非自己回復形コンデンサを有する永久に破壊可能な共振回路
コイルおよびコンデンサ回路を有する万引き等を防止するための無線波検出システムで用いる共振回路であり、コンデンサの破壊電圧を超える電圧をコンデンサ間に生じさせる無線信号にタグがさらされると、共振回路が永久に破壊される。コンデンサは、自己回復を呈しない誘電体を備える。そのような誘電体としては、セラミック、金属酸化物および鉱物が挙げられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、万引きなどの防止のために用いられる共振回路に関し、より詳細には、所定の電圧レベルに対する曝露によって永久に無力化するコンデンサを有する共振回路に関する。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づく2007年1月18日出願の「RF Label for Container Stopper or Cap」という名称の米国特許仮出願第60/885,531号の利益および2007年10月10日出願の「Permanently Destructible Resonant Circuit with Non−Self−Healing Capacitor」という名称の米国特許仮出願第60/980,948号の利益を主張し、いずれの特許もその全体的な開示内容は本願明細書に参照によって援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
小売店、図書館などの施設において、無線波と共振する共振タグと、送信アンテナおよび受信アンテナを含む監視システムが、万引き防止のために用いられてきた。実施形態において、共振タグは、絶縁フィルムと、コイルと、絶縁フィルムの一方の側に形成される導電性金属箔から作られるプレートと、他方の側に形成される導電性金属箔から作られるプレートで構成され、LC回路を構成して、特定の周波数で無線波と共振する。別の実施形態において、共振タグは、ワイヤループと個別のコンデンサから構成され、いずれも盗難を防止するために、物体内に埋め込まれるか、または物体に固着される。タグのこのタイプの実施例としては、ワインボトルストッパなどのボトルストッパが挙げられ、ワイヤループインダクタおよび個別のコンデンサが、並列に接続され、ボトルストッパの内側に装着される。係属中の米国特許仮出願第60/885,531号は、そのようなデバイスを開示している。
【0004】
共振回路を取り付けた物品が、レジで無効化されることなく監視領域を通過する場合には、共振回路が送信アンテナからの無線波と共振し、受信アンテナが共振を検出して警報を発する。通常用いられる共振周波数は5〜15MHzであるが、これは、この範囲内の周波数が種々の雑音周波数から容易に区別可能なためである。電子物品監視(EAS)では、8.2MHzの周波数が最もよく用いられ、無線周波数識別(RFID)では、13.56MHzの周波数が最もよく用いられる。
【0005】
一例として、図1〜図3は、タグ10の形式の先行技術のLC共振回路を示しており、基板13の一方の側面にコイル11および第1のコンデンサプレート12を含み(図1)、基板13の他方の側面に第2のコンデンサプレート14を含む(図2)。図3は、約20ミクロンである代表的な基板の厚さtを示す、この先行技術のタグの断面図であり、従来の誘電形成方法(たとえば、金属層の間にポリエチレンを押し出し成形すること)を用いて形成可能な最も薄い誘電体とみられる。接着層15、17はそれぞれ、金属層を基板13に固定する。
【0006】
図1〜図4の場合のように形成される先行技術の共振タグは一般に、一旦、共振タグを備えた物品が購入されると、タグへの所定の電圧の印加によって無力化される。タグは通常、誘電体の薄い部分を有し、コンデンサプレート12、14にわたる誘導電圧が誘電破壊を生じ、それにより、共振タグが所定の周波数で無線波と共振することができなくなる。共振タグを無力化するためのこの手段が、図4に示されている。図4は、接着層5A、5Bを有する誘電体4に固着される上部金属プレート2および下部金属プレート3によって形成されるコンデンサの一部を示している。これらのプレートは、通常、金属箔などであり、誘電体4に狭い領域を形成するために凹まされる(10A、10B)。十分な電圧がコンデンサに印加されると、誘電体の狭い領域にわたって短絡が形成する。短絡はコンデンサを無力化し、タグはもはや共振しない。タグが衣料品の物品に組み込まれるか、または物品に取り付けられ、衣料品の耐用年数の間、無力化したままでなければならない場合には、このタイプの無力化手段に共通の問題が生じる。上述したように、短絡された誘電体は、衣料品が着用または洗濯されると、それ自体回復することがよくある。また、多くの誘電体は、物理的な攪拌がない状態で時間の経過と共に回復することが知られている。ポリエチレン誘電体を有する共振タグにおいて、タグの50%程度は、着用または洗濯によって再活性化される。この意図しない再活性は、衣料品の着用者にとって望ましくない結果をもたらす。その理由は、装置がタグの共振周波数に同調した状態で着用者が店を出ると、セキュリティタグ検出デバイスを作動させることになるためである。誤警報は、再活性化されたタグを備えた衣料品の着用者にとって、不都合であり、決まりが悪いだけでなく、頻繁な誤警報は「狼少年」効果を生じさせる可能性がある。つまり、合法的に購入した商品の再活性化されたタグによって多くの警報が誤って誘発されると、店員は、タグの警報の強制に手ぬるくなるおそれがある。誤警報の不都合および決まり悪さは、消費者を苛立たせるため、再活性可能なタグをつけた衣料品ブランドの販売が減少する。
【0007】
自己回復形誘電体の問題を克服するための1つの別法は、無効化手段としてコンデンサの代わりに溶融可能な回路素子を用いることである。溶融可能なリンクを気化するために、十分な電流を生じる高電圧を印加することによって無効化される共振回路は、米国特許第5,861,809号に記載されている。当該特許および本出願における他のすべての参考文献は、参照によって本出願に援用される。溶融可能なリンクは、自己回復しないため、この手段によって無効化される共振回路は永久に無効化され、自己回復の機会はない。図5に示されているように、通常、溶融可能なリンク36は、タグのコイル部分70における間隙に装着される。溶融可能なリンクは、ワイヤボンディングワイヤ40、42または導電性エポキシまたは他の手段によって、コイルに接続することができる。
【0008】
溶融可能なリンクの1つの欠点は、高電流を受けて破壊するように設計されるヒューズにおける狭い領域が、回路素子の残りの部分に比べて比較的高い抵抗を有することである。この増大した抵抗は、共振回路のQを減少させる。低いQを有する共振回路は、より弱い共振信号を生成し、ヒューズを破壊するために十分な電流を生成するよう、無効化回路のより近い場所に配置されなければならず、これはレジ係にとってわずらわしい。低いQだと、無効化のために十分な電流を生成し、検出されるほど共振回路コイルを物理的により大きくすることも必要となる。より大きな回路は当然のことながら、より高い製作コストがかかり、保護されるべき商品の中に隠すことがより困難であるために、あまり望ましくない。
【0009】
