説明

どのデバイスがデータを管理すべきであるかを判断する方法及び装置、並びにコンピュータプログラム

【課題】移動端末に関連付けられるデータを管理すべき無線セルラ通信ネットワークの最も相応しいデバイスを決定できるようにする。
【解決手段】第1のセルプール及び第2のセルプールは共通のセルを有し、移動端末は第1のセルプールに位置する。移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスは、位置する移動端末から、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストを含む第1のメッセージを受信し、移動端末が位置するセルが第2のセルプールに属するか否かを判断し、移動端末が第1のセルプールから出ようとしているか、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになるか否かを、第1のセルリストから、且つ、移動端末が位置するセルから判断し、第2のデバイスに移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する第2のメッセージを第2のデバイスに転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて判断する方法であって、第1のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスと、第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスとのうちのどちらのデバイスが、ある移動端末に関連付けられるデータを管理しなければならないかを判断する方法及び装置に関する。
【0002】
無線通信ネットワークの基地局の複数のセルで構成されるエリア内を移動する移動端末に通信サービスを提供する、無線セルラ通信ネットワーク(移動体通信ネットワーク等)は、通常、移動端末との通信セッションを確立できるように、どの基地局が移動端末にサービスを提供しているのかを判断する手段を随時移動体通信事業者に提供する。
【0003】
無線事業者が移動端末と通信できるようにするために、集中管理している装置が、或るロケーションエリアの複数の基地局の各セル内に呼出し指示をブロードキャストするように指示し、それによって、その呼出し指示への移動端末の応答から、どの基地局が移動端末を管理しているかを知る。そのようなブロードキャストは、無線通信ネットワークの資源を無視できないほど消費する。
【0004】
典型的には、ロケーションエリアは、一定の成功確率で移動端末の位置を特定できるほど十分に大きい必要があるが、その一方で、無線通信ネットワークの資源を節約するためにサイズを小さくする必要がある。
【0005】
ロケーションエリアを画定するのは難しい問題であり、十分に条件を満たすように決定されないことも珍しくない。ロケーションエリアは、一例として、無線計画技法に従って決定され、長い時間をかけて設定される。そのようなロケーションエリアは、そのロケーションエリア内に位置する個々の移動端末には合わせられない。
【0006】
第3世代パートナーシッププロジェクト3GPPにおいて議論されているロングタームエボリューション、システムアーキテクチャエボリューションLTE/SAEでは、仮想ロケーションエリア(VLA)の概念に従って、アイドルモードの移動端末が種々のトラッキングエリアにわたってローミングする。トラッキングエリアは、複数の基地局によって管理される一群のセルである。仮想ロケーションエリアは、ロケーションエリアとも呼ばれる。仮想ロケーションエリアを構成するトラッキングエリアのリストは、各移動端末に割り当てられ、各移動端末は、トラッキングエリアのリスト内で特定されるいかなるトラッキングエリアに属するいかなるセルももはや認識しないときにのみ、トラッキングエリア更新(TAU)要求を実行する。
【0007】
トラッキングエリア更新要求が生じると、移動管理エンティティは、移動端末に割り当てられるべきであるトラッキングエリアの新たなリストを決定する役割を担う。移動管理エンティティ(MME)は、セルプール内で特定される移動端末に関連付けられるデータを管理するデバイスである。
【0008】
各移動端末に関連付けられるデータは少なくとも、その移動端末に割り当てられる仮想ロケーションエリアを含む。各移動端末に関連付けられるデータは、その移動端末に割り当てられるS−TMSIも含む。S−TMSIは、SAE一時的移動加入者識別番号(SAE Temporary Mobile Subscriber Identity)を表す。各移動端末に関連付けられるデータは、移動端末のアクセス権、移動端末を認証するために用いられる認証鍵、暗号鍵、移動端末へサービス品質を提供するためのポリシー、移動端末にデータを送る役割を担うユーザプレーンエンティティのアドレス等も含むことがある。
【0009】
その際、移動端末がアイドルモードにあるときに、移動端末といつでも通信することができることを保証するために、移動管理エンティティは、任意の着呼を、トラッキングエリアの新たなリストにおいて特定される1つのトラッキングエリアに属する1つのセルを制御する各基地局にルーティングするための役割を担う。
【0010】
移動端末に関連付けられるデータを管理する移動管理エンティティは、その移動管理エンティティが接続される任意の基地局を通じて、遠隔した通信デバイスとの通信を移動端末が確立できるようにするのに必要な情報を有する。
【0011】
実際には、冗長性/拡張性の問題のために、所与のエリアにおいて、移動端末は、移動管理エンティティのプールの1つにグループ化される多数の移動管理エンティティのうちの1つによって処理することができる。
【0012】
セルプールは、管理エンティティのプールの各移動管理エンティティとの接続関係を有する全ての基地局のセルプールと定義される。
【0013】
移動端末に関連付けられるトラッキングエリアの各リストは、同じセルプールに属するトラッキングエリアの識別子を含む。
【0014】
移動端末が1つのセルプールから別のセルプールに移動するとき、その移動端末は、その移動端末に割り当てられたトラッキングエリアのリストに含まれないトラッキングエリアに入る。その際、移動端末は、トラッキングエリア更新要求メッセージを転送しなければならない。
【0015】
トラッキングエリア更新要求を表すメッセージを受信する基地局は、その移動端末に関連付けられるデータを管理する移動管理エンティティに、すなわち少なくともその移動端末の位置を管理する移動管理エンティティに、メッセージをルーティングすることはできないので、その基地局が接続される移動管理エンティティのプール内で1つの移動管理エンティティを選択しなければならない。その後、新たな移動管理エンティティと元の移動管理エンティティとの間で、移動管理エンティティ間での移動端末に関連付けられるデータの転送を伴う移動管理エンティティリロケーション手順が確立され、それによって、移動端末のロケーションエリアの確定のような、移動端末に関連付けられるデータの管理を、元の移動管理エンティティに代わって、新たな移動管理エンティティが行うことができるようにする。
【0016】
移動端末は所与のトラッキングエリアの境界を越えて行き来する可能性があるので、セルプールが重なることが想定される。その際、移動管理エンティティリロケーション手順が実行されるときに、1つの移動端末に割り当てられなければならないトラッキングエリアのリストを注意深く選択することによって、リロケーション手順が頻繁に繰り返されるのを避けることが、実施上の検討事項である。
【0017】
セルプールの重なり合う部分に位置している間に移動端末がアクティブモードに入ると、その移動端末は、移動端末を現在管理している移動管理エンティティのセルプールの境界を横切る可能性がある。その際、移動管理エンティティリロケーション手順を引き起こすトラッキングエリア更新手順を実行するために、移動端末はアイドルモードに切り換わらなければならない。移動端末が再びアクティブモードに入ることができるとき、その通信は中断されており、提供されるサービス品質が途切れるので望ましくない。
【0018】
【非特許文献1】ERICSSON, "Idle Mobility and Tracking area Concept in SAE/LTE" 3GPP TSG RAN WG 3, #50, R3-060049, [オンライン]、2006年1月10日〜2006年1月12日、1〜6ページ、XP002466404、インターネット<URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_50/docs/>(1ページ第2段落〜2ページ第3段落、4ページ第4.3段落〜5ページ第4.3段落、図1)
【非特許文献2】MITSUBISHI ELECTRIC, "Reported List of Last Visited Tracking Areas" 3GPP TSG RAN WG 3, #56, R3-070782, [オンライン]、2007年5月11日〜2007年5月11日、1〜4ページ、XP002466405、インターネット<URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_56/docs/>(1ページ第1段落〜3ページ第2.2段落、図1および2)
【0019】
それゆえ、本発明の目的は、移動端末に関連付けられるデータを管理すべきである、無線セルラ通信ネットワークの最も相応しいデバイスを決定できるようにし、それによって、無線セルラ通信ネットワークの移動端末毎に最適化されたロケーションエリアを有することができるようにする方法及びデバイスを提案することである。
