために波形101のような正位相カラーバーストを有する多数の線(例えば、8、9、10本等)ごとに特定の数のTV走査線(1、2、3または4本の線のカラーバースト修正)のグループで提供されている。例えば、12本のTV走査線のセットにおいて、2本または4本のTV走査線は、位相修正を含む図7Aの波形102のような波形を含んでもよく、グループ内の残りの20本〜8本のTV線は、図7Bの101で示されるように「正常」信号(例えば、カラーバーストの位相修正がない)を有している。コピー防止信号の有効性を上げるためにおよび/または新しいコピー防止信号を提供するために、少量の正常ではないカラーバーストサブキャリア位相信号(例えば、1〜3サイクル、または選択された数のサイクル)を有する波形101のようなカラーバーストにおける少なくとも1つのTV走査線を修正する。波形104では、波形101の選択された走査線が位相Φ1で修正される。(以前に)実質的に正位相を含む1つ以上のTV走査線にΦ1信号を挿入、提供または追加するこの修正は、線の別のセットがカラーストライプ信号/波形(波形103または生成されたカラーストライプ波形のような)を含む場合、コピー防止信号を提供する。上述された任意のカラーバースト信号修正(波形102、103および/または104のような)がコピー防止信号を提供するためにアクティブおよび/またはオーバースキャンエリア内の任意のTV線に含まれてもよい。
【0030】
一例としては、波形104等を有するカラーバースト101を有する多数のTV走査線を埋めるまたは提供する、および/または103のようなバースト位相修正または波形104を有する一組の線より多くの正常ではない位相のサイクルがあるバースト位相修正を有する別の組の線を含むことである。
【0031】
図8は、HBIおよび/またはその付近の少なくとも一部を修正するための例示装置120を示している(選択されたTV線に対して)。端末125上のビデオ入力信号は、修正回路122に結合されているタイミング信号HBI1(線123)および/またはHBI2(線124)を生成するタイミング回路121に結合されている。修正回路122は、次いで、端末125上のビデオ信号を受信し、例えば、正常ではない位相カラーバーストを端末126上の少なくとも1本のTV走査線(例えば、実質的に正常(位相)バーストを有する)に追加、挿入または提供するためにHBIおよび/またはその付近の少なくとも一部を修正する。図9は、サブキャリア信号が少なくとも1つのHBIエリア内のビデオ入力信号の選択された部分に追加または挿入された例示の修正装置111を示している。例えば、回路111は、正常(位相)カラーバースト包絡線(を提供する)前に正常ではない位相サブキャリアの少なくとも1つのサイクルを追加、提供または挿入してもよい。図6Aまたは図6Bで見られるまたは波形103にあるような分相バーストを有する選択された数の線を有するコピー防止信号(カラーバースト包絡線は標準カラーバーストと比較して余分なサイクルを含み得る)を合成し、次いで図7DのΦ1のような分割バーストカラーバースト(またはカラーストライプ信号)を含んでいない少なくとも1本の線に正常ではない位相の少なくとも一部を追加または提供することができることに留意されたい。102、103および104の例は位相の2つのゾーンを示しているが、コピー防止信号を合成するために2つより多いゾーンが提供されてもよい。
【0032】
新しいカラーストライプ(例えば、コピー防止)信号(擬似シンク、AGCパルス、修正されたフロントおよび/またはバックポーチレベル、アクティブビデオ線の一部を含み得るオーバースキャンエリア内の追加のパルスの任意の組み合わせを含み得る別のビデオコピー防止信号と組み合わされてもよい)は、一組の選択された線の水平帰線消去期間において正常および正常ではない位相サブキャリアサイクルの複数のサイクルを含み、別の組の選択された線には、正位相サブキャリアの多数のサイクルに加えて正常ではない位相サブキャリアサイクルの少なくとも一部を含んでもよい。例えば、コピー防止信号では、一組のTV線が、HBI内の正常位相サブキャリアの6〜12サイクルが後に続く正常ではない位相サブキャリアの1〜3サイクルを生成し得る一方、別の組のTV線は、HBI内の正位相サブキャリアの4〜7サイクルが後に続く正常ではない位相の4〜7サイクルを生成し得る。当然、正常および/または正常ではない位相サブキャリアのサイクルに対して別の数字が使用されてもよい。別の例では、カラーバースト(位相)修正を含む二組(またはそれ以上)のTV線がある。一組のTV線は、別の組のTV線よりバックポーチエリアまたはHBI内に少ない正常ではない位相サブキャリアのサイクルを有している。さらに、当然に、任意のこれらのバースト修正は、任意の追加のパルス、および/またはフロントおよび/またはバックポーチ領域におけるHBI修正を含んでもよい。
【0033】
新しいカラーストライプ信号に対していくらかの位相修正を線(例えば、少なくとも一部または全て)に提供することによって(例えば、一組のTV線が別の組のTV線より多くの位相修正のサイクルを有している)、カラーストライプ処理の有効性が増すことに留意されたい。例えば、くし形フィルタ等を使用するTVシステム(例えば、ビデオレコーダー)は、連続するTV線の間のカラー信号を平均する。例えば、2本線のカラーストライプ処理は、特定のくし形フィルタを有するいくつかのレコーダーを有する4本線のカラーストライプ処理と比較してかあまり効果的ではない。その理由の一部としては、2カラーストライプ信号は、ライン・ツー・ライン平均を利用するくし形フィルタによってこすられるかまたは平均される。例えば、信号101を有するTV線と信号103を有する別のTV線との間を平均することは、101ではバーストサイクルが信号103のバーストサイクルほど即座に開始しないため、信号103の最初の1または2Φ1サイクルの減衰をもたらす。水平シンクパルスから即座に続く第1のサイクル期間に対する信号101〜103の平均振幅は、約50%である。したがって、101の通常修正されていないカラーバースト信号(の1本以上のTV線)に対して104を提供するまたは101を104で置換することは、波形104から103において、くし形フィルタを介してより少ない(コピー防止効果)減衰(または結果的にさらなるコピー防止有効性)をもたらす(例えば、1、2、3または4本線のコピー防止信号に対してより効果的なカラーストライプ信号を提供するまたはそのような結果となる)。くし形フィルタを利用するレコーダーまたはデバイスを用いることによってより効果的であるこの新しいカラーストライプ(コピー防止)信号は、TVディスプレイで使用される特定の種類の信号処理を識別するために使用されてもよい(例えば、下記参照)。
【0034】
一実施形態は、TVディスプレイがくし形フィルタまたは従来のアナログフィルタのどちらを組み入れているかを識別するための方法を提供する。くし形フィルタは、通常、1本のTV走査線を別の(連続する)走査線に加算または減算するために遅延線を使用する。その際、テスト信号または特定のプログラムビデオ信号を用いて、くし形フィルタの印は、アクティブ画像エリアで見られる「ハンギングドット」として知られるアーチファクトである(1本の走査線から別の線へ)。従来のアナログフィルタは、これらのハンギングドットという結果にならない。これらのハンギングドットは、ビデオプログラムで容易に見ることはできない。なぜなら、ビデオ信号は、シーンからシーンへと変化する傾向があり、標準TVセットで普通に見た場合に見ている人がハンギングドットを見ることを可能とする十分なカラー情報を全てのシーンが有していない。
【0035】
したがって、実質的に正位相のカラーバースト信号とは異なるサブキャリアの少なくとも1つのサイクルを含み得るカラーストライプ信号を追加するための新しい使用は、HBI(水平帰線消去期間)内の少なくとも1本の走査線に設けられてもよい。このカラーバースト修正は、実質的に正位相のカラーバーストの少なくとも1つのサイクルに充たる場合があり、および/または入力カラーバーストが存在しないことがあるHBI内の別の領域に提供されてもよい。例えば、実質的に正常なカラーバースト信号の少なくとも1本の線が後に続く、2〜4本の走査線に対する分相カラーバースト包絡線を有するビデオ信号を修正することは、くし形フィルタを有するTVディスプレイを識別するHBIまたはオーバースキャンエリア内にハンギングドットが直ちに示す(例えば、Hおよび/またはH−V遅延機能を有するモニタ上に表示されているように)。HIBまたはオーバースキャンエリア内にハンギングドットが表示されていない場合、TVディスプレイはアナログフィルタを有しているように識別される。したがって、カラーストライプコピー防止信号の新しい使用は、ディスプレイ内のビデオ信号のカラー処理に使用される特定の型のフィルタの識別を可能にする(例えば、オーバースキャンエリアを見ることによって)方法および装置のためである。当然、カラーストライプ信号の位相および/または振幅を修正することは、水平および/または垂直遅延表示特徴を有するTVディスプレイにおけるカラー処理システム(くし形フィルタまたは従来のアナログクロマフィルタ)の型を識別する能力を減少させる。くし形フィルタを有するTVモニタからオーバースキャンエリア内のハンギングドットを示している図10Aを参照(例えば、H−V遅延機能または特徴を有するディスプレイを介して)。水平(実際のディスプレイ上では青色)ストライプは、オーバースキャンエリア内の従来のカラーストライプバースト修正に起因する。ストライプのすぐ右の部分(実際のディスプレイ上では緑色)は、正常カラーバースト位相を表す。図10Aでは、カラーストライプ信号は実際2本の走査線であるが、くし形フィルタでは、1本の(青)カラーストライプ走査線のみがオーバースキャンエリア内ではっきりで表示されている。アナログフィルタを有するTVセットによってオーバースキャンエリア内に表示された2走査線カラーストライプ信号では、2本の(青)水平カラーストライプ走査線がはっきりと見え、図10Bに示されるように、ハンギングドットも表示されない。
