電球形蛍光ランプおよび照明装置
【課題】発光効率を向上させることができると共に、放電開始電圧とランプ点灯電圧を低下させることができる電球形蛍光ランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】カバー本体3aの一端に口金2を備え他端に取付端部3bを有するカバー3と;カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部4kよりも縮径した縮径部6bが形成されたグローブ6と;グローブ内に収容された一対の電極4i,4jを有するガラスバルブ4gを備え、このバルブは、グローブの最大径部6cを含む頂端部6d側に位置してグローブの縮径部6bよりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部4eおよびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部4a,4bを含む直状部4f,4fを備え、螺旋形部のバルブ外径Dを直状部のバルブ外径Cよりも大径に形成してなる発光管4と;カバー内に収容された点灯装置7と;を具備していることを特徴とする。
【解決手段】カバー本体3aの一端に口金2を備え他端に取付端部3bを有するカバー3と;カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部4kよりも縮径した縮径部6bが形成されたグローブ6と;グローブ内に収容された一対の電極4i,4jを有するガラスバルブ4gを備え、このバルブは、グローブの最大径部6cを含む頂端部6d側に位置してグローブの縮径部6bよりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部4eおよびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部4a,4bを含む直状部4f,4fを備え、螺旋形部のバルブ外径Dを直状部のバルブ外径Cよりも大径に形成してなる発光管4と;カバー内に収容された点灯装置7と;を具備していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを具備した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電球形蛍光ランプは、JISに定義されている一般照明用電球に近い寸法に小形化されており、一般照明用電球に近似した外観を有する。
【0003】
この種の電球形蛍光ランプは、屈曲形のバルブを有する発光管、カバー本体の一端に口金を取り付け他端側で発光管を支持するカバー、このカバー内に収容される点灯装置、発光管を被覆してカバーの他端側に取り付けられるグローブ等を具備している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、近年では、グローブ内の狭隘な空間内に配設される屈曲バルブを螺旋形に形成して放電路長の増大を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開2000−21351号公報
【特許文献2】特開2003−263972号公報
【特許文献3】特開2003−31179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の螺旋形の電球形蛍光ランプでは、螺旋形の発光管の螺旋形端部がカバー内に延在し、その発光管の端部をカバー内のホルダーにより支持するので、カバーが大形化するという課題がある。
【0006】
しかも、このカバーは発光管の発光を透過させないために発光しない部分であり、ホルダーの幅寸法が大きいとホルダーの方向に照射された光が十分反射されずに損失となる割合が多くなるので、発光効率が低下し易くなる。
【0007】
さらに、バルブを螺旋形に形成する方法として、例えば特許文献3の図6,図7に示すように、バルブを巻き付ける多数のセグメントを、放射状かつその半径方向に変位自在に設ける等複雑な金型を使用する場合には、螺旋形の発光管の製造が容易ではないうえに、歩留りが悪くなるという課題がある。
【0008】
そして、発光管の少なくとも一部を螺旋形に形成する場合には、放電路長の延伸を図ることができるので、発光効率の向上を図ることができる反面、放電開始電圧とランプ点灯電圧が共に高くなるという課題がある。
【0009】
すなわち、この螺旋形バルブを収容するグローブは、最大径部を含む球状の頂端部側と、これよりも小径に絞る円筒状の縮径部とを一体に連成しているが、この狭い縮径部内においてもバルブを螺旋形に形成する場合には、その螺旋径全体を縮径部に対応させて小径に縮径する必要がある。螺旋径が小さくなると、所定の放電路長を長くするためにバルブ径を小径にする必要があるが、バルブ径が小さくなり過ぎると発光効率が低下するうえに、放電開始電圧とランプ点灯電圧が共に高くなってしまうという課題がある。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、発光効率を向上させることができると共に、放電開始電圧とランプ点灯電圧を低下させることができる電球形蛍光ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、カバー本体の一端に口金を備え他端に取付端部を有するカバーと;カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部よりも縮径した縮径部が形成されたグローブと;グローブ内に収容された一対の電極を有するバルブを備え、このバルブは、グローブの最大径部を含む頂端部側に位置してグローブの縮径部よりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部およびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部を含む直状部を備え、螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも大径に形成してなる発光管と;カバー内に収容された点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0012】
請求項2の電球形蛍光ランプは、直状部のバルブ外径が7〜9mmであることを特徴とする。
【0013】
請求項3の電球形蛍光ランプは、グローブはカバーと一体に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;電球形蛍光ランプが取り付けられる器具本体と;を具備していることを特徴する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管の螺旋形部は、バルブを螺旋形に形成することにより放電路長を形成することができるうえに、この螺旋形部をグローブの最大径部を含む比較的内容積の大きい頂端部側内に収容されているので、さらなる放電路長の延伸を図ることができる。このために、バルブ内面に形成される蛍光体膜のバルブ単位長当りの表面積を増大させることができるので、光束と発光効率の向上を共に図ることができる。
【0016】
また、グローブの狭隘な縮径部側内に収容された発光管の直状部は、その放電路長が螺旋形部よりも短いので、発光管として必要な放電路長の多くを螺旋形部に分担させることにより、螺旋形部の螺旋径を大径化して放電路長を確保することができる。このために、発光管の螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも部分的に大径に形成することができる。これにより、螺旋形部と直状部とを含む発光管のほぼ全長に亘ってバルブ径を過度に小さくする必要がなくなる。
【0017】
このために、始動電圧とランプ点灯電圧の低減を図ることができる。
【0018】
そして、直状部はグローブの縮径部内に、その軸方向に延在し、バルブ径が螺旋形部のバルブ径よりも小径であるので、直状部周りの空間には間隙が多くなる。このために、螺旋形部または直状部自体からの発光が直状部自体により遮光される光量を低減できる。
【0019】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、直状部のバルブ外径が7〜9mmであり、細いので、グローブ内での直状部周りの間隙を増大させることができる。このために、螺旋形部と直状部からの発光が直状部自体により遮光されてグローブ外へ放射される光が減少する遮光量を抑制することができる。
【0020】
