じょうろ
【課題】持ち運びの際の水跳ねを防止するとともに、収納時に保管スペースを縮小することのできるじょうろを提供する。
【解決手段】上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体1と、このじょうろ本体1の外面部に一体に形成された取っ手2と、上記じょうろ本体1の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプ3とを有するじょうろにおいて、上記じょうろ本体1の底面部に回動可能に取り付けられたL字状の部材であって、突出姿勢と収納姿勢とを選択できるフック6と、このフックを収納可能に底面部に凹設された収納部7とを設けた。また、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレール8と、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレール8にスライド可能に嵌合する嵌合部10cを形成したスライド蓋10とを設けた。
【解決手段】上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体1と、このじょうろ本体1の外面部に一体に形成された取っ手2と、上記じょうろ本体1の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプ3とを有するじょうろにおいて、上記じょうろ本体1の底面部に回動可能に取り付けられたL字状の部材であって、突出姿勢と収納姿勢とを選択できるフック6と、このフックを収納可能に底面部に凹設された収納部7とを設けた。また、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレール8と、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレール8にスライド可能に嵌合する嵌合部10cを形成したスライド蓋10とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭園芸において散水に用いられるじょうろに関する。
【背景技術】
【0002】
じょうろは家庭園芸等において草木の水遣り等に用いられ、上面に注入口を設けた貯水容器であるじょうろ本体と、このじょうろ本体の外面部に形成した持ち運び用の取っ手と、じょうろ本体の前面部に連通して突設された流出口パイプとから構成される。
使用時には、注水口から給水してじょうろ本体に水を貯留し、取っ手を持って移動したのち、流出口パイプの先端に設けたシャワーヘッドから散水する。
【0003】
このように、じょうろ本体から取っ手と長い流出口パイプとが突出しているため、従来のじょうろを保管する際には大きなスペースが必要であった。
特許文献1には、この保管のスペースを縮小するために、前面を弓形の輪郭に形成したじょうろ本体と、このじょうろ本体に沿って弓形に湾曲するとともにじょうろ本体に旋回可能に取り付けられた流出口パイプとを有することにより、使用時には流出口パイプを前方へ突出させ、収納時には流出口パイプをじょうろ本体に隣接させるじょうろが記載されている。
このような特許文献1のじょうろでは、収納時に流出口パイプが前方に突出せず保管場所を小さくすることができるが、収納時には地面に置いて保管するほかなかった。
【0004】
また、じょうろには水を入れて持ち運び使用するため、従来のじょうろでは、移動の際などにじょうろに振動が加わると、内部の水が注水口から跳ねて衣服や床面を濡らすことがあった。
これを防ぐため、特許文献2には、注入口及び流出口に螺合により着脱できる蓋体をそれぞれ設け、持ち運びの際にはこれらの蓋体を取り付けることによりじょうろを密閉する発明が記載されている。
【0005】
特許文献2のじょうろでは、蓋をじょうろから取り外した際に紛失してしまうおそれがあった。
また、螺合構造の蓋体の着脱が面倒であった。
また、この蓋体は上方から被せるタイプの蓋であるため、ねじ込みが十分でないと、持ち運びの際に水跳ねの勢いで蓋体の結合が緩んで思いがけずに外れてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−501358号公報
【特許文献2】登録実用新案第3006414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、持ち運びの際の水跳ねを防止するとともに、収納時に保管スペースを縮小することのできるじょうろを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、上記課題が解決される手段は以下の通りである。
第1の発明は、上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、このじょうろ本体の外面部に一体または別体に形成された取っ手と、上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された筒状部と、この筒状部に一体または別体に形成され、じょうろ本体内部の水を吐水可能な流出口パイプとを有するじょうろにおいて、上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを、突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設し、かつ、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことを特徴とする。
【0016】
第9の発明は、上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことを特徴とする。
【0017】
第10の発明は、上記フックを、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
第11の発明は、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことを特徴とする。
【0019】
第12の発明は、上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止させる切欠き部を設けたことを特徴とする。
【0020】
第13の発明は、上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことを特徴とする。
【0021】
第14の発明は、上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明によれば、上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことにより、じょうろを使用しないときには、フックによってラティス等に掛止して、じょうろを地面に置かずに保管できる。
また、水を入れたじょうろをフックによってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
【0023】
第2の発明によれば、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。
加えて、じょうろ本体の注入口から内部の残水が排水されやすくなる。
【0024】
第3の発明によれば、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。
加えて、筒状部もしくはこの筒状部に連通した流出口パイプから内部の残水が排水されやすくなる。
【0025】
第4の発明によれば、じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、内部の残水が傾斜部に案内されて下側の筒状部に達し、筒状部もしくはこの筒状部に連通した流出口パイプから排水されやすくなる。
【0026】
