たくし上げカーテンの生地取付装置
【課題】カーテン生地の端部からの光漏れを防止しながら、カーテン生地の端部の垂れ下がりを防止し得るたくし上げカーテンの生地取付装置を提供する。
【解決手段】フレーム21から第一及び第二の取付部材40,50を介して前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地22a,22bを吊下支持し、フレーム21の端部にカーテン生地を昇降操作する操作装置31を備えたたくし上げカーテンにおいて、第一及び第二の取付部材40,50の少なくともいずれかを操作装置31の端部まで延設し、取付部材の全長に亘ってカーテン生地22a,22bを取着した。
【解決手段】フレーム21から第一及び第二の取付部材40,50を介して前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地22a,22bを吊下支持し、フレーム21の端部にカーテン生地を昇降操作する操作装置31を備えたたくし上げカーテンにおいて、第一及び第二の取付部材40,50の少なくともいずれかを操作装置31の端部まで延設し、取付部材の全長に亘ってカーテン生地22a,22bを取着した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たくし上げカーテンのカーテン生地をフレームに取着する取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、フレームからカーテン生地が吊下支持され、そのカーテン生地の下端部を昇降コードで引き上げ、あるいは下降させて採光量を調節可能としたものである。
【0003】
このようなたくし上げカーテンの一種類として、フレームから異なる素材の2枚のカーテン生地を重ねて吊下支持した二重タイプのたくし上げカーテンがある。このたくし上げカーテンは、例えば室外側にレース生地等の透光性を備えた生地が吊下支持され、室内側に遮光性を備えた生地が吊下支持され、各カーテン生地をそれぞれ独立して昇降することにより、採光量を適宜に調節可能としている。
【0004】
図17〜図23は、2枚のカーテン生地を昇降可能としたたくし上げカーテンの従来例を示す。図17、図18及び図22、図23に示すように、フレーム1の前面には第一の面ファスナー2を収容可能とした取付溝3がフレーム1の全長に亘って形成され、その取付溝3に第一の面ファスナー2が挿入されている。
【0005】
フレーム1の中間壁4には、フレーム1の全長に亘って取付辺5が吊下支持され、その取付辺5に形成された取付溝6に第二の面ファスナー7が挿入されている。
そして、図18に示すように、第一の面ファスナー2から室内側に位置する第一のカーテン生地8が吊下支持され、第二の面ファスナー7から室外側に位置する第二のカーテン生地9が吊下支持される。第一のカーテン生地8は遮光性を備えた生地で形成され、第二のカーテン生地9はレース生地等の透光性を備えた生地で形成される。
【0006】
前記第一のカーテン生地8の下端部にはそれぞれ複数本の昇降コードが取着される。そして、フレーム1内のコード巻取り装置に昇降コードが巻き取られると、第一のカーテン生地8がたくし上げられ、昇降コードがコード巻取り装置から巻き戻されると、第一のカーテン生地8が下降する。
【0007】
第二のカーテン生地9も同様に、その下端部にそれぞれ複数本の昇降コードが取着される。そして、フレーム1内のコード巻取り装置に昇降コードが巻き取られると、第二のカーテン生地9がたくし上げられ、昇降コードがコード巻取り装置から巻き戻されると、第二のカーテン生地9が下降する。
【0008】
フレーム1の一端には操作装置10が取着され、図21に示すように、その操作装置10のケース11にプーリー12が回転可能に支持されている。そして、プーリー12にボールチェーン13が掛装されている。
【0009】
図20に示すように、操作装置10のケース11内には前記プーリー12と一体に回転する駆動歯車14が回転可能に支持され、その駆動歯車14に噛み合う一対の伝達歯車15a,15bが回転可能に支持されている。
【0010】
図19に示すように、前記ケース11には前記フレーム1内に突出される一対のクラッチケース16a,16bが形成され、そのクラッチケース16a,16b内には前記伝達歯車15a,15bの回転に基づいて動作するクラッチ装置が収容される。クラッチ装置の出力軸17a,17bに第一及び第二の駆動軸18a,18bがそれぞれ嵌合されている。
【0011】
このような構成により、ボールチェーン13を図18示す矢印A方向に引くと、プーリー12及び伝達歯車15aを介してクラッチケース16a内のクラッチ装置が作動して、第一の駆動軸18aが回転され、コード巻取り装置に昇降コードが巻き取られて第一のカーテン生地8がたくし上げられる。
【0012】
第一のカーテン生地8が所望高さまでたくし上げられた状態でボールチェーン13を手放すと、クラッチケース16a内のクラッチ装置の作動により、たくし上げカーテンの自重降下が阻止され、第一のカーテン生地8が所望高さに吊下支持される。
【0013】
また、第一のカーテン生地8が所望高さに吊下支持されている状態から、ボールチェーン13を矢印A方向に僅かに引くと、クラッチ装置の作動が解除され、第一のカーテン生地8を自重降下により下降操作可能となっている。
【0014】
ボールチェーン13を図18示す矢印B方向に引くと、プーリー12及び伝達歯車15bを介してクラッチケース16b内のクラッチ装置が作動して、第二の駆動軸18bが回転され、コード巻取り装置に昇降コードが巻き取られて第二のカーテン生地9がたくし上げられる。
【0015】
第二のカーテン生地9が所望高さまでたくし上げられた状態でボールチェーン13を手放すと、クラッチケース16b内のクラッチ装置の作動により、たくし上げカーテンの自重降下が阻止され、第二のカーテン生地9が所望高さに吊下支持される。
【0016】
また、第二のカーテン生地9が所望高さに吊下支持されている状態から、ボールチェーン13を矢印B方向に僅かに引くと、クラッチ装置の作動が解除され、第二のカーテン生地9を自重降下により下降操作可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2010−5315
【特許文献2】特開平8−177346
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記のようなたくし上げカーテンでは、第一のカーテン生地8及び第二のカーテン生地9がほぼフレーム1の全長に等しい横幅で吊下支持される。すると、図17に示すように、第一及び第二のカーテン生地8,9の端縁と窓枠等との間に操作装置10の厚み分の隙間Xが生じ、この隙間Xから光が漏れるという問題点がある。
【0019】
一方、室内側の第一のカーテン生地8の横幅を、操作装置10を覆う位置まで延長すれば、隙間Xをほぼなくすことができるが、操作装置10の前面には面ファスナーが設けられていないので、操作装置10の前面部分の第一のカーテン生地8が垂れ下がり易い。
【0020】
また、第一のカーテン生地8と第二のカーテン生地9を、異なる横幅で縫製する必要があるため、縫製作業が煩雑となるという問題点がある。
特許文献1には、上記従来技術と同様なたくし上げカーテンが開示されている。
【0021】
特許文献2には、カーテンの操作コードの係止操作側を変更可能とする構成が開示されている。
この発明の目的は、カーテン生地の端部からの光漏れを防止しながら、カーテン生地の端部の垂れ下がりを防止し得るたくし上げカーテンの生地取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
