照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置
【課題】反射によってベクトルが弱められた光で観察領域を照射する。
【解決手段】照明アタッチメント6は、共にドーム状のアウター10及びインナー12と、アウター10の前端に連結される前端反射リング部材14で構成されている。アウター10とインナー12とで光反射通路Pが形成され、光源からの光は、光反射通路Pを通過する過程でアウター10の内面10aとインナー12の外面12bとで反射する毎に散乱される。光反射通路Pを出た光は前端反射リング部材14の内面14aで反射してインナー12の内側の深部に入り、インナー12の内面で反射する毎に散乱されて、前端反射リング部材14の開口(出口)18を通じて観察領域を照明する。
【解決手段】照明アタッチメント6は、共にドーム状のアウター10及びインナー12と、アウター10の前端に連結される前端反射リング部材14で構成されている。アウター10とインナー12とで光反射通路Pが形成され、光源からの光は、光反射通路Pを通過する過程でアウター10の内面10aとインナー12の外面12bとで反射する毎に散乱される。光反射通路Pを出た光は前端反射リング部材14の内面14aで反射してインナー12の内側の深部に入り、インナー12の内面で反射する毎に散乱されて、前端反射リング部材14の開口(出口)18を通じて観察領域を照明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCDカメラなどの撮像装置が知られている。その一例が特許文献1に開示の視覚センサ装置であり、他の例が特許文献2の撮像装置である。特許文献1は、それまで別体であったCCDカメラとLED照明器具とを一体化することを提案している。特許文献2は、カメラのレンズホルダの前端にLED基板を配置し、このLED基板に数多くのLEDを配置した撮像装置を開示している。
【0003】
照明装置に関して、特許文献3はドーム型照明器具を開示している。このドーム型照明器具は、乳白色のアクリル樹脂性のドームを有し、このドームは、その頂部にCCDカメラや顕微鏡の鏡胴を挿入する挿入孔を有している。そして、ドームの湾曲した壁の全域に60カ所の孔が形成され、各孔に多成分ガラス光ファイバ束の先端が固定されている。このドーム型照明器具は、新しい金属線、ワイヤ、メッキされた曲面の部品、レンズ、金属球、ハンダスポットなどの平滑な曲面を備え且つ表面反射率の高い対象物をその側面までCCDカメラや顕微鏡で観察することができるという利点がある。
【0004】
特許文献4は、カメラを使って、内容物を充填したPETボトルの底部に沈殿する異物を検査する検査システムを開示している。この検査システムは、PETボトルの下方からPETボトルの底面及び底面回動部に向けてフレネルレンズを介して光を照射する下部照明と、PETボトルの上方からPETボトルに向けて光を照射する上部照明とを有している。上部照明は、下方に向けて開放したドーム型の反射鏡を有し、ドーム型反射鏡の下方に配置した光源から上方に向けて照射した光をドーム型反射鏡で反射することでPETボトルを上方から照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−320538号公報
【特許文献2】特開2007−214682号公報
【特許文献3】実開平6−60802号公報
【特許文献4】特開2010−60312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
照明光は照射する光にベクトルを有し、対象物を観察するときにこの対象物の種類によっては、局部的にその見え方が悪化するという問題を有している。例えば、フィルムで覆われたお菓子を観察する場合、照射する光にベクトルがあると内容物であるお菓子を観察し難くなる。照明光の光源がLEDの場合には、LEDの特性からその傾向が強くなる。また、照明器具に配置したLEDの数を少なくすると観察領域が局部的に見え難くなるという問題が発生する。この場合にも光源がLEDの場合には、その傾向が強くなる。
【0007】
本発明の目的は、ベクトルを極力小さくした光を対象物に照射することのできる照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置を提供することにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、少ない数のLEDで観察領域を万遍なく照射することのできる照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、基本的には、
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を後端部から取り入れて、光の反射を繰り返しながら前端部から該撮像部の観察領域に光を照射する照明器具であって、
前記後端部から前記前端部に向けて拡開した輪郭形状を有し、前記後端部に位置する入口から入った光を反復的に反射させながら前記前端部側に向けて誘導する光反射通路と、
該光反射通路の出口に対面して配置され、該光反射通路から出た光を前記後端部側に向けて反射し且つ前記前端部の周方向に延びる第1の反射面と、
前記光反射通路の内側に位置し且つ前記撮像部の観察領域に向けて徐々に拡開して前記撮像部の観察領域に向けて開放した第2の反射面とを有し、
前記第1の反射面で反射した光を前記第2の反射面で反射することにより、前記第1の反射面の径方向内側の出口から前記撮像部の観察領域に向けて光を照射することを特徴とする照明器具を提供することにより達成される。
【0010】
上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、基本的には、
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を取り込む光取込口と、該光取込口から取り込まれた光を反射させながら誘導する光反射通路と、該光反射通路により誘導された光を外部に照射する光照射口とを有する照明器具であって、
前記光取込口が設けられた後端部と、
前記光反射通路の出口が設けられ且つ該後端部よりも拡開した前端部と、
該後端部と前記前端部との間に位置し、内部に前記光反射通路が形成された光誘導部と、
前記前端部に設けられた前記光反射通路の出口に対面して配置され、前記光反射通路から出た光を前記後端部に向けて後方に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部にて反射した光を、前記第1の反射部の径方向内側に形成された前記光照射口に向けて前方に反射する第2の反射部とを有し、
前記後端部には、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に前記撮像部の光軸を通過させるための観察通路が形成されていることする特徴とする照明器具を提供することにより達成される。
【0011】
本発明の典型例は、光源を含む撮像装置に上述した照明器具が取り付けられる。光源の典型例としてLEDを挙げることができる。
【0012】
本発明の他の目的、作用効果は、本発明の好ましい実施形態の詳しい説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】カメラと照明の光源としての4つのLEDとを内蔵した撮像装置に装着した照明アタッチメントの側面図である。
【図2】図1の撮像装置に装着した照明アタッチメントの正面図である。
【図3】撮像装置と照明アタッチメントとが分離した状態の図であり、斜め後方から見た斜視図である。
【図4】撮像装置の分解斜視図である。
【図5】実施例の照明アタッチメントを斜め前方から見た分解斜視図である。
【図6】実施例の照明アタッチメントを斜め後方から見た分解斜視図である。
【図7】実施例の照明アタッチメントの縦断面図である。
【図8】撮像装置と、これに組み付けた照明アタッチメントとの連結部分の断面図である。
【図9】照明アタッチメントの第1変形例を説明するための断面図である。
【図10】照明アタッチメントの第2変形例を説明するための断面図である。
