説明

おむつ用包装袋

【課題】高月齢者を対象としたおむつであることが、容易に包装袋の表示から認識でき、しかも、低コストで簡単に製造できるおむつ包装体を提供する。
【解決手段】包装袋でおむつを包装してなるおむつ包装体は、包装袋の表面に、一又は二以上の生後3ヶ年以上6ヶ年以下である着用対象者の図が主として表示されるとともに、包装袋が空の状態のときに、この包装袋の上部とされるところの60〜90%の略長方形の領域に割り当てられている対象者図表示部を備える。対象者図表示部は、おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用して起立している着用対象者のみを表示するキャラクタ部と、着用対象者の腰部から股下部の間を横切るように配置され、包装袋の前記表面に表示される文字情報部と、を含む。キャラクタ部は、着用対象者の頭部から足部までが、略長方形の領域の上部から下部にわたって該中心線に沿うように表示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てのおむつを包装するための包装袋に関し、更に詳しくは、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とする、パンツ型のおむつ用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使い捨ておむつの品質は飛躍的に向上し、乳幼児の多くが使い捨ておむつを着用している。使い捨ておむつとしては、テープ型とパンツ型の二種類が存在し、テープ型の使い捨ておむつは、腰周りの二箇所をテープで止めて固定するものであり、比較的低月齢の乳児を対象としている。一方、パンツ型の使い捨ておむつは、下着のパンツのように一体成形され、立ったままの状態で履かせることができるものであり、1歳〜3歳の幼児を主に対象としている。
【0003】
一般的に、おむつはずれの時期は2歳前後であるといわれており、この時期にトイレトレーニングを開始するのが望ましいとされている。ところが、近年の調査によれば、昼間のおむつはずれの時期は、1960年には平均月齢21.4ヶ月であったものが、2000年には平均月齢30.5ヶ月と、およそ9ヶ月もおむつはずれが遅れている。このように、近年の乳幼児はおむつはずれの時期が遅れており、必然的に従来よりも高月齢の幼児が使い捨ておむつを必要とするようになっている。従って、従来は使い捨ておむつの着用対象外であった高月齢の幼児に適合するような、サイズの大きいパンツ型使い捨ておむつ(以下、大型おむつともいう)が求められている。
【0004】
一方、従来の使い捨ておむつを包装するための包装体としては、図8に示すようなものがある。図8は従来のおむつ包装体の一例を示す斜視図である。この包装体90の表面には、印刷部91が設けられており、その印刷部91の中心付近には、新生児や乳児である着用対象者92が、おむつ93を露出した状態で着用している図柄が施されているものが知られている。なお、印刷部91には、紙オムツの商品名、おむつのサイズ、適用対象などの文字情報部94、95、96が併せて設けられている。この包装体90によれば、新生児又は乳児がおむつを露出した状態で着用している図柄を配置することによって、当該製品の内容物がおむつであることを容易に判別できる。
【0005】
また、下記の特許文献1には、紙おむつの販売展示システムとして、紙おむつを整列して収納する棚を有する定番棚を床上に設置すると共に、前記収納された紙おむつの列に対応させて販促用マットシートを前記床に設置し、前記紙おむつに対応した販促物を前記棚に装着することにより、下方より上方へのナビゲーション機能を持たせるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−52502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来の新生児や乳児向けの紙おむつにおいては、生後の月齢に応じて、複数の商品群の紙おむつを使い分けることが行われている。一般には、比較的低月齢の乳児を対象としたテープ型の使い捨ておむつに続いて、1歳〜3歳の幼児ではパンツ型の使い捨ておむつに移行する。したがって、その包装袋も、これらの商品群を明確に区別できるような表示部が要求される。
【0008】