【0020】
この目的のために、本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて判断する方法であって、第1のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスと、第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスとのうちのどちらのデバイスが、ある移動端末に関連付けられるデータを管理しなければならないかを判断する方法であって、第2のセルプールは、第1のセルプールに属さないセル及び第1のセルプールに属するセルから構成され、第1のセルプールは、第2のセルプールに属さないセル及び第2のセルプールに属するセルから構成され、移動端末は第1のセルプール内に位置し、第1のデバイスがその移動端末に関連付けられるデータを管理している、方法において、当該方法は、移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスによって実行される複数のステップとして、
‐第1のセルプールの1つのセル内に位置する移動端末から、第1のメッセージを受信するステップであって、第1のメッセージは、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストを含む、第1のメッセージを受信するステップと、
‐移動端末が位置するセルが第2のセルプールに属するか否かを判断するステップと、
さらに、移動端末が位置するセルが第2のセルプールに属する場合には、
‐移動端末が第1のセルプールから出ようとしているか否か、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになるか否かを、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストから、且つ、移動端末が位置するセルから、判断するステップと、
‐移動端末が第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる場合に、第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスに、第2のメッセージを転送するステップであって、第2のメッセージは、第2のデバイスに、当該移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する第2のメッセージを転送するステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0021】
本発明は、無線セルラ通信ネットワークにおいて判断する装置であって、第1のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイス、及び第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスのうちのどちらのデバイスが、ある移動端末に関連付けられるデータを管理しなければならないかを判断する装置であって、第2のセルプールは、第1のセルプールに属さないセル及び第1のセルプールに属するセルから構成され、第1のセルプールは、第2のセルプールに属さないセル及び第2のセルプールに属するセルから構成され、移動端末は第1のセルプール内に位置し、第1のデバイスが、その移動端末に関連付けられるデータを管理している、装置において、当該装置は、移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイス内に収容され、当該装置は、
第1のセルプールの1つのセル内に位置する移動端末から、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストを含む第1のメッセージを受信する手段と、
移動端末が位置するセルが第2のセルプールに属するか否かを判断する手段と、
移動端末が位置するセルが第2のセルプールに属する場合に、移動端末が第1のセルプールから出ようとしているか否か、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになるか否かを、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストから、且つ、移動端末が位置するセルから、判断する手段と、
移動端末が第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる場合に、第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスに、第2のデバイスに当該移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する第2のメッセージを転送する手段と、
を備えることを特徴とする、装置にも関する。
【0022】
したがって、移動端末が第1のセルプールから出る前に、第2のセルプールにおいて移動端末のリロケーションを早期に達成することができる。後に、重なり合ったエリアにおいて移動端末がアクティブモードに入り、その後、第1のセルプールから出る場合でも、移動端末が第1のセルプールから出ることになる時点で、MMEリロケーションを実行する必要はないであろう。それゆえ、通信の品質は保持されることになる。
【0023】
特定の特徴によれば、第1のセルプールのセルが複数のセルグループにグループ化され、第2のセルプールのセルが複数のセルグループにグループ化され、移動端末が第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び/又は第2のセルプールから出ないか否かの判断は、移動端末が位置するセルを含むセルグループと複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値、又は移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のリスト内に含まれるセルグループとの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値から実行される。
【0024】
したがって、セルグループ間の遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を早期に確定することができる。移動端末が実際に第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び移動端末が第2のセルプールに留まろうとしているか否かを予め判断するのは容易である。取り得る軌道に関する正確な情報は、2つのセルプール間で手順を頻繁に繰り返すことなく、早期のリロケーションを効率的に起動するのを助けることができる。
【0025】
特定の特徴によれば、移動端末が位置するセルを含むセルグループと、第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のリストに含まれるセルグループと、第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合には、その移動端末は、第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる。
【0026】
したがって、第2のセルプールに属さないセルグループでの遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を確定することができる。移動端末が実際に第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び移動端末が第2のセルプールに留まろうとしているか否かを判断するのは容易である。取り得る軌道に関する正確な情報は、2つのセルプール間で手順を頻繁に繰り返すことなく、早期のリロケーションを効率的に起動するのを助けることができる。
【0027】
特定の特徴によれば、移動端末が位置するセルを含むセルグループと、第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合には、その移動端末は第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる。
【0028】
したがって、第1のセルプールに属さないセルグループでの遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を確定することができる。移動端末が実際に第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び移動端末が第2のセルプールに留まろうとしているか否かを判断するのは容易である。取り得る軌道に関する正確な情報は、2つのセルプール間で手順を頻繁に繰り返すことなく、早期のリロケーションを効率的に起動するのを助けることができる。
【0029】
特定の特徴によれば、移動端末が位置するセルを含むセルグループと、第1のセルプール及び第2のセルプールに属する別のセルグループであって、第1のセルプールに属さないセルグループに隣接する、別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、第1のセルプール及び第2のセルプールに属する別のセルグループであって、第1のセルプールに属さないセルグループに隣接する、別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合には、その移動端末は第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる。