請求項1では、前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、前記第一及び第二の取付部材の少なくともいずれかを前記操作装置の端部まで延設し、前記取付部材の全長に亘って前記カーテン生地を取着した。
【0023】
請求項2では、前記フレームの前面に第一の取付部材を介して前記第一のカーテン生地の上端を取着し、前記フレームの中間壁に吊下支持した第二の取付部材を前記操作装置の端部まで延長し、前記第二の取付部材の全長と同一幅の前記第二のカーテン生地の上端を該第二の取付部材に取着した。
【0024】
請求項3では、前記フレームの前面から前記操作装置の前面まで第一の取付部材を取着し、前記第一の取付部材に前記第一のカーテン生地の上端部を取着した。
請求項4では、前記第一の取付部材は、前記フレームの前面から前記操作装置の前面にかけて形成した保持溝と、前記保持溝に支持される面ファスナーとを備えた。
【0025】
請求項5では、前記操作装置には、前記第二の取付部材との干渉を回避する回避溝を設けた。
請求項6では、前記操作装置のケースにプーリーを回転可能に支持し、前記プーリーにボールチェーンを掛装して前記ボールチェーンの操作により前記第一及び第二のカーテン生地を昇降可能とし、前記ケースには前記ボールチェーンを前記第一のカーテン生地と第二のカーテン生地との間に垂下するガイド溝を設けた。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、カーテン生地の端部からの光漏れを防止しながら、カーテン生地の端部の垂れ下がりを防止し得るたくし上げカーテンの生地取付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第一の実施形態のたくし上げカーテンを示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態のたくし上げカーテンを示す側面図である。
【図3】第一の実施形態の生地取付装置を示す正面図である。
【図4】第一の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【図5】第一の実施形態の操作装置を示す斜視図である。
【図6】第一の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図7】第一の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図8】第一の実施形態の生地取付装置を示す斜視図である。
【図9】第一の実施形態の生地取付装置を示す斜視図である。
【図10】第二の実施形態の生地取付装置を示す正面図である。
【図11】第二の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【図12】第二の実施形態の操作装置を示す斜視図である。
【図13】第二の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図14】第二の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図15】操作装置の別例を示す側面図である。
【図16】操作装置の別例を示す側面図である。
【図17】従来の生地取付装置を示す正面図である。
【図18】従来の生地取付装置を示す断面図である。
【図19】従来の操作装置を示す斜視図である。
【図20】従来の操作装置を示す側面図である。
【図21】従来の操作装置を示す側面図である。
【図22】従来の生地取付装置を示す斜視図である。
【図23】従来の生地取付装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化したたくし上げカーテンの生地取付装置の第一の実施形態を図面に従って説明する。
【0029】
図1及び図2に示すたくし上げカーテンは、フレーム21の前面から第一のカーテン生地22aが吊下支持され、フレーム21の前後方向中央部から第二のカーテン生地22bが吊下支持されている。各カーテン生地22a,22bの背面側には複数の案内リング24が上下方向に複数列設けられている。
【0030】
第一のカーテン生地22aの案内リング24には前記フレーム21から垂下される複数本の昇降コード23aが挿通され、第二のカーテン生地22bの案内リング24には前記フレーム21から垂下される複数本の昇降コード23bが挿通されている。そして、前記昇降コード23a,23bの下端にそれぞれ取着されたフック25が前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bの下端部にそれぞれ取着されている。
【0031】
前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bは、室内側に吊下支持される第一のカーテン生地22aが遮光性を備えた生地で形成され、室外側に吊下支持される第二のカーテン生地22bが透光性を備えたレース生地等で形成される。
【0032】
また、第一のカーテン生地22aを透光性を備えた生地で形成し、室外側に吊下支持される第二のカーテン生地22bを遮光性を備えたレース生地等で形成してもよい。
前記フレーム21は、図4に示すように、下方を開口した四角筒状の2つの収容部26a,26bを備えた形材で形成され、各収容部26a,26bには、図1、図4及び図5に示すように、昇降コード巻取り装置27a,27b、減速調整装置28、ストッパ装置29が収容され、それらに第一及び第二の駆動軸30a,30bが挿通されている。
【0033】
そして、前記昇降コード23aが昇降コード巻取り装置27aから垂下され、前記昇降コード23bが昇降コード巻取り装置27bから垂下されている。昇降コード23a,23bの昇降コード巻取り装置27a,27bへの巻き取り方向は、互いに逆方向となっている。
【0034】
前記フレーム21の一端には操作装置31が取着され、図7に示すように、その操作装置31のケース34に回転可能に支持されるプーリー33にボールチェーン32が掛装されている。前記ケース34には、前記プーリー33に掛装されたボールチェーン32をケース34の前部に案内するガイド溝39が形成され、図4に示すように、ボールチェーン32は前記第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下されている。
【0035】
前記ケース34内には、図6に示すように、前記プーリー33と一体に回転する駆動歯車35が回転可能に支持されている。駆動歯車35は、前記プーリー33と同一の回転軸で一体に回転するとともに、ケース34内で中央部やや上方に位置している。
【0036】
前記駆動歯車35の前後両側において、前記ケース34には前記駆動歯車35に常時噛み合う伝達歯車36a,36bが回転可能に支持されている。従って、駆動歯車35が回転されると、伝達歯車36a,36bが同方向に回転される。
【0037】
図5に示すように、前記ケース34には前記フレーム21内に突出される一対のクラッチケース37a,37bが形成され、そのクラッチケース37a,37b内には前記伝達歯車36a,36bの回転に基づいて動作するクラッチ装置が収容される。クラッチ装置の出力軸38a,38bに前記第一及び第二の駆動軸30a,30bがそれぞれ嵌合されている。
【0038】