請求項3記載の電球形蛍光ランプによれば、樹脂等によりカバーを、透光性を有するグローブに一体に形成しているので、このカバー部からも光を外部へ出力させることができる。このために、発光効率を向上させることができる。
【0021】
また、カバーをグローブに一体に形成するので、これらを別々に形成する場合に比して製造工程数を減少させて製造効率を向上させることができる。
【0022】
請求項4記載の照明装置によれば、請求項1ないし3のいずれかの電球形蛍光ランプを具備しているので、これら電球形蛍光ランプの作用効果を有する照明装置を提供することがきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の添付図面中、同一または相当部分には、同一符号を付している。
【0024】
図1は本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図、図2は図1で示す発光管の正面図、図3は同発光管の平面図である。
【0025】
図1に示すように電球形蛍光ランプ1は、その高さ方向(管軸方向)の一端(図1では下端)に口金2を有するカバー3、このカバー3の他端(図1では上端)側に支持された発光管4、この発光管4の一端側を支持するカバー3に取り付けられたホルダ5、発光管4を覆うとともに一端側でホルダ5の周囲も覆ってカバー3に取り付けられたグローブ6、口金2およびカバー3の内側に収納された点灯装置7を備えている。そして、定格電力が例えば40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球などの一般照明用電球に近い寸法と外観に形成されている。この一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている。
【0026】
口金2は、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル2a、このシェル2aの一端側の頂部に絶縁部2bを介して設けられたアイレット2cを備えている。シェル2aは、その他端側をカバー3の一端部に被せて接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0027】
カバー3は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂により図1中下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部と円筒状部を一体に連成したカバー本体3aを有し、このカバー本体3aの一端(図1中下端)側には口金2のシェル2aが取り付けられ、カバー本体3aの他端側(図1中上端側)には、取付端部である環状の開口取付端部3bが形成されている。
【0028】
この取付端部3b内には、カバー本体3aの円錐台状部と円筒部との連結部内側の環状凸状段部3c上にて、ホルダ5の下部円筒状開口端を載置し固着している。
【0029】
すなわち、ホルダ5は例えばPBT等の耐熱性合成樹脂により有蓋円筒状に形成され、その蓋部をなす円板状の基板部5aの図中下面周縁部に、一端(図1では下端)側に突出する円筒状の円筒部5bを一体に連成し、この円筒部5bの図1中開口下端を、カバー本体3aの凸状段部3c上に載置し接着剤等により固着している。
【0030】
ホルダ5は、基板部5a上に、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bを載置させて支持する支持凹部と、これら電極封止端部4a,4b同士の間隙内に突出して、その径方向のずれを規制する筒状突部5cを突設している。基板部5aは、その筒状突部5cの外側にて、挿通孔5d,5eをそれぞれ形成し、これら挿通孔5d,5eには、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bからその外方へ突出する細管4cと図2で示すアウタワイヤ4d,4dをそれぞれ挿通させるようになっている。
【0031】
グローブ6は、透明または光拡散性を有するガラスや合成樹脂などの材質により、白熱電球などの一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。すなわち、グローブ6は、ほぼ球状に形成された球状部6aの図1中下端部に、この球状部6aの直径よりも小径に漸次縮径されたほぼ円筒状の縮径部6bを一体に連成しており、球状部6aはグローブ6の最大径を示す最大径部6cを有する。縮径部6bは、グローブ6の一端部(図1中下端部)に開口端部6dが形成され、この開口端部6dの縁部がカバー3の開口取付端部3bの内側に嵌合されて例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤により接着固定されている。
【0032】
そして、グローブ6は、発光管4の中心軸Oと同軸のグローブ6の中心軸上で、図6中、左半部6X1と右半部6X2とに縦割りで分割している。
【0033】
すなわち、このグローブ6が、例えば非分割の一体から形成されている場合には、発光管4の最大外径部4kの外径の方がグローブ6の開口端部6dよりも大きいので、この開口端部6dからグローブ6内に発光管4を挿入できない。
【0034】
しかし、このグローブ6はその中心軸O上で左,右半部6X1,6X2とに分割されているので、発光管4をホルダ5上にそれぞれ立設した後、この発光管4の外側を、その側方からグローブ6の左,右半部6X1,6X2によりそれぞれ被せ、これら左,右半部6X1,6X2を一体に突き合わせた状態でカバー3に取り付けることができる。
【0035】
この後、グローブ6の外面に、所要形状の図示省略した袋状の熱収縮フィルムを被せ、この熱収縮フィルムを熱収縮させることにより、グローブ6の左,右半部6X,6X2同士を一体に結合させることができる。
【0036】
なお、グローブ6は横方向(水平方向)に2分割してもよい。この場合は、図1中、破線で示すように発光管4の最大外径部4kの中心線Oaを水平分割線として図1中、上下方向に2分割6Y1,6Y2してもよい。これによれば、水平分割線が発光管4の最大外径部4kの中心線Oaであるので、上下一対のグローブ6Y1,6Y2により発光管4の全体を被覆することができる。
【0037】
発光管4は、その図1中上部の螺旋形部4eと、下部の直状部4fとを有し、これらを一体に連結している。
【0038】
螺旋形部4eは、外径が例えば10mmの直状円管状のガラスバルブ4gをほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4hを頂端として図示しない金型に巻き付けて2重螺旋形にモールド成形することにより形成される。
【0039】
ガラスバルブ4gは、その内面に、希土類等の蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、軸方向両端部には、一対の電極4i,4jをそれぞれ封装して電極封止端部4a,4bをそれぞれ形成している。
【0040】
すなわち、図3に示すように螺旋形部4eは、ガラスバルブ4gの一方の電極封止端部、例えば4aから旋回軸O回りに旋回しながら図1中上方の頂端部である折返し部4hに至る第1の旋回部Aと、この折返し部4hの他端から旋回軸O回りに旋回しながら他方の電極封止端部、例えば4bに至る第2の旋回部Bとを有する2重螺旋形状を有し、例えばほぼ3周旋回(ターン数)している。したがって、螺旋形部4eは螺旋ピッチが密の密ピッチ部に形成され、放電路長が長い長放電路部に形成されている。なお、螺旋形部4eの頂端部である折返し部4hは、そのバルブ直径を第1,第2の旋回部A,Bの直径よりも大径の膨出部に形成し、この膨出部に最冷部を形成するように形成してもよい。
【0041】
一対の電極4i,4jは、例えばタングステン製のコイル電極が使用されており、例えばビーズガラスにより仮止めされた状態でガラスバルブ4gの両端部に封着されている。
【0042】
ガラスバルブ4g内には、アルゴンやクリプトンガス等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部4a,4bの外面には、その内部に連通する細管4cが突設されている。細管4c内には水銀またはアマルガムが収容されている。
【0043】
螺旋形部4eは、グローブ6の最大径部6cを有する頂端6d側の球状部6a内に収容され、その螺旋径を、グローブ6の球状部6aの内面形状に対応して頂端の折返し部4hから最大径部6cに向けて漸次拡径して行き、グローブ6の最大径部6cで螺旋径を最大とし、さらに、グローブ6の球状部6a下半部の縮径に対応して螺旋径を漸次縮径して行って直状部4fの図1中上端部に一体に連成されている。
