ぶどう棚及びぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法
【課題】 長い距離を移動せずにぶどう樹の手入れや収穫等の作業が行えるぶどう棚を提供する。
【解決手段】 ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱2と、支柱2の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆3とからぶどう棚本体1を構成したもので、広い場所を必要とせずにぶどう栽培が行えるため、家庭等の庭でぶどうを栽培するのに最適であると共に、長い距離を移動せずにぶどう棚の内側及び外側から作業が行えるため、手入れ等の作業が容易となる。
【解決手段】 ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱2と、支柱2の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆3とからぶどう棚本体1を構成したもので、広い場所を必要とせずにぶどう栽培が行えるため、家庭等の庭でぶどうを栽培するのに最適であると共に、長い距離を移動せずにぶどう棚の内側及び外側から作業が行えるため、手入れ等の作業が容易となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手入れ作業が容易なぶどう棚及びぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用やワインの原料として栽培されているぶどうは蔓性植物であることから、従来ではぶどう棚を使用して栽培されている。
またぶどうを栽培するぶどう棚の条件としては、苗木の育成や手入れ、施肥が容易であること、栽培中のぶどう樹の特に葉全体に日光が満遍なく当ること、収穫が容易であること等があり、これら条件を満たすために種々のぶどう棚が提案され、また実用化されている。
例えば特許文献1に記載されたぶどう棚は、複数の支柱の上端にY字形の枝管を取り付け、枝管の方向に合せて支柱を直線的に配置した構造となっている。
そして支柱に沿って植えられた複数の主枝から延びた母枝をビニールシートの下面に沿って伸ばし、母枝から成育した新梢をビニールの傾斜面に沿って伸ばすようにしたもので、棚を構成するワイヤに新梢を支持させる作業が不要となるため、ぶどうの栽培作業が容易に行える等の効果を有する。
【0003】
また特許文献2に記載されたぶどう棚は、一直線状に配列した支柱の上部に、支柱の配列方向と直交する方向にフレームを複数段設け、かつ各支柱に設けられたフレームの両端間を線条材により互に連結してぶどう棚を構成したもので、主枝より分岐した母枝を線条材に固定すると共に、母枝より生じた新梢を各フレームの端部に架け渡された線条材に固定することにより、ぶどう房を発生する新梢が大量かつ相互間に間隔を保持して発生しやすくなるため、高品位のぶどうが大量に収穫できる等の効果が得られる。
【特許文献1】特開平9−94032号公報
【特許文献2】特開平5−65128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし前記特許文献1及び2に記載されたぶどう棚は、何れも複数の支柱が一直線状に配列された構成のため、沢山のぶどう樹を栽培する場合、配列された支柱の距離が長くなって、ぶどうを栽培するのに広い場所を必要とする問題がある。
またぶどうの栽培に当っては、主幹より分岐させた主枝の誘引、主枝より伸びた亜主枝や母枝の誘引、不要な亜主枝や母枝、新梢の剪定、農薬の散布や摘房、ぶどうの収穫等の多くの作業を必要とするが、ぶどう棚の表側で作業していた作業者が裏側へ回って再び作業するような場合、前記特許文献1や2のぶどう棚のように棚の全長が長くなると、ぶどう棚の端を迂回してぶどう棚の裏側へ移動するのに時間がかかったり、作業者が長い距離距離移動しなければならないため、作業能率が悪い上、作業者が早期に疲労する等の問題がある。
本発明はかかる問題を改善するためになされたもので、長い距離を移動せずにぶどう樹の手入れや収穫等の作業が行えるぶどう棚及びぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のぶどう棚は、ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからぶどう棚本体を構成したものである。
【0006】
前記構成により、広い場所を必要とせずにぶどう栽培が行えるため、家庭の庭や菜園等でぶどうを栽培するのに最適な上、ぶどう棚本体の組み立て作業に熟練を必要としないため、簡単かつ短時間で組み立てることができると共に、構造が簡単なため、ぶどう棚を安価に提供することもできる。