このような構成により、ボールチェーン32を図4に示す矢印A方向に引くと、プーリー33を介して伝達歯車36a,36bが図6に示す矢印C方向に回転される。すると、クラッチケース37a内のクラッチ装置の作動により、第一の駆動軸30aが回転され、昇降コード巻取り装置27aに昇降コード23aが巻き取られて第一のカーテン生地22aがたくし上げられる。
【0039】
このとき、クラッチケース37b内のクラッチ装置は、第二の駆動軸30bに回転力を伝達せず、第二のカーテン生地22bがたくし上げられることはない。
第一のカーテン生地22aを所望高さまで引き上げた後、ボールチェーン32を手放すと、ストッパ装置29が作動して第一のカーテン生地22aの重量による第一の駆動軸30aの回転が阻止され、第一のカーテン生地22aが所望高さに保持される。
【0040】
また、第一のカーテン生地22aが所望高さに保持されている状態から、ボールチェーン32を矢印A方向に僅かに引いた後に手放すと、ストッパ装置29の作動が解除される。従って、第一のカーテン生地22aを自重降下により下降操作可能となっている。
【0041】
ボールチェーン32を図4に示す矢印B方向に引くと、プーリー33を介して伝達歯車36a,36bが図6に示す矢印D方向に回転される。すると、クラッチケース37b内のクラッチ装置の作動により、第二の駆動軸30bが回転され、昇降コード巻取り装置27bに昇降コード23bが巻き取られて第二のカーテン生地22bがたくし上げられる。
【0042】
このとき、クラッチケース37a内のクラッチ装置は、第一の駆動軸30aに回転力を伝達せず、第一のカーテン生地22aがたくし上げられることはない。
第二のカーテン生地22bを所望高さまで引き上げた後、ボールチェーン32を手放すと、ストッパ装置29が作動して第二のカーテン生地22bの重量による第二の駆動軸30bの回転が阻止され、第二のカーテン生地22bが所望高さに保持される。
【0043】
また、第二のカーテン生地22bが所望高さに保持されている状態から、ボールチェーン32を矢印B方向に僅かに引いた後に手放すと、ストッパ装置29の作動が解除される。従って、第二のカーテン生地22bを自重降下により下降操作可能となっている。
【0044】
次に、前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bをフレーム21に取着する取付装置について説明する。
図4及び図8に示すように、前記フレーム21の前面には同フレーム21の全長に亘って面ファスナー40を保持するための保持溝41が形成され、その保持溝41に面ファスナー40が挿通されている。
【0045】
前記操作装置31のケース34の前面には、前記保持溝41に連通する保持溝42が形成されている。そして、図9に示すように、前記面ファスナー40は前記保持溝41から保持溝42にまで挿通されている。
【0046】
前記第一のカーテン生地22aは、前記フレーム21と操作装置31をほぼ覆う横幅で形成され、第一のカーテン生地22aの上端部が前記面ファスナー40に取着されている。従って、第一のカーテン生地22aはフレーム21及び操作装置31をほぼ覆うように吊下支持されている。
【0047】
図4に示すように、前記フレーム21の中間壁43の下端には取付辺44が前方向に回動可能に吊下支持されている。前記中間壁43はフレーム21内を前後方向に区画して、前記昇降コード巻取り装置27a,27b等を収容する収容部45a,45bを形成している。
【0048】
前記中間壁43の下端部には前後方向に延びるリブ46が形成され、そのリブ46の前端は下方へ延設され、さらに後方へ屈曲され、その後端部が上方へ半円弧状に屈曲されて係止部47が形成されている。
【0049】
前記取付辺44は、前記フレーム21の長さに前記操作装置31の左右長を加えた長さの板状の形材で形成され、その上端部には下方へ半円弧状に屈曲する掛止部48が形成されている。そして、図4に示すように、前記取付辺44を前記係止部47に後方から掛止め可能となっている。
【0050】
前記取付辺44の前面には、前記フレーム21の前面の保持溝41と同様な保持溝49が形成され、その保持溝49に面ファスナー50が挿通されている。前記第二のカーテン生地22bは前記取付辺44の全長とほぼ等しい横幅で形成され、その上端部が面ファスナー50に取着されている。
【0051】
図5に示すように、前記操作装置31のケース34下面の前後方向中央部には、前記フレーム21の係止部47の延長線上に、上方に向かって凹む回避溝51が形成されている。そして、前記取付辺44の掛止部48の一端部が、回避溝51内に延設されるようになっている。
【0052】
このような構成により、図3に示すように、第二のカーテン生地22bを取着する取付辺44は、フレーム21の一端部に取着される操作装置31の端部まで延設され、その取付辺44に取着される面ファスナー50に第二のカーテン生地22bの上端部が取着される。
【0053】
上記のように構成されたカーテン生地取付装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)室内側の第一のカーテン生地22aの端縁を、操作装置31の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。
(2)室外側の第二のカーテン生地22bの端縁を、操作装置31の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。
(3)第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間に、操作装置31の厚み分の隙間を生じさせることはない。従って、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止することができる。
(4)第一のカーテン生地22aをその両端部まで面ファスナー40に取着することができる。従って、操作装置31を覆う第一のカーテン生地22aの端部が垂れ下がることはない。
(5)第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止しながら、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの横幅を同一とすることができる。従って、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの縫製作業を容易に行うことができる。
(6)ボールチェーン32を操作装置31から第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下することができる。従って、ボールチェーン32の操作性を低下させることはない。
(7)プーリー33を操作装置31内の上部に設けたので、プーリー33が回避溝51に干渉することはない。
(第二の実施形態)
図10〜図14は、カーテン生地取付装置の第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態に対し、第二のカーテン生地22bをフレーム21から吊下支持する構成を変更したものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0054】
図10及び図11に示すように、取付辺44はフレーム21から吊下部材52を介して吊下支持される。前記吊下部材52は板状に形成されるとともに、その上端部にはフレーム21の側方から同フレーム21の係止部47を嵌挿可能とした第一の嵌合部53が形成されている。そして、第一の嵌合部53に係止部47を嵌挿すると、吊下部材52がフレーム21に回動不能に吊下支持される。
【0055】
