説明

てんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み

【課題】本発明の目的は、てんぷら・フライなどの揚げ物料理を調理する際に食材に水分が多いと揚げ油が飛散して手などに火傷をする危険を回避するための揚げ物挟みを提供する。
【解決手段】少なくともその一部が弾性体からなるカバーに穴を設け、着脱自在に揚げ物挟みの一部を差込む。好ましくは、前記カバー表面に熱反射層を設ける。また、好ましくは揚げ物挟みはトングまたは鋏状であること。更に好ましくは前記カバーの一部に面ファスナーを加えて設けること。また、前記穴は放射状切り込みを設けたものでも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、てんぷら・フライ料理などの調理の際にてんぷらなど油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みに関する。
【背景技術】
【0002】
てんぷら料理、フライ料理などの揚げ物調理の際に食材の中に水分が多く存在していると、飛散する揚げ油が調理をする人の手にかかり火傷をすることが多いことから、揚げ油から手や腕を守るための簡単に装着出来る防具が望まれていた。
【0003】
しかし、公開されている次の実用新案を実際に使用してみると分かることであるが、当該カバーと箸との間に隙間が生じ、この部分から熱したてんぷら油が入り込むため、何ら防護カバーの働きがなされない。更には、カバーがスカートの襞のように角が多数あることからてんぷら鍋等にひっかかり、かえって危険である。また、紐などの索体と箸が繋がれているが、これは使用に際しての安定性を欠き危険である。そのうえ、当該実用新案によれば、箸、手カバーとも自由に洗うことが出来ない状態であることが分かる。また、箸を当該手カバーに装着するのが非常に面倒である。このような欠陥が指摘されていたため、調理時に手や腕を飛散する油から守るための安全な防具が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3104662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、てんぷら・フライなどの揚げ物料理を調理する際に食材に水分が多いと揚げ油が飛散して手や腕に火傷をするという危険を回避するための防具である揚げ物挟みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明は、少なくともその一部が弾性体からなるカバーに穴を設け、前記穴に揚げ物挟みの一部を差し込み、前記カバーと前記揚げ物挟みを着脱自在としたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【0007】
第2の発明は、請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みがトングであることを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みの支点及び力点が鋏の支点及び力点の形状を持つものであることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みの支点に蝶番を加えて設け、力点に指保持具を加えて設けたことを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、
前記カバー表面に熱反射層を設けたことを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、請求項5に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記熱反射層がアルミ蒸着層、熱反射塗料を塗布した層、前記カバー自体の表面を研磨して成る熱反射層の群の中から選択される一であることを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、
前記カバーの一部に面ファスナーを加えて設けたことを特徴とする。
【0013】
第8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記穴が放射状に切り込みを入れたものであることを特徴とする
【0014】
第9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記カバーに掛け紐を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前記揚げ物挟みの開口部から手を入れて前記揚げ物挟みの力点に手の力を伝えて、揚げ物挟み部を開閉するだけで良いので、箸と比較すると非常に安定して揚げ物の対象物を保持し、調理をすることが出来るという利点のほか、調理途中で本発明を着脱したいときには瞬時に行えるという利点がある。また、揚げ物挟みに装着するカバーとそれに設けた熱反射層の働きにより、油の飛散から手や腕を火傷の危険から守ってくれるという大きな利点があるのはもちろん、調理中であっても高温の油の熱を感ずることなく、非常に安全、迅速に調理することが出来る。本発明のトングと揚げ物挟みとは極めて簡単に着脱して、両者を洗うことが出来、非常に衛生的に保管、使用出来るという利点がある。なお、本発明のトングは形状によっては、市販のものも使用出来ることから、両者を別々に販売することも可能であるという利点がある。また、本発明を事業化する際には、部品点数が少ないので、新たな設備投資もあまり必要がなく安価に生産出来るという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例でトングにカバーを設けた説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の一実施例で、鋏状の油揚げ挟みをカバーに設けた説明図である。(実施例2)
【図3】本発明の一実施例で、揚げ物挟みの支点に蝶番を設け、腕部に指保持具を設けた揚げ物挟みをカバーの穴に差し込んだ説明図である。(実施例3)
【図4】本発明の一実施例で、長いカバーに面ファスナーを設け、カバーを折り返して面ファスナーで固定した説明図である。(実施例3)
【図5】図3の本発明の一実施例のカバーを伸ばした状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例である図2のカバーに熱反射層を設けたA-A'線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のてんぷら等油飛散から手を守る揚げ物挟みは、揚げ物挟みとカバーからなる簡単な装置でありながら、調理の際に飛散する高温の油から手や腕を守るという目的を、簡便にしかも安価に最小の部品点数により実現した。
【実施例】
【0018】
本発明を図面について詳述する。図1〜図5は本発明の一実施例であり、図6は図2のA-A'線断面図である。
【0019】