またぶどう棚本体が環状に形成されているため、支柱間を潜ってぶどう棚の内側及び外側から作業が行えるため、従来の支柱が一直線状に配置されたぶどう棚に比べて作業のために移動する距離と作業時間の大幅な短縮が図れると共に、ぶどう棚本体の上面が開放されているため腰をかがめて作業する必要がないことから、作業者が早期に疲労することもない。
さらに支柱と横杆を分解した状態で製作し、現地で組み立てる方式を採用したことによりコンパクトに梱包することができるため、輸送や保管に要する費用の削減も図れる。
【0007】
本発明のぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法は、ぶどう棚を使用してぶどうを栽培するぶどうの栽培方法であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからなるぶどう棚本体の内側または外側にぶどう樹の幼木を植生し、幼木の主幹から伸びた新梢を主枝として各横杆に沿ってほぼ円形に誘引し、主枝から伸びた新梢を適当な間隔で剪定して、その際残した新梢を亜主枝として支柱に沿って上方へ誘引すると共に、その年の秋口に亜主枝の伸びが止まったら、亜主枝の基部に1芽残して亜主枝を剪定し、次年度は亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させ、次年度の秋口亜主枝の伸びが止まったら、亜主枝の基部に1芽残して亜主枝を再び剪定し、次々年度は亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させて、この亜主枝より生じた結果母枝にぶどうを結実させ、以後前記作業を毎年繰り返すことにより、ぶどう樹の樹形形成とぶどうの収穫を行うようにしたものである。
【0008】
前記方法により、ぶどう棚本体の外側と内側の両側からこれら作業が行える上、支柱間を潜ってぶどう棚本体の内側または外側へ移動しながら作業を行うことができるため、従来の支柱を一直線状に配列したぶどう棚を手入れする場合に比べて作業者が作業のために移動する距離と時間を大幅に短縮することができる。
またほぼ円筒形のぶどう棚本体に沿って樹形を形成したことにより、手入れ等の作業が容易なため手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫できると共に、収穫量の増大も図れるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のぶどう棚によれば、ぶどう棚本体の組み立て作業に熟練を必要としないため、庭や空き地等の栽培場所において簡単に組み立てることができる。
また本発明のぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法によれば、ほぼ円筒形のぶどう棚本体に沿って樹形を形成したことにより、手入れ等の作業が容易なため手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫できると共に、収穫量の増大も図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はぶどう棚の斜視図、図2はぶどう棚を構成する支柱と横杆を連結する連結手段の正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4ないし図11はぶどうの栽培方法を示す説明図である。
図1に示すぶどう棚本体1は、下端部が地中に埋設された複数の支柱2と、各支柱2間にほぼ水平に掛け渡された複数段、例えば5段の横杆3とからなり、何れも塩化ビニールパイプのような樹脂管や、金属管の表面を樹脂フィルムで被覆した管材等により形成されている。
【0011】
各支柱2は、例えば直径は3m程度、各支柱2の間隔が40〜50cmとなるよう環状に植設されており、台風等によって破損したり倒壊しないように、上部側へ漸次小径となるテーパ状に形成されているが、勿論上部と下部の直径がほぼ等しい円筒状に形成してもよい。
各支柱2の間にほぼ水平に掛け渡された横杆3は、支柱2の下段側が大径で、かつ上段に行くに従い漸次小径となる環状に形成されていて、両端部が図2に示すように継手4により互に連結されている。
最下段に設けられた横杆3は、地表よりほぼ10cmほどの高さで各支柱2に固定されていて、ぶどう樹が大きくなって大きな荷重がぶどう棚本体1に作用した場合にぶどう棚本体1が沈下しても最下段の横杆3が接地することにより、それ以上ぶどう棚本体1が沈下するのを防止するようになっている。
最下段の横杆3から2段目の横杆3までの高さは30cm程度に、そして2段目から上段までの横杆3の間隔は、40〜60cm程度に設定されており、これによって支柱2に横杆3を4段設けた場合、ぶどう棚の全高が地表より1.6〜2.2m程度となるため、作業者が立って作業するのに丁度よい高さとなる。
【0012】