前記吊下部材52の下端部には、同吊下部材52の側方から取付辺44の掛止部48を嵌挿可能とした第二の嵌合部54が形成されている。そして、第二の嵌合部54に取付辺44の掛止部48を嵌挿すると、取付辺44が吊下部材52から回動不能に吊下支持される。
【0056】
図10に示すように、前記吊下部材52は第二の嵌合部54を除いてフレーム21とほぼ同一長さで板状に形成されている。第二の嵌合部54は操作装置55の下方まで延設されている。
【0057】
前記吊下部材52の第二の嵌合部54は、フレーム21の長さよりほぼ操作装置55の厚み分だけ長く形成され、操作装置55のケース56の下部まで延設されている。前記取付辺44は、前記第二の嵌合部54と同一長さに形成され、その取付辺44に第二のカーテン生地22bが取着される。
【0058】
図12に示すように、前記ケース56の下部には、前記吊下部材52の第二の嵌合部54との干渉を防止する回避溝57が形成されている。
第一のカーテン生地22aは、前記フレーム21の全長と等しい横幅で形成され、その上端がフレーム21の前面に取着された面ファスナー40に取着されている。
【0059】
図14に示すように、前記ケース56の下部にはプーリー33が回転可能に支持され、そのプーリー33にボールチェーン32が掛装されている。また、ケース56にはプーリー33から垂下されるボールチェーン32を、第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下させるガイド溝58が形成されている。
【0060】
前記ケース56内には、前記プーリー33と一体に回転する駆動歯車35が回転可能に支持されている。駆動歯車35は、前記プーリー33と同一の回転軸で一体に回転するとともに、ケース56内で中央部やや下方に位置している。
【0061】
前記駆動歯車35の前後両側において、前記ケース56には前記駆動歯車35に常時噛み合う伝達歯車36a,36bが回転可能に支持されている。従って、駆動歯車35が回転されると、伝達歯車36a,36bが同方向に回転され、第一の実施形態と同様に、伝達歯車36a,36bの回転により、クラッチ装置を介して第一及び第二の駆動軸30a,30bのいずれかが回転される。
【0062】
この実施形態のカーテン生地取付装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)室外側の第二のカーテン生地22bの端縁を、操作装置55の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。従って、第二のカーテン生地22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止することができる。
(2)ボールチェーン32を操作装置55から第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下することができる。従って、ボールチェーン32の操作性を低下させることはない。
(3)フレーム21から吊下部材52を介して取付辺44を吊下支持するので、プーリー33を伝達歯車36a,36bの下方に設けても、第二の嵌合部54及び取付辺44とプーリー33との干渉を防止することができる。
【0063】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・図15に示すように、第一の実施形態において、ケース34にガイド溝39及び保持溝42を線対称状に設けると、操作装置31をフレーム21の右端に取着する右操作用の操作装置、あるいは操作装置31をフレーム21の左端に取着する左操作用の操作装置のいずれにも使用可能である。また、図16に示すように、ボールチェーン32を第一及び第二のカーテン生地22a,22bの間と、第二のカーテン生地22bの後方に垂下させるようにしてもよい。
・第一の実施形態の第一のカーテン生地22a若しくは第二のカーテン生地22bを吊下支持する構成を、一重タイプのたくし上げカーテンに実施することもできる。
・第二の実施形態の吊下部材52を、フレーム21の長手方向において複数個所に点在させるようにしてもよい。
【0064】
上記実施形態から把握できる技術思想を以下に記載する。
(付記1)
カーテン生地をフレームから取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記フレーム及び操作装置に前記取付部材を保持する保持溝を設け、前記取付部材を前記保持溝の全長に亘って延設し、前記取付部材の全長に亘って前記カーテン生地を取着したことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
(付記2)
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
操作装置のケースに、ボールチェーンのガイド溝と、前記第一の取付部材を保持する保持溝を前後方向に線対称状に設けたことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
(付記3)
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記操作装置のケースには、該ケースから垂下されるボールチェーンを、前記第一及び第二のカーテン生地の間と第一及び第二のカーテン生地の後方の少なくともいずれかを選択して垂下可能とするガイド溝を設けたことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
【符号の説明】
【0065】
21…フレーム、22a…第一のカーテン生地、22b…第二のカーテン生地、31,55…操作装置、32…ボールチェーン、39,58…ガイド溝、40…第一の取付部材(面ファスナー)、41,42…取付部材(保持溝)、44…取付部材(取付辺)、50…第二の取付部材(面ファスナー)、51…回避溝、52…取付部材(吊下部材)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、たくし上げカーテンのカーテン生地をフレームに取着する取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
たくし上げカーテンは、フレームからカーテン生地が吊下支持され、そのカーテン生地の下端部を昇降コードで引き上げ、あるいは下降させて採光量を調節可能としたものである。
【0003】
このようなたくし上げカーテンの一種類として、フレームから異なる素材の2枚のカーテン生地を重ねて吊下支持した二重タイプのたくし上げカーテンがある。このたくし上げカーテンは、例えば室外側にレース生地等の透光性を備えた生地が吊下支持され、室内側に遮光性を備えた生地が吊下支持され、各カーテン生地をそれぞれ独立して昇降することにより、採光量を適宜に調節可能としている。
【0004】
図17〜図23は、2枚のカーテン生地を昇降可能としたたくし上げカーテンの従来例を示す。図17、図18及び図22、図23に示すように、フレーム1の前面には第一の面ファスナー2を収容可能とした取付溝3がフレーム1の全長に亘って形成され、その取付溝3に第一の面ファスナー2が挿入されている。
【0005】
フレーム1の中間壁4には、フレーム1の全長に亘って取付辺5が吊下支持され、その取付辺5に形成された取付溝6に第二の面ファスナー7が挿入されている。
そして、図18に示すように、第一の面ファスナー2から室内側に位置する第一のカーテン生地8が吊下支持され、第二の面ファスナー7から室外側に位置する第二のカーテン生地9が吊下支持される。第一のカーテン生地8は遮光性を備えた生地で形成され、第二のカーテン生地9はレース生地等の透光性を備えた生地で形成される。