図1は本発明の一実施例である。図1において、1は揚げ物挟み、2はトング、4は揚げ物挟み部、5は熱反射層、6は弾性体、7は握り部、8はカバー、9は開口部、11は力点、12は穴、16は腕部である。前記油揚げ挟み1の一部を弾性体6である前記カバー8で覆い、前記カバー8の二箇所に穴12を設け、前記穴12に前記油揚げ挟み1の二本の腕部16を差し込み、前記弾性体6の弾力により固定して設ける。本実施例を使用する際には、てんぷら料理・フライ料理、かまぼこ揚げなどの場合に、てんぷら鍋に油を入れて、てんぷら料理或いはフライ料理などに適した温度まで油を加熱し、てんぷら等を調理する訳であるが、この時に本発明のてんぷら等油飛散から手を守るカバー付き揚げ物挟みのカバー8の開口部9に手を入れ、その中にある油揚げ物挟みの力点11である握り部7を握ることにより、その反対側の揚げ物挟み部4を開閉する。このようにすると、油の中に食材を入れて食品に含まれる水分が多いとすぐに油が跳ねることになるが、本発明のカバー8部に遮られるため跳ねた油が手や腕にかかって火傷を負うような危険はない。また、前記カバー8表面にアルミ蒸着をした熱反射層5を設けても良い。これにより、本発明のカバー8に設けた熱反射層5によって熱さを反射するとともにカバー8内の手や腕には熱さは伝わらないので、全く危険を感じる事無く調理に専念することが出来る。なお、前記カバー8自体が熱を伝えず難燃性の材質である場合には、熱反射層5は特に設けなくとも良い。以下、図2〜5においても同様である。
【0020】
図2は本発明の他の一実施例である。図2において、1、4〜9、11、12は図1と同様である。3は鋏状揚げ物挟み、10は支点である。本実施例では、揚げ物鋏1が鋏状揚げ物挟み3であるものを示した。図1のトング2に代えて鋏状揚げ物挟み3をカバー8に設けたもので、弾性体6で出来たカバー8の穴12に鋏状揚げ物挟み3の支点10部分を前記弾性体6の弾力により保持固定する。また、本実施例においてもカバー8にアルミ蒸着をした熱反射層5を設けても良い。これは高温の油から手を守るうえでは非常に効果的にある。本実施例の使用にあたっては、図1と同様に開口部9からカバー8内に手を入れて鋏と同様の使い方により、鋏状揚げ物挟み3先端の揚げ物挟み部4を開閉させて揚げ物を挟んで調理をする。本実施例においても、図1と同様に調理時に手をやけどから守る働きをする。
【0021】
図3は本発明の一実施例である。図3において、1、4〜9、11、12は図1と同様である。10は支点、14は指保持具、15は蝶番、17は掛け紐である。本実施例は、図1のトング2に代えて二本の腕部16を繋ぐ支点10として蝶番15を設け開閉自在とし、二本の腕部16にそれぞれ指保持具14を設け、揚げ物挟み1とし、図1と同様にカバー8に設けた穴12に前記揚げ物挟み1の一部を差し込んで前記弾性体6の弾力により保持、固定する。また、前記カバー8に掛け紐17を設ける。このように本実施例を実施すると、図1、図2と同様の効果を有する。しかし、本実施例においては、握力の弱い女性にはトングは苦手であっても本実施例の場合には、揚げ物挟み部4を楽に開閉することが可能で、調理が手早く出来る。更に、本実施例を使用していないときには、前記カバー8に設けてある掛け紐17で他の調理器具と同様に掛けておくことが出来る。
【0022】
図4と図5は本発明の一実施例である。図4と図5において、1、2、4〜9、11、12は図1と同様である。13は面ファスナーである。図4と図5は図1の実施例のカバー8を長くして前記カバー8に面ファスナー13を設けたものである。これにより、手、手首、腕のどこまでを防護するかを本実施例の使用者が決めて効率よく調理をすることが出来るものである。面ファスナー13には引っ掛ける側と引っ掛けられる側の素材が別々に設けられているので、その面に留意して本実施例に設けるものとする。なお、図4はカバー8をカバー8内に折り込み面ファスナー13で固定したものを示している。一方、図5では、図4で固定していた折り込んだカバー8の面ファスナー13を外してカバー8を広げた状態を示してある。
【0023】
図6は、本発明の一実施例である図3のカバー8の表面に熱反射層5を設けたA-A'線断面図である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、てんぷら・フライ料理などの調理の際に飛散する油から手や腕を守るカバー付き揚げ物挟みであるが、キャンプなどで使用する炭火を使ってバーベキュー、焼肉などを行う際には手や腕に熱さを感じさせない事から飛び跳ねる炭火から手や腕を守る事も出来、非常に有効な道具となる。
【符号の説明】
【0025】
1 揚げ物挟み
2 トング
3 鋏状揚げ物挟み
4 揚げ物挟み部
5 熱反射層
6 弾性体
7 握り部
8 カバー
9 開口部
10 支点
11 力点
12 穴
13 面ファスナー
14 指保持具
15 蝶番
16 腕部
17 掛け紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともその一部が弾性体からなるカバーに穴を設け、前記穴に揚げ物挟みの一部を差し込み、前記カバーと前記揚げ物挟みを着脱自在としたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項2】
請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みがトングであることを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項3】
請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みの支点及び力点が鋏の支点及び力点の形状を持つものであることを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項4】
請求項1に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記揚げ物挟みの支点に蝶番を加えて設け、力点に指保持具を加えて設けたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記カバー表面に熱反射層を設けたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項6】
請求項5に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記熱反射層がアルミ蒸着層、熱反射塗料を塗布した層、前記カバー自体の表面を研磨して成る熱反射層の群の中から選択される一であることを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記カバーの一部に面ファスナーを加えて設けたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記穴が放射状に切り込みを入れたものであることを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載のてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟みにおいて、前記カバーに掛け紐を設けたことを特徴とするてんぷら等油飛散から手腕を守るカバー付き揚げ物挟み。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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