説明

X線検知用絆創膏およびX線検知用絆創膏の製造方法

【課題】X線検知機に対する検知感度が高いX線検知用絆創膏であって、X線検知機だけでなく金属探知機に対する検知感度が高く、かつ、絆創膏の伸縮性を損なわないX線検知用絆創膏およびX線検知用絆創膏の製造方法を提供する。
【解決手段】基材および粘着層を含んでなる粘着保護部材と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッド、を下方から順次に積層してなる吸収部材と、を備えるX線検知用絆創膏において、吸収部材が、所定の金属箔、所定の長尺物、および吸収パッドの熱圧着積層物から構成してあるX線検知用絆創膏である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線検知用絆創膏およびX線検知用絆創膏の製造方法に関する。特に、X線検知機によって、精度良く検知可能なX線検知用絆創膏、およびX線検知用絆創膏の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絆創膏等が脱離して、食品等に誤って混入した場合、その検知のために、金属探知機により検出可能な絆創膏が提案されていた。
より具体的には、図8(a)に示すように、粘着シート102上に、アルミ箔105と、パッド103と、を有する救急絆創膏110において、粘着シート102とパッド103との間に、アルミ箔105を介在させた救急絆創膏である(例えば、特許文献1参照)。
また、本願発明の出願人らは、精度良く検知可能なX線検知材料含有布帛、X線検知用絆創膏およびX線検知用絆創膏の製造方法を提案している(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、図8(b)に示すように、基材214および粘着層212を含んでなる粘着保護部材216と、当該粘着保護部材216上の所定箇所に設けられた吸収パッド220と、を有するX線検知用絆創膏230において、吸収パッド220が布帛210(210a、210b)中に、被覆物204によって、全面的または部分的に被覆したX線検知材料202を所定間隔で配置してなるX線検知材料含有布帛206から構成してあるX線検知用絆創膏である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3025216号(実用新案登録請求の範囲)
【特許文献2】国際公開WO2008/146529号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された救急絆創膏は、金属探知機によっては検出可能であるものの、アルミ箔が薄すぎるため、X線検知器には、検出されないという問題が見られた。
また、特許文献2に開示されたX線検知材料含有布帛は、X線検知機による検知精度が高いものの、製造工程が比較的複雑であって、歩留まりが悪くなる場合があるという問題が見られた。
例えばステッチボンド法で2枚の布帛の間に、所定のX線検知材料含有布帛を編み込む際に、ニードルとX線検知材料とが接触して、ニードルが損傷する場合があるという問題が見られた。
また、切断工程において、切断治具とX線検知材料とが接触して、切断治具が損傷する場合があるという問題が見られた。
【0005】
そこで、本発明者は、吸収部材を、金属探知機によって検出可能な所定の金属箔、X線検知材料を含む長尺物、および吸収パッドから構成することによって、金属探知機およびX線検知器に対して高い検知感度を得ることができ、かつ、吸収部材を熱圧着することによって、安定的に製造することができることを見出し、本願発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、一般的に使用される金属探知機のみならず、X線探知機に対する検知感度が高いX線検知用絆創膏、およびそのようなX線検知用絆創膏の効率的な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、基材および粘着層を含んでなる粘着保護部材と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッド、を下方から順次に積層してなる吸収部材と、を備えるX線検知用絆創膏において、吸収部材が、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッドの熱圧着積層物から構成してあるX線検知用絆創膏が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、X線検知材料が、被覆物によって、全面的または部分的に被覆されていることから、配置した箇所から移動しないとともに、脱落等のおそれが少なくなる。よって、X線検知用絆創膏が、誤って金属パッケージ品に混入したような場合には、金属探知機では検知できないものの、本願発明のX線検知材料含有布帛であれば、X線検知機によって、正確に検知することができる。
また、X線検知物が被覆物によって被覆されてなる長尺物と、所定の金属箔と、吸収パッドとを、順次に積層してなる吸収部材を、熱圧着することによって、編み込み装置を使用する工程が省け、さらにX線検知材料に起因した切断装置に対する損傷についても有効に防止することができる。
さらに、所定の金属箔を吸収部材に備えることによって、X線検知器のみならず、金属探知機にも感度良好であるため、食品等に混入した際の検知感度をさらに向上させることができる。
なお、本発明の熱圧着積層物とは、所定の金属箔と、所定の長尺物と、吸収パッドとを順に積層して熱圧着した吸収部材である。
【0007】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成することにあたり、X線検知材料が、線状であって、その平均長さを0.3〜10mmの範囲内の値とし、平均太さを0.1〜3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、X線検知機に対する所定の感度を得ることができる。
また、平面方向に配列しやすいため、使用時の異物感を和らげたり、吸収パッドにおける機能低下を少なくしたりすることができる。
【0008】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成することにあたり、X線検知材料が、コイル状に巻回してあることが好ましい。
このように構成することにより、X線検知器に対する感度を損なわず、切断工程の際に、切断部分への損傷をさらに低減することができる。
【0009】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成することにあたり、金属箔が、アルミニウムであることが好ましい。
このように構成することにより、金属探知機に対する感度を損なわず、比較的軽量で、かつ安価にX線検知用絆創膏を製造することができる。
【0010】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成することにあたり、金属箔の厚さを、1〜30μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、絆創膏の伸縮性を損なわず、使い勝手性が良好であってかつ、金属探知機に対する感度を損なわず、製造性も保持することができる。
【0011】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成するにあたり、ホットメルト接着剤が、オレフィン系ホットメルト接着剤、ポリエチレン系ホットメルト接着剤、ポリプロピレン系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、及びポリ塩化ビニル系ホットメルト接着剤からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
このように構成することにより、所定の金属箔と、所定の長尺物と吸収パッドとを容易に熱圧着することができ、皮膚への刺激性が少なく、良好な使い勝手を得ることができる。
【0012】
また、本発明のX線検知用絆創膏を構成することにあたり、粘着保護部材おける基材が着色してあることが好ましい。