【図11】本発明の概念構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0014】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0015】
図1はCCDカメラを内蔵した撮像装置に脱着自在に組み付けた照明アタッチメントを示す側面図であり、図2は撮像装置の前端に組み付けた照明アタッチメントの正面図である。図1を参照して、参照符号1は撮像装置を示し、その先端部(図1では下端部)に、同一の円周上に配置した4つのLEDを備えた内蔵照明ユニット206が一体的に組み付けられている。この4つのLEDを図2において参照符号4で示してある。
【0016】
図3は、後方(撮像装置1側)から見た撮像装置1と照明アタッチメントとの分解斜視図である。撮像装置1の前端部を構成する内蔵照明ユニット206は円筒形状を有する。他方、撮像装置1に脱着自在に組み付けられる照明アタッチメント6は、その後端に円筒状の連結スリーブ8を有している。この連結スリーブ8は前述した撮像装置の断面円形の内蔵照明ユニット206の直径と実質的に同じ内径を有する。内蔵照明ユニット206に連結スリーブ8を嵌合させると共に、連結スリーブ8に形成されている4つの貫通孔8aに挿入されるネジ(図示せず)を使って照明アタッチメント6を撮像装置1の内蔵照明ユニット206に固定することによって、照明アタッチメント6が撮像装置1に一体化される。
【0017】
照明アタッチメント6を説明する前に、この照明アタッチメント6が取り付けられる撮像装置1の概要を図4を参照して説明する。図4は撮像装置1を斜め前方から見た分解斜視図である。撮像装置1は、エンド部材200を含むCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204(フォーカス自動調整機能付き)と、内蔵照明ユニット206、複数の基板208と、前端止めリング210とを有する。撮像装置1のケース212は、その後側でCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204を包囲するケースを構成している。ケース212は、また、その前端部に内蔵照明ユニット206を収容するためのケースを構成している。
【0018】
図4に見られる参照符号216は円筒状の鏡筒を示す。鏡筒216はケース212の前端部分の中央に形成され、この鏡筒216を通じて撮像視野領域の反射光がレンズユニット204、CMOSカメラユニット202に導かれる。この鏡筒216の周囲にはリング状の凹所218が形成されている。上述した内蔵照明ユニット206は中央開口206aを有し、この中央開口206aを鏡筒216が貫通した状態で内蔵照明ユニット206が凹所218に位置決めされる。内蔵照明ユニット206は前端カバー230で覆われる。
【0019】
撮像装置1は、内蔵照明ユニット206を動作させて撮像視野領域を照明しながら検査対象物を撮像し、そして撮像データの画像処理を実行して、その結果を出力する。内蔵照明ユニット206は、照明用のレンズ本体220とリフレクタ本体222とLED基板224の3つの構成要素で構成され、LED基板224に前述したLED4(図1)が配設されている。照明用のレンズ本体220は、その前面と後面にトロイダルレンズ220aが形成され、各トロイダルレンズ220aはLEDに対応した位置に配置されている。撮像装置1は、内蔵照明ユニット206を動作させて撮像視野領域を照明しながら検査対象物を撮像し、そして撮像データの画像処理を実行して、その結果を出力する。
【0020】
図5〜図6は実施例の照明アタッチメント6を示す図である。図5、図6は照明アタッチメント6の分解斜視図であり、図5は照明アタッチメント6を前方から見た図であり、図6は照明アタッチメントを後方から見た図である。図5、図6を参照して、照明アタッチメント6は、アウター10と、インナー12と、前端反射リング部材14との3つの部材で構成され、アウター10の中にインナー12を入れた後に、周方向に連続して延びる前端反射リング部材14の外周縁部をネジS(図3)でアウター10の開口縁部に固定することによって組み立てられる。アウター10及びインナー12は共に前方に向けて拡開したドームの外形形状を有している。そして、アウター10とインナー12とは全周に亘って同じ間隔に離間して位置決めされている。
【0021】
図7は、撮像装置1に照明アタッチメント6を組み付けた状態を示す図であり、図8は、照明アタッチメント6と撮像装置1の位置関係を示す縦断面図(一部模式図)である。この図8は、撮像装置1に内蔵されたCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204並びにLED4(内蔵照明ユニット206)の配置関係の概略が分かるように、内部構造を模式的に示している。実施例の撮像装置1は、上述したように、CMOSカメラユニット202及びレンズユニット204(の全部又は一部)を収容するケース212を有し、このケース212の前方部分に内蔵照明ユニット206が位置決めされている。内蔵照明ユニット206の複数のLED4は、実質的にCMOSカメラユニット202の撮像素子の光軸の周りに配置され、CMOSカメラユニット202により撮像される撮像領域に向けて光を照射する。レンズユニット204は、前述したように、CMOSカメラユニット202のフォーカス位置を調整するためのフォーカス調整機構を有し、CMOSカメラユニット202とLED基板224との間に配置されている。
【0022】
また、内蔵照明ユニット206は、ケース212の前方部分に形成された鏡筒216(換言すれば、円筒状の筒部)に貫通されて鏡筒216の周囲に配置されている。他方、鏡筒216の内部通路(観察通路22:図7)をCMOSカメラユニット202の撮像素子の光軸が通る。鏡筒216は撮像装置1の先端部分まで延びることによって、撮像装置1に照明アタッチメント6が取り付けられたときLED4の光が撮像装置1内で鏡筒216の内部に直接的に侵入するのを防いでいる。
【0023】
図7を参照して、互いに離間して配置されたアウター10とインナー12との間つまりアウター10の内面10aとインナー12aの外面12aとの間に円周方向に延び且つアウター10の高さ方向つまり拡開方向に伸びる通路Pが形成されている。この通路Pは、光源つまりLED4が発した光を照明アタッチメント6の先端に向けて反射を繰り返しながら誘導する光反射通路を構成する。この光反射通路Pは、アウター10とインナー12とで外形輪郭が前端に向けて拡開し且つ外方に向けて凸形状に湾曲したドーム形状を有している。
【0024】
光反射通路Pは実施例のように空間で構成してもよいし、中実の例えば光透過性樹脂で構成してもよい。光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面つまりアウター10の内面10aとインナー12の外面12aのいずれか一方、好ましくは双方の表面性状が光を散乱させる機能を有しているのがよく、このことは例えばアウター10の内面10a及び/又はインナー12の外面12aに、例えば光を散乱させることのできる塗料を塗布することにより実現することができる。光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面の性状に光散乱機能を付加することは、実施例のように数少ないLED4の光源の場合に効果的である。光拡散機能を付与する手段として、例えば光反射機能付き樹脂を挙げることができる。この実施例では数少ない光源(LED4)を前提として光拡散機能を付与してあるが、数多い光源に対しては光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面は鏡面であってもよい。
【0025】
前述した前端反射リング部材14は、その外周縁部がアウター10の前端つまり開放端に連結されて径方向内方且つ周方向に延びる形状を有し、前端反射リング部材14の内周縁は、照明アタッチメント6から観察領域に向けて光を照射する円形輪郭の光照射口18を形成している。前端反射リング部材14は、この実施例では、前端反射リング部材14の内面で構成される反転反射面14aが照明アタッチメント6の後端つまりLED4の光を取り入れる入口16側に向けて凹形状に湾曲した曲面の形状を有し、光反射通路Pから出た光をインナー12の深部つまり入口16側に向けて光を反射する。前端反射リング部材14の内面つまり反転反射面14aも好ましくは光拡散機能を備えているのがよい。