【0036】
別の実施形態では、ビデオ信号の一部における追加のパルスまたは信号の使用は、帰線消去期間またはオーバースキャン部分が表示されているときに歪みを生成するために使用されてもよい。例えば、1つ以上の擬似シンクパルスは、オーバースキャンエリアを表示するTVセット内で表示誤差を引き起こすために使用されてもよい。別の例では、正方向パルス/信号が、表示されたオーバースキャンエリアを暗くするために使用されてもよい。あるいは、修正されたバックポーチレベルが、表示されたときに帰線消去期間またはオーバースキャンエリアを暗く(例えば、上がったバックポーチ期間をもたらす)または明るく(例えば、下がったバックポーチ期間)してもよい。
【0037】
本明細書中に記載された任意の装置または方法が、任意のコピー防止信号(例えば、擬似シンクパルス、シンク振幅、シンクパルス幅、および/またはシンク位置修正、バックおよび/またはフロントポーチ修正、追加の正方向パルス、カラーバースト位相、周波数、および/または振幅修正)および/またはコピー防止情報信号(例えば、APSビット、アナログコピー防止システム、CGMS、CGMS−A、CGMS−D、HDCP、コントロールビット、および/またはデータ信号)の存在を表す信号を提供するリーダーまたは検出器の任意の組み合わせを含んでもよいことに留意されたい。
【0038】
さらに、本明細書中に記載された任意の方法または装置は、アナログ、デジタル、ソフトウェアドメインまたはそれらの組み合わせにおいて実行されてもよい。本開示のあらゆる部分に記載されたビデオ信号は、任意の標準(例えば、アナログおよび/またはデジタル)テレビまたはビデオディスプレイ信号であってもよい。記載された任意のそのような装置および/または方法は、時間および/または周波数スケーリングまたは移動を含んでもよい。
【0039】
本開示は、例示的であり、限定をするものではない。さらなる変形が本開示に照らして当業者にとって明白になり、添付の特許請求の範囲内であることが意図されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビデオおよびテレビに関し、より詳細には、TV(テレビ)セットおよびモニタのようなビデオ/テレビディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、TV信号の非アクティブ(オーバースキャン)ビデオ部分のディスプレイに関する。TVディスプレイは、時々、ユーザが普通見ることができない特定のTV信号(TVスクリーンのオーバースキャンエリアにあるため)を見ることを可能にするH(水平)および/またはV(垂直)走査遅延機能を提供する。これらの信号は、テスト、タイミング、タイムコード、テレテキスト、CGMSおよび/またはクローズドキャプション信号を含んでもよい。一部の場合、追加のパルスは、位相ロックループ回路を含むTVディスプレイ(TVモニタまたはTVセットのような)内の水平走査回路がVBI(垂直帰線消去期間)またはオーバースキャンエリア内のその付近における表示信号に歪みをもたらす時間軸誤差を生成する原因となる。
【0003】
そのような追加のパルスは、水平タイミング回路からの正常な周期的出力が非周期的パルスあるいはVBIまたはオーバースキャンエリア内の位相および/または周波数誤差という結果をもたらす特定の負方向パルスを含み得る。
【0004】
従来、等化前後のシンク(同期)パルスは、TVディスプレイ水平発振回路を同相で保つはずであった。しかしながら、速いAFC(自動周波数制御)応答に対して設定された水平タイミング回路を注意深く見ると、TV(ビデオ)走査線の真ん中にある追加のパルスは、実際、水平位相ロックループ回路内のVBI中にいくつかの小さなタイミング誤差をもたらす。さらに、前置または後置の等化パルスの(水平シンクパルスと比べて)狭い幅は、水平周波数位相ロックループ回路内のVBI中に位相検出器エラーに寄与し得る。垂直シンクパルスを見ると、これらのパルスは水平シンクパルスより幅が広いが、水平周波数位相ロックループを同期状態に保つために鋸歯状である。しかしながら、実際には、広い垂直シンクパルスは、水平発振回路に対するAFCループ内のVBI中のタイミング誤差にも寄与する。
【0005】
この技術的な問題を示すために、Wijnenの米国特許番号第5,481,608号では、特定の負パルスがコピー防止目的のためにVBI(オーバースキャンエリア内)の近くで挿入され、それによって、非標準パルス幅または位置を有する。結果的に、オーバースキャンエリア内でそのような信号を再生するTVディスプレイに対する水平発振回路は、その公称位相が取り除かれ、水平および/または垂直遅延走査ディスプレイにおいて望ましくないシフトした外観をもたらすことがある。ビデオ信号に対するさらなる他の修正においては、HBI内あるいはVBI内またはその近くの追加の負方向パルスは、水平周波数位相ロックループにおけるオーバースキャン期間中の誤り位相シフトにも寄与する。さらに、コピー防止目的のためにTV信号に追加された特定の「擬似シンク」パルスは、TVディスプレイ内のそのような水平タイミング回路における位相検出器がVBIエリアの一部に歪んだ走査を生成する原因となり得るが、オーバースキャンエリア内に存在するこれらの擬似シンクまたは負方向パルス(またはオーバースキャンエリアにおける正方向パルス)は、従来のディスプレイ(例えば、消費者TVセットのような、HまたはV遅延機能を有していないディスプレイ)上で普通に見たときに歪みを生成しない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ビデオ信号の帰線消去期間またはオーバースキャン部分のTVディスプレイにより良い見易さ、例えば、特定または選択されたTV走査線におけるHシンクおよび/またはカラーバースト包絡線に対してより良い見易さを提供することである。さらに、HBI部分における選択されたTV走査線に信号が存在する場合、ビデオ信号を修正することによって上記同様の見易さを高めることが目的である。より良い見易さは、テレビディスプレイのオーバースキャン部分の暗がり効果の減少、および/またはHBI部分および/またはVBI部分、および/またはオーバースキャンエリア内のHBIおよび/またはVBI付近におけるディスプレイ上の幾何学的または位置的誤差の減少または消去を含み得る。本明細書中の「テレビディスプレイ」は、Hおよび/またはV遅延を有するディスプレイのような、オーバースキャンエリアを表示できるテレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタおよびコンピュータディスプレイを含む。標準TVディスプレイまたはセットを普通に見た場合(例えば、HまたはV遅延機能を有さず)、オーバースキャン期間またはエリアは見えないまたは表示されない。したがって、少量のアクティブビデオ線は、通常、標準ディスプレイ内のオーバースキャンエリアまたは期間に存在し、ビデオ信号のアクティブ部分のこれらの小さな期間またはエリアは、標準ディスプレイを介して切り取られ、言い換えると、ユーザからは見えない。
【0007】
さらなる別の目的は、TV帰線消去期間中のTVディスプレイ水平タイミング回路の位相誤差を減少させることである。この帰線消去期間は、HBIを含み得、例えば、オーバースキャンエリア内にあるHBIおよび/またはVBI内またはその付近のAGC(追加の正方向)パルスを修正することによってHBI内のカラーバーストを見ることを含み得る。産業標準ビデオコピー防止信号に対する特定のテスト条件では、多数の擬似シンクパルスが1本のビデオ走査線から別のビデオ走査線へと変化する。さらに、擬似シンクパルスは、位置および/またはパルス幅が変調されてもよい。このようなパルスは、VBI内またはオーバースキャンエリア内のその付近に挿入または追加されてもよく、これは、速い反応のAFC水平位相ロックループ発振器を有するディスプレイがVBIまたはオーバースキャンエリア内のその付近に幾何学的歪みを表示する原因となる。
【0008】
