説明

きのこ栽培用の巻紙代用カバーとそれを用いたきのこ栽培方法

【課題】きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲を覆って、そのきのこを支持するきのこ栽培用の巻紙代用カバーを提供する。
【解決手段】カバー本体50を、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部に、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿すると共に、そのカバー本体50を、係止手段60を用いて、コンテナ30内の縦横に並ぶきのこ栽培瓶20に係止させる。そして、そのカバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口54上方に伸長させるきのこ10の側面周囲を、カバー本体の各格子目周囲の帯板52によりそれぞれ支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、瓶口上方に伸張するきのこの側面周囲を覆って、その栽培中のきのこの側面周囲を支持する、きのこ栽培用の巻紙代用カバーと、該カバーを用いたきのこ栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
えのき茸等のきのこは、広口のきのこ栽培瓶を用いて、人工栽培されている。
この栽培法においては、オガ屑、米ぬか等を所定比率で水と混合してなる培地を、きのこ栽培瓶に充填している。そして、そのきのこ栽培瓶内の培地に、きのこの種菌を接種、培養して、その培地上面からきのこを発芽させている。そして、その発芽させたきのこを、きのこ栽培瓶の広口の瓶口内側を通して、瓶口上方に、収穫可能な大きさに生育している。
この栽培法において、培地から発芽させたきのこを、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、瓶口上方に生育する際には、そのきのこ栽培瓶の瓶口周囲に、厚手の巻紙を筒状に巻き付けている。そして、その巻紙上端を、きのこ栽培瓶の瓶口上方に筒状に起立させている。そして、その瓶口上方に筒状に起立する巻紙内側空間で、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して瓶口上方に伸張するきのこを、収穫可能な大きさに生育している。
【0003】
このようにして、栽培中のきのこを、瓶口上方に筒状に起立させた巻紙内側空間で生育する理由は、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して瓶口上方に株状等になって伸張するえのき茸等のきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防ぐためである。そして、そのきのこを、瓶口上方に向けて真っすぐに見栄え良く株状に生育するためである。また、その栽培中のきのこが外気に触れて乾燥し過ぎた状態となり、茶色等に着色したり、立ち枯れ等したりするのを防いで、そのきのこを白色等をした水々しい状態に生育するためである。
【特許文献1】特開2000−092984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、えのき茸等のきのこ栽培において、上記のようにして、きのこを栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻紙を巻き付けるいわゆる巻紙作業は、多大な手数と時間を要し、きのこの人工栽培の省力化、効率化を妨げる最大のネックとなっていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解消するためになされたもので、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲を覆って、そのきのこがきのこ栽培瓶外方に倒れぬように支持する、前記の巻紙に代わる、巻紙代用カバーであって、前記の手数の掛る面倒な巻紙作業を無くして、えのき茸等のきのこの人工栽培を大幅に簡易化、省力化できる、きのこ栽培用の巻紙代用カバー(以下、単に巻紙代用カバーという)と、該カバーを用いたきのこ栽培方法を提供することを、目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の巻紙代用カバーは、コンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲をそれぞれ覆って、そのきのこの側面周囲をきのこが倒れぬようにそれぞれ支持する巻紙代用カバーであって、
複数枚の帯板を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成された、その帯板で囲まれた複数の各格子目の縦横の口径が前記きのこ栽培瓶の瓶胴部の外径又はそれに近い径を持ち、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、その各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿した状態において、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とを各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲むことの可能な構造をしたカバー本体と、
そのカバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の少なくとも一部のきのこ栽培瓶にカバー本体を係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐ係止手段とを有し、
前記カバー本体及び係止手段が、係止手段によりきのこ栽培瓶に係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることを特徴としている。
【0007】
本発明の第1のきのこ栽培方法は、本発明の第1の巻紙代用カバーを用いたきのこ栽培方法であって、次のa〜eのステップを含むことを特徴としている。
a.前記カバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とするステップ。
b.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の少なくとも一部のきのこ栽培瓶に係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐステップ。
c.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に、きのこをそれぞれ収穫可能な大きさに伸長させるステップ。