したがって、永久に無効化できる改良した共振回路の需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,861,809号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、万引きなどの防止のための無線波検出システムにおいて主に用いられる共振回路であって、回路に位置するコンデンサを回復不能に破壊する所定電圧の印加によって永久に無効化される共振回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、熱心な研究の結果として、セラミックコンデンサまたは回復不能な誘電破壊を生じさせる所定の破壊電圧を有するコンデンサの他の形式が、共振回路のLC回路に含まれていれば、上述した目的を達成することができることを発見し、本発明を成し遂げた。
【0013】
要約すると、本発明は、以下の通りである。共振タグは、所定の周波数で無線波と共振し、本質的に2次元で形成され、金属箔から作られるか、または導電材料かワイヤループインダクタによって印刷されるコイルであってもよいインダクタと、所定の破壊電圧を有するセラミックまたは他の非可逆誘電体コンデンサと、を備え、一旦、その電圧を超えると、コンデンサは永久に無効化され、したがって、LC共振回路を永久に無効化する。
【0014】
別の実施形態において、共振回路は、所定の共振周波数範囲内で無線波と共振する。共振回路は、インダクタと、所定の誘電体破壊電圧を有するコンデンサと、を含む。インダクタおよびコンデンサは、LC回路を形成し、共振回路は、電圧を所定の破壊電圧を超えるコンデンサに誘発することによって、永久に無効化される。コンデンサ誘電体は、セラミック、金属酸化物または鉱物から作ることができる。
【0015】
別の実施形態は、共振回路において用いるのに適した回路素子である。回路素子は、2つの導電性端部を有するストラップの形式である。導電性端部は、所定の破壊電圧を有するコンデンサを形成する誘電体材料によって互いに接続される。誘電体材料は、セラミック、金属酸化物または鉱物から作ることができる。
【0016】
本発明は、以下の図面と共に説明され、類似の参照符号は、類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】先行技術の共振タグの一方の側の拡大平面図である。
【図2】図1の先行技術の共振タグの他方の側の拡大平面図である。
【図3】図1の線3−3に沿って切り取った先行技術の共振タグの断面図である。
【図4】先行技術の共振タグにおける狭い領域の断面図である。
【図5】溶融可能なリンクを有する先行技術の平面共振回路である。
【図6】ワイヤボンディングされたセラミックコンデンサを有する例示の共振タグの平面図である。
【図7】図6のワイヤボンディングされたセラミックコンデンサの断面図である。
【図7a】表面実装セラミックコンデンサの断面図である。
【図8】導電性ストラップを有する例示の共振回路の平面図である。
【図8a】図8の共振回路に装着され、線8−8に沿って切り取った例示の導電性ストラップの断面図である。
【図9】ストラップに実装されるセラミックコンデンサを有する例示の共振回路の平面図である。
【図10】図9の線10−10に沿って切り取った図9のタグの断面図である。
【図11】共振タグにおいて用いるための例示のコンデンサストラップの平面図である。
【図12】線2−2に沿って切り取った図11のコンデンサストラップの断面図である。
【図12a】線2−2に沿って切り取った図11のコンデンサストラップの別のバージョンの断面図である。
【図12b】底部に絶縁層を有するコンデンサストラップの断面図である。
【図13】図11〜図12の場合のように、コンデンサストラップを有する例示の共振タグの平面図である。
【図14】線14−14に沿って切り取った図13のタグの断面図である。
【図15】ボトルストッパにおいて用いるための共振回路の分解立体図である。
【図16】ボトルストッパにおける共振回路の切欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示の実施形態において、LC共振回路65は、図6および図7に示されているように、実質的に平面基板上に形成される。LC回路が共振する周波数(f)は、以下の式におけるLおよびCの値によって決定される。
【0019】
【数1】
この実施形態において、コンデンサ60は、ワイヤボンディングに適した接点61を有するチップコンデンサである。インダクタは、導電材料のコイル70によって形成され、金属箔、印刷可能な導電材料または当業者に周知の類似の手段であってもよい。タグが閉LC回路を形成するために、インダクタコイル70の開放端部およびコンデンサ72の開放端部に接続される金属箔は、共に接続されなければならない。これを達成するための手段は、当業者には周知であり、2つの端部70、72を接続するタグの下側にある個別の導体を含む。この実施形態において、タグの上側および底側にある導体は、タグ用の基板であってもよい絶縁材料によって分離される。絶縁材料は、上層と下層との間で電気的に接触するために、穿孔される。そのような実施形態が、先行技術の図3に示されており、タグの上側にある導電材料11、12は、接着剤15を用いて絶縁体材料13に接着され、導電材料14は、接着剤17を用いて絶縁体材料13の底側に接着される。
【0020】
開放インダクタ端部70と開放コンデンサ端部72との間の接続もまた、図8および図8aに示されているように、タグ65の導電材料の上部に装着される個別の導電性ストラップ80によって行われる。個別の導電性ストラップ80は、導体の端部70および72と直接接触する露出端部82および83を有する。導電性ストラップはまた、ストラップがインダクタのトレース70a〜70jと交差する領域を覆う電気絶縁81を有する。導電性ストラップは、その端部82、83でタグ70、72の導電材料に電気的に接続される。これは、熱溶接または冷間溶接、導電性エポキシ、あるいは当業者に周知の他の類似の手段によって行うことができる。これらの接着モードおよびストラップの使用は特に、同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に開示されている。
【0021】
コンデンサをタグの導電性素子に接続するための別の実施形態が、図7aに示されている。この実施形態において、コンデンサ60は、表面実装装着に適した形式であるコンデンサであり、その下側にハンダバンプ63を有する。ハンダバンプは、コンデンサをタグの導電材料70、72に電気的かつ物理的に接合するために作製される。ハンダバンプとの電気的接続を確立するための表面実装デバイスおよび手段は、当該技術で公知である。
【0022】
コンデンサは、以下の特徴を有する。コンデンサは、誘電破壊を受けて非自己回復形でなければならない。代表的な誘電体材料としては、セラミック、金属酸化物および雲母などの鉱物が挙げられる。好ましい実施形態において、誘電体は、直流3〜10Vの破壊電圧を有する。好ましい実施形態において、誘電体は、60〜2000オングストロームの総厚を有する。好ましい実施形態において、上述したように形成された共振回路は、55〜90の間のQを有する。
【0023】
さらなる実施形態において、コンデンサは、上述した同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に類似のストラップ状のデバイスに接着される。図9〜図10は、LC共振タグを形成するために、コイル10A上に用いられ、取り付けられるチップコンデンサ15を有するストラップ19の使用を示す。チップコンデンサは、シリコン基板上に形成されるコンデンサを含む。コンデンサストラップ19は、熱溶接および冷間溶接および導電性エポキシなどの接着手段をはじめとする図8および図8aに関して同様に説明した形で、点25D、25Cにおいてコイルに電気的に連結される。コンデンサストラップ19は、導電性フランジ19Aおよび19Bに電気的に接続されるコンデンサ15を備える。間隙19Gは、コンデンサ15の電気接点(図示せず)の短絡を防止するために、これらの2つのフランジを分離する。導電性フランジ19Aおよび19Bは、接続部25Cおよび25Dでそれぞれ、コイル10Aのそれぞれの位置11、12に電気的に連結される。コイル素子13、14に対するコンデンサ15の短絡を防止するために、コンデンサストラップ19が、コイル10Aに電気的に連結される場合には、図10に最もよく分かるように示されているように、絶縁層19C(たとえば、紙)が、導電性フランジ19A/19Bとコイル10Aとの間に配置される。