US特許第6,836,549号は、擬似シンク(または正常シンク)パルスおよび/またはAGCパルスを変調するための様々な方法および装置を記載している。変調は、位置および/またはパルス幅および/または振幅変調を含んでもよい。変調(振幅、位置またはパルス持続期間を含み得る)は、一度に1つ以上のパルスに適用されてもよい。VBIロケーション内および/またはオーバースキャンエリア内のVBI付近の負方向パルスの持続期間および/または位置の変調を用いて、位相検出器または位相ロックループは、オーバースキャン期間中に水平電圧制御発振器に対して動的または時変誤差信号を生成し得る。位相ロックループ回路の位相検出器または発振器安定性に対するオーバースキャン期間中の時変効果の量を少なくとも減らすことが、本開示の別の目的である。
【0009】
さらに、「コンテンツ制御システムにおける後続生成制御コマンドを修正する方法及び装置」と題した係属中のUS特許出願番号第11/123,826号(その全容において本明細書中に参考に援用される)には、特定のコンテンツ制御またなコピー防止信号がVBIエリア内で再配置されることがあり、これは、オーバースキャンエリア内で表示されたときに追加の幾何学的歪みの原因となり得る。本開示の一目的は、コンテンツ制御またはコピー防止信号がコンテンツ制御システム内のコマンドを変更するように操作された場合にオーバースキャンエリアにおけるそのような幾何学的歪みのより少ない表示を可能にすることである。
【0010】
別の実施形態では、選択されたTV線のカラーバースト位相修正は、オーバースキャンエリアで見たときに特定の種類のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。従来のカラーストライプ信号または新しいカラーストライプ信号は、カラー処理システムを識別するために使用されてもよい。さらに、TV線に追加された正しくない位相のサイクルの少なくとも一部を有する新しいカラーストライプ信号は有効性を上げ、これは、記載されたように、コピー防止および/または識別目的のために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】TVディスプレイに一般的に使用される典型的な従来の水平タイミング回路のブロック図を示す。
【図1B】TVディスプレイに使用される典型的な従来のクランプ回路のブロック図を示す。
【図1C】正常な水平シンク信号の後に非標準シンクパルスに追加される水平周波数位相ロックループの応答に対する波形を示す。
【図1D】位置および/または持続時間(例えば、TV線内であっても、1本のTV線から別のTV線であってもよい)が変化している追加の負パルスの波形の一例を示す。
【図1E】ビデオ信号の一部に追加された1つより多いパルスの効果を示している波形を示す。
【図2】遅延垂直および水平走査を有するビデオディスプレイの図を示す。
【図3】オーバースキャンエリア内の幾何学的歪みがディスプレイ内に生じる、遅延垂直および水平走査を有するビデオディスプレイの図を示す。
【図4A】ビデオ信号がそのVBIの少なくとも一部および/またはオーバースキャン期間内の少なくとも一部に追加の波形または信号を有するシステムのブロック図を示す。
【図4B】図4Aの信号と同様の信号に応じて水平および垂直期間を表示する、H−V遅延を有するTVディスプレイの画像を示す。
【図5A】図5Aは、本装置の一般的な実施形態を示す。
【図5B1−6】図5Bは、図5Aの実施形態の変形を示す。
【図6A】図6Aは、少なくとも1つの位相スイッチポイントがあるカラーバースト信号の変形を示す。
【図6B】図6Bは、少なくとも1つの位相スイッチポイントがあるカラーバースト信号の変形を示す。
【図7A】図7Aは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。
【図7B】図7Bは、正常なカラーバースト波形を示す。
【図7C】図7Cは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。図7Cは、帯域通過および/またはくし形フィルタリングにあまり反応しない波形を示す。
【図7D】図7Dは、コピー防止またはコンテンツ制御波形を示す。図7Dは、帯域通過および/またはくし形フィルタリングにあまり反応しない波形を示す。
【図8】HBI修正器のブロック図を示す。
【図9】カラーサブキャリア信号をビデオ信号の一部に挿入、追加または提供するための装置のブロック図を示す。
【図10A】図10Aは、TVセットのカラー処理回路の種類を識別することを可能にする少なくとも1つの垂直帰線消去期間における位相修正をディスプレイ上に示す。
【図10B】図10Bは、TVセットのカラー処理回路の種類を識別することを可能にする少なくとも1つの垂直帰線消去期間における位相修正をディスプレイ上に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1Aは、TVディスプレイにおける従来の型の(従来技術)水平周波数位相ロックループ回路10のブロック図を示しており、回路10は、TVディスプレイのシンク分離器12を回路10の位相検出器11の第1の入力端子に結合するためにシンク分離器12からビデオ信号パルスを受信する。位相検出器11の出力信号は、フィルタおよび/または増幅器13に結合され、次いで可変周波数発振器(または電圧制御発振器)15に供給される。次いで、発振器15の出力信号は、位相検出器11の第2の入力端子に結合される。従来、フィルタ13は長い時定数に設定され、および/または可変周波数発振器15は、非常に限定された周波数偏差範囲を有する。その理由としては、ホームVCR(ビデオカセットレコーダー)が流行する前、TVディスプレイ水平位相ロックループ回路10に結合された信号は時間ベースの面では非常に安定しており、周波数にあまり偏差がなかったからである。しかしながら、ホームビデオカセットレコーダーの導入は、TV水平位相ロックループ回路の製造者がフィルタ13および/または可変周波数発振器15の周波数偏差範囲を再設計する原因となった。したがって、シンク分離器12によって分離または感知される追加の負方向パルスは、そのようなより新しい型の水平位相ロックループが古い水平位相ロックループ回路と比べてオーバースキャンエリアにおいてより顕著な走査誤差を生成する原因となり得る。図1Aの水平位相ロックループ回路10は、水平走査回路に対する波形を生成するためにTVディスプレイで使用されてもよい。
【0013】
図1Bは、表示された画像に対して帰線消去または黒レベル振幅基準レベルを確立させるためにTVディスプレイで使用される従来の(従来技術)クランプ回路31のブロック図を示している。クランプ回路31は、通常、HBIのバックポーチの一部と一致するパルスを生成するためにシンク分離器または水平位相ロックループ回路からサンプリング信号を導き出す。クランプ回路31がどれくらい早く反応するかによって、所定の時間間隔内で帰線消去または黒レベルを参照する能力が決定される。通常、クランプ回路31は、TV信号バックポーチ領域(Hシンクパルスに続く)における雑音に反応しないように少し遅く反応する。オーバースキャンエリアのバックポーチ領域内のいくらかの追加のパルスによって、クランプ回路は、正常に見た標準TVセットに対して表示誤差を示さない一方、オーバースキャンエリア内(例えば、HまたはV遅延機能を有するTVセット内の)で見た場合に輝度誤差を生成し得る。
【0014】
図1Cは、従来の水平シンクパルスに続く余剰または追加の(例えば、擬似シンク)負方向パルスの効果を表す一連の波形を示している。波形41は、水平偏向回路で使用される正および負の領域を有するのこぎり波信号のような水平走査波形を表す。のこぎり波形の正および負の領域は、斜線で示されている。波形41は、上述したように水平周波数位相ロックループ回路(PLL)から供給されるか、または電圧制御発振器から供給されてもよい。波形42は、シンク分離回路からの出力信号を表している(例えば、シンク分離器は、シンク分離器の出力に極性の反転を提供する一方、ビデオ信号に対して帰線消去レベルより下のレベルで分割する)。波形42で示されるように、水平シンクパルス(Hシンク)47および余剰シンクパルス(Eシンク)48が存在する。波形43は、シンク分離器および水平周波数電圧制御発振器からの入力を有する典型的な位相検出器の出力信号を表す。パルス51は、シンク分離器出力が負の電圧領域内の電圧制御発振器の波形と一致した場合、正方向パルスを表す一方、パルス52は、シンク分離器出力信号が正の電圧領域内の波形41と一致した場合、負方向パルスである。
【0015】
PLLはフィードバック回路であるため、パルス51および52のエリアをゼロ平均した場合に平衡が確立される。図1Cの期間1および2で見られるように、帰線開始時間は水平シンクパルス47の1時間単位の前であり、パルス51および52の平均値はゼロである。期間3および4では、擬似シンクパルスのような余剰負方向パルス48は(正常)水平シンクパルスに続く。位相検出器波形43は、余剰負方向パルス53を表す(例えば、パルス48によって)。次いで、この負パルス53は、位相検出器からの出力に対して正味負の平均値をもたらし、電圧制御発振器は、位相検出器から平均ゼロ値を確立するためにその位相を変更する必要がある。PLLが最終的にロックされるか平衡になるにつれて、期間5に示されるように、パルス51は新しいパルス51’へと幅が広げられ、パルス52は新しいパルス52’へと短くなる一方、パルス53は、位相検出器出力にて同じに保たれる。
【0016】