【0044】
直状部4fは螺旋形部4eの一対の螺旋終端部において、一対の電極封止端部4a,4b側のガラスバルブ4gの図1中下部を、グローブ6の円筒状部6bの軸方向下方に向けてほぼ直角に折曲し、直状の一対の電極封止端部4a,4bをほぼ平行に並設してホルダ5の支持用凹部内に挿入している。直状部4fのバルブ外径Cは7〜9mmに形成され、螺旋形部4eのバルブ外径D(例えば8〜10mm)よりも小径に形成されている。なお、直状部4fは、ガラスバルブ4gを螺旋形部4eの旋回方向に合わせるように若干湾曲させて螺旋状に形成してもよい。
【0045】
点灯装置7は、点灯回路パターンを形成した縦基板7aをホルダ5内面の一対の縦溝内に嵌入して固定している。すなわち、ホルダ5は、その内面に、その直径方向で対向する一対の縦溝をホルダ5の軸方向に形成し、この縦溝内に縦基板7aの幅方向両側縁部を嵌入させて固定している。縦基板7aは片面または両面基板に構成され、その実装面には、電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等の点灯回路部品である複数の電子部品7b,7b,…が実装されている。
【0046】
このように構成された電球形蛍光ランプ1の具体的構成の一例は、次の通りである。すなわち、発光管4の発光管最大外径(螺旋外径)φ2が54mm、発光管4の高さh1が64±1mm、発光管4の最大径部4kの水平中心軸から一対の電極封止端部4a,4bの外面までの高さh2が39.93mmである。一対の電極4i,4j同士間の放電路長は360〜610mmであり、ガラスバルブ4gのバルブ径に応じて相違する。例えばガラスバルブ4gの径(バルブ径)が8mmのとき、放電路長が476mm、バルブ径が9mmのとき、放電路長が374mmである。また、口金2の外径φ3が26mmであり、発光管最大外径φ2(30.5mm)の約1.17倍である。
【0047】
したがって、この電球形蛍光ランプ1によれば、一般照明用電球近似の外観を得ることができる。
【0048】
また、発光管4の螺旋形部4eは、グローブ6の最大径部6cを含む比較的大容量の球状部6a内に収容されているので、バルブ径と螺旋径を共に大径化することができる。このために、螺旋形部4eの放電路長の延伸を図ることができるので、螺旋形部4eにおける光束の増大と発光効率の向上を共に図ることができる。
【0049】
また、グローブ6の狭隘な縮径部6b側内に収容された発光管4の直状部4f,4fは、そのバルブ外径Cが螺旋形部4eのバルブ外径Dよりも細いので、グローブ縮径部6b内での直状部4f,4f周りの間隙を増大させることができる。このために、螺旋形部4eと直状部4f,4fからの発光が直状部4f,4f自体により遮光される遮光量を減少させることができる。これにより、発光効率を向上させることができる。
【0050】
さらに、螺旋形部4eでは、バルブ径と螺旋径を共に大径化できるので、金型を使用したモールド成形によりガラスバルブ4gを螺旋形に成形する際の容易性を向上させることができ、さらに、その螺旋成形時のクラックや歪みを低減することができる。その結果、螺旋形部4eを有するガラスバルブ4gの量産性と歩留りを共に向上させることができる。
【0051】
また、発光管4としての放電路長の多くを分担する螺旋形部4eのバルブ径が大径であるので、発光管4の始動電圧とランプ電圧を低下させることができる。このために、点灯装置7の出力電圧を高くする必要がなくなり、また使用部品の耐圧性を低くすることができるので、コスト低減を図ることができ、さらに、点灯装置7の大形化を防止または抑制することができる。
【0052】
さらに、発光管4の螺旋形部4eはガラスバルブ4gを螺旋形に形成しているので、この螺旋形部4eの内側で発光した光は、その螺旋形のガラスバルブ4g自体の内面に遮光され易く、この螺旋形部4eの外側に放射される光束は低下するが、直状部4fはグローブ6の縮径部6b内で、その軸方向へほぼ平行に延在し、バルブ外径Cも細いので、直状部4f,4fにより遮光される部分が少ない。このために、螺旋形部4eの内側および直状部4fの内側で発光した光がグローブ6の縮径部側(図1中下部側)から外部へ放射される光束を増大させることができる。
【0053】
図4は本発明の第2の実施形態に係る照明装置11の概略構成図である。この照明装置11は、例えばダウンライト等の照明装置であり、照明器具本体12を有する。この照明器具本体12内にはソケット13および反射体14が取り付けられ、ソケット13には上記電球形蛍光ランプ1の口金2がねじ込みにより装着される。
【0054】
この照明装置11によれば、電球形蛍光ランプ1の高光束、高発光効率の螺旋形部4eが図4中下方に向いているので、直下照度を向上させることができる。
【0055】
また、電球形蛍光ランプ1の口金2側へ放射される光束を増大させる直状部4fが照明器具本体12の反射体14側に位置して対向しているので、この反射体14により反射される反射光を増加させることができる。
【0056】
図5(A)は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Aの正面図である。この電球形蛍光ランプ1Aは、上記電球形蛍光ランプ1のカバー3をグローブ6に、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の耐熱性と遮光性を有する樹脂により一体に形成した一体形グローブ6Pを具備した点に特徴がある。これ以外の構成は上記電球形蛍光ランプ1とほぼ同様である。
【0057】
なお、図5(A)中、符号Obは一体形グローブ6Pを、その中心軸に沿って軸方向に2等分等2分割6P1,6P2するための縦割線である。
【0058】
この電球形蛍光ランプ1Aによれば、上記カバー3をグローブ6により一体成形した樹脂製の一体形グローブ6Pを具備しており、この一体形グローブ6Pは例えば射出成型により形成できるので、カバー3とグローブ6を各々別々に形成する場合に比して、製造効率を向上させることができる。
【0059】
また、この一体形グローブ6Pは樹脂製であるので、その2分割されたグローブ片6P1,6P2同士を縦割線Obで接合する場合には、加熱溶着や超音波溶着、あるいは接着剤により強力かつ簡単に接合することができる。上記図1等で示す電球形蛍光ランプ1のように2分割されたガラス製のグローブ左右半部6X1,6X2を熱収縮チューブにより接合する場合に比して、接合強度の向上と接合作業性の向上とを共に図ることができる。
【0060】
なお、一体形グローブ6Pの分割線は縦割線Obに限定されるものではなく、例えば図5(B)で示す電球形蛍光ランプ1Bのように一体形グローブ6qの最大径部の中心部を、その軸直角方向、すなわち水平方向に2分割6q1,6q2する横割線Ocでもよい。
【0061】
図6は本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Cの分解正面図、図7は同概略平面図である。この電球形蛍光ランプ1Cは上記図5(A)で示す一体形グローブ6Pと同様の一体形グローブ6Pの縦割線Obに、点灯装置7の縦基板7aの幅方向中心軸Odが一致するように縦基板7aを嵌入させる一対の取付溝5g,5hをホルダ5に形成した点に主な特徴を有する。なお、ホルダ5には、その外面に口金2が外嵌され固着されたときに、この口金2の開口端(図6では上端)から例えば約5mm程度下方にて周溝5fが形成されている。この周溝5fには一体形グローブ6Pの開口端が嵌合されて支持される。
【0062】
図7にも示すように上記一対の取付溝5g,5hは、縦基板7aの幅方向両側端部をそれぞれ嵌入させる一対の嵌入溝をホルダ5の内周面にて軸方向に形成することにより構成されており、縦基板7aの幅方向中心軸Odを一体形グローブ6Pの縦割線Obに一致させている。
【0063】
したがって、電球形蛍光ランプ1Cの組立工程では、図6に示すようにホルダ5に発光管4と縦基板7aを取り付けた後、これらを、その左右両側方から左右一対のグローブ片6P1,6P2により被せ、これらグローブ片6P1,6P2の接合面同士を接着剤等により接合して一体化した後、これらグローブ片6P1,6P2の図6中下端をホルダ5の周溝5fに嵌入させる。この後、ホルダ5の外周面に口金2の図6中上端部を外嵌してかしめにより固定する工程に進む。この口金2の取付工程では、口金2の上端部外周面に、そのほぼ全周からホルダ5の中心に向けて縮径する方向のかしめ力が印加される。このとき、図7に示すように縦割線Ob方向に沿って作用するかしめ力に対しては、縦基板7aが幅方向で支持するので、その幅方向に沿う一体形グローブ6Pの応力を低減することができる。このために、一体形グローブ6Pの縦割線Obに沿う方向でのホルダ5およびその外周に外嵌される一体形グローブ6Pの図6中下端部の歪み量を低減することができる。