また各支柱2と横杆3の交差部は、連結手段5により互に連結されていると共に、各支柱2の上端は、上段の横杆3より上方へ20cm程度突出されて、連結手段5が支柱2の上端に係止しやすいようになっている。
連結手段5は、全体がピアノ線のような高い弾性を有する鋼線等の線条材により形成されていて、図2及び図3に示すように上部に支柱2の外周面に嵌合するほぼ逆U字形の湾曲部5aが形成され、湾曲部5aの下部側には、横杆3の外周をほぼ半周に渡って抱え込む一対の円弧状部5bが形成されている。
円弧状部5bの下部は2本の直線部5cに連設されていて、一方の直線部5cの下端に支柱2の外周を半周する湾曲部5dが形成されている。
下側の湾曲部5dの先端にはフック5eが形成されていて、このフック5eを他方の直線部5cの下端に形成された係止環5fに引掛けることにより、支柱2と横杆3が互に連結できるようになっている。
【0013】
次に前記構成されたぶどう棚の組み立て方法と、ぶどう棚を使用したぶどう栽培の方法を説明する。
ぶどう棚本体1は、直線状の支柱2と、環状の横杆3を別個に製作し、ぶどうの栽培場所で組み立てるが、直径がほぼ3mもある横杆3は輸送や保管に不便なため、予め複数分割して製作し、栽培場所で継手4を使用して環状に連結するようになっている。
ぶどう棚本体1を組み立てるに当っては、ぶどう樹を植える場所を中心にして直径がほぼ3mの円を地面に描き、この円に沿って40〜50cmの間隔で支柱2を植設するが、ぶどう棚本体1を図1に示すようにテーパ状に組み立てる場合は、各支柱2の上端側を内側へやや傾斜させる。
【0014】
次に予め環状に組み立てた横杆3を、各支柱2の上端側から支柱2の外周面に沿って装着したら、1段目の横杆3は地表よりほぼ10cmの高さとなるように支柱2に仮止めし、2段目の横杆3は、1段目より例えば30cm上方に仮止めした状態で、連結手段5を使用して各支柱2に対しほぼ水平となるように1段目と2段目の横杆3を図2及び図3に示すように固定する。
1、2段目の横杆3を全支柱2に固定したら、以下前記と同様な手順で3段目から5段目の横杆3も次々と各支柱2に固定して、図1に示すようなぶどう棚本体1を組み立てる。
ぶどう棚本体1の組み立てが完了したら、ぶどう棚本体1のほぼ中心に図4に示すようにぶどう樹の幼木を植え込み、ぶどう樹の育成を開始する。
【0015】
幼木の主幹6の高さがある程度、例えば40cm程度になったら、主幹6の上部より伸びた新梢を主枝6aとして2本残し、その他の新梢は剪定する。
そして1年目は図4に示すように2本の主枝6aを反対方向へ水平に伸ばして、ぶどう棚本体1の2段目の横杆3へとぶどう棚本体1の外側から誘引するが、主枝6aが横杆3に達するまでは、補助棒等を使用して、主枝6aが途中で折れたりしないように養生し、主枝6aの先端が2段目の横杆3に達したら、紐状物よりなる結束手段7により横杆3や支柱2に固定する。
また主枝6aをぶどう棚本体1の外側から横杆3へ誘引することにより、主枝6aの荷重が横杆3により支持されるため、結束手段7に作用する主枝6aの荷重が軽減でき、これによって経年変化により結束手段7が劣化しても、主枝6aが垂れ下がるのを防止することができる。
【0016】
1年で図5に示すようにぶどう棚本体1をほぼ半週した主枝6aからは新梢の芽が多数発芽するので、亜主枝6bとして残したい芽だけをほぼ50cm間隔となるように残して、その他の芽はかき取り(芽かき)、主幹6より吸い上げられた養分が主枝6aと残した亜支枝6bへ集中的に行き渡るようにすることにより、図6に示すように主枝6a及び亜主枝6bを成長させる。
また支柱2に沿って上方へ伸びた亜主枝6bは、強風等によって折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6bより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理する。
その年の秋口になって亜主枝6bの成長が止まったら、図7に示すように亜主枝6bの基部から発芽した芽6cを1つ残してほぼ5cm程度となるよう亜主枝6bを×印の個所で切り戻し、1年目の作業を終了する。
【0017】
次年度(2年目)の春になると、前年亜主枝6bの基部に残した芽6cが成長を開始するので、この芽を再び亜主枝6dとして支柱2に沿って上方へ誘引し、1年目と同様に図8に示すように成長させると共に、強風等によって亜主枝6dが折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6dより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理するが、2年目に成長した亜主枝6bからでた新芽の一部、例えば2芽くらいを残して結果母枝6gとすれば、2年目からでもぶどうを収穫することができるが、まだ主幹6や主枝6aが若く、品質や収穫量は期待できない。