第5の発明によれば、上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことにより、フックと取っ手とが同一面に設けられていないため、フックをラティスに引っ掛けたり取り外したりする際に、取っ手をつかみながら容易に行うことができる。
【0027】
第6の発明によれば、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを、突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことにより、フックを突出姿勢にすれば、ラティスなどの他物品に引っ掛けることができ、フックを使用しない場合には、このフックを収納姿勢にしてじょうろ本体内部の収納部に収納することができるため、じょうろを使用する際にフックが妨げとなることがない。
【0028】
第7の発明によれば、上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設したことにより、じょうろの使用時には、底面部に設けたフックを収納姿勢にしてじょうろ本体の収納部に収納すれば、じょうろを地面に置く際にもフックによってじょうろが著しく傾いたり転倒したりすることがない。また、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことにより、取っ手がじょうろ本体の上面部側に位置しており、水を入れて持ち運ぶ際に持ちやすく、かつ、取っ手がフックの反対側に位置するため、フックのラティス等への引っ掛けや取り外しが行いやすい。
【0029】
第8の発明によれば、上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことにより、じょうろの持ち運び時には取っ手の上側を持ち、散水時には取っ手の後背側を持つことができ、いずれの場合にも手に持ちやすい。フックをラティス等に引っ掛けたり取り外したりする際にも、取っ手を持ちやすい角度で持つことができる。
【0030】
第9の発明によれば、上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことにより、太把持部を中指以下の指で握り、細把持部を人差し指と親指とで握ることができるため、グリップ感が良好で、じょうろで散水を行う際に握りやすい。
【0031】
第10の発明によれば、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことにより、じょうろを保管する際には、フックを取り付けてラティスなどに掛止することができ、じょうろを地面に置かずに保管できる。
また、水を入れたじょうろをフックによってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
さらに、じょうろを使用する際にはこのフックを取り外すことができるので、フックがじょうろの取り回しの妨げになることがない。
【0032】
第11の発明によれば、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことにより、じょうろの蓋を容易に開閉することが可能となる。また、水平にスライドするスライド蓋であるため、単に上方に被せるだけの蓋と異なり、内部の水が揺れによって突き上げても蓋が外れにくい。
【0033】
第12の発明によれば、上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止する切欠き部を設けたことにより、スライド蓋を開けた状態と閉めた状態とのそれぞれでスライド蓋をその位置に保持することができ、じょうろの傾きや揺れ、水跳ねによってスライド蓋が開閉してしまうのを防止することができる。
【0034】
第13の発明によれば、上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことにより、じょうろに水を入れて持ち運びする際に、内部の水が消波板に遮られて前後の移動を制限され、また、消波板に当たって跳ね返り、打ち消しあうため、水の揺れが穏やかになる。これにより、水跳ねによる蓋のずれや水漏れを防止することができる。
【0035】
第14の発明によれば、上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことにより、水揺れが生じた際に、櫛状の消波板にぶつかり又はスリットを通過することで水の流れが乱され、反対の流れが打ち消しあって減衰されるため、水の揺れが一層穏やかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るじょうろを示す側面図であり、(b)はE部の拡大図である。
【図2】同じょうろを示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図3】同じょうろを示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は斜視図である。
【図4】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図、(c)はF部の拡大図、(d)はG部の拡大図である。
【図5】同じょうろのフックを突出させた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図である。
【図6】同フックを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は斜視図である。
【図7】同じょうろのスライド蓋を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図8】同スライド蓋を示す図であり、(a)は図7のH−H線断面図、(b)は背面図、(c)は正面図、(d)は斜視図である。
【図9】(a)は図1のD−D線断面図であり、(b)はI部の拡大図、(c)はJ部の拡大図、(d)はK部の拡大図、(e)は図1のC−C線断面図、(f)はL部の拡大図である。
【図10】同じょうろのスライド蓋を開けた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はM部の拡大図、(d)は斜視図である。
【図11】同じょうろのじょうろ本体の底面部を取り除いた図であり、(a)は底面図、(b)はN−N線断面図、(c)は斜視図である。
【図12】(a)、(c)は、本発明の消波板の別態様を示す正面説明図、(b)はじょうろの縦断面説明図、(d)はじょうろの水平断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態に係るじょうろについて図面に基づいて説明する。
このじょうろは、図1から図3に示すように、水を貯留するじょうろ本体1と、このじょうろ本体1に一体に溶着された取っ手2と、上記じょうろ本体1に着脱可能に取り付けられて内部と連通する流出口パイプ3とからなる。
【0038】
じょうろ本体1は、その平面形状を、前後の奥行きを長手方向とし角部を滑らかな曲線に形成した長円に形成された容器であり、上面部に開口した注入口4から水などの液体を供給して内部に貯留できるようになっている(図10、図11)。このじょうろ本体1の底面部は、後述のように成形が複雑になるため、別体に形成してから溶着により取り付けている(図4(b)、(d))。
じょうろ本体1の前面部には、円形の流出口を開口するとともに周縁部を上方に傾斜させて立ち上げた取付筒1aを形成し、螺合によって流出口パイプ3を外嵌できるようにする(図1、図11)。また、じょうろ本体1の前面部は前方に傾斜する傾斜部1b、1cとして形成しており、取付筒1aは、その最前部分から突出している。
【0039】
図1(a)、図3(c)、図4(a)に示すように、取っ手2は、握りやすいように上面及び下面を膨らませた断面略エ字状の部材をアーチ状に形成している。取っ手2の一端はじょうろ本体の後面下部に溶着され、後方にわずかに突出したのち上方にゆるやかに屈曲して略垂直に延び、じょうろ本体1の上面部よりも上方で前方にゆるやかに屈曲して略水平に延びてから、下方にゆるやかに屈曲して、他端を上面部の注入口4よりも前方の位置に溶着にて取り付けている。