【0064】
このために、この一体形グローブ6Pの左右一対のグローブ片6P1,6P2が縦割線Obに沿う接合面で、その接合面がずれる方向に発生する力を低減することができるので、その接合面でのずれを防止ないし低減することができる。
【0065】
また、縦基板7aの幅方向中心軸Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obよりも一方のグローブ片6P1または6P2側へオフセット(偏位)するように縦基板7aの取付位置を平行移動した場合には、この縦基板7aが偏位している側のグローブ片6P1または6P2側の強度を増強し、変形を抑制することができる。
【0066】
図8は縦基板7aを、その幅方向中心線Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交するように配置した場合の一例を示している。この場合、口金2を介して一体形グローブ6Pの下端部に加えられるかしめ力に対しては、その一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交する成分が縦基板7aにより支持されるので、この直交する方向、すなわち縦基板7aの幅方向中心線Od方向での左右一対のグローブ片6P1,6P2の応力を低減できる。
【0067】
また、縦基板7aを支持している左右一対の取付溝5g,5hが縦基板7aの幅方向両端部にて厚さ方向で挟持しているので、縦基板7aの厚さ方向の歪みを低減できる。このために、グローブ6Pの縦割線Ob上での一体形グローブ6Pの縦割線Ob上での縦基板7aの厚さ方向に沿う歪みを低減することができる。
【0068】
また、縦基板7aの幅方向中心軸Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交しているので、この一体形グローブ6Pをホルダ5に取り付ける際の位置決めの容易性を向上させることができる。
【0069】
図9は本発明の第5実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Dの分解斜視図である。この電球形蛍光ランプ1Dは図6で示す電球形蛍光ランプ1Cにおいて、その螺旋形発光管4を、例えばU形管4Xに置換した点に主な特徴を有する。
【0070】
このU形管4Xの幅方向(図9中横方向)寸法が一体形グローブ6Pの図9中下部開口端6P3の直径dよりも小さい場合には、このU形管4Xを、ホルダ5に取り付けた後、一体形グローブ6P内へ、その開口端6P3から挿入することができる。
【0071】
したがって、この場合は、一体形グローブ6Pの縦割線Obは省略してもよい。但し、U形管4XはダブルU形管やW形管、H形管、鞍形管等、螺旋形管4e以外の屈曲管でもよく、これら屈曲管の幅方向寸法が一体形グローブ6Pの下部開口端6Pの直径dよりも大きい場合には、一体形グローブ6P内へ、その開口下端6P3からこれら屈曲管を挿入できないので、縦割線Obが必要である。
【0072】
図10は本発明の第6の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Eの渦巻形発光管4Yの正面図である。この渦巻形発光管4Yは図11で示すほぼ円錐状の螺旋形発光管4Y1の螺旋形部4Y2を加熱軟化させて一平面上に押し潰して平面形状が渦巻状の渦巻形部4Y3に形成し、この渦巻形部4Y3の最大径部4k両端から一対の直状部4f,4fを一体に垂下させている。
【0073】
すなわち、図11に示すように円錐状螺旋形管4Y1は、その軸方向(図11では上下方向)で隣り合うバルブ同士が軸方で重なり合わないように円錐状の螺旋形に形成している。
【0074】
次に、この円錐状螺旋形部4Y1を加熱軟化させ、その螺旋頂端部(図11では螺旋形部4Y1の上端部)を最大径部(図11では下端部)4k側へ押し潰して渦巻形部4Y3に形成している。
【0075】
図10に示すように、この渦巻形発光管4Yによれば、その渦巻形部4Y3が一平面上で渦巻状に形成されているので、その渦巻平面に対する垂直方向、すなわち、図中矢印で示す方向の直下照度を向上させることができる。
【0076】
また、この渦巻形発光管4Yによれば、円錐状の螺旋形発光管4Y1を軸方向に押し潰して平面状の渦巻形部4Y3に形成しているので、軸方向の長さ(高さ)を縮小し、小形化を図ることができる。なお、この渦巻形発光管4Yでは、その渦巻形部4Y3の直状部4f,4f側の外面に反射膜を形成してもよい。これによれば、渦巻形部4Y3からの発光を反射膜により図10中矢印方向へ反射させることができるので、その分、さらに直下照度を向上させることができる。
【0077】
図12は本発明の第7の実施形態に係る照明装置15の一例を示す正面図である。この照明装置15は上記図10で示す渦巻形発光管4Yをらっぱ状の反射ミラー16内に配設している。反射ミラー16は、そのらっぱ状内面を反射面16aに形成している。
【0078】
したがって、この照明装置15によれば、上述したように直下照度を向上させる渦巻形発光管4Yを具備しているので、照明装置としても図12中、矢印で示す方向の直下照度を向上させることができる。
【0079】
また、渦巻形発光管4Yは、その口金2側を左右一対の直状部4f,4fに形成し、これら直状部4f,4f周りの間隙を多くしているので、渦巻形部4Y3の発光が直状部4f,4fにより遮光される遮光量の低減を図ることができる。
【0080】
しかも、これら直状部4f,4fの間隙を通った光は反射ミラー16の反射面16aにより反射されて、その前方(図12では矢印方向)へ出力されるので、さらに、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図。
【図2】図1で示す発光管の正面図。
【図3】図1で示す発光管の平面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の概略構成図。
【図5】(A)は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプの正面図、(B)は同電球形蛍光ランプの変形例の正面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプの分解正面図。
【図7】図6で示す電球形蛍光ランプの概略平面図。
【図8】図7で示す一体形グローブの縦割線と点灯装置の縦基板との他の位置関係を示す概略平面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプの分解正面図。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る電球形蛍光ランプの渦巻形発光管の正面図。
【図11】図10で示す渦巻形発光管に形成する前の円錐状螺旋形発光管の正面図。
【図12】図10で示す渦巻形発光管を具備した照明装置の正面図。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B,1C,1D…電球形蛍光ランプ、2…口金、3…カバー、3a…カバー本体、3b…カバーの開口取付端部、4…発光管、4g…ガラスバルブ、4a,4b…一対の電極封止端部、4h…折返し部、4e…発光管の螺旋形部、4f…発光管の直状部、4k…発光管の最大外径部、4Y…渦巻形発光管、4Y1…円錐状螺旋形発光管、4Y3…渦巻形部、5…ホルダ、5a…ホルダの基板部、5c…ホルダの筒状支持部、5d,5e…ホルダの取付孔、5f,5g…一対の取付溝、6…グローブ、6a…グローブの開口端部、6b…グローブの縮径部、6X1…分割用グローブの左半部、6X2…分割用グローブの右半部、6P…一体形グローブ、6P1,6P2…一対のグローブ片、7…点灯装置、7a…点灯装置の縦基板、7b…点灯装置の電子部品、11,15…照明装置、12…照明器具本体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを具備した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電球形蛍光ランプは、JISに定義されている一般照明用電球に近い寸法に小形化されており、一般照明用電球に近似した外観を有する。
【0003】
