説明

たくし上げカーテンの減速ユニット

【課題】ブレーキ力の増大による重量のあるカーテンの対応だけでなく、一方制動機構を不作用にすることで、カーテンの重量の種類に対応した広範なブレーキ力を得ることができるたくし上げカーテンの制動ユニットを提供する。
【解決手段】たくし上げカーテンの回転シャフト5で回転が付与される従動回転部材13を保持したケーシング12の内部に、前記従動回転部材13の回転を増速する回転増速機構14と、この回転増速機構14によって回転が付与されて増速回転する制動軸23を収納し、前記制動軸23の両端にそれぞれ制動機構15と15を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たくし上げカーテンにおいて、カーテンを下げるときに、カーテンが緩速で下降するようにするための減速ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、カーテンの上端部を取付けたヘッドボックス内に、外部の操作手段で正転又は逆転する回転シャフトを組み込み、この回転シャフトに設けた複数のドラムに紐状のたくし上げ部材を巻回し、このたくし上げ部材の下端をカーテンの下端側に結合した構造になっている。
【0003】
上記した操作手段で回転シャフトをたくし上げ部材の巻取り方向に正回転させると、たくし上げ部材がカーテンを下端側から折り畳み状にしながら引き上げ、また、回転シャフトをたくし上げ部材の繰り出し方向に逆回転させると、たくし上げ部材と共にカーテンが下端側から下がることになる。
【0004】
このようなたくし上げカーテンは、回転シャフトのドラムにたくし上げ部材を介してカーテンの重量が常時加わり、しかも、この重量はドラムを逆回転方向に回転させようとする方向に作用しているため、カーテンを下げるとき、カーテンが急速で降下することになり、例えば、大きなカーテンや厚手の生地を用いたカーテンのように重量のあるカーテンにおいては、急速で降下することによって降下完了時点で大きな衝撃が発生し、騒音だけでなく、衝撃で建物側への取付け部分が脱落する等の二次的な問題が発生する。
【0005】
このため、たくし上げカーテンにおいては、回転シャフトに制動ユニットを装着し、カーテンを下げるとき、回転シャフトの逆回転にブレーキ力を加え、カーテンが緩速で降下するようにしている。
【0006】
従来の減速ユニットは、ヘッドボックスに固定されるケーシングで従動回転部材を回転可能に保持し、この従動回転部材を回転シャフトに一方クラッチを介して結合し、前記ケーシングの内部に、前記複数の歯車の組合わせからなり、従動回転部材の回転を増速する回転増速機構と、この回転増速機構によって更に増速回転が付与される制動軸と、この制動軸の一方端部側の位置に配置され、ケーシングに設けた摺接室内に収まる制動部材の回転によってブレーキ力を発生する制動機構とを収納した構造になっている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0007】
カーテンを引上げる場合、操作手段で回転シャフトを正回転させ、たくし上げ部材でカーテンを引上げることになるが、このとき、一方クラッチがフリーとなり、回転シャフトの正回転が従動回転部材に伝達されないため制動ユニットは作用せず、操作手段の操作速度でカーテンを引上げることができる。
【0008】
カーテンを下ろす場合、操作手段で回転シャフトを逆回転させると、一方クラッチの結合によって従動回転部材が一体に回転し、この従動回転部材の回転が回転増速機構で増速され、更に制動軸が高速で回転することにより、制動機構の制動部材が遠心力で拡径し、摺接室の内周に摺接することでブレーキ力が発生し、前記ブレーキ力で回転シャフトの回転を減速させ、これにより、カーテンを緩速で降下させることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−136591号公報
【特許文献2】実公昭62−17635号公報
【特許文献3】特開2000−220368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来の減速ユニットは、ケーシングで支持した制動軸の一方端部に制動機構を配置した構造になっており、このため、ブレーキ力は制動軸の一方端部に片寄った発生となり、制動軸にかかる負荷のバランスが崩れることになり、その結果、制動軸の回転における円滑性が欠けるという問題がある。
【0011】