このため、じょうろの持ち運び時には取っ手2の上側を持ち、散水時には取っ手2の後背側を持つことができ、いずれの場合にも手に持ちやすい。
【0040】
垂直に延びる取っ手2の後背側の部分を、厚みを太く形成した太把持部2aとするとともに、その上方で屈曲する部分の付近を厚みを細く形成した細把持部2bとしている。
これにより、太把持部2aを中指以下の指で握り、細把持部2bを人差し指と親指とで握ることができ、グリップ感が良好で、じょうろで散水を行う際に握りやすい形状となっている。
【0041】
図1から図3に示すように、流出口パイプ3は、基端3aにおいて上記取付筒1aに着脱可能に外嵌しており、先端に向かって縮径する筒体に形成されている。この流出口パイプ3は、じょうろ本体1と一体に形成したものであってもよい。
流出口パイプ3の先端には、シャワーヘッド5が着脱可能に取り付けられている。シャワーヘッド5は、流出口パイプ3に外嵌する接続部5aと、この接続部5aに連通する逆さドーム状のシャワー胴部5bと、シャワー胴部5bの上面を覆うとともに多数の小孔を穿設したシャワー板5cとからなる。
散水時にじょうろを傾斜させると、水がじょうろ本体1から流出口パイプ3を通過し、シャワーヘッド5のシャワー胴部5bで拡散してシャワー板5cからシャワー状に放出される。
【0042】
図3(b)、図5の各図に示すように、じょうろ本体1底面部の中心には、ラティスなどの他の物品に掛止可能なフック6が回動可能に取り付けられるとともに、このフック6を収納できるように上方(じょうろ本体1内方向)へ凹設された収納部7が形成されている。
図6に示すように、フック6は、断面W字状に形成して強度を高めるとともに、その側面形状を、下方に延びた先端で前方に屈曲するL字状に形成している。L字の屈曲部付近からは、指をかけて回動操作を行うための操作片6aが突設されている。
また、フック6の一端部には、じょうろ本体1との取り付け及び回動のための回動端部6bが設けられ、この回動端部6bからは一対の軸部材6cが両側方へ突設されている。
【0043】
図4(b)に示すように、じょうろ本体1の収納部7は、底面部を上方へ凹設して形成する。底面部は、別体に形成してからじょうろ本体1に溶着しているため、じょうろを金属で製造する場合にはプレス成形などで容易に成形でき、じょうろを樹脂で製造する場合には射出成形などで容易に成形できる。収納部の形状は、フック6の収納時に当該フック6が底面部から突出しないように収納できれば限定されないが、大きく取りすぎるとじょうろ本体1の容積が減少するため、必要最小限の形状にするのが望ましい。なお、図4(b)では、フック6を省略している。
また、フック6を取り付ける収納部7の後ろ側には、一対の軸受け部7aが設けられ、軸部材6cを軸支することで両軸受け部7aの中間にフック6を回動可能に保持できるようになっている(図3(b))。
【0044】
図5に示すように、収納部7からフック6を引き出した突出姿勢では、フック6によってじょうろをラティスなどの他物品に掛止することができ、じょうろを地面に置かずに保管することができる。また、このように保管したときにはじょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。また、保管の際には取付筒1aがじょうろ本体1の下側に位置し、残水が傾斜部1b、1cに案内されて取付筒1aを通過し、前面の流出口パイプ3から排水されるため、じょうろに残水がない状態で保管でき衛生的である。加えて、底面部のフック6とは別個に、じょうろ本体1の後面部から上面部にかけて取っ手2が設けられているため、取っ手2をつかみながらフック2をラティスに引っ掛けたりラティスから取り外したりすることが容易に行える。
さらに、水を入れたじょうろをフック6によってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
【0045】
他方、図1から図3に示すように、フック6を突出姿勢から回動させて収納部7に収納した収納姿勢では、じょうろを地面に置く際にもフック6によって転倒や著しい傾きが生じず、たとえば水を入れた状態のじょうろを地面に置いても、水がこぼれることがない。
なお、本実施形態においては、収納姿勢でフック6が収納部7に完全に収納され、じょうろ本体1の底面部から突出する部分が存在しない状態となっているが、本発明におけるフック6の「収納」とは、フック6を収納部に完全に収納した状態に限らず、じょうろの使用や地面への配置に支障をきたさない程度にフック6の一部が突出する状態を含む。
【0046】
図10、図11に示すように、注入口4は、じょうろ本体1上面部の後ろ側に矩形に開口されており、水などの液体をじょうろ本体1に給水することができる。注入口4の幅は、じょうろ本体1の上面部の幅に略等しい。
図1(a)、図4(c)に示すように、じょうろ本体1側面部の上部には、注入口4の側縁からその前方にかけての範囲に凹溝を延設し、スライドレール8としている。また、スライドレール8の始端部及び終端部の近傍には、このスライドレール8から隆起する突起部9a、9bを設けている(図1(b)、図10(c)、図9(a)から(d))。
スライドレール8の上壁部及びその上方は、じょうろ本体1側面部の他の部分よりも幅方向内側に後退しており、後述するスライド蓋10を取り付けたときに、このスライド蓋10がじょうろ本体1から突出しないようになっている(図4(c)、図9(a)、(e)、(f))。
【0047】
図1から図3に示すように、じょうろ本体1の上面部には、スライド蓋10が取り付けられる。図7、図8に示すように、このスライド蓋10は、注入口4を被覆可能な略平板状の蓋部10aと、蓋部10aの後端部上方に突出する操作用のつまみ部10bと、蓋部10aの両側から垂下されてその内側面にはスライドレール8にスライド可能に係合する凸条11を形成した一対の嵌合部10cとからなる。
蓋部10aは略平板状であるが、わずかに山形に形成されて、幅方向に弾性的な伸縮性を有する(図8(c))。
また、各凸条11は、嵌合部10cの内側面から幅方向中央へ突出形成され、その始端及び終端からわずかに前後方向内側にずれた位置では、凸条11を切り欠いた切欠き部12a、12bをそれぞれ設けている。
【0048】
図1に示すように、このじょうろにおいてスライド蓋10を閉めた状態では、スライド蓋10はじょうろ本体1の後ろ側に位置して蓋部10aが注入口4を被覆している。このとき、図9(a)、(b)に示すように、凸条11の切欠き部12aとスライドレール8始端側の突起部9aとが係合してスライド蓋10のスライドを制限するため、水を入れて持ち運ぶ際に水跳ねが生じてもその衝撃でスライド蓋10が開くことがなく、密閉状態を維持できる。
スライド蓋10を閉めた状態からつまみ部10bを強く引くと、突起部9aが切欠き部12aから外れて、スライド蓋10はスライドレール8に沿ってスライドできる。
【0049】
図10に示すようにスライド蓋10を開けきると、注入口4が開放されてじょうろ本体1に給水可能になるとともに、凸条11の切欠き部12bとスライドレール8終端側の突起部9bとが係合してスライド蓋10のスライドを制限するため、給水の最中にスライド蓋10が閉まって水が周りに飛散することを防止することができる(図8(a)、図9(c)、(d)を参照)。また、注入口4を開放した状態でもスライド蓋10がじょうろ本体1に付属しているので、蓋を紛失するおそれがない。
スライド蓋10を開けきった状態でつまみ部10bを強く引くと、突起部9bが切欠き部12bから外れて、スライド蓋10はスライドレール8に沿ってスライドできる。
【0050】
また、図11に示すように、本発明の実施形態に係るじょうろでは、内部の水揺れを打ち消す消波板13をじょうろ本体1内部に設けている。なお、図4(a)、(b)、図9(a)、(e)では、消波板13を省略している。