【0030】
したがって、1つのセルグループと、別のセルグループ(第1のセルプール及び第2のセルプールに属するセルグループであって、第1のセルプールに属さないセルグループに隣接するセルグループ。すなわち、第1のセルグループのエッジにあるセルグループ)での遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を確定することができる。移動端末が実際に第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び移動端末が第2のセルプールに留まろうとしているか否かを判断するのは容易である。取り得る軌道に関する正確な情報は、2つのセルプール間で手順を頻繁に繰り返すことなく、早期のリロケーションを効率的に起動するのを助けることができる。
【0031】
特定の特徴によれば、移動端末が位置するセルを含むセルグループと、第1のセルプール及び第2のセルプールに属する複数の他のセルグループであって、第2のセルプールに属さないセルグループに隣接する、複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は、移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれるセルグループと、第1のセルプール及び第2のセルプールに属する複数の他のセルグループであって、第2のセルプールに属さない1つのセルグループに隣接する、複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合には、その移動端末は第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は第2のセルプールから出ないことになる。
【0032】
第1のセルプール及び第2のセルプールに属する複数の他のセルグループであって、第2のセルプールに属さないセルグループに隣接するセルグループ(すなわち、第2のセルグループのエッジにあるセルグループ)での遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を確定することができる。移動端末が実際に第1のセルプールから出ようとしているか否か、及び移動端末が第2のセルプールに留まろうとしているか否かを判断するのは容易である。取り得る軌道に関する正確な情報は、2つのセルプール間で手順を頻繁に繰り返すことなく、早期のリロケーションを効率的に起動するのを助けることができる。
【0033】
特定の特徴によれば、第2のデバイスに移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する第2のメッセージは、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストと、移動端末が位置するセルを特定する情報とを含むか、又は、移動端末が位置するセルを特定する情報を含む。
【0034】
したがって、第2のデバイスは、移動端末に関連付けられるセルグループの最適化されたリストを決定することができ、セルグループ間の遷移に関する統計値を更新することができる。これらの統計値は、第1のセルプールのセルグループ間の遷移に関する統計値、及び/又は、第2のセルプールのセルグループ間の遷移に関する統計値、及び/又は、第1のセルプールのセルグループと第2のセルプールのセルグループとの間の遷移に関する統計値である。
【0035】
特定の特徴によれば、複数の第2のデバイスが、第2のセルプール内の複数の移動端末の位置を管理し、その方法は、複数の第2のデバイスの中から1つの第2のデバイスを選択するステップであって、その第2のデバイスに移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求するメッセージが、その第2のデバイスに転送される、そのような第2のデバイスを選択するステップをさらに含む。
【0036】
したがって、ある第2のデバイスが過負荷である場合には、第1のデバイスは、それよりも負荷が小さい第2のデバイスを選択することになり、複数の第2のデバイスの中で再び負荷の釣り合いが取られるであろう。過負荷に起因する第2のデバイスの機能不良は低減される。
【0037】
特定の特徴によれば、第1のデバイスは、
‐第3のデバイスから第3のメッセージを受信することであって、第3のデバイスは、第3のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理し、第3のメッセージは、第1のデバイスに別の第2の移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する、第3のメッセージを受信することであって、
第3のメッセージは、別の移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第3のリストを含み、及び/又は、
第3のメッセージは、別の移動端末が位置するセルを特定する情報を含む、
受信することと、
‐別の移動端末に関連付けられるデータを、少なくとも第3のメッセージに含まれる情報から入手することであって、他の移動端末に関連付けられるデータは少なくとも、第2の移動端末がその中を移動することが予想されるセルグループの第4のリストである、入手することと、
‐移動端末がその中を移動することが予想されるセルグループの第4のリストを含む第4のメッセージを送信することとを実施する。
【0038】
したがって、第2の移動端末は、セルグループの新たに割り当てられたリスト、すなわち第2の移動端末に割り当てられる仮想ロケーションエリア内で動き回り続けることができる。着呼が生じるとき、第1のデバイスによって、特定された仮想ロケーションエリア内のセルを制御する各基地局に呼出し通知がルーティングされるので、移動端末はその着呼を受け損なわないであろう。移動端末が割り当てられた仮想ロケーションエリアから出るとき、それが第1のデバイスに通知されることになり、それにより、移動端末の位置を追跡することができる。
【0039】
特定の特徴によれば、セルグループの第4のリストは、別の移動端末が位置するセルを含むセルグループと、第1のセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値、又は、移動端末が位置するセルを含むセルグループを経由して、第3のリストに含まれるセルグループと、第1のセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値から得られる。
【0040】
したがって、セルグループでの遷移に関する統計値を効率的に用いて、将来に取り得る移動端末の軌道を判断することができる。最適化された仮想ロケーションエリアを特定し、移動端末に割り当てるのは容易である。この最適化された仮想ロケーションエリアは、呼出しに関する努力を低減するほど十分に小さくすることができ、また、トラッキングエリア手順の頻度を低減するほど十分に大きく適切に整形することができる。
【0041】
特定の特徴によれば、第3のメッセージは、別の移動端末が位置するセルを制御する基地局の識別子をさらに含み、第4のメッセージは、基地局(その識別子がそのメッセージに含まれるもの)を経由して送信される。
【0042】
したがって、第3のデバイスに影響を及ぼすことなく、第4のメッセージを移動端末にルーティングすることができる。シグナリングは低減される。
【0043】
特定の特徴によれば、第4のメッセージは第3のデバイスを経由して送信される。
【0044】
したがって、第3のデバイスは、トラッキングエリア手順を正常に完了することができる。移動端末、デバイス及び基地局からのシグナリングフローは、通常のトラッキングエリア手順と比べて変更されない。
【0045】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラム可能な装置に直接ロードすることができるコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがプログラム可能な装置で実行されるときに本発明による方法のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラムに関する。
【0046】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関して上述した特徴及び利点と同じであるため、ここで繰り返さない。
【0047】
本発明の特徴は、添付図面を参照して行われる一例の実施形態の以下の説明を読むことからより明確になろう。
【0048】
図1は、本発明が実施される無線セルラ通信ネットワークの構造を表す図である。
【0049】
図1には、2つのセルプールPOOL1及びPOOL2が示される。
【0050】
セルプールPOOL1は、第1のデバイスプールによって管理される。第1のデバイスは、セルプールPOOL1内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスMME11及びMME12から構成される。セルプールPOOL1内に位置する移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスMME11及びMME12は、これ以降、移動管理エンティティMME11及びMME12と呼ばれる。
