フロアマットの位置ずれ報知装置
【課題】フロアマットの位置ずれが生じた際に、自動車の乗員に報知を行うフロアマットの位置ずれ報知装置を提供する。
【解決手段】位置ずれ報知装置1は、自動車11の床面Fに配置されるフロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部20と、検出部20により位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部40と、を備える。
【解決手段】位置ずれ報知装置1は、自動車11の床面Fに配置されるフロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部20と、検出部20により位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部40と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロアマットの位置ずれ報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車室内の床面(フロア)の上にフロアマットを配置する際に、このフロアマットが位置ずれしないように固定する固定具が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−22299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロアマットは、特許文献1の固定具によってフロアに固定されている場合であっても、固定具が挿入される取付孔を中心軸にして軸周りに回転する場合がある。このため、フロアマットは、正常位置からずれてしまったり、フロアから浮き上がってしまったりすることがある。また、固定具や取付孔が破損した場合や取付孔が固定具からはずれてしまった場合には、フロアマットの位置が不用意にずれやすくなる。
【0005】
上述した様々な原因によってフロアマットに位置ずれが生じると、フロアマットがブレーキペダルやアクセルペダルとフロアとの間に挟まってしまうおそれがある。そして、ドライバーは正常な操作を行えなくなってしまう。
このような事態を事前に回避するため、フロアマットに位置ずれが生じたときに、ドライバーに報知したいという要請がある。
【0006】
本発明は、このような実情を鑑みて提案されたものであり、フロアマットの位置ずれが生じた際に、自動車の乗員に報知を行うフロアマットの位置ずれ報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフロアマットの位置ずれ報知装置は、自動車内の床面に配置されるフロアマットと、前記フロアマットの位置ずれを検出する検出部と、前記検出部により前記位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記検出部は、前記フロアマットの位置ずれ量が所定値以上になったことを検出することを特徴とする。
少なくとも前記検出部の一部が前記フロアマットに配置されることを特徴とする。
前記検出部は、前記フロアマットのうち、アクセルペダル又はブレーキペダルの近傍に位置する縁部に配置されることを特徴とする。
前記検出部は、前記縁部の複数箇所に配置されることを特徴とする。
【0009】
前記検出部は、機械式スイッチを備えることを特徴とする。
【0010】
前記検出部は、光学センサーを備えることを特徴とする。
【0011】
前記検出部は、磁気センサーを備えることを特徴とする。
【0012】
前記検出部は、RFIDを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るフロアマットの位置ずれ報知装置によれば、フロアマットの所定位置に対するずれを検出したときに、自動車の乗員に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の概略構成を示す図である。
【図2A】フロアマットが正常位置にある状態を示す図である。
【図2B】フロアマットが正常位置から位置ずれした状態を示す図である。
【図3A】第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にある状態を示す図である。
【図3B】第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれした状態を示す図である。
【図4A】本発明の第二実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図4B】本発明の第二実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図5A】本発明の第三実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図5B】本発明の第三実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図6A】本発明の第四実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図6B】本発明の第四実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図7A】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図7B】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図8A】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の変形例においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図8B】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の変形例においてにおいてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図9A】本発明の第六実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図9B】本発明の第六実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図10】本発明の第七実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る位置ずれ報知装置1について説明する。
図1は、第一実施形態に係るフロアマット10の位置ずれ報知装置1の概略構成を示す図である。
図2Aは、フロアマット10が正常位置にあるときを示す図である。図2Bは、フロアマット10が正常位置から位置ずれしたときを示す図である。
図3Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置1を示す図である。図3Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置1を示す図である。
【0016】
フロアマット10の位置ずれ報知装置1は、自動車11のフロアFの上に配置されたフロアマット10が正常位置から位置ずれしたときに、この位置ずれを検出して自動車11の乗員(例えばドライバー)に報知する。特に、運転席シート12のフロアFの上に配置されてドライバーが足を載せるフロアマット10の位置ずれを検出して報知する。
【0017】
フロアマットの位置ずれ報知装置1は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部20と、検出部20の検出結果に基づいて自動車11の乗員に向けた報知を行う報知部40と、から構成される。
【0018】
フロアマットの位置ずれ報知装置1には、自動車11の各機器に直流電圧を供給するバッテリー13が接続される。バッテリー13は、自動車11のボンネット内に設置されている。バッテリー13は、位置ずれ報知装置1の他、自動車11の各機器(例えばインストルメントパネル14の各計器や室内灯など)に直流電圧を供給する。
なお、位置ずれ報知装置1には、バッテリー13から電源が供給されているが、専用電池(乾電池等)から電源を供給してもよい。
【0019】
フロアマット10は、略矩形に形成される。具体的には、フロアマット10は、四隅のうちの隣り合う2つの隅を欠落させた段部を設けている。そして、フロアマット10は、図2Aに示すように、2つの段部が共に自動車11の進行方向側(前方側)を向くようにしてフロア上に配置される。
また、フロアマット10の後方側には貫通孔10aが設けられる。貫通孔10aには、フロアFに固定された不図示の固定具が挿入される。
【0020】
フロアマット10の正常位置とは、図2Aに示すように、フロアマット10の貫通孔10aに固定具が挿入された状態であって、フロアマット10の前方側の縁部が自動車11の車幅方向に対してほぼ平行になる位置をいう。
【0021】
フロアマット10は、正常位置に配置された場合であっても、貫通孔10aの位置が固定されただけである。このため、フロアマット10は、貫通孔10aを中心にして回転可能である。
したがって、ドライバーがアクセルペダルAPやブレーキペダルBPを操作するうちに、フロアマット10が貫通孔10aを中心にして回転することがある。この場合、図2Bに示すように、フロアマット10の一部がアクセルペダルAPの上に被さったり、ブレーキペダルBPとフロアFの間に挟まったりしてしまう可能性がある。
【0022】
検出部20は、フロアマット10の位置ずれを検出するものであり、フロアマット10の裏面側に配置される。
検出部20は、フロアマット10の裏面に固定された磁石21と、フロアFの内部に配置されたスイッチ22と、を備えている。
磁石21は、フロアマット10の裏面において磁石固定部材21aによって覆われて保護される。
スイッチ22には、磁石23が固定される。磁石23は、フロアマット10の裏面に設けられた磁石21に吸着可能である。また、スイッチ22には、バッテリー13から直流電流が供給される。
【0023】
磁石21と磁石23の対面の磁極は、互いに異なっている。このため、磁石21と磁石23が近接すると、互いに引き合う。