期間5で見られるように、波形43は、パルス51’、52’および53のエリアを合計して平均値ゼロを有する。期間5では、波形41は、位相検出器に対して平衡状態を確立するためにのこぎり波信号が単位正方形の二分の一分進んだことを示している。したがって、図1Cに示されたような余剰負方向パルスは、走査波形の位相がシフトしたことを示す(例えば、進んだ位置または位相にシフトする)。
【0017】
図1Dは、垂直帰線消去期間またはオーバースキャンエリア内のその付近における1つ以上のTV線に生じるであろう追加の負方向パルスを示している。追加の負方向パルスは、1本のTV線内または一連のTV線内の幅および/または位置が異なる場合がある擬似シンクパルスのような擬似シンクパルスを含んでもよい。任意のこれらの追加の負方向パルスは、オーバースキャン領域に対して遅延HまたはVテレビモニタ内に誤ったまたは歪んだ表示の原因となり得る。図1Cで見られるように、Eシンク48のような1つのパルスのみを追加することは、水平位相ロックループ発振器に対して誤った帰線起点の原因になる。さらに、図1Dで示されたような複数の追加のパルスは、通常、オーバースキャン領域内での帰線起点のさらなるシフトをもたらす(例えば、Eシンクパルス48で示されたように1つのパルスのみを追加することと反対に)。
【0018】
図1Eは、遅延HまたはV機能を有するテレビディスプレイに対する走査誤差または(幾何学的)歪みをどのように補償する(または少なくとも部分的にオフセットする)かについての一例を示している。一例においては、図1Eは、2つのパルス(例えば、JBH、水平シンクの直前およびRAH、水平シンクの直後)がどのように水平発振器のタイミングのスキューイングをバランスさせるかまたは実質的に減少させるかを示しており、スキューイングのバランスまたは減少ができない場合、オーバースキャン領域内のディスプレイに対する(顕著な)画像シフトという結果となる。
【0019】
図1Eで示されたように、第1の部および第2の部では、水平位相ロックループ発振器の位相検出器に結合されたのこぎり波形41’’が示されている。真ん中の部分では、「正常」水平シンク(Hシンク)は、シンク分離回路(図示せず)から引き出された正方向パルス47によって表されている。下の部分では、示された位相検出器の出力は、水平パルスの幅である、正方向パルスおよび負方向パルスの全時間を有する。図1Eの第1の部および第2の部では、位相検出器出力の半分は正方向51であり、位相検出器出力の別の半分は負方向52である。上部波形(のこぎり波信号)は、位相検出器の極性を決定する。例えば、Hシンクがのこぎり波形の正のサイクル(正の領域)と一致した場合、位相検出器は、負方向パルス52を出力する。Hシンクパルスがのこぎり波形の負のサイクル(負の領域)中ののこぎり波形と一致した場合、位相検出器は正パルス51を出力する。
【0020】
図1Eの第1の部および第2の部におけるHシンクパルスが正のサイクルおよび負のサイクルののこぎり波形と一致するため、位相検出器は、ゼロに平均される、正方向パルス51および負方向パルス52を出力する。この例において、ゼロの平均は、「中心にある」画像をもたらす。図1Eのパネル3では、実質的に「中心にある」画像を得るために余剰信号(例えば、JBHおよびRAH42’’)をビデオ信号に追加する方法、または位相検出器をゼロ平均にする一方(例えば、波形43’’では、JBHを介するパルス54、Hシンク47を介するパルス51および52、ならびにRAHを介するパルス55の組み合わされたエリアが約ゼロに平均されるはずである)、約ゼロまたはわずかな走査オフセットが生じることを可能とする方法が示されている。したがって、余剰シンクパルスが水平シンクパルスJBHの直前に追加された場合、水平シンクパルスRAHの直後の別のパルスが、例えば、スキューイングを減少または消去させるために追加される必要がある(またはその逆)。例えば、好ましくは、JBHおよびRAHのパルス幅は、発振器内のわずかなオフセットに対して本質的/実質的に同じである。さらに、前および後のパルスは、好ましくは、位相検出器出力を減少したまたはわずかな走査オフセットを有するゼロにバランスさせるようにおよそ同じ合計または累積持続時間を有するべきである。例えば、Hシンクより前の1つ以上のパルスの合計持続時間がHシンクより後の1つ以上のパルスの合計持続時間と実質的に同じである以上、走査オフセットまたはスキューイングにおける減少が発生する。パルス(例えば、JBHおよび/またはRAH)の相対的な位置は、各々が波形41’’で見られるようにそれぞれの負および正のエリアを超えない限り、移動されてもよい。
【0021】
図2(従来技術)は、帰線消去期間がスクリーンの中央で表示されるような従来のH−V(例えば、クロスパルス)遅延特徴を有するTVディスプレイ(プロタイプのTVモニタのような)を示している。ここで、正常なビデオ信号は、その垂直および/または水平帰線消去期間(オーバースキャン領域)が完全に表示されている。(典型的な消費者TVセットは、垂直および/または水平帰線消去期間を全く表示しないことに留意されたい。)図3は、オーバースキャンエリアの少なくとも一部または垂直帰線消去期間(VBI)の少なくとも一部内に追加された負パルスを有するビデオ信号を有するH−V遅延特徴を有するTVモニタのようなオーバースキャンエリアを表示しているTVの図を示している。ここで、示されるように、VBI内のまっすぐな縁のディスプレイの代わりに、ディスプレイは、図2と比較してオーバースキャンエリア内で望ましくない非線形であるか、乱雑風であるか、または幾何学的に歪んでいる。したがって、少なくとも1つの水平パルスの前および/または後に1つ以上の負方向信号(またはパルス)を追加/挿入することによってビデオ信号(少なくとも1つのコピー防止信号を含み得る)を修正することは、帰線消去期間で表示されるように、オーバースキャンエリアで表示された(幾何学的)歪みを減少させる。この修正は、位相ロックループ回路またはタイミング回路におけるオーバースキャン期間中の位相誤差をオフセットまたは減少することができるか、または修正は、位相検出器からのVBIまたはオーバースキャンエリア中の位相誤差信号を減少することができる。標準ディスプレイ(例えば、Hおよび/またはV遅延機能を使用または有さない消費者TVセット)で普通に見る場合、オーバースキャンエリア内の負方向パルスまたは正方向パルスはディスプレイ上に歪みを発生させないことに留意されたい。
【0022】
図4Aは、ディスプレイのオーバースキャンエリアの一部に波形を提供するために組み合わせ回路62を介して組み合わされ、追加または挿入された源63からの信号(例えば、オーバースキャン期間またはエリアに提供されたコピー防止信号)とともに端末61(例えば、プログラムビデオ源)で付与されたビデオ信号を示している。回路62の出力信号は、次いで、ビデオレコーダー(例えば、VCR)64に結合される。レコーダー64から「出た」出力信号は、次いで、オーバースキャン波形とともにビデオ信号をプレイバックする。ビデオレコーダー64がVCRで通常発見されるような時間軸誤差を多少導入する場合があるため、ビデオレコーダー64からの出力信号を再生するように接続されたTVディスプレイは、通常、普通に見た場合、またはHおよび/またはV遅延機能なしに見た場合に標準TVディスプレイ上に歪みを表示しないそのような時間軸誤差(例えば、レコーダー64のような再生デバイスの速度変化)に対して素早く反応する水平走査回路を有している。したがって、少なくとも1つの負方向パルスが水平シンクパルスとずれているため、追加の波形は、時間軸誤差として解釈されることがある。したがって、図4Bで示されるように、そのようなH−V遅延を有するTVディスプレイ65は、オーバースキャン領域内の幾何学的歪みまたは裂け目を表す。特に、追加の波形がVBI領域および/またはオーバースキャンエリア内のその付近にある場合、幾何学的歪みは、通常、VBI内で表示される。しかしながら、レコーダー64の出力信号がビデオ信号および/または波形を変化させる修正回路66に結合されている場合、TVディスプレイ67はH−V遅延も有しており、したがって、オーバースキャンエリア内の減少された幾何学的歪みを表す。さらに、図4A内の点線で示されるように、コピー防止信号のような帰線消去またはオーバースキャン期間内に信号を含むビデオ源は、修正器66に結合されてもよい。修正器66の出力は、次いで、オーバースキャンエリア内の減少または消去された歪みを表示または示すTVディスプレイ67に接続されてもよい。
【0023】
図4Aに関して、源63によって生成された波形は、TVディスプレイ65がVBIまたはオーバースキャンエリア内の輝度および/または色度誤差および/または幾何学的歪みの任意の組み合わせを表す原因となり得る。輝度および/または色度誤差は、例えば、TVディスプレイ65によって表示されるようなオーバースキャンエリア内の1つ以上の帰線消去期間の少なくとも一部における暗がりまたは明るみとして表れる。したがって、修正回路66は、オーバースキャンエリアまたは帰線消去期間の一部を表示するモニタ上の輝度および/または色度および/または幾何学的誤差/歪みの任意の組み合わせを減少し得る。回路または装置66のような修正器がVBIまたはオーバースキャンエリアの一部に信号を提供するビデオ源(例えば、信号61+63、またはオーバースキャンエリアまたは期間内にコピー防止信号を含み得るビデオ源)と入力端末との間で録画デバイスまたはビデオデバイスに結合されてもよいことに留意されたい。