この点、従来は、「・・・より大きいサイズ」「体重・・・kgから・・・kg用」「身長・・・cmから・・・cm用」のように、具体的な数値や文言を文字情報部として包装袋に印刷したり、商品群によって基調となる色を変えるなどの方法によって、これらの製品群間の区別を行っていたが、やはり商品群間の区別が不充分なために、誤認識による購入ミスが生じるという問題があった。
【0009】
特に、上記のように、更に高月齢の幼児を対象とする大型おむつにおいては、それ自身が従来存在しなかった商品群であるために、その包装袋において従来の低月齢者用のおむつと明確に購入者が区別できることが求められているが、そのような大型おむつにふさわしい表示部を有する包装袋は検討されていない。
【0010】
また、特許文献1のシステムは、購入者、特に高齢者が使用する介護用の紙おむつを効率よく販売するための誘導方法に関するものであり、上記のような、類似する紙おむつの商品群間を区別する方法は検討されていない。
【0011】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、高月齢者を対象としたおむつであることが、容易に包装袋の表示から認識でき、しかも、低コストで簡単に製造できる包装袋、及びそれを用いたおむつ包装体、更には、おむつ包装陳列体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上のような目的を達成するために、本発明は、具体的に以下のようなものを提供する。
【0013】
(1)生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とする、使い捨てのパンツ型のおむつを包装するための包装袋であって、当該包装袋の表面には、一又は二以上の前記着用対象者の図が主として表示されている対象者図表示部を備えており、当該対象者図表示部は、前記おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用している前記着用対象者を表示するキャラクタ部を含み、前記対象者図表示部は、前記包装袋が空の状態のときに、この包装袋の上部とされるところの60〜90%の略長方形の領域に割り当てられるとともに、前記キャラクタ部は、前記包装袋の上下方向とされる方向に沿った中心線の付近に配置されているおむつ用包装袋。
【0014】
上記(1)のおむつ用包装袋によれば、包装袋の表面には、おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用している前記着用対象者を表示するキャラクタ部が存在しているので、このキャラクタ部により、着用対象者が高月齢者であることが一目瞭然となる。したがって、他の低月齢者向けのおむつ包装体と明確に区別することができるので、売り場で購入者が誤認識して、異なるサイズのおむつを購入してしまうことを効果的に防止できる。なお、「包装袋の上部とされるところ」とは、未使用の空包装袋の通常の平面状態における上方を意味し、ここで「上方」とは、キャラクタ部に表示される着用対象者の頭部方向を意味する。
【0015】
また、前記キャラクタ部を前記包装袋の上下方向とされる方向に沿った中心線の付近に配置することで、大型おむつを充填した場合にもキャラクタ部のバランスがよく、全体として見栄えがよい包装袋を提供できる。
【0016】
更に、衣服を着用している前記着用対象者を表示するキャラクタ部を含むものとしたことで、例えば季節毎などに応じて衣服部分のパターンを容易に変更できる。これにより、単に衣服部分のデザインを変更するだけで季節にあった商品を提供でき、低コストでデザイン変更を行うことができる。そして、この場合においても、衣服を着用しているキャラクタ部を含むことには変わりないので、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とするおむつ商品群と、他のおむつ商品群との区別は充分に行うことができる。
【0017】
また、対象者図表示部を、前記包装袋が空の状態のときに、この包装袋の上部とされるところの60〜90%の略長方形の領域に割り当てることで、おむつが収容された包装体の陳列状態における、底面部を除く面に、主として対象者図表示部が割り当てられることになり、おむつを充填して包装体とする際に下方に折り込まれる部分には印刷表示を不要とできる。したがって、購入者の視覚に訴える必要箇所のみに対象者図表示部を配置でき、同時に、印刷表示領域を削減して低コストな包装袋を提供できる。
【0018】
