説明

おにぎり用の包装フィルムの製造装置

【課題】所定幅の単一の内フィルムロールをセットするだけで、左右分割された内フィルムを使用するおにぎり用の包装用のフィルムを製造可能とする。
【解決手段】内フィルム供給部及び外フィルム供給部を備えるおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記内フィルム供給部を、フィルムロールの繰り出し方向と直交する幅方向に所定の間隔をあけて配設され、一巻のフィルムロールから繰り出された所定幅を有する帯状の内フィルムを繰り出し方向に沿って左右側に位置する帯状の第1、第2内フィルムと中央に位置する帯状の第3内フィルムとに切断していくカッターと、前記第1内フィルムの右側端縁部と前記第3内フィルムの左側端縁部とを重合させるとともに、当該第3内フィルムの右側端縁部と前記第2内フィルムの左側端縁部とを重合させ、さらに、前記各端縁部の重合幅を調節自在とした重合量調整装置と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おにぎりの包装用に用いられる包装フィルム、詳しくは、板海苔などのシート状食品が収容されている包装フィルムの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアなどで販売され、広く普及している市販のおにぎり(おむすび)は、個別にフィルム包装されたものが多い。
【0003】
その中の代表的な三角おにぎりは、包装フィルム内に板海苔が収容されているものが一般的である。かかる板海苔は、おにぎりとは非接触の状態で包装フィルム内に収容されているが、包装フィルムを解いたときには板海苔上におにぎりが座するような仕組みとなっている。
【0004】
すなわち、おにぎりの包装フィルムは、図1に示すように、2枚の内フィルムF1,F2と、外フィルムF3とから形成されており、これらの間に板海苔Nが収容されている。おにぎり本体となる米飯塊Oと接する内フィルムF1,F2は、それぞれ外フィルムF3よりも狭幅に形成されており、両者の内側をなす端縁部同士は10mm程度重合している。すなわち、包装フィルムFで包装した状態であっても、板海苔Nは、米飯塊Oとは内フィルムF1,F2を介して隔離することにより湿気ることを防止している。なお、図中、符号Tで示したものは、包装フィルムFを引き裂くためのカッティングテープである。
【0005】
このように、市販のおにぎり用の包装フィルムFは、一般に、2枚の内フィルムF1,F2と1枚の外フィルムF3とから形成されており、従来の包装フィルムFの製造装置には、各フィルムF1,F2,F3が巻かれた3個のフィルムロールがセットされることになる(例えば、特許文献1を参照。)。つまり、1つの外フィルムロールに対して2つの内フィルムロールが必要となる。また、包装フィルムの製造装置が、製造途中で供給される帯状の包装フィルムの列を、その列中央でカットして二分し、2列の包装フィルムの帯から同時に2つの包装フィルムF,Fを得るようにした構成であれば、1つの外フィルムロールに対して3つの内フィルムロールが必要となることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−67802号公報(第0016段落、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、内フィルムロールだけで2乃至3個のフィルムロールをセットするとなると、セットするのに時間もかかる上に、フィルム製造装置の大型化を招いていた。また、包装フィルムのメーカーも、1種類の内フィルムロールをあえて2乃至3分割して出荷しなければならないなど、非効率な生産が強いられていた。
【0008】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、所定幅の単一の内フィルムロールをセットするだけで、左右分割された内フィルムを使用するおにぎり用の包装用のフィルムを製造可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)シート状食品が内・外フィルム内に収納された、おにぎり用の包装フィルム製造装置であって、(a)前記シート状食品を供給するシート状食品供給部と、(b)セットされたフィルムロールからそれぞれ帯状にフィルムを繰り出し可能とした内フィルム供給部及び外フィルム供給部と、(c)前記シート状食品供給部から供給されるシート状食品を、前記内・外フィルム供給部から供給された帯状の内・外フィルムの間に順次所定間隔をあけて送入する送入部と、(d)前記送入部から搬送された帯状のフィルムを切断して、前記シート状食品がそれぞれ個別に収納された前記包装フィルムを供給する包装フィルム供給部と、を備え、前記内フィルム供給部は、(b1)フィルムロールの繰り出し方向と直交する幅方向に所定の間隔をあけて配設され、一巻のフィルムロールから繰り出された所定幅を有する帯状の内フィルムを繰り出し方向に沿って左右側に位置する帯状の第1、第2内フィルムと中央に位置する帯状の第3内フィルムとに切断していくカッターと、(b2)前記第1内フィルムの右側端縁部と前記第3内フィルムの左側端縁部とを重合させるとともに、当該第3内フィルムの右側端縁部と前記第2内フィルムの左側端縁部とを重合させ、さらに、前記各端縁部の重合幅を調節自在とした重合量調整装置と、を備えることとした。
【0010】