d.前記係止手段によりきのこ栽培瓶に係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、前記コンテナ内の縦横に複数本並ぶ各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げ、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体上方にそれぞれ露出させるステップ。
e.前記カバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方に抜き取って収穫するステップ。
【0008】
このような構成の第1の巻紙代用カバーを用いた、第1のきのこ栽培方法においては、そのaのステップにおいて、第1の巻紙代用カバーのカバー本体を、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部に、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿できる。そして、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とすることができる。
それと共に、そのbのステップにおいて、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の少なくとも一部のきのこ栽培瓶に係止させることができる。そして、そのカバー本体の各格子目内側を通して、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐことができる。
次いで、そのcのステップにおいて、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、その縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶に充填された培地から発芽させたきのこを、その各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に、収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させることができる。
その際には、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長させるきのこの側面周囲を、カバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ支持して、その各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防ぐことができる。
次いで、そのdのステップにおいて、係止手段によりきのこ栽培瓶に係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲を、その下方に押し下げることができる。そして、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこのそれぞれを、カバー本体上方に露出させた状態とすることができる。
その際には、カバー本体をきのこの側面周囲をその下方にスライド降下させるために、きのこの脆弱な傘をカバー本体の帯板上端側縁に引掻ける等して、そのきのこの傘を痛めることなく、収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体の上方に露出させた状態とすることができる。
その後、そのeのステップにおいて、そのカバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、その各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方にそれぞれ抜き取って収穫できる。
【0009】
本発明の第2の巻紙代用カバーは、コンテナ内に起立させて縦横に並べて収容した複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲をそれぞれ覆って、そのきのこの側面周囲をきのこが倒れぬようにそれぞれ支持する巻紙代用カバーであって、
複数枚の帯板を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成された、その帯板で囲まれた複数の各格子目の縦横の口径が前記きのこ栽培瓶の瓶胴部の外径又はそれに近い径を持ち、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、その各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿した状態において、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とを各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲むことの可能な構造をしたカバー本体と、
そのカバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、カバー本体をコンテナに係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐ係止手段とを有し、
前記カバー本体及び係止手段が、係止手段によりコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、コンテナ内にの縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第2のきのこ栽培方法は、本発明の第2の巻紙代用カバーを用いたきのこ栽培方法であって、次のa〜eのステップを含むことを特徴としている。
a.前記カバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とするステップ。
b.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナに係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐステップ。
c.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に、きのこをそれぞれ収穫可能な大きさに伸長させるステップ。
d.前記係止手段によりコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げ、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体上方にそれぞれ露出させるステップ。
e.前記カバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方に抜き取って収穫するステップ。
【0011】
このような構成の第2の巻紙代用カバーを用いた、第2のきのこ栽培方法においては、そのaのステップにおいて、第2の巻紙代用カバーのカバー本体を、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部に、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿できる。そして、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とすることができる。