また、一つの制動機構を用いた構造では、得られる制動力が限られており、カーテンの重量の種類に対応した広範なブレーキ力を得るのが困難となり、カーテンの重量が重いとカーテンを緩速で降下させることができないという事態が発生するという問題がある。
【0012】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決するため、制動軸に対して二組以上の制動機構を配置することで、負荷バランスの均衡により制動軸の回転の円滑性が得られると共に、単なるブレーキ力の増大による重量のあるカーテンの対応だけでなく、一方制動機構を不作用にすることで、単一の構造でカーテンの重量の種類に対応した広範なブレーキ力を得ることができるたくし上げカーテンの減速ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、この発明は、たくし上げカーテンの回転シャフトで回転が付与される従動回転部材をケーシングで回転可能に保持し、このケーシングの内部に、前記従動回転部材の回転を増速する回転増速機構と、この回転増速機構によって回転が付与され、ケーシングに設けた摺接室内に収まる制動部材の回転によって制動力を発生する制動機構を収納したたくし上げカーテンの減速ユニットにおいて、前記回転増速機構の出力側に連動した制動軸をケーシングで回転可能に支持し、この制動軸上に前記制動機構を二組以上設けるようにしたものである。
【0014】
上記制動軸は、その両端がケーシングに設けた軸受部で支持され、上記回転増速機構の出力側と噛み合うウオームを有し、このウオームを挟む両端寄りの位置に上記制動機構がそれぞれ設けられ、各制動機構は、ケーシングに軸受部を囲むように設けた摺接室内に納まる制動部材を前記制動軸に取付けて形成されているようにすることができる。
【0015】
ここで、上記ケーシングで回転可能に支持された従動回転部材は、回転シャフトの端部又は途中に外嵌する筒状に形成された回転軸と、この回転軸に回転可能となるよう外嵌する大径の第1歯車と、前記回転軸と回転軸の間に設けた一方クラッチで形成され、一方クラッチは、回転シャフトのカーテンを引上げる正回転に対してフリーとなり、前記回転シャフトのカーテンを下げる方向の逆回転に対して係合し、回転軸と第1歯車を一体に回転させるようになっている。
【0016】
上記回転増速機構は、ケーシングの内部に従動回転部材と平行する軸体を配置し、この軸体に小径の第2歯車と、第2歯車と一体となる大径歯車を回転可能に取付けて形成され、従動回転部材の第1歯車に第2歯車を噛合させ、従動回転部材の逆回転を増速して取出すように成っている。
【0017】
上記制動軸は、中間軸と直角の配置となるようケーシングの内部に配置され、その両端がケーシングの対向面に設けた軸受部で回転可能に支持され、この制動軸の中間に設けたウオームが中間軸の大径歯車と噛み合い、中間軸の回転を大径歯車とウオームで増速して回転するようになっている。
【0018】
上記制動軸の両端部に設けた制動機構は、制動軸の端部に固定した円板と、この円板の一面側に重ねて取り付けた制動部材と、ケーシングに軸受部を囲むように設けた円筒状の摺接室とで形成され、前記制動部材は、円板に対して一体に回転するよう取り外し可能に取付けられ、その外径は円板よりも少し大径となり、回転による遠心力で拡径移動する制動腕を有し、摺接室内で回転することにより制動腕が摺接室の内周に摺接してブレーキ力が発生し、このブレーキ力が回転速度に比例して生じることになる。
【0019】
上記のような制動機構のブレーキ力が中間軸と従動回転部材を介して回転シャフトに伝わり、回転シャフトの回転速度が減速することでカーテンは緩速で降下することになる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、回転増速機構の出力側に連動した制動軸上に前記制動機構を二組以上設けたので、発生するブレーキ力が増大することで重量のあるカーテンであっても緩速で降下させることができると共に、制動軸の両端でブレーキ力を発生させるので、負荷バランスの均衡により制動軸の回転の円滑性が得られることになる。
【0021】
また、制動機構が二組以上あるので、そのいずれかを不作用にすることで、制動機構のブレーキ力の選択が可能になり、単一の構造でカーテンの重量の種類に対応した広範なブレーキ力を得ることができる。
【0022】