このように構成することにより、かかる絆創膏が食品等に混入した場合であっても、目視によって識別しやすくすることができる。特に、粘着保護部材における基材のみが、食品等に混入した場合であっても、目視によって、容易に検知することができる。
【0013】
また、本発明の別の態様は、基材および粘着層を含んでなる粘着保護部材と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッドを下方から順次に積層してなる吸収部材とを備えるX線検知用絆創膏の製造方法において、金属箔と、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物と、吸収パッドとを積層する工程と、積層した吸収部材を加熱して一体化し、熱圧着積層物を形成する工程と、熱圧着積層物を所定の大きさに切断する工程と、粘着保護部材を形成する工程と、粘着保護部材上の所定箇所に熱圧着積層物を積層する工程と、を含むことを特徴とするX線検知用絆創膏の製造方法である。
すなわち、所定の金属箔と、所定の長尺物と、吸収パッドとを積層して、加熱圧着により一体化していることから、X線検知材料が所定箇所に良好に固定され、切断工程において、切断治具を損傷することなく製造することができるため、歩留まりを向上させることができる。
また、所定の長尺物を吸収パッドに編み込む必要がないため、工程が簡略化でき、生産性を向上させることができる。
また、所定の金属箔と、吸収パッドとを一体化していることから、絆創膏の伸縮性を損なわないX線検知用絆創膏を効率的に得ることができる。
さらに、X線検知材料と所定の金属箔を設けていることにより、X線検知器のみならず、金属探知機にも良好に反応するX線検知用絆創膏を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)〜(b)は、X線検知用絆創膏の態様を説明するために供する図である。
【図2】図2(a)〜(b)は、被覆物によって被覆されたX線検知材料を所定間隔で包含する長尺物の態様を説明するために供する図である。
【図3】図3(a)〜(d)は、被覆物によって被覆されたX線検知材料を所定間隔で包含する長尺物の別の態様を説明するために供する図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、図2(b)における長尺物の態様の好適例を説明するために供する図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、X線検知用絆創膏の態様の好適例を説明するために供する図である。
【図6】図6は、X線検知用絆創膏の製造方法を説明するために供する図である。
【図7】図7は、X線検知機を説明するために供する図である。
【図8】図8は、(a)〜(b)は、従来の金属検知用絆創膏およびX線検知用絆創膏を説明するために供する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、図1(a)〜(b)に示すように、基材28および粘着層26を含んでなる粘着保護部材30と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔22、X線検知材料12が被覆物14によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物10、および、吸収パッド24、を下方から順次に積層してなる吸収部材40と、を備えるX線検知用絆創膏において、吸収部材40が、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔22、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物10、および、吸収パッド24の熱圧着積層物から構成してあるX線検知用絆創膏20である。
以下、構成要件ごとに、第1の実施形態のX線検知用絆創膏20を具体的に説明する。
【0016】
1.吸収部材
1−1.吸収パッド
X線検知用絆創膏を構成する吸収パッドの形態としては特に制限されるものではないが、例えば、ドライステープル法、エアーレイ法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、あるいはスパンレース法によって得られる吸収パッドであることが好ましい。
そして、かかる吸収パッドの形態としては、例えば、長さ15〜100mm、直径6〜100μmの短繊維が絡み合って構成された不織布であることが好ましい。
あるいは、例えば、1m〜100m以上の長繊維と、長さ15〜100mmの短繊維が絡み合って、不織布状態を保持していることも好ましい。
【0017】
また、吸収パッドの厚さ(非圧縮状態)を0.1〜10mmの範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜3mmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2.5mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような吸収パッドの厚さとすることにより、所定の取り扱い性と、長尺物および金属箔との接着容易性との間のバランスを良好なものとすることができるためである。
すなわち、吸収パッドが過度に薄いと、血液や体液等の吸収性が低下し、絆創膏としての機能が低下する場合があるためである。また、X線検知材料が皮膚を刺激し、使い勝手が低下する場合があるためである。一方、吸収パッドが過度に厚くなると、逆に、吸収パッドの取り扱い性が低下したり、金属箔および長尺物との接着性が低下したりする場合があるためである。
【0018】
また、吸収パッドの重量(非圧縮状態)を10〜500g/m2の範囲内の値とすることが好ましく、30〜300g/m2の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜150g/m2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような吸収パッドの重量とすることにより、所定の取り扱い性と、長尺物および金属箔との接着容易性との間のバランスを良好なものとすることができるためである。
すなわち、吸収パッドが過度に軽いと、吸収パッドの取り扱い性が低下したり、X線検知材料が皮膚を刺激し、使い勝手が低下したりする場合があるためである。一方、吸収パッドが過度に重くなると、逆に、吸収パッドの取り扱い性が低下したり、使い勝手が低下したりする場合があるためである。
【0019】
さらに、吸収パッドの嵩密度(非圧縮状態)を0.005〜0.5g/cm2の範囲内の値とすることが好ましく、0.01〜0.1g/cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.08g/cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このような吸収パッドの嵩密度とすることにより、所定の取り扱い性と、長尺物および金属箔との接着容易性との間のバランスを良好なものとすることができるためである。
すなわち、吸収パッドの嵩密度の値が小さいと、吸収パッドの取り扱い性が低下したり、血液や体液の吸収が困難になったり、長尺物および金属箔との接着容易性が低下したりする場合があるためである。一方、吸収パッドの嵩密度の値が過度に大きくなると、逆に、吸収パッドの取り扱い性が低下したり、血液や体液の吸収が困難になったりする場合があるためである。
【0020】
また、吸収パッドが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、パルプ繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群から選択される少なくとも一つの繊維から構成してあることが好ましい。
この理由は、このような種類の繊維から構成することにより、吸収パッドとしての安定的な製造が容易になり、体液や血液の吸収性が優れるためである。