それと共に、そのbのステップにおいて、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナに係止させることができる。そして、そのカバー本体の各格子目内側を通して、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐことができる。
次いで、そのcのステップにおいて、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、その縦横に複数本並ぶ各きのこ栽培瓶に充填された培地から発芽させたきのこを、その各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に、収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させることができる。
その際には、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長させるきのこの側面周囲を、カバー本体の各格子目内側周囲の帯板によりそれぞれ支持して、その各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防ぐことができる。
次いで、そのdのステップにおいて、係止手段によりコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲を、その下方に押し下げることができる。そして、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこのそれぞれを、カバー本体上方に露出させた状態とすることができる。
その際には、カバー本体をきのこの側面周囲をその下方にスライド降下させるために、きのこの脆弱な傘をカバー本体の帯板上端側縁に引掻ける等して、そのきのこの傘を痛めることなく、収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体の上方に露出させた状態とすることができる。
その後、そのeのステップにおいて、そのカバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、その各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方にそれぞれ抜き取って収穫できる。
【0012】
本発明の第1、第2の巻紙代用カバーにおいては、カバー本体が、そのカバー本体の帯板が可撓性部材から形成されていて、その帯板をきのこの側面周囲の形状及びきのこ栽培瓶周囲の形状に倣って湾曲させて、係止手段によりきのこ栽培瓶又はコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、きのこの側面周囲及びきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることが好ましい。
そうした場合には、本発明の第1、第2のきのこ栽培方法のdのステップにおいて、カバー本体の可撓性部材から形成された帯板を、きのこの側面周囲の形状やきのこ栽培瓶の周囲の形状に倣って適宜湾曲させて、カバー本体を、そのきのこの側面周囲やきのこ栽培瓶の周囲をその下方に、抵抗少なく円滑に押し下げることができる。そして、きのこの脆弱な傘を、カバー本体の帯板に引掻ける等して、そのきのこを痛めるのを、確実に防ぐことができる。
【0013】
本発明の第1、第2の巻紙代用カバーにおいては、カバー本体が、そのカバー本体の複数枚の帯板を、その各帯板の組み合わせ箇所を中心に互いに正逆に回動させて、ほぼ1枚の帯板状に重ね合わせた状態に折り畳むことが可能な構造をしていることが好ましい。
そうした場合には、カバー本体の複数枚の帯板を、その各帯板の組み合わせ箇所を中心に互いに正逆に回動させて、その複数枚の帯板を縦横に組み合わせた形状に形成されたカバー本体を、ほぼ1枚の帯板状に重ね合わせた状態にコンパクトに折り畳むことができる。そして、第1、第2の巻紙代用カバーを、場所を取らぬように、容易に収納したり、容易に運搬したり可能となる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明の第1、第2の巻紙代用カバーを用いた本発明の第1、第2のきのこ栽培方法によれば、その複数枚の帯板を縦横に格子状に組み合わせた形状に形成されたカバー本体を、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体を、係止手段を用いて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の少なくとも一部のきのこ栽培瓶に係止したり、コンテナに係止したりするだけで、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長させるきのこの側面周囲を、カバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ支持できる。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防いで、そのきのこを、きのこ栽培瓶上方に向けて真っすぐに見栄え良く株状等に生育できる。また、その栽培中のきのこが外気に触れて乾燥し過ぎた状態となって、茶色等に着色したり、立ち枯れ等したりするのを防いで、そのきのこを白色等をした水々しい状態に生育できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1ないし図4は本発明の第1の巻紙代用カバーの好適な実施の形態を示し、図1はそのカバー本体の斜視図、図2と図3と図4はその使用状態説明図である。以下に、この第1の巻紙代用カバーを説明する。
【0016】
第1の巻紙代用カバーは、図9に示されたような、籠状をしたプラスチック製などの底浅のコンテナ30内に起立させて縦横に並べて収容された複数本のきのこ栽培瓶20の瓶口22内側を通して、その瓶口22上方に株状に伸長するえのき茸等のきのこ(図示せず)の側面周囲を覆って、そのきのこがきのこ栽培瓶20外方に倒れぬように支持するのに、使用される。
【0017】
第1の巻紙代用カバーは、図1に示されたような、複数枚の帯板52を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成されたカバー本体50を、主要構成部材としている。カバー本体50の複数枚の帯板52が囲む各格子目54の縦横の口径は、きのこ栽培瓶の瓶胴部24の外径又はそれに近い径を持っている。そして、図2と図3に示したように、そのカバー本体50をコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部にコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿できる構造をしている。そして、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とを、カバー本体の各格子目54周囲の帯板52によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とすることができる構造をしている。