磁石21は、フロアマット10の裏面のうち、アクセルペダルAPやブレーキペダルBPに近接する縁部の領域ARに設けられる。一方、スイッチ22の磁石23は、フロアマット10が正常位置にある場合に、フロアマット10の裏面に設けられた磁石21と対向する位置に配置される。
【0024】
スイッチ(機械式スイッチ)22は、磁石21と磁石23の位置(距離)に応じて動作する。
図3Aに示すように、磁石23が磁石21に近接して引き寄せられている場合は、スイッチ22が非接続状態(オフ)になる。
一方、図3Bに示すように、磁石23が磁石21から離れて引き寄せられない場合は、磁石23の自重によってスイッチ22が倒れて、スイッチ22が接続状態(オン)になる。
なお、磁石23の自重によってスイッチ22を倒す場合に限らず、他の部材の重さやバネ等の外力によってスイッチ22を倒す場合であってもよい。
【0025】
磁石21と磁石23の磁力(吸引力)は、以下のように予め設定される。
磁石23と磁石21の距離が約10mm程度の範囲内にある場合は、磁石23が磁石21に確実に引き寄せられる。一方、磁石23と磁石21の距離が大きくなり、約12mm(所定値)を越えると、磁石23と磁石21が吸着せずに、磁石23が磁石21から確実に脱離する。
【0026】
なお、磁石21の位置は、図2A及びBに示す位置に限定されるものではない。フロアマット10のうち、アクセルペダルAP又はブレーキペダルBPに近接する縁部の領域ARに配置すればよい。同様に、スイッチ22は、フロアF上において、フロアマット10の領域ARに対向する位置にあればよい。
【0027】
報知部40は、報知制御部41と、報知器42と、を備えている。報知器42は、インストルメントパネル14に設けられた警告灯やブザーである。報知部40の報知制御部41は、検出部20のスイッチ22に接続される。
そして、報知部40は、スイッチ22の状態に応じて報知器42を動作させる。具体的には、報知制御部41は、スイッチ22がオフの場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、スイッチ22がオンになった場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部20によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
なお、報知器42は、ドライバーに報知できるものであれば、警告灯やブザーに限らない。
【0028】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置1は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図3Aに示すように、フロアマット10の裏面に配置された磁石21とスイッチ22の磁石23とが近接して対向する。このため、磁石21と磁石23が互いに引き合うので、スイッチ22はオフになる。したがって、報知部40も動作しない。
【0029】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図3Bに示すように、磁石21と磁石23の距離が大きくなる。その距離が約12mmを越えると、磁石23が磁石21に引き寄せられなくなり、磁石23の自重によってスイッチ22オンになる。
そして、スイッチ22がオンになると、報知制御部41は、報知器42を動作(例えば警告灯を点灯)させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0030】
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る位置ずれ報知装置2について説明する。
図4Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置2を示す図である。図4Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置2を示す図である。
なお、第一実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0031】
フロアマット10の位置ずれ報知装置2は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部50と、検出部50の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0032】
検出部50は、フロアマット10の位置ずれが生じたときに作動する可倒式レバー51と、可倒式レバー51の動きに連動して接続状態(オン)と非接続状態(オフ)が切り替わるスイッチ(機械式スイッチ)52と、を備えている。
検出部50は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。また、可倒式レバー51の一端が、フロアマット10の端部に接する位置に配置される。
【0033】
可倒式レバー51は、回転軸51aを中心にして回転可能である。可倒式レバー51が直立状態のときは、スイッチ52がオフとなる。一方、可倒式レバー51が横倒状態のときは、スイッチ52がオンとなる。
フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、可倒式レバー51が横倒状態となるように予め設定されている。
【0034】
報知部40は、スイッチ52の状態に応じて報知器42を動作させる。具体的には、報知制御部41は、スイッチ52がオフの場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、スイッチ52がオンになった場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部50によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0035】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置2は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図4Aに示すように、可倒式レバー51は、フロアマット10の端部に押圧されず、直立状態になっている。このため、スイッチ52はオフになる。したがって、報知部40は動作しない。
【0036】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じて、位置ずれが約12mmを越えると、図4Bに示すように、可倒式レバー51は、フロアマット10の端部に押圧される。これにより、スイッチ52がオンとなり、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0037】
なお、第二実施形態では、報知部40と検出部50がそれぞれ独立に構成されているが、一体に構成してもよい。例えば、可倒式レバー51、スイッチ52、ブザー及び乾電池を備えることにより、フロアマット10の位置ずれと報知を行うようにしてもよい。
【0038】
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態に係る位置ずれ報知装置3について説明する。
図5Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置3を示す図である。図5Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置3を示す図である。
なお、第一,第二実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。
【0039】
フロアマット10の位置ずれ報知装置3は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部60と、検出部60の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部68と、から構成される。
【0040】
検出部60は、フロアマット10に埋め込まれたグロメット61の内部に設けられたスイッチ63と、スイッチ63をオン/オフするためのピン64と、ピン64に接続されたワイヤー65と、ワイヤー65の終端部を運転席のフロアFに埋め込むためのアンカー66とを備えている。
フロアマット10に埋め込まれたグロメット61の内部には、さらに報知部68が設けられる。
検出部60及び報知部68は、フロアマット10の領域AR内に設けられている。
【0041】
スイッチ(機械式スイッチ)63には、ピン64が嵌め込まれている。スイッチ63は、ピン64が嵌め込まれている状態では非接続状態(オフ)であり、ピン64が取り出されると接続状態(オン)になる。ワイヤー65の長さは、フロアマット10の位置ずれが許容される長さに設定される。ワイヤー65の長さは、約12mmである。
つまり、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、スイッチ63に嵌め込まれたピン64は、ワイヤー65が引っ張られることによりスイッチ63から外れる。そして、スイッチ63がオンになる。
【0042】
報知部68の内部には、不図示の乾電池及びブザーが設けられている。ブザーの一方の端子は乾電池の一方の電極に接続され、ブザーの他方の端子はスイッチ63を介して乾電池の他方の電極に接続されている。そして、ブザーは、導通状態になるとブザー音を発する。
つまり、報知部68は、検出部60によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみブザーを動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
なお、報知部68はブザーに代えて、警告灯(LED)を設けてもよい。また、ブザーと警告灯を併用してもよい。
【0043】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置3は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図5Aに示すように、報知部68はアンカー66とはほぼ同じ位置に配置され、ワイヤー65には張力が生じない。このため、ピン64はスイッチ63に嵌め込まれた状態であるので、スイッチ63もオフのままである。したがって、報知部68内のブザーは動作しない。
