おしゃぶり
おしゃぶりは、内側の基層と、この内側の基層に一体成型される外側の基層とを具備している。この外側の基層は、ニップルとハンドルとを形成している。前記内側の基層は、前記外側の基層によって覆われている第1の部分と、前記外側の基層によって覆われていない部分とを有し、これら部分がシールド部を形成している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一体成型された少なくとも2つの層を有するおしゃぶりに関わる。特に、本開示は、内側の層の一部がおしゃぶりの外面を為しているようなおしゃぶりを提示する。
【背景技術】
【0002】
従来のおしゃぶりは、シールドと、ニップルと、ハンドルと、こぶとによって形成されている。シールドと、ニップルと、ハンドルと、こぶとを有するおしゃぶりは、アセンブリを要する。このアセンブリは、複数の間隙を形成しており、これら間隙は、唾液や粒子などが溜まって、不衛生的になり、また掃除をしにくい。
【0003】
この他の、可撓性の材料によって形成され1つの構成要素から成るおしゃぶりは、安全基準を通過するために大きいサイズを有していなければならないシールドを備えている。しかしながら、大きいサイズは、乳児に対して望ましくない。
【0004】
従って、乳児のために安全にサイズを設定された、可撓性の材料を含んで一体成型されたおしゃぶりを提供する必要がある。更に、生産効率を高め、掃除しやすい形状を有するおしゃぶりが、必要である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一緒に一体成型された少なくとも2つの層を有するおしゃぶりを提示する。
【0006】
更に、本開示は、このような一体成型されたおしゃぶりが、露出した内側の層に頑丈な部分を有していることを提示する。
【0007】
本開示の、上記の及び他の効果や利点は、当業者によって以下の詳しい説明、図面、添付の請求項から理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本開示のおしゃぶりの下側からの斜視図である。
【図2】図2は、図1の正面図である。
【図3】図3は、図1の側面図である。
【図4】図4は、図1のおしゃぶりの内側の層の下面図である。
【図5】図5は、図1の内側の基層の平面図である。
【図6】図6は、図1の内側の基層の上側からの斜視図である。
【図7】図7は、図1の後面図である。
【図8】図8は、図1の下面図である。
【図9】図9は、図1の平面図である。
【図10】図10は、図3の線10−10に沿って切断された横断面図である。
【図11】図11は、開口を有する試験装置を示す図である。
【図12】図12は、図11の線A−Aに沿って切断された横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面、特に図1を参照すると、おしゃぶりの実施例は、全体が参照符号100で示されている。おしゃぶり100は、内側の基層105と外側の基層110とを有している。この外側の基層110は、ニップル115、ハンドル120、シールド部125を形成するために、内側の基層105に一体成型(overmolded)されている。前記内側の基層105と外側の基層125の一部とがシールド部125を形成することが、重要である。
【0010】
図2及び図3を参照すると、外側の基層110は、この外側の基層がおしゃぶり100のニップル115を有する一側面を覆うように、内側の基層105に一体成型されている。前記内側の基層105は、複数の2次的な孔150とこれら孔と連通した周壁155とを有している。前記外側の基層110は、周壁155に当接している。前記周壁155は、図2に示されているように、外側の基層110によって覆われていない外側の部分即ちリップ165を有し得る。
【0011】
図4乃至図6を参照すると、内側の基層105は、互いに対向する凹部135を有する長円形状の外周面130を有している。前記内側の基層105は、おしゃぶり100のニップル115の方向に湾曲されていても良い。前記外周面130は、内側の基層105の、おしゃぶり100のハンドル120に面している側面に、外端面140を有している。前記外端面140は、この外端面140に当接している少なくとも内側の基層105の一部より小さい厚みを有している。前記外周面130内に、内側の基層105は、内周面147を有する内側の孔145を有している。この内側の孔145は、内側の基層105の、おしゃぶりのハンドル120に面している側面に、内端面150を有している。前記内端面150は、この内端面に当接している少なくとも内側の基層105の一部より小さい厚みを有している。また、おしゃぶり100のハンドル120を有する側面に、前記内側の基層105は、少なくとも1つの突起部160を有し得る。前記突起部160は、乳児がおしゃぶりを握るのを助け、もしくは、乳児に刺激を与えるために違う触感を与える。前記突起部は、どんな形状のものでも良いが、好ましくは、図4に示されている矢じり形である。
【0012】