【0024】
さらなる実施形態が、図11〜図13に示されている。この実施形態において、上述したように平面インダクタの両端部に電気的に接続するストラップは、一体型コンデンサによって形成される。コンデンサストラップ20は、第1の導電性平面素子22の非重畳端部22Bおよび第2の導電性平面素子24の非重畳端部24Bをコイルまたはアンテナのそれぞれの部分に電気的に接続することによって、EASまたはRFIDコイルあるいはアンテナに電気的に連結される。コンデンサストラップは、EASまたはRFIDタグや、インレー(inlay)のアンテナまたはコイル構成要素の少なくとも2つのそれぞれの部分を電気的にブリッジするための薄い構成要素である。ストラップ構成要素は、所望の静電容量を呈し、非可逆の破壊を生じる予測可能な破壊電圧範囲を有する。コンデンサストラップは、第1の導電性平面素子22および第2の導電性平面素子24と、第1の導電性平面素子の少なくとも一部と第2の導電性平面素子の少なくとも一部との間に配置される平面誘電体層24A、22Aと、を備える。
【0025】
第1の導電性素子22は、アンテナまたはコイルの少なくとも2つのそれぞれの部分のうちの一方と電気的導通状態で固定されるように配置される第1の部分を含む。第2の導電性素子24は、アンテナまたはコイルの少なくとも2つのそれぞれの部分のうちの他方と電気的導通状態で固定されるように配置される第1の部分を含み、EASまたはRFIDタグまたはインレーの形成を結果として生じる。このような形式で形成されるが、可撓性ポリマー誘電体を有するコンデンサは、2006年10月10日出願の同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に記載され、参照によって本願明細書に援用される。
【0026】
図11は、コンデンサストラップ20の拡大平面図を示す。図12において最もよく分かるように、コンデンサストラップ20は、関連するセラミック誘電体層22Aを有する第1の導電性平面素子22と、関連するセラミック誘電体層24Aを有する第2の導電性平面素子24と、を備え、素子22および24の一部が重なり(26)、それにより、コンデンサを形成する。当業者には周知であるように、重畳領域26の量は、静電容量を決定する。誘電体は、一旦、コンデンサ破壊電圧を超えると、コンデンサが自己回復できないようになっていなければならない。例示の誘電体材料としては、セラミック、金属酸化物または鉱物が挙げられる。
【0027】
コンデンサストラップ20は、第1の導電性平面素子22の非重畳端部22Bおよび第2の導電性平面素子24の非重畳端部24Bをコイルまたはアンテナのそれぞれの部分に電気的に接続することによって、EASまたはRFIDコイルあるいはアンテナに電気的に連結される。たとえば、図13におけるコイル10に示されているように、第2の導電性平面素子24の短絡を防止するために、コイルまたはアンテナが複数の回転部を備える場合には、絶縁層28(図12A、たとえば、誘電体材料)または紙の絶縁層28A(図12B)が、素子24に塗布されるか、または第2の導電性平面層28とコイル/アンテナとの間に別の方法で介入される。図14において最もよく分かるように、絶縁層28が、素子24を回転トラック13および14から隔離するのに対して、コンデンサストラップ20の電気接続は、コイルトラック11および12に対するコンデンサストラップ20の端部22Bおよび24Bにおける接続25Aおよび25Bで、それぞれ行われる。1回転未満のコイルが設けられている場合には、コンデンサストラップ20が、他のどのコイルトラックとも交差しないため、絶縁層28は必要とされないことに留意すべきである。したがって、EASタグまたはインレー16は、コイル10およびコンデンサストラップ20によって形成される等価回路を有するように作成される。
【0028】
図15および図16に示されるさらなる実施形態において、無効化可能な共振回路120は、ボトルまたは容器のストッパまたはキャップの中に位置決めされる。特に、共振回路120は、RF巻線コイルと、好ましくは8.2MHz(決してこれに限定されるわけではない)で共振する永久に無効化可能なコンデンサと、を備える。しかし、既存のRF巻線コイル/コンデンサ回路とは異なり、回路120は、従来の無効化装置(たとえば、CheckpointのCOUNTERPOINT無効化装置)を用いて、永久に無効化可能である。
【0029】
図15は、本発明の無効化可能な共振回路120を収容することができる例示のボトルクロージャ102(たとえば、オーストラリアのZork(登録商標)Pty Ltdによって製造されたZork(登録商標)コルクまたワインクロージャ)を示す。特に、クロージャは、無効化可能な共振回路120が位置決めされ、(たとえば、接着剤または共振器106の内壁に存在する複数のフィンガなどを用いて)その中に固定される共振器106を含むストッパ104を備える。シール108は、共振器106に対する開口部の上に封止される。ストッパ104は次に、ボトルBの開口部の内側に位置決めされ(図16)、次に引き剥がし部分を有するキャップカバー110が、ボトル上部の周囲に付着され、それにより、ボトルクロージャ102を完成する。図16は、その上に付着されるボトルクロージャ102を有し、その中における無効化可能な共振回路120の配置を明らかにするために、断面において示された例示のボトルBの上部の拡大図である。図15〜図16に示された回路120は、示された回路に限定されるわけではなく、本出願に開示された実施形態のいずれかおよびその任意の等価物を含むことを理解すべきである。
【0030】
前述したように、本発明の無効化可能な共振回路120は、ボトルクロージャに限定されるわけではなく、容器のクロージャ(空洞がその中に設けられるキャップ、蓋など)に用いられてもよい。さらに、無効化可能な共振回路120は、触覚により検出されることなく、回路120を隠すことができる他の小売品目(たとえば、コートの裏地や襟、パッドなど)に位置決めされてもよい。
【0031】
RF巻線コイル/コンデンサ回路120は、本明細書に述べるようにLC回路を備え、この回路では、巻線コイルがインダクタ(L)であり、コンデンサ(C)がコイルの各端部に接続される。インダクタは、コイルの短絡を防止するために、絶縁層(好ましくはポリエチレン)を有する細いワイヤ(アルミニウムまたは銅)を用いて作製される。
【0032】
RF巻線コイル/コンデンサ回路120を無効化可能にするために、回路は、直流3〜10Vの範囲の誘電体破壊電圧を有するコンデンサを備える。セラミックコンデンサまたは適切な破壊電圧を有する任意の他の永久に無効化可能なコンデンサを用いることができる。所定の最小無効化電界強度がLC回路に印加されるとき、コンデンサプレート間の電圧が所望の破壊電圧を超え、短絡がコンデンサプレート間に発生する。したがって、LC回路は、適切な周波数でもはや共振することはなく、永久に無効化される。
【0033】
各図面は、EAS型セキュリティタグを示しているが、セキュリティタグの一部として含まれるRFIDチップは、本発明の最も広範な範囲内にあることを留意すべきである。