【0051】
セルプールPOOL2は、第2のデバイスプールによって管理される。第2のデバイスプールは、セルプールPOOL2内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスMME21、MME22及びMME23から構成される。セルプールPOOL2内に位置する移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスMME21、MME22及びMME23は、これ以降、移動管理エンティティMME21、MME22及びMME23と呼ばれる。
【0052】
セルプールPOOL1は、セルグループTA1〜TA12を含む。セルプールPOOL2は、セルグループTA7〜TA18を含む。セルグループTA1〜TA18は、これ以降、トラッキングエリアTA1〜TA18と呼ばれる。セルプールPOOL1及びPOOL2は、トラッキングエリアTA7〜TA12において重なり合う。
【0053】
各トラッキングエリアTAは、基地局によって管理される複数のセルから構成される。
【0054】
例として、トラッキングエリアTA1は、基地局BS11〜BS17によってそれぞれ管理される、破線の円によって表される7つのセルからなるグループから構成される。
【0055】
図1には、移動端末UEが示される。移動端末UEは、トラッキングエリアTA2の基地局BS24によって管理されるセルに位置する。移動管理エンティティMME11は、移動端末UEに、トラッキングエリアTA1、TA2及びTA3を特定するトラッキングエリアのリストを予め割り当てている。
【0056】
移動端末UEは、トラッキングエリアTA2の基地局BS25によって管理されるセル、トラッキングエリアTA3の基地局BS36によって管理されるセル、トラッキングエリアTA7の基地局BS72、BS74及びBS77によって管理されるセル、トラッキングエリアTA11の基地局BS112及びBS115によって管理されるセル、並びにトラッキングエリアTA14の基地局BS141及びBS144によって管理されるセルを通って移動している。
【0057】
移動端末UEがトラッキングエリアTA7に入るとき、トラッキングエリアTA7の識別子は、移動端末UEに割り当てられているトラッキングエリアのリストには含まれていない。
【0058】
その際、移動端末UEは、移動端末UEの位置を管理する移動管理エンティティMME11に、トラッキングエリア更新要求メッセージを送信する。移動端末UEは、移動端末UEがその中を移動してきたトラッキングエリアTA2及びTA3のリストも、移動管理エンティティMME11に転送する。
【0059】
訪れたトラッキングエリアTA2及びTA3のリストを含む、トラッキングエリア更新要求メッセージは、基地局BS72を通じて、移動管理エンティティMME11に転送される。
【0060】
移動管理エンティティMME11は、基地局BS72からメッセージを受信すると、移動端末UEが、セルプールPOOL1及びPOOL2に含まれるトラッキングエリアTA、すなわちトラッキングエリアTA7に位置していると判断する。
【0061】
移動管理エンティティMME11は、訪れたトラッキングエリアTA2及びTA3のリストを用いて、移動端末UEがセルプールPOOL1の境界に向かって進んでいると予測する。
【0062】
その際、移動管理エンティティMME11は、セルプールPOOL2を管理する1つの移動管理エンティティMME21、MME22又はMME23を選択し、その移動管理エンティティ、例として移動管理エンティティMME21にリロケーション要求を送信する。移動管理エンティティMME11は、訪れたトラッキングエリアTA2及びTA3のリストを移動管理エンティティMME21に転送し、それによって、移動管理エンティティMME21が移動端末UEに割り当てられるべきトラッキングエリアのリストを決定できるようにする。
【0063】
新たな移動管理エンティティMME21は、移動管理エンティティMME11又は他の移動管理エンティティを通じて、移動端末UEにトラッキングエリアの新たに決定されたリストを転送し、それによって、移動端末UEとのトラッキングエリア更新手順を終了する。
【0064】
セルプールPOOL1の各基地局BSは、図1には示されない通信ネットワークを通じて、各移動管理エンティティMME11及びMME12に接続される。
【0065】
セルプールPOOL2の基地局BSのそれぞれは、図1には示されない通信ネットワークを通じて、移動管理エンティティMME21、MME22及びMME23それぞれに接続される。
【0066】
通信ネットワークは、限定はしないが、一例として、専用の有線ネットワーク、公衆交換網のような公衆網、IPベースネットワーク、無線ネットワーク、非同期転送モードネットワーク又は先に列挙されたネットワークの組み合わせである。
【0067】
各移動管理エンティティMMEは、位置を管理しなければならない無線セルラ通信ネットワークの移動端末UE毎に、無線セルラ通信ネットワークのトラッキングエリアTAの識別子のリストである仮想ロケーションエリアを割り当てる。トラッキングエリアTAのうち、その識別子が、移動端末UEに転送されるトラッキングエリアの割り当てられたリストに含まれる、そのようなトラッキングエリアTAは、移動端末UEがその中に存在するか又は移動すると考えられるトラッキングエリアである。
【0068】
図1に示されない遠隔の通信デバイスが、移動端末UEとの通信を確立したいとき、移動管理エンティティMME11は、その識別子が移動端末UEに割り当てられるトラッキングエリアのリストに含まれるトラッキングエリアTAのセルを管理する各基地局BSに呼出し通知メッセージを送信する。
【0069】
図1には、2つのセルプールPOOL1及びPOOL2だけが示されるが、本発明において、さらに重要な数のセルプールが用いられるものと理解することができる。
【0070】
図2は、本発明による移動管理エンティティのブロック図である。
【0071】
移動管理エンティティは、たとえば、バス201によって互いに接続されたコンポーネントと、図3又は図4に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0072】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、データベース205、及びネットワークインターフェース204にリンクする。
【0073】
メモリ203は、変数を収容することを目的としたレジスタと、図3又は図4に開示されるようなアルゴリズムに関するプログラムの命令とを含む。
【0074】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース204のオペレーションを制御する。
【0075】
リードオンリーメモリ202は、図3又は図4に開示されるようなアルゴリズムに関するプログラムの命令を含み、それは、ノード10に電源が入れられると、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0076】
移動管理エンティティMMEは、ネットワークインターフェース204を通じて通信ネットワークに接続されている。
【0077】
例として、ネットワークインターフェース204は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタルネットワーク)インターフェース等である。
【0078】
移動管理エンティティMMEは、205で示されるデータベースDBを含む。データベースDBは、その移動管理エンティティが管理するトラッキングエリアTAと、隣接するトラッキングエリアTAとの間で、移動端末UEによって実行される遷移(transition)の数を記憶する。
s
【0079】
データベース205は、移動管理エンティティMMEが計算するトラッキングエリアTA間の遷移の統計値を記憶する。また、データベース205は、どのトラッキングエリアTAが、その移動管理エンティティのセルプールに属するかも記憶する。
【0080】
データベース205は、どのトラッキングエリアTAが2つのセルプールに属するかを記憶し、及び/又は、他のセルプール(たとえば移動管理エンティティのセルプールに隣接するセルプールであるセルプール)に属するトラッキングエリアTAを記憶することが好ましい。
【0081】
データベース205は、移動管理エンティティMMEがその位置を管理する各移動端末UEに割り当てられるトラッキングエリアの各リストも記憶する。
【0082】
図3は、本発明の第1の実現形態による各移動管理エンティティによって実行されるアルゴリズムを表している。
【0083】
より正確には、本アルゴリズムは、各移動管理エンティティMMEのプロセッサ200によって実行される。
【0084】
ステップS300では、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース204を通じてメッセージを受信したことを通知される。
【0085】
次のステップS301では、プロセッサ200は、受信したメッセージがトラッキングエリア更新(TAU更新)要求メッセージであるか否かを調べる。
【0086】
メッセージがトラッキングエリア更新要求メッセージである場合には、プロセッサ200はステップS302に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS320に進む。トラッキングエリア更新要求メッセージは、移動端末UEが、移動管理エンティティMMEによって移動端末UEに割り当てられたトラッキングエリアのリスト(言い換えると仮想ロケーションエリア)に属さないトラッキングエリアTAに入るときに、移動端末UEによって転送されるメッセージである。
