説明

くじデータ作成装置、作成方法および作成プログラム

【課題】 より購買意欲を持たせる宝くじ券を販売し、その売上げや宝くじ券の普及を促進する。
【解決手段】 等級データ設定部2は、証票毎のゲームに対する等級データと証票n枚(nは自然数)毎のゲームに対する等級データとを設定する。等級割当処理部4は、発生確率に基づいて、双方のゲームの各々に対する等級を各証票にランダムに割り当てる。ゲームパターン割当処理部7は、双方のゲームに割り当てられた、それぞれの等級に従って、各証票に、等級に対応するゲームパターンデータを割り当てる。印刷部9は、最終的な証票データに従って、整理番号や、証票毎のゲームに対するゲームパターン、証票n枚毎のゲームに対するゲームパターン、判定子を印刷する。袋詰め部10は、印刷された証票をn枚ずつ袋詰めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、くじデータ作成装置、作成方法および作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宝くじ券の販売元などにおいて、宝くじ券の売上げを上げるため、また、宝くじ券を普及させるために、複数のゲームを1枚の宝くじ券の証票に印刷した宝くじ券を販売することが提案されている。このような複数のゲームを1枚の証票に印刷するための宝くじのデータを作成する技術が公開されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特許第3568926号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術では、ゲームのバリエーションに限界があった。そこで、宝くじ券の売上げを上げるため、また、宝くじ券を普及させるためには、さらに工夫を凝らした新たなゲームを開発する必要があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、より購買意欲を持たせる宝くじ券を販売し、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるくじデータ作成装置、作成方法および作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成装置であって、前記複数の証票のn枚(nは自然数)毎に割り当てられる第1の等級と該第1の等級の発生確率とを記憶する第1の等級データ記憶手段と、前記第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn枚の証票毎に第1の等級を割り当てる第1の等級割当手段と、前記複数の証票毎に割り当てられる第2の等級と該第2の等級の発生確率とを記憶する第2の等級データ記憶手段と、前記第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に前記第2の等級を割り当てる第2の等級割当手段と、を具備することを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記第2の等級割当手段が、前記第1の等級割当手段によって前記連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票の少なくとも1枚の証票に第2の等級として当たりを割り当てることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記第1の等級割当手段が、前記第2の等級割当手段によって前記連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりを割り当てることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記第1の等級および前記第2の等級の各々に対して、当せん判定が可能な判定子を設定する判定子設定手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと、前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとを記憶するゲームパターン記憶手段と、前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当て、前記複数の証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てるゲームパターン割当手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記第1のゲームパターンと前記第2のゲームパターンと前記判定子とが印刷された複数の証票を、前記連続するn枚の倍数毎に袋詰めする袋詰め手段を具備することを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成方法であって、第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn(nは自然数)枚の証票毎に第1の等級を割り当て、第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に第2の等級を割り当てることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりが割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票の少なくとも1枚の証票に第2の等級として当たりを割り当てることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記連続するn枚の証票に第2の等級として当たりが割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりを割り当てることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、ゲームパターン記憶手段に記憶してある、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとについて、前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当て、前記証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成装置のコンピュータに実行させるくじデータ作成プログラムであって、第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn(nは自然数)枚の証票毎に第1の等級を割り当てるステップと、第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に前記第2の等級を割り当てるステップとを実行させることを特徴とするくじデータ作成プログラムである。