上述の実施形態のいずれかは、2つ以上のコンデンサを直列にすることによって実現可能であることにもさらに留意すべきである。この場合、誘電体の破壊が特定のコンデンサに対して生じる場合には、コンデンサのそれぞれは、永久に無効化可能でなければならない。または回路における永久に無効化可能なコンデンサのすべての誘電体破壊電圧が、永久に無効化可能でない任意のコンデンサの誘電体破壊電圧より小さくなければならない。たとえば、平面基板上に形成されたインダクタを有する上述した共振タグはまた、基板上に形成されたコンデンサを有することができる。しかし、上述したように、従来の先行技術の方法によって形成されるコンデンサは、誘電破壊後、時間の経過と共に、電位を「自己回復」させる。したがって、永久に無効化されるべき共振回路の場合には、破壊するコンデンサが、自己回復することができてはならない。セラミックコンデンサ(または他の非自己回復形)が、自己回復コンデンサと直列に用いられ、セラミックコンデンサが、自己回復形コンデンサより小さい保証された破壊電圧を有する場合には、セラミックコンデンサに破壊を生じるほど十分な電圧にさらされると、共振回路は永久に無効化される。全体的なタグ共振周波数の正確な制御が望ましく、タグ基板上に形成されるコンデンサが、共振周波数を変えるためにトリミング可能である場合、特に、セラミックコンデンサおよび/またはインダクタが、所望の共信周波数を維持するために許容可能であるより大きな製作許容差を有する場合には、そのような実施形態を用いることができる。レーザトリミング、エッチングおよび切削などの方法によって、可撓性セキュリティタグ基板上に形成される先行技術の自己回復形コンデンサをトリミングすることは、当該技術では公知である(たとえば、米国特許第7,119,685号参照)。
【0034】
本発明の特定の実施例を参照して詳細に説明したが、種々の変更や変形を本発明の思想および範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者は理解し得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、万引きなどの防止のために用いられる共振回路に関し、より詳細には、所定の電圧レベルに対する曝露によって永久に無力化するコンデンサを有する共振回路に関する。
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づく2007年1月18日出願の「RF Label for Container Stopper or Cap」という名称の米国特許仮出願第60/885,531号の利益および2007年10月10日出願の「Permanently Destructible Resonant Circuit with Non−Self−Healing Capacitor」という名称の米国特許仮出願第60/980,948号の利益を主張し、いずれの特許もその全体的な開示内容は本願明細書に参照によって援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
小売店、図書館などの施設において、無線波と共振する共振タグと、送信アンテナおよび受信アンテナを含む監視システムが、万引き防止のために用いられてきた。実施形態において、共振タグは、絶縁フィルムと、コイルと、絶縁フィルムの一方の側に形成される導電性金属箔から作られるプレートと、他方の側に形成される導電性金属箔から作られるプレートで構成され、LC回路を構成して、特定の周波数で無線波と共振する。別の実施形態において、共振タグは、ワイヤループと個別のコンデンサから構成され、いずれも盗難を防止するために、物体内に埋め込まれるか、または物体に固着される。タグのこのタイプの実施例としては、ワインボトルストッパなどのボトルストッパが挙げられ、ワイヤループインダクタおよび個別のコンデンサが、並列に接続され、ボトルストッパの内側に装着される。係属中の米国特許仮出願第60/885,531号は、そのようなデバイスを開示している。
【0004】
共振回路を取り付けた物品が、レジで無効化されることなく監視領域を通過する場合には、共振回路が送信アンテナからの無線波と共振し、受信アンテナが共振を検出して警報を発する。通常用いられる共振周波数は5〜15MHzであるが、これは、この範囲内の周波数が種々の雑音周波数から容易に区別可能なためである。電子物品監視(EAS)では、8.2MHzの周波数が最もよく用いられ、無線周波数識別(RFID)では、13.56MHzの周波数が最もよく用いられる。
【0005】
一例として、図1〜図3は、タグ10の形式の先行技術のLC共振回路を示しており、基板13の一方の側面にコイル11および第1のコンデンサプレート12を含み(図1)、基板13の他方の側面に第2のコンデンサプレート14を含む(図2)。図3は、約20ミクロンである代表的な基板の厚さtを示す、この先行技術のタグの断面図であり、従来の誘電形成方法(たとえば、金属層の間にポリエチレンを押し出し成形すること)を用いて形成可能な最も薄い誘電体とみられる。接着層15、17はそれぞれ、金属層を基板13に固定する。
【0006】
図1〜図4の場合のように形成される先行技術の共振タグは一般に、一旦、共振タグを備えた物品が購入されると、タグへの所定の電圧の印加によって無力化される。タグは通常、誘電体の薄い部分を有し、コンデンサプレート12、14にわたる誘導電圧が誘電破壊を生じ、それにより、共振タグが所定の周波数で無線波と共振することができなくなる。共振タグを無力化するためのこの手段が、図4に示されている。図4は、接着層5A、5Bを有する誘電体4に固着される上部金属プレート2および下部金属プレート3によって形成されるコンデンサの一部を示している。これらのプレートは、通常、金属箔などであり、誘電体4に狭い領域を形成するために凹まされる(10A、10B)。十分な電圧がコンデンサに印加されると、誘電体の狭い領域にわたって短絡が形成する。短絡はコンデンサを無力化し、タグはもはや共振しない。タグが衣料品の物品に組み込まれるか、または物品に取り付けられ、衣料品の耐用年数の間、無力化したままでなければならない場合には、このタイプの無力化手段に共通の問題が生じる。上述したように、短絡された誘電体は、衣料品が着用または洗濯されると、それ自体回復することがよくある。また、多くの誘電体は、物理的な攪拌がない状態で時間の経過と共に回復することが知られている。ポリエチレン誘電体を有する共振タグにおいて、タグの50%程度は、着用または洗濯によって再活性化される。この意図しない再活性は、衣料品の着用者にとって望ましくない結果をもたらす。その理由は、装置がタグの共振周波数に同調した状態で着用者が店を出ると、セキュリティタグ検出デバイスを作動させることになるためである。誤警報は、再活性化されたタグを備えた衣料品の着用者にとって、不都合であり、決まりが悪いだけでなく、頻繁な誤警報は「狼少年」効果を生じさせる可能性がある。つまり、合法的に購入した商品の再活性化されたタグによって多くの警報が誤って誘発されると、店員は、タグの警報の強制に手ぬるくなるおそれがある。誤警報の不都合および決まり悪さは、消費者を苛立たせるため、再活性可能なタグをつけた衣料品ブランドの販売が減少する。
【0007】