また、第1の巻紙代用カバーは、図3に示されたように、そのカバー本体50をコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部にコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目54周囲の帯板52によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、そのカバー本体50をコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の少なくとも一部のきのこ栽培瓶20(図3では、コンテナ30内の最外側に収容されたきのこ栽培瓶20としている)に所定値以上の力を加えない限り動かぬように係止させる係止手段60を有している。係止手段60は、ほぼ半球状をした、ゴム等の弾性体から形成されていて、カバー本体の帯板52内側面に突設されている。そして、その係止手段60を、きのこ栽培瓶の瓶口22外側面に、係止手段60の持つ弾性力を用いて押接させることにより、カバー本体50をきのこ栽培瓶の瓶口22外側面に動かぬように係止させることができる構造をしている。そして、その係止手段60を用いて、そのカバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10により、カバー本体50がきのこ栽培瓶20上方に持ち上げられるのを防ぐことができる構造をしている。
カバー本体50は、そのカバー本体の帯板52が、プラスチック製の薄板等の可撓性部材から形成されていて、その帯板52をきのこの側面周囲の形状やきのこ栽培瓶20の周囲の形状に倣って適宜湾曲させることができる構造をしている。そして、図4に示されたように、係止手段60によりきのこ栽培瓶20に係止させたカバー本体50を、係止手段60の係止力に抗して、きのこ10の側面周囲及びそれに続くきのこ栽培瓶20の周囲をその下方に抵抗少なく円滑に押し下げることができる構造をしている。
図1ないし図4に示された第1の巻紙代用カバーは、以上のように構成されている。
【0018】
次に、この本発明の第1の巻紙代用カバーを用いた、本発明の第1のきのこ栽培方法の好適な実施の形態を説明する。図2ないし図4はその栽培方法の説明図である。以下に、この第1のきのこ栽培方法を説明する。
【0019】
第1のきのこ栽培方法は、次のa〜eのステップを含んでいる。
第1のきのこ栽培方法においては、そのaのステップにおいて、図2と図3に示されたように、第1の巻紙代用カバーのカバー本体50を、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部に、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿している。そして、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とを、カバー本体の各格子目54周囲の帯板52によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態としている。
それと共に、そのbのステップにおいて、図3に示されたように、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲及びそれに連なる瓶口22上方周囲を覆うカバー本体50を、係止手段60を用いて、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の一部のきのこ栽培瓶の瓶口22外側面に動かぬように係止させている。そして、そのカバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10により、カバー本体50がきのこ栽培瓶20上方に持ち上げられるのを防いでいる。
次いで、そのcのステップにおいて、図3に示されたように、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の瓶口22周囲及びそれに連なる瓶口22上方周囲を囲むカバー本体の各格子目54内側を通して、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶20に充填された培地から発芽させたきのこ10を、その各きのこ栽培瓶の瓶口22内側を通して、その瓶口22上方に、収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させている。
その際には、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長させるきのこ10の側面周囲を、カバー本体の各格子目54周囲を囲む帯板52によりそれぞれ支持している。そして、その各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10が、きのこ栽培瓶20外方に倒れるのを、カバー本体50により防いでいる。
次いで、そのdのステップにおいて、図4に示されたように、係止手段60によりきのこ栽培瓶20に係止させたカバー本体50を、係止手段60の係止力に抗して、カバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10の側面周囲、及びそれに連なるコンテナ30上方に突出したきのこ栽培瓶20の周囲を、その下方に押し下げている。そして、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10のそれぞれを、カバー本体50上方に露出させた状態としている。
その際には、カバー本体50をきのこ10の側面周囲をその下方にスライド降下させて、そのきのこ10の脆弱な傘等を、カバー本体の帯板52上端側縁に引掻ける等して、痛めるのを防いでいる。そして、その収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10を、カバー本体50の上方に露出させた状態としている。
その後、そのeのステップにおいて、そのカバー本体50上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこ10のそれぞれを、その各きのこ栽培瓶の瓶口22内側を通して、その各きのこ栽培瓶20上方にそれぞれ抜き取って収穫している。
【0020】
図5は本発明の第2の巻紙代用カバーの好適な実施の形態を示し、図5はその使用状態説明図である。以下に、この第2の巻紙代用カバーを説明する。
【0021】