特に、吸収パッドが不織布であって、レーヨン繊維と、ポリエステル繊維との混合繊維、あるいは、ポリプロピレン繊維と、ポリエチレン樹脂との混合繊維、さらには、ポリプロピレン繊維と、ポリエステル繊維との混合繊維から構成されているのであれば、軽量性と、耐久性との間の良好なバランスを得ることができる。
【0021】
また、吸収パッドが、皮膚と接触する側に、ネット状のフィルムをラミネートして構成してあることが好ましい。
この理由は、このようにネット状のフィルムを備えることにより、吸収パッドが皮膚と過度に密着したり、体液や血液と一体となって固化して、傷口に付着したりすることを防止することができ、また、衛生的であるためである。
また、ネット状のフィルムが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリアセタールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、レーヨンフィルム、コットンフィルム、パルプフィルム、およびポリ塩化ビニルフィルムからなる群から選択される少なくとも一つの繊維から構成してあることが好ましい。
この理由は、このような種類のフィルムから構成することにより、ネット状フィルムとしての安定的な製造が容易になり、皮膚への刺激を低減できるためである。
特に、ネット状フィルムがポリエチレンフィルムまたはポリプロピレンフィルムから構成されているのであれば、衛生的で、生産性の高いネット状フィルムを得ることができる。
【0022】
1−2.長尺物
また、図2(a)〜(b)または、図3(a)〜(d)に示すように、被覆物14(14a、14b)によって、全面的または部分的に被覆したX線検知材料12を所定間隔(L)で配置してあることを特徴とする。
ここで、図2(a)は、概ね円柱状(以下、線状物と称する場合がある。)のX線検知材料12が、複数の糸状物(繊維)からなる被覆物14によって、周囲方向から被覆され、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
【0023】
また、図2(b)は、概ねコイル状のX線検知材料12が、複数の糸状物(繊維)からなる被覆物14によって、周囲方向から被覆され、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
なお、図2(a)〜(b)に示すように、複数の糸状物(繊維)からなる被覆物14によって、被覆されてなるX線検知材料12は、被覆物の外に脱落しやすい場合がある。したがって、図4(a)〜(c)に示すように、一旦、V字状に加工(折り曲げ)したフィルム14dを準備し、その谷部に、X線検知材料12を載置し、その状態で、周囲から糸状物(繊維)からなる被覆物14によって被覆することが好ましい。
【0024】
また、図3(a)は、概ね円柱状のX線検知材料12が、被覆物14によって、上下方向から被覆され、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
【0025】
また、図3(b)は、概ね矩形状のX線検知材料12が、被覆物14の一部としての被覆物用基材14aの上に配置されるとともに、上方向から、被覆物14のさらに一部としての被覆物用樹脂14bによって被覆され、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
なお、図3(b)に記載された被覆物用基材14aの形態としては特に制限されるものではないが、例えば、PETフィルム、アクリルフィルム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、シリコンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
【0026】
また、図3(c)は、概ね扁平状(楕円状)のX線検知材料12が、被覆物14の一部としての被覆物用基材14aの内部14cに埋設されるとともに、上方向から、被覆物14のさらに一部としての被覆物用樹脂14bによって被覆され、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
【0027】
さらに、図3(d)は、概ね円柱状のX線検知材料12が、被覆物14の内部14cに埋設された状態、すなわち、部分的に被覆され、長径方向が垂直に交わるように、等間隔で配列してなる長尺物10の断面概略図である。
【0028】
すなわち、このように図2(a)〜(b)または図3(a)〜(d)に示すような、X線検知材料12として、被覆物によって加工されてなる所定の長尺物10を作成し、かかる長尺物10を所定の長さに切断することによって、X線検知機に対する感度がばらつかない長尺物を得ることができる。
また、図2(a)〜(b)または図3(a)〜(d)に示す所定の長尺物10において、X線検知材料が不連続であって、かつ等間隔で配列していることから、絆創膏の伸縮性を損なわないX線検知材料含有長尺物を提供することができる。
【0029】
また、図2(a)等に示すように、所定の長尺物10において、X線検知材料12が、3〜60mmの範囲の等間隔(L)で、被覆物14によって被覆され、配置されていることが好ましい。
すなわち、長尺物中に包含されるX線検知材料の隣接する所定間隔(ピッチ)を3〜60mmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜40mmの範囲内の値とすることがより好ましく、8〜30mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、このように構成することにより、X線検知材料が所定位置からずれることを有効に防止することができるためである。
また、このようなX線検知材料の隣接間隔であれば、X線検知材料の存在位置のみならず、その間の非存在位置も正確に認識することができるためである。したがって、切断装置の損傷を防止することができる。
よって、このような所定の長尺物を、所定の金属箔および吸収パッドと積層することによって、X線検知材料の位置ずれを有効に防止することができ、その結果、X線検知機に対する感度を安定的に高めることができる。
さらに、このようなX線検知材料が等間隔で配列、すなわち、切れ目があることから、絆創膏の伸縮性を損なわない長尺物を提供することができる。
【0030】
1−3.X線検知材料
(1)形状
また、X線検知材料の形状は特に制限されるものでないが、図2(a)に示すように、線状であることが好ましい。
また、X線検知材料が線状の場合、その平均長さを0.3〜10mmの範囲内の値とし、平均太さ(直径)を0.1〜3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、X線検知機や金属探知機による検知感度を高めることができる一方、吸収パッドにおける機能低下を少なくすることができる。
したがって、長尺物中に包含される線状のX線検知材料の平均長さを0.5〜5mmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜3mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、平均太さについては、0.5〜2.5mmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0031】
また、X線検知材料が線状の場合、図2(b)に示すように、当該線状のX線検知材料をコイル状に巻回してあることが好ましい。
このように構成することにより、X線検知機や金属探知機による検知感度を低下させることなく、切断工程において、切断部分と接触した場合でも、切断部分の損傷を防止することができる。
【0032】
また、X線検知材料が、球状であっても、図3(b)に示すように、矩形状であっても、図3(c)に示すように、扁平状であってもよい。
例えば、X線検知材料が球状の場合、X線検知材料の平均粒径(球相当径)を0.1〜3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるX線検知材料の平均粒径が0.1mm未満の値になると、X線検知機や金属探知機による検知感度が著しく低下する場合があるためであり、一方、かかるX線検知材料の平均粒径が3mmを超えると、絆創膏の吸収パッド等として使用した場合に、異物感が大きくなったり、長尺物中に安定的に包含することが困難となったりする場合があるためである。
