説明

hCG計測用アッセイ読取装置、デバイス及び方法

雌の哺乳類被験体における受胎後経過時間の長さの定量的推定値を決定するための方法が開示され、この方法は、a)hCGを含んでいる疑いのある液体試料を提供するステップと;b)アッセイ又はアッセイデバイスにより、分析物計測シグナルであって、その値がhCGレベルに依存するシグナルを計測するステップと;c)シグナル計測値を分析物閾値と比較するステップであって、前記分析物閾値が受胎後経過時間に対応する、ステップと;d)ステップ(c)の比較に基づき受胎後経過時間の長さの定量的推定値を提供するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受胎後経過時間を提供するためのアッセイデバイス、読取装置、方法及びデータの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
女性の生殖器系において、月経周期は生理学的変化が繰り返される周期であり、生殖可能年齢の女性に起こる生殖現象に必須である。月経周期は月経血の流出1日目から数える。これは、月経の開始がホルモン周期と密接に対応すること、及び月経出血が当事者に容易に分かる事象であることが理由である。月経周期はいくつかの段階に分けることができ、各段階の長さは女性ごとに、且つ周期ごとに異なる。これらの段階並びにその平均値は、典型的には以下のとおりである:月経期、1〜4日目;卵胞期(増殖期としても知られる)、5〜13日目;排卵、14日目;黄体期、15〜26日目及び虚血期、27〜28日目。
【0003】
卵胞期は、卵巣内の卵胞が成熟する月経周期段階である。卵胞刺激ホルモン(FSH)が上昇する影響により、次の月経周期に加わる約5〜7個の三次卵胞が補充される。それらが成熟するに従い、卵胞が分泌するエストラジオールの量が増加する。卵が成熟すると、それが分泌するエストラジオールは、黄体形成ホルモン(LH)の急激な放出を引き起こすのに十分となる。平均周期では、この「LHサージ」はおよそ周期12日目に始まり、約48時間継続し得る。LHの放出により卵が成熟し、卵巣内の卵胞の壁が薄くなる。この過程が排卵をもたらす。エストロゲンレベルは上昇し続け、LHサージ開始直前に最高となる。ほとんどの資料において、排卵は通常、LHサージの開始から24〜48時間後、典型的にはLHサージの約36時間後に起こることで意見が一致している。
【0004】
黄体期は月経周期の後期の段階であり、黄体の形成で始まり、妊娠又は黄体融解のいずれかで終わる。この時期を制御する主なホルモンはプロゲステロンであり、これは周期の他の段階と比べて黄体期に著しく高い。卵胞期の長さ、結果的に月経周期の長さは幅広く異なり得る;卵胞期が10日間の女性もいれば、16日間の女性もおり、平均では14日間である。しかしながら、黄体期は、各女性についてほぼ必ず同じ日数がかかる。通常精子が女性の体内で生存する期間は、1〜5日間の範囲である。最も妊娠する可能性が高い期間(その間の性交が最も妊娠に至る可能性が高いとき)は、排卵のおよそ5日前から排卵1〜2日後までの時間にわたる。14日間の黄体期を含む平均28日周期において、これは周期の第2週及び第3週の初めに相当する。
【0005】
受胎後、胎盤によってβ−hCGが分泌され、β−hCGは黄体に引き続きプロゲステロンを分泌するようシグナルを伝達し、それにより子宮の厚い内壁(子宮内膜)が維持される。β−hCGは、胎盤がそれ自体のプロゲステロンを分泌できるようになるまで分泌され続ける。人体におけるhCGホルモンレベルは妊娠第一期において約2.2日ごとに倍増する。卵子が受精せず、従ってβ−hCGが産生されない場合、黄体はプロゲステロンを分泌しなくなり、崩壊する。プロゲステロンがないと、子宮内壁が腟を通じて排出され(月経)、再び月経周期が始まる。検出可能な尿中hCGレベルは、妊娠第1週の間の5mIU/mlを起点として、2〜3ヶ月目に100,000mIU/mlまで上昇する。第二期及び第三期の間、値はピーク濃度の10%〜15%まで下がる。従って、分析物濃度値の範囲は極めて幅がある。
【0006】
尿中hCGレベルを決定するための単純なアッセイデバイスは、市販用及び業務用として広範に利用可能となっている。かかるデバイスを用いてホルモンβ−hCGの有無を計測することにより、女性が妊娠しているか否かが判断される。現在では、女性は自身が妊娠しているのではないかと思った場合、典型的には医療従事者に相談する前にかかるデバイスを購入する。
【0007】
しかしながら、女性が自身の妊娠を確かめたり、又は疑ったりしたとき、その女性にとって、自身が妊娠第何週であるかを知ることは有用である。これは、その女性及び医師又は助産師が、今後に向けた計画を立てて乳児の出生日を推定する際にも、並びに12週目のスキャン等の他の重要な日取りについての予定表を計画するのにも役立ち得る。典型的には医師又は助産師は、標準的な28日周期に基づき、女性から得た当人の最終月経期の第1日目に関する情報に基づいて妊娠の程度を判断する。黄体期は約15日間でかなり一定していることが知られているが、卵胞期は、例えば9〜28日間まで、幅広く異なり得る。周期の長さは各女性によって幅広く異なり得る。従って、その女性の最終期間の第1日目に基づく妊娠の程度を基礎とすると、精度が幅広く異なり得る。さらに、これは女性が自身の最終月経期について正確な日付を教えたことを前提としている。結果的に、医師によるhCGのレベルのみに基づく妊娠の程度に関する推定は、非常に不正確となり得る。典型的なhCGアッセイ試験は、被験者が妊娠しているか、又は妊娠していないかについての指標を提供することはできるが、それ自体は、最終月経停止日などのさらなる特定の情報なしには、妊娠の程度についてそれ以上の指標を提供することはできない。
【0008】
尿中hCGなどの分析物のレベルを計測するための単純なイムノアッセイデバイスは広範に利用可能であり、例えばUnipath Clearblue(登録商標)の名称で販売されている。ラテラルフローイムノアッセイデバイスもまた、欧州特許第291194号明細書に記載されている。かかるデバイスは、特定の閾値、典型的には10mIU又は25mIUを上回る、又は下回るhCGの有無を示し、被験者が妊娠しているか、又は妊娠していないかについて示すことはできるが、それらは、10〜250,000mIUの範囲のhCGレベルなど、広い分析物範囲にわたる分析物レベルを決定することはできない。
【0009】
原理上、単純なラテラルフロー型デバイスを使用して広範囲にわたるhCGレベルを計測することは可能である。しかしながら、hCGの量を濃度基準単位で示すに過ぎないため、医療従事者にとっては最終月経停止日に関する情報がない限りその利用は限られたものであり、出産可能な使用者にとってはほぼ確実に役に立たない。
【0010】
欧州特許第291194号明細書に記載されるようなラテラルフローデバイスは、流体試料中の様々な分析物の検出用に開発及び商品化されている。かかるデバイスは、典型的には、当該の分析物との結合能を有する乾燥した移動可能な標識された結合試薬と、標識された結合試薬より下流の検出ゾーンに提供された、同様に分析物との結合能を有する固定化された結合試薬とを含む多孔質担体を含む。検出ゾーンの固定化された標識結合物を検出することにより、試料中の分析物の存在についての指標が提供される。
【0011】
或いは、対象の分析物がハプテンである場合、イムノアッセイデバイスは競合反応を用いてもよく、ここでは、標識された分析物又は分析物類似体が検出ゾーンの固定化された結合試薬について、試料中に存在する分析物と競合する。或いはアッセイデバイスは阻害反応を用いてもよく、これは、固定化された分析物又は分析物類似体が検出ゾーンに提供され、アッセイデバイスがその分析物に対する移動可能な標識された結合試薬を含む。
【0012】
サンドイッチイムノアッセイは、分析物を検出するときに選択されることの多いアッセイである。しかしながら、例えば、ハプテンのように、2つの異なる結合パートナーを同時に結合させるには不十分な大きさであり得る小分子の場合、サンドイッチアッセイは必ずしも可能とは限らない。サンドイッチイムノアッセイを用いる典型的なラテラルフローデバイスを用いて作成した用量反応曲線は、分析物の増加に伴いシグナルレベルの上昇を示し、より高い分析物レベルにおいて曲線がプラトーに達する点に至る。さらに高い分析物レベルでは、検出ゾーンにおいて標識試薬にまだ結合していない分析物が優先的に捕捉されるため、シグナルが低下し始める。この現象はフック効果として知られている。従って、特に定量的又は半定量的アッセイ結果が求められる場合、高い分析物レベルで観測されるシグナル量又は強度が、低い分析物レベルで観測されるものと比べて同じか、又は低いことさえあり得るため、サンドイッチイムノアッセイが呈示するアッセイ範囲には限界がある。
【0013】
競合又は阻害アッセイは、典型的には分析物レベルがゼロであるか、又は低いとき、高いシグナルを提供する。分析物のレベルが上昇しても、シグナルレベルは、分析物の量と比較したときの標識結合種の存在量によってはなお高いままであり得る。分析物のレベルがさらに上昇すると、未結合の分析物が固定化された結合試薬について標識された分析物又は分析物類似体と競合するか、又は標識された結合試薬と結合して、検出ゾーンにおける標識された結合試薬の結合が減少するため、シグナルは低下し始める。
【0014】
そのため、サンドイッチアッセイを用いて広い範囲にわたる分析物を計測すると、フック効果に関する問題が生じる。分析物濃度が高いと、アッセイシグナルの低下が発生し始める。競合又は阻害アッセイは、高い分析物濃度においてアッセイシグナルの欠如が生じるため、それが提供する分析物の計測可能範囲は限られている。
【0015】
従って、上記のアッセイ方法は、広い分析物範囲にわたる分析物レベルの計測には好適でない。
【0016】
広範囲にわたる分析物を計測するため、様々なアッセイデバイスが提案されている。
【0017】
米国特許第2004/0197820号明細書は、フック効果を低減するための、検出ゾーンを含むフロースルー多孔質担体アッセイデバイスを開示しており、このデバイスは、下流キャリブレーションゾーンを備え得る。
【0018】
米国特許第2006/0019404号明細書は、分析物濃度に対する感度が漸減する複数の検出ゾーンを含むラテラルフロー試験ストリップを含む広いダイナミックレンジのアッセイデバイスを開示している。このアッセイデバイスは、各々が複数の検出ゾーンを有する2つの担体を含み得る。複数の検出ゾーンに存在する標識/シグナル量が検出され、分析物濃度が決定される。
【0019】
欧州特許第462376号明細書は、捕捉部位とコンジュゲート回収部位とを含むアッセイデバイスを開示しており、ここでコンジュゲート回収部位は、上記捕捉部位を通って移動する上記コンジュゲート又はコンジュゲート複合体を受け取って結合し、コンジュゲート回収部位及び捕捉部位の双方で固定化されたコンジュゲートが検出され、対象分析物の量が決定される。
【0020】
分析物又は分析物類似体に対する光学的に検出可能に標識された結合試薬を用いるラテラルフロー型アッセイデバイスは、単純な使い捨て型アッセイに選択されるアッセイデバイスである。しかしながら、分析物の検出には数多くの他のアッセイデバイス及び方法が用いられ得る。例えば、アッセイ方法は、酵素標識、放射性標識、電気化学活性標識又は磁気標識で標識された分析物に対する結合試薬を含み得る。分析物は、酵素及び電気化学的メディエーターを用いて検出され得る。酵素のグルコースオキシダーゼ及びフェロシアニド/フェリシアニド等の電子メディエーターを含む単純なグルコース検出用デバイスは、広く市販されている。音響バイオセンサー型デバイス及び方法は、例えば結合イベント後の水晶の共振周波数を計測するものであり、標識された結合試薬を提供する必要なしに分析物を測定することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】欧州特許第291194号明細書
【特許文献2】米国特許第2004/0197820号明細書
【特許文献3】米国特許第2006/0019404号明細書