更に、生後10ヶ月以上の幼児は、文字情報の内容は認識できないものの、既に、絵柄の要素や4色の区別が可能であることが知られている。したがって、本発明の包装袋によれば、着用者自身である幼児においても、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とするパンツ型のおむつと他の紙おむつ商品群とを自ら区別できる。したがって、幼児側からも、購入に際して意思表示を行うことができる。
【0019】
(2)前記着用対象者が生後3ヶ年以上6ヶ年以下である(1)記載のおむつ用包装袋。
【0020】
この態様によれば、前記着用対象者が生後3ヶ年以上6ヶ年以下である場合には、上記の絵柄の要素や4色の区別の認識に加えて、恥ずかしがりなどの情緒も形成されていることから、好んで衣服を着用している商品群を支持することが考えられる。したがって、幼児自らが本発明の包装袋により興味を示すと考えられるので、購入に際して意思表示をより強く行うことができる。
【0021】
(3)(1)又は(2)記載のおむつ用包装袋で前記おむつを包装してなる包装体であって、前記キャラクタ部は、前記包装体の陳列状態における前記包装体の正面となる位置に配置されているおむつ包装体。
【0022】
上記(3)のおむつ包装体によれば、包装体の陳列状態において、キャラクタ部は包装体の正面中央部に配置されるので、購入者の視覚に強く訴えることができ、一見して内容物が生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とするおむつであることを認知できる。また、陳列した際のバランス、見栄えがよい包装体を提供できる。ここで、「包装体の正面」とは、通常の連続した陳列状態において購入者が最も商品を認識できる面を意味し、通常は包装体において最も面積が大きくなる面であり、商品名やキャラクタ部が最も大きく表示される面である。
【0023】
(4)(3)記載のおむつ包装体を並べて複数個陳列してなる第一包装体群と、前記第一包装体群を構成するおむつより小さいサイズの使い捨てのおむつを包装してなる第二包装体を複数個陳列した第二包装体群と、を含む、おむつ包装陳列体であって、前記第二包装体の表面には、一又は二以上の新生児又は乳児の図が主として表示されている第二対象者図表示部を備えており、当該第二対象者図表示部は、前記小さいサイズのおむつを露出した状態で着用している前記新生児又は乳児を表示する第二キャラクタ部を含み、前記第一包装体群と前記第二包装体群とは、上下又は左右に隣接して陳列されている、おむつ包装陳列体。
【0024】
上記(4)のおむつ包装陳列体は、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とするパンツ型のおむつの包装体の陳列体である第一包装体群と、第一包装体群を構成するおむつより小さいサイズの使い捨てのおむつ(以下、小型おむつともいう)の包装体の陳列体である第二包装体群とを、上下又は左右に隣接して陳列したものである。上記のように、第一包装体群のそれぞれの包装体表面のキャラクタ部には、おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用した状態が表示されているので、単独の包装体でキャラクタ部のみを見た場合には、それがおむつの包装体であるかどうか不明となる恐れがある。しかしながら、本発明のおむつ陳列包装体においては、この第一包装体群に隣接するように、従来の小さいサイズのおむつを露出した状態で着用している前記新生児又は乳児を表示する第二キャラクタ部を含む、第二包装体群が配置されている。このため、売り場において、第一包装体群を構成する包装体が、おむつ包装体であることを明確に認識できるので、購入者がおむつ以外の商品であると誤認識することを防止できる。
【0025】
(5)前記おむつ包装陳列体は、上下に複数段形成された棚に割り当てられて配置されている(4)記載のおむつ包装陳列体。
【0026】
この態様によれば、それぞれの包装体群が、上下に複数段形成された棚に割り当てられて配置されていることで、それぞれの包装体群の定位置を固定できるので、購入者が再度商品を購入する際にも容易に目標の商品を認識できる。この場合、第一包装体群は、購入者の目線に近い位置、すなわち棚の上部に配置されていることが好ましい。これにより、より視覚に訴え易くなるので、商品群の区別がより行えるようになる。
【0027】
<用語の定義>