【0026】
ここで、この反転反射面14aは、インナー12の前端部より径方向内側へ突出し、且つ、照明アタッチメント6の前端部の周方向に延びるフランジ部の一部として機能する。光反射通路Pから出た光は、この反転反射面14aによって後方(図7でいうと上方)に反射される。このように、径方向内側へ突出したフランジ部を設けることによって、光反射通路Pから出た光をより確実に(前方への光の漏れを少なくしつつ)後方に反射することができる。
【0027】
インナー12の内面12bは、前端反射リング部材14の反転反射面14aからの光を反射させて光照射口18から観察領域に向けて照明する機能を有し、好ましい形状として前端つまり光照射口18側に向けて徐々に拡開した湾曲形状を有している。
【0028】
図7及び図8を参照して、インナー12の頂部には軸線方向に延びる断面円形のスリーブ(観察筒)20が一体的に形成されており、このスリーブ(観察筒)20によって観察通路22が形成され、この観察通路22を通じて対象物からの反射光が撮像装置1に入力される。より具体的に説明すると、撮像装置1に照明アタッチメント6が取り付けられたとき、上述した鏡筒216(図4、図7、図8)の内部通路と、インナー12の後端部分に形成されたスリーブ(観察筒)20内部の観察通路22とが、略一直線上に位置決めされる。つまり、鏡筒216の内部通路の径方向の大きさ(鏡筒216の内径)と観察通路22の径方向の大きさ(観察筒20の内径)とが、実質的に同じ且つ同軸に位置するように構成されている。これにより、撮像装置1から照明アタッチメント6内に入射されたLED4の光が、観察通路22に直接入り込むのを防いでいる。つまり、内蔵照明ユニット206(LED4)から出射された光は、光反射通路Pに侵入することなく鏡筒216の内部通路及び観察筒(スリーブ)20の観察通路22に直接入り込めないようになっている。また、LED4からの光を取り込む光取込口(図11において後述する光取込口112に相当)は、観察筒20の観察通路22の入口と同一平面上に形成され、且つ、撮像素子の光軸周りにLED4からの光を全て取り込むように構成されている。本実施例の場合、上述したように、LED4が載置されたLED基板が円環形状となっていることから、光取込口も円環形状を呈している。撮像装置1に付設されたLED4の光は、アウター10の後端とインナー12の後端との間の円周方向に延びる隙間つまり入口16を通じて光反射通路Pに入り込む。このとき、光取込口を通過した光は、撮像装置1の光軸方向に対して略45度傾いたスリーブ(観察筒)20に反射して、光反射通路Pに誘導される。このスリーブ20があることによって、光取込口を通過した光を効率的に光反射通路Pに誘導することができる。そして光反射通路Pを通過する過程でアウター10の内面10aとインナー12の外面12bとで反射を繰り返す毎に散乱して光のベクトルを分割、増加させながら、光反射通路Pから出る。図7の矢印は光の反射例を示しているが、この矢印は説明のために図示したに過ぎない。
【0029】
光反射通路Pから出た光は、この光反射通路Pの出口17に臨んで配置され且つ円周方向に延びる前端反射リング部材14の反転反射面14aで反射してインナー12の内側空間の深部に向かう。次いで、このインナー12の内面12bで反射して照明アタッチメント6の照射口18を通じて観察領域を照明することになる。インナー12の内面12bは鏡面仕上げされていてもよいが、この実施例では光拡散機能を有しており、このインナー12の内面12bでも光の拡散が行われる。
【0030】
上記のように、撮像装置1の少ない数の光源であるLED4が発した光は、照明アタッチメント10を経由することで、そのベクトルが複数に分割され、拡散光によって観察領域を万遍なく照明することができる。したがって、対象物がフィルムで覆われたお菓子、メッキされた曲面の部品、レンズなどであっても撮像装置1で適切に撮像することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されないのは言うまでもない。図9、図10は変形例を示す。図9の照明アタッチメント30は、アウター10の内面10aが直線状に延びる平面で構成され、また、インナー12の外面12a、内面12bも直線状に延びる平面で構成されている。図10の照明アタッチメント40は、アウター10の内面10aが角を備えた2つの互いに交差する平面で構成され、また、インナー12の外面12a、内面12bも角を備えた2つの互いに交差する平面で構成され、更に前端反射リング部材14の反転反射面14aも平面で構成されている。
【0032】
このようにアウター10の内面10a、インナー12の外面12a、内面12b、前端反射リング部材14の反転反射面14aは、いずれも湾曲した面で構成しても良いし、角の有無を問わず平面で構成しても良い。例えば図9、図10のインナー12の内面12bを前述した実施例のインナー12(図7)の内面12bのように湾曲した面で構成してもよい。
【0033】
図7〜図10を参照して、光誘導部の後端部と前端部とでは、前端部の径の方が大きい。具体的に説明すると、図7に示すインナー12(またはアウター10)の前端部により形成される光照射口18の径(開口面積)は、図7に示す連結スリーブ8の開口の径(開口面積)よりも大きい。また、図9においても図10においても同様に、光誘導部となるインナー12(またはアウター10)の前端部により形成される光照射口18の径(開口面積)は、連結スリーブ8の開口の径(開口面積)よりも大きい。このように、光誘導部の前端部は、後端部よりも拡開しているといえる。これにより、光反射通路Pにて光が反射する距離、すなわちベクトルを分割して光を散乱光に近づけるための距離をかせぐことができる。
【0034】
「前端部」と「後端部」について、図11に示す概念図を用いて説明する。図11は、本発明の実施例に係る照明アタッチメント100の概念図を示す図である。図11に示す照明アタッチメント100は、ワークWの外観検査に用いられるものであって、凹凸による影やフィルムによるハレーションに起因して外観検査が困難なワークWを判別するためのものである(例えばアルミ包材上の印字などを透明フィルム越しに判別する等)。
【0035】
照明アタッチメント100は、光源101に取り付け可能である。この光源101は、上述したように、撮像装置1であってもよいし、カメラを有しない単純な光源であってもよい。光源101から出射される光の出射方向は、照明アタッチメント100の前後方向(図11でいうと上下方向)である。換言すれば、照明アタッチメント100の取り付け方向と平行であって、照明アタッチメント100の取り付け向き(図11に示す矢印の向き)と逆向きである。
【0036】
照明アタッチメント100は、光源101からの光を取り込む光取込口(入口)112が設けられた後端部103と、後端部103よりも拡開した前端部104を備える光誘導部102を有しており、後端部103から前端部104にかけて、光誘導部102の内部に光反射通路105が形成されている。この光反射通路105の内部では、光が繰り返し反射され(図11中の矢印参照)、反射の過程で光ベクトルが分割され、より均一な光に近づいていく。後端部103と、後端部103より拡開した前端部104に関して補足すると、後端部103の径をr1とし、前端部104の径をr2とすると、r1<r2の関係が成立している。言い換えると、照明アタッチメント100の中心軸(光源101が撮像装置1の場合、撮像部の光軸)と略直交する方向の径を考えたとき、r1<r2の関係が成立している。これにより、光源101から出射された光は、光反射通路105の内部で反射を繰り返しながら、照明アタッチメント100の中心軸から次第に離れていく。光反射通路105に角部が存在すると、そこに光が集まって結果的に照明ムラに繋がるため、好ましくは、図7に示すようにRをつける、すなわち光誘導部102を略ドーム形状(略半球形状、略笠形状)にすることが好ましい。これにより、ワークWの照明ムラを抑えることができる。光誘導部102をドーム形状にした場合、その天頂を含む天頂付近(天頂部)を光源101に取り付ければよい。
【0037】
