説明

アルコール冷媒の冷却装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、メタノールとエタノールとから成るアルコール冷媒を、液化天然ガス(略称LNG)によって冷却するための冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プレートフィン式間接熱交換器を用いた液化天然ガスとの熱交換冷媒として、フロンであるR12およびR22が用いられている。これらのフロンR12およびR22は、オゾン層を破壊する特性を有しており、したがってこれに代わる冷媒としてHFC系のフロンR23を用いることが考えられる。しかしながらこのフロンR23の沸点は、−82℃であって、低く、そのため設備の設計圧力を高めなければならなくなる。
【0003】そこでこのフロンR23に代えて、メタノールとエタノールとから成るアルコール冷媒を用いることができる。このアルコール冷媒は、沸点が約65℃以上であり、したがって密閉耐圧容器を用いる必要がなく、好都合であるけれども、新たな問題は、液化天然ガスによって冷却して熱交換する際に、凝固してしまうことである。プレートフィン式間接熱交換器を用いたときには、アルコール冷媒が伝熱面の表面に着氷し、したがって圧力損失が増加し、安定して熱交換を継続することができないことが、本件発明者の実験によって判った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アルコール冷媒を液化天然ガスによって冷却する際に、アルコール冷媒が凝固せずに安定した熱交換を継続することができるようにしたアルコール冷媒の冷却装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタノールとエタノールとから成るアルコール冷媒を液化天然ガスによって冷却する第1間接熱交換器E1と、約−160℃の液化天然ガスを、第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスと熱交換する第2熱交換器E2とを含むことを特徴とするアルコール冷媒の冷却装置であるまた本発明は、第1間接熱交換器E1から第2間接熱交換器E2を介する液化天然ガスが導かれる第3間接熱交換器E3と、アルコール冷媒を分岐して一方のアルコール冷媒を第1間接熱交換器E1に導き、他方のアルコール冷媒を第3間接熱交換器E3に導く管路と、第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスをバイパスして第3間接熱交換器E3に導くバイパス管路と、バイパス管路に介在される流量制御弁と、第2間接熱交換器E2から第1間接熱交換器E1に導かれる液化天然ガスの温度を検出する第1温度検出手段と、第2間接熱交換器E2から第3間接熱交換器E3に導かれる液化天然ガスの温度を検出する第2温度検出手段と、第1および第2温度検出手段の各出力に応答し、各検出温度T1,T2が等しくなるように、流量制御弁の開度を制御する制御手段とを含むことを特徴とするまた本発明は、第1間接熱交換器E1に、分岐した前記一方のアルコール冷媒を導く管路に介在される冷媒用第1流量制御弁と、第1間接熱交換器E1からのアルコール冷媒の温度を検出する第3温度検出手段と、第3温度検出手段の出力に応答し、第3温度検出手段によって検出されるアルコール冷媒の温度が、予め定める値になるように、冷媒用第1流量制御弁の開度を制御する手段と、第3間接熱交換器E3に、分岐した前記他方のアルコール冷媒を導く管路に介在される冷媒用第2流量制御弁と、第3間接熱交換器E3からのアルコール冷媒の温度を検出する第4温度検出手段と、第4温度検出手段の出力に応答し、第4温度検出手段によって検出されるアルコール冷媒の温度が予め定める値になるように、冷媒用第2流量制御弁の開度を制御する手段とを含むことを特徴とするまた本発明は、アルコール冷媒は、メタノール約45wt%と、エタノール約55wt%とから成ることを特徴とするまた本発明は、液化天然ガスの気化圧力を約3kg/cm2G以上に選ぶことを特徴とする。
