説明

あぶら取り紙およびあぶら取り紙製造方法

【課題】油分を吸収できると共に美肌効果を発揮できるあぶら取り紙1、およびこのあぶら取り紙1を製造するあぶら取り紙製造方法を提供し、利用者の満足度を向上させる
【解決手段】人肌の表面に生じた油分を吸収するあぶら取り紙1を製造するあぶら取り紙製造方法として、原紙3の塗布面3aに有機ゲルマニウム粉末2を塗布し、上下に対向配置されたハンマー12と台座13の間に原紙3を略水平に位置させ、上下動する前記ハンマー12で前記原紙3を前記有機ゲルマニウム粉末2ごと所定回数打圧する。有機ゲルマニウム粉末2の塗布は、原紙3の紙面両面のうち片面のみとし、この塗布済みの原紙3を塗布面3aが同一方向に向くようにして複数枚重ね合わせた状態で前記打圧を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば顔面などに生じる油分(皮脂)を取り除くようなあぶら取り紙、およびあぶら取り紙製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔面に生じる油分を取り除くことができるあぶら取り紙が主に女性を対象として提供されている。顔面に生じた油分は、化粧崩れやテカリの原因となる。このため、油分を吸収できるあぶら取り紙は、女性にとって必需品であり、ハンドバック等に入れて持ち運ばれ、外出先でも使用されている。
【0003】
このようなあぶら取り紙として、油分の吸収性を高めたものや、油分の取れ具合をわかりやすくしたものなど、種々のあぶら取り紙が提案されている。
例えば、油分の取れ具合を解りやすくするものとして、エンボス加工で形成した凹凸により、油分を吸収して黒くなる部分とそうでない部分を設けたあぶら取り紙が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
このあぶら取り紙は、機械抄き和紙にエンボス加工を施すことで紙の繊維の密度の高い部分と低い部分を設け、油分を吸収した際に前記エンボス加工によるコントラストが明瞭になって模様が明瞭になるとされている。
【0005】
しかし、このようなあぶら取り紙は、あくまでも油分を吸収することが目的であり、それ以上の用途や目的を有するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】特開平11−322536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、油分を吸収できると共に美肌効果を発揮できるあぶら取り紙、およびこのあぶら取り紙を製造するあぶら取り紙製造方法を提供し、利用者の満足度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、人肌の表面に生じた油分を吸収するあぶら取り紙を製造するあぶら取り紙製造方法であって、原紙の紙面に有機ゲルマニウムを塗布し、上下に対向配置された槌体と台座の間に前記原紙を略水平に位置させ、上下動する前記槌で前記原紙を前記有機ゲルマニウムごと所定回数打圧するあぶら取り紙製造方法であることを特徴とする。
これにより、油分を吸収できると共に美肌効果を発揮できるあぶら取り紙を提供し、利用者の満足度を向上させることができる。
【0009】
この発明の態様として、前記原紙の紙面両面のうち片面にのみ前記有機ゲルマニウムを塗布し、この塗布済みの原紙を塗布面が同一方向に向くようにして複数枚重ね合わせた状態で前記打圧を行うことができる。
これにより、片面に有機ゲルマニウムを塗布するだけで、打圧後に両面に有機ゲルマニウムが付着したあぶら取り紙を提供することができる。
【0010】
またこの発明の態様として、前記有機ゲルマニウムを前記片面全体に満遍なく塗布することができる。
これにより、利用者は、あぶら取り紙のどの部分を使用しても、油分を取ると同時に有機ゲルマニウムによる美肌効果を得ることができる。
【0011】
またこの発明の態様として、前記有機ゲルマニウムは、粉末状態のものを用いることができる。
これにより、有機ゲルマニウムをあぶら取り紙の紙面に載せるように塗布することができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記有機ゲルマニウムは、粉末状態のものを液体に溶かして用いることができる。
これにより、有機ゲルマニウムをあぶら取り紙に染み込ませるように塗布することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記所定回数は、5万〜6万回とすることができる。
これにより、原紙の繊維を充分細かく粉砕することができ、かつ有機ゲルマニウムをしっかりと原紙に付着させることができる。