したがって、長尺物中に包含されるX線検知材料の平均粒径(球相当径)を0.1〜2mmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.2〜1mmの範囲内の値とすることがさらに好ましく、0.3〜0.8mmの範囲内の値とすることが最も好ましい。
【0033】
(2)種類
また、X線検知材料が、鉄(メッキ鉄を含む)、ステンレス、アルミニウム、銅、銀、半田(鉛フリー半田を含む)、ニッケル、骨、ゴム片、樹脂片、ガラス、貝殻、および石からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このようなX線検知材料を用いることにより、X線検知機に対する感度をさらに高めることができるとともに、比較的安価で、所定形状に加工しやすいX線検知用絆創膏として提供することができるためである。
また、非金属材料である、骨、ゴム片、樹脂片、ガラス、貝殻、および石であっても、所定の密度を有しており、X線検知機に対する所定感度が得られるばかりか、比較的軽量であって、X線検知用絆創膏を構成することができるためである。
【0034】
但し、強磁性であって、X線検知機や金属探知機に対する感度がさらに高く、かつ安価であることから、X線検知材料として、鉄(メッキ鉄を含む)を用いることがより好ましい。
なお、鉄は環境条件によっては、一般的にさびやすいものの、本発明の場合、鉄は長尺物中に、被覆物によって周囲を包含された状態で存在し、乾燥しているため、ほとんどさびないことが判明している。
また、X線検知機や金属探知機に対する感度を長時間にわたって発揮させたり、すべりやすく、長尺物中にさらに包含しやすかったりすることから、メッキ鉄やステンレスを用いることも好ましい。
【0035】
一方、絆創膏における異物感を少なくするためには、骨、ゴム片、樹脂片、ガラス、貝殻、石、あるいはアルミニウム、銅、銀、および半田(鉛フリー半田を含む)の少なくとも一つであることが好ましい。すなわち、これらの非金属種や金属種であれば、所定の力を加えた場合に変形しやすいためである。
例えば、図3(b)に示される概ね矩形状のX線検知材料12としては、特に制限されるものではないが、厚さが均一である金属箔や金属プレートを、所定幅に切断することによって得ることができる。
また、図3(c)に示される扁平状(楕円状)のX線検知材料12としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、半田等の比較的柔らかい球状粒子を扁平化させたものであることが好ましい。
さらに、図3(d)に示される概ね円柱状のX線検知材料12としては、例えば、金属ワイヤを所定長さに切断したものであることが好ましい。
【0036】
1−4.被覆物
また、被覆物が、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、パルプ繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群から選択される少なくとも一つの繊維から構成してあることが好ましい。
この理由は、このような繊維から構成することにより、布帛中への編み込みが容易になるとともに、X線検知材料の認識が容易になるためである。
なお、繊維の太さ(直径)に関して、例えば、10〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、その繊維を複数本まとめて、撚ったものであっても良い。
【0037】
1−5.金属箔
(1)種類
また、所定の金属箔を構成する金属は、特に制限されるものでなく、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、スズ、金、銀、チタン等が挙げられる。
この理由は、このような種類の金属から構成することにより、金属探知機により高感度で検知が可能となるためである。
特に、金属がアルミニウムであることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、安価で、生産性に優れ、かつ、吸収パッドおよび所定の長尺物と積層した場合に、絆創膏の伸縮性を過度に損なわないX線検知用絆創膏を提供することができる。
(2)厚さ
また、金属箔の厚さは、1〜30μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属箔の厚さが1μm未満の値になると、金属探知機による検知感度が著しく低下したり、容易に破断したりする場合があるためである。一方、かかる金属箔の厚さが30μmを超えた場合には、所定の長尺物および吸収パッドと安定して積層することが困難となったり、異物感が大きくなったりする場合があるためである。
したがって、金属箔の厚さを2〜30μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0038】
(3)接着剤層
また、本発明の金属箔は、金属箔の少なくとも1方の面に、ホットメルト接着剤層を設けることを特徴とする。
この理由は、このように構成することにより、所定の長尺物および吸収パッドと容易に接着して一体化することができ、かつ、生産性に優れるためである。
なお、ホットメルト接着剤としては、特に制限されるものでなく、例えば、オレフィン系ホットメルト接着剤、ポリエチレン系ホットメルト接着剤、ポリプロピレン系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、及びポリ塩化ビニル系ホットメルト接着剤からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、所定の長尺物および吸収パッドと容易に接着して一体化することができ、かつ皮膚への刺激性が低いためである。
また、ホットメルト接着剤層の厚さは、0.001〜0.5μmの範囲内の値となるように塗布することが好ましい。
【0039】
2.粘着保護部材
2−1.基材
(1)種類
X線検知用絆創膏における粘着保護部材の一部を構成する基材の種類は、特に制限されるものでなく、例えば、ポリウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、オレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、紙、繊維入りフィルム等が挙げられる。
また、基材の形態についても特に制限されるものでなく、例えば、メッシュ状素材であっても、あるいは織布または不織布であっても良い。
例えば、基材として、メッシュ状素材や不織布を用いると、極めてクッション性や通気性に優れた粘着保護部材を構成することができる。一方、基材として、ポリエステル繊維等からなる織布を用いると、透湿度を低く抑えられるとともに、指の動きに対する追従性に優れた粘着保護部材とすることができる。
【0040】
また、優れた使用感等が得られやすいことから、基材の伸び率(JIS−L−1096準拠、以下同様である。)を120%以上の値とすることが好ましく、150〜500%の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜400%の範囲内の値とすることが更に好ましい。
但し、このように伸び率が大きくて、取り扱いが困難な基材を使用する場合には、基材の表面に、補強用剥離部材をそれぞれ備えることが好ましい。
この理由は、このように補強用剥離部材を備えることにより、使い勝手が良好になって、所定箇所に容易に貼付できるとともに、さらには、製造時の工程紙としての機能を発揮させることもできるためである。
また、補強用剥離部材は、剥離部材としての機能以外に、補強部材としての機能を発揮することから、繊維や無機充填剤等の補強材を含んだり、通常の剥離部材よりも厚くしたり、機械的強度を高めたりすることが好ましい。
【0041】
(2)厚さ
また、基材の厚さを5〜2,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる基材の厚さが5μm未満の値になると、機械的強度が低下したり、取り扱い性が低下したりして、粘着保護部材等の用途に、適さなくなる場合があるためである。