そして次年度の秋口になって亜主枝6dの成長が止まったら、図9に示すように亜主枝6dの基部から発芽した芽6eを1つ残して全長がほぼ5cm程度となるよう亜主枝6dを×印の個所で切り戻し、次年度(2年目)の作業を終了する。
【0018】
次々年度(3年目)の春になると、前年亜主枝6dの基部に残した芽6eが成長を開始するので、この芽を再び亜主枝6fとして支柱2に沿って上方へ誘引し、1年目、2年目と同様に図10に示すように成長させると共に、強風等によって亜主枝6fが折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6fより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理する。
また3年目になると主幹6や主枝2bが充実し、主枝6bから伸びた亜主枝6fの勢力も十分となるので、亜主枝6fからでた新芽の一部を残して結果母枝6gとし、残りの新芽は芽かきをして結果母枝6gに十分養分が行くようにすると共に、図10に示すように亜主枝6fの先端が最上段の横杆3に達したら、亜主枝6gの先端を×印の個所で剪定する。
【0019】
一方結果母枝6gに残した結果枝6hについた花房は、開花時期になると開花し、その後結実するが、この間に亜主枝6fより伸びた新梢や、結果母枝6gより伸びた副梢をかき取って、養分が無駄に消費されるのを防止したり、必要に応じて人口受粉やジベレリン処理を行う。
【0020】
以上はぶどう棚本体1のほぼ中心にぶどう樹の苗木を植えてから、ぶどう棚本体1の支柱2及び横杆3に沿って樹形を形成するまでの作業であるが、樹形が形成されるまでの期間は、不要な主枝6aや亜主枝6b,6d,6f、結果母枝6gの剪定作業、施肥や農薬の散布、摘房等の作業を行う必要がある。
これら作業の際作業者は、支柱2間を潜ってぶどう棚本体1の外側から内側へ、またその逆に移動しながら作業を行うことになるが、ぶどう棚本体1が環状に形成されているため、ぶどう棚本体1の外側と内側の両側からこれら作業が行える上、ぶどう棚本体1の内側または外側を移動しながら作業を行うことができるため、従来の支柱を一直線状に配列したぶどう棚の端部を回ってぶどう棚の外側から内側へ、またその逆に移動しながら作業を行う場合に比べて作業者が作業のために移動する距離を大幅に短縮することができる。
これによって作業時間の短縮が図れるため、作業能率が格段に向上すると共に、作業をする高さがで2m程度である上、ぶどう棚本体1の上面が開放されていて、腰をかがめて作業する必要がないため、作業者が早期に疲労することもない。
【0021】
以上のようにして手入れをしたぶどう樹は、ほぼ3年後に結果母枝6gより伸びた結果枝6hにぶどうの果房が形成されるため、果房が成熟して収穫期になったら収穫を行うが、ぶどう棚本体1に沿って樹形が形成されたぶどう樹は、前述したように作業が容易なことから手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫でき、また収穫量の増大が図れるようになる。
また3年目でぶどうを収穫した秋には、ぶどうを収穫した結果母枝6gがついた亜主枝6fを剪定して次の年の準備に入るが、亜主枝6fを全て剪定してしまうと、次の年は収穫ができなくなるので、図11に示すように例えば1本置きに亜主枝6gを基部から選定し、残りの亜主枝6gは1芽残してほぼ5cm程度となるよう亜主枝6gを切り戻す。
これによって4年目は、亜主枝6gに残した芽6jが成長して亜主枝6となり、この亜主枝により伸びた新梢が結果母枝となってぶどうの収穫が可能になるが、収穫量は半減する。
収穫を1年休む場合は、亜主枝6gの全てを基部から剪定し、次の年に主枝6bから発芽した新梢を成長させて亜主枝とすることにより、次々年度から再びぶどうの収穫が行えるようになる。
【0022】
なお前記実施の形態では、ぶどう棚本体1のほぼ中心に植えた幼木の主幹6から反対方向に2本の主枝6bを伸ばしてぶどう棚本体1へ誘引したが、主幹6から1本または3本以上の主枝6bを伸ばしてぶどう棚本体1へ誘引するようにしてもよい。
さらに前記実施の形態では、ぶどう棚本体1のほぼ中心にぶどう樹を1本植えて栽培する場合について説明したが、ぶどう棚本体1の支柱2近傍に、支柱2に沿って1本もしくは複数本のぶどう樹を植えた状態で、前記の栽培方法により栽培するようにしても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態になるぶどう棚の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態になるぶどう棚の接続金具を示す拡大正面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の展開説明図である。
【図7】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の展開説明図である。