【0014】
またこの発明は、原紙の紙面に有機ゲルマニウムを付着させたあぶら取り紙とすることができる。
これにより、油分を吸収できると共に美肌効果を発揮できるあぶら取り紙を提供し、利用者の満足度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明により、油分を吸収できると共に美肌効果を発揮できるあぶら取り紙、およびこのあぶら取り紙を製造するあぶら取り紙製造方法を提供し、利用者の満足度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、本発明のあぶら取り紙を製造する際の原材料となる有機ゲルマニウム粉末2と原紙3とを示す斜視図である。
【0017】
有機ゲルマニウム粉末2は、粉末状に形成された有機ゲルマニウムであり、水溶性を有するものである。
原紙3は、油分を吸収する和紙等の紙材により、肉厚が略一定で、完成時のあぶら取り紙よりも大きい四角形(この実施例では前後左右に4枚×4枚の計16枚分の大きさ)に形成されている。この原紙3の素材は、麻や雁皮など、繊維の強い和紙を使用することが好ましい。
【0018】
図2は、原紙3に有機ゲルマニウム粉末2を塗布する塗布工程の説明図である。
この塗布工程では、原紙3の片面に設定した塗布面3aの全体に、刷毛5にて有機ゲルマニウム粉末2を満遍なく塗布する。このとき、塗布された有機ゲルマニウム粉末2の厚さがなるべく均一となるように塗布する。
【0019】
この塗布工程により、原紙3の表面(塗布面3a)全体に有機ゲルマニウム粉末2が塗布され、裏面には有機ゲルマニウム粉末2が塗布されていない中間製品4が出来上がる。
なお、この例では、原紙3の片面に有機ゲルマニウム粉末2を塗布しているが、原紙3の表裏両面に有機ゲルマニウム粉末2を塗布してもよい。
【0020】
図3は、中間製品4を重合する重合工程と、これを打圧する打圧工程を説明する説明図である。
重合工程では、中間製品4を複数枚重合し、最上面と最下面に保護紙7を重合配置して、これらを一体にテープ8でしっかりと留め、積層体9としてまとめる。
この重合のとき、全ての中間製品4は、有機ゲルマニウム粉末2が塗布された面を上面(あるいは下面)として、向きを統一して隙間無く重ね合わせる。
【0021】
打圧工程では、箔打機11に設けられた金属製の台座13の上に積層体9を載せ、槌体の一例である金属製のハンマー12で積層体9を打圧する。
ここで、箔打機11は、上面中央が凸の台座13と、該台座13と上下方向に対向して下面中央が凸のハンマー12と、このハンマー12を台座13へ向けて真っ直ぐに上下動させる駆動部(図示省略)が設けられている。この図示省略した駆動部は、ハンマー12を毎分800回から1000回程度の速度で約1トン〜数トンの打圧で打ち降ろす。この構成により、ハンマー12を台座13に向けて高速に何度も打ち降ろすことができ、毎回約1トン〜数トンの点圧を積層体9にかけることができる。
【0022】
この箔打機11で打圧をかけている間、積層体9を前後左右(水平方向の全方向)に移動させ、積層体9の全面に満遍なく打圧をかける。この積層体9の前後左右の移動は、適宜の駆動部によって自動で移動させてもよいが、この実施例では人手によって移動させている。
このように、積層体9を前後左右に移動させつつ箔打機11のハンマー12で5万〜6万回打圧して、打圧工程を終了する。
【0023】
図4は、切断工程を示す斜視図である。
打圧完了した積層体9(図3参照)をほどいて中間製品4を重ねたまま取り出し、この中間製品4を重合状態のまま切断ライン21で適切なサイズ(例えば70mm×90mm程度)に切断することで、あぶら取り紙1を複数枚重合配置したあぶら取り紙束30が完成する。
【0024】
このようにして完成したあぶら取り紙1は、図5の拡大断面図に示すように、和紙の繊維38が細かく粉砕されており、油分の吸収力が打圧前に比べてはるかに向上している。
【0025】
この繊維38の粉砕には、粉状の有機ゲルマニウム粉末2(図1参照)も貢献している。つまり、図3に示したように積層体9として重合配置された原紙3と原紙3の間に、粉状の有機ゲルマニウム粉末2が存在していることで、各原紙3にかかる圧力が有機ゲルマニウム粉末2の大きさの点圧となる。したがって、原紙3の紙面に何も塗布せず原紙3と原紙3を直接重ねて打圧するよりも、繊維38を効率よく細かく粉砕できる。
【0026】