【0016】
また本発明は、上記ステップに加え、ゲームパターン記憶手段に記憶してある、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとについて、前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当てるステップと、前記証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てるステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、前記複数の証票のn枚(nは自然数)毎に割り当てられる第1の等級と該第1の等級の発生確率とを第1の等級データ記憶手段に記憶し、第1の等級割当手段によって、前記第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn枚の証票毎に第1の等級を割り当てる。また、前記複数の証票毎に割り当てられる第2の等級と該第2の等級の発生確率とを第2の等級データ記憶手段に記憶し、第2の等級割当手段によって、前記第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に前記第2の等級を割り当てる。
したがって、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームを設けることで、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるという利点が得られる。また、証票1枚毎に当たり外れがある、証票毎のゲームと、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームとのどちらか、あるいは双方のゲームで当たりを得る可能性を潜在させることができるので、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるという利点が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、第1の等級割当手段によって連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、連続するn枚の証票の少なくとも1枚の証票に第2の等級として当たりを割り当てる。また、第2の等級割当手段によって連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、連続するn枚の証票に第1の等級として当たりを割り当てる。
したがって、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームで外れても、証票1枚毎に当たり外れがある、証票毎のゲームでは必ず当たりがでるので、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるという利点が得られる。また証票毎のゲームで外れても、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームでは必ず当たりがでるので、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるという利点が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、判定子設定手段により、前記第1の等級および前記第2の等級の各々に対して、当せん判定が可能な判定子を設定する。したがって、くじの当せん判定、特に、連続したn枚の証票の当せん判定を容易に行うことができるという利点が得られる。
【0020】
また、本発明によれば、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとをゲームパターン記憶手段に記憶し、ゲームパターン割当手段によって、前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当て、前記複数の証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てる。したがって、証票1枚毎に当たり外れがある、証票毎のゲームと、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームとのどちらか、あるいは双方のゲームで当たりを得る可能性を潜在させることができるので、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができるという利点が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記第1のゲームパターンと前記第2のゲームパターンと前記判定子とが印刷された複数の証票を、前記連続するn枚の倍数毎に袋詰めする。これにより、各宝くじ売場への配送を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態によるくじデータ作成装置、作成方法および作成プログラムを、図面を参照して説明する。
【0023】
A.実施形態の構成
図1は、本実施形態によるくじデータ作成装置の構成を示す概略ブロック図である。図において、ユーザインターフェース部1は、オペレータに対するインターフェースであり、データや指示入力のための入力装置や、動作過程や結果を表示するための表示装置などからなる。等級データ設定部2は、証票毎のゲームに対する等級を示す等級データ(各等級の発生確率、各等級の賞金金額)と証票n枚(nは自然数)毎のゲームに対する等級を示す等級データ(各等級の発生確率、各等級の賞金金額)とを設定する。また、等級データ設定部2は、上記等級データの設定とともに、等級データの正当性を確認する。また、等級データ設定部2は、各等級に対して、その等級を判別するための判定子を設定する。