【0006】
前記第一のカーテン生地8の下端部にはそれぞれ複数本の昇降コードが取着される。そして、フレーム1内のコード巻取り装置に昇降コードが巻き取られると、第一のカーテン生地8がたくし上げられ、昇降コードがコード巻取り装置から巻き戻されると、第一のカーテン生地8が下降する。
【0007】
第二のカーテン生地9も同様に、その下端部にそれぞれ複数本の昇降コードが取着される。そして、フレーム1内のコード巻取り装置に昇降コードが巻き取られると、第二のカーテン生地9がたくし上げられ、昇降コードがコード巻取り装置から巻き戻されると、第二のカーテン生地9が下降する。
【0008】
フレーム1の一端には操作装置10が取着され、図21に示すように、その操作装置10のケース11にプーリー12が回転可能に支持されている。そして、プーリー12にボールチェーン13が掛装されている。
【0009】
図20に示すように、操作装置10のケース11内には前記プーリー12と一体に回転する駆動歯車14が回転可能に支持され、その駆動歯車14に噛み合う一対の伝達歯車15a,15bが回転可能に支持されている。
【0010】
図19に示すように、前記ケース11には前記フレーム1内に突出される一対のクラッチケース16a,16bが形成され、そのクラッチケース16a,16b内には前記伝達歯車15a,15bの回転に基づいて動作するクラッチ装置が収容される。クラッチ装置の出力軸17a,17bに第一及び第二の駆動軸18a,18bがそれぞれ嵌合されている。
【0011】
このような構成により、ボールチェーン13を図18示す矢印A方向に引くと、プーリー12及び伝達歯車15aを介してクラッチケース16a内のクラッチ装置が作動して、第一の駆動軸18aが回転され、コード巻取り装置に昇降コードが巻き取られて第一のカーテン生地8がたくし上げられる。
【0012】
第一のカーテン生地8が所望高さまでたくし上げられた状態でボールチェーン13を手放すと、クラッチケース16a内のクラッチ装置の作動により、たくし上げカーテンの自重降下が阻止され、第一のカーテン生地8が所望高さに吊下支持される。
【0013】
また、第一のカーテン生地8が所望高さに吊下支持されている状態から、ボールチェーン13を矢印A方向に僅かに引くと、クラッチ装置の作動が解除され、第一のカーテン生地8を自重降下により下降操作可能となっている。
【0014】
ボールチェーン13を図18示す矢印B方向に引くと、プーリー12及び伝達歯車15bを介してクラッチケース16b内のクラッチ装置が作動して、第二の駆動軸18bが回転され、コード巻取り装置に昇降コードが巻き取られて第二のカーテン生地9がたくし上げられる。
【0015】
第二のカーテン生地9が所望高さまでたくし上げられた状態でボールチェーン13を手放すと、クラッチケース16b内のクラッチ装置の作動により、たくし上げカーテンの自重降下が阻止され、第二のカーテン生地9が所望高さに吊下支持される。
【0016】
また、第二のカーテン生地9が所望高さに吊下支持されている状態から、ボールチェーン13を矢印B方向に僅かに引くと、クラッチ装置の作動が解除され、第二のカーテン生地9を自重降下により下降操作可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2010−5315
【特許文献2】特開平8−177346
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記のようなたくし上げカーテンでは、第一のカーテン生地8及び第二のカーテン生地9がほぼフレーム1の全長に等しい横幅で吊下支持される。すると、図17に示すように、第一及び第二のカーテン生地8,9の端縁と窓枠等との間に操作装置10の厚み分の隙間Xが生じ、この隙間Xから光が漏れるという問題点がある。
【0019】
一方、室内側の第一のカーテン生地8の横幅を、操作装置10を覆う位置まで延長すれば、隙間Xをほぼなくすことができるが、操作装置10の前面には面ファスナーが設けられていないので、操作装置10の前面部分の第一のカーテン生地8が垂れ下がり易い。
【0020】
また、第一のカーテン生地8と第二のカーテン生地9を、異なる横幅で縫製する必要があるため、縫製作業が煩雑となるという問題点がある。
特許文献1には、上記従来技術と同様なたくし上げカーテンが開示されている。
【0021】
特許文献2には、カーテンの操作コードの係止操作側を変更可能とする構成が開示されている。
この発明の目的は、カーテン生地の端部からの光漏れを防止しながら、カーテン生地の端部の垂れ下がりを防止し得るたくし上げカーテンの生地取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
請求項1では、前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、前記第一及び第二の取付部材の少なくともいずれかを前記操作装置の端部まで延設し、前記取付部材の全長に亘って前記カーテン生地を取着した。
【0023】
請求項2では、前記フレームの前面に第一の取付部材を介して前記第一のカーテン生地の上端を取着し、前記フレームの中間壁に吊下支持した第二の取付部材を前記操作装置の端部まで延長し、前記第二の取付部材の全長と同一幅の前記第二のカーテン生地の上端を該第二の取付部材に取着した。
【0024】
請求項3では、前記フレームの前面から前記操作装置の前面まで第一の取付部材を取着し、前記第一の取付部材に前記第一のカーテン生地の上端部を取着した。
請求項4では、前記第一の取付部材は、前記フレームの前面から前記操作装置の前面にかけて形成した保持溝と、前記保持溝に支持される面ファスナーとを備えた。
【0025】
請求項5では、前記操作装置には、前記第二の取付部材との干渉を回避する回避溝を設けた。
請求項6では、前記操作装置のケースにプーリーを回転可能に支持し、前記プーリーにボールチェーンを掛装して前記ボールチェーンの操作により前記第一及び第二のカーテン生地を昇降可能とし、前記ケースには前記ボールチェーンを前記第一のカーテン生地と第二のカーテン生地との間に垂下するガイド溝を設けた。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、カーテン生地の端部からの光漏れを防止しながら、カーテン生地の端部の垂れ下がりを防止し得るたくし上げカーテンの生地取付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第一の実施形態のたくし上げカーテンを示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態のたくし上げカーテンを示す側面図である。
【図3】第一の実施形態の生地取付装置を示す正面図である。
【図4】第一の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【図5】第一の実施形態の操作装置を示す斜視図である。
【図6】第一の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図7】第一の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図8】第一の実施形態の生地取付装置を示す斜視図である。
【図9】第一の実施形態の生地取付装置を示す斜視図である。
【図10】第二の実施形態の生地取付装置を示す正面図である。