更に、いずれかの制動機構の制動部材の取り付けを逆にすることで、ブレーキ力が逆方向にも発生するようにすることが可能となり、カーテンを巻き上げるときの速度も制動することで、カーテンを緩速で衝撃が生じないように引上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係るたくし上げカーテンの減速ユニットを示し、二つ割となるケーシングを平面状態に開いた分解斜視図
【図2】減速ユニットを示す組立て状態の縦断正面図
【図3】減速ユニットを示す組立て状態の横断平面図
【図4】図2の矢印IV−IVでの縦断側面図
【図5】図2の矢印V−Vでの縦断側面図
【図6】減速ユニットにおける制動機構を図4の矢印VI−VIで切断した拡大横断平面図
【図7】制動機構の構造を示す分解斜視図
【図8】この発明の減速ユニットを設けたたくし上げカーテンの一例を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
【0025】
図8に示すように、たくし上げカーテン1は、建物側に固定したヘッドボックス2にカーテン3の上端部を取付け、前記ヘッドボックス2内に、外部の操作手段4で正回転又は逆回転する回転シャフト5を組み込み、この回転シャフト5に設けた複数のドラム6に紐状のたくし上げ部材7を巻回し、このたくし上げ部材7の下端をカーテン3の下端側に結合し、操作手段4で回転シャフト5を正回転させると、たくし上げ部材7の巻取りでカーテン3は下部からジグザグの折り畳み状態で引上げられ、また、前記操作手段4で回転シャフト5を逆回転させると、たくし上げ部材7の繰り出しによりカーテン3は引下げられる構造になっている。
【0026】
上記のようなたくし上げカーテン1に用いるこの発明の減速ユニット11は、図1乃至図5のように、ヘッドボックス2に固定するケーシング12の内部に、回転シャフト5で回転が付与される従動回転部材13と、前記従動回転部材13の回転を増速する回転増速機構14と、この回転増速機構14によって回転が付与される二組の制動機構15、15を収納した構造を有している。
【0027】
上記ケーシング12は、合成樹脂を用いた角形の箱形になっており、具体的には、図1のように、二つ割となる一対のケーシング半体12aと12bを用い、両ケーシング半体12aと12bは、略等しい構造を有し、矩形状外壁aの周囲一面側に周壁bを設け、この周壁bの一方側部に半円筒状の軸受筒cを突設し、内部に上下方向の中間壁dを設けて形成され、一対のケーシング半体12aと12bは、周壁bの開放端を互いに突き合わせた状態で重ね、両者の複数箇所をビスeで結合することにより、ケーシング12が組立てられている。
【0028】
なお、図示の場合、一方ケーシング半体12aの周壁bにおいて、軸受筒cと反対側の部分は、他方ケーシング半体12bの周壁bの外面に重なるように長く形成してあると共に、ケーシング12の軸受筒cが突出する側の外面にヘッドボックス2側の固定部材と結合するためのフロックfがビス止めされるようになっている。
【0029】
上記従動回転部材13は、図3に示すように、回転シャフト5の端部に外嵌する筒状に形成された回転軸16と、この回転軸16に回転可能となるよう外嵌する大径の第1歯車17と、前記回転軸16と第1歯車17との間に組み込んだ一方クラッチ18とで形成され、前記回転軸16は、角軸となる回転シャフト5に対して内部の孔が嵌合することで回転シャフト5と回転方向に一体となるよう形成され、ケーシング半体12a、12bの軸受筒cと中間壁dによって水平の配置で回転可能に支持されている。
【0030】
上記一方クラッチ18は、回転シャフト5と一体となる回転軸16がカーテンを引上げる方向の正回転に対してフリーとなって第1歯車17に回転が伝わらず、回転シャフト5一体の回転軸16がカーテンを引き下げる方向の逆回転に対して係合し、回転軸16の逆回転を第1歯車17に伝えるようになっている。
【0031】
上記回転増速機構14は、ケーシング12の内部に、従動回転部材13と平行する配置となるよう両端を周壁bで支持した軸体19を組み込み、この軸体19に上記第1歯車17と噛合する小径の第2歯車20及び、この第2歯車20と同軸心で一体となる大径歯車21を回転可能に取り付けて形成され、第1歯車17の回転を第2歯車20で増速することになる。
【0032】
上記ケーシング12の内部に設けられている二組の制動機構15、15は、回転増速機構14と直角の配置となるようケーシング12の内部に配置された制動軸23を含み、この制動軸23の両端にそれぞれ設けられている。
