説明

はがき用模様紙

【課題】意匠性に優れるとともに、オフセット印刷適性を有するはがき用模様紙を提供する。
【解決手段】着色パルプと白色フロックを混抄することで着色された下地に白色フロックがランダムに散らばって模様が形成された模様紙において、密度を0.75〜0.85g/cm、王研式平滑度を20秒以上とし、白色フロックの含有率が1〜10質量%であり、白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計に対する白色顔料の比率を10〜80質量%とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は意匠性に優れたはがき用紙に関するものであり、さらに詳しくはオフセット印刷適性を備えたはがき用模様紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、お年玉付年賀はがきのバリエーションが増加し、薄く着色されたいろどり年賀や、ディズニーキャラクターが印刷されたキャラクター年賀等が発売され、好評を博している。郵政はがき(官製はがき)の原紙としては、宛名面に郵便番号欄、料額印面、お年玉抽選番号等のオフセット印刷を行うため、少なくとも片面にはオフセット印刷適性が求められる。
【0003】
一方、市場には様々な意匠性のある紙が流通しており、パンフレットやカタログ類、本のカバー、表紙、見返し、帯紙等の用途で広く使用されている。特にファンシーペーパー、あるいはファインペーパーと呼ばれる分野においては、紙に模様を施した模様紙が従来から広く流通しており、例えばあらかじめ着色した繊維を白色の紙料に混合して抄紙する方法は「毛染め」と呼ばれ、古くから知られている。また着色繊維以外の異物を混合する方法として、着色した米ヌカを混合する方法(特許文献1)、着色した水溶性高分子を混合する方法(特許文献2)、大豆蛋白等に染料を入れ酸等で凝集した染色フロックを混合する方法(特許文献3)、パピルスの蒸解パルプを混抄する方法(特許文献4)等が提案されている。さらに、抄紙機のインレットより上流部でパルプをフロック化できる物質を添加し、初期脱水時に染料溶液および/または顔料分散液を水面に散布する方法(特許文献5)、抄紙機のワイヤー上の湿紙またはスラリーに水溶性高分子とともに色料を供給し、スラリー中のカチオン性物質と反応させて部分的に着色する方法(特許文献6)等も提案されている。これらはいずれも淡色の下地に濃色の模様を形成する方法であるが、逆に濃色の下地に淡色の模様を形成する方法もあり、例えば白色パルプと白色顔料を凝集させた白色フロックを着色パルプと混抄した模様紙(例えばフェザーワルツ/王子特殊紙株式会社製)を挙げることができる。
【0004】
前記白色フロックと着色パルプを混抄した模様紙は、着色された下地に白色フロックが散らばり、あたかも花びらや雪が舞っているような模様が形成されたもので、その風合いから年賀はがき用紙として好適である。ところが、現状市場で入手できるものはオフセット印刷適性が不十分で、少量の印刷であれば問題はないが、郵政はがきのように大量印刷が必要な用途には不向きなものであり、これを改善しようとする試みもなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−78099
【特許文献2】特開昭63−219698
【特許文献3】特開昭63−295798
【特許文献4】特開平10−183489
【特許文献5】特開平8−74199
【特許文献6】特開平7−279100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、白色フロックを着色パルプと混抄した模様紙にオフセット印刷適性を付与することで、意匠性に優れたはがき用模様紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、前記課題について鋭意検討した結果、以下の発明によって目的を達成した。
(1)白色フロックを着色パルプと混抄することで着色された下地に白色フロックがランダムに散らばった模様が形成された模様紙であって、密度が0.75〜0.90g/cm、王研式平滑度が20秒以上であり、白色フロックの含有率が1〜10質量%であり、白色フロックが白色パルプと白色顔料を含み、かつ白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計質量における白色顔料の占有率が10〜80質量%であるはがき用模様紙。
(2)白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計質量における白色顔料の占有率が10〜40質量%である上記(1)に記載のはがき用模様紙。
(3)白色フロック中の白色パルプがLBKPである上記(1)または(2)に記載のはがき用模様紙。
(4)白色フロック中の白色顔料が二酸化チタンである上記(1)から(3)に記載のはがき用模様紙。
(5)白色フロックが白色パルプと白色顔料及びアニオン性水溶性高分子から成るスラリーに、カチオン性凝集剤を添加し凝集させたものである上記(1)から(4)に記載のはがき用模様紙。
(6)少なくとも片面にインク受容層が設けられた上記(1)から(5)に記載のはがき用模様紙。
【発明の効果】
【0008】