一方、かかる基材の厚さが2,000μmを超えると、過度に厚くなって、逆に、取り扱いが困難となるばかりか、粘着保護部材等の一部を構成した場合に、皮膚等から容易に剥離する場合があるためである。
したがって、基材の厚さを10〜1,000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、15〜500μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0042】
(3)クッション層
また、図示しないものの、粘着層と、基材との間に、不織布等からなるクッション層を備えることが好ましい。
この理由は、このようにクッション層を備えることにより、患部の保護性に優れるとともに、さらに優れた使用感を得ることができるためである。また、クッション層が、粘着層の表面に凹凸等を設ける際の、形状保護効果を発揮することができるためである。
なお、不織布等からなるクッション層としては、一例ではあるが、以下の態様であることが好ましい。
種類:ウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、又は塩化ビニル樹脂
厚さ:10〜100μm
目付け:10〜100g/m2
【0043】
(4)撥水処理層
また、図示しないものの、基材の表面に、撥水処理層(サイジング層を含む)を設けることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、水仕事や外仕事、あるいは医療分野等においても、外部からの液体物の進入を容易に防止して、衛生環境上好ましいばかりか、粘着保護部材の剥がれを有効に防止することができるためである。
なお、このような撥水処理層は、例えば、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等から構成し、その厚さを0.01〜5μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0044】
(5)透湿度
また、JIS Z−0208に準拠して測定される基材の透湿度を100〜2000g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように基材の透湿度を制御することにより、水仕事や外仕事、あるいは医療分野等においても、外部からの液体物の進入を容易に防止して、衛生環境上好ましいばかりか、粘着保護部材の剥がれを有効に防止することができるためである。
したがって、基材の透湿度を、200〜1700g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることがより好ましく、400〜1400g/m2・24Hrsの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
但し、一部用途が制限されるものの、基材として不織布を使用した場合や、基材や粘着層に通気孔を設けた場合には、JIS Z−0208に準拠して測定される基材の透湿度を、1500g/m2・24Hrs以上の値とすることが好ましい。
【0045】
(6)識別マーク及び装飾層
また、図示しないものの、基材の表面に、識別マークや装飾層が設けてあることが好ましい。
この理由は、数字マーク、漢字マーク、絵文字マーク、あるいは点字マーク等を設けることにより、最適サイズの粘着保護部材を一目瞭然で選別することができ、粘着保護部材を使用する際の使い勝手を著しく向上させることができるためである。
また、このような装飾層として、数字柄、漢字柄、絵文字柄、あるいは写真絵柄等を表す装飾層を設けることにより、粘着保護部材を使用する際の使い勝手性が向上するばかりか、ファッション性についての価値も向上させることができるためである。特に、蛍光剤を含む装飾層とすることにより、夜間における認識性を高めることも可能である。
【0046】
(7)金属粒子
また、図5(a)に示すように、粘着保護部材30おける基材28を構成する基材用素材32中に、金属粒子34を含有することが好ましい。
この理由は、このように金属粒子を含有することにより、吸収部材中の金属箔およびX線検知材料と、基材中の金属粒子との相互作用を発揮させることができるためである。すなわち、かかる吸収部材と、粘着保護部材とを備えたX線検知用絆創膏に対して、金属探知機やX線検知機の感度をさらに向上させることができるためである。
また、このように金属粒子を含有することにより、粘着保護部材おける基材のみが、食品等に混入したような場合であっても、金属探知機やX線検知機の検知条件によっては、検知することができるためである。
【0047】
また、かかる金属粒子の種類は特に制限されるものではないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、銀、半田(鉛フリー半田を含む)、およびニッケルからなる群から選択される少なくとも一つの金属種であることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、基材についての、X線検知機や金属探知機に対する感度を安定的に高めることができるとともに、比較的安価な基材あるいは絆創膏を提供することができるためである。
但し、X線検知機や金属探知機に対する感度が高いうえに、安価であることから、鉄粒子を用いることがより好ましい。
一方、より軽量で、分散しやすく、X線検知機や金属探知機に対する感度が比較的高いうえに、安価であることから、アルミニウム粒子を用いることも好ましい。
なお、基材中に含有する金属粒子について、所定の長尺物に包含する金属と同種であっても良いが、異種とすることにより、絆創膏全体として、X線検知機や金属探知機に対する感度をさらに安定的に高めることができる。
【0048】
また、かかる金属粒子の平均粒径を0.5〜30μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属粒子の平均粒径が0.5μm未満の値になると、凝集しやすくなって、X線検知機や金属探知機に対する感度が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる金属粒子の平均粒径が30μmを超えると、基材中に、均一に分散することが著しく困難になったり、基材のフレキシブル性や伸びが著しく低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる金属粒子の平均粒径を3〜25μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0049】
また、かかる金属粒子の添加量を、基材の全体量を100重量%としたときに、0.1〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる金属粒子の添加量が0.1重量%未満の値になると、X線検知機や金属探知機に対する感度が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる金属粒子の添加量が30重量%を超えると、基材中に、均一に分散することが著しく困難になる場合があるためである。
したがって、かかる金属粒子の添加量を、基材の全体量を100重量%としたときに、1〜20重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、3〜15重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0050】
(8)形状
また、粘着保護部材の形状は特に制限されるものではないが、図1(a)に示すように、長丸形にすることが好ましい。
この理由は、このような形状にすることにより、使い勝手がよく、剥がれを有効に防止することができるためである。
なお、図5(b)に示すように、特に指先に巻きつけやすい形状にしたり、図5(c)に示すように、パッチタイプにしたりすることもできる。
【0051】
2−2.粘着層
(1)種類