前端部104には、光反射通路105の出口112が設けられ、この出口112に対面して第1の反射部106が配置される。この第1の反射部106によって、光反射通路105の出口112から出た光は後端部103に向けて後方に反射される。換言すれば、光反射通路105の出口112から出た光は、照明アタッチメント100の中心軸に近づくように、光誘導部102により形成される内部空間に向けて反射される。そして、第1の反射部106にて反射した光は、第2の反射部107によって更に反射される。言い換えると、第1の反射部106の径方向内側に形成された光照射口114に向けて前方に反射される。さらに言い換えると、照明アタッチメント100の取り付け向きと略反対の向きに反射される。なお、光源101として撮像装置1を用いた場合、図7に示す照明アタッチメント6と同様に、第2の反射部107の中心に撮像窓を設ける必要がある。また、第2の反射部107は、図7に示す照明アタッチメント6と同様に、光誘導部102の径方向最内面で代用することも可能である。これにより、第2の反射部107として別部材を用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0038】
このように、本実施例に係る照明アタッチメント100は、光源101から出射された光を、光反射通路105で繰り返し反射させながら前方に伝播させ、第1の反射部106によって一旦後方に反射させた後、さらに第2の反射部107によって前方に反射させるようにしている。このような構成を採用することによって、従来技術にあるような光ファイバを配線する必要はないし、第1の反射部106にLED等の光源を配置する必要はない。その結果、ワークから照明アタッチメント100の縁部付近(第1の反射部106付近)に水滴が飛び散ったとしても、光源の故障を防ぐことができる(場合によっては、光源の防水処理等も不要である)。また、第1の反射部106に光源を配置する必要がないことによって、照明アタッチメント100の縁部付近が(例えば径方向外側に)大型化するのを防ぐことができる。
【0039】
以上、撮像装置1や光源101に対して脱着可能な照明アタッチメント6として典型的な実施例を説明したが、撮像装置1や光源101に照明アタッチメント6を容易に取り外すことができない状態で組み付けて、照明アタッチメント6を撮像装置1や光源101と一体構造にしてもよい。
【0040】
また、例えば撮像装置1に内蔵した光源を撮像装置1から分離させ、この分離した光源に本発明の照明装置を装着して撮像領域を照明しながら、この撮像領域を斜めに臨む位置にカメラ(撮像装置)を設置して撮像するようにしてもよい。また、カメラに光ファイバの一端を接続した撮像システムに対して本発明の照明装置を組み付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 撮像装置
206 内蔵照明ユニット
4 LED(光源)
6 照明アタッチメント
8 連結スリーブ
10 照明アタッチメントのアウター
10a アウターの内面
12 照明アタッチメントのインナー
12a インナーの外面
12b インナーの内面(第2の反射面)
14 前端反射リング部材
14a 反射リングの反転反射面(第1の反射面)
16 光反射通路の入口(光取込口)
17 光反射通路の出口
18 照明アタッチメントの光照射口
20 インナーの頂部のスリーブ(観察筒)
22 観察通路
101 光源
P アウターとインナーとの間の通路(光反射通路)
【技術分野】
【0001】
本発明は照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCDカメラなどの撮像装置が知られている。その一例が特許文献1に開示の視覚センサ装置であり、他の例が特許文献2の撮像装置である。特許文献1は、それまで別体であったCCDカメラとLED照明器具とを一体化することを提案している。特許文献2は、カメラのレンズホルダの前端にLED基板を配置し、このLED基板に数多くのLEDを配置した撮像装置を開示している。
【0003】
照明装置に関して、特許文献3はドーム型照明器具を開示している。このドーム型照明器具は、乳白色のアクリル樹脂性のドームを有し、このドームは、その頂部にCCDカメラや顕微鏡の鏡胴を挿入する挿入孔を有している。そして、ドームの湾曲した壁の全域に60カ所の孔が形成され、各孔に多成分ガラス光ファイバ束の先端が固定されている。このドーム型照明器具は、新しい金属線、ワイヤ、メッキされた曲面の部品、レンズ、金属球、ハンダスポットなどの平滑な曲面を備え且つ表面反射率の高い対象物をその側面までCCDカメラや顕微鏡で観察することができるという利点がある。
【0004】
特許文献4は、カメラを使って、内容物を充填したPETボトルの底部に沈殿する異物を検査する検査システムを開示している。この検査システムは、PETボトルの下方からPETボトルの底面及び底面回動部に向けてフレネルレンズを介して光を照射する下部照明と、PETボトルの上方からPETボトルに向けて光を照射する上部照明とを有している。上部照明は、下方に向けて開放したドーム型の反射鏡を有し、ドーム型反射鏡の下方に配置した光源から上方に向けて照射した光をドーム型反射鏡で反射することでPETボトルを上方から照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−320538号公報
【特許文献2】特開2007−214682号公報
【特許文献3】実開平6−60802号公報
【特許文献4】特開2010−60312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
照明光は照射する光にベクトルを有し、対象物を観察するときにこの対象物の種類によっては、局部的にその見え方が悪化するという問題を有している。例えば、フィルムで覆われたお菓子を観察する場合、照射する光にベクトルがあると内容物であるお菓子を観察し難くなる。照明光の光源がLEDの場合には、LEDの特性からその傾向が強くなる。また、照明器具に配置したLEDの数を少なくすると観察領域が局部的に見え難くなるという問題が発生する。この場合にも光源がLEDの場合には、その傾向が強くなる。
【0007】
本発明の目的は、ベクトルを極力小さくした光を対象物に照射することのできる照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置を提供することにある。
【0008】
本発明の更なる目的は、少ない数のLEDで観察領域を万遍なく照射することのできる照明器具及びこれを組み込んだ撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、基本的には、
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を後端部から取り入れて、光の反射を繰り返しながら前端部から該撮像部の観察領域に光を照射する照明器具であって、
前記後端部から前記前端部に向けて拡開した輪郭形状を有し、前記後端部に位置する入口から入った光を反復的に反射させながら前記前端部側に向けて誘導する光反射通路と、
該光反射通路の出口に対面して配置され、該光反射通路から出た光を前記後端部側に向けて反射し且つ前記前端部の周方向に延びる第1の反射面と、
前記光反射通路の内側に位置し且つ前記撮像部の観察領域に向けて徐々に拡開して前記撮像部の観察領域に向けて開放した第2の反射面とを有し、
前記第1の反射面で反射した光を前記第2の反射面で反射することにより、前記第1の反射面の径方向内側の出口から前記撮像部の観察領域に向けて光を照射することを特徴とする照明器具を提供することにより達成される。
【0010】
上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、基本的には、
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を取り込む光取込口と、該光取込口から取り込まれた光を反射させながら誘導する光反射通路と、該光反射通路により誘導された光を外部に照射する光照射口とを有する照明器具であって、
前記光取込口が設けられた後端部と、
前記光反射通路の出口が設けられ且つ該後端部よりも拡開した前端部と、
該後端部と前記前端部との間に位置し、内部に前記光反射通路が形成された光誘導部と、