本発明のはがき用模様紙はその風合いから、年賀状等の挨拶状に好適である。また、オフセット印刷適性を備えるため、大量印刷が必要な郵政はがき用紙としても使用可能なものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のはがき用模様紙(以下、単に「模様紙」とも記す)は白色フロックと着色パルプを混抄することで着色された下地に白色フロックがランダムに散らばった模様が形成されたものであり、密度が0.75〜0.90g/cmである必要がある。密度が0.75g/cm未満では着色パルプ繊維間の結合が不十分で、オフセット印刷時にピッキングが起こり易くなるため好ましくない。一方、密度が0.90g/cmを超えるものを得ようとすると、白色フロックの透明化が多発するため好ましくない。なお、本発明における白色フロックとは、白色パルプと白色顔料を必須成分とした凝集体を指し、希釈して攪拌しても容易に解繊しないものを指す。一般にパルプ繊維は高濃度ではダマ状にフロックを形成するが、希釈攪拌すると解繊することがほとんどである。
【0010】
本発明の模様紙は王研式平滑度が20秒以上である必要がある。20秒未満では平滑性が悪いため印刷仕上がりが不十分である。平滑度の上限は特に設けないが、通常100秒以下である。
【0011】
本発明では、模様紙中の白色フロック含有率を1〜10質量%とする必要がある。白色フロックの含有率が1%未満では模様がまばらで風合いが劣る。10質量%を超えると逆に模様が多すぎて風合いに劣るばかりか、オフセット印刷時にピッキングが起こり易くなる。さらに好ましくは3〜7質量%である。
【0012】
本発明の模様紙における白色フロックは白色パルプと白色顔料を含むものである。白色パルプとしては、一般に当業界で使用される漂白された木材パルプや非木材パルプ、合成パルプ等が例示でき、白色度が70%以上のものが好ましく、さらに好ましくは白色度が80%以上である。中でもLBKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)またはNBKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)が安価で入手も容易であるため好ましいが、NBKPは繊維長が長く、巨大なフロックができやすい傾向にあるため、LBKPを用いるのが特に好ましい。白色パルプのフリーネスは特に限定するものではなく、CSF(カナディアンスタンダードフリーネス)が100〜750ml程度のものが使用できる。
【0013】
白色顔料としては、一般に当業界で使用される白色の顔料が広く使用でき、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等が例示できる。中でも白色度、不透明度が高い二酸化チタンが特に好ましい。
【0014】
本発明では、白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計質量における白色顔料の占有率を10〜80質量%とする必要がある。白色顔料占有率が10質量%未満では白色フロックの不透明度が低く、フロックの下にある着色パルプの影響で下地とのコントラストが不足し、模様が視認しにくくなるため好ましくない。一方、白色顔料占有率が80質量%を超えると、乾燥後のフロックに可撓性がないため割れたり、断裁時に粉落ちしやすくなるため好ましくない。また、白色顔料占有率が高くなるほどオフセット印刷時に白色フロックが抄き込まれた部分でピッキングが生じやすい傾向にある。以上の理由から、白色顔料占有率を10〜40質量%とするとさらに好ましい。
【0015】
本発明の白色フロックの調成方法は特に限定するものではなく、例えば白色パルプと白色顔料の混合スラリーに凝集剤を添加して凝集させる方法が例示できるが、より安定なフロックとするには、白色パルプと白色顔料とアニオン性水溶性高分子の混合スラリーにカチオン性凝集剤を添加して凝集させる方法が好ましい。
【0016】
アニオン性水溶性高分子成分としては、例えばCMC(カルボキシメチルセルロース)等のアニオン性セルロース誘導体、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉等のアニオン性澱粉誘導体、アニオン性PAM(ポリアクリルアミド)、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アニオン変性PVA(ポリビニルアルコール)等が例示できる。カチオン性凝集剤としては、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、カチオン性PAM、ポリエチレンイミン等が例示できる。これらの中でも、フロックの安定性や入手の容易さから、CMCと硫酸バンドの組合せが好ましい。
【0017】
アニオン性水溶性高分子およびカチオン性凝集剤の添加量は、選択するアニオン性水溶性高分子、カチオン性凝集剤の種類によって作用が異なるため一概には言えないが、通常、白色パルプと白色顔料の合計100質量部に対して、アニオン性水溶性高分子を10〜100質量部、カチオン性凝集剤を1〜50質量部添加すればよい。
【0018】
本発明の模様紙は、前記白色フロックと着色パルプの混合スラリーを抄造することで得られるが、あまりに巨大なフロックが抄き込まれると、カレンダーで潰されて透明化したり、ひどい場合は抄紙工程で脱落して穴になるため、着色パルプとの混合前、または混合後に巨大なフロックを除去することが好ましい。巨大なフロックを除去する方法としては、例えば開口径3mm程度の丸穴スクリーンを通す方法が挙げられる。なお、着色パルプは白色フロックとの混合前に、スクリーン、クリーナー等の精選工程を通過させておく必要がある。白色フロックとの混合後では、白色フロックが除去されてしまうからである。
【0019】