前記内側の基層105は、複数の2次的な孔150を有している。前記2次的な孔150の各々は、おしゃぶり100の内側の基層105の、ニップル115を有する側面に、周壁155を有している。前記周壁155は、内側の基層105から外側に突出している。
【0013】
図7乃至図10を参照すると、前記外側の基層110は、図10に明確に示されているように、前記外周面130の周りまで延びており、前記外端面140をふさいでいる。前記外側の基層110は、前記内側の孔145を通って内周面147を覆うように延び、内端面150をふさいでいる。前記外側の基層110は、内側の孔145の全体を覆っても良い。おしゃぶり100のハンドル120を有する側面の内側の基層105の残りの部分170は、外側の基層110に覆われていない。かくして、シールド部125は、唾液や粒子などが溜まってアクセスと掃除とを必要とする間隙がない、連続した面を有している。
【0014】
ニップル115は、前記シールド部125の第1の側面に、外側の基層110によって形成されている。このニップル115は、乳児が噛むことができるように、シールド部とは反対方向に延びている。このニップル115は、ニップル115内が掃除され得るように中空であっても良い。また、前記ニップル115は、内周面147の完全に内側に形成されていても良い。このことによって、ニップルの周りの大部分が可撓性であるため、前記ニップル115は、掃除中に曲げられることが可能となる。前記ニップル115は、例えば、少なくとも1つの隆起したリングを有する円筒形であり、即ち、乳児が吸うのに適したいかなる形状であっても良い。
【0015】
図1乃至3、及び、図7乃至10を参照すると、ハンドル120は、シールド部125の第2の側面に、外側の基層110によって形成されている。このハンドル120は、シールド部125から離れる方向に延びており、乳児もしくは大人によって握られ得る。このハンドル120は、少なくとも1つのこぶ即ち突起部173を有し得る。このハンドル120は、図1に示されているように、このハンドルが、シールド部を形成している外側の基層110に接続されるようにモールド成型された2つの接続点175を有している。前記両接続点175は、内周面147の完全に内側に形成されていても良い。このことによって、外側の基層110の、通常費用のかかる可撓性の材料の使用を、最小限にすることができる。前記両接続点175は、シールド部125の外周面130の外側の、基層110の部分に形成されても良い。このことによって、握るのを助けるより幅の広いハンドルが可能となる。前記両接続点175は、ニップル115とシールド部125との間の接続と同じ平面上にあっても良い。
【0016】
ニップル115とハンドル120とを有する外側の基層110を、内側の基層105の周りで一体成型することによって、おしゃぶり100の独立した部品の数が減じられる。前記ハンドル120は、図3に示されているように、ハンドル120がシールド部125に直交しないように、曲がった状態で延びていても良い。
【0017】
前記シールド部125は、参照によって取り入れられている乳児用おしゃぶりのための16C.F.R1511に規定されているU.S.要件に従ってサイズを設定されている。少なくともシールド部125の部分は、図12に示されているように、シールドが中心に位置されている間に、約907.18グラム(2ポンド)の張力Tがニップルの中心に与えられた時、図11に示されているディメンション及び形状を有する開口部を備えた取り付け具を通り抜けない。図11は、約102ミリメートルの長さのディメンションと約76ミリメートルの幅のディメンションと中心開口部210とを有する取り付け具200を示している。前記中心開口部210は、蝶ネクタイの形状を有している。前記中心開口部は、約42.7ミリメートルの直径と両側にそれぞれサイド部220を有する円形部215を有している。前記側面部220の各々は、1対のサイドレッグ225を有しており、これら両サイドレッグ225は、前記円形部の中心部230から測定して互いに約45度の角度を成している。前記両サイド部220は、円形部215の中心部230から約38.1ミリメートルの1対のサイドレッグ225の各々に接続しているエンドレッグ235を有している。前記力が、5秒以内に徐々に約907.18グラム(2ポンド)に達するように且つこれを超えないように与えられ、次の10秒間維持される。おしゃぶりがテストの間にテスト開口部を通って引き抜かれたら、このおしゃぶりは欠陥品であり、安全基準に応じない。
【0018】
前記シールド部125は、図8に示されているように、幅W1と高さH1とを有している。前記幅W1は、約57.0ミリメートルであり得、高さH1は、約34.5ミリメートルであり得る。前記シールド部125は、約2.8ミリメートルの厚さを有している。前記内側の基層105は、約50ミリメートルの幅W2、約28.5ミリメートルの高さH2を有し得る。前記内側の基層105は、約1.5ミリメートルの厚さを有し得る。上記のディメンションを有するおしゃぶり100は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に応じるかこれを超えるだろう。