粘着層を構成する粘着剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、以下に説明するオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤や、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
【0052】
まず、本発明においては粘着層には、主成分として、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤を用いることが好ましい。
この理由は、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤を用いることにより、皮膚に対して、適度な粘着性を示すことができる一方、耐クリープ性、耐水性、さらには耐薬品性についても向上させることができるためである。
このようなオルガノポリシロキサン系感圧接着剤の代表例としては、たとえば、一般式(1)や一般式(2)で表される構造を有するシリコーン樹脂を配合して、脱水縮合することによりえられるオルガノポリシロキサンなどが好ましい。
【0053】
【化1】

【0054】
(一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれメチル基またはフェニル基、nは10〜10000の整数を示す。)
【0055】
【化2】

【0056】
(一般式(2)中、mは10〜10000の整数を示す。)
【0057】
また、一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれメチル基またはフェニル基であるが、粘着層に耐熱性などを付与せしめるためには、かかるメチル基とフェニル基のモル比(メチル基/フェニル基)を、25/75〜98/2の範囲内の値とすることが好ましく、85/15〜95/5の範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、また、一般式(1)および一般式(2)において、nおよびmは、通常、布帛上に粘着層を形成する作業性を考慮すれば、感圧粘着剤の粘度が2000〜200000cP(25℃)となるように数値を調整することが好ましい。
【0058】
また、オルガノポリシロキサン系感圧粘着剤に添加して(全体量の10〜30重量%)、あるいはオルガノポリシロキサン系感圧粘着剤とは独立的(全体量の100重量%)に、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
この理由は、このようなアクリル系粘着剤を使用することにより、粘着剤の凝集力を低下させずに、タック性を容易に向上させることができるためである。
ここで、このようなアクリル系粘着剤の種類としては、たとえばアクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸ブチルを主成分としたアクリル系共重合体が代表例としてあげられる。
また、このようなアクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸ブチルとの配合割合は、重量比で20:80〜80:20、好ましくは20:80〜40:60となるように調整される。アクリル酸2−エチルヘキシルの割合が過度に少ない場合には、粘着剤の凝集力が増加し、粘着力が低下する場合があるためである。一方、アクリル酸2−エチルヘキシルの割合が過度に多い場合には、粘着剤の凝集力が低化しすぎて粘着力が低下する傾向があるためである。
なお、アクリル系粘着剤を構成するモノマー成分として、アクリルアミドやビニルカルボン酸を、全体量に対して、5重量%を超えない範囲で配合してもよい。
さらに、オルガノポリシロキサン系粘着剤との相溶性を考慮して、アクリル系粘着剤の粘度を500〜20000cP(25℃)の範囲内の値とすることが好ましい。
【0059】
(2)添加剤
また、粘着剤組成物中に、所定の薬効を発揮できるように、添加剤の一種として、製剤(薬物)を添加することが出来る。このような製剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、抗炎症薬剤、消炎鎮痛剤、冠血管拡張剤、喘息薬、抗高血圧剤、抗ヒスタミン剤、精神安定剤、抗生物質、麻酔剤、ビタミン剤等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
また、製剤の添加量は、製剤の種類や粘着剤組成物の用途によって異なるが、例えば、粘着剤組成物の全体量に対して、0.1〜30質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、粘着剤組成物中に、各種添加剤を添加することが好ましい。例えば、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、隠蔽剤、可塑剤、ワックス、着色剤、無機フィラー、有機フィラー、増量剤、カップリング剤等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
【0060】
(3)剥離粘着力
また、JIS Z0237に準拠した絆創膏の剥離粘着力(モード:Tモード剥離、被着体:ステンレス板、剥離速度:300mm/min)を3〜20N/25mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる剥離粘着力が3N/25mm未満の値になると、皮膚等から容易に剥離してしまい、絆創膏としての機能に劣る場合があるためである。一方、かかる剥離粘着力が20N/25mmを超えると、粘着剤を皮膚から除去することが困難になったり、あるいは、皮膚刺激性が過度に高くなって、使用時に不快感が生じたりする場合があるためである。
したがって、かかる絆創膏の剥離粘着力を5〜15N/25mmの範囲内の値とすることがより好ましく、9〜12N/25mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、絆創膏の剥離粘着力は、粘着層を構成する粘着剤の種類や厚さ等を、適宜選択することによって、調整可能である。以下、一例であるが、絆創膏の剥離粘着力を調整する上で、好適な粘着層の態様を示す。
種類:オルガノポリシロキサン系粘着剤
厚さ:10〜100μm
【0061】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、基材28および粘着層26を含んでなる粘着保護部材30と、当該粘着保護部材30上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔22、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物10、および、吸収パッド24を下方から順次に積層してなる吸収部材40とを備えるX線検知用絆創膏20の製造方法であって、以下の(A)〜(E)の工程を含むことを特徴とする。
(A)ホットメルト接着剤層を備えた金属箔22と、X線検知材料12が被覆物14によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物10と、吸収パッド24と、を積層して、吸収部材40とする工程
(B)積層した吸収部材40を加熱して一体化し、熱圧着積層物を形成する工程
(C)熱圧着積層物を所定の大きさに切断する工程
(D)粘着保護部材30を形成する工程
(E)粘着保護部材30上の所定箇所に、熱圧着積層物を積層する工程
そして、図6に、X線検知用絆創膏20の製造方法を実施する際に使用する、A部(主として(C)、(D)、(E)工程)と、B部(A部と、C部との間の緩衝工程)と、C部(主として(A)、(B)工程)とからなる、X線検知用絆創膏20の製造装置60を例示する。
【0062】
1.準備工程
図6のC部に示すように、所定の金属箔22と、所定の長尺物10と、吸収パッド24とは、通常、ロール状物として、それぞれ準備することができる。
なお、所定の金属箔、所定の長尺物および吸収パッドの態様は、第1の実施形態で述べた内容とすることができる。
そして、X線検知材料を所定間隔で配置した長尺物を使用する前に、確実に、X線検知材料が含まれているか否かにつき、赤外線センサ、高さ(厚さ)センサ、X線センサ等を用いて、確認することが好ましい。
【0063】