この種の電球形蛍光ランプは、屈曲形のバルブを有する発光管、カバー本体の一端に口金を取り付け他端側で発光管を支持するカバー、このカバー内に収容される点灯装置、発光管を被覆してカバーの他端側に取り付けられるグローブ等を具備している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、近年では、グローブ内の狭隘な空間内に配設される屈曲バルブを螺旋形に形成して放電路長の増大を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開2000−21351号公報
【特許文献2】特開2003−263972号公報
【特許文献3】特開2003−31179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の螺旋形の電球形蛍光ランプでは、螺旋形の発光管の螺旋形端部がカバー内に延在し、その発光管の端部をカバー内のホルダーにより支持するので、カバーが大形化するという課題がある。
【0006】
しかも、このカバーは発光管の発光を透過させないために発光しない部分であり、ホルダーの幅寸法が大きいとホルダーの方向に照射された光が十分反射されずに損失となる割合が多くなるので、発光効率が低下し易くなる。
【0007】
さらに、バルブを螺旋形に形成する方法として、例えば特許文献3の図6,図7に示すように、バルブを巻き付ける多数のセグメントを、放射状かつその半径方向に変位自在に設ける等複雑な金型を使用する場合には、螺旋形の発光管の製造が容易ではないうえに、歩留りが悪くなるという課題がある。
【0008】
そして、発光管の少なくとも一部を螺旋形に形成する場合には、放電路長の延伸を図ることができるので、発光効率の向上を図ることができる反面、放電開始電圧とランプ点灯電圧が共に高くなるという課題がある。
【0009】
すなわち、この螺旋形バルブを収容するグローブは、最大径部を含む球状の頂端部側と、これよりも小径に絞る円筒状の縮径部とを一体に連成しているが、この狭い縮径部内においてもバルブを螺旋形に形成する場合には、その螺旋径全体を縮径部に対応させて小径に縮径する必要がある。螺旋径が小さくなると、所定の放電路長を長くするためにバルブ径を小径にする必要があるが、バルブ径が小さくなり過ぎると発光効率が低下するうえに、放電開始電圧とランプ点灯電圧が共に高くなってしまうという課題がある。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、発光効率を向上させることができると共に、放電開始電圧とランプ点灯電圧を低下させることができる電球形蛍光ランプおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、カバー本体の一端に口金を備え他端に取付端部を有するカバーと;カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部よりも縮径した縮径部が形成されたグローブと;グローブ内に収容された一対の電極を有するバルブを備え、このバルブは、グローブの最大径部を含む頂端部側に位置してグローブの縮径部よりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部およびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部を含む直状部を備え、螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも大径に形成してなる発光管と;カバー内に収容された点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0012】
請求項2の電球形蛍光ランプは、直状部のバルブ外径が7〜9mmであることを特徴とする。
【0013】
請求項3の電球形蛍光ランプは、グローブはカバーと一体に形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;電球形蛍光ランプが取り付けられる器具本体と;を具備していることを特徴する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管の螺旋形部は、バルブを螺旋形に形成することにより放電路長を形成することができるうえに、この螺旋形部をグローブの最大径部を含む比較的内容積の大きい頂端部側内に収容されているので、さらなる放電路長の延伸を図ることができる。このために、バルブ内面に形成される蛍光体膜のバルブ単位長当りの表面積を増大させることができるので、光束と発光効率の向上を共に図ることができる。
【0016】
また、グローブの狭隘な縮径部側内に収容された発光管の直状部は、その放電路長が螺旋形部よりも短いので、発光管として必要な放電路長の多くを螺旋形部に分担させることにより、螺旋形部の螺旋径を大径化して放電路長を確保することができる。このために、発光管の螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも部分的に大径に形成することができる。これにより、螺旋形部と直状部とを含む発光管のほぼ全長に亘ってバルブ径を過度に小さくする必要がなくなる。
【0017】
このために、始動電圧とランプ点灯電圧の低減を図ることができる。
【0018】
そして、直状部はグローブの縮径部内に、その軸方向に延在し、バルブ径が螺旋形部のバルブ径よりも小径であるので、直状部周りの空間には間隙が多くなる。このために、螺旋形部または直状部自体からの発光が直状部自体により遮光される光量を低減できる。
【0019】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、直状部のバルブ外径が7〜9mmであり、細いので、グローブ内での直状部周りの間隙を増大させることができる。このために、螺旋形部と直状部からの発光が直状部自体により遮光されてグローブ外へ放射される光が減少する遮光量を抑制することができる。
【0020】
請求項3記載の電球形蛍光ランプによれば、樹脂等によりカバーを、透光性を有するグローブに一体に形成しているので、このカバー部からも光を外部へ出力させることができる。このために、発光効率を向上させることができる。
【0021】
また、カバーをグローブに一体に形成するので、これらを別々に形成する場合に比して製造工程数を減少させて製造効率を向上させることができる。
【0022】
請求項4記載の照明装置によれば、請求項1ないし3のいずれかの電球形蛍光ランプを具備しているので、これら電球形蛍光ランプの作用効果を有する照明装置を提供することがきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、複数の添付図面中、同一または相当部分には、同一符号を付している。
【0024】
図1は本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図、図2は図1で示す発光管の正面図、図3は同発光管の平面図である。
【0025】
図1に示すように電球形蛍光ランプ1は、その高さ方向(管軸方向)の一端(図1では下端)に口金2を有するカバー3、このカバー3の他端(図1では上端)側に支持された発光管4、この発光管4の一端側を支持するカバー3に取り付けられたホルダ5、発光管4を覆うとともに一端側でホルダ5の周囲も覆ってカバー3に取り付けられたグローブ6、口金2およびカバー3の内側に収納された点灯装置7を備えている。そして、定格電力が例えば40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球などの一般照明用電球に近い寸法と外観に形成されている。この一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている。
【0026】
口金2は、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル2a、このシェル2aの一端側の頂部に絶縁部2bを介して設けられたアイレット2cを備えている。シェル2aは、その他端側をカバー3の一端部に被せて接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0027】
カバー3は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂により図1中下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部と円筒状部を一体に連成したカバー本体3aを有し、このカバー本体3aの一端(図1中下端)側には口金2のシェル2aが取り付けられ、カバー本体3aの他端側(図1中上端側)には、取付端部である環状の開口取付端部3bが形成されている。