着色パルプとしては、自由に色を選定できることから、白色パルプを染料で染色したものが好ましい。着色パルプ用の白色パルプとしてはLBKPまたはNBKPが好適で、単独または混合して使用することも可能であり、フリーネスは300〜500mlCSF程度のものが好適である。染料の種類も特に限定せず、当業界で一般に使用される染料、有色顔料、定着剤等を組合せて使用できる。白色パルプの染色は白色フロックとの混合前であればいずれの工程で行ってもよく、あらかじめ染色された着色パルプシートを再離解して使用してもよい。着色パルプの色相が濃色になるほど白色フロックとのコントラストが得られ、模様の視認性は向上するが、郵便番号の読取等に支障をきたすため、実用可能な範囲で適宜調整する。
【0020】
本発明の模様紙を抄造する抄紙機は特に限定するものではなく、長網マシン、短網マシン、円網マシン、傾斜ワイヤーマシン等、公知の抄紙機が広く使用でき、オンマシンまたはオフマシンでカレンダー処理することで所望の密度、平滑度に調整される。白色フロックと着色パルプの混合スラリーには必要に応じて填料、内添紙力剤、サイズ剤、消泡剤、滑剤、歩留まり向上剤等の助剤を添加することももちろん可能である。
【0021】
本発明の模様紙は少なくとも片面(宛名面)に表面紙力剤を塗布することが好ましい。表面紙力剤を塗布する方法は特に限定せず、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キスコーター等の公知の塗布方式が例示でき、オンマシンまたはオフマシンのいずれでも構わない。表面紙力剤としては、当業界で一般に使用されるPVA、澱粉、PAM等が例示されるが、完全鹸化タイプのPVAが皮膜強度に優れるため特に好ましい。塗布量が少なすぎると表面強度の向上効果が不十分であり、多すぎるとインクの吸収が遅くなって裏移りが起こり易くなるため、片面当り0.5〜2.0g/m程度、さらに好ましくは0.7〜1.5g/mである。
【0022】
本発明の模様紙は、片面(通信面)にインクジェット用のインク受容層を設けるとさらに好ましい。インク受容層は特に限定するものではなく、公知のインク受容層が広く採用でき、例えば合成シリカ、PVA、カチオン樹脂等を水に混合分散した塗料を塗工したインク受容層を挙げることができる。塗工量は特に限定するものではないが、塗工量が少なすぎるとインクジェット適性の向上効果が不十分で、多すぎると模様が隠蔽されてしまうため、好ましくは1〜10g/m、さらに好ましくは3〜7g/mである。模様の透過性を重視するならば、透明樹脂による膨潤型インク受容層を設けてもよい。透明樹脂としては、ゼラチン、PVP(ポリビニルピロリドン)、PVA等が例示できる。
【0023】
インク受容層を設ける方法も特に限定するものではなく、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、ダイコーター、キャストコーター等、公知の塗工方式にて塗工する方法、フィルム化した樹脂を貼合する方法等が例示できる。塗工後、または貼合後にオンマシンまたはオフマシンでカレンダー処理して所望の密度、平滑度に調整することももちろん可能である。
【0024】
本発明の模様紙の片面(宛名面)に郵便番号欄等のオフセット印刷を行うが、模様紙の表裏で平滑性が異なる場合、平滑性が高い面に印刷する方が好ましい。ただし、片面にインク受容層を設けている場合は、インク受容層を設けていない面に印刷する。
【0025】
<実施例>
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例において配合、濃度等を示す数値はいずれも固形分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載のない限り、抄造した紙はJIS P8111に準じて調湿した後、測定およびテストに供した。まず、模様紙の評価方法を示す。
【0026】
<平滑度>
JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準拠して、模様紙の王研式平滑度を測定した。測定はフェルト面、ワイヤー面のそれぞれについて5点行い、5点の平均値の高いほうを平滑度とした。
【0027】
<印刷強度>
RIテスター(石川島産業機械製)を使用して、前記平滑度の高い面に印刷インキ(T&K/TOKA株式会社製)1.5ccをベタ刷りし、下記の基準で目視評価した。
◎:ピッキングが全くない。
○:ピッキングが僅かにあるが、実用上問題ない。
△:ピッキングがあり、汎用性に劣る。
×:ピッキングが多く、実用上問題がある。
【0028】
<インキ着肉性>
RIテスター(石川島産業機械製)を使用して、前記平滑度の高い面に印刷インキ(TKハイユニティ墨MZ/東洋インキ株式会社製)0.5ccをベタ刷りし、下記の基準で目視評価した。
◎:着肉ムラがなく良好である。
○:着肉ムラが僅かにあるが、実用上問題ない。
△:着肉ムラがあり、汎用性に劣る。
×:着肉ムラがひどく、実用上問題がある。
【0029】
<外観>
模様の視認性、数、フロックの透明化について、下記基準で目視評価した。
○:良好である。
△:やや不良である。
×:不良である。
【0030】
次に、実施例および比較例で使用した紙料の調成方法を示す。
<着色パルプの調成>
LBKP(白色度85%、フリーネス590mlCSF)を水に投入して離解し、叩解してフリーネスを400mlCSFに調整した。このパルプスラリーに、対絶乾パルプ100部に対して、染料としてバイオレットBBN(ランクセス株式会社製)、スカーレット4BS(東亜化成株式会社製)、イエローA(東亜化成株式会社製)をそれぞれ0.026部、0.0060部、0.0095部、紙力剤としてポリストロン1250(両性PAM/荒川化学工業製)を0.5部、サイズ剤としてサイズパインN−111(ロジンエマルションサイズ剤/荒川化学工業製)を0.25部、填料としてタルクを6部添加し、さらに硫酸バンドを0.16部(Al2O3換算として)添加して着色パルプスラリーを得た。