前記前端部に設けられた前記光反射通路の出口に対面して配置され、前記光反射通路から出た光を前記後端部に向けて後方に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部にて反射した光を、前記第1の反射部の径方向内側に形成された前記光照射口に向けて前方に反射する第2の反射部とを有し、
前記後端部には、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に前記撮像部の光軸を通過させるための観察通路が形成されていることする特徴とする照明器具を提供することにより達成される。
【0011】
本発明の典型例は、光源を含む撮像装置に上述した照明器具が取り付けられる。光源の典型例としてLEDを挙げることができる。
【0012】
本発明の他の目的、作用効果は、本発明の好ましい実施形態の詳しい説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】カメラと照明の光源としての4つのLEDとを内蔵した撮像装置に装着した照明アタッチメントの側面図である。
【図2】図1の撮像装置に装着した照明アタッチメントの正面図である。
【図3】撮像装置と照明アタッチメントとが分離した状態の図であり、斜め後方から見た斜視図である。
【図4】撮像装置の分解斜視図である。
【図5】実施例の照明アタッチメントを斜め前方から見た分解斜視図である。
【図6】実施例の照明アタッチメントを斜め後方から見た分解斜視図である。
【図7】実施例の照明アタッチメントの縦断面図である。
【図8】撮像装置と、これに組み付けた照明アタッチメントとの連結部分の断面図である。
【図9】照明アタッチメントの第1変形例を説明するための断面図である。
【図10】照明アタッチメントの第2変形例を説明するための断面図である。
【図11】本発明の概念構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0014】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0015】
図1はCCDカメラを内蔵した撮像装置に脱着自在に組み付けた照明アタッチメントを示す側面図であり、図2は撮像装置の前端に組み付けた照明アタッチメントの正面図である。図1を参照して、参照符号1は撮像装置を示し、その先端部(図1では下端部)に、同一の円周上に配置した4つのLEDを備えた内蔵照明ユニット206が一体的に組み付けられている。この4つのLEDを図2において参照符号4で示してある。
【0016】
図3は、後方(撮像装置1側)から見た撮像装置1と照明アタッチメントとの分解斜視図である。撮像装置1の前端部を構成する内蔵照明ユニット206は円筒形状を有する。他方、撮像装置1に脱着自在に組み付けられる照明アタッチメント6は、その後端に円筒状の連結スリーブ8を有している。この連結スリーブ8は前述した撮像装置の断面円形の内蔵照明ユニット206の直径と実質的に同じ内径を有する。内蔵照明ユニット206に連結スリーブ8を嵌合させると共に、連結スリーブ8に形成されている4つの貫通孔8aに挿入されるネジ(図示せず)を使って照明アタッチメント6を撮像装置1の内蔵照明ユニット206に固定することによって、照明アタッチメント6が撮像装置1に一体化される。
【0017】
照明アタッチメント6を説明する前に、この照明アタッチメント6が取り付けられる撮像装置1の概要を図4を参照して説明する。図4は撮像装置1を斜め前方から見た分解斜視図である。撮像装置1は、エンド部材200を含むCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204(フォーカス自動調整機能付き)と、内蔵照明ユニット206、複数の基板208と、前端止めリング210とを有する。撮像装置1のケース212は、その後側でCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204を包囲するケースを構成している。ケース212は、また、その前端部に内蔵照明ユニット206を収容するためのケースを構成している。
【0018】
図4に見られる参照符号216は円筒状の鏡筒を示す。鏡筒216はケース212の前端部分の中央に形成され、この鏡筒216を通じて撮像視野領域の反射光がレンズユニット204、CMOSカメラユニット202に導かれる。この鏡筒216の周囲にはリング状の凹所218が形成されている。上述した内蔵照明ユニット206は中央開口206aを有し、この中央開口206aを鏡筒216が貫通した状態で内蔵照明ユニット206が凹所218に位置決めされる。内蔵照明ユニット206は前端カバー230で覆われる。
【0019】
撮像装置1は、内蔵照明ユニット206を動作させて撮像視野領域を照明しながら検査対象物を撮像し、そして撮像データの画像処理を実行して、その結果を出力する。内蔵照明ユニット206は、照明用のレンズ本体220とリフレクタ本体222とLED基板224の3つの構成要素で構成され、LED基板224に前述したLED4(図1)が配設されている。照明用のレンズ本体220は、その前面と後面にトロイダルレンズ220aが形成され、各トロイダルレンズ220aはLEDに対応した位置に配置されている。撮像装置1は、内蔵照明ユニット206を動作させて撮像視野領域を照明しながら検査対象物を撮像し、そして撮像データの画像処理を実行して、その結果を出力する。
【0020】
図5〜図6は実施例の照明アタッチメント6を示す図である。図5、図6は照明アタッチメント6の分解斜視図であり、図5は照明アタッチメント6を前方から見た図であり、図6は照明アタッチメントを後方から見た図である。図5、図6を参照して、照明アタッチメント6は、アウター10と、インナー12と、前端反射リング部材14との3つの部材で構成され、アウター10の中にインナー12を入れた後に、周方向に連続して延びる前端反射リング部材14の外周縁部をネジS(図3)でアウター10の開口縁部に固定することによって組み立てられる。アウター10及びインナー12は共に前方に向けて拡開したドームの外形形状を有している。そして、アウター10とインナー12とは全周に亘って同じ間隔に離間して位置決めされている。
【0021】
図7は、撮像装置1に照明アタッチメント6を組み付けた状態を示す図であり、図8は、照明アタッチメント6と撮像装置1の位置関係を示す縦断面図(一部模式図)である。この図8は、撮像装置1に内蔵されたCMOSカメラユニット202及びレンズユニット204並びにLED4(内蔵照明ユニット206)の配置関係の概略が分かるように、内部構造を模式的に示している。実施例の撮像装置1は、上述したように、CMOSカメラユニット202及びレンズユニット204(の全部又は一部)を収容するケース212を有し、このケース212の前方部分に内蔵照明ユニット206が位置決めされている。内蔵照明ユニット206の複数のLED4は、実質的にCMOSカメラユニット202の撮像素子の光軸の周りに配置され、CMOSカメラユニット202により撮像される撮像領域に向けて光を照射する。レンズユニット204は、前述したように、CMOSカメラユニット202のフォーカス位置を調整するためのフォーカス調整機構を有し、CMOSカメラユニット202とLED基板224との間に配置されている。
【0022】
また、内蔵照明ユニット206は、ケース212の前方部分に形成された鏡筒216(換言すれば、円筒状の筒部)に貫通されて鏡筒216の周囲に配置されている。他方、鏡筒216の内部通路(観察通路22:図7)をCMOSカメラユニット202の撮像素子の光軸が通る。鏡筒216は撮像装置1の先端部分まで延びることによって、撮像装置1に照明アタッチメント6が取り付けられたときLED4の光が撮像装置1内で鏡筒216の内部に直接的に侵入するのを防いでいる。
【0023】
図7を参照して、互いに離間して配置されたアウター10とインナー12との間つまりアウター10の内面10aとインナー12aの外面12aとの間に円周方向に延び且つアウター10の高さ方向つまり拡開方向に伸びる通路Pが形成されている。この通路Pは、光源つまりLED4が発した光を照明アタッチメント6の先端に向けて反射を繰り返しながら誘導する光反射通路を構成する。この光反射通路Pは、アウター10とインナー12とで外形輪郭が前端に向けて拡開し且つ外方に向けて凸形状に湾曲したドーム形状を有している。