【特許文献4】欧州特許第462376号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の態様に従えば、本発明は、雌の哺乳類被験体における受胎後経過時間の長さの定量的推定値を決定するための方法を提供し、この方法は、
a)hCGを含んでいる疑いのある液体試料をアッセイ又はアッセイデバイスに付加するステップと、
b)上記アッセイ又はアッセイデバイスにより、分析物計測シグナルであって、その値がhCGレベルに依存するシグナルを計測するステップと、
c)シグナル計測値を分析物閾値と比較するステップであって、上記分析物閾値が受胎後経過時間に対応する、ステップと、
d)ステップ(c)の比較に基づき受胎後経過時間の長さの定量的推定値を提供するステップと、
を含む。
【0023】
第2の態様に従えば、本発明は、雌の哺乳類被験体における受胎後経過時間の長さの定量的推定値を計算するためのアッセイ又はアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ結果読取装置を提供し、このアッセイ結果読取装置は、
a)受胎後経過時間に対応する格納された分析物閾値と、
b)上記被験体から採取された液体試料中のhCGレベルに対応する分析物シグナル値を計測するための計測手段であって、分析物シグナル値を格納された分析物閾値と比較し、それにより比較に基づき受胎後経過時間の長さの定量的推定値を提供する、計測手段と、
c)受胎後経過時間を表示する表示手段と、
を含む。
【0024】
第3の態様において、本発明は、雌の哺乳類被験体における受胎後に経過した時間の長さの定量的推定値を提供するためのアッセイデバイスを提供し、上記アッセイデバイスは、
a)本発明の第2の態様に係るアッセイ結果読取装置と、
b)液体試料中のhCGレベルに依存するシグナル値を提供するための1つ又は複数のアッセイと、
を含む。
【0025】
分析物閾値は、特定のタイプのアッセイ又はアッセイデバイスに固有であり得る。分析物閾値は、受胎後経過時間に対応するシグナル値であり得る。
【0026】
特定のアッセイ又はアッセイデバイスについての分析物閾値は、受胎後経過時間の関数として計測したhCGレベルを含む第1のデータセットと、特定のタイプのアッセイ又はアッセイデバイスについてhCGレベルの関数として計測したシグナルレベルに関連する第2のデータセットとを分析することによって得ることが可能であり得る。
【0027】
第1のデータセットは、妊娠中の雌の哺乳類被験体コホートにおける受胎後経過時間に伴うhCGレベルの計測から得ることができる。
【0028】
第2のデータセットは、1つ又は(好ましくは)複数のデータ点からなり得る。
【0029】
受胎後経過時間は、例えば受胎前の月経周期中に起こる特定のイベントに対して定義され得る。このイベントは、例えば、LHがその最大値に達した時点若しくはLHサージが起こった時点、基礎体温(BBT)の上昇が起こった時点、FSHの2度目の上昇が起こった時点又はP3G(プレグナンジオール−3−グルクロニド)の上昇が起こった時点であってもよい。
【0030】
受胎した時点は、受胎日であってもよい。
【0031】
受胎日は、例えばLHサージ+x日(式中、xは数である)の日付として定義されてもよい。
【0032】
第4の態様において、本発明は、本発明の第1の態様に係る方法及び/又は本発明の第2の態様に係るアッセイ読取装置及び/又は本発明の第3の態様に係るアッセイデバイスにおいて用いられる受胎後経過時間に対応する分析物閾値の提供におけるデータセットの使用を提供し、このデータセットは、妊娠中の雌の哺乳類被験体コホートに由来する尿試料から受胎後経過時間の関数として計測されたhCGレベルを含む。特にこのデータセットは、電子データ処理手段に格納又は入力される1つ又は複数の閾値を導出するために使用され得る。
【0033】
特に哺乳類被験体はヒトである。
【0034】
特に液体試料は尿である。
【0035】
第1のデータセットは、前回の月経周期におけるLHサージの日付を記録した妊娠女性のコホートから採取した尿試料の経時的なhCGレベル計測値から得ることができる。
【0036】
第2のデータセットは、既知の濃度のhCGで特定のタイプのアッセイ又はアッセイデバイスを試験し、各hCGレベルについてシグナル値を計測することによって得ることができる。データ点の数を増やすため、各hCGレベルで複数のアッセイデバイスを試験してもよい。
【0037】
これらの第1のデータセット及び第2のデータセットから、受胎後経過時間に対応するシグナル値である1つ又は複数の閾値を得ることができる。必要であれば、データ点の数を増やすため、シミュレーションによるデータセットを作成してもよい。第1のデータセット及び第2のデータセット及び/又はシミュレーションによるデータセットから、事前に選択した受胎後経過時間の分類基準に従う最高の臨床精度、例えば特定の時間分類範囲内で80%より高い精度を与えるように統計的に最適化した閾値集合が選択され得る。
【0038】
元来hCGレベルは妊娠女性間で変動があるため、各計測時点において特定の分布を有した第1のデータセットからは、各時点で異なるhCG値が観測された。結果的に、選択された分析物閾値は、特定のデータセットについて得られた平均シグナル値に相当する。異なる女性コホートから得た異なる第1のデータセットは、異なる分析物閾値をもたらし得る。閾値は、それが受胎後経過時間の提供において最適な臨床精度をもたらすことに基づき選択した。
【0039】
次に、閾値の精度を決定するため、例えばアッセイデバイスに格納された閾値を提供することにより1つ又は複数の選択した閾値を使用して、妊娠女性から採取した実際の尿試料が分類され得る。必要であれば、分類の臨床精度を最適化するため閾値を精密化してもよい。
【0040】
第1のデータセットの統計分析は、例えば指数モデルを用いて実行してもよい。第1のデータセットの統計分析は、例えば4パラメータロジスティック曲線を用いて実行してもよい。他のタイプの公知の統計モデルを用いてデータをモデル化及び分析してもよい。
【0041】
アッセイ又はアッセイデバイスの1つ又は複数の閾値を決定するために用い得る例示的方法は、以下の実施例2に記載する。実施例2は、実施例1に従い調製されたアッセイデバイスに閾値を割り当てた方法について記載しているが、しかしながらこの方法は他のタイプのアッセイデバイスに容易に適用することができる。
【0042】
第1の態様に係る方法、第2の態様に係る読取装置及び第3の態様に係るアッセイデバイスは、さらに、別の受胎後経過時間を示すさらなる分析物計測閾値を含み得る。同様に本発明の第4の態様に係るデータセットを使用して第2の分析物計測閾値を提供してもよい。さらなる分析物閾値はデバイス又は読取装置に格納され得る。
【0043】
アッセイデバイス又は読取装置は、受胎後経過時間のそれぞれの期間に対応する2つ以上、すなわち3つ、4つ又は5つの格納された分析物閾値を含み得る。複数の個別の計測閾値を提供することに代えて、統合型のアッセイデバイス又はアッセイデバイスと共に使用される読取装置が、格納されたアルゴリズムを含んでもよく、このアルゴリズムは、その同等のアッセイデバイスについて得られたhCGレベルの関数としてのシグナル値に関連するデータセットをフィットし、従って任意のシグナル値についての受胎後経過時間を提供するように計算される数式を含む。
【0044】
第1の態様に係る方法、第2の態様に係る読取装置及び第3の態様に係るアッセイデバイスは、さらに最小妊娠閾値(PDTmin)を含んでもよく、最小妊娠閾値未満の分析物計測シグナルは「妊娠していない」ことを示し、最小妊娠閾値より高い分析物計測シグナルは「妊娠している」ことを示す。アッセイ結果はt<FDTの時点で提供されてもよく、ここでFTDはアッセイの全展開時間、すなわちアッセイが計測される最大時間である。
【0045】
妊娠の指示及び受胎後経過時間は、表示手段により提供され得る。
【0046】
受胎後経過時間は、日数、週数若しくは時間数の単位で提供されてもよく、又は受胎後経過時間は、例えば受胎後2〜3週若しくは受胎後10±2日といった時間範囲を提供してもよい。
【0047】
第1の分析物閾値が受胎後経過時間に対応してもよく、第2の分析物閾値がさらに後の受胎後経過時間に対応してもよい。
【0048】
従って、第1の閾値未満だが最小妊娠閾値より高い分析物シグナル値について、第1の時間範囲の受胎後経過時間が示されてもよく、第2の閾値より高い分析物シグナル値が第3の時間範囲の受胎後経過時間として示されてもよく、第1の閾値以上だが第2の閾値以下の分析物シグナル値が、第1の時間範囲と第3の時間範囲との間に起こる第2の時間範囲におけるものとして示されてもよい。
【0049】
ある実施形態に従えば、アッセイデバイスは第1の分析物閾値と第2の分析物閾値とを含み、それらの閾値はそれぞれ受胎後14日目及び受胎後21日目に対応する。従ってディスプレイにより表示される結果は、例えば、第1の分析物閾値未満だが最小妊娠閾値より高い分析物シグナル値については妊娠1〜2週であり、第2の分析物閾値より高い分析物シグナル値については妊娠3週より後であり、及び第1の閾値以上だが第2の閾値以下の分析物シグナル値については妊娠2〜3週であってもよい。
【0050】
最小妊娠閾値は、必要なアッセイ感度に応じて選択されてもよく、従って、例えば5mIU、l0mIU、15mIU若しくは25mIU又はそれらの中間値に対応するhCGレベルに対応するように設定されてもよい。
【0051】
ある実施形態に従えば、アッセイデバイス又は読取装置は、格納された最小妊娠閾値(PDTmin)と、第1の分析物閾値(PDTmid)と、第2の分析物閾値(EPDTmax)とを含む。第1の分析物閾値は受胎後14日目に対応してもよく、第2の分析物閾値は受胎後21日目に対応してもよい。EPDTmaxより高い分析物計測シグナルについて、アッセイ結果は時間t<FDTの時点で提供されてもよい。
【0052】
特定の実施形態において、受胎後経過時間の基準となる記録日は、LHサージのタイミングである。LHサージは一貫して排卵の約36時間前に起こり、排卵のタイミングを計るのに比較的正確な予測材料であるため、LHサージのタイミングは本発明に係るデバイス及び方法の時間基準として特に有用である。
【0053】
受胎日は、LHサージ+1日の日付として定義されてもよい。
【0054】
受胎後経過時間を提供することに代えて、排卵後経過時間又は残存妊娠時間(出産までの時間)の指示を提供してもよい。
【0055】
表示手段は、それぞれ語句「PREGNANT(妊娠しています)」又は「NOT PREGNANT(妊娠していません)」を、任意の適切な言語、書体又は大文字/小文字で表示することにより、「妊娠している」又は「妊娠していない」の指示を提供し得る。或いは妊娠している、又は妊娠していないことの指示は、「+」又は「−」などの適切な符号又は記号により提供してもよい。
【0056】
統合型のアッセイデバイスにより与えられる結果は、典型的な28日周期に基づき最終期間の第1日目を基準として妊娠日数を決めていた場合、医療従事者によって示される結果とは異なり得る。
【0057】
従って、アッセイデバイス又は読取装置は、典型的な28日周期に基づく最終期間の第1日目を基準とした妊娠日を受胎日と関連付ける情報と共に提供され得る。この情報は、統合型のアッセイデバイス又は読取装置が提供される実装体か、又はデバイスと共に提供される情報リーフレットに提供され得る。
【0058】
典型的には、デバイスによる妊娠を指示するための受胎後経過時間の指示に対し、医療従事者が妊娠日数を決める方法として、その時間+2週間が与えられる。
【0059】
例えば、情報は以下のとおり提供され得る:
【0060】
【表1】

【0061】
受胎後経過時間を提供する代わりに、若しくはそれを提供することに加えて、医師が28日周期に基づき妊娠日数を決めるときの日付が、アッセイデバイス又は読取装置により提供されてもよい。
【0062】
第1の態様に係る方法では、アッセイは、例えばイムノアッセイ実験用分析装置又はELISA 96ウェルプレートによりhCGレベルを測定し得る。
【0063】
本発明の第1及び第3の態様に係るアッセイデバイスは、好都合には、広い分析物範囲にわたるhCGを計測可能なフロースルー型又はラテラルフロー型イムノアッセイを含み得る。音響バイオセンサーイムノアッセイ、又はマイクロフルイディクス型イムノアッセイなどの他のタイプのアッセイも企図される。