【0024】
図5Aは、TVディスプレイのオーバースキャンエリア内のTV信号の再生可能性を改善するためのビデオ信号のための修正装置71の一般例を示している。修正装置71は、デジタルおよび/またはアナログドメイン内の入力ビデオ信号を修正してもよい。アナログ回路、デジタル回路またはソフトウェアの任意の組み合わせが、修正装置71の少なくとも一部を実行してもよい。修正装置71は、任意の以下の方法またはそれらの組み合わせによってビデオ信号を修正し得る:
a)オーバースキャンエリア内の位相ロックループ誤差をオフセット(例えば、オーバースキャンディスプレイ上の幾何学的誤差をオフセット)するために信号を追加する。これは、少なくとも1つの負方向パルスをビデオ信号の一部に追加することを含んでもよい。
b)VBIの少なくとも一部および/またはHBIの少なくとも一部、オーバースキャンエリアおよび/またはVBI内の少なくとも1つの選択された負方向パルスの少なくとも一部の位置、パルス幅、レベルおよび/または振幅を修正する。例えば、この修正は、オーバースキャン期間またはエリアにおける表示(viewing)、幾何学的誤差、位相ロックループ発振器誤差、位相検出器オフセット誤差、発振器位相/周波数変化、および/またはオーバースキャンまたは帰線消去エリアの走査の任意の組み合わせを改善する。
c)VBIの一部および/またはHBIの一部、オーバースキャンエリアおよび/またはVBI内の少なくとも1つの選択された正方向パルスの一部の位置、パルス幅、レベルおよび/または振幅を修正する。例えば、修正は、オーバースキャン領域における表示(viewing)を改善する。
d)ディスプレイデバイスに対するオーバースキャンエリア内の再生可能性を改善するために帰線消去期間および/またはオーバースキャンエリア内のレベルを修正する。
【0025】
図5B1〜図5B6は、本開示に従ってビデオ信号修正するために様々な方法および関連の装置を使用した修正装置71の変形を示している。減衰器72は、オーバースキャンエリア内の少なくとも1つの負方向または正方向パルスを減衰してもよい。そのような負パルスは、擬似シンクパルスのような任意の追加の負方向パルスおよび/または等化パルスを含んでもよい。例えば、正方向パルスは、AGC(自動ゲイン制御追加の正方向)パルスであってもよい。例えば、等化パルスの場合、オーバースキャン領域内のTV走査線の真ん中に生じる1つ以上の等化パルスは、オーバースキャン部分における再生可能性を改善するために減衰されてもよい。例えば、追加の負方向(擬似シンク)パルスの場合、1つ以上の擬似シンクパルスの少なくとも一部は、オーバースキャンエリア内の再生可能性を改善するために減衰または修正されてもよい(例えば、帰線消去期間またはオーバースキャン部分を示すディスプレイに対して)。
【0026】
同様に、減衰について上述された例に対して、減衰装置72、レベルシフト装置73、クリッピング装置74、位置シフト装置75、除去装置76および/または置換または加算装置77の任意の組み合わせも、オーバースキャン領域内の再生可能性を改良するために使用されてもよい。上述されたそのような方法および/または装置は、図5Aでは修正器71に含まれてもよく、そのような方法および/または装置は、静的および/または動的(例えば、時変)方法で修正し得る。修正器77はV信号を示しており、V信号は、ビデオ信号の一部または1つ以上の追加のパルスの少なくとも一部に挿入および/または追加された波形または信号であり得る。V信号は、ビデオ信号の選択された帰線消去またはオーバースキャン期間における(表示)ビューイング効果を減少させるための追加または挿入された信号である。例えば、V信号は、図1CにおけるパルスEシンクによるオフセット誤差を減少または取り消すために追加および/または挿入された負方向パルスであってもよい。水平シンクパルスの後の負パルスである信号RAH(例えば、図1CのEシンクパルスと同様)の走査オフセット効果が水平シンクパルスの前の負パルスである信号JBHによって少なくとも部分的に相殺される例として、図1Eを参照。あるいは、例えば、V信号は、正方向パルスによるオーバースキャンエリア内の暗がりを減少させるためにVBIおよび/またはその付近の一部を下げることがある。これらの効果は、表示されたVBIおよび/またはHBIの暗がりおよび/または幾何学的歪みを含み得る。
【0027】
図6A(従来技術)は、例えば、単相スイッチポイント83を有するコピー防止またはコンテンツ制御のために従来使用されている修正されたビデオカラーバースト81の波形を示す一方、図6Bは、位相スイッチポイント84および85を用いた同様の修正されたカラーバースト82を示している。図6Aおよび/または図6Bで示されたような修正されたカラーバーストは、ディスプレイの特定の型のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。
【0028】
図7A〜図7Dは、様々なカラーバースト波形を示している。カラーバースト101は、正位相ΦNを有する正常な(従来技術)カラーバーストを示している。波形102は、位相ΦAおよびΦBの一連のサイクルを分けるスイッチポイントを有する従来のカラーバーストを示している。波形103は、スイッチポイントが2つの位相Φ1およびΦ2を分けるカラーバーストの一例を示す(例えば、Φ2は、実質的に正位相ΦNであり得る)。波形102または103は、選択されたTV線上のコピー防止信号として使用されてもよく、またはディスプレイ内のカラー処理システムを識別するために使用されてもよい。
【0029】
一般に、波形103(またはカラーストライプ波形)のようなコピー防止信号は、カラーストライプ信号の一バージョンを形成するために波形101のような正位相カラーバーストを有する多数の線(例えば、8、9、10本等)ごとに特定の数のTV走査線(1、2、3または4本の線のカラーバースト修正)のグループで提供されている。例えば、12本のTV走査線のセットにおいて、2本または4本のTV走査線は、位相修正を含む図7Aの波形102のような波形を含んでもよく、グループ内の残りの20本〜8本のTV線は、図7Bの101で示されるように「正常」信号(例えば、カラーバーストの位相修正がない)を有している。コピー防止信号の有効性を上げるためにおよび/または新しいコピー防止信号を提供するために、少量の正常ではないカラーバーストサブキャリア位相信号(例えば、1〜3サイクル、または選択された数のサイクル)を有する波形101のようなカラーバーストにおける少なくとも1つのTV走査線を修正する。波形104では、波形101の選択された走査線が位相Φ1で修正される。(以前に)実質的に正位相を含む1つ以上のTV走査線にΦ1信号を挿入、提供または追加するこの修正は、線の別のセットがカラーストライプ信号/波形(波形103または生成されたカラーストライプ波形のような)を含む場合、コピー防止信号を提供する。上述された任意のカラーバースト信号修正(波形102、103および/または104のような)がコピー防止信号を提供するためにアクティブおよび/またはオーバースキャンエリア内の任意のTV線に含まれてもよい。
【0030】
一例としては、波形104等を有するカラーバースト101を有する多数のTV走査線を埋めるまたは提供する、および/または103のようなバースト位相修正または波形104を有する一組の線より多くの正常ではない位相のサイクルがあるバースト位相修正を有する別の組の線を含むことである。
【0031】
図8は、HBIおよび/またはその付近の少なくとも一部を修正するための例示装置120を示している(選択されたTV線に対して)。端末125上のビデオ入力信号は、修正回路122に結合されているタイミング信号HBI1(線123)および/またはHBI2(線124)を生成するタイミング回路121に結合されている。修正回路122は、次いで、端末125上のビデオ信号を受信し、例えば、正常ではない位相カラーバーストを端末126上の少なくとも1本のTV走査線(例えば、実質的に正常(位相)バーストを有する)に追加、挿入または提供するためにHBIおよび/またはその付近の少なくとも一部を修正する。図9は、サブキャリア信号が少なくとも1つのHBIエリア内のビデオ入力信号の選択された部分に追加または挿入された例示の修正装置111を示している。例えば、回路111は、正常(位相)カラーバースト包絡線(を提供する)前に正常ではない位相サブキャリアの少なくとも1つのサイクルを追加、提供または挿入してもよい。図6Aまたは図6Bで見られるまたは波形103にあるような分相バーストを有する選択された数の線を有するコピー防止信号(カラーバースト包絡線は標準カラーバーストと比較して余分なサイクルを含み得る)を合成し、次いで図7DのΦ1のような分割バーストカラーバースト(またはカラーストライプ信号)を含んでいない少なくとも1本の線に正常ではない位相の少なくとも一部を追加または提供することができることに留意されたい。102、103および104の例は位相の2つのゾーンを示しているが、コピー防止信号を合成するために2つより多いゾーンが提供されてもよい。