(2)上記(1)のおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記重合量調整装置は、前記帯状の内フィルムの進行方向に対して所定角度傾斜して左右にそれぞれ配置された上下2段構成のローラ組を備え、前記第1内フィルム及び第2内フィルムを、前記ローラ組の下段ローラの下側を通過させて上方へ屈曲させ、前記ローラ組の上段ローラの上側を通過させるように掛け渡していることを特徴とする。
【0011】
(3)上記(2)のおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記左右一対のローラ組のうち、前記第2内フィルムが架け渡される右側に配置したローラ組を、前記第1内フィルムが架け渡される左側に配置したローラ組よりも上方に位置させ、前記第1内フィルム及び第2内フィルムにおける前記重合量調整装置の下手側では、前記第1内フィルムの右側端縁部の上に前記第3内フィルムの左側端縁部が、当該第3内フィルムの右側端縁部の上に前記第2内フィルムの左側端縁部が重合していることを特徴とする。
【0012】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかのおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記シート状食品供給部は、(a1)収容したシート状食品を積層状態に保持可能であり、下面側から前記シート状食品を順次取り出し可能としたシート状食品収納筐と、(a2)上部に吸引口が形成されるとともに、前記シート状食品収納筐の下方に昇降自在に配設された吸引筐と、(a−3)前記吸引筐が上昇したときに前記吸引口を介して吸着した前記シート状食品収納筐内の最下層のシート状食品を、当該吸引筐が下降したときに受け渡される搬送コンベヤと、を備えることを特徴とする。
【0013】
(5)上記(4)のおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記吸引筐は、前記吸引口が形成され、その中央部が上方へ膨出する湾曲状の上面部と、この上面部の左右下限端から外方へ突出した庇部と、を具備することを特徴とする。
【0014】
(6)上記(4)又は(5)のおにぎり用の包装フィルム製造装置において、前記シート状食品収納筐に積層状態で収容されている前記シート状食品を下方から受け止めて保持する保持板を備え、この保持板は、前記吸引筐が上昇して前記シート状食品収納筐内の最下層のシート状食品を吸着して下降する際に、前記シート状食品収納筐内に残された前記シート状食品と前記庇部との間に形成される空間内に進退自在となるように配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、左右分割された内フィルムを使用するおにぎり用の包装用のフィルムの製造を、2つ又は3つの内フィルムロールではなく、所定幅の単一の内フィルムロールをセットするだけで実現することが可能となり、フィルムロールのセットを短時間で容易に行えるとともに、従来に比べてコンパクトなフィルム製造装置とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】包装フィルムの説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るおにぎり用の包装フィルム製造装置の全体正面図である。
【図3】同包装フィルム製造装置の内・外フィルム供給部を示す正面図である。
【図4】同包装フィルム製造装置の内フィルム供給部の模式的側面図である。
【図5】同模式的斜視図である。
【図6】同内フィルム供給部の要部を示す平面図である。
【図7】同内フィルム供給部の要部をなす重合量調整装置の説明図である。
【図8】同重合量調整装置の機能説明図である。
【図9】包装フィルム製造装置のシート状食品供給部を示す正面図である。
【図10】同シート状食品供給部の平面図である。
【図11】同シート状食品供給部の吸引筐の説明図である。
【図12】シート状食品供給部における海苔束の補充に関する説明図である。
【図13】吸引筐の動作及び板海苔の受け渡し動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態に係る包装フィルム製造装置は、シート状食品として板海苔が内・外フィルム内に収納された、図1に示したおにぎり用の包装フィルムFを製造するものであり、図2にこのおにぎり用の包装フィルム製造装置の正面視による全体外観を示す。
【0018】
(包装フィルム製造装置の概略)
図2に示すように、包装フィルム製造装置は、広幅内・外フィルム32,42が巻回されたフィルムロール31,41から、所定形状で所定長さのおにぎり用の包装フィルムFを製造するための各工程を実行する複数の機能部が列状に配設されるとともに、機能部同士が連携して動作するようにしている。なお、各機能部は、その駆動源や駆動部などがそれぞれ転動輪Wを底部に設けたフレームに組み付けられており、フレームごとに分離させてそれぞれのメンテナンスなどができるようになっている。
【0019】
機能部としては、図示するように、シート状食品である板海苔Nを供給する海苔供給部1と、供給された板海苔Nを整形しつつ次工程に搬送する海苔搬送部2と、セットされたそれぞれ単一ロールであるフィルムロール31,41からそれぞれ帯状に幅広内・外フィルム32,42を繰り出し可能とした内フィルム供給部3及び外フィルム供給部4と、海苔供給部1から供給される板海苔Nを、内・外フィルム供給部3,4から所定の規定幅に成形されて帯状に供給される一対の内フィルムF1,F2と、これに対応する外フィルムF3の間に順次所定間隔をあけて送入する送入部5と、この送入部5から搬送された帯状の海苔入りフィルムを切断して、板海苔Nがそれぞれ個別に収納された包装フィルムFを供給する包装フィルム供給部6と、を備えている。