【0064】
特に、アッセイはラテラルフローアッセイである。アッセイデバイスは単回使用、すなわち使い捨てであってもよい。
【0065】
受胎後経過時間に伴いhCGは増加し、この間にhCGのレベルは、妊娠第1週の間の5mIU/mlを起点として、2〜3ヶ月目に100,000mIU/mlまで上昇するため、アッセイデバイスは広い分析物範囲にわたるhCGを計測することが可能でなければならない。
【0066】
アッセイデバイスは、hCGを計測可能な単一のアッセイ流路を含んでも、又は各々が異なる濃度範囲にわたるhCGを計測可能な2つ以上のアッセイ流路を含んでもよい。
【0067】
アッセイ流路は、hCG分析物に対する標識された結合試薬を検出するための検出ゾーンを含む多孔質担体を含み得る。
【0068】
アッセイ流路は、移動可能な(すなわち尿などの液体試料との接触時に移動可能な)標識された結合試薬を含んでもよく、これは検出ゾーンで捕捉又は固定化されることが可能である。標識された結合試薬は検出ゾーンより上流に提供され得る。標識された結合試薬は、乾燥した状態で提供され得る。検出ゾーンは固定化された結合試薬を含んでもよく、これは標識された結合試薬を固定化することが可能である。
【0069】
結合試薬という用語は、結合対のメンバーを指す。結合試薬は、hCGとの結合能を有する抗体又は抗体断片を含み得る。分析物hCGは、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)のものと同一のαサブユニットと、hCGに固有のβサブユニットとを含む。サンドイッチイムノアッセイフォーマットにおいて、hCGとの結合にαサブユニット及びβサブユニットに対する抗体を用いてもよい。
【0070】
抗原及び抗体結合対メンバーに加え、他の結合対としては、限定されない例として、ビオチン及びアビジン、炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列、相補的ペプチド配列、エフェクター分子及び受容体分子、酵素補因子及び酵素、酵素インヒビター及び酵素、ペプチド配列及びその配列又はタンパク質全体に対して特異的な抗体、ポリマー酸及びポリマー塩基、色素及びタンパク質結合剤、ペプチド及び特異的タンパク質結合剤(例えば、リボヌクレアーゼ、S−ペプチド及びリボヌクレアーゼS−タンパク質)などが挙げられる。さらに、特異的結合対としては、元の特異的結合メンバーの類似体であるメンバーを挙げることができる。
【0071】
「標識」は、標識された結合試薬の文脈で使用されるとき、視覚的手段又は機器による手段によって検出可能なシグナルを発生することが可能な任意の物質を指す。本発明における使用に好適な様々な標識には、光学的に検出可能なものなど、化学的又は物理的手段を介してシグナルを発生する標識が含まれる。かかる標識としては、酵素及び基質、色原体、触媒、蛍光化合物、化学発光化合物、電気活性種、色素分子、放射性標識及び粒子標識が挙げられる。分析物それ自体が本質的に検出可能なシグナルを発生可能なものであってもよい。標識は結合試薬と共有結合してもよい。
【0072】
標識は、粒子、例えば、金、銀、セレン若しくはテルルなどのコロイド状非金属粒子、色素を組み込んだポリマー粒子などの染色若しくは着色された粒子、又は色素ゾルを含み得る。色素は、任意の好適な色、例えば青色であってもよい。色素は蛍光性であってもよい。色素ゾルは、Foron Blue SRP(Sandoz)及びResolin Blue BBLS(Bayer)などの市販の疎水性染料から調製することができる。好適なポリマー標識は、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリスチレン−アクリル酸及びポリアクロレインなどの合成ポリマーの範囲から選択され得る。用いられる単量体は通常水不溶性であり、単量体のミセルが形成されるように水性界面活性剤中に乳化させた後、その乳濁液に開始剤を添加して重合を生じさせる。実質的に球状のポリマー粒子が生成される。例示的実施形態に従えば、標識は青色のポリマー粒子である。
【0073】
アッセイ流路という用語は、液体を第1の位置から第2の位置まで搬送することが可能な基板を指し、例えば、毛細管チャネル、マイクロ流体経路、又はラテラルフロー多孔質担体などの多孔質担体であってもよい。多孔質担体は、1つ又は複数の多孔質担体材料を含んでもよく、それらの材料は直線状若しくは積層状の配置で重ねられてもよく、又は流体接続される。多孔質担体材料は同じであっても、又は異なってもよい。第1の流路と第2の流路とは別個の基板に設けられてもよく、又はそれらは、第1のアッセイの流路に沿って搬送される液体が第2のアッセイの流路と交差することができないようにして、共通の基板に設けられてもよい。例えば、第1のアッセイと第2のアッセイとは、第1の流路と第2の流路とを互いに隔離するようにして、同じ多孔質担体に提供されてもよい。これは、例えば多孔質担体の部品をレーザー切断することで非多孔質にして、ひいては第1の流路と第2の流路とを分離することにより実現されてもよい。さらに別の代替例として、第1の検出ゾーンと第2の検出ゾーンとが実質的に隣り合って並ぶ配置で、いずれも互いに対して下流に提供されることのないようにして同じ流路に提供されてもよい。
【0074】
特に流路は、ラテラルフロー多孔質担体を含み得る。アッセイの標識された結合試薬及び検出ゾーンは、それぞれ異なる担体材料に提供されてもよい。検出ゾーンを提供するための多孔質担体として用いられ得る好適な材料としては、ニトロセルロース、アセテート繊維、セルロース又はセルロース誘導体、ポリエステル、ポリオレフィン又はガラス繊維が挙げられる。多孔質担体は、好ましくはニトロセルロースを含み得る。これは、結合試薬を事前の化学的処理なしに確実に固定化することができるという利点を有する。例えば、多孔質固相材料が紙を含む場合、例えば、CNBr、カルボニルジイミダゾール、又は塩化トレシルを用いた化学的カップリングによって第2のゾーンにおける抗体の固定化を実施する必要がある。
【0075】
アッセイは、試験ストリップの形態で提供されてもよい。
【0076】
アッセイデバイスは対照ゾーンを含み得る。対照ゾーンは、検出ゾーンより下流に提供され得る。アッセイデバイスは、検出ゾーンより上流に提供される対照ゾーン用の標識された結合試薬をさらに含み得る。対照ゾーンにおけるシグナルの計測値は、アッセイ試験が良好に実行されたかどうか、すなわち試薬が試験デバイスに存在したかどうか、及びその試薬が試験の実行中に移動できるようになり、流路に沿って輸送されたかどうかを示す。対照ゾーンはまた、デバイス内の試薬が免疫化学的に相互作用可能であることも示し、デバイスの化学的完全性を確認することができる。これは、デバイスが特定の温度範囲内の乾燥した条件下で保管及び出荷されることを考慮するとき、重要である。対照ゾーンは、典型的には検出ゾーンより下流に位置する。対照ゾーンは、標識された結合試薬に対する固定化された結合試薬を含み得る。標識された結合試薬は検出ゾーンに結合するものと同じ結合試薬であってもよく、又は異なる結合試薬であってもよい。対照ゾーンの固定化された結合試薬は、例えば、ある種において産生された標識された結合試薬に対する抗種抗体であってもよく、例えば標識抗体がマウスハイブリドーマを用いて誘導された抗体である場合、「抗マウス」抗体であってもよい。
【0077】
アッセイデバイス又は読取装置は、格納された対照シグナル閾値(CLT)を含んでもよく、対照ゾーンで計測されたシグナルがこの対照閾値と比較されることにより、アッセイが良好に実行されたかどうかが示される。
【0078】
アッセイデバイス又は読取装置は、格納された最小分析物閾値をさらに含んでもよく、計測シグナルが最小分析物閾値時間によるこの最小閾値未満の場合、その計測シグナルが全アッセイ展開時間による計測閾値に達することはないと判断される。これは、液体試料の分析物濃度が極めて低いか、又は存在しない場合に相当し得る。この場合、初期の否定的指示、すなわち分析物が存在しない、又は特定の最小レベルを上回る分析物が存在しないという指示が、t<FDTの時点で提供され得る。
【0079】
アッセイデバイス及び読取装置は、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:中央演算処理装置(CPU)又はマイクロコントローラ;1つ又は複数のLED;1つ又は複数の光検出器;電源;及び関連する電気回路。電源は、バッテリ又は任意の他の好適な電源(例えば光電池)であってもよい。好都合には、CPU又はマイクロコントローラは、光検出器の出力からシグナルの蓄積速度又は蓄積量を決定し、それを対照閾値及び計測閾値と比較するようにプログラムされる。
【0080】
アッセイデバイス及び読取装置は計時手段を含んでもよく、それによりアッセイ時間を計測し、且つそれによりアッセイの計測の開始時点を決定する。計時手段は、例えば、液体試料の存在を検出することが可能な一対の電極などの、デバイスに液体試料が添加された時点を検出するための、試料の存在の指示手段を含み得る。或いは計時手段は、光学的検出手段の一部として含まれてもよく、その場合、アッセイ計測の計時は、液体試料がアッセイ流路の特定のゾーンに達したことが光検出器によって測定された時点で開始される。
【0081】
アッセイデバイス及びディスプレイは、アッセイの結果を表示する表示手段をさらに含み得る。表示手段は、さらに、エラーメッセージ、個人情報、時刻、日付、及び使用者にアッセイがどのくらいの時間にわたり計測されているかを知らせるタイマーなどのさらなる情報を表示してもよい。アッセイにより表示される情報は、言葉、数字又は記号により、任意の書体、英字又は言語で、例えば、「陽性」、「陰性」、「+」、「−」、「妊娠しています」、「妊娠していません」、「医師の診察を受けてください」、「もう一度検査を行ってください」と示され得る。
【0082】
アッセイデバイス及び読取装置は、検出ゾーン及び対照ゾーンに存在する標識種の程度及び/又は量を測定するシグナル検出手段を含み得る。シグナル検出手段は、存在する標識種の程度及び/又は量を測定する光検出器などの光学的検出手段を含み得る。アッセイデバイスは、ゾーンを光で照明するように位置決めされたLEDなどの1つ又は複数の光源を含み得る。光源からの光はそれぞれのゾーンを照明して光検出器に透過又は反射し、光検出器が、透過又は反射した光の量又は強度を記録する。ゾーンに標識された結合試薬が存在すると、透過又は反射する光量に影響するため、光検出器における光の計測値は、標識された結合試薬の存在又は量を示す。
【0083】
好適な光源はLEDである。LEDの色は、標識された結合試薬の色によって決定される。青色の標識に対しては、LEDに好適な色は赤色である。LEDは、アッセイデバイスの特定のゾーンを照明するため、特定の1つ又は複数の周波数で照明され得る。光はゾーンから光検出器に反射又は透過し、光検出器が電気的シグナルを記録する。記録される電気的シグナルの数はLEDの動作周波数に依存し、従って時間の経過に伴い1つ又は複数のシグナルが記録され得る。シグナルは、典型的には%吸光度(%A)で表される。
【0084】
各計測ゾーンは、典型的には単一のLEDにより照明される。光検出器は2つ以上の計測ゾーンの光を検出し、従って2つ以上のLEDの光が反射される。これは、どの光がどのゾーンから光検出器に反射しているのかをデバイスが知ることができるように、照明プロセスを順次行うことにより実現され得る。この順次的な照明プロセスは、アッセイが行われている間、一定の、又は変化する周波数で繰り返されてもよく、それにより各ゾーンにおける経時的なシグナルレベルがモニタされ得る。
【0085】
アッセイデバイスは、流体試料を添加した時点を検出する手段を含み得る。例えば、1つ又は複数のゾーンから検出される光のレベルの変化をモニタすることにより、デバイスに流体試料が加えられたかどうか、及び加えた時点が決定され得る。アッセイ試験の計時は、例えば液体試料が特定のゾーンに達したときに、自動的に開始されてもよい。
【0086】