【図8】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次年度の展開説明図である。
【図9】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次年度の展開説明図である。
【図10】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次々年度の展開説明図である。
【図11】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次々年度の展開説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ぶどう棚本体
2 支柱
3 横杆
4 継手
5 連結手段
6 ぶどう樹の主幹
6a 主枝
6b 亜主枝
6c 芽
6d 亜主枝
6e 芽
6f 亜主枝
6g 結果母枝
6h 結果枝
【技術分野】
【0001】
本発明は、手入れ作業が容易なぶどう棚及びぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食用やワインの原料として栽培されているぶどうは蔓性植物であることから、従来ではぶどう棚を使用して栽培されている。
またぶどうを栽培するぶどう棚の条件としては、苗木の育成や手入れ、施肥が容易であること、栽培中のぶどう樹の特に葉全体に日光が満遍なく当ること、収穫が容易であること等があり、これら条件を満たすために種々のぶどう棚が提案され、また実用化されている。
例えば特許文献1に記載されたぶどう棚は、複数の支柱の上端にY字形の枝管を取り付け、枝管の方向に合せて支柱を直線的に配置した構造となっている。
そして支柱に沿って植えられた複数の主枝から延びた母枝をビニールシートの下面に沿って伸ばし、母枝から成育した新梢をビニールの傾斜面に沿って伸ばすようにしたもので、棚を構成するワイヤに新梢を支持させる作業が不要となるため、ぶどうの栽培作業が容易に行える等の効果を有する。
【0003】
また特許文献2に記載されたぶどう棚は、一直線状に配列した支柱の上部に、支柱の配列方向と直交する方向にフレームを複数段設け、かつ各支柱に設けられたフレームの両端間を線条材により互に連結してぶどう棚を構成したもので、主枝より分岐した母枝を線条材に固定すると共に、母枝より生じた新梢を各フレームの端部に架け渡された線条材に固定することにより、ぶどう房を発生する新梢が大量かつ相互間に間隔を保持して発生しやすくなるため、高品位のぶどうが大量に収穫できる等の効果が得られる。
【特許文献1】特開平9−94032号公報
【特許文献2】特開平5−65128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし前記特許文献1及び2に記載されたぶどう棚は、何れも複数の支柱が一直線状に配列された構成のため、沢山のぶどう樹を栽培する場合、配列された支柱の距離が長くなって、ぶどうを栽培するのに広い場所を必要とする問題がある。
またぶどうの栽培に当っては、主幹より分岐させた主枝の誘引、主枝より伸びた亜主枝や母枝の誘引、不要な亜主枝や母枝、新梢の剪定、農薬の散布や摘房、ぶどうの収穫等の多くの作業を必要とするが、ぶどう棚の表側で作業していた作業者が裏側へ回って再び作業するような場合、前記特許文献1や2のぶどう棚のように棚の全長が長くなると、ぶどう棚の端を迂回してぶどう棚の裏側へ移動するのに時間がかかったり、作業者が長い距離距離移動しなければならないため、作業能率が悪い上、作業者が早期に疲労する等の問題がある。
本発明はかかる問題を改善するためになされたもので、長い距離を移動せずにぶどう樹の手入れや収穫等の作業が行えるぶどう棚及びぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のぶどう棚は、ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからぶどう棚本体を構成したものである。
【0006】
前記構成により、広い場所を必要とせずにぶどう栽培が行えるため、家庭の庭や菜園等でぶどうを栽培するのに最適な上、ぶどう棚本体の組み立て作業に熟練を必要としないため、簡単かつ短時間で組み立てることができると共に、構造が簡単なため、ぶどう棚を安価に提供することもできる。
またぶどう棚本体が環状に形成されているため、支柱間を潜ってぶどう棚の内側及び外側から作業が行えるため、従来の支柱が一直線状に配置されたぶどう棚に比べて作業のために移動する距離と作業時間の大幅な短縮が図れると共に、ぶどう棚本体の上面が開放されているため腰をかがめて作業する必要がないことから、作業者が早期に疲労することもない。
さらに支柱と横杆を分解した状態で製作し、現地で組み立てる方式を採用したことによりコンパクトに梱包することができるため、輸送や保管に要する費用の削減も図れる。