【0019】
前記外側の基層110は、前記内側の基層105より強い可撓性を有している。前記外側の基層110は、シリコーンであっても良い。例えば、シリコーンは、商標名LIM(登録商標)8040で販売されているシリコーンであっても良い。このシリコーンは、構成比が1:1である2つの構成要素の液体の射出成型材であり、成型温度150℃乃至190℃で、透過性のシリコーン弾性繊維の高い引裂強度を保ち、約1.08gm/ccの比重と約43乃至46デュロメートルのショアA硬度を有する構成比が1:1のシリコーンラバーとを有している。また、前記シリコーンは、例えば、約67デュロメートルのショアA硬度を有する構成比が1:1のシリコーンラバーであっても良い。前記シリコーンは、射出成型のための多種の熱可塑物質と互換可能な等級を有しており、外側の基層110を内側の基層105にしっかりと取着させるように、内側の基層105にモールド成型され得る。
【0020】
前記内側の基層105は、例えば、ポリアミドもしくはナイロン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、もしくは、ポリカーボネート(PC)であっても良い。例えば、ナイロンは、Zytel(登録商標)101LNC010という商標名で販売されているナイロンでも良い。このナイロンは、約55メガパスカル(MPa)乃至82MPaの引張応力と、約3100MPa乃至約1400MPaを有する潤滑されたモールド成型度数PA66の樹脂である。
【0021】
射出成型のための熱可塑物質と互換可能であるこのような形式のシリコーン材料は、高価であり得る。ここに開示されているおしゃぶり100は、費用効果を高めるために、使用されるシリコーン材料の量を制限している。熱可塑性の弾性繊維のような材料は、乳児が気付いて結果的におしゃぶりを拒否するようなにおいを有している。前記外側の基層110は、約40乃至約70ショアAのデュロメートルを有し得る。前記内側の基層105は、約56296.11乃至112592.22キログラム/平方センチメートル(約800乃至約1600キロポンド/平方インチ(ksi))の弾性のモジュールを有している。
【0022】
再度図10を参照すると、前記内側の基層105は、第1の型内でモールド成型され、第1の型から取り出され得る。前記内側の基層105は、第2の型内に挿入され、この型内で、外側の基層110が内側の基層105と一体成型され、シールド部、ニップル、ハンドルを形成する。
【0023】
乳児がおしゃぶりを使用し、図2の矢印Aによって示されているような内側への吸引力を与えると、外側の基層110は、外端面140及び内端面150に内側の基層105に力を与えて、前記内側の基層と外側の基層との間の接続を維持しながら、シールド部125の曲げを減じる。前記内側の基層105は、外側の基層の材料のみから成る同じ大きさの前記シールド部125の曲げの量を減じる。シールド部の曲げの量を減じることによって、シールド部125が外側の基層110の材料の層によってのみ形成される場合より小さいシールドが、可能となる。この結果、シールド部は、乳児にとってよりふさわしいより小さいサイズになり得る。外側の基層110は、乳児が触れるために望ましい柔らかさを維持する。おしゃぶり100のサイズと材料とは、従来技術と比較して、より人間工学に基づいており、乳児にとってより適切なサイズに設定される。
【0024】
ここにおける開示が少なくとも1つの実施例を参照して説明されているけれど、種々の変更が為されること、並びに、相当のものが諸要素に代用され得ることが、本発明の範囲を逸脱することなしに行われることが、当業者に理解されるだろう。更に、種々の変形が、特定の状況もしくは材料を本開示の教えに適応させるために、本発明の範囲を逸脱することなしに為され得る。従って、本開示が、本発明を実行するように配慮された最良の形態として開示されている特定の実施形態に制限されないことと、本発明が、添付の請求項の範囲内にあるすべての実施形態を含むこととが、意図される。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一体成型された少なくとも2つの層を有するおしゃぶりに関わる。特に、本開示は、内側の層の一部がおしゃぶりの外面を為しているようなおしゃぶりを提示する。
【背景技術】
【0002】
従来のおしゃぶりは、シールドと、ニップルと、ハンドルと、こぶとによって形成されている。シールドと、ニップルと、ハンドルと、こぶとを有するおしゃぶりは、アセンブリを要する。このアセンブリは、複数の間隙を形成しており、これら間隙は、唾液や粒子などが溜まって、不衛生的になり、また掃除をしにくい。
【0003】
この他の、可撓性の材料によって形成され1つの構成要素から成るおしゃぶりは、安全基準を通過するために大きいサイズを有していなければならないシールドを備えている。しかしながら、大きいサイズは、乳児に対して望ましくない。