本明細書において「幼児」というのは、月齢で10ヶ月以上、6ヵ年以下を意味する。また、「使い捨て」とは、いわゆる紙オムツなどの「使い捨ての商品」として製造・販売されているものを意味し、使用時間や耐用時間の長短は問わない。また、「パンツ型」とは、下着のパンツのように一体成形され、立ったままの状態で履かせることができるもの全般を意味する。
【0028】
また、「陳列」とは、販売商品を、一般消費者・購買者に見えるように配置・配列することを意味する。従って、例えば「販売店の棚に陳列」というときには、一般消費者が見ることができないような位置に設置されている棚に商品が載せられているような場合には本明細書で言う「陳列」には該当しないが、一般消費者が見ることができる位置に設置されている棚に商品が載せられているような場合においては、棚に載せられている商品の配置・配列の順序や形態を問わず、何らかの形で一般消費者の目に触れるように配置・配列されていれば、本明細書で言う「陳列」の概念に含まれる。また、陳列には、単に商品を積み上げたり並べただけのものも含まれ、例えば、少なくとも一面が開封された流通用段ボール箱内に収容された状態で店頭などに並べられている状態なども含むものである。
【0029】
また、本明細書における「購入者」には、実際にその商品の消費をする者及び実際にその商品の購入をする者のみならず、実際に消費もしくは購入を行っておらず、消費もしくは購入の意思だけがあるという者までもが含まれる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のおむつ用包装袋によれば、高月齢者を対象とした使い捨てのパンツ型のおむつであることが、容易に包装袋の表示から認識でき、しかも、包装袋を低コストで簡単に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のおむつ包装袋の一例であって、おむつ包装袋を正面側から見た図である。
【図2】本発明のおむつ包装袋の一例であって、おむつ包装袋を背面側から見た図である。
【図3】本発明のおむつ包装袋の他の例であって、おむつ包装袋を正面側から見た図である。
【図4】本発明のおむつ包装袋の更に他の例であって、おむつ包装袋を正面側から見た図である。
【図5】図1のおむつ包装袋に大型おむつを充填した、本発明のおむつ包装体を示す斜視図である。
【図6】図5のおむつ包装体を陳列した、本発明のおむつ陳列包装体の一例を示す正面図である。
【図7】図5のおむつ包装体を陳列した、本発明のおむつ陳列包装体の他の例を示す正面図である。
【図8】従来のおむつ包装体の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたっては、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0033】
<おむつ用包装袋>
図1は、本発明のおむつ包装袋の一例であって、おむつ包装袋を正面側から見た図であり、図2は背面側から見た図である。この実施形態における、おむつ用包装袋30は、図1に示すように、全体として略長方形状をなす本体部10と、その上部に逆U字状に取り付けられた、一対の紐状の取っ手部20とからなっている。
【0034】
本体部10は、略長方形の表裏2枚のフィルムが重なるように配置され、更に、上辺には、上辺にガセット折部を形成するように、図示しない別のフィルムが挟み込まれており、この状態で、表裏2枚のフィルムの両側辺及び上辺がヒートシールされて本体部10が形成されている。また、包装袋30の下辺はヒートシールされておらず、内容物である、おむつを充填するための開口部11を有している。本体部10及び取っ手部20は、それぞれポリエチレンやポリプロピレンなどの公知のフィルム状部材からなり、両者は熱融着によって接合されている。本体部10の大きさは、おむつの大きさや入り数によって適宜設定されるが、図1の状態で、横300〜500mm、縦(高さ)200〜800mm、上部のガセット部51(図5参照)は、図5のように開いた状態の幅が200〜400mmであることが好ましい。
【0035】
図1における本体部10の表面には、一又は二以上の前記着用対象者の図が主として表示されている対象者図表示部25が印刷されている。この対象者図表示部25は、おむつ用包装袋30が空の状態のときに、この包装袋30の上部の略長方形の領域に割り当てられている。ここで、対象者図表示部25は、この包装袋の上部とされるところの60〜90%の略長方形の領域に割り当てられる。なお、この実施形態においては対象者図表示部25が本体部10の上辺にかかるように印刷されているが、上辺にかからないように、30〜150mmの非印刷部分を設けて配置してもよい。また、図1における左右の非印刷部分W、Wは5〜30mm、下方の非印刷部分Wは30〜150mmであることが好ましい。