【0024】
光反射通路Pは実施例のように空間で構成してもよいし、中実の例えば光透過性樹脂で構成してもよい。光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面つまりアウター10の内面10aとインナー12の外面12aのいずれか一方、好ましくは双方の表面性状が光を散乱させる機能を有しているのがよく、このことは例えばアウター10の内面10a及び/又はインナー12の外面12aに、例えば光を散乱させることのできる塗料を塗布することにより実現することができる。光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面の性状に光散乱機能を付加することは、実施例のように数少ないLED4の光源の場合に効果的である。光拡散機能を付与する手段として、例えば光反射機能付き樹脂を挙げることができる。この実施例では数少ない光源(LED4)を前提として光拡散機能を付与してあるが、数多い光源に対しては光反射通路Pの外壁面及び/又は内壁面は鏡面であってもよい。
【0025】
前述した前端反射リング部材14は、その外周縁部がアウター10の前端つまり開放端に連結されて径方向内方且つ周方向に延びる形状を有し、前端反射リング部材14の内周縁は、照明アタッチメント6から観察領域に向けて光を照射する円形輪郭の光照射口18を形成している。前端反射リング部材14は、この実施例では、前端反射リング部材14の内面で構成される反転反射面14aが照明アタッチメント6の後端つまりLED4の光を取り入れる入口16側に向けて凹形状に湾曲した曲面の形状を有し、光反射通路Pから出た光をインナー12の深部つまり入口16側に向けて光を反射する。前端反射リング部材14の内面つまり反転反射面14aも好ましくは光拡散機能を備えているのがよい。
【0026】
ここで、この反転反射面14aは、インナー12の前端部より径方向内側へ突出し、且つ、照明アタッチメント6の前端部の周方向に延びるフランジ部の一部として機能する。光反射通路Pから出た光は、この反転反射面14aによって後方(図7でいうと上方)に反射される。このように、径方向内側へ突出したフランジ部を設けることによって、光反射通路Pから出た光をより確実に(前方への光の漏れを少なくしつつ)後方に反射することができる。
【0027】
インナー12の内面12bは、前端反射リング部材14の反転反射面14aからの光を反射させて光照射口18から観察領域に向けて照明する機能を有し、好ましい形状として前端つまり光照射口18側に向けて徐々に拡開した湾曲形状を有している。
【0028】
図7及び図8を参照して、インナー12の頂部には軸線方向に延びる断面円形のスリーブ(観察筒)20が一体的に形成されており、このスリーブ(観察筒)20によって観察通路22が形成され、この観察通路22を通じて対象物からの反射光が撮像装置1に入力される。より具体的に説明すると、撮像装置1に照明アタッチメント6が取り付けられたとき、上述した鏡筒216(図4、図7、図8)の内部通路と、インナー12の後端部分に形成されたスリーブ(観察筒)20内部の観察通路22とが、略一直線上に位置決めされる。つまり、鏡筒216の内部通路の径方向の大きさ(鏡筒216の内径)と観察通路22の径方向の大きさ(観察筒20の内径)とが、実質的に同じ且つ同軸に位置するように構成されている。これにより、撮像装置1から照明アタッチメント6内に入射されたLED4の光が、観察通路22に直接入り込むのを防いでいる。つまり、内蔵照明ユニット206(LED4)から出射された光は、光反射通路Pに侵入することなく鏡筒216の内部通路及び観察筒(スリーブ)20の観察通路22に直接入り込めないようになっている。また、LED4からの光を取り込む光取込口(図11において後述する光取込口112に相当)は、観察筒20の観察通路22の入口と同一平面上に形成され、且つ、撮像素子の光軸周りにLED4からの光を全て取り込むように構成されている。本実施例の場合、上述したように、LED4が載置されたLED基板が円環形状となっていることから、光取込口も円環形状を呈している。撮像装置1に付設されたLED4の光は、アウター10の後端とインナー12の後端との間の円周方向に延びる隙間つまり入口16を通じて光反射通路Pに入り込む。このとき、光取込口を通過した光は、撮像装置1の光軸方向に対して略45度傾いたスリーブ(観察筒)20に反射して、光反射通路Pに誘導される。このスリーブ20があることによって、光取込口を通過した光を効率的に光反射通路Pに誘導することができる。そして光反射通路Pを通過する過程でアウター10の内面10aとインナー12の外面12bとで反射を繰り返す毎に散乱して光のベクトルを分割、増加させながら、光反射通路Pから出る。図7の矢印は光の反射例を示しているが、この矢印は説明のために図示したに過ぎない。
【0029】
光反射通路Pから出た光は、この光反射通路Pの出口17に臨んで配置され且つ円周方向に延びる前端反射リング部材14の反転反射面14aで反射してインナー12の内側空間の深部に向かう。次いで、このインナー12の内面12bで反射して照明アタッチメント6の照射口18を通じて観察領域を照明することになる。インナー12の内面12bは鏡面仕上げされていてもよいが、この実施例では光拡散機能を有しており、このインナー12の内面12bでも光の拡散が行われる。
【0030】
上記のように、撮像装置1の少ない数の光源であるLED4が発した光は、照明アタッチメント10を経由することで、そのベクトルが複数に分割され、拡散光によって観察領域を万遍なく照明することができる。したがって、対象物がフィルムで覆われたお菓子、メッキされた曲面の部品、レンズなどであっても撮像装置1で適切に撮像することができる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されないのは言うまでもない。図9、図10は変形例を示す。図9の照明アタッチメント30は、アウター10の内面10aが直線状に延びる平面で構成され、また、インナー12の外面12a、内面12bも直線状に延びる平面で構成されている。図10の照明アタッチメント40は、アウター10の内面10aが角を備えた2つの互いに交差する平面で構成され、また、インナー12の外面12a、内面12bも角を備えた2つの互いに交差する平面で構成され、更に前端反射リング部材14の反転反射面14aも平面で構成されている。
【0032】
このようにアウター10の内面10a、インナー12の外面12a、内面12b、前端反射リング部材14の反転反射面14aは、いずれも湾曲した面で構成しても良いし、角の有無を問わず平面で構成しても良い。例えば図9、図10のインナー12の内面12bを前述した実施例のインナー12(図7)の内面12bのように湾曲した面で構成してもよい。
【0033】
図7〜図10を参照して、光誘導部の後端部と前端部とでは、前端部の径の方が大きい。具体的に説明すると、図7に示すインナー12(またはアウター10)の前端部により形成される光照射口18の径(開口面積)は、図7に示す連結スリーブ8の開口の径(開口面積)よりも大きい。また、図9においても図10においても同様に、光誘導部となるインナー12(またはアウター10)の前端部により形成される光照射口18の径(開口面積)は、連結スリーブ8の開口の径(開口面積)よりも大きい。このように、光誘導部の前端部は、後端部よりも拡開しているといえる。これにより、光反射通路Pにて光が反射する距離、すなわちベクトルを分割して光を散乱光に近づけるための距離をかせぐことができる。
【0034】
「前端部」と「後端部」について、図11に示す概念図を用いて説明する。図11は、本発明の実施例に係る照明アタッチメント100の概念図を示す図である。図11に示す照明アタッチメント100は、ワークWの外観検査に用いられるものであって、凹凸による影やフィルムによるハレーションに起因して外観検査が困難なワークWを判別するためのものである(例えばアルミ包材上の印字などを透明フィルム越しに判別する等)。
【0035】