2.積層工程(工程(A))
次いで、図6のC部に示すように、所定の金属箔22と、所定の長尺物10と、吸収パッド24と、を下方から上方に向かって順次、ラミネートや押圧ロール等を用いて積層することによって吸収部材40を形成することができる
【0064】
3.熱圧着積層物の形成工程(工程(B))
次いで、図6のC部に示すように、積層した吸収部材40を、加熱圧着装置50を用いて一体化することができる。
ここで、加熱圧着条件については、特に制限されるものではないが、例えば、吸収パッドとして、ポリエステル繊維とレーヨン繊維の混合不繊布を使用する場合には、ポリエステル繊維の軟化点(例えば、240℃)よりは高く、レーヨン繊維の熱分解温度(約310℃)よりは低い温度で成型することが好ましい。
この理由は、かかる温度条件で製造することにより、ポリエステル繊維がレーヨン繊維におけるバインダーの役割を果たし、吸水性と撥水性を併せ持つ熱圧着積層物を効率的に製造することができるためである。
【0065】
4.切断工程(工程(C))
次いで、図6のA部に示すように、熱圧着積層物である吸収部材40を、切断治具53を用いて切断し、所定大きさとする。
ここで、吸収部材を加熱圧縮した後に、所定の大きさになるよう切断治具を用いて切断することもできるし、積層した後に、所定の大きさになるように切断してから加熱圧縮することもできる。
また、切断装置としては、カッター、ナイフ、レーザー、切断わく等を用いることができる
そして、熱圧着積層物である吸収部材を切断した後に、確実に、X線検知材料が含まれているか否かにつき、赤外線センサ、高さ(厚さ)センサ、X線センサ等を用いて、確認することが好ましい。
【0066】
5.粘着保護部材の形成工程(工程(D))
また、図示しないものの、粘着保護部材の一部を構成する所定の基材は、通常、ロール状物として、準備することができる。そして、それを所定形状に切断することにより、図1に示すように、絆創膏用の基材28とすることができる。
また、同様に、粘着保護部材の一部を構成する粘着剤は、通常、高分子溶液として、準備することができる。
なお、所定の基材や粘着剤の態様は、第1の実施形態で述べた内容とすることができるので、再度の説明を省略する。
【0067】
次いで、粘着層の形成工程として、基材の上に、高分子溶液を塗布し、それを乾燥させて粘着層を形成する。
その場合、粘着層の形成方法については、特に制限されるものではないが、例えば、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター等を用いて、粘着剤組成物を基材上に均一に塗布することができる。
また、粘着剤組成物の種類によるが、粘着層の形成に際して、溶剤を飛散させたり、架橋処理を施したりするために、一定条件下で、加熱処理することも好ましい。
なお、かかる粘着層26を形成した基材28を所定形状に切断して、粘着保護部材30とする。
【0068】
6.粘着保護部材および熱圧着積層物の積層工程(工程(E))
また、図6のA部に示すように、得られた粘着保護部材30と、所定大きさに切断された熱圧着積層物である吸収部材40とを、支持台56の上に設けてあるラミネート装置52や、押圧ロール等を用いて積層することによって、X線検知用絆創膏20とすることができる。
そして、X線検知用絆創膏20を作成した後に、確実に、X線検知材料が含まれているか否かにつき、X線センサ54、あるいは、赤外線センサや高さ(厚さ)センサ等を用いて、確認することが好ましい。
なお、図6のB部に示すように、工程(E)等を実施するA部と、工程(A)等を実施するC部との間に緩衝工程を設けることによって、A部やC部での作業工程の進行頻度が多少ずれた場合であっても、緩衝工程で吸収し、最終的に、A部やC部での作業工程を同期させることができる。
【実施例】
【0069】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0070】
[実施例1]
1.X線検知用絆創膏の作成
(1)熱圧着積層物の形成工程
図2(b)に示すように、予め、谷形に折り曲げた厚さ100μmのレーヨン不織布の谷部に、X線検知材料としての鉄ワイヤ(長さ:2mm、直径:1mm)を、所定間隔(25mm)で載置するとともに、その周囲からレーヨン糸によって被覆してなる長尺物を準備した。
次いで、ポリ塩化ビニル系ホットメルト接着剤を備えたアルミニウム箔(厚さ:20μm)及び片面にネット状のポリエチレンフィルムを備えたレーヨン及びポリエステルの繊維からなる吸収パッド(厚さ:1.5mm、目付:150g/m2、嵩密度:0.075g/cm3)を積層し、約110℃で加熱圧着して熱圧着積層物を得た。
次いで、熱圧着積層物を、カッターで所定形状(長さ25mm、幅13mm、厚さ100μm)に切断した。
【0071】
(2)粘着用保護部材の形成工程
基材として、厚さ30μmのウレタンフィルム(伸び率(JIS−L−1096準拠):450%、透湿度(JIS Z−0208準拠):720g/(m2・24Hrs))を準備した。
一方、粘着剤として、シリコーン粘着剤(粘度:7.5Pa・sec(25℃)、固形分:55.1重量%、粘着力(JIS Z0237準拠、モード:Tモード剥離、被着体:ステンレス板、剥離速度:300mm/min):12.1N/25mm)を準備した。
次いで、基材上に、ロールコーターを用いて、乾燥後厚さが25μmとなるように粘着層を形成した。
【0072】
(3)X線検知用絆創膏の形成工程
次いで、粘着保護部材の所定箇所に得られた熱圧着積層物を、ラミネーターを用いて、積層し、図1(a)に示すようなX線検知用絆創膏とした。
【0073】
2.X線検知用絆創膏の評価
(1)X線検知性(評価1)
得られた絆創膏を、100gのポテトサラダの中に埋設し、その状態で、X線検知器により、異物として検出できるか否かを検討した。
すなわち、得られた絆創膏(n数:100)のX線検知性を、X線検知器KD7305AW(アンリツ産機システム社製)を用いて検査し、以下の基準に沿って評価した。
◎:100個/100個中の検出結果であった。
○:98個〜99個/100個中の検出結果であった。
△:70個〜98個/100個中の検出結果であった。
×:70個未満/100個中の検出結果であった。
【0074】
(2)金属検知性1(評価2)
得られた絆創膏を、100gのポテトサラダの中に埋設し、その状態で、金属探知機により、異物として検出できるか否かを検討した。
すなわち、得られた絆創膏(n数:100)の金属検知性を、金属探知機HA−01(アンリツ産機システム社製)を用いて検査し、以下の基準に沿って評価した。
◎:100個/100個中の検出結果であった。
○:99個/100個中の検出結果であった。
△:70個〜98個/100個中の検出結果であった。
×:70個未満/100個中の検出結果であった。
【0075】
(3)金属検知性2(評価3)
得られた絆創膏における基材(大きさ:2cm×1.9cm)を、100gのポテトサラダの中に埋設し、その状態で、金属検知器により、異物として検出できるか否かを検討した。
すなわち、得られたにおける基材(n数:100)の金属検知性を、金属探知機HA−01(アンリツ産機システム社製)を用いて検査し、以下の基準に沿って評価した。
◎:100個/100個中の検出結果であった。
○:99個/100個中の検出結果であった。
△:70個〜98個/100個中の検出結果であった。
×:70個未満/100個中の検出結果であった。
【0076】
(4)使い勝手性(評価4)
得られた絆創膏(n数:3)の使い勝手性を、以下の基準に沿って評価した。
◎:十分に伸びて、極めて容易に指に巻きつけることができる。
○:ほぼ十分に伸びて、容易に指に巻きつけることができる。
△:若干伸びて、指に巻きつけることができる。
×:ほとんど伸びず、指に巻きつけることが困難である。
【0077】
(5)異物感(評価5)
得られた絆創膏(n数:3)を指に巻きつけて、X線検知材料の異物感を、指触から、以下の基準に沿って、評価した。
◎:X線検知材料が全く感じられない。
○:X線検知材料がほとんど感じられない。
△:X線検知材料が少々感じられる。
×:X線検知材料が顕著に感じられる。
【0078】
[実施例2〜6]