【0033】
この制動軸23は、回転増速機構14の軸心に対して直角の状態で、大径歯車21に対して従動回転部材13側の位置に配置され、両端がケーシング半体12a、12bの矩形状外壁aの対向面に設けた筒状の軸受部24で回転可能に支持され、図4のように、この制動軸23の中間に設けたウオーム25が回転増速機構14のウオームホイルとなる大径歯車21と噛み合い、大径歯車21の回転をウオーム25で増速して回転するようになっている。
【0034】
上記制動軸23の両端部に設けた制動機構15は、図2と図6及び図7のように、制動軸23の端部に固定した円板27と、この円板27の一面側に重ねて取り付けた制動部材28と、ケーシング半体12a、12bの内面に軸受部24を囲むように設けたブレーキ胴となる円筒状の摺接室29とで形成され、前記円板27と制動部材28は、摺接室29の内部に同軸心状の配置で収まり、前記制動部材28は、前記円板27に対して突起30への嵌り合いで一体に回転するよう取り外し可能に取付けられ、その外径は円板27よりも少し大径となり、回転による遠心力で拡径移動する制動腕31を有し、摺接室29内で回転することにより制動腕31が摺接室29の内周に摺接してブレーキ力が発生し、このブレーキ力が回転速度に比例して生じることになる。
【0035】
上記した二組の制動機構15、15は、制動軸23の回転によって同時にブレーキ力が発生するよう、各円板27に対する制動部材28の取り付け位相が設定されているが、円板27に対して制動部材28は取り外し可能になっているので、一方制動機構15の制動部材を取外すようにすれば、発生するブレーキ力を半減させることができ、従って、回転シャフト5への取付け時において、カーテン3の重量が軽い場合と重たい場合の重量に合わせた使い分けができることになる。
【0036】
また、円板27に対して制動部材28は取り外し可能になっているので、両制動機構15、15において、各円板27に対する制動部材28の取り付けを制動軸23の回転に対して逆位相とし、カーテン3の引き上げ時にもブレーキ力を発生させ、カーテン3の引き上げ速度が緩速になるようにすることもでき、この場合、従動回転部材13は、一方クラッチ18を省いて回転軸16に第1歯車17を直結又は一体化した構造とし、回転シャフト5のカーテン3を引き上げる正回転と、カーテン3を下ろす逆回転の何れもが回転増速機構14に伝わるようにしておく。
【0037】
なお、図示の場合、従動回転部材13は、回転シャフト5の端部に結合する片持ち構造の例を示したが、回転軸16及びケーシング12に対して回転シャフト5が貫通するようにすることで、従動回転部材13をケーシング12で両持ち構造に支持し、減速ユニット11を回転シャフト5の途中に設けるような構造にすることができる。
【0038】
このような回転シャフト5の途中に設ける減速ユニット11においては、回転シャフト5と制動軸23の干渉を避けるため、制動軸23を図4の垂直配置に対して上下に傾斜状の配置となるようケーシング12で支持するようにしたり、大径歯車21に対して制動軸23を従動回転部材13と反対側の位置になるような配置することができる。
【0039】
更に、図示の場合、従動回転部材13と回転増速機構14は、平歯車の組み合わせを例示したが、傘歯車のような他の歯車の組み合わせ構造を採用することができる。
【0040】
また、図示の場合、ケーシング12内に二組の制動機構15、15を収納した例を示したが、この制動機構の数は二組以上でもよく、例えば、三組の制動機構を採用する場合は、制動軸23の両端と中間に制動部材28を取付けると共に、ケーシング12内の各制動部材28と対応する位置に摺接室29を設けるようにすればよい
【0041】
この発明の減速ユニット11は、上記のような構成であり、たくし上げカーテンにおいて、カーテン3の上端部を取付けたヘッドボックス2内の回転シャフト5に従動回転部材13の回転軸16を結合させた状態で、減速ユニット11をヘッドボックス2に対して固定配置する。
【0042】
図8において、下ろした状態のカーテン3を引上げる場合、外部の操作手段4を引き上げ方向に回動操作すると、回転シャフト5が正回転してドラム6がたくし上げ部材7を巻き取り、カーテン3を下端側からジグザグ状に引き上げることになり、前記操作手段4を係止することにより、カーテン3の引上げ状態が保持される。
【0043】