【図11】第二の実施形態の生地取付装置を示す断面図である。
【図12】第二の実施形態の操作装置を示す斜視図である。
【図13】第二の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図14】第二の実施形態の操作装置を示す側面図である。
【図15】操作装置の別例を示す側面図である。
【図16】操作装置の別例を示す側面図である。
【図17】従来の生地取付装置を示す正面図である。
【図18】従来の生地取付装置を示す断面図である。
【図19】従来の操作装置を示す斜視図である。
【図20】従来の操作装置を示す側面図である。
【図21】従来の操作装置を示す側面図である。
【図22】従来の生地取付装置を示す斜視図である。
【図23】従来の生地取付装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化したたくし上げカーテンの生地取付装置の第一の実施形態を図面に従って説明する。
【0029】
図1及び図2に示すたくし上げカーテンは、フレーム21の前面から第一のカーテン生地22aが吊下支持され、フレーム21の前後方向中央部から第二のカーテン生地22bが吊下支持されている。各カーテン生地22a,22bの背面側には複数の案内リング24が上下方向に複数列設けられている。
【0030】
第一のカーテン生地22aの案内リング24には前記フレーム21から垂下される複数本の昇降コード23aが挿通され、第二のカーテン生地22bの案内リング24には前記フレーム21から垂下される複数本の昇降コード23bが挿通されている。そして、前記昇降コード23a,23bの下端にそれぞれ取着されたフック25が前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bの下端部にそれぞれ取着されている。
【0031】
前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bは、室内側に吊下支持される第一のカーテン生地22aが遮光性を備えた生地で形成され、室外側に吊下支持される第二のカーテン生地22bが透光性を備えたレース生地等で形成される。
【0032】
また、第一のカーテン生地22aを透光性を備えた生地で形成し、室外側に吊下支持される第二のカーテン生地22bを遮光性を備えたレース生地等で形成してもよい。
前記フレーム21は、図4に示すように、下方を開口した四角筒状の2つの収容部26a,26bを備えた形材で形成され、各収容部26a,26bには、図1、図4及び図5に示すように、昇降コード巻取り装置27a,27b、減速調整装置28、ストッパ装置29が収容され、それらに第一及び第二の駆動軸30a,30bが挿通されている。
【0033】
そして、前記昇降コード23aが昇降コード巻取り装置27aから垂下され、前記昇降コード23bが昇降コード巻取り装置27bから垂下されている。昇降コード23a,23bの昇降コード巻取り装置27a,27bへの巻き取り方向は、互いに逆方向となっている。
【0034】
前記フレーム21の一端には操作装置31が取着され、図7に示すように、その操作装置31のケース34に回転可能に支持されるプーリー33にボールチェーン32が掛装されている。前記ケース34には、前記プーリー33に掛装されたボールチェーン32をケース34の前部に案内するガイド溝39が形成され、図4に示すように、ボールチェーン32は前記第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下されている。
【0035】
前記ケース34内には、図6に示すように、前記プーリー33と一体に回転する駆動歯車35が回転可能に支持されている。駆動歯車35は、前記プーリー33と同一の回転軸で一体に回転するとともに、ケース34内で中央部やや上方に位置している。
【0036】
前記駆動歯車35の前後両側において、前記ケース34には前記駆動歯車35に常時噛み合う伝達歯車36a,36bが回転可能に支持されている。従って、駆動歯車35が回転されると、伝達歯車36a,36bが同方向に回転される。
【0037】
図5に示すように、前記ケース34には前記フレーム21内に突出される一対のクラッチケース37a,37bが形成され、そのクラッチケース37a,37b内には前記伝達歯車36a,36bの回転に基づいて動作するクラッチ装置が収容される。クラッチ装置の出力軸38a,38bに前記第一及び第二の駆動軸30a,30bがそれぞれ嵌合されている。
【0038】
このような構成により、ボールチェーン32を図4に示す矢印A方向に引くと、プーリー33を介して伝達歯車36a,36bが図6に示す矢印C方向に回転される。すると、クラッチケース37a内のクラッチ装置の作動により、第一の駆動軸30aが回転され、昇降コード巻取り装置27aに昇降コード23aが巻き取られて第一のカーテン生地22aがたくし上げられる。
【0039】
このとき、クラッチケース37b内のクラッチ装置は、第二の駆動軸30bに回転力を伝達せず、第二のカーテン生地22bがたくし上げられることはない。
第一のカーテン生地22aを所望高さまで引き上げた後、ボールチェーン32を手放すと、ストッパ装置29が作動して第一のカーテン生地22aの重量による第一の駆動軸30aの回転が阻止され、第一のカーテン生地22aが所望高さに保持される。
【0040】
また、第一のカーテン生地22aが所望高さに保持されている状態から、ボールチェーン32を矢印A方向に僅かに引いた後に手放すと、ストッパ装置29の作動が解除される。従って、第一のカーテン生地22aを自重降下により下降操作可能となっている。
【0041】
ボールチェーン32を図4に示す矢印B方向に引くと、プーリー33を介して伝達歯車36a,36bが図6に示す矢印D方向に回転される。すると、クラッチケース37b内のクラッチ装置の作動により、第二の駆動軸30bが回転され、昇降コード巻取り装置27bに昇降コード23bが巻き取られて第二のカーテン生地22bがたくし上げられる。
【0042】
このとき、クラッチケース37a内のクラッチ装置は、第一の駆動軸30aに回転力を伝達せず、第一のカーテン生地22aがたくし上げられることはない。
第二のカーテン生地22bを所望高さまで引き上げた後、ボールチェーン32を手放すと、ストッパ装置29が作動して第二のカーテン生地22bの重量による第二の駆動軸30bの回転が阻止され、第二のカーテン生地22bが所望高さに保持される。
【0043】
また、第二のカーテン生地22bが所望高さに保持されている状態から、ボールチェーン32を矢印B方向に僅かに引いた後に手放すと、ストッパ装置29の作動が解除される。従って、第二のカーテン生地22bを自重降下により下降操作可能となっている。
【0044】
次に、前記第一及び第二のカーテン生地22a,22bをフレーム21に取着する取付装置について説明する。
図4及び図8に示すように、前記フレーム21の前面には同フレーム21の全長に亘って面ファスナー40を保持するための保持溝41が形成され、その保持溝41に面ファスナー40が挿通されている。
【0045】
前記操作装置31のケース34の前面には、前記保持溝41に連通する保持溝42が形成されている。そして、図9に示すように、前記面ファスナー40は前記保持溝41から保持溝42にまで挿通されている。
【0046】
前記第一のカーテン生地22aは、前記フレーム21と操作装置31をほぼ覆う横幅で形成され、第一のカーテン生地22aの上端部が前記面ファスナー40に取着されている。従って、第一のカーテン生地22aはフレーム21及び操作装置31をほぼ覆うように吊下支持されている。