【0020】
本実施形態では、海苔供給部1、海苔搬送部2、包装フィルム供給部6を、それぞれ1つのフレームに組み付け、内フィルム供給部3、外フィルム供給部4及び送入部5については1つのフレームにまとめて組み込んでいる。なお、各フレームには、それぞれに応じた形状からなる防護用透明ケースCを取付けており、作業者の安全を守るとともに、食品である板海苔N及びおにぎりの包装用に供される包装フィルムFが露出することを可及的に防止している。
【0021】
詳しくは後述するが、上述してきた構成により、包装フィルム製造装置の一端側に設けられた海苔供給部1から海苔搬送部2を介して板海苔Nを順次供給して行きながら、装置の略中央位置に上下2段に設けた内・外フィルム供給部3,4のフィルムロール31,41からそれぞれ帯状に広幅内・外フィルム32,42を繰り出して行くとともに、これらを中途で切断して、それぞれ2枚1組の内フィルムF1,F2からなる2つの内フィルム列と、外フィルムF3からなる2つの外フィルム列とに分離して供給し、内フィルム供給部3と外フィルム供給部4との間に位置する送入部5において、板海苔Nを、2つの列の各内フィルムF1,F2と外フィルムF3の間に順次送入していくことができる。すなわち、同時に2列の乗り入りフィルムが次工程に供給されることになる。そして、装置の他端側に設けられた包装フィルム供給部6において、2列で流れてくる海苔入りフィルムをそれぞれ所定ピッチで切断して、板海苔Nがそれぞれ個別に収納された包装フィルムFを、同時に2つずつ得ることができるのである。
【0022】
本実施形態に係る包装フィルム製造装置は、特に、海苔供給部1と内フィルム供給部3とにその特徴がある。
【0023】
図3は包装フィルム製造装置の内・外フィルム供給部を示す正面図、図4は包装フィルム製造装置の内フィルム供給部の模式的側面図、図5は同模式的斜視図である。
【0024】
上述したように、包装フィルム製造装置は、それぞれ一巻のフィルムロール31,41から広幅内フィルム32と広幅外フィルム42とをそれぞれ繰り出していき、これらを2列となるようにカッター7で切断分離して、板海苔Nがそれぞれ個別に収納された包装フィルムFを、同時に2枚ずつ製造可能としている。
【0025】
内フィルム供給部3、外フィルム供給部4及び送入部5が組み込まれたフレームは、図3に示すように、下方から略1/3の位置に上下区画フレーム51を備え、この上下区画フレーム51を境にして下部に内フィルム供給部3が、上部に外フィルム供給部4が配設されている。図中、33,43はフィルムロールセット部であり、34,44は、キャリアローラ、テンションローラなどの複数のローラが架設されたフィルム供給ラインである。フィルムロールセット部33,43にそれぞれセットされたフィルムロール31,41から繰り出される広幅内フィルム32と広幅外フィルム42は、それぞれ幾多に屈曲しながら送入部5に向かっていくことになる。そして、送入部5において板海苔Nが挿入されると、直線的に進行するとともに、中途に配設されたシール部52により、内蔵したヒータによって一対の内フィルムF1,F2と外フィルムF3とを溶着していく。
【0026】
(内フィルム供給部について)
ここで、本実施形態においける要部である内フィルム供給部3について、より具体的に説明する。
【0027】
1つの包装フィルムFでは、2枚の内フィルムF1,F2が必要とされるものであり、かかる内フィルムF1,F2を供給するための内フィルム供給部3は、図4及び図5に示すように、一巻のフィルムロール31から広幅内フィルム32を繰り出し、これを所定間隔をあけて配置した2つのカッター7により、中途で三分割するようにしている。各カッター7は、一巻のフィルムロール31から繰り出された所定幅の帯状の広幅内フィルム32を、繰り出し方向に沿って左右側に位置する帯状の第1内フィルム32L,第2内フィルム32Rと中央に位置する帯状の第3内フィルム32Cとに切断できるように、フィルムロール31の繰り出し方向と直交する幅方向に所定の間隔をあけて配設されている。
【0028】
この第3内フィルム32Cは、後にさらに中央から2分割され、2つ同時に製造される包装フィルムF,Fのうちの、内フィルムF1又は内フィルムF2として供給されることになる。
【0029】
また、内フィルム供給部3は、カッター7,7により切断されてそれぞれ形成された第1内フィルム32Lの右側端縁部32L―Rと第3内フィルム32Cの左側端縁部32C―Lとを重合させ、かつ当該第3内フィルム32Cの右側端縁部32C―Rと第2内フィルム32Rの左側端縁部32R―Lとを重合させるとともに、各端縁部32L―R,32R―L,32C―L,32C―Rの重合幅Dを調節自在とした重合量調整装置8を備えている。
【0030】