照明アタッチメント100は、光源101に取り付け可能である。この光源101は、上述したように、撮像装置1であってもよいし、カメラを有しない単純な光源であってもよい。光源101から出射される光の出射方向は、照明アタッチメント100の前後方向(図11でいうと上下方向)である。換言すれば、照明アタッチメント100の取り付け方向と平行であって、照明アタッチメント100の取り付け向き(図11に示す矢印の向き)と逆向きである。
【0036】
照明アタッチメント100は、光源101からの光を取り込む光取込口(入口)112が設けられた後端部103と、後端部103よりも拡開した前端部104を備える光誘導部102を有しており、後端部103から前端部104にかけて、光誘導部102の内部に光反射通路105が形成されている。この光反射通路105の内部では、光が繰り返し反射され(図11中の矢印参照)、反射の過程で光ベクトルが分割され、より均一な光に近づいていく。後端部103と、後端部103より拡開した前端部104に関して補足すると、後端部103の径をr1とし、前端部104の径をr2とすると、r1<r2の関係が成立している。言い換えると、照明アタッチメント100の中心軸(光源101が撮像装置1の場合、撮像部の光軸)と略直交する方向の径を考えたとき、r1<r2の関係が成立している。これにより、光源101から出射された光は、光反射通路105の内部で反射を繰り返しながら、照明アタッチメント100の中心軸から次第に離れていく。光反射通路105に角部が存在すると、そこに光が集まって結果的に照明ムラに繋がるため、好ましくは、図7に示すようにRをつける、すなわち光誘導部102を略ドーム形状(略半球形状、略笠形状)にすることが好ましい。これにより、ワークWの照明ムラを抑えることができる。光誘導部102をドーム形状にした場合、その天頂を含む天頂付近(天頂部)を光源101に取り付ければよい。
【0037】
前端部104には、光反射通路105の出口112が設けられ、この出口112に対面して第1の反射部106が配置される。この第1の反射部106によって、光反射通路105の出口112から出た光は後端部103に向けて後方に反射される。換言すれば、光反射通路105の出口112から出た光は、照明アタッチメント100の中心軸に近づくように、光誘導部102により形成される内部空間に向けて反射される。そして、第1の反射部106にて反射した光は、第2の反射部107によって更に反射される。言い換えると、第1の反射部106の径方向内側に形成された光照射口114に向けて前方に反射される。さらに言い換えると、照明アタッチメント100の取り付け向きと略反対の向きに反射される。なお、光源101として撮像装置1を用いた場合、図7に示す照明アタッチメント6と同様に、第2の反射部107の中心に撮像窓を設ける必要がある。また、第2の反射部107は、図7に示す照明アタッチメント6と同様に、光誘導部102の径方向最内面で代用することも可能である。これにより、第2の反射部107として別部材を用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0038】
このように、本実施例に係る照明アタッチメント100は、光源101から出射された光を、光反射通路105で繰り返し反射させながら前方に伝播させ、第1の反射部106によって一旦後方に反射させた後、さらに第2の反射部107によって前方に反射させるようにしている。このような構成を採用することによって、従来技術にあるような光ファイバを配線する必要はないし、第1の反射部106にLED等の光源を配置する必要はない。その結果、ワークから照明アタッチメント100の縁部付近(第1の反射部106付近)に水滴が飛び散ったとしても、光源の故障を防ぐことができる(場合によっては、光源の防水処理等も不要である)。また、第1の反射部106に光源を配置する必要がないことによって、照明アタッチメント100の縁部付近が(例えば径方向外側に)大型化するのを防ぐことができる。
【0039】
以上、撮像装置1や光源101に対して脱着可能な照明アタッチメント6として典型的な実施例を説明したが、撮像装置1や光源101に照明アタッチメント6を容易に取り外すことができない状態で組み付けて、照明アタッチメント6を撮像装置1や光源101と一体構造にしてもよい。
【0040】
また、例えば撮像装置1に内蔵した光源を撮像装置1から分離させ、この分離した光源に本発明の照明装置を装着して撮像領域を照明しながら、この撮像領域を斜めに臨む位置にカメラ(撮像装置)を設置して撮像するようにしてもよい。また、カメラに光ファイバの一端を接続した撮像システムに対して本発明の照明装置を組み付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 撮像装置
206 内蔵照明ユニット
4 LED(光源)
6 照明アタッチメント
8 連結スリーブ
10 照明アタッチメントのアウター
10a アウターの内面
12 照明アタッチメントのインナー
12a インナーの外面
12b インナーの内面(第2の反射面)
14 前端反射リング部材
14a 反射リングの反転反射面(第1の反射面)
16 光反射通路の入口(光取込口)
17 光反射通路の出口
18 照明アタッチメントの光照射口
20 インナーの頂部のスリーブ(観察筒)
22 観察通路
101 光源
P アウターとインナーとの間の通路(光反射通路)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を後端部から取り入れて、光の反射を繰り返しながら前端部から該撮像部の観察領域に光を照射する照明器具であって、
前記後端部から前記前端部に向けて拡開した輪郭形状を有し、前記後端部に位置する入口から入った光を反復的に反射させながら前記前端部側に向けて誘導する光反射通路と、
該光反射通路の出口に対面して配置され、該光反射通路から出た光を前記後端部側に向けて反射し且つ前記前端部の周方向に延びる第1の反射面と、
前記光反射通路の内側に位置し且つ前記撮像部の観察領域に向けて徐々に拡開して前記撮像部の観察領域に向けて開放した第2の反射面とを有し、
前記第1の反射面で反射した光を前記第2の反射面で反射することにより、前記第1の反射面の径方向内側の出口から前記撮像部の観察領域に向けて光を照射することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を取り込む光取込口と、該光取込口から取り込まれた光を反射させながら誘導する光反射通路と、該光反射通路により誘導された光を外部に照射する光照射口とを有する照明器具であって、
前記光取込口が設けられた後端部と、
前記光反射通路の出口が設けられ且つ該後端部よりも拡開した前端部と、
該後端部と前記前端部との間に位置し、内部に前記光反射通路が形成された光誘導部と、
前記前端部に設けられた前記光反射通路の出口に対面して配置され、前記光反射通路から出た光を前記後端部に向けて後方に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部にて反射した光を、前記第1の反射部の径方向内側に形成された前記光照射口に向けて前方に反射する第2の反射部とを有し、
前記後端部には、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に前記撮像部の光軸を通過させるための観察通路が形成されていることする特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記撮像装置における前記光源は、前記撮像部の光軸を取り囲むように配置されており、
前記光取込口は、前記光源からの光を全て取り込むように前記後端部に設けられている、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記光源の径方向内側に前記撮像部の光軸が通過する内部通路を有し、
前記観察通路と前記内部通路とは、径方向の大きさが実質的に同じになるように形成され、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に、同軸に位置決めされることを特徴とする。
【請求項5】
