説明

ねじ

【課題】機能性のみならず、装飾性を高めたねじを提供する。
【解決手段】雄ねじ10のフランジ12と一体的に緊締部14が形成され、この緊締部14に模様を付し、あるいは人工真珠20を埋め込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじに関し、特にスパナ、ドライバーやレンチによって回転させて物品を固定したり、位置決めしたりすることが可能なねじに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ねじは、雄ねじと雌ねじとを相互に螺合して物品を固定したり、あるいは位置決めしたりする。この場合、ねじは極めて機能的に構成されており、「締める」、「弛める」の2つの機能を達成するためにのみ用いられていることから、ねじのサイズ等を表示する部位があるにせよ、製品として何ら装飾が施されているものではない。その結果、機能面では十分な効果が得られるものの、例えば、製品紹介のパネルやタイルを直接固定しようとすると、かえってその固定部分が違和感を呈することになり、所望の効果を発揮させることが困難となる。
【0003】
一方、ねじを使わないでパネル等を固定しようとすると接着剤を使用するようになり、状況に応じてこの種のパネルやタイルを取り外そうとすることができなくなる。
【0004】
この観点から特許文献1はねじ本体に凹部を設け、この凹部に彩色を有する熱硬化性樹脂を注入した装飾ねじを提案している。
【0005】
【特許文献1】実開昭55−86111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この装飾ねじによれば単にエポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂を注入しただけであり、必ずしもパネルやタイル等の被固定物と対応させる装飾とはなり得ない。
【0007】
本発明は、前記の不都合に着目してなされたものであり、パネル、タイル等を容易に固定し、ねじそのものの装飾性によって観者に対して違和感なく十分に対応可能なねじを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、雄ねじと雌ねじとからなり、前記雄ねじの頭部に装飾部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明において、前記装飾部は雄ねじの頭部にあって緊締具が係合する部位を除いた部分であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、雄ねじ、特に雄ねじ頭部に装飾部が形成されているために、その装飾意匠を選択することによって、被固定物にマッチングしたねじを選ぶことができる。しかも、ねじであるために、被固定物の着脱が容易であり、さらにまた、取り扱いも簡便であるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るねじについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0012】
図1において、参照符号10は、雄ねじを示す。この雄ねじ10は雌ねじ、例えば、ナット11に螺合して図示しないパネルやタイルの四隅に形成された孔部に挿入され、当該パネル、タイル等を固定するために用いられる。
【0013】
雄ねじ10は、フランジ12と緊締部14とからなる。この実施の形態の場合、緊締部は平面六角形を呈し、この等角度で形成された六角形の部分にスパナを係合させてナットに対して螺回すれば、ナット11と雄ねじ10との間に介装されたパネルやタイルを固定することができる。
【0014】
この実施の形態では、特に緊締部14の頂面に、固定されるパネルの説明文や写真等に対応した模様16が施されたものを選択すればよい。タイルにおいても描出されている絵画等に対応した内容の模様が施されたものを選択すればよい。このため、パネルやタイルと全く違和感のないねじで固定されるために、展示品の観者に対するアピール度が一層向上する。
【0015】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るねじを示す。なお、図1と同一の構成要素に関しては、同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略し、以下同様とする。
【0016】
この第2の実施の形態では、緊締部14に凹部18を形成し、この凹部18に人工真珠20を嵌め込んでいる。これによって、ねじに対し一層の豪華さを強調して観者に訴えることができる。人工真珠20の固定に際しては、例えば、凹部18に予め接着剤を塗布しておき、人工真珠20を凹部18に固定すればよい。
【0017】
図3は、本発明の第3の実施の形態を示し、緊締部14が、球面状に膨出した雄ねじ10である。この場合、緊締部14の平面中央に十字の溝22が形成されており、この溝22に図示しないドライバーの先端を係合させて雄ねじ10を螺回せしめる。この場合、溝22の周囲に第1の実施の形態と同様にパネルやタイルに対応する模様24が付されている。従来技術に係る雄ねじに模様を付すだけで装飾性に優れたねじを得ることができる。
【0018】
図4は、本発明の第4の実施の形態を示し、この場合、緊締部14の中央に六角レンチを挿入するための六角形の溝30が形成されている。この溝30の周囲に模様32を施せばよい。この場合も、図1〜図3と同様に、展示品の説明に供されるパネルの説明内容、あるいは展示品そのものに対応する模様32を付せば、より一層観者に対するアピール度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のねじの第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
10…雄ねじ 11…ナット
12…フランジ 14…緊締部
16、24、32…模様 18…凹部
20…人工真珠 22、30…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ねじと雌ねじとからなり、前記雄ねじの頭部に装飾部が形成されていることを特徴とするねじ。
【請求項2】
請求項1記載のねじにおいて、前記装飾部は雄ねじの頭部にあって緊締具が係合する部位を除いた部分であることを特徴とするねじ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−278327(P2007−278327A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102295(P2006−102295)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(390026675)
【出願人】(506113004)