第2の巻紙代用カバーは、前述の第1の巻紙代用カバーと同様に、籠状をしたプラスチック製などの底浅のコンテナ30内に起立させて縦横に並べて収容された複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22内側を通して、その瓶口22上方に伸長するきのこ10の側面周囲をそれぞれ覆って、そのきのこ10がきのこ栽培瓶20外方に倒れぬように支持するのに、用いられる。
【0022】
第2の巻紙代用カバーは、前述の第1の巻紙代用カバーと同様に、図5(b)に示されたように、その複数枚の帯板52を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成されたカバー本体50をコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部にコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とのそれぞれを、カバー本体の各格子目54周囲の帯板52によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、そのカバー本体50をコンテナ30に動かぬように係止させる係止手段70を有している。係止手段70は、例えば、図5(a)に示されたような、プラスチック製などの帯板の一端とその他端に、L字状折曲部72とF字状折曲部74が備えられた形状をしている。そして、図5(b)に示されたように、その係止手段一端のL字状折曲部72を、カバー本体の最外側の帯板52側壁に開口された係止穴58に挿通、係止させることができる構造をしている。それと共に、その係止手段他端のF字状折曲部74を、複数本のきのこ栽培瓶20が縦横に並べて収容されたコンテナ上端周囲の顎部32に遊嵌、係止させることができる構造をしている。そして、その係止手段70を用いて、きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とを連続して囲むカバー本体50を、コンテナ30に動かぬように係止させることができる構造をしている。そして、そのカバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10により、カバー本体50がきのこ栽培瓶20上方に持ち上げられるのを防ぐことができる構造をしている。
その他は、図1ないし図4に示された、前述の第1のきのこ栽培用の巻紙代用カバーと同様に構成されている。
【0023】
次に、この本発明の第2のきのこ栽培用の巻紙代用カバーを用いた、本発明の第2のきのこ栽培方法の好適な実施の形態を説明する。図5はその栽培方法の説明図である。以下に、この第2のきのこ栽培方法を説明する。
【0024】
第2のきのこ栽培方法は、第2の巻紙代用カバーを用いたきのこ栽培方法であって、次のa〜eのステップを含んでいる。
第2のきのこ栽培方法においては、そのaのステップにおいて、第2の巻紙代用カバーのカバー本体を、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶20の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目54の内側下部に、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22をそれぞれ遊挿している。そして、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲とその瓶口22上方周囲とを、カバー本体の各格子目54周囲の帯板52によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態としている。
それと共に、そのbのステップにおいて、図5(b)に示されたように、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲及びそれに連なる瓶口22上方周囲を囲むカバー本体50を、係止手段70を用いて、コンテナ上端の顎部32に動かぬように係止させている。そして、そのカバー本体の各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10により、カバー本体50がきのこ栽培瓶20上方に持ち上げられるのを防いでいる。
次いで、そのcのステップにおいて、図5(b)に示されたように、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲及びそれに連なる瓶口22上方周囲を囲むカバー本体の各格子目54内側を通して、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶20に充填された培地から発芽させたきのこ10のそれぞれを、その各きのこ栽培瓶の瓶口22内側を通して、その瓶口22上方に、収穫可能な大きさに伸長させている。
その際には、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長させるきのこ10の側面周囲を、カバー本体の各格子目54周囲を囲む帯板52によりそれぞれ支持している。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸長するきのこ10が、きのこ栽培瓶20外方に倒れるのを、カバー本体50により防いでいる。
次いで、そのdのステップにおいて、係止手段一端のL字状折曲部72を、カバー本体の帯板側壁の係止穴58内から抜き取っている。それと共に、係止手段他端のF字状折曲部74を、コンテナ上端周囲の顎部32から抜き取っている。そして、カバー本体50をコンテナ30に係止している係止手段70の係止力を解放させた状態としている。そして、カバー本体50を、その各格子目54内側を通して、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10の側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶20の周囲を、その下方に押し下げている。そして、そのコンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10のそれぞれを、カバー本体50上方に露出させた状態としている。
その際には、カバー本体50をきのこ10の側面周囲をその下方にスライド降下させて、そのきのこ10の脆弱な傘等を、カバー本体の帯板52上端側縁に引掻ける等して、痛めるのを防いでいる。そして、その収穫可能な大きさに伸長させたきのこ10を、カバー本体50の上方に露出させた状態としている。
その後、そのeのステップにおいて、そのカバー本体50上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこ10のそれぞれを、その各きのこ栽培瓶の瓶口22内側を通して、その各きのこ栽培瓶20上方にそれぞれ抜き取って収穫している。
【0025】
第1、第2の巻紙代用カバーは、図9に示されたような、その瓶胴部24や瓶口22が、円筒状をしたきのこ栽培瓶20の外に、図10に示されたような、その瓶胴部24又は/及び瓶口22が、方形筒状をしたきのこ栽培瓶20にも、利用可能である。