【0047】
図4に示すように、前記フレーム21の中間壁43の下端には取付辺44が前方向に回動可能に吊下支持されている。前記中間壁43はフレーム21内を前後方向に区画して、前記昇降コード巻取り装置27a,27b等を収容する収容部45a,45bを形成している。
【0048】
前記中間壁43の下端部には前後方向に延びるリブ46が形成され、そのリブ46の前端は下方へ延設され、さらに後方へ屈曲され、その後端部が上方へ半円弧状に屈曲されて係止部47が形成されている。
【0049】
前記取付辺44は、前記フレーム21の長さに前記操作装置31の左右長を加えた長さの板状の形材で形成され、その上端部には下方へ半円弧状に屈曲する掛止部48が形成されている。そして、図4に示すように、前記取付辺44を前記係止部47に後方から掛止め可能となっている。
【0050】
前記取付辺44の前面には、前記フレーム21の前面の保持溝41と同様な保持溝49が形成され、その保持溝49に面ファスナー50が挿通されている。前記第二のカーテン生地22bは前記取付辺44の全長とほぼ等しい横幅で形成され、その上端部が面ファスナー50に取着されている。
【0051】
図5に示すように、前記操作装置31のケース34下面の前後方向中央部には、前記フレーム21の係止部47の延長線上に、上方に向かって凹む回避溝51が形成されている。そして、前記取付辺44の掛止部48の一端部が、回避溝51内に延設されるようになっている。
【0052】
このような構成により、図3に示すように、第二のカーテン生地22bを取着する取付辺44は、フレーム21の一端部に取着される操作装置31の端部まで延設され、その取付辺44に取着される面ファスナー50に第二のカーテン生地22bの上端部が取着される。
【0053】
上記のように構成されたカーテン生地取付装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)室内側の第一のカーテン生地22aの端縁を、操作装置31の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。
(2)室外側の第二のカーテン生地22bの端縁を、操作装置31の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。
(3)第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間に、操作装置31の厚み分の隙間を生じさせることはない。従って、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止することができる。
(4)第一のカーテン生地22aをその両端部まで面ファスナー40に取着することができる。従って、操作装置31を覆う第一のカーテン生地22aの端部が垂れ下がることはない。
(5)第一及び第二のカーテン生地22a,22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止しながら、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの横幅を同一とすることができる。従って、第一及び第二のカーテン生地22a,22bの縫製作業を容易に行うことができる。
(6)ボールチェーン32を操作装置31から第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下することができる。従って、ボールチェーン32の操作性を低下させることはない。
(7)プーリー33を操作装置31内の上部に設けたので、プーリー33が回避溝51に干渉することはない。
(第二の実施形態)
図10〜図14は、カーテン生地取付装置の第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記第一の実施形態に対し、第二のカーテン生地22bをフレーム21から吊下支持する構成を変更したものである。第一の実施形態と同一構成部分は、同一符号を付して説明する。
【0054】
図10及び図11に示すように、取付辺44はフレーム21から吊下部材52を介して吊下支持される。前記吊下部材52は板状に形成されるとともに、その上端部にはフレーム21の側方から同フレーム21の係止部47を嵌挿可能とした第一の嵌合部53が形成されている。そして、第一の嵌合部53に係止部47を嵌挿すると、吊下部材52がフレーム21に回動不能に吊下支持される。
【0055】
前記吊下部材52の下端部には、同吊下部材52の側方から取付辺44の掛止部48を嵌挿可能とした第二の嵌合部54が形成されている。そして、第二の嵌合部54に取付辺44の掛止部48を嵌挿すると、取付辺44が吊下部材52から回動不能に吊下支持される。
【0056】
図10に示すように、前記吊下部材52は第二の嵌合部54を除いてフレーム21とほぼ同一長さで板状に形成されている。第二の嵌合部54は操作装置55の下方まで延設されている。
【0057】
前記吊下部材52の第二の嵌合部54は、フレーム21の長さよりほぼ操作装置55の厚み分だけ長く形成され、操作装置55のケース56の下部まで延設されている。前記取付辺44は、前記第二の嵌合部54と同一長さに形成され、その取付辺44に第二のカーテン生地22bが取着される。
【0058】
図12に示すように、前記ケース56の下部には、前記吊下部材52の第二の嵌合部54との干渉を防止する回避溝57が形成されている。
第一のカーテン生地22aは、前記フレーム21の全長と等しい横幅で形成され、その上端がフレーム21の前面に取着された面ファスナー40に取着されている。
【0059】
図14に示すように、前記ケース56の下部にはプーリー33が回転可能に支持され、そのプーリー33にボールチェーン32が掛装されている。また、ケース56にはプーリー33から垂下されるボールチェーン32を、第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下させるガイド溝58が形成されている。
【0060】
前記ケース56内には、前記プーリー33と一体に回転する駆動歯車35が回転可能に支持されている。駆動歯車35は、前記プーリー33と同一の回転軸で一体に回転するとともに、ケース56内で中央部やや下方に位置している。
【0061】
前記駆動歯車35の前後両側において、前記ケース56には前記駆動歯車35に常時噛み合う伝達歯車36a,36bが回転可能に支持されている。従って、駆動歯車35が回転されると、伝達歯車36a,36bが同方向に回転され、第一の実施形態と同様に、伝達歯車36a,36bの回転により、クラッチ装置を介して第一及び第二の駆動軸30a,30bのいずれかが回転される。
【0062】
この実施形態のカーテン生地取付装置では、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)室外側の第二のカーテン生地22bの端縁を、操作装置55の端部に位置させた状態で吊下支持することができる。従って、第二のカーテン生地22bの端縁と窓枠との間からの光漏れを防止することができる。
(2)ボールチェーン32を操作装置55から第一のカーテン生地22aと第二のカーテン生地22bとの間に垂下することができる。従って、ボールチェーン32の操作性を低下させることはない。
(3)フレーム21から吊下部材52を介して取付辺44を吊下支持するので、プーリー33を伝達歯車36a,36bの下方に設けても、第二の嵌合部54及び取付辺44とプーリー33との干渉を防止することができる。