【0006】本発明に従えば、メタノールとエタノールとを、混合することによって、それらの単独の各組成の凝固温度に比べて、凝固温度を低下することができ、特に共晶点組成とすることによって、すなわちメタノール約45wt%とエタノール55wt%とを有する組成とすることによって、後述の図4に示されるように、凝固温度を約−142℃に低くすることができる本発明に従えば、共晶点組成またはそれ以外の組成を有するアルコール冷媒を用い、第1間接熱交換器E1で、冷却されるべきアルコール冷媒によって昇温された液化天然ガスを、第2間接熱交換器E2に導き、これによって外部から供給される約−160℃の液化天然ガスを昇温させる。したがって前記約−160℃の液化天然ガスは、第2間接熱交換器E2において昇温された後、アルコール冷媒が導かれる第1間接熱交換器E1に導かれることになるので、第1間接熱交換器E1に供給される液化天然ガスは、たとえばミスト状であって気液2相の状態となっており、アルコール冷媒が凝固しない温度に昇温されている。こうしてアルコール冷媒の凝固を防ぎ、したがって第1間接熱交換器E1でアルコール冷媒が伝熱面に着氷することなく、したがって圧力損失が増加することなく、安定した熱交換を継続することができる。また第1間接熱交換器E1に供給されるアルコール冷媒の流量が低下しても、第1間接熱交換器E1の伝熱面の着氷をできるだけ防ぐことができるまた本発明に従えば、冷却されるべきアルコール冷媒を管路で分岐して、一方のアルコール冷媒を第1間接熱交換器E1に導くとともに、他方のアルコール冷媒を第3間接熱交換器E3に導く。しかも第2間接熱交換器E2における第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスが導かれる通路の入口と出口とにわたって、流量制御弁が介在されたバイパス管路を接続する。この流量制御弁の開度を制御することによって、第2間接熱交換器E2から第1間接熱交換器E1に導かれる液化天然ガスの温度T1と、第2間接熱交換器E2から第3間接熱交換器E3に導かれる液化天然ガスの温度T2とを等しくする。したがって液化天然ガスの冷熱を充分利用して効率よくアルコール冷媒を冷却することができるまた本発明に従えば、この第1および第3間接熱交換器E1,E3に導かれる液化天然ガスの温度T1,T2を、バイパス管路に介在された流量制御弁の開度を制御することによって、等しくするようにしたので、分岐されたアルコール冷媒の第1および第3間接熱交換器E1,E3における熱交換熱量がたとえばほぼ等しくされ、これによってアルコール冷媒のポンプなどによる循環される流量をできるだけ小さくし、その動力が少なくてすむようになり、しかもできるだけ低い温度のアルコール冷媒を得ることができるようになるさらに本発明に従えば、第1熱交換器E1から出るアルコール冷媒の第3温度検出手段によって検出される温度T3が、予め定める値、たとえば第2間接熱交換器E2から第1間接熱交換器E1に導かれる液化天然ガスの温度T1よりもたとえば2〜4℃だけ高い温度に一定に保たれるように、第1間接熱交換器E1に供給されるアルコール冷媒の流量を、冷媒用第1流量制御弁の開度によって制御するまた同様に、第3間接熱交換器E3から出るアルコール冷媒の第4温度検出手段によって検出される温度T4が、予め定める値、たとえば第2間接熱交換器E2から第3間接熱交換器E3に導かれる液化天然ガスの温度よりもたとえば2〜4℃だけ高い温度に一定に保たれるように、その第3間接熱交換器E3に導かれるアルコール冷媒の流量を、冷媒用第2流量制御弁の開度によって制御する。しかも第2間接熱交換器E2から第1間接熱交換器E1に導かれる液化天然ガスの温度T1と、第2間接熱交換器E2から第3間接熱交換器E3に導かれる液化天然ガスの温度T2とは、前述のようにバイパス管路に介在された流量制御弁の開度が制御されて等しく保たれるので、この結果、第1および第3間接熱交換器E1,E3から得られるアルコール冷媒の温度T3,T4をほぼ等しくし、これによって、できるだけ少ないエネルギで効率よく、しかも構成を小形化してできるだけ低い温度のアルコール冷媒を得ることが可能になるさらに本発明に従えば、上述のように共晶点組成のアルコール冷媒の凝固温度は、約−142℃であり、この場合、第1間接熱交換器E1に供給される液化天然ガスの気化圧力を約3kg/cm2G未満に選ぶと、その液化天然ガスの沸点は約−142℃以下になり、その潜熱が大きいので、アルコール冷媒をその温度以上、上昇することができなくなってしまうとともに、アルコール冷媒が前記凝固点以下になって着氷して凍ってしまう。そこで本発明に従えば、液化天然ガスの気化圧力を、約3kg/cm2G以上に選ぶことによって、第1間接熱交換器E1には液化天然ガスが約−142℃以上で入って来るようにすることができ、そのためアルコール冷媒を凍らせることなく、希望する温度に上昇して得ることができ、こうして第2間接熱交換器E2で熱バランスを崩すことなく運転を継続することができる第1〜第3間接熱交換器は、たとえば後述の図2に示されるプレートフィン式間接熱交換器であってもよく、その他の構成を有していてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を示す系統図である。