【0036】
対象者図表示部25は、おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用している着用対象者を表示するキャラクタ部19を有している。そして、このキャラクタ部19は、おむつ包装袋30の上下方向に沿った中心線の付近に配置されている。キャラクタ部19の着用対象者は生後10ヶ月以上の幼児であり、生後3ヶ年以上6ヶ年以下であることが好ましい。また、図1に示すキャラクタ部19の着用対象者は男子であるが、図3の対象者図表示部25aにおけるキャラクタ部19aに示すように女子であってもよい。また、配置される着用対象者は必ずしも一人には限定されず、図4の対象者図表示部25bにおけるキャラクタ部19bに示すように、複数の着用対象者であってもよい。
【0037】
このように、本発明においては、おむつの着用対象者である生後10ヶ月以上の幼児が衣服を着用した状態としてキャラクタ部19を配置し、この、キャラクタ部19を、おむつ包装袋30の上下方向に沿った中心線の付近という非常に目につきやすい位置に、他の記載に優先させて表示させることにより、一見して商品の対象者が把握されるようにしている。
【0038】
なお、本発明においては、これ以外の位置、例えば包装体の側面などにもキャラクタ部を配置してもよい。このようにすることによって、包装された紙オムツの対象者に応じた着用対象者を、できるだけ多くの角度から認識させることが可能となり、段積み状態で陳列されているなどして、多くの商品が重なって陳列されるような状態となっていたとしても、内容の誤認識による購入ミスを低減させることが可能となる。
【0039】
また、対象者図表示部25には、紙オムツの商品名、おむつのサイズ、適用対象などの文字情報を主として提供する文字情報部12から18が併せて設けられている。これらの文字情報部は、本来、紙オムツは、成長の度合い応じて吸収体の量や製品の構造、製品の厚み等が異なるが、包装袋30で包装されたものの全体構造は殆ど同じようなものとなるので、相互の区別を明確にするために、その商品名や適用対象者などを印刷表示するものである。具体的には、商品名、会社名の他、「・・・より大きいサイズ」「体重・・・kgから・・・kg用」「身長・・・cmから・・・cm用」「・・・枚入り」などであるが、必ずしも文字には限定されず、キャラクタ部19以外の他のキャラクタなどの図柄であってもよい。なお、文字情報部12、17は、後述する図5のように、内容物を充填した際には上記のガセット部の幅に応じて包装体の側面側に表示される部分である。
【0040】
おむつ包装袋30の裏面側には、図2に示すように、図1の対象者図表示部25にほぼ対応する位置に印刷部40が形成されており、上記のような紙オムツの商品名、おむつのサイズ、適用対象などの文字情報を主として提供する文字情報や、より具体的な使用方法を示す文字や図柄などが情報部41から43として印刷されている。なお、情報部41、42は、内容物を充填した際には上記のガセット部の幅に応じて包装体の側面側に表示される。
【0041】
<おむつ包装体>
上記の包装袋30の内部に、上記の大型おむつを複数枚、好ましくは10から70枚充填した後、包装袋30の下方の開口部を折り込んで密封して、図5に示すような、略直方体状のおむつ包装体50が得られる。
【0042】
ここで、図5に示すように、おむつ包装袋30のキャラクタ部19は、おむつ包装体50の陳列状態における前記包装体の正面となるような位置に配置されている。これにより、包装体の陳列状態において、キャラクタ部は包装体の正面中央部に配置されるので、購入者の視覚に強く訴えることができ、一見して、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とするおむつであることを認知できる。また、陳列した際のバランス、見栄えがよい包装体を提供できる。
【0043】
おむつ包装袋30に収容されるおむつとしては、生後10ヶ月以上の幼児を着用対象者とする、使い捨てのパンツ型のおむつであれば特に限定されず、従来公知のものが用いられる。このようなおむつとしては、例えば、パンツ形状のおむつ本体と、このおむつ本体に設けられ着用者の体液を吸収する吸収体と、を備えたパンツ型使い捨ておむつが例示できる。なかでも、着用対象者が生後3ヶ年以上6ヶ年以下である上記の大型おむつであることがより好ましい。この場合、大型おむつの大きさとしては、着用前の状態における胴回り方向の寸法が130〜200mm、胴回り方向に垂直な方向の寸法が180〜250mmであることが好ましい。