この消波板13は、幅方向に延設された2枚の板材であり、じょうろ本体1の上面部の注入口4の前後端縁の位置からそれぞれ垂下されている。この消波板の幅方向の長さは注入口の幅に略等しく、また、消波板13の高さはじょうろ本体1の内部高さの四分の一から三分の一程度である。
【0051】
じょうろに水を入れて持ち運ぶ際には、腕の動きや慣性によって主に長手方向(前後方向)に水の揺れが生じるが、じょうろ本体1の上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板13を前後に配列して垂下したことにより、内部の水がこの消波板13に遮られて前後方向に移動しにくく、また、消波板13に当たって跳ね返り、打ち消しあうため、水の揺れが穏やかになる。
また、消波板13がじょうろ本体1の上面部から垂下しているため、散水の際に消波板13によって排水が阻害されじょうろに水が残ることがない。
【0052】
なお、消波板13の設置場所、設置枚数は限定されないが、消波効果を高めるには、消波板13を水揺れの激しい方向に対向させ、じょうろ本体1内部に等間隔に配列することが望ましい。しかし、本実施形態では、特に注入口4付近での水揺れを防ぐ防壁としての効果を重視して、消波板13を等間隔には設置せず、注水口4の開口縁部から垂下させている。
また、消波板13をじょうろ本体1から着脱可能としておけば、じょうろ本体1の内部を洗浄する場合や、じょうろをバケツ代わりに利用する場合に、消波板13を取り外して注水口4から排水しやすく、作業が容易となる。
【0053】
<別態様>
上記の実施形態では、フック6をじょうろ本体1の底面部に設け、ラティス等に掛止したときに保管場所が削減され、かつ、じょうろ内の残水が排出されやすくなっているが、フックの配置はじょうろ本体1の底面部には限定されない。例えば、フックをじょうろ本体1の側面部や取っ手の上面側等に設ければ、上記実施形態と同様に、掛止時に取付筒1aが下側に位置し、残水が傾斜部1b、1cによって流出口パイプ3に案内されるため、排水と保管場所の削減を実現することができる。
【0054】
また、上記実施形態とは逆に、フックの側面形状を、じょうろ本体の底面部から下方に延びた先端で後方に屈曲するL字状に形成するなどして、掛止して保管する際に取付筒1aがじょうろ本体1の上側に位置するようにしてもよい。この場合にも、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができ、また、じょうろ本体1の注入口4から、内部の残水が排水されやすくなる。
これらの効果が不要な場合には、フックの配置箇所は特に限定されない。
また、じょうろに設けるフックは、回動によって収納可能としたものでなくてもよく、別部材として形成し、じょうろ本体1もしくは取っ手2に着脱可能なものとしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態ではじょうろ本体1に凹溝を設けてスライドレール8とし、これと係合する凸条11をスライド蓋10に設けたが、じょうろ本体1のスライドレールを凸条とし、これと係合する凹溝をスライド蓋10に設けてもよい。
【0056】
また、消波板の別態様として、それぞれ形状の異なる2枚の櫛状消波板を設けてもよい。図12では、形状の異なる櫛状消波板14a、14bを、前後に配列してじょうろ本体1の上面部から垂下している。
【0057】
図12(a)に示すように、一方の櫛状消波板14aは、下辺を短辺とする等脚台形に形成された板材で、上部は上記消波板13と同様に平板状であるが、下部には複数の縦スリットが設けられ、全体として櫛状に形成されている。
図12(b)に示すように、他方の櫛状消波板14bも、下辺を短辺とする等脚台形に形成された板材で、下部に複数の縦スリットが設けられた櫛状に形成されている点は同様であるが、縦スリットの数及び位置が櫛状消波板14bとは異なっている。
このため、じょうろ本体1内では、両の櫛状消波板14a、14bの櫛歯部分が、互い違いに配置されるようになっている(図12(d))。
【0058】
これにより、図12(d)の太矢印に示すように、水の流れが乱されて、櫛歯状の消波板14a、14bに遮られて跳ね返った水と、消波板14a、14bの縦スリット通過した水とがぶつかって減衰し、水の揺れが穏やかになる。加えて、櫛状であるため、消波板14a、14bを取り外さなくても注入口4からの排水を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
1 じょうろ本体
1a 取付筒
1b、1c 傾斜部
2 取っ手
2a 太把持部
2b 細把持部
3 流出口パイプ
3a 基端
4 注入口
5 シャワーヘッド
5a 接続部
5b シャワー胴部
5c シャワー板
6 フック
6a 操作片
6b 回動端部
6c 軸部材
7 収納部
7a 軸受け部
8 スライドレール
9a、9b 突起部
10 スライド蓋
10a 蓋部
10b つまみ部
10c 嵌合部
11 凸条
12a、12b 切欠き部
13 消波板
14a、14b 櫛歯状消波板
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭園芸において散水に用いられるじょうろに関する。
【背景技術】
【0002】
じょうろは家庭園芸等において草木の水遣り等に用いられ、上面に注入口を設けた貯水容器であるじょうろ本体と、このじょうろ本体の外面部に形成した持ち運び用の取っ手と、じょうろ本体の前面部に連通して突設された流出口パイプとから構成される。
使用時には、注水口から給水してじょうろ本体に水を貯留し、取っ手を持って移動したのち、流出口パイプの先端に設けたシャワーヘッドから散水する。
【0003】
このように、じょうろ本体から取っ手と長い流出口パイプとが突出しているため、従来のじょうろを保管する際には大きなスペースが必要であった。
特許文献1には、この保管のスペースを縮小するために、前面を弓形の輪郭に形成したじょうろ本体と、このじょうろ本体に沿って弓形に湾曲するとともにじょうろ本体に旋回可能に取り付けられた流出口パイプとを有することにより、使用時には流出口パイプを前方へ突出させ、収納時には流出口パイプをじょうろ本体に隣接させるじょうろが記載されている。
このような特許文献1のじょうろでは、収納時に流出口パイプが前方に突出せず保管場所を小さくすることができるが、収納時には地面に置いて保管するほかなかった。
【0004】
また、じょうろには水を入れて持ち運び使用するため、従来のじょうろでは、移動の際などにじょうろに振動が加わると、内部の水が注水口から跳ねて衣服や床面を濡らすことがあった。
これを防ぐため、特許文献2には、注入口及び流出口に螺合により着脱できる蓋体をそれぞれ設け、持ち運びの際にはこれらの蓋体を取り付けることによりじょうろを密閉する発明が記載されている。
【0005】
特許文献2のじょうろでは、蓋をじょうろから取り外した際に紛失してしまうおそれがあった。
また、螺合構造の蓋体の着脱が面倒であった。
また、この蓋体は上方から被せるタイプの蓋であるため、ねじ込みが十分でないと、持ち運びの際に水跳ねの勢いで蓋体の結合が緩んで思いがけずに外れてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−501358号公報
【特許文献2】登録実用新案第3006414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、持ち運びの際の水跳ねを防止するとともに、収納時に保管スペースを縮小することのできるじょうろを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明において、上記課題が解決される手段は以下の通りである。