ポンプ1から管路2を経て分岐された管路3,4には、たとえば−70℃〜−90℃のアルコール冷媒が、液化天然ガスによって冷却されるために導かれて循環され、液化天然ガスによって冷却された後のたとえば約−140℃のアルコール冷媒は、管路5から、たとえば空気分離プラントで成分を分離するため、およびエチレンプラントで深冷分離するためなどの約−100℃以下のアルコール冷媒を必要とする冷熱利用設備に導かれて、循環される。管路3からのアルコール冷媒は、第1間接熱交換器E1に導かれ、これによって管路6からのたとえば約−123℃のミスト状液化天然ガスによって向流熱交換されて冷却される。
【0008】第2間接熱交換器E2には、タンクから管路7を経て約−160℃の液化天然ガスがポンプなどによって圧送されて供給される。第1間接熱交換器E1から管路8に出される液化天然ガスは、第2間接熱交換器E2に導かれて前述の管路7からの液化天然ガスと向流熱交換される。
【0009】第3間接熱交換器E3には、第2間接熱交換器E2を介する管路8からの液化天然ガスが管路9を経て供給され、ミスト状液化天然ガスは管路10から導かれる。第3間接熱交換器E3には、管路4からの分岐されたアルコール冷媒が供給されて、管路9からの液化天然ガスと向流熱交換され、管路11を経て、前述の管路5に合流される。
【0010】図2は、第1間接熱交換器E1の一部の構成を示す斜視図である。この第1間接熱交換器E1は、いわゆるプレートフィン式間接熱交換器であり、向流間接熱交換を行う伝熱板12の両側に液体通路13,14が形成される。各通路13,14内には、伝熱板12に固定されるフィン15,16が設けられる。第2および第3間接熱交換器E2,E3も同様な構成となっている。
【0011】第2間接熱交換器E2に関連して、バイパス管路17が設けられる。バイパス管路17の一方の端部は管路8に接続され、また他方の端部は管路9に接続され、こうして第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスをバイパスして第3間接熱交換器E3に導く。バイパス管路17には、流量制御弁V1が介在される。管路6には、液化天然ガスの温度を検出する第1温度検出手段18が設けられる。管路9には、液化天然ガスの温度を検出する第2温度検出手段19が設けられる。制御手段20は、第1および第2温度検出手段18,19の各出力に応答し、検出温度T1,T2が等しくなるように、流量制御弁20の開度を制御する。
【0012】図3は、制御手段20の動作を説明するための図である。各検出温度T1,T2の差ΔT(=T2−T1)に依存して、流量制御弁V1の開度、したがってバイパス管路17に流れる液化天然ガスの流量Qが変化される。T2>T1であって温度T2が大きくなるにつれて、流量制御弁V1の開度が開いてバイパス管路17に流れる液化天然ガスの流量Qを増大し、これとは逆にT2<T1であって、その温度T1が低くなるにつれて、流量制御弁V1の開度を小さくしてバイパス流量Qを小さくする。
【0013】分岐管路3には冷媒用第1流量制御弁V2が介在され、また同様に分岐管路4には冷媒用第2流量制御弁V3が介在される。第1間接熱交換器E1からのアルコール冷媒の温度は、管路21に設けられた第3温度検出手段22によってその温度T3が検出される。第3間接熱交換器E3のアルコール冷媒が導かれる管路11には第4温度検出手段23が設けられ、その温度T4が検出される。制御手段24は、第3温度検出手段22の出力に応答し、その検出温度T3が、予め定める値になるように、たとえばこの実施の一形態では、管路6に流れる液化天然ガスの温度よりもたとえば2〜4℃だけ高い温度になるように、冷媒用第1流量制御弁V2の開度を制御する。同様に、制御手段25は、温度検出手段23によって検出される温度T4が、予め定める値になるように、たとえば管路9に流れる液化天然ガスの温度よりも2〜4℃だけ高い温度になるように、冷媒用第2流量制御弁V3の開度を制御する。このように制御手段24,25において設定される前記予め定める値は、一定値であってもよいけれども、第1および第2温度検出手段18,19によってそれぞれ検出される温度T1,T2に前述のように予め定める2〜4℃を加算した高い温度に設定されてもよい。
【0014】図4は、アルコール冷媒の凝固温度の特性を示すグラフである。図4の横軸は、左から右にメタノール濃度が高くなり、残部はエタノールである。このグラフから、アルコール冷媒はメタノール約45wt%とエタノール約55wt%とから成る共晶点組成とすることによって、凝固温度を約−142℃として低くすることができることが判る。本発明の実施の一形態では、好ましくは、このような共晶点組成を有するアルコール冷媒が用いられる。