また、図5の拡大断面図に示すように、完成したあぶら取り紙1には、有機ゲルマニウム粉末2が塗布されていた表面(塗布面3a)に加えて有機ゲルマニウム粉末2が塗布されていなかった裏面3bにも有機ゲルマニウム粉末2がしっかり付着しており、さらに粉砕された繊維38の間にも有機ゲルマニウム粉末2が入り込んでいる。従って、1枚のあぶら取り紙1を手で持ちあげて使用する際に、有機ゲルマニウム粉末2が全てはがれ落ちるといったことを防止できる。このため、利用者は、あぶら取り紙1を顔面にあてて油分を吸収するだけで、有機ゲルマニウム粉末2が顔面に接触して美肌効果などの作用を得ることができる。
【0027】
このように製造されたあぶら取り紙1により、利用者はあぶら取り紙1を用いて油分を取る毎に、有機ゲルマニウム粉末2による自己免疫力の活性化作用を得ることができ、皮膚のトラブルや老化の予防、美肌効果、体内の酸素量を増やし血液をきれいにする効果、体内の老廃物を排泄する効果、および免疫力や自然治癒力を高める効果を得ることができる。
【0028】
また有機ゲルマニウム粉末2を肌に接触させることで、アトピー皮膚体質改善効果、抗アレルギー効果、抗炎症効果、降圧効果、および骨粗しょう症改善効果を得ることができる。また、有機ゲルマニウム粉末2を肌に接触させることで、インターフェロンを誘起することができ、抗ウィルス効果を得ることができる。
【0029】
このように、あぶら取り紙1を利用する利用者は、顔面などの油分を除去できるという基本的な効果に加えて、各種病気を予防する予防効果と、皮膚の活性化等による美肌効果とを得ることができる。従って、非常に有用で価値の高い多機能シートとしてあぶら取り紙1を提供でき、利用者の満足度を向上させることができる。
【0030】
また、完成したあぶら取り紙1は、充分に打圧されて繊維組織が柔らかくなっており、使用時の肌あたりがよくなっている。このため、利用者はあぶら取り紙1を快適に使用することができる。
【0031】
また、原紙3の繊維38の粉砕と有機ゲルマニウム粉末2の刷り込みという2つの作業を1つの打圧工程で完了できるため、効率よく短時間であぶら取り紙1を製造することができる。
【0032】
なお、以上の実施形態では、塗布工程にて有機ゲルマニウム粉末2を粉末状態のままで原紙3の表面に塗布したが、水などの液体に有機ゲルマニウム粉末2を溶解させ、この水溶液を原紙3の表面に塗布しても良い。この場合も有機ゲルマニウムをあぶら取り紙1に含有させることができ、同様の効果を得ることができる。
【0033】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】有機ゲルマニウム粉末と原紙とを示す斜視図。
【図2】原紙に有機ゲルマニウム粉末を塗布する塗布工程の斜視図。
【図3】中間製品を重合する重合工程とこれを打圧する打圧工程の説明図。
【図4】切断工程を示す斜視図。
【図5】あぶら取り紙の拡大断面図。
【符号の説明】
【0035】
1…あぶら取り紙
2…有機ゲルマニウム粉末
3…原紙
3a…塗布面
12…ハンマー
13…台座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人肌の表面に生じた油分を吸収するあぶら取り紙を製造するあぶら取り紙製造方法であって、
原紙の紙面に有機ゲルマニウムを塗布し、
上下に対向配置された槌体と台座の間に前記原紙を略水平に位置させ、
上下動する前記槌で前記原紙を前記有機ゲルマニウムごと所定回数打圧する
あぶら取り紙製造方法。
【請求項2】
前記原紙の紙面両面のうち片面にのみ前記有機ゲルマニウムを塗布し、
この塗布済みの原紙を塗布面が同一方向に向くようにして複数枚重ね合わせた状態で前記打圧を行う
請求項1記載のあぶら取り紙製造方法。
【請求項3】
前記有機ゲルマニウムを前記片面全体に満遍なく塗布する
請求項2記載のあぶら取り紙製造方法。
【請求項4】
前記有機ゲルマニウムは、粉末状態のものを用いる
請求項1、2または3記載のあぶら取り紙製造方法。
【請求項5】
前記有機ゲルマニウムは、粉末状態のものを液体に溶かして用いる
請求項1、2または3記載のあぶら取り紙製造方法。
【請求項6】
前記所定回数は、5万〜6万回とする
請求項1から5のいずれか1つに記載のあぶら取り紙製造方法。
【請求項7】
原紙の紙面に有機ゲルマニウムを付着させた
あぶら取り紙。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−17894(P2008−17894A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189973(P2006−189973)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(506238374)
【Fターム(参考)】