自己回復形誘電体の問題を克服するための1つの別法は、無効化手段としてコンデンサの代わりに溶融可能な回路素子を用いることである。溶融可能なリンクを気化するために、十分な電流を生じる高電圧を印加することによって無効化される共振回路は、米国特許第5,861,809号に記載されている。当該特許および本出願における他のすべての参考文献は、参照によって本出願に援用される。溶融可能なリンクは、自己回復しないため、この手段によって無効化される共振回路は永久に無効化され、自己回復の機会はない。図5に示されているように、通常、溶融可能なリンク36は、タグのコイル部分70における間隙に装着される。溶融可能なリンクは、ワイヤボンディングワイヤ40、42または導電性エポキシまたは他の手段によって、コイルに接続することができる。
【0008】
溶融可能なリンクの1つの欠点は、高電流を受けて破壊するように設計されるヒューズにおける狭い領域が、回路素子の残りの部分に比べて比較的高い抵抗を有することである。この増大した抵抗は、共振回路のQを減少させる。低いQを有する共振回路は、より弱い共振信号を生成し、ヒューズを破壊するために十分な電流を生成するよう、無効化回路のより近い場所に配置されなければならず、これはレジ係にとってわずらわしい。低いQだと、無効化のために十分な電流を生成し、検出されるほど共振回路コイルを物理的により大きくすることも必要となる。より大きな回路は当然のことながら、より高い製作コストがかかり、保護されるべき商品の中に隠すことがより困難であるために、あまり望ましくない。
【0009】
したがって、永久に無効化できる改良した共振回路の需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,861,809号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、万引きなどの防止のための無線波検出システムにおいて主に用いられる共振回路であって、回路に位置するコンデンサを回復不能に破壊する所定電圧の印加によって永久に無効化される共振回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、熱心な研究の結果として、セラミックコンデンサまたは回復不能な誘電破壊を生じさせる所定の破壊電圧を有するコンデンサの他の形式が、共振回路のLC回路に含まれていれば、上述した目的を達成することができることを発見し、本発明を成し遂げた。
【0013】
要約すると、本発明は、以下の通りである。共振タグは、所定の周波数で無線波と共振し、本質的に2次元で形成され、金属箔から作られるか、または導電材料かワイヤループインダクタによって印刷されるコイルであってもよいインダクタと、所定の破壊電圧を有するセラミックまたは他の非可逆誘電体コンデンサと、を備え、一旦、その電圧を超えると、コンデンサは永久に無効化され、したがって、LC共振回路を永久に無効化する。
【0014】
別の実施形態において、共振回路は、所定の共振周波数範囲内で無線波と共振する。共振回路は、インダクタと、所定の誘電体破壊電圧を有するコンデンサと、を含む。インダクタおよびコンデンサは、LC回路を形成し、共振回路は、電圧を所定の破壊電圧を超えるコンデンサに誘発することによって、永久に無効化される。コンデンサ誘電体は、セラミック、金属酸化物または鉱物から作ることができる。
【0015】
別の実施形態は、共振回路において用いるのに適した回路素子である。回路素子は、2つの導電性端部を有するストラップの形式である。導電性端部は、所定の破壊電圧を有するコンデンサを形成する誘電体材料によって互いに接続される。誘電体材料は、セラミック、金属酸化物または鉱物から作ることができる。
【0016】
本発明は、以下の図面と共に説明され、類似の参照符号は、類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】先行技術の共振タグの一方の側の拡大平面図である。
【図2】図1の先行技術の共振タグの他方の側の拡大平面図である。
【図3】図1の線3−3に沿って切り取った先行技術の共振タグの断面図である。
【図4】先行技術の共振タグにおける狭い領域の断面図である。
【図5】溶融可能なリンクを有する先行技術の平面共振回路である。
【図6】ワイヤボンディングされたセラミックコンデンサを有する例示の共振タグの平面図である。
【図7】図6のワイヤボンディングされたセラミックコンデンサの断面図である。
【図7a】表面実装セラミックコンデンサの断面図である。
【図8】導電性ストラップを有する例示の共振回路の平面図である。
【図8a】図8の共振回路に装着され、線8−8に沿って切り取った例示の導電性ストラップの断面図である。
【図9】ストラップに実装されるセラミックコンデンサを有する例示の共振回路の平面図である。
【図10】図9の線10−10に沿って切り取った図9のタグの断面図である。
【図11】共振タグにおいて用いるための例示のコンデンサストラップの平面図である。
【図12】線2−2に沿って切り取った図11のコンデンサストラップの断面図である。
【図12a】線2−2に沿って切り取った図11のコンデンサストラップの別のバージョンの断面図である。
【図12b】底部に絶縁層を有するコンデンサストラップの断面図である。
【図13】図11〜図12の場合のように、コンデンサストラップを有する例示の共振タグの平面図である。
【図14】線14−14に沿って切り取った図13のタグの断面図である。
【図15】ボトルストッパにおいて用いるための共振回路の分解立体図である。
【図16】ボトルストッパにおける共振回路の切欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
例示の実施形態において、LC共振回路65は、図6および図7に示されているように、実質的に平面基板上に形成される。LC回路が共振する周波数(f)は、以下の式におけるLおよびCの値によって決定される。
【0019】
【数1】
この実施形態において、コンデンサ60は、ワイヤボンディングに適した接点61を有するチップコンデンサである。インダクタは、導電材料のコイル70によって形成され、金属箔、印刷可能な導電材料または当業者に周知の類似の手段であってもよい。タグが閉LC回路を形成するために、インダクタコイル70の開放端部およびコンデンサ72の開放端部に接続される金属箔は、共に接続されなければならない。これを達成するための手段は、当業者には周知であり、2つの端部70、72を接続するタグの下側にある個別の導体を含む。この実施形態において、タグの上側および底側にある導体は、タグ用の基板であってもよい絶縁材料によって分離される。絶縁材料は、上層と下層との間で電気的に接触するために、穿孔される。そのような実施形態が、先行技術の図3に示されており、タグの上側にある導電材料11、12は、接着剤15を用いて絶縁体材料13に接着され、導電材料14は、接着剤17を用いて絶縁体材料13の底側に接着される。
【0020】
開放インダクタ端部70と開放コンデンサ端部72との間の接続もまた、図8および図8aに示されているように、タグ65の導電材料の上部に装着される個別の導電性ストラップ80によって行われる。個別の導電性ストラップ80は、導体の端部70および72と直接接触する露出端部82および83を有する。導電性ストラップはまた、ストラップがインダクタのトレース70a〜70jと交差する領域を覆う電気絶縁81を有する。導電性ストラップは、その端部82、83でタグ70、72の導電材料に電気的に接続される。これは、熱溶接または冷間溶接、導電性エポキシ、あるいは当業者に周知の他の類似の手段によって行うことができる。これらの接着モードおよびストラップの使用は特に、同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に開示されている。
【0021】