【0004】
従って、乳児のために安全にサイズを設定された、可撓性の材料を含んで一体成型されたおしゃぶりを提供する必要がある。更に、生産効率を高め、掃除しやすい形状を有するおしゃぶりが、必要である。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一緒に一体成型された少なくとも2つの層を有するおしゃぶりを提示する。
【0006】
更に、本開示は、このような一体成型されたおしゃぶりが、露出した内側の層に頑丈な部分を有していることを提示する。
【0007】
本開示の、上記の及び他の効果や利点は、当業者によって以下の詳しい説明、図面、添付の請求項から理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本開示のおしゃぶりの下側からの斜視図である。
【図2】図2は、図1の正面図である。
【図3】図3は、図1の側面図である。
【図4】図4は、図1のおしゃぶりの内側の層の下面図である。
【図5】図5は、図1の内側の基層の平面図である。
【図6】図6は、図1の内側の基層の上側からの斜視図である。
【図7】図7は、図1の後面図である。
【図8】図8は、図1の下面図である。
【図9】図9は、図1の平面図である。
【図10】図10は、図3の線10−10に沿って切断された横断面図である。
【図11】図11は、開口を有する試験装置を示す図である。
【図12】図12は、図11の線A−Aに沿って切断された横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面、特に図1を参照すると、おしゃぶりの実施例は、全体が参照符号100で示されている。おしゃぶり100は、内側の基層105と外側の基層110とを有している。この外側の基層110は、ニップル115、ハンドル120、シールド部125を形成するために、内側の基層105に一体成型(overmolded)されている。前記内側の基層105と外側の基層125の一部とがシールド部125を形成することが、重要である。
【0010】
図2及び図3を参照すると、外側の基層110は、この外側の基層がおしゃぶり100のニップル115を有する一側面を覆うように、内側の基層105に一体成型されている。前記内側の基層105は、複数の2次的な孔150とこれら孔と連通した周壁155とを有している。前記外側の基層110は、周壁155に当接している。前記周壁155は、図2に示されているように、外側の基層110によって覆われていない外側の部分即ちリップ165を有し得る。
【0011】
図4乃至図6を参照すると、内側の基層105は、互いに対向する凹部135を有する長円形状の外周面130を有している。前記内側の基層105は、おしゃぶり100のニップル115の方向に湾曲されていても良い。前記外周面130は、内側の基層105の、おしゃぶり100のハンドル120に面している側面に、外端面140を有している。前記外端面140は、この外端面140に当接している少なくとも内側の基層105の一部より小さい厚みを有している。前記外周面130内に、内側の基層105は、内周面147を有する内側の孔145を有している。この内側の孔145は、内側の基層105の、おしゃぶりのハンドル120に面している側面に、内端面150を有している。前記内端面150は、この内端面に当接している少なくとも内側の基層105の一部より小さい厚みを有している。また、おしゃぶり100のハンドル120を有する側面に、前記内側の基層105は、少なくとも1つの突起部160を有し得る。前記突起部160は、乳児がおしゃぶりを握るのを助け、もしくは、乳児に刺激を与えるために違う触感を与える。前記突起部は、どんな形状のものでも良いが、好ましくは、図4に示されている矢じり形である。
【0012】
前記内側の基層105は、複数の2次的な孔150を有している。前記2次的な孔150の各々は、おしゃぶり100の内側の基層105の、ニップル115を有する側面に、周壁155を有している。前記周壁155は、内側の基層105から外側に突出している。
【0013】
図7乃至図10を参照すると、前記外側の基層110は、図10に明確に示されているように、前記外周面130の周りまで延びており、前記外端面140をふさいでいる。前記外側の基層110は、前記内側の孔145を通って内周面147を覆うように延び、内端面150をふさいでいる。前記外側の基層110は、内側の孔145の全体を覆っても良い。おしゃぶり100のハンドル120を有する側面の内側の基層105の残りの部分170は、外側の基層110に覆われていない。かくして、シールド部125は、唾液や粒子などが溜まってアクセスと掃除とを必要とする間隙がない、連続した面を有している。
【0014】