実施例2〜4では、長尺物中に包含されるワイヤ状のX線検知材料の平均長さを、それぞれ2.5、3.0、3.5、mmとし、アルミ箔の厚さを、実施例2では、25μm、実施例3では、30μmとしたほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して、評価した。
また、実施例5では、長尺物中に包含されるX線検知材料をコイル状(長さ2mm、太さ0.2mm)としたほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して評価した。
また、実施例6では、基材として、厚さ30μmの金属粒子入りウレタンフィルム(金属粒子:鉄球、平均粒子径:7μm、添加量25重量%、伸び率(JIS−L−1096準拠):420%、透湿度(JIS Z−0208準拠):600g/(m2・24Hrs))を用いたほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して、評価した。
【0079】
[比較例1]
比較例1では、X線検知材料を包含しない長尺物を用い、金属箔を積層しなかったほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して、評価した。
【0080】
[比較例2]
比較例2では、鉄ワイヤを包含した長尺物を用いず、鉄ワイヤ(長さ:4mm、直径:1mm)のみを、ピンセットで不織布の間に配置したほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して、評価した。
なお、比較例2の絆創膏の大部分は、製造時あるいは使用時において、鉄ワイヤが吸収パッド内から脱落しまい、製造あるいは使用することができなかった。
【0081】
[比較例3]
比較例3では、X線検知材料を包含しない長尺物を用いなかったほかは、実施例1と同様に、X線検知用絆創膏を作成して、評価した。
【0082】
【表1】

【0083】
表1において示されるように、実施例1〜6の絆創膏は、何れも高感度な、X線検知性(評価1)および金属検知性(評価2および3)を有するとともに、使い勝手性(評価4)および異物感(評価5)に関しても良好な結果であった。なお、実施例1〜6の絆創膏は、X線検知器のみならず、金属検知器においても、精度良く検知可能であった。
一方、比較例1の絆創膏は、金属検知性、使い勝手性および異物感に関しては良好な結果であるものの、X線検知性は著しく低感度であった。
比較例2の条件で得られた絆創膏(100個)のうち、鉄ワイヤが吸収パッドに含まれている絆創膏(全数の約1/3)については、かかる絆創膏自体のX線検知器および金属検知器に対する感度は極めて良好であった。しかしながら、得られた絆創膏の大部分(全数の約2/3)は、製造時あるいは試験時において、鉄ワイヤが吸収パッドより脱落し、かかる絆創膏自体のX線検知器および金属検知器に対する感度は著しく低くかった。すなわち、比較例2の絆創膏は、鉄ワイヤの有無の比率に起因して、絆創膏100個あたりのX線検知性および金属検知性(評価2)は極めて低い評価となった。
また、鉄ワイヤが脱落してしまった絆創膏は、評価3〜4の試験に供することができず、鉄ワイヤを保持している場合においても、鉄ワイヤによって、パッドの形状が大きく変化したために、若干、指への巻きつけが困難であった。さらに、鉄ワイヤは、パッド内での移動がしやすいために、指への適用の際には、異物感も著しく感じられた。
また、比較例3の絆創膏は、金属検知性については良好であるものの、X線検知性は著しく低感度であった。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明のX線検知用絆創膏によれば、図7に示すようなX線検知機によって、感度良く検知することが可能であることから、異物としての混入やマーカーとしての性能が問題となる食品、繊維製品、衣服、小物製品のマーカー、書類のマーカー、電気製品のマーカー、履物のタグ、機械装置のタグ等への利用が期待される。
したがって、X線検知用絆創膏が誤って金属パッケージ品等に混入した場合であっても、X線検知機により検出して、異物の混入を容易に防止することが可能となった。
さらに、本発明のX線検知用絆創膏によれば、熱圧着積層物が、X線検知材料および金属箔から構成してあることにより、X線検知機だけでなく、金属探知機に対しても感度良く検知することが可能となった。
【符号の説明】
【0085】
10:長尺物、12、12’:X線検知材料、14:被覆物、20、20’、20’’、20’’’:X線検知用絆創膏、22:金属箔、24:吸収パッド、26:粘着層、28:基材、30粘着保護部材、32、218:基材用素材、34、219:金属粉、40:吸収部材(熱圧着積層物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材および粘着層を含んでなる粘着保護部材と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッド、を下方から順次に積層してなる吸収部材と、を備えるX線検知用絆創膏において、
前記吸収部材が、前記ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、前記X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、前記吸収パッドの熱圧着積層物から構成してあることを特徴とするX線検知用絆創膏。
【請求項2】
前記X線検知材料が、線状であって、その平均長さを0.3〜10mmの範囲内の値とし、平均太さを0.1〜3mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項3】
前記X線検知材料が、コイル状に巻回してあること特徴とする請求項1または2に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項4】
前記金属箔が、アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項5】
前記金属箔の厚さを、1〜30μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項6】
前記ホットメルト接着剤が、オレフィン系ホットメルト接着剤、ポリエチレン系ホットメルト接着剤、ポリプロピレン系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、及びポリ塩化ビニル系ホットメルト接着剤からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項7】
前記粘着保護部材おける基材が、着色してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のX線検知用絆創膏。
【請求項8】
基材および粘着層を含んでなる粘着保護部材と、当該粘着保護部材上の所定箇所に、ホットメルト接着剤層を備えた金属箔、X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物、および、吸収パッドを下方から順次に積層してなる吸収部材とを備えるX線検知用絆創膏の製造方法において、
前記金属箔と、前記X線検知材料が被覆物によって全面的または部分的に被覆されてなる長尺物と、前記吸収パッドとを積層する工程と、
積層した前記吸収部材を加熱して一体化し、熱圧着積層物を形成する工程と、
前記熱圧着積層物を所定の大きさに切断する工程と、
前記粘着保護部材を形成する工程と、
前記粘着保護部材上の所定箇所に前記熱圧着積層物を積層する工程と、
を含むことを特徴とするX線検知用絆創膏の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−13564(P2013−13564A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148420(P2011−148420)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(504246719)ピアック株式会社 (8)
【出願人】(000185411)小津産業株式会社 (8)