コンデンサをタグの導電性素子に接続するための別の実施形態が、図7aに示されている。この実施形態において、コンデンサ60は、表面実装装着に適した形式であるコンデンサであり、その下側にハンダバンプ63を有する。ハンダバンプは、コンデンサをタグの導電材料70、72に電気的かつ物理的に接合するために作製される。ハンダバンプとの電気的接続を確立するための表面実装デバイスおよび手段は、当該技術で公知である。
【0022】
コンデンサは、以下の特徴を有する。コンデンサは、誘電破壊を受けて非自己回復形でなければならない。代表的な誘電体材料としては、セラミック、金属酸化物および雲母などの鉱物が挙げられる。好ましい実施形態において、誘電体は、直流3〜10Vの破壊電圧を有する。好ましい実施形態において、誘電体は、60〜2000オングストロームの総厚を有する。好ましい実施形態において、上述したように形成された共振回路は、55〜90の間のQを有する。
【0023】
さらなる実施形態において、コンデンサは、上述した同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に類似のストラップ状のデバイスに接着される。図9〜図10は、LC共振タグを形成するために、コイル10A上に用いられ、取り付けられるチップコンデンサ15を有するストラップ19の使用を示す。チップコンデンサは、シリコン基板上に形成されるコンデンサを含む。コンデンサストラップ19は、熱溶接および冷間溶接および導電性エポキシなどの接着手段をはじめとする図8および図8aに関して同様に説明した形で、点25D、25Cにおいてコイルに電気的に連結される。コンデンサストラップ19は、導電性フランジ19Aおよび19Bに電気的に接続されるコンデンサ15を備える。間隙19Gは、コンデンサ15の電気接点(図示せず)の短絡を防止するために、これらの2つのフランジを分離する。導電性フランジ19Aおよび19Bは、接続部25Cおよび25Dでそれぞれ、コイル10Aのそれぞれの位置11、12に電気的に連結される。コイル素子13、14に対するコンデンサ15の短絡を防止するために、コンデンサストラップ19が、コイル10Aに電気的に連結される場合には、図10に最もよく分かるように示されているように、絶縁層19C(たとえば、紙)が、導電性フランジ19A/19Bとコイル10Aとの間に配置される。
【0024】
さらなる実施形態が、図11〜図13に示されている。この実施形態において、上述したように平面インダクタの両端部に電気的に接続するストラップは、一体型コンデンサによって形成される。コンデンサストラップ20は、第1の導電性平面素子22の非重畳端部22Bおよび第2の導電性平面素子24の非重畳端部24Bをコイルまたはアンテナのそれぞれの部分に電気的に接続することによって、EASまたはRFIDコイルあるいはアンテナに電気的に連結される。コンデンサストラップは、EASまたはRFIDタグや、インレー(inlay)のアンテナまたはコイル構成要素の少なくとも2つのそれぞれの部分を電気的にブリッジするための薄い構成要素である。ストラップ構成要素は、所望の静電容量を呈し、非可逆の破壊を生じる予測可能な破壊電圧範囲を有する。コンデンサストラップは、第1の導電性平面素子22および第2の導電性平面素子24と、第1の導電性平面素子の少なくとも一部と第2の導電性平面素子の少なくとも一部との間に配置される平面誘電体層24A、22Aと、を備える。
【0025】
第1の導電性素子22は、アンテナまたはコイルの少なくとも2つのそれぞれの部分のうちの一方と電気的導通状態で固定されるように配置される第1の部分を含む。第2の導電性素子24は、アンテナまたはコイルの少なくとも2つのそれぞれの部分のうちの他方と電気的導通状態で固定されるように配置される第1の部分を含み、EASまたはRFIDタグまたはインレーの形成を結果として生じる。このような形式で形成されるが、可撓性ポリマー誘電体を有するコンデンサは、2006年10月10日出願の同時係属中の米国特許出願第11/539,995号に記載され、参照によって本願明細書に援用される。
【0026】
図11は、コンデンサストラップ20の拡大平面図を示す。図12において最もよく分かるように、コンデンサストラップ20は、関連するセラミック誘電体層22Aを有する第1の導電性平面素子22と、関連するセラミック誘電体層24Aを有する第2の導電性平面素子24と、を備え、素子22および24の一部が重なり(26)、それにより、コンデンサを形成する。当業者には周知であるように、重畳領域26の量は、静電容量を決定する。誘電体は、一旦、コンデンサ破壊電圧を超えると、コンデンサが自己回復できないようになっていなければならない。例示の誘電体材料としては、セラミック、金属酸化物または鉱物が挙げられる。
【0027】
コンデンサストラップ20は、第1の導電性平面素子22の非重畳端部22Bおよび第2の導電性平面素子24の非重畳端部24Bをコイルまたはアンテナのそれぞれの部分に電気的に接続することによって、EASまたはRFIDコイルあるいはアンテナに電気的に連結される。たとえば、図13におけるコイル10に示されているように、第2の導電性平面素子24の短絡を防止するために、コイルまたはアンテナが複数の回転部を備える場合には、絶縁層28(図12A、たとえば、誘電体材料)または紙の絶縁層28A(図12B)が、素子24に塗布されるか、または第2の導電性平面層28とコイル/アンテナとの間に別の方法で介入される。図14において最もよく分かるように、絶縁層28が、素子24を回転トラック13および14から隔離するのに対して、コンデンサストラップ20の電気接続は、コイルトラック11および12に対するコンデンサストラップ20の端部22Bおよび24Bにおける接続25Aおよび25Bで、それぞれ行われる。1回転未満のコイルが設けられている場合には、コンデンサストラップ20が、他のどのコイルトラックとも交差しないため、絶縁層28は必要とされないことに留意すべきである。したがって、EASタグまたはインレー16は、コイル10およびコンデンサストラップ20によって形成される等価回路を有するように作成される。
【0028】
図15および図16に示されるさらなる実施形態において、無効化可能な共振回路120は、ボトルまたは容器のストッパまたはキャップの中に位置決めされる。特に、共振回路120は、RF巻線コイルと、好ましくは8.2MHz(決してこれに限定されるわけではない)で共振する永久に無効化可能なコンデンサと、を備える。しかし、既存のRF巻線コイル/コンデンサ回路とは異なり、回路120は、従来の無効化装置(たとえば、CheckpointのCOUNTERPOINT無効化装置)を用いて、永久に無効化可能である。
【0029】
図15は、本発明の無効化可能な共振回路120を収容することができる例示のボトルクロージャ102(たとえば、オーストラリアのZork(登録商標)Pty Ltdによって製造されたZork(登録商標)コルクまたワインクロージャ)を示す。特に、クロージャは、無効化可能な共振回路120が位置決めされ、(たとえば、接着剤または共振器106の内壁に存在する複数のフィンガなどを用いて)その中に固定される共振器106を含むストッパ104を備える。シール108は、共振器106に対する開口部の上に封止される。ストッパ104は次に、ボトルBの開口部の内側に位置決めされ(図16)、次に引き剥がし部分を有するキャップカバー110が、ボトル上部の周囲に付着され、それにより、ボトルクロージャ102を完成する。図16は、その上に付着されるボトルクロージャ102を有し、その中における無効化可能な共振回路120の配置を明らかにするために、断面において示された例示のボトルBの上部の拡大図である。図15〜図16に示された回路120は、示された回路に限定されるわけではなく、本出願に開示された実施形態のいずれかおよびその任意の等価物を含むことを理解すべきである。