【0044】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図5Bに示すように、検出部60及び報知部68がアンカー66から離され、ワイヤー65に張力が生じる。そして、フロアマット10が約12mm程度移動すると、ワイヤー65の張力によってピン64がスイッチ63から外れて、スイッチ63はオンになる。このため、報知部68内のブザーは、導通状態になってブザー音を発する。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0045】
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態に係る位置ずれ報知装置4について説明する。
図6Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置4を示す図である。図6Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置4を示す図である。
なお、第一〜第三実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第三実施形態と異なる点について主に説明する。
【0046】
フロアマット10の位置ずれ報知装置4は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部60と、検出部60の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
すなわち、位置ずれ報知装置4は、報知部40を備える点で、報知部68を備える位置ずれ報知装置3とは異なっている。
【0047】
また、検出部60は、位置ずれ報知装置3の場合とは異なって、運転席のフロアFに配置される。すなわち、グロメット61はフロアFに埋め込まれ、アンカー66はワイヤー65の終端部をフロアマット10に埋め込む。アンカー66は、フロアマット10の領域AR内に埋め込まれる。
そして、検出部60のスイッチ63は、報知部40の報知制御部41に接続される。
【0048】
位置ずれ報知装置4においても、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、スイッチ63に嵌め込まれたピン64は、ワイヤー65が引っ張られることにより、スイッチ63から外れる。そして、スイッチ63がオンになる。
【0049】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置4は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図6Aに示すように、検出部60とアンカー66とはほぼ同じ位置に配置され、ワイヤー65には張力が生じない。このため、ピン64はスイッチ63に嵌め込まれた状態であるので、スイッチ63もオフのままである。したがって、報知部40も動作しない。
【0050】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図6Bに示すように、アンカー66が検出部60から離れて、ワイヤー65に張力が生じる。そして、フロアマット10が約12mm程度移動すると、ワイヤー65の張力によってピン64がスイッチ63から外れて、スイッチ63はオンになる。そして、スイッチ63がオンになると、報知制御部41は、報知器42を動作(例えば警告灯を点灯)させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0051】
[第五実施形態]
本発明の第五実施形態に係る位置ずれ報知装置5について説明する。
図7Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置5を示す図である。図7Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置5を示す図である。
なお、第一〜第四実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0052】
フロアマット10の位置ずれ報知装置5は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部70と、検出部70の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0053】
検出部70は、運転席のフロアF(床下)側からフロアマット10の裏側に向けてレーザー光を照射するレーザー照射部71と、レーザー照射部71から照射されたレーザー光を反射する反射板72と、反射板72からのレーザー光を感知するレーザー感知部(光学センサー)73と、を備えている。
検出部70は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。
【0054】
反射板72は、例えば光透過部材72aによって覆われ、外部から保護された状態でフロアマット10の裏側に設けられている。
フロアマット10の位置が変化すると、反射板72の位置も変化する。このため、フロアマット10が正常位置にある場合は、図7Aに示すように、レーザー照射部71からのレーザー光は反射板72で反射してレーザー感知部73に入光する。一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図7Bに示すように、レーザー照射部71からのレーザー光は反射板72に当たらず、レーザー感知部73に入光しなくなる。
反射板72の大きさ(位置ずれ方向の長さ)の調整により、フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、レーザー照射部71からのレーザー光が反射板72に当たらなくなるように予め設定されている。
【0055】
レーザー感知部73は、例えばフォトダイオードである。レーザー感知部73は、反射板72で反射されたレーザー光を感知(受光)し、レーザー光の強度に応じた電圧を出力する。このため、レーザー感知部73は、フロアマット10が正常位置にある場合は、反射板72からのレーザー光を感知して、感知されたレーザーに基づく所定電圧を出力する。一方で、レーザー感知部73は、フロアマット10の位置ずれがある場合は、反射板72からのレーザー光を感知できなくなり、所定電圧の出力を停止する。
【0056】
報知部40は、レーザー感知部73の検出結果、すなわちレーザー感知部73からの出力電圧に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、報知制御部41は、レーザー感知部73でレーザー光が感知された場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、レーザー感知部73でレーザー光が感知されない場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部70によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0057】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図7Aに示すように、レーザー照射部71から照射されたレーザー光は、反射板72で反射して、レーザー感知部73で感知される。したがって、報知部40は動作しない。
【0058】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図7Bに示すように、反射板72の位置もずれる。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、反射板72にはレーザー光が照射されなくなるので、レーザー感知部73はレーザー光を感知できなくなる。これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0059】
なお、検出部70の設置位置は、以下に示すように変更可能である。
図8A及び図8Bに示すように、検出部70を運転席シート12の座部下側近傍に配置してもよい。つまり、レーザー照射部71及びレーザー感知部73を運転席シート12の座部下側に配置し、反射板72をフロアマット10の表面後方側に配置する。
【0060】
また、レーザー照射部71及びレーザー感知部73をアクセルペダルAPやブレーキペダルBPの近傍に配置し、反射板72をフロアマット10の表面前方側に配置してもよい。
【0061】
また、検出部70は、反射型の光学センサーに限らず、透過型の光センサーであってもよい。つまり、レーザー光を照射するレーザー照射部とこのレーザー光が直接入光するレーザー感知部とからなり、レーザー照射部とレーザー感知部の間のレーザー光をフロアマット10が横切ると、報知制御部41が報知器42を動作させるようにしてもよい。
【0062】
[第六実施形態]
本発明の第六実施形態に係る位置ずれ報知装置6について説明する。
図9Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置6を示す図である。図9Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置6を示す図である。
なお、第一〜第五実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0063】
フロアマットの位置ずれ報知装置6は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部90と、検出部90の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0064】
検出部90は、フロアマット10の裏面(下面)に設けられた磁石91と、運転席シート12のフロアF上に配置された磁気センサー92と、を備えている。
検出部90は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。
【0065】
磁気センサー92は、例えばホール素子やMR素子を有している。そして、磁気センサー92は、磁石91の磁界を検出し、信号を出力する。