第1の発明は、上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、このじょうろ本体の外面部に一体または別体に形成された取っ手と、上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された筒状部と、この筒状部に一体または別体に形成され、じょうろ本体内部の水を吐水可能な流出口パイプとを有するじょうろにおいて、上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを、突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設し、かつ、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことを特徴とする。
【0016】
第9の発明は、上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことを特徴とする。
【0017】
第10の発明は、上記フックを、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【0018】
第11の発明は、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことを特徴とする。
【0019】
第12の発明は、上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止させる切欠き部を設けたことを特徴とする。
【0020】
第13の発明は、上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことを特徴とする。
【0021】
第14の発明は、上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明によれば、上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことにより、じょうろを使用しないときには、フックによってラティス等に掛止して、じょうろを地面に置かずに保管できる。
また、水を入れたじょうろをフックによってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
【0023】
第2の発明によれば、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。
加えて、じょうろ本体の注入口から内部の残水が排水されやすくなる。
【0024】
第3の発明によれば、上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。
加えて、筒状部もしくはこの筒状部に連通した流出口パイプから内部の残水が排水されやすくなる。
【0025】
第4の発明によれば、じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことにより、フックによってじょうろをラティスに掛止した際に、内部の残水が傾斜部に案内されて下側の筒状部に達し、筒状部もしくはこの筒状部に連通した流出口パイプから排水されやすくなる。
【0026】
第5の発明によれば、上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことにより、フックと取っ手とが同一面に設けられていないため、フックをラティスに引っ掛けたり取り外したりする際に、取っ手をつかみながら容易に行うことができる。
【0027】
第6の発明によれば、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを、突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことにより、フックを突出姿勢にすれば、ラティスなどの他物品に引っ掛けることができ、フックを使用しない場合には、このフックを収納姿勢にしてじょうろ本体内部の収納部に収納することができるため、じょうろを使用する際にフックが妨げとなることがない。
【0028】
第7の発明によれば、上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設したことにより、じょうろの使用時には、底面部に設けたフックを収納姿勢にしてじょうろ本体の収納部に収納すれば、じょうろを地面に置く際にもフックによってじょうろが著しく傾いたり転倒したりすることがない。また、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことにより、取っ手がじょうろ本体の上面部側に位置しており、水を入れて持ち運ぶ際に持ちやすく、かつ、取っ手がフックの反対側に位置するため、フックのラティス等への引っ掛けや取り外しが行いやすい。
【0029】
第8の発明によれば、上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことにより、じょうろの持ち運び時には取っ手の上側を持ち、散水時には取っ手の後背側を持つことができ、いずれの場合にも手に持ちやすい。フックをラティス等に引っ掛けたり取り外したりする際にも、取っ手を持ちやすい角度で持つことができる。
【0030】
第9の発明によれば、上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことにより、太把持部を中指以下の指で握り、細把持部を人差し指と親指とで握ることができるため、グリップ感が良好で、じょうろで散水を行う際に握りやすい。
【0031】
第10の発明によれば、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことにより、じょうろを保管する際には、フックを取り付けてラティスなどに掛止することができ、じょうろを地面に置かずに保管できる。
また、水を入れたじょうろをフックによってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
さらに、じょうろを使用する際にはこのフックを取り外すことができるので、フックがじょうろの取り回しの妨げになることがない。
【0032】
第11の発明によれば、上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことにより、じょうろの蓋を容易に開閉することが可能となる。また、水平にスライドするスライド蓋であるため、単に上方に被せるだけの蓋と異なり、内部の水が揺れによって突き上げても蓋が外れにくい。
【0033】
第12の発明によれば、上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止する切欠き部を設けたことにより、スライド蓋を開けた状態と閉めた状態とのそれぞれでスライド蓋をその位置に保持することができ、じょうろの傾きや揺れ、水跳ねによってスライド蓋が開閉してしまうのを防止することができる。
【0034】
第13の発明によれば、上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことにより、じょうろに水を入れて持ち運びする際に、内部の水が消波板に遮られて前後の移動を制限され、また、消波板に当たって跳ね返り、打ち消しあうため、水の揺れが穏やかになる。これにより、水跳ねによる蓋のずれや水漏れを防止することができる。
【0035】
第14の発明によれば、上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことにより、水揺れが生じた際に、櫛状の消波板にぶつかり又はスリットを通過することで水の流れが乱され、反対の流れが打ち消しあって減衰されるため、水の揺れが一層穏やかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るじょうろを示す側面図であり、(b)はE部の拡大図である。
【図2】同じょうろを示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図3】同じょうろを示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は斜視図である。