ニップル115は、前記シールド部125の第1の側面に、外側の基層110によって形成されている。このニップル115は、乳児が噛むことができるように、シールド部とは反対方向に延びている。このニップル115は、ニップル115内が掃除され得るように中空であっても良い。また、前記ニップル115は、内周面147の完全に内側に形成されていても良い。このことによって、ニップルの周りの大部分が可撓性であるため、前記ニップル115は、掃除中に曲げられることが可能となる。前記ニップル115は、例えば、少なくとも1つの隆起したリングを有する円筒形であり、即ち、乳児が吸うのに適したいかなる形状であっても良い。
【0015】
図1乃至3、及び、図7乃至10を参照すると、ハンドル120は、シールド部125の第2の側面に、外側の基層110によって形成されている。このハンドル120は、シールド部125から離れる方向に延びており、乳児もしくは大人によって握られ得る。このハンドル120は、少なくとも1つのこぶ即ち突起部173を有し得る。このハンドル120は、図1に示されているように、このハンドルが、シールド部を形成している外側の基層110に接続されるようにモールド成型された2つの接続点175を有している。前記両接続点175は、内周面147の完全に内側に形成されていても良い。このことによって、外側の基層110の、通常費用のかかる可撓性の材料の使用を、最小限にすることができる。前記両接続点175は、シールド部125の外周面130の外側の、基層110の部分に形成されても良い。このことによって、握るのを助けるより幅の広いハンドルが可能となる。前記両接続点175は、ニップル115とシールド部125との間の接続と同じ平面上にあっても良い。
【0016】
ニップル115とハンドル120とを有する外側の基層110を、内側の基層105の周りで一体成型することによって、おしゃぶり100の独立した部品の数が減じられる。前記ハンドル120は、図3に示されているように、ハンドル120がシールド部125に直交しないように、曲がった状態で延びていても良い。
【0017】
前記シールド部125は、参照によって取り入れられている乳児用おしゃぶりのための16C.F.R1511に規定されているU.S.要件に従ってサイズを設定されている。少なくともシールド部125の部分は、図12に示されているように、シールドが中心に位置されている間に、約907.18グラム(2ポンド)の張力Tがニップルの中心に与えられた時、図11に示されているディメンション及び形状を有する開口部を備えた取り付け具を通り抜けない。図11は、約102ミリメートルの長さのディメンションと約76ミリメートルの幅のディメンションと中心開口部210とを有する取り付け具200を示している。前記中心開口部210は、蝶ネクタイの形状を有している。前記中心開口部は、約42.7ミリメートルの直径と両側にそれぞれサイド部220を有する円形部215を有している。前記側面部220の各々は、1対のサイドレッグ225を有しており、これら両サイドレッグ225は、前記円形部の中心部230から測定して互いに約45度の角度を成している。前記両サイド部220は、円形部215の中心部230から約38.1ミリメートルの1対のサイドレッグ225の各々に接続しているエンドレッグ235を有している。前記力が、5秒以内に徐々に約907.18グラム(2ポンド)に達するように且つこれを超えないように与えられ、次の10秒間維持される。おしゃぶりがテストの間にテスト開口部を通って引き抜かれたら、このおしゃぶりは欠陥品であり、安全基準に応じない。
【0018】
前記シールド部125は、図8に示されているように、幅W1と高さH1とを有している。前記幅W1は、約57.0ミリメートルであり得、高さH1は、約34.5ミリメートルであり得る。前記シールド部125は、約2.8ミリメートルの厚さを有している。前記内側の基層105は、約50ミリメートルの幅W2、約28.5ミリメートルの高さH2を有し得る。前記内側の基層105は、約1.5ミリメートルの厚さを有し得る。上記のディメンションを有するおしゃぶり100は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に応じるかこれを超えるだろう。
【0019】
前記外側の基層110は、前記内側の基層105より強い可撓性を有している。前記外側の基層110は、シリコーンであっても良い。例えば、シリコーンは、商標名LIM(登録商標)8040で販売されているシリコーンであっても良い。このシリコーンは、構成比が1:1である2つの構成要素の液体の射出成型材であり、成型温度150℃乃至190℃で、透過性のシリコーン弾性繊維の高い引裂強度を保ち、約1.08gm/ccの比重と約43乃至46デュロメートルのショアA硬度を有する構成比が1:1のシリコーンラバーとを有している。また、前記シリコーンは、例えば、約67デュロメートルのショアA硬度を有する構成比が1:1のシリコーンラバーであっても良い。前記シリコーンは、射出成型のための多種の熱可塑物質と互換可能な等級を有しており、外側の基層110を内側の基層105にしっかりと取着させるように、内側の基層105にモールド成型され得る。
【0020】