【0026】
第1の巻紙代用カバーの係止手段60には、図6(a)に示されたような、きのこ栽培瓶の瓶口22外側周囲に離脱可能に嵌挿、係止させるプラスチック製などの弾性リング66を用いることも、可能である。そして、その弾性リングのリング部65を、図6(b)、(c)に示されたように、カバー本体の帯板52側壁に開口された幅広い挿通穴57を通して、その内側のきのこ栽培瓶の瓶口22外側周囲に動かぬように嵌挿、係止させると共に、その帯板の挿通穴57に挿通された弾性リングの基部67に、カバー本体50を係止させても、良い。そして、その弾性リング66を用いて、コンテナ30内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口22周囲及びそれに連なる瓶口22上方周囲を囲むカバー本体50を、そのコンテナ30内のきのこ栽培瓶20に動かぬように係止させても、良い。
そして、係止手段60の不使用時には、その係止手段の弾性リング66を、きのこ栽培瓶の瓶口22外側周囲と、カバー本体の帯板の挿通穴57内とから抜き取って、カバー本体50から分離できる構造としても、良い。そして、カバー本体50の洗浄等を円滑かつ確実に行えるようにしても、良い。
即ち、第1の巻紙代用カバーの係止手段60は、カバー本体50から分離能な構造としても良いし、前述のように、カバー本体50に分離不可能に一体に備えた構造としても良い。
同様に、第2の巻紙代用カバーの係止手段70も、カバー本体50から分離不可能に、カバー本体50に一体に備えて、その係止手段70が、カバー本体50から外れ落ちて、どこかに紛失する恐れをなくしても良いし、前述のように、カバー本体50から分離可能な構造としても良い。
【0027】
第1、第2の巻紙代用カバーにおいては、図7に示されたように、そのカバー本体の複数枚の帯板52を、その各帯板52の組み合わせ箇所を中心に互いに正逆に回動させて、カバー本体50を、ほぼ1枚の帯板状に重ね合わせた状態に折り畳むことが可能な構造とすると良い。そして、第1、第2の巻紙代用カバーを、場所を取らぬように、容易に収納したり、容易に運搬したり可能とすると良い。
カバー本体の複数枚の帯板52を、その各帯板52の組み合わせ箇所を中心に互いに正逆に回動させることが可能とするためには、そのカバー本体の複数枚の帯板52を、柔軟性の十分あるごく薄い可撓性部材で形成するか、又は図8に示されたように、そのカバー本体の各帯板52の組み合わせ箇所に、コの字状の切欠き55を縦方向にそれぞれ設けて、その一方の帯板の切欠き55に他方の帯板の切欠き55が設けられた部分を回動可能に嵌合させた状態とすると良い。
【0028】
カバー本体の帯板52は、場合によっては、硬質プラスチック樹脂製等の湾曲しにくい部材で形成しても良い。そして、その湾曲しにくい帯板52で四方が囲まれたカバー本体の方形筒状をした格子目54内側空間で、えのき茸等のきのこを、そのカバー本体の格子目54内側空間の形状に合わせて、ボリューム感のある見栄えの良い方形柱状に確実に生育させても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の第1、第2の巻紙代用カバーと、該カバーを用いた本発明の第1、第2のきのこ栽培方法は、コンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方にえのき茸等のきのこを伸長させるきのこ栽培に、広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の巻紙代用カバーの斜視図である。
【図2】本発明の第1の巻紙代用カバーの使用状態説明図である。
【図3】本発明の第1の巻紙代用カバーの使用状態説明図である。
【図4】本発明の第1の巻紙代用カバーの使用状態説明図である。
【図5】本発明の第2の巻紙代用カバーの係止手段の説明図である。
【図6】本発明の第1の巻紙代用カバーの係止手段の説明図である。
【図7】本発明の第1、第2の巻紙代用カバーの折り畳み状態説明図である。
【図8】本発明の第1、第2の巻紙代用カバーのカバー本体の構造説明図である。
【図9】複数本のきのこ栽培瓶がコンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された状態の斜視図である。
【図10】複数本のきのこ栽培瓶がコンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
20 きのこ栽培瓶
22 きのこ栽培瓶の瓶口
24 きのこ栽培瓶の瓶胴部
30 コンテナ
32 コンテナ上端の顎部
50 カバー本体
52 帯板
54 カバー本体の格子目
57 挿通穴
58 係止穴
60 係止手段
66 弾性リング
70 係止手段
72 係止手段一端のL字状折曲部
74 係止手段他端のF字状折曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲をそれぞれ覆って、そのきのこの側面周囲をそれぞれ支持する巻紙代用カバーであって、
複数枚の帯板を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成された、その帯板で囲まれた複数の各格子目の縦横の口径が前記きのこ栽培瓶の瓶胴部の外径又はそれに近い径を持ち、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、その各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿した状態において、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とを各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲むことの可能な構造をしたカバー本体と、
そのカバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の少なくとも一部のきのこ栽培瓶にカバー本体を係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐ係止手段とを有し、
前記カバー本体及び係止手段が、係止手段によりきのこ栽培瓶に係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることを特徴とするきのこ栽培用の巻紙代用カバー。
【請求項2】
請求項1記載の巻紙代用カバーを用いたきのこ栽培方法であって、次のステップを含むことを特徴とするきのこ栽培方法。
a.前記カバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とするステップ。
b.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の少なくとも一部のきのこ栽培瓶に係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐステップ。