【0007】
本発明のぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法は、ぶどう棚を使用してぶどうを栽培するぶどうの栽培方法であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからなるぶどう棚本体の内側または外側にぶどう樹の幼木を植生し、幼木の主幹から伸びた新梢を主枝として各横杆に沿ってほぼ円形に誘引し、主枝から伸びた新梢を適当な間隔で剪定して、その際残した新梢を亜主枝として支柱に沿って上方へ誘引すると共に、その年の秋口に亜主枝の伸びが止まったら、亜主枝の基部に1芽残して亜主枝を剪定し、次年度は亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させ、次年度の秋口亜主枝の伸びが止まったら、亜主枝の基部に1芽残して亜主枝を再び剪定し、次々年度は亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させて、この亜主枝より生じた結果母枝にぶどうを結実させ、以後前記作業を毎年繰り返すことにより、ぶどう樹の樹形形成とぶどうの収穫を行うようにしたものである。
【0008】
前記方法により、ぶどう棚本体の外側と内側の両側からこれら作業が行える上、支柱間を潜ってぶどう棚本体の内側または外側へ移動しながら作業を行うことができるため、従来の支柱を一直線状に配列したぶどう棚を手入れする場合に比べて作業者が作業のために移動する距離と時間を大幅に短縮することができる。
またほぼ円筒形のぶどう棚本体に沿って樹形を形成したことにより、手入れ等の作業が容易なため手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫できると共に、収穫量の増大も図れるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のぶどう棚によれば、ぶどう棚本体の組み立て作業に熟練を必要としないため、庭や空き地等の栽培場所において簡単に組み立てることができる。
また本発明のぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法によれば、ほぼ円筒形のぶどう棚本体に沿って樹形を形成したことにより、手入れ等の作業が容易なため手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫できると共に、収穫量の増大も図れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はぶどう棚の斜視図、図2はぶどう棚を構成する支柱と横杆を連結する連結手段の正面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4ないし図11はぶどうの栽培方法を示す説明図である。
図1に示すぶどう棚本体1は、下端部が地中に埋設された複数の支柱2と、各支柱2間にほぼ水平に掛け渡された複数段、例えば5段の横杆3とからなり、何れも塩化ビニールパイプのような樹脂管や、金属管の表面を樹脂フィルムで被覆した管材等により形成されている。
【0011】
各支柱2は、例えば直径は3m程度、各支柱2の間隔が40〜50cmとなるよう環状に植設されており、台風等によって破損したり倒壊しないように、上部側へ漸次小径となるテーパ状に形成されているが、勿論上部と下部の直径がほぼ等しい円筒状に形成してもよい。
各支柱2の間にほぼ水平に掛け渡された横杆3は、支柱2の下段側が大径で、かつ上段に行くに従い漸次小径となる環状に形成されていて、両端部が図2に示すように継手4により互に連結されている。
最下段に設けられた横杆3は、地表よりほぼ10cmほどの高さで各支柱2に固定されていて、ぶどう樹が大きくなって大きな荷重がぶどう棚本体1に作用した場合にぶどう棚本体1が沈下しても最下段の横杆3が接地することにより、それ以上ぶどう棚本体1が沈下するのを防止するようになっている。
最下段の横杆3から2段目の横杆3までの高さは30cm程度に、そして2段目から上段までの横杆3の間隔は、40〜60cm程度に設定されており、これによって支柱2に横杆3を4段設けた場合、ぶどう棚の全高が地表より1.6〜2.2m程度となるため、作業者が立って作業するのに丁度よい高さとなる。
【0012】
また各支柱2と横杆3の交差部は、連結手段5により互に連結されていると共に、各支柱2の上端は、上段の横杆3より上方へ20cm程度突出されて、連結手段5が支柱2の上端に係止しやすいようになっている。
連結手段5は、全体がピアノ線のような高い弾性を有する鋼線等の線条材により形成されていて、図2及び図3に示すように上部に支柱2の外周面に嵌合するほぼ逆U字形の湾曲部5aが形成され、湾曲部5aの下部側には、横杆3の外周をほぼ半周に渡って抱え込む一対の円弧状部5bが形成されている。