【図4】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図、(c)はF部の拡大図、(d)はG部の拡大図である。
【図5】同じょうろのフックを突出させた状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図である。
【図6】同フックを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は背面図、(f)は斜視図である。
【図7】同じょうろのスライド蓋を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図8】同スライド蓋を示す図であり、(a)は図7のH−H線断面図、(b)は背面図、(c)は正面図、(d)は斜視図である。
【図9】(a)は図1のD−D線断面図であり、(b)はI部の拡大図、(c)はJ部の拡大図、(d)はK部の拡大図、(e)は図1のC−C線断面図、(f)はL部の拡大図である。
【図10】同じょうろのスライド蓋を開けた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はM部の拡大図、(d)は斜視図である。
【図11】同じょうろのじょうろ本体の底面部を取り除いた図であり、(a)は底面図、(b)はN−N線断面図、(c)は斜視図である。
【図12】(a)、(c)は、本発明の消波板の別態様を示す正面説明図、(b)はじょうろの縦断面説明図、(d)はじょうろの水平断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態に係るじょうろについて図面に基づいて説明する。
このじょうろは、図1から図3に示すように、水を貯留するじょうろ本体1と、このじょうろ本体1に一体に溶着された取っ手2と、上記じょうろ本体1に着脱可能に取り付けられて内部と連通する流出口パイプ3とからなる。
【0038】
じょうろ本体1は、その平面形状を、前後の奥行きを長手方向とし角部を滑らかな曲線に形成した長円に形成された容器であり、上面部に開口した注入口4から水などの液体を供給して内部に貯留できるようになっている(図10、図11)。このじょうろ本体1の底面部は、後述のように成形が複雑になるため、別体に形成してから溶着により取り付けている(図4(b)、(d))。
じょうろ本体1の前面部には、円形の流出口を開口するとともに周縁部を上方に傾斜させて立ち上げた取付筒1aを形成し、螺合によって流出口パイプ3を外嵌できるようにする(図1、図11)。また、じょうろ本体1の前面部は前方に傾斜する傾斜部1b、1cとして形成しており、取付筒1aは、その最前部分から突出している。
【0039】
図1(a)、図3(c)、図4(a)に示すように、取っ手2は、握りやすいように上面及び下面を膨らませた断面略エ字状の部材をアーチ状に形成している。取っ手2の一端はじょうろ本体の後面下部に溶着され、後方にわずかに突出したのち上方にゆるやかに屈曲して略垂直に延び、じょうろ本体1の上面部よりも上方で前方にゆるやかに屈曲して略水平に延びてから、下方にゆるやかに屈曲して、他端を上面部の注入口4よりも前方の位置に溶着にて取り付けている。
このため、じょうろの持ち運び時には取っ手2の上側を持ち、散水時には取っ手2の後背側を持つことができ、いずれの場合にも手に持ちやすい。
【0040】
垂直に延びる取っ手2の後背側の部分を、厚みを太く形成した太把持部2aとするとともに、その上方で屈曲する部分の付近を厚みを細く形成した細把持部2bとしている。
これにより、太把持部2aを中指以下の指で握り、細把持部2bを人差し指と親指とで握ることができ、グリップ感が良好で、じょうろで散水を行う際に握りやすい形状となっている。
【0041】
図1から図3に示すように、流出口パイプ3は、基端3aにおいて上記取付筒1aに着脱可能に外嵌しており、先端に向かって縮径する筒体に形成されている。この流出口パイプ3は、じょうろ本体1と一体に形成したものであってもよい。
流出口パイプ3の先端には、シャワーヘッド5が着脱可能に取り付けられている。シャワーヘッド5は、流出口パイプ3に外嵌する接続部5aと、この接続部5aに連通する逆さドーム状のシャワー胴部5bと、シャワー胴部5bの上面を覆うとともに多数の小孔を穿設したシャワー板5cとからなる。
散水時にじょうろを傾斜させると、水がじょうろ本体1から流出口パイプ3を通過し、シャワーヘッド5のシャワー胴部5bで拡散してシャワー板5cからシャワー状に放出される。
【0042】
図3(b)、図5の各図に示すように、じょうろ本体1底面部の中心には、ラティスなどの他の物品に掛止可能なフック6が回動可能に取り付けられるとともに、このフック6を収納できるように上方(じょうろ本体1内方向)へ凹設された収納部7が形成されている。
図6に示すように、フック6は、断面W字状に形成して強度を高めるとともに、その側面形状を、下方に延びた先端で前方に屈曲するL字状に形成している。L字の屈曲部付近からは、指をかけて回動操作を行うための操作片6aが突設されている。
また、フック6の一端部には、じょうろ本体1との取り付け及び回動のための回動端部6bが設けられ、この回動端部6bからは一対の軸部材6cが両側方へ突設されている。
【0043】
図4(b)に示すように、じょうろ本体1の収納部7は、底面部を上方へ凹設して形成する。底面部は、別体に形成してからじょうろ本体1に溶着しているため、じょうろを金属で製造する場合にはプレス成形などで容易に成形でき、じょうろを樹脂で製造する場合には射出成形などで容易に成形できる。収納部の形状は、フック6の収納時に当該フック6が底面部から突出しないように収納できれば限定されないが、大きく取りすぎるとじょうろ本体1の容積が減少するため、必要最小限の形状にするのが望ましい。なお、図4(b)では、フック6を省略している。
また、フック6を取り付ける収納部7の後ろ側には、一対の軸受け部7aが設けられ、軸部材6cを軸支することで両軸受け部7aの中間にフック6を回動可能に保持できるようになっている(図3(b))。
【0044】
図5に示すように、収納部7からフック6を引き出した突出姿勢では、フック6によってじょうろをラティスなどの他物品に掛止することができ、じょうろを地面に置かずに保管することができる。また、このように保管したときにはじょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができる。また、保管の際には取付筒1aがじょうろ本体1の下側に位置し、残水が傾斜部1b、1cに案内されて取付筒1aを通過し、前面の流出口パイプ3から排水されるため、じょうろに残水がない状態で保管でき衛生的である。加えて、底面部のフック6とは別個に、じょうろ本体1の後面部から上面部にかけて取っ手2が設けられているため、取っ手2をつかみながらフック2をラティスに引っ掛けたりラティスから取り外したりすることが容易に行える。
さらに、水を入れたじょうろをフック6によってラティスなどに掛止することで、重くなっているじょうろを持ち続けることなく、自動的に散水させることもできる。
【0045】
他方、図1から図3に示すように、フック6を突出姿勢から回動させて収納部7に収納した収納姿勢では、じょうろを地面に置く際にもフック6によって転倒や著しい傾きが生じず、たとえば水を入れた状態のじょうろを地面に置いても、水がこぼれることがない。
なお、本実施形態においては、収納姿勢でフック6が収納部7に完全に収納され、じょうろ本体1の底面部から突出する部分が存在しない状態となっているが、本発明におけるフック6の「収納」とは、フック6を収納部に完全に収納した状態に限らず、じょうろの使用や地面への配置に支障をきたさない程度にフック6の一部が突出する状態を含む。
【0046】
図10、図11に示すように、注入口4は、じょうろ本体1上面部の後ろ側に矩形に開口されており、水などの液体をじょうろ本体1に給水することができる。注入口4の幅は、じょうろ本体1の上面部の幅に略等しい。