c.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に、きのこをそれぞれ収穫可能な大きさに伸長させるステップ。
d.前記きのこ栽培瓶に係止手段により係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げ、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体上方にそれぞれ露出させるステップ。
e.前記カバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方に抜き取って収穫するステップ。
【請求項3】
コンテナ内に起立させて縦横に並べて収容された複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その瓶口上方に伸長するきのこの側面周囲をそれぞれ覆って、そのきのこの側面周囲をそれぞれ支持する巻紙代用カバーであって、
複数枚の帯板を起立させて縦横に格子状に組み合わせた形状に形成された、その帯板で囲まれた複数の各格子目の縦横の口径が前記きのこ栽培瓶の瓶胴部の外径又はそれに近い径を持ち、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、その各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿した状態において、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とを各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲むことの可能な構造をしたカバー本体と、
そのカバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、その複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態において、カバー本体をコンテナに係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐ係止手段とを有し、
前記カバー本体及び係止手段が、係止手段によりコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、コンテナ内の縦横に並ぶ複数本のきのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲及びそれに連なるきのこ栽培瓶の周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることを特徴とするきのこ栽培用の巻紙代用カバー。
【請求項4】
請求項3記載の巻紙代用カバーを用いたきのこ栽培方法であって、次のステップを含むことを特徴とするきのこ栽培方法。
a.前記カバー本体を前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の上部に被せて、そのカバー本体の各格子目の内側下部にコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口をそれぞれ遊挿し、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲とその瓶口上方周囲とのそれぞれをカバー本体の各格子目周囲の帯板によりそれぞれ連続して方形筒状に囲んだ状態とするステップ。
b.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体を、前記係止手段を用いて、コンテナに係止させて、そのカバー本体の各格子目内側を通して、前記複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸長するきのこにより、カバー本体がきのこ栽培瓶上方に持ち上げられるのを防ぐステップ。
c.前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口周囲及びそれに連なる瓶口上方周囲を囲むカバー本体の各格子目内側を通して、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に、きのこをそれぞれ収穫可能な大きさに伸長させるステップ。
d.前記コンテナに係止手段により係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、カバー本体の各格子目内側を通して、前記コンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさにそれぞれ伸長させたきのこの側面周囲、及びそれに連なるきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げ、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口上方に収穫可能な大きさに伸長させたきのこを、カバー本体上方にそれぞれ露出させるステップ。
e.前記カバー本体上方に露出させた収穫可能な大きさに伸長したきのこのそれぞれを、そのコンテナ内の縦横に並ぶ複数本の各きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、その各きのこ栽培瓶上方に抜き取って収穫するステップ。
【請求項5】
前記カバー本体が、そのカバー本体の帯板が可撓性部材から形成されていて、その帯板をきのこの側面周囲の形状及びきのこ栽培瓶の周囲の形状に倣って湾曲させて、係止手段によりきのこ栽培瓶又はコンテナに係止させたカバー本体を、係止手段の係止力に抗して、又は係止手段の係止力を解放させて、きのこの側面周囲及びきのこ栽培瓶周囲をその下方に押し下げることが可能な構造をしていることを特徴とする請求項1又は3記載のきのこ栽培用の巻紙代用カバー。
【請求項6】
前記係止手段が、カバー本体に一体に備えられた構造をしていることを特徴とする請求項1又は3記載のきのこ栽培用の巻紙代用カバー。
【請求項7】
前記係止手段が、カバー本体に着脱可能な構造をしていることを特徴とする請求項1又は3記載のきのこ栽培用の巻紙代用カバー。
【請求項8】
前記カバー本体が、そのカバー本体の複数枚の帯板を、その各帯板の組み合わせ箇所を中心に互いに正逆に回動させて、ほぼ1枚の帯板状に重ね合わせた状態に折り畳み可能な構造をしていることを特徴とする請求項1又は3記載のきのこ栽培用の巻紙代用カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−209311(P2007−209311A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35866(P2006−35866)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(391003679)長野木田工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】