図6は重合量調整装置の説明図、図7は同重合量調整装置の機能説明図、図8は同重合量調整装置8の作動原理図である。重合量調整装置8は、各帯状の第1内フィルム32L,第2内フィルム32R及び第3内フィルム32Cの進行方向に対して45度傾斜して左右にそれぞれ配置された上下2段構成のローラ組80L,80Rを備えている。そして、第1内フィルム32L及び第2内フィルム32Rを、ローラ組80L,Rの下段ローラ81L,Rの下側を通過させて上方へ屈曲させ、ローラ組80L,Rの上段ローラ82L,Rの上側を通過させるように掛け渡している。なお、本実施形態では、上下2段構成のローラ組80L,80Rを、内フィルム32L,32R,32Cの進行方向に対して45度傾斜させているが、この傾斜角度は特にこの値に限定されるものではなく、適宜設定して構わない。
【0031】
また、左右一対のローラ組80L,Rのうち、第2内フィルム32Rが架け渡される右側に配置したローラ組80Rを、第1内フィルム32Lが架け渡される左側に配置したローラ組80Lよりも上方に位置させ、第1内フィルム32L及び第2内フィルム32Rにおける重合量調整装置8の下手側では、第1内フィルム32Lの右側端縁部32L―Rの上に第3内フィルム32Cの左側端縁部左側端縁部32C―Lが重合するように、第3内フィルム32Cの右側端縁部32C―Rの上に第2内フィルム32Rの左側端縁部32R―Lが重合するようにしている。
【0032】
図6に示すように、重合量調整装置8は、ローラ組80L,Rをギヤボックス84を介して揺動させるための操作ハンドル83L,Rを備えており、しかも、左右いずれの操作ハンドル83L,Rも一方の側(本実施形態では手前側)から操作可能になっている。そして、操作ハンドル83L,Rの操作により、ローラ組80L,Rは各支軸81aを中心に上下揺動する。
【0033】
そして、図7に示すように、ローラ組80L,Rが揺動してその高さが変化することにより、各端縁部32L―R,32R―L,32C―L,32C―Rの重合幅Dが可変となっている。
【0034】
なお、図4において、30a,30bはローラ支持パネルであり、周長調整用ローラ35〜38を上下移動自在に支持する長孔30cが形成されている。この長孔30c中で周長調整用ローラ35〜38の高さ調整をすることで、重合量調整装置8を経た後の3分割された第1内フィルム32L,第2内フィルム32R及び第3内フィルム32Cの各周長を略等しくしている。
【0035】
ここで、重合量調整装置8によって、第1内フィルム32L,第2内フィルム32R及び第3内フィルム32Cの各端縁部32L―R,32R―L,32C―L,Rの重合幅Dが調整できる仕組みについて、図7及び図8を用いて説明する。なお、図8におけるフィルムf1は、ローラ組80Rを通過する第2内フィルム32Rに相当し、フィルムf2は第3内フィルム32Cに相当するものである。また、図8では、その上方向がフィルム進行方向となる。
【0036】
図8(a)は、ローラ組80Rが存在しないか、あるいはその下段ローラ81R及び上段ローラ82Rが同高さで平行に配置されていて、フィルムf1とフィルムf2とが水平方向に進行していく場合(フィルムf1はローラ組80Rに相当する機構によって上方へ折曲しない)を示している。一方、図8(b)はフィルムf1がローラ組80Rに相当する機構よって上方へ折曲して進行していく場合を示している。なお、図中のe、bは、フィルム折曲中心を示しており、フィルムf1がローラ組80Rの下段ローラ81R、上段ローラ82Rにより折曲げられた状態に相当する。また、fcで示した仮想線はフィルムf1のフィルム仮想中心線である。
【0037】
図8(a)に示すように、フィルムf1,f2ともに水平方向に直進している場合、フィルムf1はフィルムf2と同様に直線状となり、両フィルムf1,f2は互いに重合することなく進行していく。
【0038】
他方、図8(b)に示すように、ローラ組80Rの下段ローラ81Rと上段ローラ82Rとの配置高さが異なると、水平方向に進行しているフィルムf1は下段ローラ81Rにより上方へ折曲され(e)、次いで上段ローラ82Rにより再度水平方向へ折曲される(b)。
【0039】
図8(b)に示すように、フィルムf1が90度上方へ折曲した場合、平面視では図8(a)のd位置にa位置が重なるとともに、f位置にc位置が重なる。つまり、フィルムf1のフィルム仮想中心線fcは、図8(a)の位置から大きくフィルムf2側に水平移動し、フィルムf1とフィルムf2とが所定幅D’で重合することが分かる。
【0040】
したがって、図7に示すように、操作ハンドル83L,Rを操作して重合量調整装置8のローラ組80L,Rを上下揺動させることにより、重合幅Dを調整することが可能となる。
【0041】
以上説明してきたように、本実施形態に係る包装フィルム製造装置によれば、所定幅の単一のフィルムロール31をセットするだけで、それぞれ、互いに端部同士が所定幅Dで重合する2枚の内フィルムF1,F2を有する2列の包装フィルムFを形成していくことができる。したがって、フィルムロール31のセット作業が容易となってセット時間も短縮できるとともに、フィルム製造装置自体の構成もコンパクト化することが可能となる。
【0042】
(海苔供給部について)
上述してきたおにぎり用の包装フィルム製造装置において、海苔供給部1について、より具体的に説明する。
【0043】
図9は包装フィルム製造装置のシート状食品供給部を示す正面図、図10は同シート状食品供給部の平面図、図11は同シート状食品供給部の吸引筐の説明図である。また、図12は海苔束の補充に関する説明図、図13は吸引筐の動作及び板海苔の受け渡し動作を示す説明図である。
【0044】