図1(a)、図4(c)に示すように、じょうろ本体1側面部の上部には、注入口4の側縁からその前方にかけての範囲に凹溝を延設し、スライドレール8としている。また、スライドレール8の始端部及び終端部の近傍には、このスライドレール8から隆起する突起部9a、9bを設けている(図1(b)、図10(c)、図9(a)から(d))。
スライドレール8の上壁部及びその上方は、じょうろ本体1側面部の他の部分よりも幅方向内側に後退しており、後述するスライド蓋10を取り付けたときに、このスライド蓋10がじょうろ本体1から突出しないようになっている(図4(c)、図9(a)、(e)、(f))。
【0047】
図1から図3に示すように、じょうろ本体1の上面部には、スライド蓋10が取り付けられる。図7、図8に示すように、このスライド蓋10は、注入口4を被覆可能な略平板状の蓋部10aと、蓋部10aの後端部上方に突出する操作用のつまみ部10bと、蓋部10aの両側から垂下されてその内側面にはスライドレール8にスライド可能に係合する凸条11を形成した一対の嵌合部10cとからなる。
蓋部10aは略平板状であるが、わずかに山形に形成されて、幅方向に弾性的な伸縮性を有する(図8(c))。
また、各凸条11は、嵌合部10cの内側面から幅方向中央へ突出形成され、その始端及び終端からわずかに前後方向内側にずれた位置では、凸条11を切り欠いた切欠き部12a、12bをそれぞれ設けている。
【0048】
図1に示すように、このじょうろにおいてスライド蓋10を閉めた状態では、スライド蓋10はじょうろ本体1の後ろ側に位置して蓋部10aが注入口4を被覆している。このとき、図9(a)、(b)に示すように、凸条11の切欠き部12aとスライドレール8始端側の突起部9aとが係合してスライド蓋10のスライドを制限するため、水を入れて持ち運ぶ際に水跳ねが生じてもその衝撃でスライド蓋10が開くことがなく、密閉状態を維持できる。
スライド蓋10を閉めた状態からつまみ部10bを強く引くと、突起部9aが切欠き部12aから外れて、スライド蓋10はスライドレール8に沿ってスライドできる。
【0049】
図10に示すようにスライド蓋10を開けきると、注入口4が開放されてじょうろ本体1に給水可能になるとともに、凸条11の切欠き部12bとスライドレール8終端側の突起部9bとが係合してスライド蓋10のスライドを制限するため、給水の最中にスライド蓋10が閉まって水が周りに飛散することを防止することができる(図8(a)、図9(c)、(d)を参照)。また、注入口4を開放した状態でもスライド蓋10がじょうろ本体1に付属しているので、蓋を紛失するおそれがない。
スライド蓋10を開けきった状態でつまみ部10bを強く引くと、突起部9bが切欠き部12bから外れて、スライド蓋10はスライドレール8に沿ってスライドできる。
【0050】
また、図11に示すように、本発明の実施形態に係るじょうろでは、内部の水揺れを打ち消す消波板13をじょうろ本体1内部に設けている。なお、図4(a)、(b)、図9(a)、(e)では、消波板13を省略している。
この消波板13は、幅方向に延設された2枚の板材であり、じょうろ本体1の上面部の注入口4の前後端縁の位置からそれぞれ垂下されている。この消波板の幅方向の長さは注入口の幅に略等しく、また、消波板13の高さはじょうろ本体1の内部高さの四分の一から三分の一程度である。
【0051】
じょうろに水を入れて持ち運ぶ際には、腕の動きや慣性によって主に長手方向(前後方向)に水の揺れが生じるが、じょうろ本体1の上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板13を前後に配列して垂下したことにより、内部の水がこの消波板13に遮られて前後方向に移動しにくく、また、消波板13に当たって跳ね返り、打ち消しあうため、水の揺れが穏やかになる。
また、消波板13がじょうろ本体1の上面部から垂下しているため、散水の際に消波板13によって排水が阻害されじょうろに水が残ることがない。
【0052】
なお、消波板13の設置場所、設置枚数は限定されないが、消波効果を高めるには、消波板13を水揺れの激しい方向に対向させ、じょうろ本体1内部に等間隔に配列することが望ましい。しかし、本実施形態では、特に注入口4付近での水揺れを防ぐ防壁としての効果を重視して、消波板13を等間隔には設置せず、注水口4の開口縁部から垂下させている。
また、消波板13をじょうろ本体1から着脱可能としておけば、じょうろ本体1の内部を洗浄する場合や、じょうろをバケツ代わりに利用する場合に、消波板13を取り外して注水口4から排水しやすく、作業が容易となる。
【0053】
<別態様>
上記の実施形態では、フック6をじょうろ本体1の底面部に設け、ラティス等に掛止したときに保管場所が削減され、かつ、じょうろ内の残水が排出されやすくなっているが、フックの配置はじょうろ本体1の底面部には限定されない。例えば、フックをじょうろ本体1の側面部や取っ手の上面側等に設ければ、上記実施形態と同様に、掛止時に取付筒1aが下側に位置し、残水が傾斜部1b、1cによって流出口パイプ3に案内されるため、排水と保管場所の削減を実現することができる。
【0054】
また、上記実施形態とは逆に、フックの側面形状を、じょうろ本体の底面部から下方に延びた先端で後方に屈曲するL字状に形成するなどして、掛止して保管する際に取付筒1aがじょうろ本体1の上側に位置するようにしてもよい。この場合にも、じょうろの長手方向が鉛直方向に沿うため、保管の際のスペースを最小限にすることができ、また、じょうろ本体1の注入口4から、内部の残水が排水されやすくなる。
これらの効果が不要な場合には、フックの配置箇所は特に限定されない。
また、じょうろに設けるフックは、回動によって収納可能としたものでなくてもよく、別部材として形成し、じょうろ本体1もしくは取っ手2に着脱可能なものとしてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態ではじょうろ本体1に凹溝を設けてスライドレール8とし、これと係合する凸条11をスライド蓋10に設けたが、じょうろ本体1のスライドレールを凸条とし、これと係合する凹溝をスライド蓋10に設けてもよい。
【0056】
また、消波板の別態様として、それぞれ形状の異なる2枚の櫛状消波板を設けてもよい。図12では、形状の異なる櫛状消波板14a、14bを、前後に配列してじょうろ本体1の上面部から垂下している。
【0057】
図12(a)に示すように、一方の櫛状消波板14aは、下辺を短辺とする等脚台形に形成された板材で、上部は上記消波板13と同様に平板状であるが、下部には複数の縦スリットが設けられ、全体として櫛状に形成されている。
図12(b)に示すように、他方の櫛状消波板14bも、下辺を短辺とする等脚台形に形成された板材で、下部に複数の縦スリットが設けられた櫛状に形成されている点は同様であるが、縦スリットの数及び位置が櫛状消波板14bとは異なっている。
このため、じょうろ本体1内では、両の櫛状消波板14a、14bの櫛歯部分が、互い違いに配置されるようになっている(図12(d))。
【0058】
これにより、図12(d)の太矢印に示すように、水の流れが乱されて、櫛歯状の消波板14a、14bに遮られて跳ね返った水と、消波板14a、14bの縦スリット通過した水とがぶつかって減衰し、水の揺れが穏やかになる。加えて、櫛状であるため、消波板14a、14bを取り外さなくても注入口4からの排水を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0059】
1 じょうろ本体
1a 取付筒
1b、1c 傾斜部
2 取っ手
2a 太把持部
2b 細把持部
3 流出口パイプ
3a 基端
4 注入口
5 シャワーヘッド
5a 接続部
5b シャワー胴部
5c シャワー板
6 フック
6a 操作片
6b 回動端部
6c 軸部材
7 収納部
7a 軸受け部
8 スライドレール
9a、9b 突起部
10 スライド蓋
10a 蓋部