【0031】
<白色フロックの調成>
水にLBKP(白色度85%、フリーネス590mlCSF)、CMC(CMCダイセル1153/ダイセル化学工業株式会社製)を投入し、攪拌してCMCを溶解させた後、二酸化チタンを投入して攪拌し、混合スラリーを得た。この混合スラリーの固形分100部に対して硫酸バンド10部(Al2O3換算として)を添加して凝集させ、白色フロックスラリーA〜Eを得た。得られたスラリーを80メッシュの金網でろ過したところ、ろ液は無色透明でパルプ繊維も極少量しか観察されなかったため、白色フロック中のLBKPと二酸化チタンの比率はほぼ配合比率通りであると判断した。LBKP、CMC、二酸化チタンの固形分比率、および白色顔料占有率(白色パルプと白色顔料の合計質量に対する)を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
<実施例1>
着色パルプスラリーと白色フロックスラリーCを固形分で95:5の比率で混合し、長網多筒抄紙機で抄紙した。抄紙の際にはPVA(デンカポバールK−17FE/電気化学工業株式会社製)を乾燥後の付着量が両面合計で1.5g/mとなるようにサイズプレスで塗布し、オンマシンカレンダーで処理して調湿後の米坪190g/m、密度0.83g/cmの模様紙を得た。
【0034】
<実施例2>
白色フロックスラリーCの代わりに白色フロックBを使用した以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0035】
<実施例3>
白色フロックスラリーCの代わりに白色フロックDを使用した以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0036】
<比較例1>
白色フロックスラリーCの代わりに白色フロックAを使用した以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0037】
<比較例2>
白色フロックスラリーCの代わりに白色フロックEを使用した以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0038】
<比較例3>
着色パルプスラリーと白色フロックスラリーCの混合比率を99.5:0.5とした以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0039】
<比較例4>
着色パルプスラリーと白色フロックスラリーCの混合比率を85:15とした以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0040】
<比較例5>
カレンダー処理を強化して密度を0.95g/cmとした以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0041】
<比較例6>
カレンダー処理を軽減して密度を0.70g/cmとした以外は、実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0042】
<比較例7>
市販の模様紙(フェザーワルツさくら/王子特殊紙株式会社製)を評価に供した。
【産業上の利用可能性】
【0043】
実施例および比較例の模様紙の評価結果を表2に示す。本発明の模様紙は外観が良好でオフセット印刷適性を有するものであり、郵政はがき等の大量印刷用途にも使用可能なものであった。
【0044】
【表2】

【0045】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色フロックを着色パルプと混抄することで着色された下地に白色フロックがランダムに散らばった模様が形成された模様紙であって、密度が0.75〜0.90g/cm、王研式平滑度が20秒以上であり、白色フロックの含有率が1〜10質量%であり、白色フロックが白色パルプと白色顔料を含み、かつ白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計質量における白色顔料の占有率が10〜80質量%であることを特徴とするはがき用模様紙。
【請求項2】
白色フロック中の白色パルプと白色顔料の合計質量における白色顔料の占有率が10〜40質量%であることを特徴とする請求項1に記載のはがき用模様紙。
【請求項3】
白色フロック中の白色パルプがLBKPであることを特徴とする請求項1または2に記載のはがき用模様紙。
【請求項4】
白色フロック中の白色顔料が二酸化チタンであることを特徴とする請求項1から3に記載のはがき用模様紙。
【請求項5】
白色フロックが白色パルプと白色顔料及びアニオン性水溶性高分子から成るスラリーに、カチオン性凝集剤を添加し凝集させたものであることを特徴とする請求項1から4に記載のはがき用模様紙。
【請求項6】
少なくとも片面にインク受容層が設けられたことを特徴とする請求項1から5に記載のはがき用模様紙。

【公開番号】特開2010−281015(P2010−281015A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136351(P2009−136351)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000191320)王子特殊紙株式会社 (79)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】