【0030】
前述したように、本発明の無効化可能な共振回路120は、ボトルクロージャに限定されるわけではなく、容器のクロージャ(空洞がその中に設けられるキャップ、蓋など)に用いられてもよい。さらに、無効化可能な共振回路120は、触覚により検出されることなく、回路120を隠すことができる他の小売品目(たとえば、コートの裏地や襟、パッドなど)に位置決めされてもよい。
【0031】
RF巻線コイル/コンデンサ回路120は、本明細書に述べるようにLC回路を備え、この回路では、巻線コイルがインダクタ(L)であり、コンデンサ(C)がコイルの各端部に接続される。インダクタは、コイルの短絡を防止するために、絶縁層(好ましくはポリエチレン)を有する細いワイヤ(アルミニウムまたは銅)を用いて作製される。
【0032】
RF巻線コイル/コンデンサ回路120を無効化可能にするために、回路は、直流3〜10Vの範囲の誘電体破壊電圧を有するコンデンサを備える。セラミックコンデンサまたは適切な破壊電圧を有する任意の他の永久に無効化可能なコンデンサを用いることができる。所定の最小無効化電界強度がLC回路に印加されるとき、コンデンサプレート間の電圧が所望の破壊電圧を超え、短絡がコンデンサプレート間に発生する。したがって、LC回路は、適切な周波数でもはや共振することはなく、永久に無効化される。
【0033】
各図面は、EAS型セキュリティタグを示しているが、セキュリティタグの一部として含まれるRFIDチップは、本発明の最も広範な範囲内にあることを留意すべきである。
上述の実施形態のいずれかは、2つ以上のコンデンサを直列にすることによって実現可能であることにもさらに留意すべきである。この場合、誘電体の破壊が特定のコンデンサに対して生じる場合には、コンデンサのそれぞれは、永久に無効化可能でなければならない。または回路における永久に無効化可能なコンデンサのすべての誘電体破壊電圧が、永久に無効化可能でない任意のコンデンサの誘電体破壊電圧より小さくなければならない。たとえば、平面基板上に形成されたインダクタを有する上述した共振タグはまた、基板上に形成されたコンデンサを有することができる。しかし、上述したように、従来の先行技術の方法によって形成されるコンデンサは、誘電破壊後、時間の経過と共に、電位を「自己回復」させる。したがって、永久に無効化されるべき共振回路の場合には、破壊するコンデンサが、自己回復することができてはならない。セラミックコンデンサ(または他の非自己回復形)が、自己回復コンデンサと直列に用いられ、セラミックコンデンサが、自己回復形コンデンサより小さい保証された破壊電圧を有する場合には、セラミックコンデンサに破壊を生じるほど十分な電圧にさらされると、共振回路は永久に無効化される。全体的なタグ共振周波数の正確な制御が望ましく、タグ基板上に形成されるコンデンサが、共振周波数を変えるためにトリミング可能である場合、特に、セラミックコンデンサおよび/またはインダクタが、所望の共信周波数を維持するために許容可能であるより大きな製作許容差を有する場合には、そのような実施形態を用いることができる。レーザトリミング、エッチングおよび切削などの方法によって、可撓性セキュリティタグ基板上に形成される先行技術の自己回復形コンデンサをトリミングすることは、当該技術では公知である(たとえば、米国特許第7,119,685号参照)。
【0034】
本発明の特定の実施例を参照して詳細に説明したが、種々の変更や変形を本発明の思想および範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者は理解し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の共振周波数の範囲内で無線波と共振する共振回路であって、
インダクタと、
所定の誘電体破壊電圧を有するコンデンサと、を備え、
前記インダクタおよび前記コンデンサはLC回路を形成し、前記共振回路は、前記破壊電圧を超える電圧を前記コンデンサに誘発することによって永久に無効化され、
前記コンデンサは、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群のうちの1つから作られる誘電体を備える、共振回路。
【請求項2】
前記誘電体は60〜2000オングストロームの厚さ範囲を有する、請求項1に記載の共振回路。
【請求項3】
前記破壊電圧は直流3〜10Vの範囲にある、請求項1に記載の共振回路。
【請求項4】
前記所定の共振周波数は5〜15MHzである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項5】
前記共振回路はタグであり、前記インダクタは略平面の基板上に形成されるコイルである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項6】
前記インダクタは巻線コイルである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項7】
共振タグであって、
第1の主面を有する基板と、
所定の共振周波数の範囲内の無線波と共振する共振回路と、を備え、
前記共振回路は、前記基板の前記第1の主面上に形成されるインダクタを含み、前記インダクタは、所定の破壊電圧を有するコンデンサと直列に接続され、
前記共振回路は、前記所定の破壊電圧を超える誘発電圧を前記コンデンサに印加することによって永久に無効化され、
前記コンデンサは、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群のうちの1つから作られる誘電体を備える、共振タグ。
【請求項8】
前記コンデンサは、シリコンベースの基板上に形成されるコンデンサであって、前記第1の主面に固着されるとともに、ワイヤボンディングによって前記インダクタに電気的に接続されるコンデンサである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項9】
前記コンデンサは、前記第1の主面に固着され、表面実装デバイス取り付けに適したコンデンサである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項10】
前記コンデンサはストラップ上に形成され、
前記ストラップは、第1の導電性平面素子と、第2の導電性平面素子と、前記第1の導電性平面素子の部分と前記第2の導電性平面素子の部分との間に配置される前記誘電体とを含む薄い略平面部材を備え、
前記ストラップは、前記インダクタに電気的に接続されてLC回路を形成する、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項11】
前記コンデンサはストラップに物理的に固着され、前記ストラップは、第1の導電性平面素子および第2の導電性平面素子を有し、前記コンデンサは、前記第1の導電性平面素子および前記第2の導電性平面素子に電気的に接続され、前記ストラップは、前記インダクタに電気的に接続されてLC回路を形成する、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項12】
前記所定の破壊電圧は直流3〜10Vの範囲にある、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項14】
前記所定の共振周波数の範囲は5〜15MHzである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項15】
共振回路に用いるのに適した回路素子であって、