前記内側の基層105は、例えば、ポリアミドもしくはナイロン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、もしくは、ポリカーボネート(PC)であっても良い。例えば、ナイロンは、Zytel(登録商標)101LNC010という商標名で販売されているナイロンでも良い。このナイロンは、約55メガパスカル(MPa)乃至82MPaの引張応力と、約3100MPa乃至約1400MPaを有する潤滑されたモールド成型度数PA66の樹脂である。
【0021】
射出成型のための熱可塑物質と互換可能であるこのような形式のシリコーン材料は、高価であり得る。ここに開示されているおしゃぶり100は、費用効果を高めるために、使用されるシリコーン材料の量を制限している。熱可塑性の弾性繊維のような材料は、乳児が気付いて結果的におしゃぶりを拒否するようなにおいを有している。前記外側の基層110は、約40乃至約70ショアAのデュロメートルを有し得る。前記内側の基層105は、約56296.11乃至112592.22キログラム/平方センチメートル(約800乃至約1600キロポンド/平方インチ(ksi))の弾性のモジュールを有している。
【0022】
再度図10を参照すると、前記内側の基層105は、第1の型内でモールド成型され、第1の型から取り出され得る。前記内側の基層105は、第2の型内に挿入され、この型内で、外側の基層110が内側の基層105と一体成型され、シールド部、ニップル、ハンドルを形成する。
【0023】
乳児がおしゃぶりを使用し、図2の矢印Aによって示されているような内側への吸引力を与えると、外側の基層110は、外端面140及び内端面150に内側の基層105に力を与えて、前記内側の基層と外側の基層との間の接続を維持しながら、シールド部125の曲げを減じる。前記内側の基層105は、外側の基層の材料のみから成る同じ大きさの前記シールド部125の曲げの量を減じる。シールド部の曲げの量を減じることによって、シールド部125が外側の基層110の材料の層によってのみ形成される場合より小さいシールドが、可能となる。この結果、シールド部は、乳児にとってよりふさわしいより小さいサイズになり得る。外側の基層110は、乳児が触れるために望ましい柔らかさを維持する。おしゃぶり100のサイズと材料とは、従来技術と比較して、より人間工学に基づいており、乳児にとってより適切なサイズに設定される。
【0024】
ここにおける開示が少なくとも1つの実施例を参照して説明されているけれど、種々の変更が為されること、並びに、相当のものが諸要素に代用され得ることが、本発明の範囲を逸脱することなしに行われることが、当業者に理解されるだろう。更に、種々の変形が、特定の状況もしくは材料を本開示の教えに適応させるために、本発明の範囲を逸脱することなしに為され得る。従って、本開示が、本発明を実行するように配慮された最良の形態として開示されている特定の実施形態に制限されないことと、本発明が、添付の請求項の範囲内にあるすべての実施形態を含むこととが、意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の基層と、
前記内側の基層に一体成型された外側の基層と、を具備しており、
前記外側の基層は、ニップルとハンドルとを形成し、
前記内側の基層は、前記外側の基層のシールド部分によって覆われている第1の部分と、前記外側の基層によって覆われていない部分とを有し、これら部分がシールド部を形成している、おしゃぶり。
【請求項2】
前記内側の基層は、硬性であり、前記外側の基層は、可撓性である、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項3】
前記シールド部の少なくとも一部は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に従った器具の開口部を通り抜けない、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項4】
前記シールド部は、前記内側の基層が可撓性の材料によって形成されている場合、約907.18グラム(2ポンド)の張力が前記ニップルの中心に与えられるとこのシールド部が前記開口部を通り抜けることができるようなサイズを有している、請求項3に記載のおしゃぶり。
【請求項5】
前記シールド部は、前記ニップルを有する第1の側面と、前記ハンドルを有する第2の側面とを有し、前記内側の基層は、各々が前記第1の側面から前記第2の側面へと前記外側の基層を通って延びている複数の孔を有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項6】
前記内側の基層は、この内側の基層が周囲に延びている内周面を有し、前記ニップルは、前記シールド部の一側面で、前記内周面の完全に内側に前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項7】
前記内側の基層は、内側の孔を有し、この内側の孔は、前記内側の基層が周囲に延びている内周面を有しており、前記ハンドルは、前記ニップルに対向した前記シールド部の一側面の、前記内周面の完全に内側で、前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項8】
