説明

アイトゲノシシュ・テクニシェ・ホッホシューレ・チューリッヒにより出願された特許

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本発明は、タンパク質においてコンホメーション転移を誘発させるためのin vitroの方法であって、前記コンホメーション転移によりβ-シート二次構造の含有量の増加がもたらされ、a)転換緩衝液を提供するステップと、b)負に帯電した脂質を含む層状脂質構造の溶液を転換緩衝液に加えるステップと、c)転換緩衝液にタンパク質分子を加えるステップと、d)転換緩衝液、加えた脂質およびタンパク質分子から試料混合物を形成するステップと、e)試料混合物において転換温度を確立するステップと、f)ステップd)の試料混合物をステップe)による転換温度に、コンホメーションが転移したタンパク質が形成されるのに十分な時間曝露させるステップとを含む方法に関する。この方法により層状脂質性構造とコンホメーションが転移したタンパク質との水溶性の複合体が形成され、コンホメーションが転移したタンパク質はオリゴマーβ-シート中間構造である。アミロイド形成的凝集体は、層状脂質構造を能動的に破壊することによって層状脂質性構造とオリゴマーβ-シート中間構造との水溶性の複合体から生成され得る。このようなタンパク質は、伝播性海綿様脳症(TSE)、アルツハイマー病、多発性硬化症、およびパーキンソン病などの神経変性疾患に関与しているかもしれない。本発明の開示は、たとえばPrPCからPrPScへの転換の様々な態様を開拓するため、ならびに新しい診断的なTSE試験およびヒトにおけるクロイツフェルト-ヤコブ病などのTSEに対する潜在的な治療または予防を開発するための、本方法によって生成したタンパク質の使用を含む。
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本発明は、その球状ドメインが、ヒトdoppelタンパク質(hDpl)と同様の位置に築された第2のジスルフィド結合を含む変異プリオンタンパク質(PrP)に関する。一実施形態では、このプリオンタンパク質は、推定上の「X因子」結合エピトープに、構築された追加ジスルフィド結合を有し、厳密に局所化された微妙なコンフォメーション変化を行って、ヒトおよび動物におけるプリオン伝播を阻害する。その球状ドメインが、ヒトdoppelタンパク質と同様の位置に少なくとも1つの構築された追加ジスルフィド結合を含む変異プリオンタンパク質、またはそのフラグメントの、コンフォメーション移行後に疾患を引き起こすタンパク質、例えば、ヒトにおける、伝達性海綿状脳症(TSE)、異型のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、致死性家族性不眠症(FFI)、およびゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS)の治療上の処置、または治療上の処置のための薬物を製造するための使用(PrP)も開示されている。さらに、ジスルフィド変異体を生体内で生成するためのPrP変異体タンパク質のプリオンタンパク質またはそのフラグメントの使用が、例えば、レンチウイルスベクターによる体細胞遺伝子療法による、動物におけるTSEの意図された治療を可能にするために行われる。ここで、TSEには、ウシ海綿状脳症(BSE)、ヒツジのスクレイピー、ネコ海綿状脳症(FSE)、ならびにエルクおよびシカの慢性免疫消耗病(CWD)が含まれる。
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