2つの導電性端部を有するストラップを備え、該2つの導電性端部は、所定の破壊電圧を有するコンデンサを形成する誘電体材料によって互いに接続され、前記誘電体材料は、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群から選択される、回路素子。
【請求項16】
前記ストラップは、第1の導電性平面素子と第2の導電性平面素子とを含み、前記第1の導電性平面素子および前記第2の導電性平面素子は重なりを有し、前記誘電体は、前記第1の導電性平面素子の重畳部分と前記第2の導電性平面素子の重畳部分との間に配置される、請求項15に記載の回路素子。
【請求項17】
前記ストラップは、絶縁材料と共に物理的に接続される2つの導電性平面素子を含み、前記誘電体材料は、前記導電性平面素子の各々に接合される1つのリードワイヤを有するディスクリート構成要素のコンデンサである、請求項15に記載の回路素子。
【請求項18】
前記ストラップは、絶縁材料と共に物理的に接続される2つの導電性平面素子を含み、前記誘電体材料は、表面実装デバイスとして前記導電性平面素子への取り付けに適したディスクリート構成要素のコンデンサである、請求項15に記載の回路素子。
【請求項19】
前記コンデンサは、導電性接着剤を用いて前記2つの導電性平面素子に電気的に接続される、請求項18に記載の回路素子。
【請求項20】
前記コンデンサは、ハンダを用いて前記2つの導電性平面素子に電気的に接続される、請求項18に記載の回路素子。
【請求項1】
所定の共振周波数の範囲内で無線波と共振する共振回路であって、
インダクタと、
所定の誘電体破壊電圧を有するコンデンサと、を備え、
前記インダクタおよび前記コンデンサはLC回路を形成し、前記共振回路は、前記破壊電圧を超える電圧を前記コンデンサに誘発することによって永久に無効化され、
前記コンデンサは、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群のうちの1つから作られる誘電体を備える、共振回路。
【請求項2】
前記誘電体は60〜2000オングストロームの厚さ範囲を有する、請求項1に記載の共振回路。
【請求項3】
前記破壊電圧は直流3〜10Vの範囲にある、請求項1に記載の共振回路。
【請求項4】
前記所定の共振周波数は5〜15MHzである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項5】
前記共振回路はタグであり、前記インダクタは略平面の基板上に形成されるコイルである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項6】
前記インダクタは巻線コイルである、請求項1に記載の共振回路。
【請求項7】
共振タグであって、
第1の主面を有する基板と、
所定の共振周波数の範囲内の無線波と共振する共振回路と、を備え、
前記共振回路は、前記基板の前記第1の主面上に形成されるインダクタを含み、前記インダクタは、所定の破壊電圧を有するコンデンサと直列に接続され、
前記共振回路は、前記所定の破壊電圧を超える誘発電圧を前記コンデンサに印加することによって永久に無効化され、
前記コンデンサは、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群のうちの1つから作られる誘電体を備える、共振タグ。
【請求項8】
前記コンデンサは、シリコンベースの基板上に形成されるコンデンサであって、前記第1の主面に固着されるとともに、ワイヤボンディングによって前記インダクタに電気的に接続されるコンデンサである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項9】
前記コンデンサは、前記第1の主面に固着され、表面実装デバイス取り付けに適したコンデンサである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項10】
前記コンデンサはストラップ上に形成され、
前記ストラップは、第1の導電性平面素子と、第2の導電性平面素子と、前記第1の導電性平面素子の部分と前記第2の導電性平面素子の部分との間に配置される前記誘電体とを含む薄い略平面部材を備え、
前記ストラップは、前記インダクタに電気的に接続されてLC回路を形成する、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項11】
前記コンデンサはストラップに物理的に固着され、前記ストラップは、第1の導電性平面素子および第2の導電性平面素子を有し、前記コンデンサは、前記第1の導電性平面素子および前記第2の導電性平面素子に電気的に接続され、前記ストラップは、前記インダクタに電気的に接続されてLC回路を形成する、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項12】
前記所定の破壊電圧は直流3〜10Vの範囲にある、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項14】
前記所定の共振周波数の範囲は5〜15MHzである、請求項7に記載の共振タグ。
【請求項15】
共振回路に用いるのに適した回路素子であって、
2つの導電性端部を有するストラップを備え、該2つの導電性端部は、所定の破壊電圧を有するコンデンサを形成する誘電体材料によって互いに接続され、前記誘電体材料は、セラミック、金属酸化物、鉱物からなる群から選択される、回路素子。
【請求項16】
前記ストラップは、第1の導電性平面素子と第2の導電性平面素子とを含み、前記第1の導電性平面素子および前記第2の導電性平面素子は重なりを有し、前記誘電体は、前記第1の導電性平面素子の重畳部分と前記第2の導電性平面素子の重畳部分との間に配置される、請求項15に記載の回路素子。
【請求項17】
前記ストラップは、絶縁材料と共に物理的に接続される2つの導電性平面素子を含み、前記誘電体材料は、前記導電性平面素子の各々に接合される1つのリードワイヤを有するディスクリート構成要素のコンデンサである、請求項15に記載の回路素子。
【請求項18】
前記ストラップは、絶縁材料と共に物理的に接続される2つの導電性平面素子を含み、前記誘電体材料は、表面実装デバイスとして前記導電性平面素子への取り付けに適したディスクリート構成要素のコンデンサである、請求項15に記載の回路素子。
【請求項19】
前記コンデンサは、導電性接着剤を用いて前記2つの導電性平面素子に電気的に接続される、請求項18に記載の回路素子。
【請求項20】
前記コンデンサは、ハンダを用いて前記2つの導電性平面素子に電気的に接続される、請求項18に記載の回路素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−517145(P2010−517145A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546512(P2009−546512)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/051351
【国際公開番号】WO2008/089354
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/051351
【国際公開番号】WO2008/089354
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【Fターム(参考)】
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