【0044】
上記の大型おむつの吸収体の吸水量としては従来より大きく850g以上1050g以下であり、且つ、保水量は、550g以上710g以下であるものが好ましい。こで、「吸水量」とは、吸収体が吸収できる最大の水量を意味し、具体的には、重さ10kgの荷重が加わっても保持できる水量である。また、本発明でいう「保水量」とは、吸収体が吸収した水分を保持できる最大の水量を意味し、具体的には、75Gで脱水した場合であっても保持できる水量である。
【0045】
<おむつ陳列包装体>
図6は、本発明の陳列包装体の一例を示す図であり、上記のおむつ包装体50を、棚100に陳列した状態が示されている。図6においては、棚100は、棚板110、120、130で複数段(本例では3段)に分割されている。そして、商品としての紙おむつは、それぞれの棚に対して行(横)列(縦)形式に整理されて収納されると共に、タイプや形、昼夜、対象者、素材等を区別されて収納されている。
【0046】
棚100には、これ以外に、収納された紙おむつの列に対応した床面に、紙おむつのタイプ、特徴、対象者の表示がなされた販促用マットシートなどが設置されていてもよく、棚の各段の前面に表示がなされた長尺状のレール販促物が設けられていてもよく、各段の紙おむつのタイプ、対象者の異なる境界位置や端部には間仕切りが介挿されていてもよい。
【0047】
図6においては、おむつ包装体50を並べて複数個陳列してなる第一包装体群500が形成されている。図6においては前面に3つのおむつ包装体50が陳列されているが、図示しない奥行き方向にも同じおむつ包装体50が陳列されている。したがって、第一包装体群500は正面から見て一つであって奥行き方向のみに陳列されていてもよい。
【0048】
前記第一包装体群500の左側には、第一包装体群500を構成するおむつより小さいサイズの使い捨てのおむつ(小型おむつ)を包装してなる第二包装体90を複数個陳列した第二包装体群900が陳列されている。ここで、第二包装体90は、上記従来技術において示した図8の包装体90と同じであり、包装体90の表面には、印刷部91が設けられており、その印刷部91の中心付近には、新生児や乳児である着用対象者92が、おむつ93を露出した状態で着用している図柄が施されている。
【0049】
このように、第一包装体群500と第二包装体群900とを左右に隣接して陳列することにより、商品を購入しようとする者に対して、商品がどのように区分けして販売されているかを理解せしめると共に、一般消費者をして、包装された紙オムツの対象者が「生後10ヶ月以上の幼児」であることを一見して把握させるようにすることが可能となる。また、第一包装体群500のおむつ包装体50は、大型おむつであるために、その外寸が包装体90に比べて若干大きい。この大きさの差異によるサイズインプレッションによっても、第一包装体群500をより認識し易くなる。
【0050】
すなわち、第一包装体群500のそれぞれの包装体表面のキャラクタ部は、おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用した状態が表示されているので、単独の包装体50でキャラクタ部のみを見た場合には、それがおむつの包装体であるかどうか不明となる恐れがある。しかしながら、このおむつ陳列包装体においては、この第一包装体群500に隣接するように、従来の小さいサイズのおむつを露出した状態で着用している前記新生児又は乳児を表示する第二キャラクタ部を含む、第二包装体群900が配置されている。このため、売り場においては、隣におむつを着用した表示のある第二包装体群900があることで、第一包装体群500を構成する包装体が、おむつ包装体であることを明確に認識でき、購入者がおむつ以外の商品であると誤認識することを防止できるのである。また同時に、第二包装体群900の表示と比較することにより、第一包装体群500の着用対象者は高月齢であることも一目瞭然であるので、着用対象者を明確に理解でき、陳列された商品群の中から目的とする商品が直ちに見出されることとなる。
【0051】
なお、第一包装体群500と第二包装体群900との関係は、図6のような左右に隣接して陳列する場合だけでなく、図7のように、上下の棚板110と120とで隣接して陳列されていてもよい。