アッセイデバイス及び読取装置はフロー制御手段を含んでもよく、その場合、1つ又は複数のゾーンから検出される光のレベルの変化を用いることにより、デバイスに流体試料が加えられたかどうか、及び加えた時点を決定するとともに、1つ又は複数の計測ゾーン間のフローを計測することによってデバイスに沿った液体試料の流量を決定し得る。流量の測定はさらなる精度管理チェックとして用いることができ、例えば流量が設定レベルより高い、又は低い場合、そのアッセイが棄却されてもよい。計算回路がシグナルに応答可能なことにより、担体に沿って流れる流体の流量を計算し、計算された流量を上限値及び下限値と比較して、計算された流量が上限値及び下限値から外れている場合、アッセイ結果を棄却し得る。
【0087】
典型的な光学的検出及び照明システムは、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの光検出器(フォトダイオードなど)とを含む。好ましい光源は、発光ダイオードすなわちLEDである。反射光及び/又は透過光は光検出器によって計測され得る。この開示の目的上、反射光とは、光源からの光が多孔質担体又は他の液体輸送担体から光検出器に反射することを意味するものとする。この場合、検出器は、典型的には担体に対して光源と同じ側に提供される。透過光は担体を通過する光を指し、典型的には検出器は担体に対して光源と反対側に提供される。反射率を計測する目的から、担体には、白色のMYLAR(登録商標)プラスチック反射層などの裏当て材が提供され得る。従って、光源からの光は担体に当たり、一部はその表面から反射され、一部は担体を透通して、反射層が提供されている深さを含め、そこに至るまでのあらゆる深さにおいて反射する。従って、反射率タイプの計測は、実際には、多孔質担体の厚さの少なくとも一部まで通じた光の透過を伴い得る。
【0088】
アッセイデバイスは、典型的には1つ又は複数の開口又は窓を含み、そこを通じて1つ又は複数の照明源からの光がアッセイ又はアッセイストリップの特定のゾーンに当てられ得る。窓は、特定のゾーンに当たる光の範囲を限定し、アッセイ又はアッセイストリップのどの部分が照明されるかを規定する働きをする。照明されるゾーンの各々が、対応する窓を有し得る。従って、4つの計測ゾーンを有するデバイスは4つの窓を有し得る。窓から反射される光は、1つ又は複数の光検出器によって集められる。一流路が複数のゾーンを有するアッセイデバイスについては、液体試料がゾーン間を進むのにかかる時間が計測され得る。
【0089】
それぞれのアッセイの検出ゾーン並びに存在する場合には対照ゾーンの計測に加え、光学的手段はまた、参照ゾーン、すなわち流路のうち乾燥状態の結合試薬がない部分も計測し得る。参照ゾーンの目的は、検出ゾーンで得られたシグナル値を比較し得る対象としてのシグナル値を提供することである。参照ゾーンの計測により、流路からの反射光又は透過光のバックグラウンドレベルを計測することが可能となる。バックグラウンドレベルは、例えば、多孔質担体の光学的反射率、液体試料の存在、又は標識された結合試薬などのアッセイ成分の存在に起因し得る。従って、検出ゾーンで計測される光のレベルをバックグラウンド光のレベルに対して補正することにより、検出ゾーンに存在する標識された結合試薬の量を示す補償されたシグナルが提供され得る。参照ゾーンにおける計測はまた、アッセイデバイスに加えられる流体試料間のあらゆる変動も補償することができ、例えば、尿試料は色が幅広く異なり得る。
【0090】
アッセイは、典型的には標識された結合試薬が試験ゾーン及び対照ゾーンに蓄積する時間にわたって行われる。典型的なアッセイ試験時間は3分間である。
【0091】
各窓から反射される光の計測は定期的に行われてもよく(例えば毎秒約2回)、ローパスデジタルフィルタを使用してノイズを排除し、データを平滑化し得る。フィルタリングした値は、フローの検出及びアッセイ結果の決定に用いられ得る。
【0092】
各窓について、流路内の特定の計測ゾーンが乾燥しているときの、すなわちどの液体試料も上記ゾーンに達する前の計測値(「キャリブレーション値」)を、計測ゾーンが湿潤して、ラインが展開した可能性があるときの計測値で除した比が計算され得る。この比は、液体試料が流路に沿って通過した結果として流路の反射特性が変化した後に反射された光の割合に相当する。例えば流路がニトロセルロースなどの多孔質担体を含む場合、反射特性の変化は相当に顕著であり得る。
【0093】
各窓について、参照窓、対照窓、及び試験窓における窓比は、多孔質担体が乾燥しているとき、t=0(試料の添加前)の計測値を、試料添加後の時間tにおける計測値で除した値に等しい:
【0094】
各時間点tについて、各窓の窓比は以下のとおり求められ得る:
【数1】

【0095】
フィルタリング後の%A値の計算
各時間点tについての%A値は、試験ライン及び対照ラインについてのこれらの比を用いて、ラインが展開していなかったなら全ての窓に生じたであろうバックグラウンドについてのベースラインとして参照比を使用して計算され得る。
【数2】

【0096】
アッセイデバイスは、低濃度範囲の分析物を検出するための、検出ゾーンを含む高感度(HS)アッセイと、高濃度範囲の分析物を検出するための低感度アッセイ(LS)とであってもよく、アッセイデバイスは、試験ゾーン、参照ゾーン及び対照ゾーンを含む。HSゾーン及びLSゾーンの双方で計測されるシグナルは、以下のとおり定義され得る:
【数3】

【0097】
フィルタリング後の%A値は、HSゾーン及びLSゾーンについて以下のとおり定義され得る:
【数4】

【0098】
典型的には、%A値は全アッセイ展開時間において得られたものであるが、値はt<FDTの時点で決定されてもよい。
【0099】
参照窓比と考慮対象の窓比(対照窓又は試験窓)との差を参照窓比で除して100%を乗じることにより、正規化した相対減衰率(%A)が与えられる。
【0100】
対照シグナル値及び計測シグナル値は、%A、すなわち参照ゾーンで計測されたシグナルに対するシグナル値として示されてもよい。
【0101】
或いは、シグナル値は%R、すなわち絶対値として示されてもよい。
【0102】
フロー検出及びバリデーション
フロー検出
各窓の窓比を使用して、窓を通過する流体のフローを検出してもよい。フローは、比がフロー検出閾値パーセンテージ(FDT%)だけ降下したとき、窓に達したものとして分類される。これは、フィルタリング後の値が同じ比率だけそのキャリブレーション値を上回って上昇したことに対応する。
時間tについて、
【数5】

または
【数6】

【0103】
各窓について基準が最初に満たされたときの時間が、フローバリデーションのために記録される。
【0104】
フローバリデーション
フローに対応する様々なパラメータが、アッセイデバイス又は読取装置内に格納されていてもよく、アッセイデバイスの多孔質担体に沿った液体試料のフローを分類するために用いられ得る。デバイス又は読取装置はフローにおけるあらゆるエラーを表示し得る。
【0105】
アッセイデバイス又は読取装置は、最小フロー検出時間FDTmin、最大フロー検出時間FDTmax、最小窓通過時間MTTmin及びフロー検出閾値FDThに対応する1つ又は複数の格納された値を含み得る。
【0106】
アッセイデバイス又は読取装置は、アッセイの全アッセイ展開時間(FDT)、最小アッセイ展開時間(MDT)、及び初期妊娠最大判定閾値(EPDTmax)などの1つ又は複数のさらなる格納された値を含み得る。
【0107】
アッセイ結果は、最小アッセイ展開時間(MDT)が経過した後にのみ提供され得る。MDTはゼロであってもよい。
【0108】
格納される閾値又は値は、デバイス又は読取装置に永久的に格納されても、又は一時的にも格納されてもよい。それらの閾値又は値は、外部デバイスからデバイス又は読取装置に取り込まれ得る。
【0109】
アッセイデバイスは、流路と流体接続し、且つその上流にある多孔質試料受入部を含み得る。アッセイデバイスは、各々が検出ゾーンを含む2つ以上のアッセイ流路を含んでもよく、その場合、複数のアッセイ流路に共通の単一の多孔質試料受入部が提供され得る。従って、デバイスの多孔質試料受入部に加えられる流体試料は、それぞれのアッセイの流路に沿ってそれぞれの検出ゾーンまで進むことができる。多孔質試料受入部はハウジング内に提供されても、又は上記ハウジングの外側に少なくとも部分的に延在してもよく、例えば尿流を収集する働きをし得る。多孔質試料受入部は、流体リザーバとして機能し得る。多孔質試料受入部材は、液体を速やかに吸収可能な吸水性、多孔質性又は繊維性の材料で作製することができる。材料の多孔性は、一方向性(すなわち孔又は繊維が全体として、又は主に部材の軸と平行に延在する)であっても、又は多方向性(全方向性、従って部材は無定形のスポンジ様構造を有する)であってもよい。多孔質プラスチック材料、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン(好ましくは分子量が極めて高い)、ポリフッ化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル、アクリロニトリル及びポリテトラフルオロエチレンを用いることができる。他の好適な材料としてはガラス繊維が挙げられる。
【0110】
必要であれば、担体材料の遠位端に吸収性「シンク」を提供することができる。吸収性シンクは、例えば、Whatman 3MMクロマトグラフィー紙からなってもよく、未結合の標識された結合試薬を検出ゾーンから取り除くのに十分な吸収能力を提供しなくてはならない。かかるシンクの代替例として、検出ゾーンを越えて延在する長さの多孔質固相材料を有することが十分であり得る。
【0111】
結合試薬を検出ゾーンに加えた後、残りの多孔質固相材料は、あらゆる残存する結合部位をブロッキングするよう処理され得る。ブロッキングは、例えば、タンパク質(例えばウシ血清アルブミン若しくは乳タンパク質)か、又はポリビニルアルコール若しくはエタノールアミンか、又はそれらの組み合わせで処理することにより、実現することができる。多孔質担体が試料によって湿潤したときの標識された結合試薬の自在な移動性を促進するため、多孔質担体は、スクロース若しくはラクトースなどの糖及び/又は他の物質、例えばポリビニルアルコール(PVA)若しくはポリビニルピロリドン(PVP)をさらに含んでもよい。かかる材料は、例えば水溶液として、標識された結合試薬が加えられる領域に付着させてもよい。かかる材料は、最初に付加するものとして多孔質担体に加えられ、次に標識が加えられてもよく、或いはかかる材料は、標識と混合されて多孔質担体に加えられてもよく、又はその双方の組み合わせであってもよい。かかる材料は、標識された結合試薬のところか、又はそれより上流に付着させ得る。
【0112】
或いは、多孔質担体は、製造時点ではブロッキングされていなくともよい;その代わりに、多孔質担体のブロッキング手段が多孔質担体より上流の材料中に含まれる。試験ストリップが濡れると、多孔質担体のブロッキング手段が移動可能となり、ブロッキング手段が多孔質担体の中に流れ込み、フローが進むにつれブロッキングされる。ブロッキング手段としては、BSA及びカゼインなどのタンパク質並びにPVP、PVA及び糖などのポリマー並びにTriton−X100などの界面活性剤が挙げられる。ブロッキング手段は、マクロ多孔質担体材料中に存在してもよい。
【0113】
ニトロセルロース多孔質担体は、少なくとも約1μm、例えば約5μmより大きく、例えば約8〜12μmの孔径を有し得る。
【0114】
ニトロセルロース多孔質担体は、その取り扱い強度を高めるため、例えばプラスチックシートで裏当てされ得る。これは、Mylar(商標)などの裏当て材料のシート上にニトロセルロースの薄層を形成することにより、容易に製造することができる。
【0115】