【0028】
この取付端部3b内には、カバー本体3aの円錐台状部と円筒部との連結部内側の環状凸状段部3c上にて、ホルダ5の下部円筒状開口端を載置し固着している。
【0029】
すなわち、ホルダ5は例えばPBT等の耐熱性合成樹脂により有蓋円筒状に形成され、その蓋部をなす円板状の基板部5aの図中下面周縁部に、一端(図1では下端)側に突出する円筒状の円筒部5bを一体に連成し、この円筒部5bの図1中開口下端を、カバー本体3aの凸状段部3c上に載置し接着剤等により固着している。
【0030】
ホルダ5は、基板部5a上に、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bを載置させて支持する支持凹部と、これら電極封止端部4a,4b同士の間隙内に突出して、その径方向のずれを規制する筒状突部5cを突設している。基板部5aは、その筒状突部5cの外側にて、挿通孔5d,5eをそれぞれ形成し、これら挿通孔5d,5eには、発光管4の一対の電極封止端部4a,4bからその外方へ突出する細管4cと図2で示すアウタワイヤ4d,4dをそれぞれ挿通させるようになっている。
【0031】
グローブ6は、透明または光拡散性を有するガラスや合成樹脂などの材質により、白熱電球などの一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。すなわち、グローブ6は、ほぼ球状に形成された球状部6aの図1中下端部に、この球状部6aの直径よりも小径に漸次縮径されたほぼ円筒状の縮径部6bを一体に連成しており、球状部6aはグローブ6の最大径を示す最大径部6cを有する。縮径部6bは、グローブ6の一端部(図1中下端部)に開口端部6dが形成され、この開口端部6dの縁部がカバー3の開口取付端部3bの内側に嵌合されて例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤により接着固定されている。
【0032】
そして、グローブ6は、発光管4の中心軸Oと同軸のグローブ6の中心軸上で、図6中、左半部6X1と右半部6X2とに縦割りで分割している。
【0033】
すなわち、このグローブ6が、例えば非分割の一体から形成されている場合には、発光管4の最大外径部4kの外径の方がグローブ6の開口端部6dよりも大きいので、この開口端部6dからグローブ6内に発光管4を挿入できない。
【0034】
しかし、このグローブ6はその中心軸O上で左,右半部6X1,6X2とに分割されているので、発光管4をホルダ5上にそれぞれ立設した後、この発光管4の外側を、その側方からグローブ6の左,右半部6X1,6X2によりそれぞれ被せ、これら左,右半部6X1,6X2を一体に突き合わせた状態でカバー3に取り付けることができる。
【0035】
この後、グローブ6の外面に、所要形状の図示省略した袋状の熱収縮フィルムを被せ、この熱収縮フィルムを熱収縮させることにより、グローブ6の左,右半部6X,6X2同士を一体に結合させることができる。
【0036】
なお、グローブ6は横方向(水平方向)に2分割してもよい。この場合は、図1中、破線で示すように発光管4の最大外径部4kの中心線Oaを水平分割線として図1中、上下方向に2分割6Y1,6Y2してもよい。これによれば、水平分割線が発光管4の最大外径部4kの中心線Oaであるので、上下一対のグローブ6Y1,6Y2により発光管4の全体を被覆することができる。
【0037】
発光管4は、その図1中上部の螺旋形部4eと、下部の直状部4fとを有し、これらを一体に連結している。
【0038】
螺旋形部4eは、外径が例えば10mmの直状円管状のガラスバルブ4gをほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4hを頂端として図示しない金型に巻き付けて2重螺旋形にモールド成形することにより形成される。
【0039】
ガラスバルブ4gは、その内面に、希土類等の蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、軸方向両端部には、一対の電極4i,4jをそれぞれ封装して電極封止端部4a,4bをそれぞれ形成している。
【0040】
すなわち、図3に示すように螺旋形部4eは、ガラスバルブ4gの一方の電極封止端部、例えば4aから旋回軸O回りに旋回しながら図1中上方の頂端部である折返し部4hに至る第1の旋回部Aと、この折返し部4hの他端から旋回軸O回りに旋回しながら他方の電極封止端部、例えば4bに至る第2の旋回部Bとを有する2重螺旋形状を有し、例えばほぼ3周旋回(ターン数)している。したがって、螺旋形部4eは螺旋ピッチが密の密ピッチ部に形成され、放電路長が長い長放電路部に形成されている。なお、螺旋形部4eの頂端部である折返し部4hは、そのバルブ直径を第1,第2の旋回部A,Bの直径よりも大径の膨出部に形成し、この膨出部に最冷部を形成するように形成してもよい。
【0041】
一対の電極4i,4jは、例えばタングステン製のコイル電極が使用されており、例えばビーズガラスにより仮止めされた状態でガラスバルブ4gの両端部に封着されている。
【0042】
ガラスバルブ4g内には、アルゴンやクリプトンガス等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部4a,4bの外面には、その内部に連通する細管4cが突設されている。細管4c内には水銀またはアマルガムが収容されている。
【0043】
螺旋形部4eは、グローブ6の最大径部6cを有する頂端6d側の球状部6a内に収容され、その螺旋径を、グローブ6の球状部6aの内面形状に対応して頂端の折返し部4hから最大径部6cに向けて漸次拡径して行き、グローブ6の最大径部6cで螺旋径を最大とし、さらに、グローブ6の球状部6a下半部の縮径に対応して螺旋径を漸次縮径して行って直状部4fの図1中上端部に一体に連成されている。
【0044】
直状部4fは螺旋形部4eの一対の螺旋終端部において、一対の電極封止端部4a,4b側のガラスバルブ4gの図1中下部を、グローブ6の円筒状部6bの軸方向下方に向けてほぼ直角に折曲し、直状の一対の電極封止端部4a,4bをほぼ平行に並設してホルダ5の支持用凹部内に挿入している。直状部4fのバルブ外径Cは7〜9mmに形成され、螺旋形部4eのバルブ外径D(例えば8〜10mm)よりも小径に形成されている。なお、直状部4fは、ガラスバルブ4gを螺旋形部4eの旋回方向に合わせるように若干湾曲させて螺旋状に形成してもよい。
【0045】
点灯装置7は、点灯回路パターンを形成した縦基板7aをホルダ5内面の一対の縦溝内に嵌入して固定している。すなわち、ホルダ5は、その内面に、その直径方向で対向する一対の縦溝をホルダ5の軸方向に形成し、この縦溝内に縦基板7aの幅方向両側縁部を嵌入させて固定している。縦基板7aは片面または両面基板に構成され、その実装面には、電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等の点灯回路部品である複数の電子部品7b,7b,…が実装されている。
【0046】
このように構成された電球形蛍光ランプ1の具体的構成の一例は、次の通りである。すなわち、発光管4の発光管最大外径(螺旋外径)φ2が54mm、発光管4の高さh1が64±1mm、発光管4の最大径部4kの水平中心軸から一対の電極封止端部4a,4bの外面までの高さh2が39.93mmである。一対の電極4i,4j同士間の放電路長は360〜610mmであり、ガラスバルブ4gのバルブ径に応じて相違する。例えばガラスバルブ4gの径(バルブ径)が8mmのとき、放電路長が476mm、バルブ径が9mmのとき、放電路長が374mmである。また、口金2の外径φ3が26mmであり、発光管最大外径φ2(30.5mm)の約1.17倍である。
【0047】
したがって、この電球形蛍光ランプ1によれば、一般照明用電球近似の外観を得ることができる。
【0048】
また、発光管4の螺旋形部4eは、グローブ6の最大径部6cを含む比較的大容量の球状部6a内に収容されているので、バルブ径と螺旋径を共に大径化することができる。このために、螺旋形部4eの放電路長の延伸を図ることができるので、螺旋形部4eにおける光束の増大と発光効率の向上を共に図ることができる。
【0049】
また、グローブ6の狭隘な縮径部6b側内に収容された発光管4の直状部4f,4fは、そのバルブ外径Cが螺旋形部4eのバルブ外径Dよりも細いので、グローブ縮径部6b内での直状部4f,4f周りの間隙を増大させることができる。このために、螺旋形部4eと直状部4f,4fからの発光が直状部4f,4f自体により遮光される遮光量を減少させることができる。これにより、発光効率を向上させることができる。