フロアマット10の位置が変化すると、磁石91の位置も変化する。このため、フロアマット10が正常位置にある場合は、図9Aに示すように、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出して信号を出力する。一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図9Bに示すように、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出できなくなり、信号の出力を停止する。
磁石91の磁力や大きさ(位置ずれ方向の長さ)の調整により、フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出できなくなるように予め設定されている。
【0066】
報知部40は、磁気センサー92の検出結果、すなわち磁気センサー92からの信号に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、報知制御部41は、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出された場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されない場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部90によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0067】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置6は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図9Aに示すように、磁気センサー92と磁石91とが対向する。このため、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されるので、報知部40は動作しない。
【0068】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図9Bに示すように、磁石91の位置もずれる。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されなくなる。これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0069】
[第七実施形態]
本発明の第七実施形態に係る位置ずれ報知装置7について説明する。
図10は、位置ずれ報知装置7の概略構成を示す図である。
なお、第一〜第六実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0070】
フロアマット10の位置ずれ報知装置7は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出するRFID100と、RFID100の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0071】
RFID部(検出部)100は、フロアマット10の裏面(下面)に設けられた第一ICタグ101及び第二ICタグ102と、運転席シート12のフロアF上に配置されたRFIDリーダー103と、を備えている。
第一ICタグ101及び第二ICタグ102は、フロアマット10の縁部の領域ARに配置される。
RFIDリーダー103は、運転席のフロアF上において、フロアマット10の前縁から所定距離だけ離れた位置に、フロアマット10の前縁に沿って配置される。
【0072】
第一ICタグ101及び第二ICタグ102は、RFIDリーダー103から発信される電波を受けると、共振作用により起電力を発生して必要な処理を行い、処理結果の電波を放射する。
【0073】
RFIDリーダー103は、所定周波数の電波を放射すると共に、この電波を受けて第一ICタグ101及び第二ICタグ102から放射される電波を受信する。
第一ICタグ101及び第二ICタグ102とRFIDリーダー103の距離は、フロアマット10が正常位置にある場合には、互いに通信を確立できない距離に予め設定されている。そして、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、第一ICタグ101又は第二ICタグ102がRFIDリーダー103に近づいて互いに通信を確立できる。
【0074】
報知部40は、RFID部100の通信状態に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、第一ICタグ101及び第二ICタグ102とRFIDリーダー103の間で、互いに通信を確立できない場合には、報知器42を動作させずに維持する。
一方、報知制御部41は、第一ICタグ101とRFIDリーダー103の間または第二ICタグ102とRFIDリーダー103の間で互いに通信を確立できた場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、RFID部100によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0075】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置7は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、RFIDリーダー103は、第一ICタグ101及び第二ICタグ102との間で通信できない。したがって、報知部40は動作しない。
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、RFIDリーダー103は、第一ICタグ101又は第二ICタグ102と接近する。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、第一ICタグ101又は第二ICタグ102とRFIDリーダー103との間で通信が可能になる。
これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0076】
なお、RFID部100は、無線電波方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば電磁誘導方式などを用いてもよい。
【0077】
上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
報知器42は、警告灯に限らない。報知器42は、例えば、ブザー、スピーカー、バイブレータ、ハザードランプなどであってもよい。また、これらを組み合わせた場合であってもよい。例えば、フロアマット10の位置ずれが検出された場合に、報知器42が点灯する共にブザーが鳴動するようにしてもよい。
また、報知器42は、ドライバー等の乗員に直接報知する場合に限らず、自動車11の走行速度を減速させる等の間接的な方法により報知する場合であってもよい。
【0079】
また、フロアマット10は、運転席に配置されるものであればよく、例えばゴム材料で形成されたトレータイプのものでもよい。
また、フロアマット10が固定具によってフロアFに固定されている場合について説明したが、フロアマット10がフロアFに固定されていない場合であってもよい。
【0080】
また、検出部の数は、1つに限らず、複数であってもよい。アクセルペダルAP又はブレーキペダルBP等に対してフロアマット10が近づいたことを検出できれば、検出部の数は限定されるものではない。
【0081】
フロアマット10のずれ量が約12mm(所定値)以上となったときに位置ずれ報知装置1〜7が作動する場合について説明したが、これに限らない。所定値は、約12mm未満の場合であってもよいし、約12mmを超える場合であってもよい。所定値(位置ずれ報知装置1〜7が作動を開始するフロアマット10のずれ量)は、アクセルペダルAP又はブレーキペダルBP等からフロアマット10までの設計距離等に応じて、例えば車種毎に変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1〜7…位置ずれ報知装置、 10…フロアマット、 11…自動車、 20,50,60,70,90…検出部、 22,52,63…スイッチ(機械式スイッチ)、 40,68…報知部、 73…レーザー感知部(光学センサー)、 92…磁気センサー、 100…RFID部(検出部)、 AP…アクセルペダル、 BP…ブレーキペダル、 AR…領域(縁部)、 F…フロア
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロアマットの位置ずれ報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車室内の床面(フロア)の上にフロアマットを配置する際に、このフロアマットが位置ずれしないように固定する固定具が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−22299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロアマットは、特許文献1の固定具によってフロアに固定されている場合であっても、固定具が挿入される取付孔を中心軸にして軸周りに回転する場合がある。このため、フロアマットは、正常位置からずれてしまったり、フロアから浮き上がってしまったりすることがある。また、固定具や取付孔が破損した場合や取付孔が固定具からはずれてしまった場合には、フロアマットの位置が不用意にずれやすくなる。
【0005】
上述した様々な原因によってフロアマットに位置ずれが生じると、フロアマットがブレーキペダルやアクセルペダルとフロアとの間に挟まってしまうおそれがある。そして、ドライバーは正常な操作を行えなくなってしまう。
このような事態を事前に回避するため、フロアマットに位置ずれが生じたときに、ドライバーに報知したいという要請がある。
【0006】