【0032】
新しいカラーストライプ(例えば、コピー防止)信号(擬似シンク、AGCパルス、修正されたフロントおよび/またはバックポーチレベル、アクティブビデオ線の一部を含み得るオーバースキャンエリア内の追加のパルスの任意の組み合わせを含み得る別のビデオコピー防止信号と組み合わされてもよい)は、一組の選択された線の水平帰線消去期間において正常および正常ではない位相サブキャリアサイクルの複数のサイクルを含み、別の組の選択された線には、正位相サブキャリアの多数のサイクルに加えて正常ではない位相サブキャリアサイクルの少なくとも一部を含んでもよい。例えば、コピー防止信号では、一組のTV線が、HBI内の正常位相サブキャリアの6〜12サイクルが後に続く正常ではない位相サブキャリアの1〜3サイクルを生成し得る一方、別の組のTV線は、HBI内の正位相サブキャリアの4〜7サイクルが後に続く正常ではない位相の4〜7サイクルを生成し得る。当然、正常および/または正常ではない位相サブキャリアのサイクルに対して別の数字が使用されてもよい。別の例では、カラーバースト(位相)修正を含む二組(またはそれ以上)のTV線がある。一組のTV線は、別の組のTV線よりバックポーチエリアまたはHBI内に少ない正常ではない位相サブキャリアのサイクルを有している。さらに、当然に、任意のこれらのバースト修正は、任意の追加のパルス、および/またはフロントおよび/またはバックポーチ領域におけるHBI修正を含んでもよい。
【0033】
新しいカラーストライプ信号に対していくらかの位相修正を線(例えば、少なくとも一部または全て)に提供することによって(例えば、一組のTV線が別の組のTV線より多くの位相修正のサイクルを有している)、カラーストライプ処理の有効性が増すことに留意されたい。例えば、くし形フィルタ等を使用するTVシステム(例えば、ビデオレコーダー)は、連続するTV線の間のカラー信号を平均する。例えば、2本線のカラーストライプ処理は、特定のくし形フィルタを有するいくつかのレコーダーを有する4本線のカラーストライプ処理と比較してかあまり効果的ではない。その理由の一部としては、2カラーストライプ信号は、ライン・ツー・ライン平均を利用するくし形フィルタによってこすられるかまたは平均される。例えば、信号101を有するTV線と信号103を有する別のTV線との間を平均することは、101ではバーストサイクルが信号103のバーストサイクルほど即座に開始しないため、信号103の最初の1または2Φ1サイクルの減衰をもたらす。水平シンクパルスから即座に続く第1のサイクル期間に対する信号101〜103の平均振幅は、約50%である。したがって、101の通常修正されていないカラーバースト信号(の1本以上のTV線)に対して104を提供するまたは101を104で置換することは、波形104から103において、くし形フィルタを介してより少ない(コピー防止効果)減衰(または結果的にさらなるコピー防止有効性)をもたらす(例えば、1、2、3または4本線のコピー防止信号に対してより効果的なカラーストライプ信号を提供するまたはそのような結果となる)。くし形フィルタを利用するレコーダーまたはデバイスを用いることによってより効果的であるこの新しいカラーストライプ(コピー防止)信号は、TVディスプレイで使用される特定の種類の信号処理を識別するために使用されてもよい(例えば、下記参照)。
【0034】
一実施形態は、TVディスプレイがくし形フィルタまたは従来のアナログフィルタのどちらを組み入れているかを識別するための方法を提供する。くし形フィルタは、通常、1本のTV走査線を別の(連続する)走査線に加算または減算するために遅延線を使用する。その際、テスト信号または特定のプログラムビデオ信号を用いて、くし形フィルタの印は、アクティブ画像エリアで見られる「ハンギングドット」として知られるアーチファクトである(1本の走査線から別の線へ)。従来のアナログフィルタは、これらのハンギングドットという結果にならない。これらのハンギングドットは、ビデオプログラムで容易に見ることはできない。なぜなら、ビデオ信号は、シーンからシーンへと変化する傾向があり、標準TVセットで普通に見た場合に見ている人がハンギングドットを見ることを可能とする十分なカラー情報を全てのシーンが有していない。
【0035】
したがって、実質的に正位相のカラーバースト信号とは異なるサブキャリアの少なくとも1つのサイクルを含み得るカラーストライプ信号を追加するための新しい使用は、HBI(水平帰線消去期間)内の少なくとも1本の走査線に設けられてもよい。このカラーバースト修正は、実質的に正位相のカラーバーストの少なくとも1つのサイクルに充たる場合があり、および/または入力カラーバーストが存在しないことがあるHBI内の別の領域に提供されてもよい。例えば、実質的に正常なカラーバースト信号の少なくとも1本の線が後に続く、2〜4本の走査線に対する分相カラーバースト包絡線を有するビデオ信号を修正することは、くし形フィルタを有するTVディスプレイを識別するHBIまたはオーバースキャンエリア内にハンギングドットが直ちに示す(例えば、Hおよび/またはH−V遅延機能を有するモニタ上に表示されているように)。HIBまたはオーバースキャンエリア内にハンギングドットが表示されていない場合、TVディスプレイはアナログフィルタを有しているように識別される。したがって、カラーストライプコピー防止信号の新しい使用は、ディスプレイ内のビデオ信号のカラー処理に使用される特定の型のフィルタの識別を可能にする(例えば、オーバースキャンエリアを見ることによって)方法および装置のためである。当然、カラーストライプ信号の位相および/または振幅を修正することは、水平および/または垂直遅延表示特徴を有するTVディスプレイにおけるカラー処理システム(くし形フィルタまたは従来のアナログクロマフィルタ)の型を識別する能力を減少させる。くし形フィルタを有するTVモニタからオーバースキャンエリア内のハンギングドットを示している図10Aを参照(例えば、H−V遅延機能または特徴を有するディスプレイを介して)。水平(実際のディスプレイ上では青色)ストライプは、オーバースキャンエリア内の従来のカラーストライプバースト修正に起因する。ストライプのすぐ右の部分(実際のディスプレイ上では緑色)は、正常カラーバースト位相を表す。図10Aでは、カラーストライプ信号は実際2本の走査線であるが、くし形フィルタでは、1本の(青)カラーストライプ走査線のみがオーバースキャンエリア内ではっきりで表示されている。アナログフィルタを有するTVセットによってオーバースキャンエリア内に表示された2走査線カラーストライプ信号では、2本の(青)水平カラーストライプ走査線がはっきりと見え、図10Bに示されるように、ハンギングドットも表示されない。
【0036】
別の実施形態では、ビデオ信号の一部における追加のパルスまたは信号の使用は、帰線消去期間またはオーバースキャン部分が表示されているときに歪みを生成するために使用されてもよい。例えば、1つ以上の擬似シンクパルスは、オーバースキャンエリアを表示するTVセット内で表示誤差を引き起こすために使用されてもよい。別の例では、正方向パルス/信号が、表示されたオーバースキャンエリアを暗くするために使用されてもよい。あるいは、修正されたバックポーチレベルが、表示されたときに帰線消去期間またはオーバースキャンエリアを暗く(例えば、上がったバックポーチ期間をもたらす)または明るく(例えば、下がったバックポーチ期間)してもよい。
【0037】
本明細書中に記載された任意の装置または方法が、任意のコピー防止信号(例えば、擬似シンクパルス、シンク振幅、シンクパルス幅、および/またはシンク位置修正、バックおよび/またはフロントポーチ修正、追加の正方向パルス、カラーバースト位相、周波数、および/または振幅修正)および/またはコピー防止情報信号(例えば、APSビット、アナログコピー防止システム、CGMS、CGMS−A、CGMS−D、HDCP、コントロールビット、および/またはデータ信号)の存在を表す信号を提供するリーダーまたは検出器の任意の組み合わせを含んでもよいことに留意されたい。
【0038】
さらに、本明細書中に記載された任意の方法または装置は、アナログ、デジタル、ソフトウェアドメインまたはそれらの組み合わせにおいて実行されてもよい。本開示のあらゆる部分に記載されたビデオ信号は、任意の標準(例えば、アナログおよび/またはデジタル)テレビまたはビデオディスプレイ信号であってもよい。記載された任意のそのような装置および/または方法は、時間および/または周波数スケーリングまたは移動を含んでもよい。
【0039】
本開示は、例示的であり、限定をするものではない。さらなる変形が本開示に照らして当業者にとって明白になり、添付の特許請求の範囲内であることが意図されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ信号に関連するビデオ画像のオーバースキャン部分およびアクティブ部分を表示するビデオディスプレイデバイスに前記ビデオ信号を提供することと、
帰線消去期間において、前記ビデオ信号の一部を修正することと
を含む方法であって、
前記修正の結果として、表示された前記オーバースキャン部分は、改善された見易さを表す、方法。
【請求項2】