【0050】
さらに、螺旋形部4eでは、バルブ径と螺旋径を共に大径化できるので、金型を使用したモールド成形によりガラスバルブ4gを螺旋形に成形する際の容易性を向上させることができ、さらに、その螺旋成形時のクラックや歪みを低減することができる。その結果、螺旋形部4eを有するガラスバルブ4gの量産性と歩留りを共に向上させることができる。
【0051】
また、発光管4としての放電路長の多くを分担する螺旋形部4eのバルブ径が大径であるので、発光管4の始動電圧とランプ電圧を低下させることができる。このために、点灯装置7の出力電圧を高くする必要がなくなり、また使用部品の耐圧性を低くすることができるので、コスト低減を図ることができ、さらに、点灯装置7の大形化を防止または抑制することができる。
【0052】
さらに、発光管4の螺旋形部4eはガラスバルブ4gを螺旋形に形成しているので、この螺旋形部4eの内側で発光した光は、その螺旋形のガラスバルブ4g自体の内面に遮光され易く、この螺旋形部4eの外側に放射される光束は低下するが、直状部4fはグローブ6の縮径部6b内で、その軸方向へほぼ平行に延在し、バルブ外径Cも細いので、直状部4f,4fにより遮光される部分が少ない。このために、螺旋形部4eの内側および直状部4fの内側で発光した光がグローブ6の縮径部側(図1中下部側)から外部へ放射される光束を増大させることができる。
【0053】
図4は本発明の第2の実施形態に係る照明装置11の概略構成図である。この照明装置11は、例えばダウンライト等の照明装置であり、照明器具本体12を有する。この照明器具本体12内にはソケット13および反射体14が取り付けられ、ソケット13には上記電球形蛍光ランプ1の口金2がねじ込みにより装着される。
【0054】
この照明装置11によれば、電球形蛍光ランプ1の高光束、高発光効率の螺旋形部4eが図4中下方に向いているので、直下照度を向上させることができる。
【0055】
また、電球形蛍光ランプ1の口金2側へ放射される光束を増大させる直状部4fが照明器具本体12の反射体14側に位置して対向しているので、この反射体14により反射される反射光を増加させることができる。
【0056】
図5(A)は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Aの正面図である。この電球形蛍光ランプ1Aは、上記電球形蛍光ランプ1のカバー3をグローブ6に、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等の耐熱性と遮光性を有する樹脂により一体に形成した一体形グローブ6Pを具備した点に特徴がある。これ以外の構成は上記電球形蛍光ランプ1とほぼ同様である。
【0057】
なお、図5(A)中、符号Obは一体形グローブ6Pを、その中心軸に沿って軸方向に2等分等2分割6P1,6P2するための縦割線である。
【0058】
この電球形蛍光ランプ1Aによれば、上記カバー3をグローブ6により一体成形した樹脂製の一体形グローブ6Pを具備しており、この一体形グローブ6Pは例えば射出成型により形成できるので、カバー3とグローブ6を各々別々に形成する場合に比して、製造効率を向上させることができる。
【0059】
また、この一体形グローブ6Pは樹脂製であるので、その2分割されたグローブ片6P1,6P2同士を縦割線Obで接合する場合には、加熱溶着や超音波溶着、あるいは接着剤により強力かつ簡単に接合することができる。上記図1等で示す電球形蛍光ランプ1のように2分割されたガラス製のグローブ左右半部6X1,6X2を熱収縮チューブにより接合する場合に比して、接合強度の向上と接合作業性の向上とを共に図ることができる。
【0060】
なお、一体形グローブ6Pの分割線は縦割線Obに限定されるものではなく、例えば図5(B)で示す電球形蛍光ランプ1Bのように一体形グローブ6qの最大径部の中心部を、その軸直角方向、すなわち水平方向に2分割6q1,6q2する横割線Ocでもよい。
【0061】
図6は本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Cの分解正面図、図7は同概略平面図である。この電球形蛍光ランプ1Cは上記図5(A)で示す一体形グローブ6Pと同様の一体形グローブ6Pの縦割線Obに、点灯装置7の縦基板7aの幅方向中心軸Odが一致するように縦基板7aを嵌入させる一対の取付溝5g,5hをホルダ5に形成した点に主な特徴を有する。なお、ホルダ5には、その外面に口金2が外嵌され固着されたときに、この口金2の開口端(図6では上端)から例えば約5mm程度下方にて周溝5fが形成されている。この周溝5fには一体形グローブ6Pの開口端が嵌合されて支持される。
【0062】
図7にも示すように上記一対の取付溝5g,5hは、縦基板7aの幅方向両側端部をそれぞれ嵌入させる一対の嵌入溝をホルダ5の内周面にて軸方向に形成することにより構成されており、縦基板7aの幅方向中心軸Odを一体形グローブ6Pの縦割線Obに一致させている。
【0063】
したがって、電球形蛍光ランプ1Cの組立工程では、図6に示すようにホルダ5に発光管4と縦基板7aを取り付けた後、これらを、その左右両側方から左右一対のグローブ片6P1,6P2により被せ、これらグローブ片6P1,6P2の接合面同士を接着剤等により接合して一体化した後、これらグローブ片6P1,6P2の図6中下端をホルダ5の周溝5fに嵌入させる。この後、ホルダ5の外周面に口金2の図6中上端部を外嵌してかしめにより固定する工程に進む。この口金2の取付工程では、口金2の上端部外周面に、そのほぼ全周からホルダ5の中心に向けて縮径する方向のかしめ力が印加される。このとき、図7に示すように縦割線Ob方向に沿って作用するかしめ力に対しては、縦基板7aが幅方向で支持するので、その幅方向に沿う一体形グローブ6Pの応力を低減することができる。このために、一体形グローブ6Pの縦割線Obに沿う方向でのホルダ5およびその外周に外嵌される一体形グローブ6Pの図6中下端部の歪み量を低減することができる。
【0064】
このために、この一体形グローブ6Pの左右一対のグローブ片6P1,6P2が縦割線Obに沿う接合面で、その接合面がずれる方向に発生する力を低減することができるので、その接合面でのずれを防止ないし低減することができる。
【0065】
また、縦基板7aの幅方向中心軸Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obよりも一方のグローブ片6P1または6P2側へオフセット(偏位)するように縦基板7aの取付位置を平行移動した場合には、この縦基板7aが偏位している側のグローブ片6P1または6P2側の強度を増強し、変形を抑制することができる。
【0066】
図8は縦基板7aを、その幅方向中心線Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交するように配置した場合の一例を示している。この場合、口金2を介して一体形グローブ6Pの下端部に加えられるかしめ力に対しては、その一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交する成分が縦基板7aにより支持されるので、この直交する方向、すなわち縦基板7aの幅方向中心線Od方向での左右一対のグローブ片6P1,6P2の応力を低減できる。
【0067】
また、縦基板7aを支持している左右一対の取付溝5g,5hが縦基板7aの幅方向両端部にて厚さ方向で挟持しているので、縦基板7aの厚さ方向の歪みを低減できる。このために、グローブ6Pの縦割線Ob上での一体形グローブ6Pの縦割線Ob上での縦基板7aの厚さ方向に沿う歪みを低減することができる。
【0068】
また、縦基板7aの幅方向中心軸Odが一体形グローブ6Pの縦割線Obに対して直交しているので、この一体形グローブ6Pをホルダ5に取り付ける際の位置決めの容易性を向上させることができる。
【0069】
図9は本発明の第5実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Dの分解斜視図である。この電球形蛍光ランプ1Dは図6で示す電球形蛍光ランプ1Cにおいて、その螺旋形発光管4を、例えばU形管4Xに置換した点に主な特徴を有する。
【0070】
このU形管4Xの幅方向(図9中横方向)寸法が一体形グローブ6Pの図9中下部開口端6P3の直径dよりも小さい場合には、このU形管4Xを、ホルダ5に取り付けた後、一体形グローブ6P内へ、その開口端6P3から挿入することができる。
