説明

そばの製造方法

【課題】そばの製麺における水まわしの作業はそば粉の割合が増えるほど、短時間で粉に均一に水分を含ませる必要がある。粉に均一に水分が含まれていない状態で製麺した場合、茹でた段階で麺が切れてしまう。短時間で粉に均一に水分を含ませるためには、長年の経験と技術、体力も必要とするため、そば粉の割合の多いそばを提供するのが非常に困難であった。
【解決手段】そばの製造における最重要工程である水まわし操作を多軸電動ミキサー(水を均一に含ましめるため)を使用して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水過多とならず均一に水分を含ませた原料粉を用いて、長めかつ均質なそばを提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原料粉に、短時間に均一に水分を含ましめる水まわしが要求されるそば粉の含有量の多いそばの製造時における水まわし方法は、人力で行う場合は、これまで経験とそれなりの技術を有する人手に頼らざるを得ず、製造結果が不安定であった。
【非特許文献1】そば・うどん技術教本[第1巻]「そばの基本技術」柴田書店
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そば粉の含有量の多い原料粉の水まわしには、前記の通り人力で行った場合、両手に頼らざるを得ず、どうしても時間がかかり、長めで均質なそばを安定的に製ることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、前記の欠点を克服するべく、そばの製造における最重要工程である水まわし操作の安定効率化について種々検討した。その結果、この操作を複数の回転軸を有する所謂多軸電動ミキサーを使用して撹拌を実施すれば、短時間で原料粉全体に均一に水分を含有させることを見出し、本発明を完成させた。この方法によれば、水まわし操作(気温、湿度によって変更するが水分量は通常原料粉に対して44〜52%とする)が短時間かつ均一に行われるので、そば粉の含有量が100%である場合も含め、高そば粉含有量の原料粉の場合でも、最終的に長めで均質なそばを製ることができるので極めて効果的である。
【発明の効果】
【0005】
そば粉含有量の多い原料粉の水まわし操作を短時間で、水が均一に含まれるように行うことができ、結果として、長めで均質なそばが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
そば粉(北海道産)1150g、小麦粉300gからなる原料粉に、740gの水を加えて、その混合物を多軸電動ミキサー(ハンドミキサー MK−H3、松下電気産業株式会社製)を用いて2分間水まわし操作をほどこし、均一に水分を含んだ、そぼろ状物を製る。これを、そば製造における常法によって調整、成形してそばを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0007】
経験、技術量、体力に関わる事なく、そば粉の割合の多い良質のそばをだれでも提供出来るようになる。
【0008】
手作業による水まわしと比較して、短時間で済み、体力の消耗も少なく、連続して水まわしの作業が出来るので生産性が向上する。
【0009】
生そばは、翌日になると、食味が低下するが、一度に500g〜2kg位の少量でも、水まわしが出来るので、営業中でも必要量を合理的に生産でき、過不足の調整が容易となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸電動ミキサーを用いて、水まわし操作を行った後、常法により調整、成形することを特徴とする、そば粉含有量の多い、長めかつ均質のそばを製造する方法

【公開番号】特開2008−141990(P2008−141990A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331231(P2006−331231)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(506408357)
【Fターム(参考)】