乾燥した結合試薬は、検出ゾーンを含む多孔質担体材料より上流に提供される多孔質担体材料に提供され得る。上流の多孔質担体材料は、マクロ多孔質であってもよい。マクロ多孔質担体材料は、非特異的な結合を最小限に抑え、且つマクロ多孔質本体が液体試料によって湿潤した後の標識試薬の自在な移動を促進するように、タンパク質結合性が低いか、若しくは全くないものか、又はBSA若しくはPVAなどの試薬によって容易にブロッキングすることができるものでなければならない。マクロ多孔質担体材料は、必要であれば、界面活性剤又は溶媒で事前に処理することでそれを親水性にし、液体試料を速やかに取り込むよう促進することができる。マクロ多孔質担体に好適な材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのプラスチック材料、又は紙若しくはガラス繊維などの他の材料が挙げられる。標識された結合試薬が検出可能な粒子で標識される場合、マクロ多孔質本体は、粒子標識の最大粒度より少なくとも10倍大きい孔径を有し得る。孔径が大きいほど、標識試薬のより良好な放出がもたらされる。マクロ多孔質担体の代替例として、標識された結合試薬は、検出ゾーンより上流に提供される非多孔質基板に提供されてもよく、上記非多孔質基板は流路の一部を形成する。
【0116】
多孔質担体は、ニトロセルロース多孔質担体より上流に提供され、その遠位端で重複するガラス繊維マクロ多孔質担体を含み得る。
【0117】
アッセイデバイスは、典型的には1つ又は複数のアッセイを含むハウジングを含む。ハウジングは流体不透過性で、好適なプラスチック材料、例えばABSで構成され得る。アッセイは、流体試料を受け入れるための試料受入部材をさらに含み得る。試料受入部材はハウジングから延在していてもよい。
【0118】
ハウジングは流体不透過性材料で構成され得る。ハウジングはまた、望ましくは周辺光も遮断する。ハウジング又はケーシングは、デバイスの外面に入射する可視光のうちデバイスの内側まで透通する光が10%未満、好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満であるならば、実質的に周辺光を遮断するものと見なされ得る。適切な遮光性色素を含む光不透過性の合成プラスチック材料、例えば、ポリカーボネート、ABS、ポリスチレン、ポリスチロール、高密度ポリエチレン、又はポリプロピレンが、ハウジングの製造に用いるのに好適な選択である。ハウジングの外面に開口が提供されてもよく、これはハウジングの内部空間に提供されるアッセイと連通している。或いは開口は、多孔質試料受入部をハウジングからハウジングの外側の位置まで延在させる働きをし得る。
【0119】
2つ以上のアッセイを含むアッセイデバイスは、共有参照ゾーンを有してもよく、この場合、あるアッセイについて参照ゾーンで得られたシグナルの値を用いて、他のアッセイについて検出ゾーンで得られたシグナルの値が補償される。このように、参照ゾーンは双方のアッセイ間で「共有」される。
【0120】
2つ以上のアッセイを含むアッセイデバイスは、共有対照ゾーンを有してもよく、この場合、あるアッセイの対照ゾーンにおけるシグナルの計測値が、当該のアッセイ並びに他のアッセイについて試験が正しく(又は誤って)実行されたことの値又は指示を提供する。例えば、対照ゾーンが、あるアッセイについて試験が正しく実行されたことを指示する場合、アッセイデバイスは、他のアッセイにおいて試験が正しく行われたと判断する。従って対照ゾーンは、アッセイデバイスのアッセイ間で「共有」されているものと考えられ得る。
【0121】
アッセイデバイスは共有対照ゾーンと共有参照ゾーンとを含み得る。
【0122】
アッセイデバイスは1つ又は複数の計測値オーバーフローパラメータをさらに含んでもよく、計測値のいずれかが予想された値より高い、又ははるかに低い場合、結果が棄却される。これによりアッセイデバイスは、例えば、回路基板の断線又は短絡、バッテリ切れ、光学窓の遮蔽、LEDの破損などのハードウェア故障を排除することが可能となる。
【0123】
アッセイデバイスは、例えば各々がhCGを検出するための検出ゾーンを含む2つ以上の流路を含み得る。
【0124】
広い範囲にわたるhCG分析物を計測することが可能なアッセイデバイスを提供するには、多くの異なる方法がある。アッセイデバイスは、例えば「ラダー」又は「スピルオーバー」アッセイの形態で提供されてもよく、この場合、第1の検出ゾーンに固定化されない任意の標識された結合試薬が、第2の下流検出ゾーンに進む。それぞれの検出ゾーンは、標識された結合試薬−分析物複合体に対して結合親和性が異なる固定化された結合試薬を含み得る。
【0125】
アッセイデバイスは、低分析物範囲のhCGを計測することが可能な高感度の第1のアッセイと、高分析物範囲のhCGを計測することが可能な低感度アッセイとを含み得る。
【0126】
高分析物範囲のhCGを計測するため、アッセイデバイスは、例えば分析物に対する標識された結合試薬と分析物に対する第2の結合試薬とを含んでもよく、これらの試薬は検出ゾーンより上流に提供される。第2の結合試薬は過剰な分析物を除去し、アッセイの感度を下げる働きをする。これは、より高い分析物レベルでの計測を可能としてアッセイのダイナミックレンジを広げる効果を有する。第2の結合試薬は固定化されていても、移動可能であっても、又はその双方であってもよい。第2の結合試薬は、多孔質担体のうち移動可能な標識された結合試薬と同じ領域、それより上流、又はそれより下流のいずれに提供されてもよい。第2の結合試薬は、分析物のうち移動可能な標識された結合試薬と同じ結合領域に結合しても、又は分析物のうち標識された結合試薬とは異なる領域に結合してもよい。第2の試薬は、分析物に対して、第2のアッセイの移動可能な標識された結合試薬とは異なる親和性を有し得る。例示的実施形態において、第2の結合試薬は、分析物に対して、第2のアッセイの移動可能な結合試薬より高い親和性を有する。第2の結合試薬の量を変えることにより、分析物濃度に対するアッセイの感度を変化させてもよい。第2の結合試薬の存在量を増加させると、第2の結合試薬がより多くの分析物と結合することができるため、検出ゾーンに対して結合することのできる標識された結合試薬の割合が効果的に低下し、アッセイの感度が低下する。
【0127】
アッセイのダイナミックレンジを広げるため、アッセイデバイスは、例えば複数の検出ゾーンを含んでもよく、この場合、各検出ゾーンは異なる分析物濃度レベルの分析物を結合することが可能である。例えばそれぞれのゾーンは、分析物に対する親和性が異なる分析物の結合試薬を含み得る。
【0128】
アッセイのダイナミックレンジを広げる他の方法は、サンドイッチ結合アッセイと競合又は阻害アッセイとを含むアッセイデバイスを提供することである。例えば、サンドイッチアッセイは高感度アッセイであってもよく、すなわち低濃度範囲の分析物を計測することが可能であり、阻害又は競合アッセイは低感度アッセイであってもよく、すなわち高濃度範囲の分析物を計測することが可能である。別の方法は、標識された結合試薬又は検出ゾーンに固定化された試薬の親和性又は量を変えることである。高親和性結合試薬は、低親和性結合試薬より高い分析物感度を有する。同様に、低濃度の結合試薬は、高濃度の結合試薬より低い分析物感度を有する。アッセイ感度は、標識された結合試薬の標識に対する結合試薬の比を変えることにより変化させることができる。標識として粒子を用いる場合、標識に加える結合試薬の分量を変えることでアッセイ感度を変えることができる。アッセイの感度を操作する別の方法は、アッセイに用いる標識の分量を変更することである。例えば、標識された結合試薬の標識種に対する結合試薬の比を低くすることにより、アッセイの感度を下げてもよい。
【0129】
アッセイの感度を操作する別の手段は、標識の光学濃度を変えることである。アッセイ感度は、光学濃度が低い標識を使用することにより下げることができる。これは、低濃度の色素を有するポリマー粒子標識を提供するか、又は光学検出器に対する感度がより低い着色標識を使用することにより実現され得る。
【0130】
高い分析物レベルを計測するさらに別の方法は、非粒子状の標識された結合試薬を用いることである。サンドイッチ結合アッセイを利用して計測するときの高レベルの分析物は、高レベルの結合試薬を必要とし得る。標識が粒子標識である場合、多孔質担体内又はその上に高レベルの分析物を提供すると、立体障害が引き起こされ、結果としてアッセイ感度は悪くなり得る。逆に、低い分析物レベルでは、非粒子状の標識された結合試薬を使用すると、光学濃度が低いため低いシグナルがもたらされ得る。しかしながら、高い分析物レベルでは、非粒子状の標識は、容易に検出される十分に高いレベルで存在し得る。光学的に検出可能な非粒子状標識の例は、色素であり得る。色素は蛍光性であってもよい。
【0131】
アッセイ感度は多孔質担体の流量によって影響され得る。アッセイの感度を下げる方法は、より高い流量を有する多孔質担体(ニトロセルロースなど)を用いることである。
【0132】
アッセイの感度は、標識された結合試薬がその供給源から放出される速度を変更することによってさらに操作され得る。分析物感度を下げる別の方法は、液体試料と接触している間の多孔質担体からの標識された結合試薬の速い放出を提供することである。標識された結合試薬の放出は、デバイス内に糖、タンパク質又はメチルセルロースなどのポリマー物質を提供することにより変更することができる。
【0133】
広い分析物範囲にわたるhCGの計測に関する研究の過程において、発明者らは、先行技術に係る多くのものを含め、数多くの異なるデバイスを作製した。発明者らにより見出されたところによれば、多くのかかるデバイスが分析物の計測には十分でありながら、それらは広い分析物範囲にわたる分析物レベルについて、市販目的に好適なデバイスとするための規制要件を満たすだけの十分に正確な計測を行う能力において、制限を受けることが分かった。本発明者らは、分析物を検出するための複数の検出ゾーンが同じ多孔質担体に提供されるアッセイデバイスについて、上流検出ゾーンにおける結合性により下流検出ゾーンにおける結合特性が変化し得るとともに、上流検出ゾーンの結合性の任意の変動により下流検出ゾーンの結合性の変動が一層増し得ることを示した。これは高い分析物濃度レベルで特に該当し、アッセイ精度の低下をもたらし得る。さらに、試験の実行中に検出ゾーンに存在するそれぞれの結合試薬間に交差結合が起こり得ることが分かっており、交差結合はまた、デバイスの製造中、及び乾燥状態で保管されている間にも認められている。これは、アッセイ精度及び感度のレベルに影響を有することが示された。これらの問題は、これまで先行技術においては認識されていなかったように思われる。
【0134】
ある実施形態に従えば、アッセイデバイスは第1のアッセイと第2のアッセイとを含み、hCG分析物を測定するための第1のアッセイは、標識された抗hCG結合試薬を固定化することが可能な単一の検出ゾーンを有する第1の流路を含み、上記分析物用の第2のアッセイは、標識された抗hCG結合試薬を固定化することが可能な単一の検出ゾーンを有する第2の流路を含み、検出ゾーンにおける標識された結合試薬の存在が、上記液体試料中のhCG分析物の存在及び/又は程度の指示を提供する。
【0135】
第1のアッセイが、第1の濃度範囲のhCG分析物のレベルの指示を提供してもよく、第2のアッセイが、第2の濃度範囲のhCG分析物のレベルの指示を提供してもよい。
【0136】
第1の濃度範囲と第2の濃度範囲とは、互いに異なる。第1の濃度範囲及び第2の濃度範囲は、連続的な濃度範囲を提供するように重複し得る。
【0137】
第1のアッセイと第2のアッセイとは、いずれも独立して、又は共に合わさって、特定の濃度範囲内のhCG分析物のレベルの指示を提供してもよい。
【0138】
単一のアッセイデバイス内に第1のアッセイ及び第2のアッセイを提供することに代えて、アッセイが別個のアッセイデバイスとして提供され、それぞれのデバイスからの結果をまとめると、分析物のレベルの指示又は計測値を提供することが可能であってもよい。
【0139】
液体試料は、血液、血清、血漿及び尿から選択され得る。特に、試料は尿である。
【0140】
本発明の統合型アッセイデバイスを使用することにより、広い濃度範囲にわたるhCGの程度又は存在が計測され得る。この範囲は、約10mIU〜約250,000mIUまで異なり得る。
【0141】
さらなる実施形態において、統合型アッセイデバイスは、各々が単一の検出ゾーンを有する2つの多孔質担体を含み、このデバイスは共有参照ゾーンと共有対照ゾーンとを含み、ここでアッセイデバイスは、4つのゾーンからの光を受け取るように配置された単一の光検出器と4つの発光ダイオードとをさらに含む。