図9〜図11に示すように、海苔供給部1は、収容した板海苔Nを積層状態に保持可能であり、かかる板海苔Nを下面側から順次取り出し可能とした海苔収納筐10と、上部に吸引口11が形成されるとともに、海苔収納筐10の下方に昇降自在に配設された吸引筐12と、この吸引筐12が上昇したときに吸引口11を介して吸着した海苔収納筐10内の最下層の板海苔Nを、吸引筐12が下降したときに受け渡される搬送コンベヤ13とを備えている。なお、図10に示すように、搬送コンベヤ13には所定の間隔をあけて吸引部13aが形成されている。図9において、120は吸引筐12を上下昇降させるための昇降機構である。
【0045】
また、図10に示すように、搬送コンベヤ13の左右(図においては上下)には、補助コンベヤ131,132が配設されており、後に詳述するが、吸引筐12から搬送コンベヤ13への板海苔Nの受け渡しを円滑に行えるようにしている。
【0046】
海苔収納筐10は、図示するように、下面が開放されており、この開放部分に、後に詳述する吸引筐12が臨設されている。そして、この海苔収納筐10の上手側に、板海苔Nの束(以下「海苔束NB」という)を順次補充していく海苔補充部14が設置されている。
【0047】
海苔補充部14は、複数の海苔束NBを、海苔収納筐10側へ順次押し進めていくことのできる複数の押杆14a,14b,14cを備えており、これらのうち、始端側(図9及び図10における左側)の押杆14aは固定杆であるが、押杆14b,14cについては上下昇降自在に取付けられている(図12を参照)。この押杆14b,14cの昇降動作については後述する。
【0048】
図9に示すように、吸引筐12及び搬送コンベヤ13には、フレキシブルダクト17及び吸引切替部18を介してブロワ装置16が連通している。そして、吸引切替部18内に設けた切替弁機構(図示せず)の作動によって、ブロワ装置16により発生する負圧は、海苔収納筐10から板海苔Nを吸引筐12に吸着するまでは吸引筐12へ作用し、吸着した板海苔Nを搬送コンベヤ13に受け渡す際には搬送コンベヤ13に作用することになる。
【0049】
また、吸引筐12は、図10〜図13に示すように、複数の吸引口11が形成され、その中央部が上方へ膨出する湾曲状の上面部12aの左右下限端から外方へ突出した庇部12bを備えている。
【0050】
従来、吸引筐12の上面部12aが湾曲した撫で肩状のものは知られている。すなわち、複数の吸引口11が形成された板海苔Nの吸着面となる上面部12aの、板海苔Nの搬送方向に沿った側となる左右側を下方へ漸次傾斜させた構成とし、板海苔Nを吸着したときに、板海苔Nの左右端も上面部12aに沿って下方へ撓むようにしている。
【0051】
このとき、庇部12bが設けられていない場合であれば、上面部12aに沿って撓んだ状態で吸着されている板海苔Nが搬送コンベヤ13に受け渡されるときに、下向きに撓んだ板海苔Nの左右端が水平方向に復帰する前に搬送コンベヤ13の始端部と干渉して、受け渡しに支障が来す場合がある。その点、本実施形態では庇部12bを設けているために、吸引筐12の上面部12aに沿って撓んだ板海苔Nの左右端は略水平方向に伸延する姿勢となっているため、板海苔Nの搬送コンベヤ13への受け渡しが円滑に行われる。
【0052】
また、このときに、庇部12bと海苔収納筐10内に残された海苔束NBとの間に形成される空間Qにより、海苔収納筐10に積層状態で収容されている複数の板海苔Nからなる海苔束NBを下方から受け止めて保持する保持板15の可動領域を確保されている。
【0053】
本実施形態における保持板15は海苔収納筐10に付設されており、図11に示すように、カムやギヤなどを内蔵した左右の伝動ボックス151にそれぞれ連動連結した各駆動杆152の上端部に、互いに対峙するように突出状態に取付けられている。
【0054】
そして、吸引筐12が上昇して海苔収納筐10内の最下層の板海苔Nを吸着して下降する際に、保持板15は、海苔収納筐10内に残された海苔束NBと前記吸引筐12の上面部12aの左右下限端から外方へ突出した庇部12bとの間に形成される空間Q内に進退自在となるように駆動する(図13(b)〜図13(c)参照)。図9及び図11中、153保持板駆動ロッド、154は吸引筐駆動ロッドであり、駆動ボックス155(図9)に収納配設された駆動機構に連動連結している。
【0055】
ここで、図12及び図13を参照しながら、海苔補充部14において海苔束NBを補充する作業から板海苔Nを吸引筐12で吸着して搬送コンベヤ13に受け渡すまでの海苔供給部1の動作について説明する。なお、以下に説明するように、本実施形態では、海苔束NBは作業者が目視によって漸次補充していくこととしているが、センサなどを設けて海苔収納筐10内の板海苔Nの量を検知するとともに、複数の海苔束群から、順次海苔束NBを海苔補充部14に供給可能な構成として、海苔束NBの自動補充動作を行えるようにすることもできる。
【0056】
図12(a)に示すように、海苔収納筐10から板海苔Nを順次供給しているとき、海苔補充部14には3つの海苔束NB(図中左側から第1、第2、第3の海苔束NBという場合がある)が控えている。
【0057】
海苔補充部14は、スライド自在に配設された移動体140を備えており、この移動体140に、複数の海苔束NBを海苔収納筐10側へ順次押し進めていくことのできる複数の押杆14a,14b,14cを備えている。そして、かかる押杆14a,14b,14cのうち、押杆14b,14cについては、それぞれアクチュエータ14d,14dに連動連結されて上下昇降自在となっているが、海苔収納筐10内における板海苔Nの量が所定以上ある場合は押杆14b,14cは下降している。図中、141は移動体140をスライドさせる転動輪である。