前記内側の基層は、外周面を有しており、この外周面の内側に前記内側の基層が延びており、前記ハンドルは、前記シールド部の一側面で、前記外周面の外側の前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項9】
前記シールド部と前記ハンドルとは、第1の接続部を形成するように互いに接続されており、前記シールド部と前記ニップルとは、第2の接続部分を形成するように互いに接続されており、前記第1の接続部と第2の接続部とは、同一平面上にある、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項10】
前記内側の基層は、ポリアミドである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項11】
前記外側の基層は、シリコーンである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項12】
前記シリコーンは、ほぼ無臭である、請求項11に記載のおしゃぶり。
【請求項13】
前記外側の基層は、約40ショアAデュロメートル乃至約70ショアAデュロメートルである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項14】
前記内側の基層は、約56296.11乃至112592.22キログラム/平方センチメートル(約800乃至約1600キロポンド/平方インチ(ksi))の弾性のモジュールを有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項15】
内周面を備えた内側の孔を有し、この内周面の周囲に延びている内側の基層と、
シールド部とニップルとハンドルとを形成するために前記内側の基層に一体成型されている外側の基層とを具備し、
前記ハンドルは、前記シールド部の一側面で、前記内周面の内側の前記シールド部に接続されている、おしゃぶり。
【請求項16】
前記内側の基層は、硬性であり、前記外側の基層は、可撓性である、請求項15に記載のおしゃぶり。
【請求項17】
前記シールド部の少なくとも1部は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に応じる器具の開口部を通り抜けない、請求項15に記載のおしゃぶり。
【請求項18】
前記シールド部は、前記ニップルを有する第1の側面と、この第1の側面の反対側の前記ハンドルを有する第2の側面とを有し、前記シールド部は、各々が前記第1の側面から前記第2の側面へと前記外側の基層を通って延びている複数の孔を有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項19】
第1の型内で基層をモールド成型することと、
前記第1の型から前記内側の基層を取り出することと、
第2の型に前記内側の基層を挿入することと、
シールド部と、ニップルと、ハンドルとをモールド成型するために、前記内側の基層を、外側の基層と前記第2の型内で一体成型することと、
を具備する、おしゃぶりを形成する方法。
【請求項20】
前記内側の基層は、前記外側の基層のシールド部によって覆われている第1の部分と、前記シールド部を形成している前記外側の基層によって覆われていない部分とを有している、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
内側の基層と、
前記内側の基層に一体成型された外側の基層と、を具備しており、
前記外側の基層は、ニップルとハンドルとを形成し、
前記内側の基層は、前記外側の基層のシールド部分によって覆われている第1の部分と、前記外側の基層によって覆われていない部分とを有し、これら部分がシールド部を形成している、おしゃぶり。
【請求項2】
前記内側の基層は、硬性であり、前記外側の基層は、可撓性である、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項3】
前記シールド部の少なくとも一部は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に従った器具の開口部を通り抜けない、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項4】
前記シールド部は、前記内側の基層が可撓性の材料によって形成されている場合、約907.18グラム(2ポンド)の張力が前記ニップルの中心に与えられるとこのシールド部が前記開口部を通り抜けることができるようなサイズを有している、請求項3に記載のおしゃぶり。
【請求項5】
前記シールド部は、前記ニップルを有する第1の側面と、前記ハンドルを有する第2の側面とを有し、前記内側の基層は、各々が前記第1の側面から前記第2の側面へと前記外側の基層を通って延びている複数の孔を有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項6】