【0015】本件発明者の実験によれば、図2に示されるプレートフィン式間接熱交換器を用いて表1の試験番号1〜6で示される気化圧力が異なる液化天然ガスを一方の通路13に供給し、他方の通路14にアルコール冷媒を流して向流熱交換したときの実験結果を示す。このようなプレートフィン式間接熱交換器を用い、共晶点組成を有するアルコール冷媒は、気化圧力を3kg/cm2G以上に選ぶことによって、たとえば約−130℃よりもさらに低い温度にまで、安定に冷却し、着氷を生じないことが確認された。上述のように共晶点組成のアルコール冷媒は、その凝固温度が約−142℃であるので、間接熱交換器の構成に依存し、液化天然ガスの気化圧力を、アルコール冷媒の凝固点に等しい液化天然ガスの沸点付近まで低くして、アルコール冷媒を凝固させずに冷却することができる。
【0016】
【表1】


図5は、冷却されるべき管路2に導かれる共晶点組成を有するアルコール冷媒の温度を−70℃および−90℃とした場合における第1および第3間接熱交換器E1,E3における入口の液化天然ガスの気化圧力に依存する液化天然ガスの入口温度と各第1および第3間接熱交換器E1,E3の全交換熱量とを示す本件発明者の実験結果を示すグラフである。このグラフから、液化天然ガスの気化圧力が約3kg/cm2G未満では、液化天然ガスの沸点が約−142℃未満になり、したがってその液化天然ガスの潜熱が大きいので、アルコール冷媒の温度をそれ以上高くすることができなくなり、またアルコール冷媒が凍ってしまい、着氷を生じるおそれがある。そこで本発明では、共晶点組成を有するアルコール冷媒を用いるとき、液化天然ガスの気化圧力を約3kg/cm2G以上に選ぶ。この圧力をさらに高くすることによって、得られるアルコール冷媒の温度が高くなる。すなわち液化天然ガスの気化圧力を上昇することによって、第1および第3間接熱交換器E1,E3に入る液化天然ガスの温度が上昇するので、アルコール冷媒を冷却することができる温度も上昇し、交換熱量が徐々に減少することが、図5から理解される。
【0017】図6は、前述の図1における冷却装置において、液化天然ガスとアルコール冷媒との熱交換特性を、温度/熱量特性で示したグラフである。図6において、実線は液化天然ガスを示し、破線は気化した液化天然ガスを示し、仮想線はアルコール冷媒を示す。アルコール冷媒は、共晶点組成を有し、液化天然ガスの気化圧力は3kg/cm2Gである。図6における■〜■は前述の図1における各管路の位置を示している。図6において温度T5は、液化天然ガスの気化が開始した温度約−123℃を示す。液化天然ガスの気化圧力をたとえば約2kg/cm2Gにすると、参照符27で示される特性が得られる。本発明の実施の一形態では、第1間接熱交換器E1と第3間接熱交換器E3における交換熱量は、ほぼ等しく定められ、これによって効率よくアルコール冷媒の冷却を行うことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、アルコール冷媒との熱交換を行う第1間接熱交換器E1に入る液化天然ガスを、第1間接熱交換器E1でアルコール冷媒と熱交換して昇温された液化天然ガスによって、事前に第1間接熱交換器E1で、約−160℃の液化天然ガスを昇温してアルコール冷媒が凝固しない温度に上昇するようにしたので、アルコール冷媒が着氷することなく、したがって間接熱交換器におけるアルコール冷媒の通路の圧力損失が増加することなく、安定した熱交換を継続することができるようになる。
【0019】また本発明によれば、第1および第3間接熱交換器に入る液化天然ガスを、たとえば約−140℃以上の同一温度にすることができ、これによって第1および第3間接熱交換器に入るアルコール冷媒の流量を調整するだけで、第1および第3間接熱交換器のアルコール冷媒の伝熱面に着氷することなく、第1および第3間接熱交換器に入る液化天然ガスの温度近傍まで、安定して冷却運転することができる。
【0020】また本発明によれば、第1および第3間接熱交換器E1,E3を用いてアルコール冷媒を冷却するようにしたので、液化天然ガスの冷熱を充分利用可能とすることができ、またアルコール冷媒のポンプなどによる循環流量をできるだけ少なくして動力エネルギを少なくてすむようにすることができ、構成を小形化することができ、しかもできるだけ低い温度のアルコール冷媒を効率よく得ることができるようになる。