【0087】
トラッキングエリア更新メッセージは基地局BSを通じて受信されるが、ステップS302では、プロセッサ200はその基地局BSの識別子を記憶する。
【0088】
次のステップS303では、プロセッサ200は、トラッキングエリア更新要求メッセージに含まれるトラッキングエリアのリストを読み取り、それをデータベースDB205に記憶する。トラッキングエリアのリストは、移動端末UEがその中を移動してきたトラッキングエリアTAの少なくとも1つの識別子を含む。
【0089】
トラッキングエリアのリストは、以前に移動端末UEによって転送された最後のトラッキングエリア更新メッセージより後に移動端末UEがその中を移動してきた、トラッキングエリアTAの識別子を含むことが好ましい。
【0090】
ステップS304では、プロセッサ200は、移動端末UEによって報告され且つステップS303によって記憶されたトラッキングエリアの識別子を用いて、移動端末UEがその中を移動する可能性が高いトラッキングエリアのリストを決定する。
【0091】
移動端末UEがその中を移動する可能性が高いトラッキングエリアのリストは、移動端末UEが位置するセルを含むトラッキングエリアTAと、他のトラッキングエリアTAとの間での、移動端末の遷移に関する統計値から決定される。及び/又は、このリストは、ステップS303において記憶されるリストにおいて特定されるトラッキングエリアTAと、他のトラッキングエリアTAとの間での、移動端末の遷移に関する統計値から決定される。
【0092】
例として、プロセッサ200は、遷移に関する統計値が最も高いトラッキングエリアTAを選択する。
【0093】
本発明の第1の実現形態によれば、遷移に関する統計値は、移動端末UEが、移動端末UEが位置するセルを含むトラッキングエリア、すなわち現在のトラッキングエリアTAcurrから、後続のトラッキングエリアTAnextに移動する確率である。そのような遷移に関する統計値は、以下の式に従って計算される。
next=Pcurr,next=Mcurr,next/Mcurr
ただし、Mcurr,nextは、移動端末UEが位置するセルを含む現在のトラッキングエリアTAcurrと、トラッキングエリアTAnextとの間の移動端末の遷移回数であり、Mcurrは、現在のトラッキングエリアTAcurrと、現在のトラッキングエリアTAcurrに隣接するすべてのトラッキングエリアTAとの間の遷移回数である。
【0094】
こうすると、移動端末UEが現在のトラッキングエリアTAcurrから別のトラッキングエリアTAnextに移動する統計値Pcurr,nextは、現在のトラッキングエリアTAcurrから、現在のトラッキングエリアTAcurrに隣接するすべてのトラッキングエリアTAへの、移動端末によって実行された、異なるトラッキングエリアTAを横切る全遷移回数によって正規化されたMcurr,nextに等しい。
【0095】
本発明の第2の実現形態によれば、遷移に関する統計値は、移動端末UEが、ステップS303において記憶されたトラッキングエリアのリストにおいて特定されるトラッキングエリアTAcurrから、移動端末UEが位置するセルを含むトラッキングエリアTAviaを経由して、後続のトラッキングエリアTAnextに移動する確率である。
【0096】
そのような統計値は、以下の式に従って計算される。
next=Pcurr,next+σΣPcurr,viavia,next
ただし、Pcurr,next=Mcurr,next/Mcurrであり、σは重み係数であり、Pcurr,via=Mcurr,via/Mcurr、Pvia,next=Mvia,next/Mviaである。
ただし、Mcurr,nextは、トラッキングエリアTAcurrとトラッキングエリアTAnextとの間の遷移回数であり、Mcurrは、トラッキングエリアTAcurrと、nトラッキングエリアTAcurrに隣接するすべてのトラッキングエリアTAとの間の遷移回数である。
ただし、Mcurr,viaは、トラッキングエリアTAcurrと、トラッキングエリアTAviaとの間の遷移回数である。
【0097】
via,nextは、トラッキングエリアTAviaと、トラッキングエリアTAnextとの間の遷移回数であり、Mviaは、トラッキングエリアTAviaと、トラッキングエリアTAviaに隣接するすべてのトラッキングエリアTAとの間の遷移回数である。
【0098】
curr,viaは、移動端末UEが、トラッキングエリアTAcurrからトラッキングエリアTAviaに移動する確率である。
【0099】
via,nextは、移動端末UEが、トラッキングエリアTAviaからトラッキングエリアTAnextに移動する確率である。
【0100】
移動端末UEがトラッキングエリアTAviaから後続のトラッキングエリアTAnextに移動する確率Pvia,nextは、正規化されたMvia,nextに等しく、すなわち、Mvia,nextが、トラッキングエリアTAviaからトラッキングエリアTAviaに隣接するすべてのトラッキングエリアTAへとカウントされた、トラッキングエリアTA間の全遷移回数によって正規化されたものに等しい。
【0101】
当業者は、第2の実現形態を、複数のトラッキングエリアTAを経由する場合に容易に拡張するであろう。
【0102】
ここで、本発明の第2の実現形態において開示される式は、移動端末UEが、入ったセルプールから出ないか否かを判断するためにも用いられることに留意されたい。
【0103】
ここで、第1の実現形態及び第2の実現形態について、遷移とは、移動端末UEがトラッキングエリアTAから別のトラッキングエリアTAに移ることであることに留意されたい。
【0104】
移動端末UEがその中を移動してきたトラッキングエリアTAのリストは、移動端末UEが移るのに応じて並べられるので、遷移はプロセッサ200によって容易に得られる。上記の遷移回数は、ステップS303及び/又はS321においてトラッキングエリアTAの識別子のリストが記憶される度に更新される。
【0105】
トラッキングエリア更新要求メッセージは基地局BSを通じて受信されるが、次のステップS305では、プロセッサ200は、その基地局BSの識別子が、少なくとも2つのセルプールPOOL1及びPOOL2に属する1つのセルを管理する基地局BSに対応するか否かを調べる。
【0106】
基地局BS(トラッキングエリア更新要求メッセージがそれを通じて受信されたもの)の識別子が、少なくとも2つのセルプールPOOL1及びPOOL2に属する1つのセルを管理する基地局BSに対応する場合には、プロセッサ200はステップS306に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS307に進む。
【0107】
ステップS306では、プロセッサ200は、移動端末UEが移動管理エンティティMMEのセルプールPOOLから出ようとしているか否か、且つ/又は、移動端末UEが入ったセルプール(他のセルプール)から出ないことになるか否かを調べる。
【0108】
例として、次のような場合、移動端末UEは、第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになる。すなわち、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループと、第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のリストに含まれるセルグループと、第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合である。
【0109】
別の例では、次のような場合、移動端末UEは、第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになる。すなわち、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループと、第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合である。
【0110】
別の例では、次のような場合、移動端末UEは、第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになる。すなわち、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループと、別のセルグループ(第1のセルプール及び第2のセルプールに属するセルグループであって、且つ、第1のセルプールに属さないセルグループと隣接するセルグループである)との間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、別のセルグループ(第1のセルプール及び第2のセルプールに属するセルグループであって、且つ、第1のセルプールに属さないセルグループと隣接するセルグループである)との間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合である。
【0111】