10b つまみ部
10c 嵌合部
11 凸条
12a、12b 切欠き部
13 消波板
14a、14b 櫛歯状消波板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体または別体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された筒状部と、
この筒状部に一体または別体に形成され、じょうろ本体内部の水を吐水可能な流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことを特徴とするじょうろ。
【請求項2】
上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1記載のじょうろ。
【請求項3】
上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1記載のじょうろ。
【請求項4】
上記じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことを特徴とする請求項3記載のじょうろ。
【請求項5】
上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項6】
上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、
かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項7】
上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設し、
かつ、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことを特徴とする請求項6記載のじょうろ。
【請求項8】
上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことを特徴とする請求項7記載のじょうろ。
【請求項9】
上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことを特徴とする請求項8記載のじょうろ。
【請求項10】
上記フックを、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項11】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、
上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことを特徴とするじょうろ。
【請求項12】
上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、
上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止させる切欠き部を設けたことを特徴とする請求項11記載のじょうろ。
【請求項13】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことを特徴とするじょうろ。
【請求項14】
上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことを特徴とする請求項13記載のじょうろ。
【請求項1】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体または別体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された筒状部と、
この筒状部に一体または別体に形成され、じょうろ本体内部の水を吐水可能な流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記じょうろ本体、取っ手、もしくは流出口パイプの少なくとも一箇所の外面部にフックを設けたことを特徴とするじょうろ。
【請求項2】
上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の上側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1記載のじょうろ。
【請求項3】
上記フックを、掛止時に上記筒状部が上記じょうろ本体の下側に位置するように設けたことを特徴とする請求項1記載のじょうろ。
【請求項4】
上記じょうろ本体の前面に、掛止時に残水を上記筒状部へ案内する傾斜部を形成したことを特徴とする請求項3記載のじょうろ。
【請求項5】
上記取っ手の少なくとも一つを、上記じょうろ本体の、上記フックとは異なる面に設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項6】
上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に、上記フックを突出姿勢と収納姿勢とを選択可能に設け、
かつ、上記フックを収納可能な収納部を凹設したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項7】
上記フックを上記じょうろ本体の底面部に設けるとともに、上記収納部を上記じょうろ本体の底面部に凹設し、
かつ、上記取っ手を上記じょうろ本体の上面部側に設けたことを特徴とする請求項6記載のじょうろ。
【請求項8】
上記取っ手を、上記じょうろ本体の上面部から後面部にかけて跨るアーチ状に形成したことを特徴とする請求項7記載のじょうろ。
【請求項9】
上記取っ手の後背側には太く形成した太把持部を設け、この太把持部の直上には細く形成した細把持部を設けたことを特徴とする請求項8記載のじょうろ。
【請求項10】
上記フックを、上記じょうろ本体もしくは取っ手の外面部に着脱可能に取り付けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のじょうろ。
【請求項11】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記注入口の両側縁部分及びその延長上に延設した凹溝又は凸条からなるスライドレールと、
上記注入口を被覆可能な平面形状を有するとともに両側には上記スライドレールにスライド可能に嵌合する嵌合部を形成したスライド蓋とを設けたことを特徴とするじょうろ。
【請求項12】
上記スライドレールの始端部及び/又は終端部の近傍には、上記スライドレールから隆起した突起部を設け、
上記嵌合部の始端部及び/又は終端部の近傍には、上記突起部と係合して上記スライド蓋を停止させる切欠き部を設けたことを特徴とする請求項11記載のじょうろ。
【請求項13】
上面に注入口を開口して内部に水を貯留可能なじょうろ本体と、
このじょうろ本体の外面部に一体に形成された取っ手と、
上記じょうろ本体の前面部に連通して突設された管状の流出口パイプとを有するじょうろにおいて、
上記じょうろ本体上面部から、幅方向に延設された2枚の消波板を前後に配列して垂下したことを特徴とするじょうろ。
【請求項14】
上記消波板を、下部に複数のスリットを設けた櫛状に形成したことを特徴とする請求項13記載のじょうろ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−87521(P2011−87521A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243710(P2009−243710)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(592243553)株式会社タカギ (31)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(592243553)株式会社タカギ (31)
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