【0142】
特にアッセイデバイスは2つのアッセイ、高感度アッセイと(すなわちこのアッセイは、低分析物濃度の分析物レベルに対して感度を有する)、低感度アッセイと(すなわちこのアッセイは、より高い分析物濃度の分析物に対して感度を有する)を含む。
【0143】
特定の実施形態において、アッセイデバイスは、検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する移動可能な標識された結合試薬を含む第1のアッセイ流路と、検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する移動可能な標識された結合試薬とhCGに対する第2の結合試薬とを含む第2のアッセイ流路とを含む。第2の標識された結合試薬は、標識された結合試薬と同じ領域か、又はその近傍に提供され得る。第2の結合試薬は、固定化されていても、又は移動可能であってもよい。ある実施形態において、第2の結合試薬は移動可能である。第2の結合試薬は、分析物のうち移動可能な標識された結合試薬と同じ結合領域に結合しても、又は分析物のうち標識された結合試薬と異なる領域に結合してもよい。特に、第2の結合試薬はhCGのβ−サブユニットとの結合能を有し、移動可能な標識された結合試薬はhCGのα−サブユニットとの結合能を有する。第2の結合試薬の量を変化させることにより、アッセイの感度を変えてもよい。
【0144】
ある実施形態に従えば、アッセイデバイスは、各々が検出ゾーンを有する2つのアッセイ試験ストリップを含む。一方のアッセイストリップに共有対照ゾーンが提供され、他方のアッセイストリップに共有参照ゾーンが提供される。一方のアッセイについて参照ゾーンで得られたシグナルの値が、他方のアッセイについて検出ゾーンで得られたシグナルの値の補償に用いられる。このように、参照ゾーンは双方のアッセイ間で「共有」される。
【0145】
参照ゾーン及び/又は対照ゾーンは各々がLEDなどの照明光源を必要とし得るため、共有の参照ゾーン及び/又は対照ゾーンを提供することにより、アッセイデバイスに必要な光学部品数が減少する。
【0146】
共有の参照ゾーン及び/又は対照ゾーンを用いることにより、アッセイデバイスは、検出が必要なゾーン数、結果的に利用が必要な光学部品数が減少し得る。共有ゾーンの使用が最も効果的となるのは、第1のアッセイと第2のアッセイとのアッセイ構造が同じであるときか、又は参照ゾーン及び/又は対照ゾーンが1つ又は複数の補助流路に提供される場合に、1つ又は複数の補助流路のアッセイ構造が第1のアッセイと第2のアッセイとに対して同じであるときである。また、各アッセイについて同じ液体試料を使用することも有利である。これは、好都合には、双方のアッセイと流体連通している共通の試料添加領域を提供することにより実現され得る。従って、共通の試料添加領域を介してデバイスに加えられた単一の液体試料は、第1のアッセイと第2のアッセイとの双方を通じて流れ得る。第1のアッセイと第2のアッセイとが同一でない場合、各アッセイで検出され得る光のバックグラウンドレベルが互いに十分に同程度である限り、共有参照ゾーンを提供することが許容され得る。
【0147】
共有参照ゾーンは、第1のアッセイ又は第2のアッセイのいずれかの一部として含まれてもよい。或いは参照ゾーンは、第1のアッセイ及び第2のアッセイに対する補助流路に提供されてもよい。参照ゾーンは、流路のうち検出ゾーンに対応しない部分か、又は検出ゾーンより上流に乾燥した標識試薬が存在する場合、その乾燥した標識試薬が存在する場所に対応しない部分から選択され得る。
【0148】
ある実施形態において、アッセイデバイスは、共有参照ゾーンを含む第1の高感度分析物アッセイと、共有対照ゾーンを含む第2の低感度分析物アッセイとを含む。低感度アッセイは、標識された結合試薬量を高感度アッセイより多く含み得る。高感度アッセイは、検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する標識された結合試薬を含む流路を含んでもよく、低感度アッセイは、検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する標識された結合試薬とhCGに対する第2の結合試薬とを含んでもよい。
【0149】
参照ゾーンは、検出ゾーンより下流に提供されても、又は上流に提供されてもよい。参照ゾーンの計測により、流路からの反射光又は透過光のバックグラウンドレベルを計測することが可能となる。バックグラウンドレベルは、例えば、多孔質担体の光学的反射率、液体試料の存在、又は標識された結合試薬などのアッセイ成分の存在に起因し得る。従って、検出ゾーンで計測される光のレベルをバックグラウンド光のレベルに対して補正することにより、検出ゾーンに存在する標識された結合試薬の量を示す補償されたシグナルが提供され得る。参照ゾーンにおける計測はまた、アッセイデバイスに加えられる流体試料間の任意の変動も補償することができ、例えば、尿試料は色が幅広く異なり得る。一方のアッセイについて参照ゾーンで得られたシグナルの値が、他方のアッセイについて検出ゾーンで得られたシグナルの値の補償に用いられる。このように、参照ゾーンは双方のアッセイ間で「共有」される。参照ゾーンは各々がLEDなどの照明光源を必要とし得るため、共有参照ゾーンを提供することにより、アッセイデバイスに必要な光学部品数が減少する。
【0150】
アッセイデバイスは3つ以上のアッセイ、例えば、3つ、4つ又は5つのアッセイを含んでもよく、このデバイスは1つ又は複数の共有参照ゾーンを有する。
【0151】
本発明の態様が、以下の図を参照することによりさらに説明される:
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】典型的な28日月経周期の間に起こるホルモンレベル及び基礎体温の変化を示す。
【図2a】本発明の例示的アッセイデバイスを示す。
【図2b】本発明の例示的アッセイデバイスを示す。
【図3】本発明の実施形態に係る例示的アッセイデバイスを示す。
【図4−1】高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含むアッセイデバイスについての流量を判定する例示的アルゴリズムを示す。
【図4−2】高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含むアッセイデバイスについての流量を判定する例示的アルゴリズムを示す。
【図5−1】高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含むアッセイデバイスについての受胎後経過時間を判定する例示的アルゴリズムを示す。
【図5−2】高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含むアッセイデバイスについての受胎後経過時間を判定する例示的アルゴリズムを示す。
【図6(a)】hCGを検出するためのアッセイデバイス及び方法について得られる典型的な%A対アッセイ時間プロファイルを示す。
【図6(b)】hCGを検出するためのアッセイデバイス及び方法について得られる典型的な%A対アッセイ時間プロファイルを示す。
【図6(c)】hCGを検出するためのアッセイデバイス及び方法について得られる典型的な%A対アッセイ時間プロファイルを示す。
【図7】実施例2に係る、ある女性コホートについて得られた受胎後経過時間対log(hCG+0.1)をプロットしたグラフとフィットした指数曲線とを示す。
【図8a】実施例1に従い調製した高感度アッセイについてのフィッティング及び観測による関係を示す。
【図8b】実施例1に従い調製した低感度アッセイについてのフィッティング及び観測による関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0153】
図の詳細な説明
図2aは、本発明の例示的アッセイデバイスを示す。デバイスは、約14cmの長さ及び約25mmの幅を有する細長状であり、ハウジング(50)と、多孔質試料受入部(51)と、アッセイの結果を表示するためのLCDディスプレイ(53)とを含む。また、アッセイ内には、図示されないが、アッセイ流路と、光学的手段と、電源と、関連する電子部品とが提供される。アッセイデバイスはまた、多孔質試料受入部に被せて嵌める着脱可能なキャップ(52)も有し得る。
【0154】
図2bは本発明に係る例示的アッセイデバイスを示し、部品のいくつかを示すため開けた状態としている。デバイスは、上部及び下部ハウジング(510、512)と、デバイス内を低レベルの湿度に維持する乾燥剤タブレット(513)と、バッテリ(516)と、光バッフル(514)と、コンピュータチップ(515)とを含む。
【0155】
図3は、共有の対照ゾーンと参照ゾーンとを有する例示的実施形態に係るアッセイデバイスの個別のアッセイ多孔質担体のレイアウトを示す。アッセイデバイス(60)は、第1のアッセイ(62)と第2のアッセイ(63)とを流体接続する共通の試料添加領域(61)を有する。ゾーン(64)及び(65)は、それぞれアッセイの検出ゾーン及び対照ゾーンに対応する。ゾーン(66)及び(67)は、それぞれ検出ゾーン及び参照ゾーンに対応する。
【0156】
図4は、高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含むアッセイデバイスについての流量を判定するための例示的アルゴリズムを示す。
【0157】
キャリブレーションが完了すると、全ての窓が計測され、フィルタリングされる。
【0158】
フローが1つ又は複数の計測ゾーンに達する最小時間として、最小フロー検出時間(Min FDT)が定義され得る。フローが最小フロー検出時間未満の時点で検出される場合、デバイスの「起動」が遅れ、あらゆるキャリブレーション値がキャリブレーション中に窓に既に存在するフローによって影響を受けた可能性が高いと推定される。このようなデバイスは、「起動遅延エラー」として分類され得る。
【0159】
液体試料が、デバイスに加えられてから、又は液体試料の添加後にデバイスが始動されてから全ての計測ゾーンに達していなければならない時間として、最大フロー検出時間(Max FDT)が定義され得る。起動からこの最大時間までにフローが全ての計測ゾーンで検出されたわけではなかった場合、デバイスは、試料不足である、すなわちアッセイデバイスに加えられた液体試料が不十分であると推定される。このようなデバイスは、試料不足として分類され得る。
【0160】
流体があるゾーンと下流のゾーンとの間を通過する最小時間として、最小窓通過時間(Min WTT)が定義され得る。これらのゾーンに対応する窓間のフローは、最小時間差だけ起こらなければならない。フロー時間がこの時間未満の場合、デバイスが満水状態になっているか、又は過剰に試料添加された可能性があるため、棄却され得る。
【0161】
以下は、用いられ得る流量パラメータの例である:
【0162】
【表2】

【0163】
図5は、広い分析物範囲にわたるhCGを測定するためのアッセイデバイスであって、高感度(HS)アッセイと低感度(LS)アッセイとを含み、その各々が試験ゾーンを含むアッセイデバイスについての、受胎後経過時間を判定する例示的アルゴリズムを示す。
【0164】
アッセイの計時は、高感度試験ライン窓を通るフローを検出した時点からである。アルゴリズムは、全アッセイ試験時間より前に「妊娠している」の初期指示を提供する。受胎後経過時間又は「妊娠していない」の指示は、全アッセイ試験時間(全アッセイ展開時間)で提供される。
【0165】
フローアルゴリズムパラメータによりフローが有効であると判断されると、最小展開時間の後、HS(%A)が初期妊娠判定閾値を超え、且つCtrl(%A)が対照ライン閾値を上回る場合、PREGNANT(妊娠しています)の結果が表示される。
【0166】
最小展開時間後、PREGNANTが表示され、続いてLS(%A)が初期妊娠最大判定閾値を越える場合、最大時間の受胎指標指示(3週+)が表示される。
【0167】
全アッセイ展開時間が経過したとき
この時点までにPREGNANTが既に表示されている場合、対照ラインは試験されない。そうではなく対照ラインが対照ライン閾値を下回る場合、「デバイスエラー」が示され、試験は完了する。