【0052】
また、第一包装体群500と第二包装体群900とが隣接するように陳列していれば、その他の陳列順序も併せて設定可能であり、例えば、成長段階に応じて順に配列してもよく、春夏や秋冬といった季節に応じて配列してもよく、よく売れる順に配列してもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 本体部
11 開口部
12、13、14、15、16、17、18 文字情報部
19、19a、19b キャラクタ部
20 取っ手部
25、25a、25b 対象者図表示部
30 おむつ包装袋
40 印刷部
41、42、43 情報部
50 おむつ包装体
51 ガセット部
90 第二包装体
100 棚
110、120、130 棚板
500 第一包装袋群
900 弟二包装袋群
、W、W 非印刷部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てのパンツ型のおむつを包装するための包装袋で前記おむつを包装してなるおむつ包装体であって、
前記包装袋の表面には、一又は二以上の生後3ヶ年以上6ヶ年以下である着用対象者の図が主として表示されるとともに、前記包装袋が空の状態のときに、この包装袋の上部とされるところの60〜90%の略長方形の領域に割り当てられている対象者図表示部を備え、
当該対象者図表示部は、前記おむつを露出した状態で着用しておらず、かつ、衣服を着用して起立している前記着用対象者のみを表示するキャラクタ部と、
前記着用対象者の腰部から股下部の間を横切るように配置され、前記包装袋の前記表面に表示される文字情報部と、を含み、
前記キャラクタ部は、前記包装袋の上下方向とされる方向に沿った中心線の付近に配置され、
前記着用対象者の頭部から足部までが、前記略長方形の領域の上部から下部にわたって該中心線に沿うように表示されており、
前記おむつの着用前の状態における胴回り方向の寸法が130〜200mm、胴回り方向に垂直な方向の寸法が180〜250mmであるおむつ包装体。
【請求項2】
前記キャラクタ部は、前記おむつ包装体の陳列状態における前記おむつ包装体の正面となる位置に配置されている請求項1に記載のおむつ包装体。
【請求項3】
前記包装袋は、上下方向に長い長方形であり、
前記包装袋の上部における上縁に、帯状の部材の一方の端部と他方の端部を接合して逆U字状に設けられた一対の取っ手部をさらに備え、
前記キャラクタ部の主要部が、前記包装袋の幅方向における前記取っ手部の一方の端部及び他方の端部の間で、前記包装袋の長手方向に延びるように配置される請求項1又は2に記載のおむつ包装体。
【請求項4】
前記対象者図表示部は、前記包装袋の幅方向における一方側及び他方側に、前記包装袋の長手方向に沿って配置され前記おむつを前記包装袋に充填した際に前記おむつ包装体の側面に表示される第二の文字情報部をさらに備える請求項1〜3のいずれか1項に記載のおむつ包装体。
【請求項5】
請求項4記載のおむつ包装体を並べて複数個陳列してなる第一包装体群と、
前記第一包装体群を構成するおむつより小さいサイズの使い捨てのおむつを包装してなる第二包装体を複数個陳列した第二包装体群と、を含む、おむつ包装陳列体であって、
前記第二包装体の表面には、一又は二以上の新生児又は乳児の図が主として表示されている第二対象者図表示部を備えており、
当該第二対象者図表示部は、前記小さいサイズのおむつを露出した状態で着用している前記新生児又は乳児を表示する第二キャラクタ部を含み、
前記第一包装体群と前記第二包装体群とは、上下又は左右に隣接して陳列されている、おむつ包装陳列体。
【請求項6】
前記おむつ包装陳列体は、上下に複数段形成された棚に割り当てられて配置されている請求項5記載のおむつ包装陳列体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−1281(P2012−1281A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195383(P2011−195383)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【分割の表示】特願2004−290539(P2004−290539)の分割
【原出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】