【0024】
等級データ格納部3は、上記証票毎のゲームに対する等級データと、証票n枚毎のゲームに対する等級データとを格納する。等級割当処理部4は、各証票に連続する整理番号を割り振り、発生確率に基づいて、各証票に証票毎のゲーム、証票n枚毎のゲームの各々に対する等級をランダムに割り当てる。ここで、各証票は連続された整理番号が割り振られているとしたが、この整理番号は、数字の番号だけに限らず、英文字や記号などによって規則性を考慮して割り振られた連続する整理番号である。
【0025】
次に、ゲームパターンデータ設定部5は、証票毎のゲーム、証票n枚毎のゲームに、各等級に対応するゲームパターンデータ(絵柄や数字など)を設定する。ゲームパターンデータ格納部6は、上記ゲームパターンデータを格納する。ゲームパターン割当処理部7は、証票毎のゲーム、証票n枚毎のゲームに割り当てられた、それぞれの等級に従って、各証票にゲームパターンデータ格納部6に保存されている、等級に対応するゲームパターンデータを割り当てる。また、ゲームパターン割当処理部7は、証票に割り当てられた、証票毎のゲームの等級および証票n枚毎のゲームの等級に対応するそれぞれの判定子を用いて、販売店(もしくは販売元)で双方のゲームに対する当たり外れを識別するための判定子を作成して割り当てる。
【0026】
証票データ格納部8は、最終的な証票データ、すなわち証票毎に、整理番号、証票毎のゲームに対する等級、ゲームパターン、証票n枚毎のゲームに対する等級、ゲームパターン、および双方のゲームに対する当たり外れが明示された判定子からなるデータを格納する。印刷部9は、上記証票データ格納部に格納されている最終的な証票データに従って、所定の用紙に、整理番号や、証票毎のゲームに対するゲームパターン、証票n枚毎のゲームに対するゲームパターン、判定子を印刷する。なお、判定子は、周知の暗号化アルゴリズムを用いて暗号化したり、バーコード化したりして印刷してもよい。袋詰め部10は、印刷された証票をn枚の倍数毎に袋詰めする。
【0027】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態によるくじデータ作成装置の動作について説明する。ここで、図2は、本実施形態による、くじデータ作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0028】
まず、等級データ設定部2は、証票毎のゲームに対する等級を示す等級データ(各等級の発生確率、各等級の賞金金額)を設定し(S10)、それぞれの等級にその等級を判別するための判定子を設定する(S12)。ここで、図3は、証票毎のゲームに対する等級、その発生確率および賞金金額の一例を示す概念図である。図示の例では、証票毎のゲームに対して、1等から4等まで等級を設定し、1等から4等までの発生確率を、それぞれ1/10万、1/4万、1/1千、1/5に設定し、それぞれの賞金金額を、100万、10万、1万、100円と設定している。また、図4は、証票毎のゲームに対する等級に対する判定子の一例を示す概念図である。図示の例では、1等から4等、および0等(外れ)に対して、それぞれ「12345」、「22345」、「32224」、「42124」、「05432」という判定子を設定している。
【0029】
次に、等級データ設定部2は、証票n枚(nは自然数、以下、5枚として説明する)毎のゲームに対する等級を示す等級データ(各等級の発生確率、各等級の賞金金額)を設定し(S14)、それぞれの等級にその等級を判別するための判定子を設定する(S16)。ここで、図5は、証票5枚毎のゲームに対する等級、その発生確率および賞金金額の一例を示す概念図である。図示の例では、証票5枚毎のゲームに対して、1等から4等まで等級を設定し、1等から4等までの発生確率を、それぞれ1/8千、1/1千、1/100、1/10に設定し、それぞれの賞金金額を、10万、1万、1千、200円と設定している。また、図6は、証票5枚毎のゲームに対する等級に対する判定子の一例を示す概念図である。図示の例では、1等から4等、および0等(外れ)に対して、それぞれ「1」、「2」、「3」、「4」、「0」という判定子を設定している。
【0030】
次に、ゲームパターンデータ設定部5は、証票毎のゲームおよび証票5枚毎のゲームに対して、各等級に対応するゲームパターンデータを設定する(S18)。ここで、図7(a)、(b)は、各々、証票毎のゲームおよび証票5枚毎のゲームに対して設定されたゲームパターンデータの一例を示す概念図である。証票毎のゲームの等級に対しては、図7(a)に示すように、1等には、ゲームパターン「111232」、「323111」、2等には、ゲームパターン「112223」、「122213」、「322312」、「222131」、…、0等にはゲームパターン「123123」が設定される。同様に、証票5枚毎のゲームに対しては、図7(b)に示すように、1等には、ゲームパターン「LOPQR」、2等には、ゲームパターン「MRQPO」、3等には、ゲームパターン「OQNPR」、「PNOQR」、…、0等には、ゲームパターン「PPQRQ」が設定される。
【0031】
次に、等級割当処理部4は、各証票に連続する整理番号を割り振り、発生確率に基づいて、証票毎のゲームに対する等級を、各証票にランダムに割り当てる(S20)。次に、ゲームパターンデータ設定部5は、証票毎のゲームに対して、各証票に割り当てられた等級に従って、等級に対応するゲームパターンデータを割り当てる(S22)。
【0032】
次に、等級割当処理部4は、発生確率に基づいて、証票5枚毎のゲームに対する等級を、各証票にランダムに割り当てる(S24)。ここで、証票5枚毎ゲームに対する等級を、各証票に割り当てる方法について説明する。図5に示す等級データの例で、4等を割り当てるとすると、発生確率が1/10であるので、10本に1本の当たり(4等)を割り当てることなる。証票5枚単位で考えるので、整理番号の範囲「0000001」〜「0000005」、「0000006」〜「0000010」、「0000011」〜「0000015」、「0000016」〜「0000020」、「0000021」〜「0000025」、「0000026」〜「0000030」、「0000031」〜「0000035」、「0000036」〜「0000040」、「0000041」〜「0000045」、「0000046」〜「0000050」の10個の範囲から1つの範囲を選択し、4等を割り当てる。選択された範囲の5枚の証票に対する等級は4等とする。この処理を全証票(この場合、40万枚)分繰り返す。他の等級についても同様の処理を行う。