【0168】
HS(%A)が妊娠中間判定閾値を超える場合、中間時間の受胎指標指示(2〜3週)が表示され、試験は完了する。
【0169】
この時点までにPREGNANTが既に表示されている場合、最小時間の受胎指標指示(1〜2週)が表示され、試験は完了する。HS(%A)が妊娠最小判定閾値(PDTmin)を超える場合、PREGNANT及び最小時間の受胎指標指示が表示され、試験は完了する。
【0170】
その他の場合、NOT PREGNANT(妊娠していません)が表示され、試験は完了する。
【0171】
hCGを検出するためのアッセイデバイスについて用いられ得る詳細な判定アルゴリズムパラメータの例は、以下のとおりである:
【0172】
【表3】

【0173】
特に、判定アルゴリズムパラメータは、hCGを検出するための実施例1に係るアッセイデバイスにおいて用いられ得る。特に、判定アルゴリズムパラメータは、図3に示されるとおりの共有の参照ゾーン及び対照ゾーンを含むアッセイデバイスにおいて用いられ得る。
【0174】
図6(a)〜(c)は、様々な尿中hCGレベルについて、図3に係る共有対照及び参照ラインを有する実施例2に係るアッセイデバイスを試験したときの%A対時間(秒)の典型的なシグナルプロファイルを示す。図6(a)〜(c)は、それぞれ0mIU、100mIU及び2000mIUのhCGを含む緩衝溶液で試験したアッセイデバイスを示す。
【0175】
本発明は、以下の実施例を参照してさらに特徴が明らかとされ得る:
【実施例】
【0176】
実施例1
広い分析物範囲にわたるhCGを測定するための、低感度アッセイと高感度アッセイとを含むアッセイデバイスの調製
ニトロセルロース多孔質担体上に提供された検出ゾーン及び対照ゾーンより上流に提供されたガラス繊維多孔質担体上に、hCGに対する移動可能な標識された結合試薬を含むhCG分析物測定用の高感度アッセイを調製した。検出ゾーンは、hCGに対する固定化された結合試薬を含んだ。
【0177】
PBSA緩衝液中3mg/mlの濃度の抗β−hCG抗体(インハウスクローン3468)のラインを、寸法350mm長さ×40mm幅で、孔径が8μm及び厚さ90〜100μmの、175μmの裏当て層にラミネートされたニトロセルロースのバンド(Whatman)上に1μl/cmの速度で分注することにより、検出ゾーンを調製した。Biodot xyz3050分注プラットフォームを使用して、ニトロセルロースの長さに沿って10mmの位置に約1.2mm幅及び約300mm長さのラインとして抗β−hCG抗体を加えた。
【0178】
Biodot XYZ3050分注プラットフォームを使用して、検出ゾーンの3mm下流の13mmの位置に、ヤギ抗ウサギ抗体(Lampire)、PBSA緩衝液中2mg/mlを、1μl/cmでニトロセルロース上にプロットして対照ゾーンを調製した。
【0179】
Hedinair乾燥オーブンシリーズ番号17494を55℃及び速度5(シングルパス)の設定で使用して、NCのバンドを乾燥させた。次に、5%エタノール(BDH Analar 104766P)+150mMの塩化ナトリウム(BDH Analar 10241AP)+50mMのtrizma base(Sigma T1503)+Tween 20(Sigma P1379)の混合液と1%(w/v)ポリビニルアルコール(PVA、Sigma 360627)とを含むブロッキング緩衝液を使用して、NCをブロッキングした。ブロッキング緩衝液は、1.75μl/mmの速度でバンドの近位端に加えた。ブロッキング溶液が膜に浸透したところで、2%(w/v)スクロース(Sigma S8501、脱イオン水中)の溶液を、同じ装置を使用して1.6μl/mmの速度で加え、ニトロセルロース膜に約5分間浸透させた。次に、Hedinair乾燥オーブンシリーズ番号17494を75℃及び速度5(シングルパス)の設定で使用して、NCのバンドを乾燥させた。
【0180】
hCGに対する標識された結合試薬の調製
以下のプロトコルに従い標識された結合試薬を調製した:
【0181】
抗αhCGによるラテックス粒子のコーティング
1.Duke Scientificからの青色ラテックス粒子(直径400nm、DB1040CB、10%固形分(w/v)〜2%固形分(w/v))を、l00mMのテトラホウ酸二ナトリウム緩衝液、pH8.5(BDH AnalaR 102676G)(DTB)で希釈する。
2.2本のエッペンドルフ遠心管内の所定量(2ml)の希釈したラテックスを、Heraeus Biofuge 17RS遠心分離機において17000rpm(25,848rcf)で10分間遠心することにより、希釈したラテックスを洗浄する。上清を取り除いて廃棄し、ペレットをl00mMのDTB中に再懸濁して、総量1mlで4%固形分(w/v)を得る。
3.エタノールと酢酸ナトリウムとの混合液(95%エタノール BDH AnalaR 104766P、5%w/v酢酸ナトリウム Sigma S−2889を含有)を調製する。
4.ステップ2で洗浄したラテックスに100μlのエタノール−酢酸ナトリウム溶液(これはラテックス容量の10%である)を添加する。
5.ストック抗体(インハウスクローン3299)を希釈してDTB中約1200μg/mlの抗体を得る。
6.ステップ5の希釈抗体の1ml容量を、41.5℃に設定した水浴中で約2分間加熱する。また、洗浄したラテックス+ステップ4のエタノール−酢酸ナトリウムも、同じ水浴中で2分間加熱する。
7.希釈抗体をラテックス+エタノール−酢酸に添加し、十分に混合したうえ、マグネチックスターラ及び混合液中に置かれたマグネチック攪拌子を使用して混合しながら、41.5℃に設定した水浴中で1時間インキュベートする。
8.40mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)溶液(Intergen W22903、脱イオン水中)を調製する。等量の40mg/mlのBSAを、ラテックス/抗体/エタノール−酢酸塩の混合液に添加し、撹拌を続けながら41.5℃の水浴中で30分間インキュベートすることにより、ラテックスをブロッキングする。
9.混合液を、ステップ2のとおり17000rpmで10分間遠心する(容量は1mlロットずつエッペンドルフ管に分割する)。上清を取り除いて廃棄し、ペレットを100mMのDTB中に再懸濁する。ステップ2のとおり遠心を繰り返し、上清を除去して廃棄し、ペレットをエアブラシ吹付け用緩衝液(20%(w/v)スクロース Sigma S8501、10%BSA(w/v)、100mM Trizma Base Sigma T1503中、pH9)に再懸濁する。エアブラシ吹付け用緩衝液を添加して4%固形分(w/v)ラテックスを得る。
【0182】
コンジュゲートしたラテックスをBSAとスクロースとの混合液中でガラス繊維多孔質担体(F529−09、Whatman)に50g/時間及び110mm/秒の速度で吹き付け、Hedinarコンベヤオーブンシリーズ番号17494を65℃及び速度5(シングルパス)の設定で用いて乾燥させた。
【0183】
対照ゾーンに対する標識された結合試薬もまた、多孔質担体のうち分析物に対する標識された結合試薬と同じ領域に以下のとおり付着させた:
ウサギIgG(Dako)を、BSA/スクロース中の400nm青色ラテックスのポリスチレンラテックス(Duke Scientific)とコンジュゲートすることにより、最終パーセンテージの0.7%固形分青色ラテックスを得て、それを65g/時間でガラス繊維に吹き付けた。
【0184】
標識された結合試薬を吹き付けたガラス繊維材料を、透明接着剤コートを有するラミネートフィルム(Ferrisgate、38mm幅)を用いてニトロセルロース膜に貼着し、これは、標識試薬が最上部にあり、ガラス繊維がニトロセルロース膜のバンドの長さ(350mm)に沿って約2mmだけニトロセルロースの表面と重なるように配置した。ガラス繊維を、それが検出ゾーンの上流にくるようにニトロセルロースの端部に貼着した。
【0185】
参照ゾーンとして選択したゾーンは、ニトロセルロースに沿って13mmの距離のところ、すなわち検出ゾーンの下流とした。
【0186】
続いてラミネートシートを6mm幅の試験ストリップに切断した。
【0187】
ニトロセルロース多孔質担体上に提供された検出ゾーン及び対照ゾーンより上流に提供されたガラス繊維多孔質担体上に、hCGに対する移動可能な標識された結合試薬とhCGに対する移動可能な第2の結合試薬とを含むhCG測定用の低感度アッセイを調製した。検出ゾーンは、hCGに対する固定化された結合試薬を含んだ。
【0188】
高感度アッセイの場合に従い検出ゾーンを調製した。
【0189】
Biodot XYZ3050分注プラットフォームを使用して、検出ゾーンから3mm下流の13mmの位置に、ヤギ抗ウサギ抗体(Lampire)、PBSA緩衝液中2mg/mlを、1μl/cmでニトロセルロース上にプロットして対照ゾーンを調製した。
【0190】
移動可能な標識された結合試薬及び第2の結合試薬の調製
400nm青色ポリスチレンラテックス(Duke Scientific)とコンジュゲートしたマウス抗ヒトα−hCG mAb(クローン3299)を、3mg/mlのスカベンジャー抗体mAbマウス抗ヒトβ−hCG(インハウスクローン3468)と混合し、最終パーセンテージの3%青色ラテックス、最終3468濃度が0.075mg/ml及び0.06mg/ml濃度の遊離抗β−hCG抗体を得た。得られた混合液をBIODOT XYZS(シリーズ番号1673)を使用して90g/時間でWhatmanガラス繊維(F529 25mm幅リール)に対しエアブラシで吹き付け、F529−09ガラス繊維上に2.02μg/cmで噴霧した。
【0191】
対照ゾーンに対する標識された結合試薬もまた、多孔質担体のうち分析物に対する標識された結合試薬と同じ領域に以下のとおり付着させた:
ウサギIgG(Dako)をBSA/スクロース中の400nm青色ラテックスポリスチレンラテックス(Duke Scientific)とコンジュゲートすることにより、最終パーセンテージの0.7%固形分青色ラテックスを得て、それを65g/時間でガラス繊維に吹き付けた。
【0192】
Hedinarコンベヤオーブンシリーズ番号17494を65℃及び速度5(シングルパス)の設定で使用して、ガラス繊維を乾燥させた。上記を繰り返すことにより、但し元の噴霧位置から約0.8mmだけずらしたところ(ガラス繊維のさらに下流)に、ラテックスの第2の通路をガラス繊維上に付着させた。続いて、Hedinarコンベヤオーブンシリーズ番号17494を65℃及び速度5(シングルパス)の設定で使用して、ガラス繊維を乾燥させた。
【0193】
標識された結合試薬を吹き付けたガラス繊維材料を、透明接着剤のコートを有するラミネートフィルム(Ferrisgate、38mm幅)を用いてニトロセルロース膜に貼着し、これは、標識試薬が最上部にあり、ガラス繊維がニトロセルロース膜のバンドの長さ(350mm)に沿って約2mmだけニトロセルロースの表面と重なるように配置した。ガラス繊維を、それが検出ゾーンの上流にくるようにニトロセルロースの端部に貼着した。
【0194】
続いてラミネートシートを6mm幅の試験ストリップに切断した。
【0195】
45mm長さ、12mm幅及び約2.5mm厚の共通の多孔質試料受入部(505521、Filtrona Fibertech)を、第1のアッセイ及び第2のアッセイの上流に、それらと約3mmだけ重なるように設けた。
【0196】
多孔質試料受入部をハウジングから部分的に延在させて、高感度及び低感度アッセイをアッセイハウジングに収容した。
【0197】
それぞれの検出ゾーン及び対照ゾーンからシグナルを計測し、これらのシグナルは、共有参照ゾーンからのシグナル計測値に対して計測された。
【0198】
共有の対照ゾーン及び参照ゾーンを提供することに代えて、高感度アッセイ及び低感度アッセイが、各々参照ゾーン及び/又は対照ゾーンを含んでもよい。
【0199】
実施例2
受胎後日数を決定するためのアッセイデバイス又は読取装置に格納される閾値の決定