【0058】
海苔収納筐10内における板海苔Nが所定量未満になったことを作業者が確認し、図示しないスイッチを操作すると、図12(b)に示すように、アクチュエータ14dが作動して押杆14b,14cは上昇させる。このとき、押杆14bは第1の海苔束NBと第2の海苔束NBの間、押杆14cは第2の海苔束NBと第3の海苔束NBの間に進入している。
【0059】
次いで、図12(c)に示すように、移動体140が図中右側方に所定距離だけ移動し、これに伴い押杆14a,14b,14cが海苔束NBを海苔収納筐10の直上方位置に押し込むことになる。
【0060】
海苔収納筐10の上縁近傍には、海苔束NBを左右下方から保持する保持ローラ101,101が進退自在に設けられており(図13(a)参照)、押し込まれてきた海苔束NBは保持ローラ101,101によって海苔収納筐10の上方で保持される。
【0061】
図12(d)に示すように、アクチュエータ14d,14dが作動して押杆14b,14cを下降させ、次いで、図12(e)に示すように、保持ローラ101,101が後退して海苔束NBを海苔収納筐10中に落下させるとともに、移動体140も後退する。このとき、最後方に位置する押杆14bの前方には1つの海苔束NB分のスペースが形成されるため、作業者は新たな海苔束NBをこのスペースにセットし、図12(a)で示した状態となる。なお、海苔収納筐10中に落下した海苔束NBは、保持板15によって受け止められる。
【0062】
こうして、海苔収納筐10内には常時海苔束NBが収容されることになり、本包装フィルム製造装置が稼働している間、海苔供給部1からは次々と板海苔Nの供給がされることになる。
【0063】
次に、図13を参照しながら板海苔Nを搬送コンベヤ13に受け渡すまでの吸引筐12及び動作について説明する。なお、図13(a)は、図12(c)及び図12(d)で示したように、海苔束NBが海苔収納筐10の上方で保持された状態を示しており、海苔収納筐10内の海苔束NBのうち、最下方に位置する板海苔Nを、吸引筐12が上昇して吸着し、吸着した状態で下降する動作の概要を示している。また、図13(b)〜図13(d)は、海苔束NBが海苔収納筐10内に収容されて、最下方の板海苔Nが、順次、吸引筐12により吸着されて搬送コンベヤ13(図10参照)に受け渡すまでを示している。なお、図中102は保持ローラ101を進退駆動させるアクチュエータである。
【0064】
図13(b)に示すように、海苔収納筐10内に所定量以上の海苔束NBがある場合、ブロワ装置16に連通連結した吸引筐12が上昇して、海苔束NBの最下面に当接する。このとき、保持板15,15は最下部に位置している。
【0065】
海苔束NBの最下部に位置した板海苔Nは、吸引筐12の上面部12aに形成された複数の吸引口11に吸着される。このとき、板海苔Nは、上面部12aに沿って下方へ撓むとともに、庇部12bに沿って左右端部が略水平に伸延する。
【0066】
次いで、図13(c)に示すように、吸引筐12が板海苔Nを吸着した状態で下降していく。このとき、吸引筐12の下降に伴って海苔束NBも下降していくが、左右の保持板15,15が、吸引筐12の上面部12a上の吸着された板海苔Nと、海苔束NBとの間(庇部12bとの間)に形成される空間Q内に進出して海苔束NBを保持する。また、このときに、吸引切替部18に設けた切替弁機構を動作させ、ブロワ装置16により発生する負圧の作用を、吸引筐12から搬送コンベヤ13側に切り替える。
【0067】
次いで、図13(d)に示すように、板海苔Nを吸着した吸引筐12はさらに下降するとともに、海苔束NBを保持した保持板15,15は所定位置まで上昇する。
【0068】
吸引筐12による吸着力から解放された板海苔Nの左右端は、庇部12bに沿って略水平に伸延していたため、補助コンベヤ131,132に確実に載置された状態となるとともに、搬送コンベヤ13の吸引部13a(図10参照)に吸着され、当該搬送コンベヤ13によって確実に搬送されていく。
【0069】
なお、図13において、103は板海苔Nを吸引筐12からより確実に離脱させるための離脱用フックであり、吸引切替部18の切替動作タイミングに合わせて板海苔Nを吸引筐12の上面部12aから引き離すようにしている。
【0070】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、板海苔N(シート状食品)が内・外フィルムF1,F2,F3を内に収納された、おにぎり用の包装フィルム製造装置であって、板海苔Nを供給する海苔供給部1と、セットされたフィルムロール31,41からそれぞれ帯状にフィルムを繰り出し可能とした内フィルム供給部3及び外フィルム供給部4と、海苔供給部1から供給される板海苔Nを、内・外フィルム供給部3,4から供給された帯状の内・外フィルムF1,F2,F3の間に順次所定間隔をあけて送入する送入部5と、送入部5から搬送された帯状のフィルムを切断して、板海苔Nがそれぞれ個別に収納された包装フィルムFを供給する包装フィルム供給部6とを備え、内フィルム供給部3は、内フィルムロール31の繰り出し方向と直交する幅方向に所定の間隔をあけて配設され、一巻の内フィルムロール31から繰り出された所定幅を有する帯状の内フィルムを繰り出し方向に沿って左右側に位置する帯状の第1、第2内フィルム32L,32Rと中央に位置する帯状の第3内フィルム32Cとに切断していくカッター7,7と、第1内フィルム32Lの右側端縁部32L―Rと第3内フィルムの左側端縁部左側端縁部32C―Lとを重合させるとともに、当該第3内フィルムの右側端縁部32C―Rと第2内フィルム32Rの左側端縁部32R―Lとを重合させ、さらに、各端縁部32L―R,32R―L,32C―L,32C―Rの重合幅Dを調節自在とした重合量調整装置8とを備えるおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。