【0021】さらに本発明によれば、アルコール冷媒は共晶点組成を有することによってその凝固温度を約−142℃とすることができ、さらに液化天然ガスの供給される圧力である気化圧力を約3kg/cm2Gに選ぶことによって、第1間接熱交換器に導かれる液化天然ガスを約−142℃以上にしてアルコール冷媒が凍ることを防ぎ、さらに第2間接熱交換器E2における熱バランスを崩すことなく運転を継続することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の全体の構成を示す系統図である。
【図2】第1間接熱交換器E1の一部の構成を示す斜視図である。
【図3】制御手段20の動作を説明するための図である。
【図4】アルコール冷媒の凝固温度の特性を示すグラフである。
【図5】本発明の発明者の実験結果を示すグラフである。
【図6】図1における温度/熱量特性で示したグラフである。
【符号の説明】
1 ポンプ
12 伝熱板
13,14 液体通路
15,16 フィン
17 バイパス管路
18 第1温度検出手段
19 第2温度検出手段
20 制御手段
21 管路
22 第3温度検出手段
23 第4温度検出手段
24,25 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 メタノールとエタノールとから成るアルコール冷媒を液化天然ガスによって冷却する第1間接熱交換器E1と、約−160℃の液化天然ガスを、第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスと熱交換する第2熱交換器E2とを含むことを特徴とするアルコール冷媒の冷却装置。
【請求項2】 第1間接熱交換器E1から第2間接熱交換器E2を介する液化天然ガスが導かれる第3間接熱交換器E3と、アルコール冷媒を分岐して一方のアルコール冷媒を第1間接熱交換器E1に導き、他方のアルコール冷媒を第3間接熱交換器E3に導く管路と、第1間接熱交換器E1からの液化天然ガスをバイパスして第3間接熱交換器E3に導くバイパス管路と、バイパス管路に介在される流量制御弁と、第2間接熱交換器E2から第1間接熱交換器E1に導かれる液化天然ガスの温度を検出する第1温度検出手段と、第2間接熱交換器E2から第3間接熱交換器E3に導かれる液化天然ガスの温度を検出する第2温度検出手段と、第1および第2温度検出手段の各出力に応答し、各検出温度T1,T2が等しくなるように、流量制御弁の開度を制御する制御手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のアルコール冷媒の冷却装置。
【請求項3】 第1間接熱交換器E1に、分岐した前記一方のアルコール冷媒を導く管路に介在される冷媒用第1流量制御弁と、第1間接熱交換器E1からのアルコール冷媒の温度を検出する第3温度検出手段と、第3温度検出手段の出力に応答し、第3温度検出手段によって検出されるアルコール冷媒の温度が、予め定める値になるように、冷媒用第1流量制御弁の開度を制御する手段と、第3間接熱交換器E3に、分岐した前記他方のアルコール冷媒を導く管路に介在される冷媒用第2流量制御弁と、第3間接熱交換器E3からのアルコール冷媒の温度を検出する第4温度検出手段と、第4温度検出手段の出力に応答し、第4温度検出手段によって検出されるアルコール冷媒の温度が予め定める値になるように、冷媒用第2流量制御弁の開度を制御する手段とを含むことを特徴とする請求項2記載のアルコール冷媒の冷却装置。
【請求項4】 アルコール冷媒は、メタノール約45wt%と、エタノール約55wt%とから成ることを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載のアルコール冷媒の冷却装置。
【請求項5】 液化天然ガスの気化圧力を約3kg/cm2G以上に選ぶことを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載のアルコール冷媒の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】第2743966号
【登録日】平成10年(1998)2月6日
【発行日】平成10年(1998)4月28日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−154778
【出願日】平成8年(1996)5月28日
【公開番号】特開平9−318218
【公開日】平成9年(1997)12月12日
【審査請求日】平成8年(1996)5月28日
【出願人】(000001144)工業技術院長 (75)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−282466(JP,A)