【0033】
次に、ゲームパターン割当処理部7は、証票5枚毎のゲームに対して、各証票に割り当てられた等級に従って、等級に対応するゲームパターンデータを割り当てる(S26)。ゲームパターンは、該当する等級からゲームパターンを選択し、選択されたゲームパターンの1桁目をその範囲の中で最小の整理番号に割り当て、2桁目をその範囲の中で2番目に小さい整理番号に割り当て、以下同様に、5桁目をその範囲の中で一番大きい整理番号に割り当てる。
【0034】
次に、ゲームパターン割当処理部7は、証票に割り当てられた、証票毎のゲームに対する等級および証票5枚毎のゲームに対する等級に対応するそれぞれの判定子を用いて、双方のゲームに対する当たり外れを識別するための判定子を作成して割り当て、最終的な証票データを作成する(S28)。ここで、図8は、最終的な証票データの一例を示す概念図である。整理番号は、各証票(この場合、全40万枚の各々)に割り振られた固有の番号である。各証票には、証票毎のゲーム、証票5枚毎のゲームの各々に対して、対応する等級および該等級に対応するゲームパターンが割り当てられている。そして、最終的な証票データの判定子は、各等級に設定された判定子から作成したもので、左5桁が、証票毎のゲームの等級に対応する判定子、続く7桁が、5枚単位の証票であることを示すコード(この例では、5枚の証票中の最小の整理番号を用いる)、次の1桁が連続する5枚が単位であることを示す番号(つまりn=5を示している)、最後の1桁が証票5枚毎の等級に対応する判定子である。このように最終的な判定子は、連続する5枚の証票で共通であるので、当せん判定の際に、該判定子の上記7桁が同一であった場合には、正当な組合せと判断し、もし1枚でも異なる整理番号が含まれていた場合には、その組合せは不正なものと判断する。
【0035】
次に、印刷部9は、上記証票データ格納部に格納されている最終的な証票データに従って、所定の用紙に、整理番号や、証票毎のゲームに対するゲームパターン、証票n枚毎のゲームに対するゲームパターン、判定子を印刷する(S30)。ここで、図9は、最終的に印刷された証票を示す模式図である。図示するように、各証票には、証票毎のゲームに対するゲームパターン20、証票5枚毎のゲームに対するゲームパターン21、各証票の整理番号22及び(又は)判定子23などが印刷される。そして、袋詰め部10は、印刷された証票を5枚の倍数(m=1、2、3・・・)毎に袋詰めする(S32)。なお、図9において判定子をアスタリスクで示しているが、実際には図8に示した数字の判定子を示すバーコードや暗号化された文字列(英数字や記号等)である。
【0036】
上述した実施形態によれば、証票1枚毎に当たり外れがある、証票毎のゲームと、連続したn枚の証票毎に当たり外れがある、証票n枚毎のゲームとを設けることで、どちらか、あるいは双方のゲームで当たりを得る可能性を潜在させることができるので、連続したn枚の証票を買おうとする購買意欲を持たせることができ、その売上げや宝くじ券の普及を促進することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態においては、証票毎のゲームに対する当たり外れと、証票n枚毎のゲームに対する当たり外れとには、相互関係がなかったが、これに限らず、例えば、証票毎のゲームで当たりがない場合には、その証票を含む証票5枚毎のゲームに当たりを設定してもよい。あるいは、証票毎のゲームで当たりがある場合には、その証票を含む証票5枚毎のゲームを外れに設定してもよい。
つまり、等級割当処理部4は、連続する5枚の証票に、証票5枚毎のゲームについての当たりの等級が割り当てられなかった場合、連続する5枚の証票の少なくとも1枚の証票に証票毎のゲームの等級として当たりを割り当て、連続する5枚の証票に、証票5枚毎のゲームについての当たりの等級が割り当てられた場合、連続する5枚の証票の全てに証票毎のゲームの等級として外れを割り当てる。
または、等級割当処理部4は、連続する5枚の証票に、証票毎のゲームについての当たりの等級が割り当てられなかった場合、連続する5枚の証票に証票5枚毎のゲームの等級として当たりを割り当て、連続する5枚の証票に、証票毎のゲームについての当たりの等級が割り当てられた場合、連続する5枚の証票に証票5枚毎のゲームの等級として外れを割り当てるようにしてもよい。
これにより、どちらかに必ず当たりが出現するので、購買意欲を向上させることが可能になる。
【0038】
また、上述した等級データ設定部2、等級割当処理部4、ゲームパターンデータ設定部5、ゲームパターン割当処理部7は、コンピュータシステムの一部であってもよい。そして、上述した等級データ設定部2、等級割当処理部4、ゲームパターンデータ設定部5、ゲームパターン割当処理部7の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態によるくじデータ作成装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態による、くじデータ作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】証票毎のゲームに対する等級、その発生確率および賞金金額の一例を示す概念図である。
【図4】証票毎のゲームに対する等級に対する判定子の一例を示す概念図である。
【図5】証票5枚毎のゲームに対する等級、その発生確率および賞金金額の一例を示す概念図である。
【図6】証票5枚毎のゲームに対する等級に対する判定子の一例を示す概念図である。
【図7】証票毎のゲームおよび証票5枚毎のゲームに対して設定されたゲームパターンデータの一例を示す概念図である。
【図8】最終的な証票データの一例を示す概念図である。
【図9】最終的に印刷された証票を示す模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ユーザインターフェース部
2 等級データ設定部(判定子設定手段)
3 等級データ格納部(第1の等級データ記憶手段、第2の等級データ記憶手段)
4 等級割当処理部(第1の等級割当手段、第2の等級割当手段)
5 ゲームパターンデータ設定部