別の例では、次のような場合、移動端末UEが第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、第2のセルプールから出ないことになる。すなわち、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループと、複数の他のセルグループ(第1のセルプール及び第2のセルプールに属するセルグループであって、且つ、第2のセルプールに属さないセルグループと隣接するセルグループである)との間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループを経由して、第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、複数の他のセルグループ(第1のセルプール及び第2のセルプールに属するセルグループであって、且つ、第2のセルプールに属さないセルグループと隣接するセルグループである)との間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合である。
【0112】
移動端末UEが移動管理エンティティのセルプールPOOLから出ようとしている場合には、プロセッサ200はステップS308に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS307に進む。
【0113】
ステップS307では、プロセッサ200は、基地局(ステップS302においてその識別子が記憶されたもの)を経由して、インターフェース204を通じて、トラッキングエリア更新応答メッセージを移動端末UEに転送するように指示する。
【0114】
トラッキングエリア更新応答メッセージは、移動端末UEに割り当てられるS−TMSI及びトラッキングエリアのリストを含む。
【0115】
移動端末UEに割り当てられるトラッキングエリアTAのリストは、ステップS304において決定されたトラッキングエリアのリストであり、移動端末UEがその中を移動する可能性が高い、移動管理エンティティMMEのセルプールPOOLに属するトラッキングエリアのリストである。
【0116】
ステップS308では、プロセッサ200は、移動端末UEがどのセルプールPOOLiに入ろうとしているかを判断する。
【0117】
基地局BS(トラッキングエリア更新要求メッセージがそれを通じて受信されたもの)の識別子が、2つのセルプールPOOLに属するセルを管理する基地局BSに対応する場合には、プロセッサ200は、移動端末UEが入ろうとしているセルプールPOOLを、その基地局BSが属する他のセルプールPOOLと決定する。
【0118】
基地局BS(トラッキングエリア更新要求メッセージがそれを通じて受信されたもの)の識別子が、3つ以上のセルプールPOOLに属するセルを管理する基地局BSに対応する場合には、プロセッサ200は、移動端末UEによって転送されるトラッキングエリアTAの識別子を用いて、セルプールPOOLを決定する。
【0119】
セルプールPOOLは、ステップS304において開示される遷移に関する統計値を用いて決定される。
【0120】
例として、プロセッサ200は、移動端末UEがセルプールPOOLの各トラッキングエリアTAの中に入る確率の和が最も高いセルプールPOOLを選択する。
【0121】
次のステップS309では、プロセッサ200は、決定されたセルプールPOOLを管理する複数の移動管理エンティティMMEからなるプールに属する1つの移動管理エンティティMMEを選択する。
【0122】
移動管理エンティティMMEは、決定されたセルプールPOOLを管理する移動管理エンティティのプールに属する移動管理エンティティそれぞれの活動負荷に従って決定されることが好ましい。例として、活動負荷指示は、他のリロケーション手順中に管理エンティティによって予め受信されている。
【0123】
次のステップS310では、プロセッサ200は、決定された移動管理エンティティMMEへのリロケーション要求メッセージの転送を指示する。
【0124】
リロケーション要求メッセージは、移動端末UEに関連付けられるデータと、ステップS301において記憶される基地局BSの識別子と、ステップS301において受信されたトラッキングエリア更新要求メッセージにおいて移動端末UEが転送したトラッキングエリアのリストとを含む。
【0125】
リロケーション要求メッセージは、そのメッセージが送信された移動管理エンティティMMEに、移動端末UEに関連付けられるデータを管理するように要求するメッセージである。
【0126】
その後、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0127】
ステップS301において、プロセッサ200が、受信したメッセージがトラッキングエリア更新(TAU更新)要求メッセージでないものと判断する場合には、プロセッサ200はステップS320に進む。
【0128】
ステップS320では、プロセッサ200は、受信したメッセージがステップS310において開示されたようなリロケーション要求メッセージであるか否かを調べる。
【0129】
そのメッセージがリロケーション要求メッセージである場合には、プロセッサ200はステップS321に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS330に進む。
【0130】
ステップS321では、プロセッサ200は、移動端末UEによって報告されると共に、ステップS310を参照しながら開示されたようなリロケーション要求メッセージに含まれるトラッキングエリアのリストを読み取る。プロセッサ200は、読み取られたリストを、データベースDB205に記憶する。
【0131】
ステップS322では、プロセッサ200は、移動端末UEによって報告されるトラッキングエリアTAの識別子(ステップS321において記憶されたもの)を用いて、移動端末UEに割り当てるためのトラッキングエリアのリスト、すなわち移動端末UEの仮想ロケーションエリアを決定する。
【0132】
移動端末UEに割り当てるためのトラッキングエリアのリストは、ステップS304において開示されるような遷移に関する統計値から決定され、その移動管理エンティティMMEのセルプールに属するトラッキングエリアTAだけを含む。
【0133】
移動端末UEに割り当てるためのトラッキングエリアのリストは、次の統計値から決定される。すなわち、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループと、その移動管理エンティティMMEのセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値、又は、移動端末UEが位置するセルを含むセルグループを経由して、移動端末UEによって報告されるトラッキングエリアのリストに含まれるセルグループと、その移動管理エンティティMMEのセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値である。
【0134】
例として、プロセッサ200は、移動端末UEがトラッキングエリアTAに入る確率が最も高いトラッキングエリアTAを選択する。
【0135】
次のステップS323では、プロセッサ200は、移動端末UEのための新たなS−TMSIを決定する。移動端末UEが、その移動管理エンティティMMEによって管理される限り、S−TMSIは移動端末UEのために決定される。
【0136】
次のステップS324では、プロセッサ200は、ステップS320において受信されたリロケーション要求メッセージを転送した移動管理エンティティMMEへのリロケーション応答メッセージの転送を指示する。
【0137】
リロケーション応答メッセージは、ステップS323において決定された新たなS−TMSIと、ステップS320において受信されたメッセージに含まれる古いS−TMSIと、ステップS322において移動端末UEに割り当てられたトラッキングエリアのリストとを含む。
【0138】
その後、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0139】
ステップS320において、プロセッサ200が、受信したメッセージがリロケーション要求メッセージでないものと判断する場合には、プロセッサ200はステップS330に進む。
【0140】
ステップS330では、プロセッサ200は、受信したメッセージがステップS324において先に開示されたようなリロケーション応答メッセージであるか否かを調べる。
【0141】
そのメッセージがリロケーション応答メッセージである場合には、プロセッサ200はステップS331に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0142】
ステップS331では、プロセッサ200は、リロケーション応答メッセージの内容(すなわち、移動端末UEに割り当てられる、新たなS−TMSI、古いS−TMSI及びトラッキングエリアのリスト)を読み取る。
【0143】
次のステップS332では、プロセッサ200は、ステップS330において受信されるメッセージにおいて指示される古いS−TMSIによって特定される移動端末UEのために、基地局BS(その識別子がステップS302において記憶されたもの)を経由しての、移動端末UEへのトラッキングエリア更新応答メッセージの転送を指示する。
【0144】
トラッキングエリア更新応答メッセージは、ステップS331において受信された移動端末UEに割り当てられた新たなS−TMSI及びトラッキングエリアのリストを含む。
【0145】
次のステップS333では、プロセッサ200は、移動端末UEに関連付けられるデータをデータベース205から削除する。
【0146】