【0071】
したがって、この場合は、一体形グローブ6Pの縦割線Obは省略してもよい。但し、U形管4XはダブルU形管やW形管、H形管、鞍形管等、螺旋形管4e以外の屈曲管でもよく、これら屈曲管の幅方向寸法が一体形グローブ6Pの下部開口端6Pの直径dよりも大きい場合には、一体形グローブ6P内へ、その開口下端6P3からこれら屈曲管を挿入できないので、縦割線Obが必要である。
【0072】
図10は本発明の第6の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Eの渦巻形発光管4Yの正面図である。この渦巻形発光管4Yは図11で示すほぼ円錐状の螺旋形発光管4Y1の螺旋形部4Y2を加熱軟化させて一平面上に押し潰して平面形状が渦巻状の渦巻形部4Y3に形成し、この渦巻形部4Y3の最大径部4k両端から一対の直状部4f,4fを一体に垂下させている。
【0073】
すなわち、図11に示すように円錐状螺旋形管4Y1は、その軸方向(図11では上下方向)で隣り合うバルブ同士が軸方で重なり合わないように円錐状の螺旋形に形成している。
【0074】
次に、この円錐状螺旋形部4Y1を加熱軟化させ、その螺旋頂端部(図11では螺旋形部4Y1の上端部)を最大径部(図11では下端部)4k側へ押し潰して渦巻形部4Y3に形成している。
【0075】
図10に示すように、この渦巻形発光管4Yによれば、その渦巻形部4Y3が一平面上で渦巻状に形成されているので、その渦巻平面に対する垂直方向、すなわち、図中矢印で示す方向の直下照度を向上させることができる。
【0076】
また、この渦巻形発光管4Yによれば、円錐状の螺旋形発光管4Y1を軸方向に押し潰して平面状の渦巻形部4Y3に形成しているので、軸方向の長さ(高さ)を縮小し、小形化を図ることができる。なお、この渦巻形発光管4Yでは、その渦巻形部4Y3の直状部4f,4f側の外面に反射膜を形成してもよい。これによれば、渦巻形部4Y3からの発光を反射膜により図10中矢印方向へ反射させることができるので、その分、さらに直下照度を向上させることができる。
【0077】
図12は本発明の第7の実施形態に係る照明装置15の一例を示す正面図である。この照明装置15は上記図10で示す渦巻形発光管4Yをらっぱ状の反射ミラー16内に配設している。反射ミラー16は、そのらっぱ状内面を反射面16aに形成している。
【0078】
したがって、この照明装置15によれば、上述したように直下照度を向上させる渦巻形発光管4Yを具備しているので、照明装置としても図12中、矢印で示す方向の直下照度を向上させることができる。
【0079】
また、渦巻形発光管4Yは、その口金2側を左右一対の直状部4f,4fに形成し、これら直状部4f,4f周りの間隙を多くしているので、渦巻形部4Y3の発光が直状部4f,4fにより遮光される遮光量の低減を図ることができる。
【0080】
しかも、これら直状部4f,4fの間隙を通った光は反射ミラー16の反射面16aにより反射されて、その前方(図12では矢印方向)へ出力されるので、さらに、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの一部を縦断面で示す正面図。
【図2】図1で示す発光管の正面図。
【図3】図1で示す発光管の平面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の概略構成図。
【図5】(A)は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプの正面図、(B)は同電球形蛍光ランプの変形例の正面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプの分解正面図。
【図7】図6で示す電球形蛍光ランプの概略平面図。
【図8】図7で示す一体形グローブの縦割線と点灯装置の縦基板との他の位置関係を示す概略平面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプの分解正面図。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る電球形蛍光ランプの渦巻形発光管の正面図。
【図11】図10で示す渦巻形発光管に形成する前の円錐状螺旋形発光管の正面図。
【図12】図10で示す渦巻形発光管を具備した照明装置の正面図。
【符号の説明】
【0082】
1,1A,1B,1C,1D…電球形蛍光ランプ、2…口金、3…カバー、3a…カバー本体、3b…カバーの開口取付端部、4…発光管、4g…ガラスバルブ、4a,4b…一対の電極封止端部、4h…折返し部、4e…発光管の螺旋形部、4f…発光管の直状部、4k…発光管の最大外径部、4Y…渦巻形発光管、4Y1…円錐状螺旋形発光管、4Y3…渦巻形部、5…ホルダ、5a…ホルダの基板部、5c…ホルダの筒状支持部、5d,5e…ホルダの取付孔、5f,5g…一対の取付溝、6…グローブ、6a…グローブの開口端部、6b…グローブの縮径部、6X1…分割用グローブの左半部、6X2…分割用グローブの右半部、6P…一体形グローブ、6P1,6P2…一対のグローブ片、7…点灯装置、7a…点灯装置の縦基板、7b…点灯装置の電子部品、11,15…照明装置、12…照明器具本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー本体の一端に口金を備え他端に取付端部を有するカバーと;
カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部よりも縮径した縮径部が形成されたグローブと;
グローブ内に収容された一対の電極を有するバルブを備え、このバルブは、グローブの最大径部を含む頂端部側に位置してグローブの縮径部よりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部およびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部を含む直状部を備え、螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも大径に形成してなる発光管と;
カバー内に収容された点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
直状部のバルブ外径が7〜9mmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
グローブはカバーと一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
電球形蛍光ランプが取り付けられる器具本体と;
を具備していることを特徴する照明装置。
【請求項1】
カバー本体の一端に口金を備え他端に取付端部を有するカバーと;
カバーの取付端部に取り付けられる開口端部側に、その他端の頂端部側の最大径部よりも縮径した縮径部が形成されたグローブと;
グローブ内に収容された一対の電極を有するバルブを備え、このバルブは、グローブの最大径部を含む頂端部側に位置してグローブの縮径部よりも径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形に形成された螺旋形部およびこの螺旋形部に一体に連成されグローブの縮径部側に配設され、螺旋形部の螺旋軸方向に延在する一対の電極封止端部を含む直状部を備え、螺旋形部のバルブ径を直状部のバルブ径よりも大径に形成してなる発光管と;
カバー内に収容された点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
直状部のバルブ外径が7〜9mmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
グローブはカバーと一体に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
電球形蛍光ランプが取り付けられる器具本体と;
を具備していることを特徴する照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−27850(P2008−27850A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202084(P2006−202084)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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