前記帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は複数の等化パルスを含み、前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを修正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記垂直帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、標準テレビ信号に存在しない少なくとも1つの追加のパルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記追加のパルスは、前記ビデオ信号に関して正方向または負方向である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記修正することは、少なくとも1つの追加のパルスを除去すること、少なくとも1つの追加のパルスの幅を変更すること、少なくとも1つの追加のパルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの追加のパルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記追加のパルスは、前記垂直帰線消去期間における水平走査線のバックポーチ領域に存在する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記修正することがないと、前記表示されたオーバースキャン部分は歪みを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記修正がないときの前記追加のパルスの存在は、前記表示されたオーバースキャン部分に電圧クランプ誤差をもたらし、前記追加のパルスの前記修正は、前記電圧クランプ誤差を減少させ、それによって、前記表示されたオーバースキャン部分の見易さを改善する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ビデオディスプレイデバイスは、テレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタ、またはコンピュータディスプレイのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記修正することは、1つ以上の水平シンクパルスの前または後に、少なくとも1つの負方向パルスを追加または挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ビデオ信号は、前記ビデオ信号が前記オーバースキャン部分に表示された場合に輝度クランプ誤差をもたらす前記オーバースキャン部分内の選択された水平走査線におけるバックポーチ領域において、正または負のレベルを含み、
前記ビデオ信号は、前記オーバースキャン部分において低減された輝度クランプ誤差を提供するように修正される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビデオ信号を修正するための装置であって、前記装置は、前記ビデオ信号に関連するビデオ画像のオーバースキャン部分およびアクティブ部分を表示するビデオディスプレイデバイスに、修正したビデオ信号を提供するために結合されるようになされ、前記装置は、
前記ビデオ信号を受信するための入力ポートと、
前記ビデオディスプレイデバイスに結合されるようになされた出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間に結合され、前記ビデオ信号の帰線消去期間において前記ビデオ信号を修正する回路とを含み、
前記ビデオ信号の前記オーバースキャン部分は、前記ビデオディスプレイデバイス上に表示されたときに、前記修正の結果として、前記オーバースキャン部分において改善された見易さを表す、装置。
【請求項14】
前記帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、等化パルスを含み、前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを修正することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記垂直帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、標準テレビ信号に存在しない少なくとも1つの追加のパルスを含み、前記修正することは、前記追加のパルスを修正することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記追加のパルスは、前記ビデオ信号に関して正方向または負方向である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記修正することは、少なくとも1つの追加のパルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記追加のパルスは、前記垂直帰線消去期間またはオーバースキャンエリアにおける水平走査線のバックポーチ領域に存在する、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記修正することがないと、前記表示されたオーバースキャン部分は歪みを示す、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記修正がないときの前記追加のパルスの存在は、前記表示されたオーバースキャン部分に電圧クランプ誤差をもたらし、前記追加のパルスの前記修正は、前記電圧クランプ誤差を減少させ、それによって、前記表示されたオーバースキャン部分の見易さを改善する、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記ビデオディスプレイデバイスは、テレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタ、またはコンピュータディスプレイのうちの1つである、請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記修正することは、1つ以上の水平シンクパルスの前または後に、少なくとも1つの負方向パルスを追加または挿入することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
ビデオコピー防止信号を合成する方法であって、
水平帰線消去期間において正常ではない位相のカラーバーストサイクルを有する一組の走査線を有するビデオ信号を提供することと、
第1のセットより少ない水平帰線消去期間における正常ではない位相のサイクルを含む前記ビデオ信号に別の組の走査線を提供することと
を含み、
前記ビデオコピー防止信号の合成は、より効果的なカラーストライプビデオコピー防止信号を提供する、方法。
【請求項25】
テレビまたはビデオディスプレイにおけるカラー処理システムの種類を識別する方法であって、
ビデオ信号の1本以上の走査線のカラーバースト部分において正しくない位相の少なくとも1つのサイクルを有するビデオ信号を前記ディスプレイに提供することと、
前記ビデオ信号が表示されたときに前記ディスプレイのオーバースキャンエリアのカラーバースト部分を観察することであって、前記カラーバースト部分における観察された減衰またはハンギングドットは、くし形フィルタカラー処理システムを示す、ことと
を含む、方法。
【請求項26】
ビデオ信号がその中に修正したカラーバーストを有するように修正する方法であって、
前記ビデオ信号の選択された組の走査線に対して正しくない位相の少なくとも1つのサイクルを含むカラーバーストを前記ビデオ信号に提供することを含み、
前記修正したカラーバーストは、前記カラーバーストエリアの少なくとも一部がディスプレイ上に表示されたときにテレビまたはビデオディスプレイのカラー処理システムの識別を可能にする、方法。
【請求項1】
ビデオ信号に関連するビデオ画像のオーバースキャン部分およびアクティブ部分を表示するビデオディスプレイデバイスに前記ビデオ信号を提供することと、
帰線消去期間において、前記ビデオ信号の一部を修正することと
を含む方法であって、
前記修正の結果として、表示された前記オーバースキャン部分は、改善された見易さを表す、方法。
【請求項2】