各移動端末UEに関連付けられるデータは少なくとも、移動端末UEに割り当てられる仮想ロケーションエリアを含む。各移動端末UEに関連付けられるデータは、移動端末UEに割り当てられるS−TMSIも含む。各移動端末UEに関連付けられるデータは、移動端末UEのアクセス権、移動端末UEを認証するために用いられる認証鍵、暗号鍵、移動端末UEへサービス品質を提供するためのポリシー、移動端末UEにデータを送る役割を担うユーザプレーンエンティティのアドレス、等も含むことがある。
【0147】
その後、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0148】
図4は、本発明の第2の実現形態による各移動管理エンティティによって実行される第1のアルゴリズムを表している。
【0149】
より正確には、本アルゴリズムは、各移動管理エンティティMMEのプロセッサ200によって実行される。
【0150】
ステップS400〜S410は、図4のアルゴリズムのステップS300〜S310と同じであり、これ以上は説明されない。
【0151】
ステップS410が実行されると、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0152】
ステップS401において、プロセッサ200が、受信したメッセージがトラッキングエリア更新(TAU更新)要求メッセージでないと判断する場合には、プロセッサ200はステップS420に進む。
【0153】
ステップS420では、プロセッサ200は、受信したメッセージがステップS410において開示されたようなリロケーション要求メッセージであるか否かを調べる。
【0154】
そのメッセージがリロケーション要求メッセージである場合には、プロセッサ200はステップS421に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS430に進む。
【0155】
ステップS421では、プロセッサ200は、リロケーション要求メッセージに含まれる基地局BSの識別子を読み取る。
【0156】
次のステップS422では、プロセッサ200は、ステップS410を参照しながら開示されたように、リロケーション要求メッセージにおいて転送されるトラッキングエリアのリストを読み取る。
【0157】
ステップS423では、プロセッサ200は、ステップS322を参照しながら開示されたように、移動端末UEに割り当てるためのトラッキングエリアのリスト、すなわち、移動端末UEの仮想ロケーションエリアを決定する。
【0158】
次のステップS424では、プロセッサ200は、移動端末UEのための新たなS−TMSIを決定する。
【0159】
次のステップS425では、プロセッサ200は、ステップS420において受信されたリロケーション要求メッセージを転送した移動管理エンティティへのリロケーション応答メッセージの転送を指示する。
【0160】
リロケーション応答メッセージは、ステップS420において受信されるメッセージに含まれる古いS−TMSIを含む。
【0161】
次のステップS426では、プロセッサ200は、基地局(その識別子がリロケーション要求メッセージに含まれていたもの)を経由して、移動端末UEへのトラッキングエリア更新応答メッセージの転送を指示する。
【0162】
トラッキングエリア応答メッセージは、ステップS424において割り当てられる新たなS−TMSIと、移動端末UEに割り当てられるトラッキングエリアのリストとを含む。
【0163】
その後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0164】
ステップS420において、プロセッサ200が、受信したメッセージがリロケーション要求メッセージでないものと判断する場合には、プロセッサ200はステップS430に進む。
【0165】
ステップS430では、プロセッサ200は、受信したメッセージがステップS425において既に開示されたようなリロケーション応答メッセージであるか否かを調べる。
【0166】
そのメッセージがリロケーション応答メッセージである場合には、プロセッサ200はステップS431に進む。そうでない場合には、プロセッサ200はステップS300に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0167】
次のステップS431では、プロセッサ200は、ステップS430において受信されたメッセージに含まれる古いS−TMSIによって特定される移動端末UEに関連付けられるデータをデータベース205から削除する。
【0168】
その後、プロセッサ200はステップS400に戻り、新たなメッセージを受信するのを待つ。
【0169】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明が実施されるワイヤレスセルラ通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図2】本発明による移動管理エンティティのブロック図である。
【図3】本発明の第1の実現形態による各移動管理エンティティによって実行される第1のアルゴリズムを表す図である。
【図4】本発明の第2の実現形態による各移動管理エンティティによって実行される第1のアルゴリズムを表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線セルラ通信ネットワークにおいて判断する方法であって、
前記方法は、
第1のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスと、
第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスと
のうちのどちらのデバイスが、ある移動端末に関連付けられるデータを管理しなければならないかを判断する方法であって、
前記第2のセルプールは、前記第1のセルプールに属さないセルと、前記第1のセルプールに属するセルとから構成され、
前記第1のセルプールは、前記第2のセルプールに属さないセルと、前記第2のセルプールに属するセルとから構成され、
前記移動端末は前記第1のセルプール内に位置し、
前記第1のデバイスが前記移動端末に関連付けられるデータを管理している
方法において、
前記方法は、前記移動端末に関連付けられるデータを管理する前記第1のデバイスによって実行される、複数のステップとして、
‐前記第1のセルプールの1つのセル内に位置する前記移動端末から、第1のメッセージを受信するステップであって、前記第1のメッセージは、前記移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストを含む、第1のメッセージを受信するステップと、
‐前記移動端末が位置する前記セルが前記第2のセルプールに属するか否かを判断するステップと、
さらに、前記移動端末が位置する前記セルが前記第2のセルプールに属する場合には、
‐前記移動端末が前記第1のセルプールから出ようとしているか否か、且つ/又は、前記第2のセルプールから出ないことになるか否かを、前記移動端末がその中を移動してきた前記少なくとも1つのセルグループの第1のリストから、且つ、前記移動端末が位置する前記セルから、判断するステップと、
‐前記移動端末が前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、前記第2のセルプールから出ないことになる場合に、前記第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する前記第2のデバイスに、第2のメッセージを転送するステップであって、前記第2のメッセージは、前記第2のデバイスに前記移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する、第2のメッセージを転送するステップと、
を含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1のセルプール内のセルは複数のセルグループにグループ化され、
前記第2のセルプール内のセルは複数のセルグループにグループ化される
ことを特徴とし、かつ、
前記移動端末が前記第1のセルプールから出ようとしているか否か、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになるか否かの前記判断は、
前記移動端末が位置する前記セルを含むセルグループと、複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値、及び/又は、前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、前記第1のリストに含まれるセルグループと、複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値から実行される
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループと、前記第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は、
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、前記第1のリスト内に含まれる前記セルグループと、前記第2のセルプールに属さないセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合
には、前記移動端末は前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになる
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループと、前記第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、前記第1のメッセージに含まれる1つのセルグループと、前記第1のセルプールに属さない別のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合
には、前記移動端末は前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになる
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループと、
前記第1のセルプール及び前記第2のセルプールに属する別のセルグループであって、前記第1のセルプールに属さないセルグループに隣接する別のセルグループと
の間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合、又は、
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、
前記第1のメッセージ内に含まれる1つのセルグループと、
前記第1のセルプール及び前記第2のセルプールに属する別のセルグループであって、前記第1のセルプールに属さないセルグループに隣接する別のセルグループと
の間で移動端末が遷移することに関する少なくとも1つの統計値が高い場合
には、前記移動端末は前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになる
ことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループと、
前記第1のセルプール及び前記第2のセルプールに属する複数の他のセルグループであって、前記第2のセルプールに属さないセルグループに隣接する複数の他のセルグループと
の間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合、又は、
前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、
前記第1のメッセージ内に含まれる前記セルグループと、
前記第1のセルプール及び前記第2のセルプールに属する複数の他のセルグループであって、前記第2のセルプールに属さないセルグループに隣接する複数の他のセルグループと
の間で移動端末が遷移することに関する統計値が低い場合
には、前記移動端末は前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになる
ことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のデバイスに前記移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する、前記第2のメッセージは、
前記移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストと、前記移動端末が位置する前記セルを特定する情報とを含むか、又は、
前記移動端末が位置する前記セルを特定する情報を含む
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数の第2のデバイスが、前記第2のセルプール内の複数の移動端末の位置を管理することを特徴とし、かつ、
前記方法が、前記複数の第2のデバイスの中から1つの第2のデバイスを選択するさらなるステップであって、前記第2のデバイスに前記移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する前記メッセージが、前記第2のデバイスに転送される、そのような第2のデバイスを選択するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
‐第3のデバイスから第3のメッセージを受信するステップであって、前記第3のデバイスは、第3のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理し、前記第3のメッセージは、前記第1のデバイスに、別の第2の移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求し、
前記第3のメッセージは、前記別の移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第3のリストを含み、及び/又は、
前記第3のメッセージは、前記別の移動端末が位置するセルを特定する情報を含む、受信するステップと、
‐少なくとも前記第3のメッセージに含まれる情報から、前記別の移動端末に関連付けられるデータを入手するステップであって、
前記別の移動端末に関連付けられる前記データは少なくとも、前記第2の移動端末がその中を移動することが予想されるセルグループの第4のリストである、
入手するステップと、
‐前記移動端末がその中を移動することが予想されるセルグループの前記第4のリストを含む第4のメッセージを送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記セルグループの第4のリストは、前記別の移動端末が位置するセルを含むセルグループと、前記第1のセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値、又は前記移動端末が位置する前記セルを含む前記セルグループを経由して、前記第3のリストに含まれるセルグループと、前記第1のセルプールの複数の他のセルグループとの間で移動端末が遷移することに関する統計値から得られることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第3のメッセージは、前記別の移動端末が位置する前記セルを制御する基地局の識別子をさらに含むことを特徴とし、かつ、
前記第4のメッセージは、前記基地局のうち、前記識別子が前記メッセージに含まれる前記基地局を経由して送信されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第4のメッセージは、前記第3のデバイスを経由して送信されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記遷移に関する統計値は、移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの各受信リストから更新されることを特徴とする、請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
無線セルラ通信ネットワークにおいて判断する装置であって、
前記装置は、
第1のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第1のデバイスと、
第2のセルプール内に位置する複数の移動端末に関連付けられるデータを管理する第2のデバイスと
のうちのどちらのデバイスが、ある移動端末に関連付けられるデータを管理しなければならないかを判断する装置であって、
前記第2のセルプールは、前記第1のセルプールに属さないセルと、前記第1のセルプールに属するセルとから構成され、
前記第1のセルプールは、前記第2のセルプールに属さないセルと、前記第2のセルプールに属するセルとから構成され、
前記移動端末は前記第1のセルプール内に位置し、
前記第1のデバイスが、前記移動端末に関連付けられるデータを管理している
装置において、
前記装置は、前記移動端末に関連付けられるデータを管理する前記第1のデバイス内に収容され、
前記装置は、
前記第1のセルプールの1つのセル内に位置する移動端末から、第1のメッセージを受信する手段であって、前記第1のメッセージは、前記移動端末がその中を移動してきた少なくとも1つのセルグループの第1のリストを含む、第1のメッセージを受信する手段と、
‐前記移動端末が位置する前記セルが前記第2のセルプールに属するか否かを判断する手段と、
‐前記移動端末が位置する前記セルが前記第2のセルプールに属する場合に、前記移動端末が前記第1のセルプールから出ようとしているか否か、且つ/又は前記第2のセルプールから出ないことになるか否かを、前記移動端末がその中を移動してきた前記少なくとも1つのセルグループの第1のリストから、且つ、前記移動端末が位置する前記セルから、判断する手段と、
‐前記移動端末が前記第1のセルプールから出ようとしており、且つ/又は、前記第2のセルプールから出ないことになる場合に、前記第2のセルプール内に位置する複数の前記移動端末に関連付けられるデータを管理する前記第2のデバイスに、第2のメッセージを転送する手段であって、前記第2のメッセージは、前記第2のデバイスに、前記移動端末に関連付けられるデータを管理するように要求する、第2のメッセージを転送する手段と、
を備えることを特徴とする、装置。
【請求項15】
プログラム可能なデバイス内に直にロードすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラム可能なデバイス上で実行されるときに請求項1〜13のいずれか一項に記載のステップを実施するための命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−77386(P2009−77386A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−196355(P2008−196355)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】