本発明は、このような実情を鑑みて提案されたものであり、フロアマットの位置ずれが生じた際に、自動車の乗員に報知を行うフロアマットの位置ずれ報知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフロアマットの位置ずれ報知装置は、自動車内の床面に配置されるフロアマットと、前記フロアマットの位置ずれを検出する検出部と、前記検出部により前記位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記検出部は、前記フロアマットの位置ずれ量が所定値以上になったことを検出することを特徴とする。
少なくとも前記検出部の一部が前記フロアマットに配置されることを特徴とする。
前記検出部は、前記フロアマットのうち、アクセルペダル又はブレーキペダルの近傍に位置する縁部に配置されることを特徴とする。
前記検出部は、前記縁部の複数箇所に配置されることを特徴とする。
【0009】
前記検出部は、機械式スイッチを備えることを特徴とする。
【0010】
前記検出部は、光学センサーを備えることを特徴とする。
【0011】
前記検出部は、磁気センサーを備えることを特徴とする。
【0012】
前記検出部は、RFIDを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るフロアマットの位置ずれ報知装置によれば、フロアマットの所定位置に対するずれを検出したときに、自動車の乗員に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の概略構成を示す図である。
【図2A】フロアマットが正常位置にある状態を示す図である。
【図2B】フロアマットが正常位置から位置ずれした状態を示す図である。
【図3A】第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にある状態を示す図である。
【図3B】第一実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれした状態を示す図である。
【図4A】本発明の第二実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図4B】本発明の第二実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図5A】本発明の第三実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図5B】本発明の第三実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図6A】本発明の第四実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図6B】本発明の第四実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図7A】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図7B】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図8A】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の変形例においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図8B】本発明の第五実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の変形例においてにおいてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図9A】本発明の第六実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが正常位置にあるときを示す図である。
【図9B】本発明の第六実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置においてフロアマットが位置ずれしたときを示す図である。
【図10】本発明の第七実施形態に係るフロアマットの位置ずれ報知装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る位置ずれ報知装置1について説明する。
図1は、第一実施形態に係るフロアマット10の位置ずれ報知装置1の概略構成を示す図である。
図2Aは、フロアマット10が正常位置にあるときを示す図である。図2Bは、フロアマット10が正常位置から位置ずれしたときを示す図である。
図3Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置1を示す図である。図3Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置1を示す図である。
【0016】
フロアマット10の位置ずれ報知装置1は、自動車11のフロアFの上に配置されたフロアマット10が正常位置から位置ずれしたときに、この位置ずれを検出して自動車11の乗員(例えばドライバー)に報知する。特に、運転席シート12のフロアFの上に配置されてドライバーが足を載せるフロアマット10の位置ずれを検出して報知する。
【0017】
フロアマットの位置ずれ報知装置1は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部20と、検出部20の検出結果に基づいて自動車11の乗員に向けた報知を行う報知部40と、から構成される。
【0018】
フロアマットの位置ずれ報知装置1には、自動車11の各機器に直流電圧を供給するバッテリー13が接続される。バッテリー13は、自動車11のボンネット内に設置されている。バッテリー13は、位置ずれ報知装置1の他、自動車11の各機器(例えばインストルメントパネル14の各計器や室内灯など)に直流電圧を供給する。
なお、位置ずれ報知装置1には、バッテリー13から電源が供給されているが、専用電池(乾電池等)から電源を供給してもよい。
【0019】
フロアマット10は、略矩形に形成される。具体的には、フロアマット10は、四隅のうちの隣り合う2つの隅を欠落させた段部を設けている。そして、フロアマット10は、図2Aに示すように、2つの段部が共に自動車11の進行方向側(前方側)を向くようにしてフロア上に配置される。
また、フロアマット10の後方側には貫通孔10aが設けられる。貫通孔10aには、フロアFに固定された不図示の固定具が挿入される。
【0020】
フロアマット10の正常位置とは、図2Aに示すように、フロアマット10の貫通孔10aに固定具が挿入された状態であって、フロアマット10の前方側の縁部が自動車11の車幅方向に対してほぼ平行になる位置をいう。
【0021】
フロアマット10は、正常位置に配置された場合であっても、貫通孔10aの位置が固定されただけである。このため、フロアマット10は、貫通孔10aを中心にして回転可能である。
したがって、ドライバーがアクセルペダルAPやブレーキペダルBPを操作するうちに、フロアマット10が貫通孔10aを中心にして回転することがある。この場合、図2Bに示すように、フロアマット10の一部がアクセルペダルAPの上に被さったり、ブレーキペダルBPとフロアFの間に挟まったりしてしまう可能性がある。
【0022】
検出部20は、フロアマット10の位置ずれを検出するものであり、フロアマット10の裏面側に配置される。
検出部20は、フロアマット10の裏面に固定された磁石21と、フロアFの内部に配置されたスイッチ22と、を備えている。
磁石21は、フロアマット10の裏面において磁石固定部材21aによって覆われて保護される。
スイッチ22には、磁石23が固定される。磁石23は、フロアマット10の裏面に設けられた磁石21に吸着可能である。また、スイッチ22には、バッテリー13から直流電流が供給される。
【0023】
磁石21と磁石23の対面の磁極は、互いに異なっている。このため、磁石21と磁石23が近接すると、互いに引き合う。
磁石21は、フロアマット10の裏面のうち、アクセルペダルAPやブレーキペダルBPに近接する縁部の領域ARに設けられる。一方、スイッチ22の磁石23は、フロアマット10が正常位置にある場合に、フロアマット10の裏面に設けられた磁石21と対向する位置に配置される。
【0024】
スイッチ(機械式スイッチ)22は、磁石21と磁石23の位置(距離)に応じて動作する。
図3Aに示すように、磁石23が磁石21に近接して引き寄せられている場合は、スイッチ22が非接続状態(オフ)になる。
一方、図3Bに示すように、磁石23が磁石21から離れて引き寄せられない場合は、磁石23の自重によってスイッチ22が倒れて、スイッチ22が接続状態(オン)になる。
なお、磁石23の自重によってスイッチ22を倒す場合に限らず、他の部材の重さやバネ等の外力によってスイッチ22を倒す場合であってもよい。
【0025】
磁石21と磁石23の磁力(吸引力)は、以下のように予め設定される。
磁石23と磁石21の距離が約10mm程度の範囲内にある場合は、磁石23が磁石21に確実に引き寄せられる。一方、磁石23と磁石21の距離が大きくなり、約12mm(所定値)を越えると、磁石23と磁石21が吸着せずに、磁石23が磁石21から確実に脱離する。
【0026】
なお、磁石21の位置は、図2A及びBに示す位置に限定されるものではない。フロアマット10のうち、アクセルペダルAP又はブレーキペダルBPに近接する縁部の領域ARに配置すればよい。同様に、スイッチ22は、フロアF上において、フロアマット10の領域ARに対向する位置にあればよい。
【0027】
報知部40は、報知制御部41と、報知器42と、を備えている。報知器42は、インストルメントパネル14に設けられた警告灯やブザーである。報知部40の報知制御部41は、検出部20のスイッチ22に接続される。
そして、報知部40は、スイッチ22の状態に応じて報知器42を動作させる。具体的には、報知制御部41は、スイッチ22がオフの場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、スイッチ22がオンになった場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部20によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