【0063】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・図15に示すように、第一の実施形態において、ケース34にガイド溝39及び保持溝42を線対称状に設けると、操作装置31をフレーム21の右端に取着する右操作用の操作装置、あるいは操作装置31をフレーム21の左端に取着する左操作用の操作装置のいずれにも使用可能である。また、図16に示すように、ボールチェーン32を第一及び第二のカーテン生地22a,22bの間と、第二のカーテン生地22bの後方に垂下させるようにしてもよい。
・第一の実施形態の第一のカーテン生地22a若しくは第二のカーテン生地22bを吊下支持する構成を、一重タイプのたくし上げカーテンに実施することもできる。
・第二の実施形態の吊下部材52を、フレーム21の長手方向において複数個所に点在させるようにしてもよい。
【0064】
上記実施形態から把握できる技術思想を以下に記載する。
(付記1)
カーテン生地をフレームから取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記フレーム及び操作装置に前記取付部材を保持する保持溝を設け、前記取付部材を前記保持溝の全長に亘って延設し、前記取付部材の全長に亘って前記カーテン生地を取着したことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
(付記2)
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
操作装置のケースに、ボールチェーンのガイド溝と、前記第一の取付部材を保持する保持溝を前後方向に線対称状に設けたことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
(付記3)
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記操作装置のケースには、該ケースから垂下されるボールチェーンを、前記第一及び第二のカーテン生地の間と第一及び第二のカーテン生地の後方の少なくともいずれかを選択して垂下可能とするガイド溝を設けたことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
【符号の説明】
【0065】
21…フレーム、22a…第一のカーテン生地、22b…第二のカーテン生地、31,55…操作装置、32…ボールチェーン、39,58…ガイド溝、40…第一の取付部材(面ファスナー)、41,42…取付部材(保持溝)、44…取付部材(取付辺)、50…第二の取付部材(面ファスナー)、51…回避溝、52…取付部材(吊下部材)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記第一及び第二の取付部材の少なくともいずれかを前記操作装置の端部まで延設し、前記取付部材の全長に亘って前記第一及び第二のカーテン生地を取着したことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項2】
前記フレームの前面に第一の取付部材を介して前記第一のカーテン生地の上端を取着し、前記フレームの中間壁に吊下支持した第二の取付部材を前記操作装置の端部まで延長し、前記第二の取付部材の全長と同一幅の前記第二のカーテン生地の上端を該第二の取付部材に取着したことを特徴とする請求項1記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項3】
前記フレームの前面から前記操作装置の前面まで第一の取付部材を取着し、前記第一の取付部材に前記第一のカーテン生地の上端部を取着したことを特徴とする請求項2記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項4】
前記第一の取付部材は、
前記フレームの前面から前記操作装置の前面にかけて形成した保持溝と、
前記保持溝に支持される面ファスナーと
を備えたことを特徴とする請求項3記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項5】
前記操作装置には、前記第二の取付部材との干渉を回避する回避溝を設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項6】
前記操作装置のケースにプーリーを回転可能に支持し、前記プーリーにボールチェーンを掛装して前記ボールチェーンの操作により前記第一及び第二のカーテン生地を昇降可能とし、前記ケースには前記ボールチェーンを前記第一のカーテン生地と第二のカーテン生地との間に垂下するガイド溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項1】
前後方向に2枚の第一及び第二のカーテン生地をフレームから第一及び第二の取付部材を介して吊下支持し、前記フレームの端部に前記カーテン生地を昇降操作する操作装置を備えたたくし上げカーテンにおいて、
前記第一及び第二の取付部材の少なくともいずれかを前記操作装置の端部まで延設し、前記取付部材の全長に亘って前記第一及び第二のカーテン生地を取着したことを特徴とするたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項2】
前記フレームの前面に第一の取付部材を介して前記第一のカーテン生地の上端を取着し、前記フレームの中間壁に吊下支持した第二の取付部材を前記操作装置の端部まで延長し、前記第二の取付部材の全長と同一幅の前記第二のカーテン生地の上端を該第二の取付部材に取着したことを特徴とする請求項1記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項3】
前記フレームの前面から前記操作装置の前面まで第一の取付部材を取着し、前記第一の取付部材に前記第一のカーテン生地の上端部を取着したことを特徴とする請求項2記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項4】
前記第一の取付部材は、
前記フレームの前面から前記操作装置の前面にかけて形成した保持溝と、
前記保持溝に支持される面ファスナーと
を備えたことを特徴とする請求項3記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項5】
前記操作装置には、前記第二の取付部材との干渉を回避する回避溝を設けたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【請求項6】
前記操作装置のケースにプーリーを回転可能に支持し、前記プーリーにボールチェーンを掛装して前記ボールチェーンの操作により前記第一及び第二のカーテン生地を昇降可能とし、前記ケースには前記ボールチェーンを前記第一のカーテン生地と第二のカーテン生地との間に垂下するガイド溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のたくし上げカーテンの生地取付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−75617(P2012−75617A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222912(P2010−222912)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
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