前記帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は複数の等化パルスを含み、前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを修正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記垂直帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、標準テレビ信号に存在しない少なくとも1つの追加のパルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記追加のパルスは、前記ビデオ信号に関して正方向または負方向である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記修正することは、少なくとも1つの追加のパルスを除去すること、少なくとも1つの追加のパルスの幅を変更すること、少なくとも1つの追加のパルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの追加のパルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記追加のパルスは、前記垂直帰線消去期間における水平走査線のバックポーチ領域に存在する、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記修正することがないと、前記表示されたオーバースキャン部分は歪みを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記修正がないときの前記追加のパルスの存在は、前記表示されたオーバースキャン部分に電圧クランプ誤差をもたらし、前記追加のパルスの前記修正は、前記電圧クランプ誤差を減少させ、それによって、前記表示されたオーバースキャン部分の見易さを改善する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ビデオディスプレイデバイスは、テレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタ、またはコンピュータディスプレイのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記修正することは、1つ以上の水平シンクパルスの前または後に、少なくとも1つの負方向パルスを追加または挿入することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ビデオ信号は、前記ビデオ信号が前記オーバースキャン部分に表示された場合に輝度クランプ誤差をもたらす前記オーバースキャン部分内の選択された水平走査線におけるバックポーチ領域において、正または負のレベルを含み、
前記ビデオ信号は、前記オーバースキャン部分において低減された輝度クランプ誤差を提供するように修正される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビデオ信号を修正するための装置であって、前記装置は、前記ビデオ信号に関連するビデオ画像のオーバースキャン部分およびアクティブ部分を表示するビデオディスプレイデバイスに、修正したビデオ信号を提供するために結合されるようになされ、前記装置は、
前記ビデオ信号を受信するための入力ポートと、
前記ビデオディスプレイデバイスに結合されるようになされた出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間に結合され、前記ビデオ信号の帰線消去期間において前記ビデオ信号を修正する回路とを含み、
前記ビデオ信号の前記オーバースキャン部分は、前記ビデオディスプレイデバイス上に表示されたときに、前記修正の結果として、前記オーバースキャン部分において改善された見易さを表す、装置。
【請求項14】
前記帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、等化パルスを含み、前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを修正することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記修正することは、少なくとも1つの等化パルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記垂直帰線消去期間における前記ビデオ信号の一部は、標準テレビ信号に存在しない少なくとも1つの追加のパルスを含み、前記修正することは、前記追加のパルスを修正することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記追加のパルスは、前記ビデオ信号に関して正方向または負方向である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記修正することは、少なくとも1つの追加のパルスを除去すること、少なくとも1つの等化パルスの幅を変更すること、少なくとも1つの等化パルスの位置を変更すること、または少なくとも1つの等化パルスの振幅を変更することのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記追加のパルスは、前記垂直帰線消去期間またはオーバースキャンエリアにおける水平走査線のバックポーチ領域に存在する、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記修正することがないと、前記表示されたオーバースキャン部分は歪みを示す、請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記修正がないときの前記追加のパルスの存在は、前記表示されたオーバースキャン部分に電圧クランプ誤差をもたらし、前記追加のパルスの前記修正は、前記電圧クランプ誤差を減少させ、それによって、前記表示されたオーバースキャン部分の見易さを改善する、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記ビデオディスプレイデバイスは、テレビ受信器、テレビモニタ、ビデオモニタ、クロスパルスモニタ、またはコンピュータディスプレイのうちの1つである、請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記修正することは、1つ以上の水平シンクパルスの前または後に、少なくとも1つの負方向パルスを追加または挿入することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
ビデオコピー防止信号を合成する方法であって、
水平帰線消去期間において正常ではない位相のカラーバーストサイクルを有する一組の走査線を有するビデオ信号を提供することと、
第1のセットより少ない水平帰線消去期間における正常ではない位相のサイクルを含む前記ビデオ信号に別の組の走査線を提供することと
を含み、
前記ビデオコピー防止信号の合成は、より効果的なカラーストライプビデオコピー防止信号を提供する、方法。
【請求項25】
テレビまたはビデオディスプレイにおけるカラー処理システムの種類を識別する方法であって、
ビデオ信号の1本以上の走査線のカラーバースト部分において正しくない位相の少なくとも1つのサイクルを有するビデオ信号を前記ディスプレイに提供することと、
前記ビデオ信号が表示されたときに前記ディスプレイのオーバースキャンエリアのカラーバースト部分を観察することであって、前記カラーバースト部分における観察された減衰またはハンギングドットは、くし形フィルタカラー処理システムを示す、ことと
を含む、方法。
【請求項26】
ビデオ信号がその中に修正したカラーバーストを有するように修正する方法であって、
前記ビデオ信号の選択された組の走査線に対して正しくない位相の少なくとも1つのサイクルを含むカラーバーストを前記ビデオ信号に提供することを含み、
前記修正したカラーバーストは、前記カラーバーストエリアの少なくとも一部がディスプレイ上に表示されたときにテレビまたはビデオディスプレイのカラー処理システムの識別を可能にする、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B1】
【図5B2】
【図5B3】
【図5B4】
【図5B5】
【図5B6】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B1】
【図5B2】
【図5B3】
【図5B4】
【図5B5】
【図5B6】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2010−507976(P2010−507976A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534591(P2009−534591)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/021920
【国際公開番号】WO2008/051387
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(597095197)マクロビジョン・コーポレーション (53)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/021920
【国際公開番号】WO2008/051387
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(597095197)マクロビジョン・コーポレーション (53)
【Fターム(参考)】
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