なお、報知器42は、ドライバーに報知できるものであれば、警告灯やブザーに限らない。
【0028】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置1は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図3Aに示すように、フロアマット10の裏面に配置された磁石21とスイッチ22の磁石23とが近接して対向する。このため、磁石21と磁石23が互いに引き合うので、スイッチ22はオフになる。したがって、報知部40も動作しない。
【0029】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図3Bに示すように、磁石21と磁石23の距離が大きくなる。その距離が約12mmを越えると、磁石23が磁石21に引き寄せられなくなり、磁石23の自重によってスイッチ22オンになる。
そして、スイッチ22がオンになると、報知制御部41は、報知器42を動作(例えば警告灯を点灯)させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0030】
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る位置ずれ報知装置2について説明する。
図4Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置2を示す図である。図4Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置2を示す図である。
なお、第一実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0031】
フロアマット10の位置ずれ報知装置2は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部50と、検出部50の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0032】
検出部50は、フロアマット10の位置ずれが生じたときに作動する可倒式レバー51と、可倒式レバー51の動きに連動して接続状態(オン)と非接続状態(オフ)が切り替わるスイッチ(機械式スイッチ)52と、を備えている。
検出部50は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。また、可倒式レバー51の一端が、フロアマット10の端部に接する位置に配置される。
【0033】
可倒式レバー51は、回転軸51aを中心にして回転可能である。可倒式レバー51が直立状態のときは、スイッチ52がオフとなる。一方、可倒式レバー51が横倒状態のときは、スイッチ52がオンとなる。
フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、可倒式レバー51が横倒状態となるように予め設定されている。
【0034】
報知部40は、スイッチ52の状態に応じて報知器42を動作させる。具体的には、報知制御部41は、スイッチ52がオフの場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、スイッチ52がオンになった場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部50によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0035】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置2は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図4Aに示すように、可倒式レバー51は、フロアマット10の端部に押圧されず、直立状態になっている。このため、スイッチ52はオフになる。したがって、報知部40は動作しない。
【0036】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じて、位置ずれが約12mmを越えると、図4Bに示すように、可倒式レバー51は、フロアマット10の端部に押圧される。これにより、スイッチ52がオンとなり、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0037】
なお、第二実施形態では、報知部40と検出部50がそれぞれ独立に構成されているが、一体に構成してもよい。例えば、可倒式レバー51、スイッチ52、ブザー及び乾電池を備えることにより、フロアマット10の位置ずれと報知を行うようにしてもよい。
【0038】
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態に係る位置ずれ報知装置3について説明する。
図5Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置3を示す図である。図5Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置3を示す図である。
なお、第一,第二実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。
【0039】
フロアマット10の位置ずれ報知装置3は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部60と、検出部60の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部68と、から構成される。
【0040】
検出部60は、フロアマット10に埋め込まれたグロメット61の内部に設けられたスイッチ63と、スイッチ63をオン/オフするためのピン64と、ピン64に接続されたワイヤー65と、ワイヤー65の終端部を運転席のフロアFに埋め込むためのアンカー66とを備えている。
フロアマット10に埋め込まれたグロメット61の内部には、さらに報知部68が設けられる。
検出部60及び報知部68は、フロアマット10の領域AR内に設けられている。
【0041】
スイッチ(機械式スイッチ)63には、ピン64が嵌め込まれている。スイッチ63は、ピン64が嵌め込まれている状態では非接続状態(オフ)であり、ピン64が取り出されると接続状態(オン)になる。ワイヤー65の長さは、フロアマット10の位置ずれが許容される長さに設定される。ワイヤー65の長さは、約12mmである。
つまり、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、スイッチ63に嵌め込まれたピン64は、ワイヤー65が引っ張られることによりスイッチ63から外れる。そして、スイッチ63がオンになる。
【0042】
報知部68の内部には、不図示の乾電池及びブザーが設けられている。ブザーの一方の端子は乾電池の一方の電極に接続され、ブザーの他方の端子はスイッチ63を介して乾電池の他方の電極に接続されている。そして、ブザーは、導通状態になるとブザー音を発する。
つまり、報知部68は、検出部60によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみブザーを動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
なお、報知部68はブザーに代えて、警告灯(LED)を設けてもよい。また、ブザーと警告灯を併用してもよい。
【0043】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置3は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図5Aに示すように、報知部68はアンカー66とはほぼ同じ位置に配置され、ワイヤー65には張力が生じない。このため、ピン64はスイッチ63に嵌め込まれた状態であるので、スイッチ63もオフのままである。したがって、報知部68内のブザーは動作しない。
【0044】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図5Bに示すように、検出部60及び報知部68がアンカー66から離され、ワイヤー65に張力が生じる。そして、フロアマット10が約12mm程度移動すると、ワイヤー65の張力によってピン64がスイッチ63から外れて、スイッチ63はオンになる。このため、報知部68内のブザーは、導通状態になってブザー音を発する。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0045】
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態に係る位置ずれ報知装置4について説明する。
図6Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置4を示す図である。図6Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置4を示す図である。
なお、第一〜第三実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第三実施形態と異なる点について主に説明する。
【0046】
フロアマット10の位置ずれ報知装置4は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部60と、検出部60の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
すなわち、位置ずれ報知装置4は、報知部40を備える点で、報知部68を備える位置ずれ報知装置3とは異なっている。
【0047】
また、検出部60は、位置ずれ報知装置3の場合とは異なって、運転席のフロアFに配置される。すなわち、グロメット61はフロアFに埋め込まれ、アンカー66はワイヤー65の終端部をフロアマット10に埋め込む。アンカー66は、フロアマット10の領域AR内に埋め込まれる。
そして、検出部60のスイッチ63は、報知部40の報知制御部41に接続される。
【0048】