このとき、減速ユニット11の一方クラッチ18は回転シャフト5の正回転に対してフリーとなるので従動回転部材13の回転軸16に対して第1歯車17は回転せず、両制動機構15、15は作動しないことになる。
【0044】
次に、引上げたカーテン3を下ろす場合、外部の操作手段4を下ろす方向に回動操作すると、回転シャフト5が逆回転してドラム6がたくし上げ部材7を繰り出し、カーテン3を下端側から降下させることになる。
【0045】
上記回転シャフト5とこれと一体の回転軸16が逆回転すると、一方クラッチ18が係合することで回転軸16に対して第1歯車17は同方向に回転し、この第1歯車17の回転が回転増速機構14の第2歯車20に例えば、2対1の増速比で伝わり、第2歯車20と一体となる大径歯車21が増速回転し、更に、大径歯車21にウオーム25が噛み合う制動軸23が、例えば、大径歯車21に対して16対1の増速比で回転し、全体として回転シャフト5の回転に対して制動軸23は32対1の増速比で高速回転する。
【0046】
上記のように制動軸23が回転すると、その両端に配置した両制動機構15、15は、摺接室29内に位置する制動部材28の制動腕31が回転による遠心力で拡径移動し、前記制動腕31が摺接室29の内周に摺接してブレーキ力が発生し、このブレーキ力が制動軸23から回転の入力経路を逆に伝わって回転シャフト5に作用し、全体として32対1の減速比で回転シャフト5の逆回転を制動することにより減速させ、これにより、カーテン3を緩速で降下させることになる。
【0047】
両制動機構15、15は、回転シャフト5の回転速度に比例してブレーキ力が生じるので、結果として、カーテン3を一定の緩速で降下させることができると共に、二組以上の制動機構15、15を採用することにより、大きなブレーキ力を得ることができ、重量のあるカーテンであっても緩速で降下させることが可能になる。
【0048】
また、二組以上の制動機構15、15を採用して制動軸23の両端に制動機構15、15を設けることにより、制動軸23には両端側に等しい条件で負荷が作用することになり、制動軸23のバランスの安定化により円滑な回転が得られると共に、重量が軽いカーテンの場合、一方制動機構15における制動部材28を予め取外しておけば、発生するブレーキ力を低減させることにより、過剰ブレーキ力の発生を防ぐことができる。
【0049】
更に、カーテン2の引上げ時にもブレーキ力を生じさせて引き上げ速度を緩速にしたい場合、両制動機構15、15における制動部材28の取付け位相を回転方向に対して逆配置とすればよく、このように、単一構造の減速ユニット11で複数の要求に対応することができるという利点がある。
【符号の説明】
【0050】
1 たくし上げカーテン
2 ヘッドボックス
3 カーテン
4 操作手段
5 回転シャフト
6 ドラム
7 たくし上げ部材
11 減速ユニット
12 ケーシング
13 従動回転部材
14 回転増速機構
15 制動機構
16 回転軸
17 第1歯車
18 一方クラッチ
19 軸体
20 第2歯車
21 大径歯車
23 制動軸
25 ウオーム
27 円板
28 制動部材
29 摺接室
30 突起
31 制動腕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たくし上げカーテンの回転シャフトで回転が付与される従動回転部材をケーシングで回転可能に保持し、このケーシングの内部に、前記従動回転部材の回転を増速する回転増速機構と、この回転増速機構によって回転が付与され、ケーシングに設けた摺接室内に収まる制動部材の回転によって制動力を発生する制動機構を収納したたくし上げカーテンの減速ユニットにおいて、
前記回転増速機構の出力側に連動した制動軸をケーシングで回転可能に支持し、この制動軸上に前記制動機構を二組以上設けたことを特徴とするたくし上げカーテンの減速ユニット。
【請求項2】
上記制動軸は、その両端がケーシングに設けた軸受部で支持され、上記回転増速機構の出力側と噛み合うウオームを有し、このウオームを挟む両端寄りの位置に上記制動機構がそれぞれ設けられ、各制動機構は、ケーシングに軸受部を囲むように設けた摺接室内に納まる制動部材を前記制動軸に取付けて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のたくし上げカーテンの減速ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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