前記内側の基層は、この内側の基層が周囲に延びている内周面を有し、前記ニップルは、前記シールド部の一側面で、前記内周面の完全に内側に前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項7】
前記内側の基層は、内側の孔を有し、この内側の孔は、前記内側の基層が周囲に延びている内周面を有しており、前記ハンドルは、前記ニップルに対向した前記シールド部の一側面の、前記内周面の完全に内側で、前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項8】
前記内側の基層は、外周面を有しており、この外周面の内側に前記内側の基層が延びており、前記ハンドルは、前記シールド部の一側面で、前記外周面の外側の前記シールド部に接続されている、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項9】
前記シールド部と前記ハンドルとは、第1の接続部を形成するように互いに接続されており、前記シールド部と前記ニップルとは、第2の接続部分を形成するように互いに接続されており、前記第1の接続部と第2の接続部とは、同一平面上にある、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項10】
前記内側の基層は、ポリアミドである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項11】
前記外側の基層は、シリコーンである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項12】
前記シリコーンは、ほぼ無臭である、請求項11に記載のおしゃぶり。
【請求項13】
前記外側の基層は、約40ショアAデュロメートル乃至約70ショアAデュロメートルである、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項14】
前記内側の基層は、約56296.11乃至112592.22キログラム/平方センチメートル(約800乃至約1600キロポンド/平方インチ(ksi))の弾性のモジュールを有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項15】
内周面を備えた内側の孔を有し、この内周面の周囲に延びている内側の基層と、
シールド部とニップルとハンドルとを形成するために前記内側の基層に一体成型されている外側の基層とを具備し、
前記ハンドルは、前記シールド部の一側面で、前記内周面の内側の前記シールド部に接続されている、おしゃぶり。
【請求項16】
前記内側の基層は、硬性であり、前記外側の基層は、可撓性である、請求項15に記載のおしゃぶり。
【請求項17】
前記シールド部の少なくとも1部は、16C.F.R1511に規定されている乳児用おしゃぶりの基準に応じる器具の開口部を通り抜けない、請求項15に記載のおしゃぶり。
【請求項18】
前記シールド部は、前記ニップルを有する第1の側面と、この第1の側面の反対側の前記ハンドルを有する第2の側面とを有し、前記シールド部は、各々が前記第1の側面から前記第2の側面へと前記外側の基層を通って延びている複数の孔を有している、請求項1に記載のおしゃぶり。
【請求項19】
第1の型内で基層をモールド成型することと、
前記第1の型から前記内側の基層を取り出することと、
第2の型に前記内側の基層を挿入することと、
シールド部と、ニップルと、ハンドルとをモールド成型するために、前記内側の基層を、外側の基層と前記第2の型内で一体成型することと、
を具備する、おしゃぶりを形成する方法。
【請求項20】
前記内側の基層は、前記外側の基層のシールド部によって覆われている第1の部分と、前記シールド部を形成している前記外側の基層によって覆われていない部分とを有している、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−516152(P2011−516152A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502940(P2011−502940)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/001867
【国際公開番号】WO2009/123686
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/001867
【国際公開番号】WO2009/123686
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(500365915)プレイテックス プロダクツ エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】
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