位置ずれ報知装置4においても、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、スイッチ63に嵌め込まれたピン64は、ワイヤー65が引っ張られることにより、スイッチ63から外れる。そして、スイッチ63がオンになる。
【0049】
以上のように構成されたフロアマット10の位置ずれ報知装置4は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図6Aに示すように、検出部60とアンカー66とはほぼ同じ位置に配置され、ワイヤー65には張力が生じない。このため、ピン64はスイッチ63に嵌め込まれた状態であるので、スイッチ63もオフのままである。したがって、報知部40も動作しない。
【0050】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図6Bに示すように、アンカー66が検出部60から離れて、ワイヤー65に張力が生じる。そして、フロアマット10が約12mm程度移動すると、ワイヤー65の張力によってピン64がスイッチ63から外れて、スイッチ63はオンになる。そして、スイッチ63がオンになると、報知制御部41は、報知器42を動作(例えば警告灯を点灯)させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0051】
[第五実施形態]
本発明の第五実施形態に係る位置ずれ報知装置5について説明する。
図7Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置5を示す図である。図7Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置5を示す図である。
なお、第一〜第四実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0052】
フロアマット10の位置ずれ報知装置5は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部70と、検出部70の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0053】
検出部70は、運転席のフロアF(床下)側からフロアマット10の裏側に向けてレーザー光を照射するレーザー照射部71と、レーザー照射部71から照射されたレーザー光を反射する反射板72と、反射板72からのレーザー光を感知するレーザー感知部(光学センサー)73と、を備えている。
検出部70は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。
【0054】
反射板72は、例えば光透過部材72aによって覆われ、外部から保護された状態でフロアマット10の裏側に設けられている。
フロアマット10の位置が変化すると、反射板72の位置も変化する。このため、フロアマット10が正常位置にある場合は、図7Aに示すように、レーザー照射部71からのレーザー光は反射板72で反射してレーザー感知部73に入光する。一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図7Bに示すように、レーザー照射部71からのレーザー光は反射板72に当たらず、レーザー感知部73に入光しなくなる。
反射板72の大きさ(位置ずれ方向の長さ)の調整により、フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、レーザー照射部71からのレーザー光が反射板72に当たらなくなるように予め設定されている。
【0055】
レーザー感知部73は、例えばフォトダイオードである。レーザー感知部73は、反射板72で反射されたレーザー光を感知(受光)し、レーザー光の強度に応じた電圧を出力する。このため、レーザー感知部73は、フロアマット10が正常位置にある場合は、反射板72からのレーザー光を感知して、感知されたレーザーに基づく所定電圧を出力する。一方で、レーザー感知部73は、フロアマット10の位置ずれがある場合は、反射板72からのレーザー光を感知できなくなり、所定電圧の出力を停止する。
【0056】
報知部40は、レーザー感知部73の検出結果、すなわちレーザー感知部73からの出力電圧に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、報知制御部41は、レーザー感知部73でレーザー光が感知された場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、レーザー感知部73でレーザー光が感知されない場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部70によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0057】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図7Aに示すように、レーザー照射部71から照射されたレーザー光は、反射板72で反射して、レーザー感知部73で感知される。したがって、報知部40は動作しない。
【0058】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図7Bに示すように、反射板72の位置もずれる。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、反射板72にはレーザー光が照射されなくなるので、レーザー感知部73はレーザー光を感知できなくなる。これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0059】
なお、検出部70の設置位置は、以下に示すように変更可能である。
図8A及び図8Bに示すように、検出部70を運転席シート12の座部下側近傍に配置してもよい。つまり、レーザー照射部71及びレーザー感知部73を運転席シート12の座部下側に配置し、反射板72をフロアマット10の表面後方側に配置する。
【0060】
また、レーザー照射部71及びレーザー感知部73をアクセルペダルAPやブレーキペダルBPの近傍に配置し、反射板72をフロアマット10の表面前方側に配置してもよい。
【0061】
また、検出部70は、反射型の光学センサーに限らず、透過型の光センサーであってもよい。つまり、レーザー光を照射するレーザー照射部とこのレーザー光が直接入光するレーザー感知部とからなり、レーザー照射部とレーザー感知部の間のレーザー光をフロアマット10が横切ると、報知制御部41が報知器42を動作させるようにしてもよい。
【0062】
[第六実施形態]
本発明の第六実施形態に係る位置ずれ報知装置6について説明する。
図9Aは、フロアマット10が正常位置にあるときの位置ずれ報知装置6を示す図である。図9Bは、フロアマット10が位置ずれしたときの位置ずれ報知装置6を示す図である。
なお、第一〜第五実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0063】
フロアマットの位置ずれ報知装置6は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出する検出部90と、検出部90の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0064】
検出部90は、フロアマット10の裏面(下面)に設けられた磁石91と、運転席シート12のフロアF上に配置された磁気センサー92と、を備えている。
検出部90は、フロアF上において、フロアマット10の縁部の領域ARに対応する位置に配置される。
【0065】
磁気センサー92は、例えばホール素子やMR素子を有している。そして、磁気センサー92は、磁石91の磁界を検出し、信号を出力する。
フロアマット10の位置が変化すると、磁石91の位置も変化する。このため、フロアマット10が正常位置にある場合は、図9Aに示すように、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出して信号を出力する。一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図9Bに示すように、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出できなくなり、信号の出力を停止する。
磁石91の磁力や大きさ(位置ずれ方向の長さ)の調整により、フロアマット10の位置ずれが約12mm(所定値)を越えると、磁気センサー92が磁石91の磁界を検出できなくなるように予め設定されている。
【0066】
報知部40は、磁気センサー92の検出結果、すなわち磁気センサー92からの信号に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、報知制御部41は、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出された場合には、報知器42を動作させずに維持する。一方、報知制御部41は、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されない場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、検出部90によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0067】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置6は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、図9Aに示すように、磁気センサー92と磁石91とが対向する。このため、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されるので、報知部40は動作しない。
【0068】
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、図9Bに示すように、磁石91の位置もずれる。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、磁気センサー92で磁石91の磁界が検出されなくなる。これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。
こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0069】
[第七実施形態]
本発明の第七実施形態に係る位置ずれ報知装置7について説明する。
図10は、位置ずれ報知装置7の概略構成を示す図である。
なお、第一〜第六実施形態と同一の部材等には同一の符号を付して、その説明及び図示を省略等する。以下では、第一実施形態と異なる点について主に説明する。
【0070】
フロアマット10の位置ずれ報知装置7は、フロアマット10と、フロアマット10の位置ずれを検出するRFID100と、RFID100の検出結果に基づいて自動車11の乗員に報知を行う報知部40と、から構成される。
【0071】
RFID部(検出部)100は、フロアマット10の裏面(下面)に設けられた第一ICタグ101及び第二ICタグ102と、運転席シート12のフロアF上に配置されたRFIDリーダー103と、を備えている。
第一ICタグ101及び第二ICタグ102は、フロアマット10の縁部の領域ARに配置される。
RFIDリーダー103は、運転席のフロアF上において、フロアマット10の前縁から所定距離だけ離れた位置に、フロアマット10の前縁に沿って配置される。
【0072】
第一ICタグ101及び第二ICタグ102は、RFIDリーダー103から発信される電波を受けると、共振作用により起電力を発生して必要な処理を行い、処理結果の電波を放射する。
【0073】
RFIDリーダー103は、所定周波数の電波を放射すると共に、この電波を受けて第一ICタグ101及び第二ICタグ102から放射される電波を受信する。
第一ICタグ101及び第二ICタグ102とRFIDリーダー103の距離は、フロアマット10が正常位置にある場合には、互いに通信を確立できない距離に予め設定されている。そして、フロアマット10に位置ずれが生じて、約12mm(所定値)以上移動すると、第一ICタグ101又は第二ICタグ102がRFIDリーダー103に近づいて互いに通信を確立できる。
【0074】
報知部40は、RFID部100の通信状態に応じて報知器42を動作させる。
具体的には、第一ICタグ101及び第二ICタグ102とRFIDリーダー103の間で、互いに通信を確立できない場合には、報知器42を動作させずに維持する。
一方、報知制御部41は、第一ICタグ101とRFIDリーダー103の間または第二ICタグ102とRFIDリーダー103の間で互いに通信を確立できた場合には、報知器42を動作させる。
つまり、報知部40は、RFID部100によりフロアマット10の位置ずれが検出された場合のみ報知器42を動作させる。これにより、フロアマット10の位置ずれをドライバーに報知する。
【0075】
以上のように構成されたフロアマットの位置ずれ報知装置7は、フロアマット10の位置によって次のように動作する。
フロアマット10が正常位置にある場合、RFIDリーダー103は、第一ICタグ101及び第二ICタグ102との間で通信できない。したがって、報知部40は動作しない。
一方、フロアマット10の位置ずれが生じると、RFIDリーダー103は、第一ICタグ101又は第二ICタグ102と接近する。そして、フロアマット10の位置ずれが約12mmを越えると、第一ICタグ101又は第二ICタグ102とRFIDリーダー103との間で通信が可能になる。
これにより、報知制御部41が報知器42を動作させる。こうして、ドライバーは、フロアマット10の位置ずれを認識することが可能となる。
【0076】
なお、RFID部100は、無線電波方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば電磁誘導方式などを用いてもよい。
【0077】
上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
報知器42は、警告灯に限らない。報知器42は、例えば、ブザー、スピーカー、バイブレータ、ハザードランプなどであってもよい。また、これらを組み合わせた場合であってもよい。例えば、フロアマット10の位置ずれが検出された場合に、報知器42が点灯する共にブザーが鳴動するようにしてもよい。
また、報知器42は、ドライバー等の乗員に直接報知する場合に限らず、自動車11の走行速度を減速させる等の間接的な方法により報知する場合であってもよい。
【0079】
また、フロアマット10は、運転席に配置されるものであればよく、例えばゴム材料で形成されたトレータイプのものでもよい。
また、フロアマット10が固定具によってフロアFに固定されている場合について説明したが、フロアマット10がフロアFに固定されていない場合であってもよい。
【0080】
また、検出部の数は、1つに限らず、複数であってもよい。アクセルペダルAP又はブレーキペダルBP等に対してフロアマット10が近づいたことを検出できれば、検出部の数は限定されるものではない。
【0081】
フロアマット10のずれ量が約12mm(所定値)以上となったときに位置ずれ報知装置1〜7が作動する場合について説明したが、これに限らない。所定値は、約12mm未満の場合であってもよいし、約12mmを超える場合であってもよい。所定値(位置ずれ報知装置1〜7が作動を開始するフロアマット10のずれ量)は、アクセルペダルAP又はブレーキペダルBP等からフロアマット10までの設計距離等に応じて、例えば車種毎に変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1〜7…位置ずれ報知装置、 10…フロアマット、 11…自動車、 20,50,60,70,90…検出部、 22,52,63…スイッチ(機械式スイッチ)、 40,68…報知部、 73…レーザー感知部(光学センサー)、 92…磁気センサー、 100…RFID部(検出部)、 AP…アクセルペダル、 BP…ブレーキペダル、 AR…領域(縁部)、 F…フロア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車内の床面に配置されるフロアマットと、
前記フロアマットの位置ずれを検出する検出部と、
前記検出部により前記位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部と、
を備えることを特徴とするフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記フロアマットの位置ずれ量が所定値以上になったことを検出することを特徴とする請求項1に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項3】
少なくとも前記検出部の一部が前記フロアマットに配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記フロアマットのうち、アクセルペダル又はブレーキペダルの近傍に位置する縁部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記縁部の複数箇所に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項6】
前記検出部は、機械式スイッチを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項7】
前記検出部は、光学センサーを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項8】
前記検出部は、磁気センサーを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項9】
前記検出部は、RFIDを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項1】
自動車内の床面に配置されるフロアマットと、
前記フロアマットの位置ずれを検出する検出部と、
前記検出部により前記位置ずれが検出された場合に報知を行う報知部と、
を備えることを特徴とするフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記フロアマットの位置ずれ量が所定値以上になったことを検出することを特徴とする請求項1に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項3】
少なくとも前記検出部の一部が前記フロアマットに配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記フロアマットのうち、アクセルペダル又はブレーキペダルの近傍に位置する縁部に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記縁部の複数箇所に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項6】
前記検出部は、機械式スイッチを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項7】
前記検出部は、光学センサーを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項8】
前記検出部は、磁気センサーを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【請求項9】
前記検出部は、RFIDを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフロアマットの位置ずれ報知装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【公開番号】特開2013−103520(P2013−103520A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246607(P2011−246607)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504136889)株式会社ファルテック (57)
【Fターム(参考)】
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