【0071】
したがって、左右分割された内フィルムF1,F2を使用するおにぎり用の包装フィルムFを、同時に2つずつ連続して製造することが、3つの内フィルムロールではなく、所定幅の単一の内フィルムロール31をセットするだけで実現できることになり、フィルムロール31のセットを短時間で容易に行えるとともに、従来に比べてコンパクトなフィルム製造装置とすることが可能となる。さらに、包装フィルムFにセットされる板海苔Nを製造ラインに確実に供給して歩留まりを向上させることができるため、包装フィルムFの製造効率が向上する。
【0072】
また、従来のように、2本乃至3本の内フィルムロールをセットしている場合であれば、各内フィルムロールから送り出される帯状の内フィルムのテンションをそれぞれコントロールする必要があった。つまり、単一の外フィルムF3に対し、2列乃至3列の内フィルムの各テンションのバランスを取るようにコントロールしなければならず、構成的にも制御的にも極めて面倒であったが、本実施形態では、内フィルムのテンションコントロールはカッター7による切断前に行えばよく、単一の外フィルムF3に対してやはり単一の内フィルムのテンションコントロールを行えばよいことから、シンプルな構成でより確実な内フィルムのテンションコントロールが可能となる。
【0073】
さらに、本実施形態によれば、以下の効果が期待できる。
【0074】
上記構成において、重合量調整装置8は、帯状の内フィルムの進行方向に対して所定角度傾斜して左右にそれぞれ配置された上下2段構成のローラ組80L,80Rを備え、第1内フィルム32L及び第2内フィルム32Rを、ローラ組80L,80Rの下段ローラ81L,81Rの下側を通過させて上方へ屈曲させ、ローラ組80L,80Rの上段ローラ82L,82Rの上側を通過させるように掛け渡したおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。したがって、左右分割された内フィルムF1,F2の内側端部の重合幅Dの調整を容易かつ確実に行うことができる。
【0075】
また、上記構成において、左右一対のローラ組80L,Rのうち、第2内フィルム32Rが架け渡される右側に配置したローラ組80Rを、第1内フィルム32Lが架け渡される左側に配置したローラ組80Lよりも上方に位置させ、第1内フィルム32L及び第2内フィルム32Rにおける重合量調整装置8の下手側では、第1内フィルム32Lの右側端縁部32L―Rの上に第3内フィルム32Cの左側端縁部左側端縁部32C―Lが重合するように、第3内フィルム32Cの右側端縁部32C―Rの上に第2内フィルム32Rの左側端縁部32R―Lが重合するおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。したがって、海苔供給部1と、内フィルム供給部3及び外フィルム供給部4と、送入部5と、包装フィルム供給部6とを略直線上に設置したライン構成とした場合、内フィルムF1,F2の内側端部の重合幅Dの調整を一側から行うことができ、作業性が向上する。
【0076】
上記構成において、海苔供給部1は、海苔束NB(収容した板海苔束N(シート状食品)を積層状態に)を保持可能であり、下面側から板海苔Nを順次取り出し可能とした海苔収納筐10と、上部に吸引口11が形成されるとともに、海苔収納筐10の下方に昇降自在に配設された吸引筐12と、吸引筐12が上昇したときに吸引口11を介して吸着した海苔収納筐10内の最下層の板海苔Nを、当該吸引筐12が下降したときに受け渡される搬送コンベヤ13とを備えるおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。したがって、板海苔Nを確実に供給することができ、板海苔Nがライン上で詰まったり、受け渡されない欠品状態になったるすることを可及的に防止できる。
【0077】
また、上記構成において、吸引筐12は、吸引口11が形成され、その中央部が上方へ膨出する湾曲状の上面部12aと、この上面部12aの左右下限端から外方へ突出した庇部12bとを具備するおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。したがって、吸引筐12の上面部12aに沿って撓んだ板海苔Nの左右端は略水平方向に伸延する姿勢となり、板海苔Nの搬送コンベヤ13への受け渡しを円滑に行わせることができる。
【0078】
さらに、上記構成において、海苔収納筐10内の海苔束NB(海苔収納筐10内に積層状態で収容されている板海苔N)を下方から受け止めて保持する保持板15,15を備え、この保持板15は、吸引筐12が上昇して海苔収納筐10内の最下層の板海苔Nを吸着して下降する際に、海苔収納筐10内に残された板海苔Nと庇部12bとの間に形成される空間Q内に進退自在となるように配設されたおにぎり用の包装フィルムの製造装置とした。したがって、保持板15の可動領域を確保されて、海苔束NBの保持が確実になされるため、海苔供給部1におけるトラブルを未然に防止することができる。