前記第1の反射部は、前記前端部より径方向内側へ突出し且つ前記前端部の周方向且つ内方に延びるフランジ部を有し、前記光反射通路から出た光を、該フランジ部によって後方に反射させる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第2の反射部は、光を拡散するための拡散処理が施された拡散面を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1の反射部は、前記前端部に向けて拡開するアウターと、該アウターの内側に位置し且つ前記前端部に向けて拡開するインナーとを有し、
前記光反射通路は、前記アウターと前記インナーによって構成され、
前記第2の反射部の前記拡散面が前記インナーの内面で構成されている、請求項2〜7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光反射通路を形成する内側面及び外側面と、前記第1の反射面と、前記第2の反射面の少なくとも一つの面が光を散乱させる機能を有している、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記第2の反射面がドーム状の湾曲した面で構成されている、請求項1又は8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記光源がLEDである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記光反射通路が前記前端部に向けて拡開するアウターの内面と、該アウターの内側に位置し且つ前記前端部に向けて拡開するインナーの外面とで構成され、
前記第1の反射面が前記アウターの開放端に連結された外周縁部を有し且つ周方向に連続して延びるリング部材の内面で構成され、
前記第2の反射面が前記インナーの内面で構成され、
該インナーの内面の反射光が前記リング部材で囲まれた前記光照射口から前記観察領域に向けて照射される、請求項7に記載の照明器具。
【請求項12】
前記アウターと前記インナーがドーム状の形状を有している、請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
前記リング部材の内面が前方に向けて凸に湾曲した面で構成されている、請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
光源を備えた撮像装置に脱着自在に装着可能である、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明器具が構成要素の一つに含む撮像装置。
【請求項1】
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を後端部から取り入れて、光の反射を繰り返しながら前端部から該撮像部の観察領域に光を照射する照明器具であって、
前記後端部から前記前端部に向けて拡開した輪郭形状を有し、前記後端部に位置する入口から入った光を反復的に反射させながら前記前端部側に向けて誘導する光反射通路と、
該光反射通路の出口に対面して配置され、該光反射通路から出た光を前記後端部側に向けて反射し且つ前記前端部の周方向に延びる第1の反射面と、
前記光反射通路の内側に位置し且つ前記撮像部の観察領域に向けて徐々に拡開して前記撮像部の観察領域に向けて開放した第2の反射面とを有し、
前記第1の反射面で反射した光を前記第2の反射面で反射することにより、前記第1の反射面の径方向内側の出口から前記撮像部の観察領域に向けて光を照射することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
検査対象物を撮像する撮像部と、該撮像部により観察される観察領域を照明するための光源とを有する撮像装置に取り付けられ、該光源からの光を取り込む光取込口と、該光取込口から取り込まれた光を反射させながら誘導する光反射通路と、該光反射通路により誘導された光を外部に照射する光照射口とを有する照明器具であって、
前記光取込口が設けられた後端部と、
前記光反射通路の出口が設けられ且つ該後端部よりも拡開した前端部と、
該後端部と前記前端部との間に位置し、内部に前記光反射通路が形成された光誘導部と、
前記前端部に設けられた前記光反射通路の出口に対面して配置され、前記光反射通路から出た光を前記後端部に向けて後方に反射する第1の反射部と、
前記第1の反射部にて反射した光を、前記第1の反射部の径方向内側に形成された前記光照射口に向けて前方に反射する第2の反射部とを有し、
前記後端部には、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に前記撮像部の光軸を通過させるための観察通路が形成されていることする特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記撮像装置における前記光源は、前記撮像部の光軸を取り囲むように配置されており、
前記光取込口は、前記光源からの光を全て取り込むように前記後端部に設けられている、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記光源の径方向内側に前記撮像部の光軸が通過する内部通路を有し、
前記観察通路と前記内部通路とは、径方向の大きさが実質的に同じになるように形成され、前記撮像装置に前記照明器具が取り付けられた際に、同軸に位置決めされることを特徴とする。
【請求項5】
前記第1の反射部は、前記前端部より径方向内側へ突出し且つ前記前端部の周方向且つ内方に延びるフランジ部を有し、前記光反射通路から出た光を、該フランジ部によって後方に反射させる、請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第2の反射部は、光を拡散するための拡散処理が施された拡散面を有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1の反射部は、前記前端部に向けて拡開するアウターと、該アウターの内側に位置し且つ前記前端部に向けて拡開するインナーとを有し、
前記光反射通路は、前記アウターと前記インナーによって構成され、
前記第2の反射部の前記拡散面が前記インナーの内面で構成されている、請求項2〜7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記光反射通路を形成する内側面及び外側面と、前記第1の反射面と、前記第2の反射面の少なくとも一つの面が光を散乱させる機能を有している、請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記第2の反射面がドーム状の湾曲した面で構成されている、請求項1又は8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記光源がLEDである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記光反射通路が前記前端部に向けて拡開するアウターの内面と、該アウターの内側に位置し且つ前記前端部に向けて拡開するインナーの外面とで構成され、
前記第1の反射面が前記アウターの開放端に連結された外周縁部を有し且つ周方向に連続して延びるリング部材の内面で構成され、
前記第2の反射面が前記インナーの内面で構成され、
該インナーの内面の反射光が前記リング部材で囲まれた前記光照射口から前記観察領域に向けて照射される、請求項7に記載の照明器具。
【請求項12】
前記アウターと前記インナーがドーム状の形状を有している、請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
前記リング部材の内面が前方に向けて凸に湾曲した面で構成されている、請求項12に記載の照明器具。
【請求項14】
光源を備えた撮像装置に脱着自在に装着可能である、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明器具が構成要素の一つに含む撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−114808(P2013−114808A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257795(P2011−257795)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]