年齢18〜45歳の複数の女性を研究のため募集し、21〜42日の規則的な月経周期を直近の6ヶ月間にわたり有すること、母乳哺育されなかったこと、不妊症の既往歴がないこと、多嚢胞性卵巣症候群に罹っていないこと、慢性腎疾患又は肝疾患に罹っていないこと、及び中断後少なくとも3周期を含む過去3ヶ月間ホルモン避妊薬を使用していなかったことに基づき選択した。女性は最低6周期にわたり毎日尿試料を提供し、Unipath FAM(商標)モニターを使用して尿中LHレベルの計測を毎日行うことにより、そのLHサージ日をモニタして記録するとともに、日誌を記録してその最終月経期の第1日目を記録した。研究中に妊娠に至った61人の女性について、その尿中hCGレベルを、Perkin Elmer AutoDelphia実験用分析装置を使用してそのLHサージ日の最長90日後まで毎日計測した。妊娠者についてのLHサージ日の情報から、各女性個人について受胎後日数の関数として計測されたhCGレベルのデータセットを作成し、ここで受胎日は、LHサージ+1日の日付として定義した。
【0200】
指数曲線を使用して妊娠中の時間経過に伴うlog(hCG+0.1)をモデル化した。
式中:
log(hCG+0.1)=A+BRx
A(最大値)
B(切片と最大値との差)
R(増加率)
x=妊娠時刻
【0201】
ローデータ及びフィットした指数曲線を図7に示す。
【0202】
妊娠していない女性からの31件の尿試料を選択し、10〜250,000mIU/ml hCGの範囲の20種の濃度のhCGでスパイクした。スパイクした各試料を、実施例1に従う3つのバッチから選択した6つのアッセイデバイスに加えた。高感度及び低感度アッセイについての分析物シグナル値(%A)を、150秒のFDTでhCG濃度の関数として計測した。
【0203】
4パラメータロジスティック曲線を使用して、高感度アッセイ及び低感度アッセイの双方についてlog(hCG+0.1)濃度に対して%Aをモデル化した。
式中:
【数7】

及び式中
B=傾き
M=最小値と最大値との中間の応答をもたらすlog(hCG+0.1)レベル
C=最大値と最小値との差
A=最小値
【0204】
高感度アッセイ及び低感度アッセイについてのフィッティング及び観測による関係を、図8(a)及び図8(b)に示す。
【0205】
妊娠の分類を、受胎後2週以下、受胎後2〜3週及び受胎後3週より後の3つのグループに最大化するため閾値PDTmin、PDTmid及びEPDTmaxを最適化し、それらの閾値を使用して分類の精度を定量化するようにシミュレーション研究を設計した。
【0206】
精度を決定するため、5人の妊娠している被験者からの実際の試料の結果に対して閾値を評価した。
【0207】
シミュレーションは3つのステップで実施した:
【0208】
ステップ1
広範囲の閾値でシミュレーションを実施する。初期閾値は、デバイスについて事前に分かっている情報と第1のデータセットからの指数モデルにより予測したときのグループ間の境界とを用いて選択した。
PDTmin(%)−5、7.5、10
PDTmid(%)−30、32.5、35
EPDTmax(%)−43、45、47
【0209】
各閾値について3つの値を選択することで、シミュレーションされる27個の閾値の組み合わせを提供した。
【0210】
ステップ2
ステップ1において最良の組み合わせの閾値を選び、最良の組み合わせの近くでより狭い閾値範囲を調べる。
【0211】
ステップ3
ステップ2において最良の組み合わせの閾値を最適集合として選択し、より精密化した定量を行う。
【0212】
第1のデータセットからの指数モデル及び第2のデータセットにおける尿試験(FDT=150秒)からの2つの4パラメータロジスティックモデルを、シミュレーションプロセスに使用した。
【0213】
以下の間隔の各々について、一様分布から10,000個の受胎後時間点を作成した:
7〜10(7〜9日)
10〜15(10〜14日)
15〜22(2〜3週)
22〜43(3週+(最高42日まで));
ここで時間は連続的であり、境界は時間点である。
【0214】
作成された各時間点について、log(hCG+0.1)をシミュレートした。シミュレートした各log(hCG+0.1)値について、%Aの最低値及び最高値を計算し、%A値の各対について、閾値集合を用いて予測受胎指標結果を計算した。
【0215】
ステップ3において、7日目〜42日目の各日について一様分布から作成した10,000個の受胎後時間点を用いてより精密化したシミュレーションを実施した。各サンプリング間隔は真夜中から真夜中までとし、例えば7日目の作成データは、7〜8の実数値であった。
【0216】
研究に基づき、PDTmin、PDTmax及びEPDTmaxについて%Aの閾値を計算した。これらの閾値は、受胎後経過時間を計算するためアッセイデバイス又は読取装置に格納され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌の哺乳類被験体における受胎後経過時間の長さの定量的推定値を決定するための方法であって、
a)hCGを含んでいる疑いのある液体試料をアッセイ又はアッセイデバイスに付加するステップと、
b)前記アッセイ又はアッセイデバイスにより、分析物計測シグナルであって、その値がhCGレベルに依存するシグナルを計測するステップと、
c)前記シグナル計測値を分析物閾値と比較するステップであって、前記分析物閾値が受胎後経過時間に対応する、ステップと、
d)ステップ(c)の比較に基づき受胎後経過時間の長さの定量的推定値を提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
雌の哺乳類被験体における受胎後経過時間の長さの定量的推定値を計算するためのアッセイ又はアッセイデバイスと共に使用するためのアッセイ結果読取装置であって、
a)受胎後経過時間に対応する格納された分析物閾値と、
b)前記被験体から採取された液体試料中のhCGレベルに対応する分析物シグナル値を計測するための計測手段であって、前記分析物シグナル値を前記格納された分析物閾値と比較し、それにより前記比較に基づき受胎後経過時間の長さの定量的推定値を提供する、計測手段と、
c)受胎後経過時間を表示する表示手段と、
を含む、アッセイ結果読取装置。
【請求項3】
雌の哺乳類被験体における受胎後に経過した時間の長さの定量的推定値を提供するためのアッセイデバイスであって、
a)請求項2に記載のアッセイ結果読取装置と、
b)液体試料中のhCGレベルに依存するシグナル値を提供するための1つ又は複数のアッセイと、
を含む、アッセイデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の方法及び/又は請求項2に記載のアッセイ読取装置及び/又は請求項3に記載のアッセイデバイスにおいて用いられる、受胎後経過時間に対応する1つ又は複数の分析物閾値の提供におけるデータセットの使用であって、前記データセットが、妊娠中の雌の哺乳類被験体コホート由来の尿試料から受胎後経過時間の関数として計測されたhCGレベルを含む、データセットの使用。
【請求項5】
前記哺乳類被験体がヒトである、それぞれ請求項1〜4のいずれか一項に記載のアッセイ読取装置、デバイス、方法及びデータセットの使用。
【請求項6】
前記液体試料が尿である、それぞれ請求項1〜5のいずれか一項に記載のアッセイデバイス、方法及びデータセットの使用。
【請求項7】
前記分析物閾値が、受胎後経過時間の関数として計測されたhCGレベルを含む第1のデータセットと、特定のタイプのアッセイ又はアッセイデバイスについてhCGレベルの関数として計測されたシグナルレベルを含む第2のデータセットとを分析することによって得ることができる、それぞれ請求項1〜6のいずれか一項に記載のアッセイ読取装置、デバイス、方法及びデータセットの使用。
【請求項8】
前記第1のデータセットが、妊娠中の雌の哺乳類被験体コホートにおける受胎後経過時間に伴うhCGレベルの計測値から得ることができる、請求項7に記載のアッセイ読取装置、デバイス、方法及びデータセットの使用。
【請求項9】
前記受胎後経過時間がLHサージ日に対して定義される、請求項4及び/又は8に記載のデータセットの使用。
【請求項10】
1つ又は複数の受胎後時間に対応する1つ又は複数のさらなる格納された分析物閾値をさらに含む、請求項2、3及び5〜8のいずれか一項に記載のアッセイ読取装置及びデバイス。
【請求項11】
最小妊娠閾値(PDTmin)を含み、前記最小妊娠閾値未満の分析物計測シグナルが「妊娠していない」ことを示し、前記最小妊娠閾値より高い分析物計測シグナルが「妊娠している」ことを示す、請求項2若しくは3、又は請求項2若しくは3の従属項としての5〜8若しくは10のいずれか一項に記載のアッセイ読取装置又はデバイス。
【請求項12】
前記受胎後経過時間が週数の範囲として提供される、請求項1〜3及び5〜8又は10若しくは11のいずれか一項に記載のアッセイ読取装置、デバイス又は方法。
【請求項13】
第1の分析物閾値(PDTmid)と第2の分析物閾値(EPDTmax)とを含み、前記第1の分析物閾値が受胎後14日目に対応し、第2の分析物閾値が受胎後21日目に対応する、請求項11又は12に記載のアッセイ読取装置又はデバイス及び方法。
【請求項14】
前記第1の分析物閾値未満だが前記最小妊娠閾値より高い分析物シグナル値が妊娠1〜2週を示し、前記第2の閾値より高い分析物シグナル値が妊娠3週より後を示し、前記第1の閾値以上だが前記第2の閾値以下の分析物シグナル値が妊娠2〜3週を示す、請求項13に記載のアッセイ読取装置又はデバイス。
【請求項15】
低濃度範囲のhCGを計測するための検出ゾーンを有する第1のアッセイ流路と、高濃度範囲のhCGを計測するための検出ゾーンを有する第2のアッセイ流路とを含む、請求項3又は5〜8又は10〜14のいずれか一項に記載のアッセイデバイス。
【請求項16】
前記第1のアッセイ検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する移動可能な標識された結合試薬と、前記第2のアッセイ検出ゾーンより上流に提供されたhCGに対する移動可能な第2の結合試薬及びhCGに対する標識された結合試薬とを含む、請求項15に記載のアッセイデバイス。
【請求項17】
各流路が単一の検出ゾーンを含む、請求項15又は16に記載のアッセイデバイス。
【請求項18】
共有参照ゾーンを含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載のアッセイデバイス。
【請求項19】
共有対照ゾーンを含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載のアッセイデバイス。
【請求項20】
双方の検出ゾーンからの光を検出する単一の光検出器と、前記共有参照ゾーン、前記共有対照ゾーン及び前記2つの検出ゾーンをそれぞれ照明する4つの光源とを含む、請求項18及び19に記載のアッセイデバイス。
【請求項21】
前記参照ゾーンが検出ゾーンの下流に提供される、請求項18〜20のいずれか一項に記載のアッセイデバイス。
【請求項22】
一方又は双方のアッセイ流路がラテラルフロー多孔質担体を含む、請求項16〜21のいずれか一項に記載のアッセイデバイス。
【請求項23】
前記ラテラルフロー多孔質担体がニトロセルロースを含む、請求項22に記載のアッセイデバイス。
【請求項24】
実質的に以上のように添付の図面を参照して説明されるとおりのアッセイデバイス又は読取装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2011−522272(P2011−522272A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512220(P2011−512220)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050619
【国際公開番号】WO2009/147437
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(302044591)アレル・スウイツツアーランド・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (38)
【Fターム(参考)】