【0079】
以上、添付した図面に基づく実施形態を通して本発明を説明したが、本発明は実施形態の構成に必ずしも限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することのない範囲であれば、図面に示した構成は適宜変更して構わない。
【符号の説明】
【0080】
D 重合幅
N 板海苔
NB 海苔束
F 包装フィルム
F1,F2 内フィルム
F3 外フィルム
Q 空間
1 海苔供給部
3 内フィルム供給部
4 外フィルム供給部
5 送入部
6 包装フィルム供給部
7 カッター
8 重合量調整装置
10 海苔収納筐
11 吸引口
12 吸引筐
12a 上面部
12b 庇部
13 搬送コンベヤ
15 保持板
31 内フィルムロール
32L 第1内フィルム
32R 第2内フィルム
41 外フィルムロール
32L―R 第1内フィルムの右側端縁部
32C―L 第3内フィルムの左側端縁部
32C―R 第3内フィルムの右側端縁部
32R―L 第2内フィルムの左側端縁部
80L,80R ローラ組
81L,81R 下段ローラ
82L,82R 上段ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状食品が内・外フィルム内に収納された、おにぎり用の包装フィルム製造装置であって、
前記シート状食品を供給するシート状食品供給部と、
セットされたフィルムロールからそれぞれ帯状にフィルムを繰り出し可能とした内フィルム供給部及び外フィルム供給部と、
前記シート状食品供給部から供給されるシート状食品を、前記内・外フィルム供給部から供給された帯状の内・外フィルムの間に順次所定間隔をあけて送入する送入部と、
前記送入部から搬送された帯状のフィルムを切断して、前記シート状食品がそれぞれ個別に収納された前記包装フィルムを供給する包装フィルム供給部と、
を備え、
前記内フィルム供給部は、
フィルムロールの繰り出し方向と直交する幅方向に所定の間隔をあけて配設され、一巻のフィルムロールから繰り出された所定幅を有する帯状の内フィルムを繰り出し方向に沿って左右側に位置する帯状の第1、第2内フィルムと中央に位置する帯状の第3内フィルムとに切断していくカッターと、
前記第1内フィルムの右側端縁部と前記第3内フィルムの左側端縁部とを重合させるとともに、当該第3内フィルムの右側端縁部と前記第2内フィルムの左側端縁部とを重合させ、さらに、前記各端縁部の重合幅を調節自在とした重合量調整装置と、
を備えることを特徴とするおにぎり用の包装フィルム製造装置。
【請求項2】
前記重合量調整装置は、
前記帯状の内フィルムの進行方向に対して所定角度傾斜して左右にそれぞれ配置された上下2段構成のローラ組を備え、
前記第1内フィルム及び第2内フィルムを、前記ローラ組の下段ローラの下側を通過させて上方へ屈曲させ、前記ローラ組の上段ローラの上側を通過させるように掛け渡していることを特徴とする請求項1に記載のおにぎり用の包装フィルム製造装置。
【請求項3】
前記左右一対のローラ組のうち、前記第2内フィルムが架け渡される右側に配置したローラ組を、前記第1内フィルムが架け渡される左側に配置したローラ組よりも上方に位置させ、
前記第1内フィルム及び第2内フィルムにおける前記重合量調整装置の下手側では、前記第1内フィルムの右側端縁部の上に前記第3内フィルムの左側端縁部が、当該第3内フィルムの右側端縁部の上に前記第2内フィルムの左側端縁部が重合していることを特徴とする請求項2に記載のおにぎり用の包装フィルム製造装置。
【請求項4】
前記シート状食品供給部は、
収容したシート状食品を積層状態に保持可能であり、下面側から前記シート状食品を順次取り出し可能としたシート状食品収納筐と、
上部に吸引口が形成されるとともに、前記シート状食品収納筐の下方に昇降自在に配設された吸引筐と、
前記吸引筐が上昇したときに前記吸引口を介して吸着した前記シート状食品収納筐内の最下層のシート状食品を、当該吸引筐が下降したときに受け渡される搬送コンベヤと、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のおにぎり用の包装フィルム製造装置。
【請求項5】
前記吸引筐は、
前記吸引口が形成され、その中央部が上方へ膨出する湾曲状の上面部と、
この上面部の左右下限端から外方へ突出した庇部と、
を具備することを特徴とする請求項4記載のおにぎり用の包装フィルム製造装置。
【請求項6】
前記シート状食品収納筐に積層状態で収容されている前記シート状食品を下方から受け止めて保持する保持板を備え、
この保持板は、前記吸引筐が上昇して前記シート状食品収納筐内の最下層のシート状食品を吸着して下降する際に、前記シート状食品収納筐内に残された前記シート状食品と前記庇部との間に形成される空間内に進退自在となるように配設されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のおにぎり用の包装フィルム製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−6127(P2011−6127A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153571(P2009−153571)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000236746)不二精機株式会社 (48)
【Fターム(参考)】