6 ゲームパターンデータ格納部(ゲームパターン記憶手段)
7 ゲームパターン割当処理部(ゲームパターン割当手段)
8 証票データ格納部
9 印刷部(印刷手段)
10 袋詰め部(袋詰め手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成装置であって、
前記複数の証票のn枚(nは自然数)毎に割り当てられる第1の等級と該第1の等級の発生確率とを記憶する第1の等級データ記憶手段と、
前記第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn枚の証票毎に第1の等級を割り当てる第1の等級割当手段と、
前記複数の証票毎に割り当てられる第2の等級と該第2の等級の発生確率とを記憶する第2の等級データ記憶手段と、
前記第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に前記第2の等級を割り当てる第2の等級割当手段と、
を具備することを特徴とするくじデータ作成装置。
【請求項2】
前記第2の等級割当手段は、
前記第1の等級割当手段によって前記連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票の少なくとも1枚の証票に第2の等級として当たりを割り当てる
ことを特徴とする請求項1記載のくじデータ作成装置。
【請求項3】
前記第1の等級割当手段は、
前記第2の等級割当手段によって前記連続するn枚の証票に当たりの等級が割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりを割り当てる
ことを特徴とする請求項1記載のくじデータ作成装置。
【請求項4】
前記第1の等級および前記第2の等級の各々に対して、当せん判定が可能な判定子を設定する判定子設定手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のくじデータ作成装置。
【請求項5】
前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと、前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとを記憶するゲームパターン記憶手段と、
前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当て、前記複数の証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する、前記ゲームパターン記憶手段に記憶されている第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てるゲームパターン割当手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のくじデータ作成装置。
【請求項6】
前記第1のゲームパターンと前記第2のゲームパターンと前記判定子とが印刷された複数の証票を、前記連続するn枚の倍数毎に袋詰めする袋詰め手段
を具備することを特徴とする請求項5記載のくじデータ作成装置。
【請求項7】
所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成方法であって、
第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn(nは自然数)枚の証票毎に第1の等級を割り当て、
第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に第2の等級を割り当てることを特徴とするくじデータ作成方法。
【請求項8】
前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりが割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票の少なくとも1枚の証票に第2の等級として当たりを割り当てる
ことを特徴とする請求項7記載のくじデータ作成方法。
【請求項9】
前記連続するn枚の証票に第2の等級として当たりが割り当てられなかった場合、前記連続するn枚の証票に第1の等級として当たりを割り当てる
ことを特徴とする請求項7記載のくじデータ作成方法。
【請求項10】
ゲームパターン記憶手段に記憶してある、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとについて、
前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当て、
前記証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載のくじデータ作成方法。
【請求項11】
所定の発生確率を有する等級を割り当てた複数の証票を作成するくじデータ作成装置のコンピュータに実行させるくじデータ作成プログラムであって、
第1の等級データ記憶手段に記憶されている第1の発生確率に基づいて、連続するn(nは自然数)枚の証票毎に第1の等級を割り当てるステップと、
第2の等級データ記憶手段に記憶されている第2の発生確率に基づいて、前記複数の証票の1枚毎に前記第2の等級を割り当てるステップと
を実行させることを特徴とするくじデータ作成プログラム。
【請求項12】
請求項11のステップに加え、
ゲームパターン記憶手段に記憶してある、前記第1の等級に対する第1のゲームパターンと前記第2の等級に対する第2のゲームパターンとについて、
前記連続するn枚の証票に割り当てられた第1の等級に対応する第1のゲームパターンを、前記連続するn枚の証票に割り当てるステップと、
前記証票の1枚毎に割り当てられた第2の等級に対応する第2のゲームパターンを、前記証票の1枚毎に割り当てるステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするくじデータ作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−65740(P2006−65740A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250027(P2004−250027)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
【Fターム(参考)】