円弧状部5bの下部は2本の直線部5cに連設されていて、一方の直線部5cの下端に支柱2の外周を半周する湾曲部5dが形成されている。
下側の湾曲部5dの先端にはフック5eが形成されていて、このフック5eを他方の直線部5cの下端に形成された係止環5fに引掛けることにより、支柱2と横杆3が互に連結できるようになっている。
【0013】
次に前記構成されたぶどう棚の組み立て方法と、ぶどう棚を使用したぶどう栽培の方法を説明する。
ぶどう棚本体1は、直線状の支柱2と、環状の横杆3を別個に製作し、ぶどうの栽培場所で組み立てるが、直径がほぼ3mもある横杆3は輸送や保管に不便なため、予め複数分割して製作し、栽培場所で継手4を使用して環状に連結するようになっている。
ぶどう棚本体1を組み立てるに当っては、ぶどう樹を植える場所を中心にして直径がほぼ3mの円を地面に描き、この円に沿って40〜50cmの間隔で支柱2を植設するが、ぶどう棚本体1を図1に示すようにテーパ状に組み立てる場合は、各支柱2の上端側を内側へやや傾斜させる。
【0014】
次に予め環状に組み立てた横杆3を、各支柱2の上端側から支柱2の外周面に沿って装着したら、1段目の横杆3は地表よりほぼ10cmの高さとなるように支柱2に仮止めし、2段目の横杆3は、1段目より例えば30cm上方に仮止めした状態で、連結手段5を使用して各支柱2に対しほぼ水平となるように1段目と2段目の横杆3を図2及び図3に示すように固定する。
1、2段目の横杆3を全支柱2に固定したら、以下前記と同様な手順で3段目から5段目の横杆3も次々と各支柱2に固定して、図1に示すようなぶどう棚本体1を組み立てる。
ぶどう棚本体1の組み立てが完了したら、ぶどう棚本体1のほぼ中心に図4に示すようにぶどう樹の幼木を植え込み、ぶどう樹の育成を開始する。
【0015】
幼木の主幹6の高さがある程度、例えば40cm程度になったら、主幹6の上部より伸びた新梢を主枝6aとして2本残し、その他の新梢は剪定する。
そして1年目は図4に示すように2本の主枝6aを反対方向へ水平に伸ばして、ぶどう棚本体1の2段目の横杆3へとぶどう棚本体1の外側から誘引するが、主枝6aが横杆3に達するまでは、補助棒等を使用して、主枝6aが途中で折れたりしないように養生し、主枝6aの先端が2段目の横杆3に達したら、紐状物よりなる結束手段7により横杆3や支柱2に固定する。
また主枝6aをぶどう棚本体1の外側から横杆3へ誘引することにより、主枝6aの荷重が横杆3により支持されるため、結束手段7に作用する主枝6aの荷重が軽減でき、これによって経年変化により結束手段7が劣化しても、主枝6aが垂れ下がるのを防止することができる。
【0016】
1年で図5に示すようにぶどう棚本体1をほぼ半週した主枝6aからは新梢の芽が多数発芽するので、亜主枝6bとして残したい芽だけをほぼ50cm間隔となるように残して、その他の芽はかき取り(芽かき)、主幹6より吸い上げられた養分が主枝6aと残した亜支枝6bへ集中的に行き渡るようにすることにより、図6に示すように主枝6a及び亜主枝6bを成長させる。
また支柱2に沿って上方へ伸びた亜主枝6bは、強風等によって折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6bより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理する。
その年の秋口になって亜主枝6bの成長が止まったら、図7に示すように亜主枝6bの基部から発芽した芽6cを1つ残してほぼ5cm程度となるよう亜主枝6bを×印の個所で切り戻し、1年目の作業を終了する。
【0017】
次年度(2年目)の春になると、前年亜主枝6bの基部に残した芽6cが成長を開始するので、この芽を再び亜主枝6dとして支柱2に沿って上方へ誘引し、1年目と同様に図8に示すように成長させると共に、強風等によって亜主枝6dが折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6dより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理するが、2年目に成長した亜主枝6bからでた新芽の一部、例えば2芽くらいを残して結果母枝6gとすれば、2年目からでもぶどうを収穫することができるが、まだ主幹6や主枝6aが若く、品質や収穫量は期待できない。
そして次年度の秋口になって亜主枝6dの成長が止まったら、図9に示すように亜主枝6dの基部から発芽した芽6eを1つ残して全長がほぼ5cm程度となるよう亜主枝6dを×印の個所で切り戻し、次年度(2年目)の作業を終了する。
【0018】
次々年度(3年目)の春になると、前年亜主枝6dの基部に残した芽6eが成長を開始するので、この芽を再び亜主枝6fとして支柱2に沿って上方へ誘引し、1年目、2年目と同様に図10に示すように成長させると共に、強風等によって亜主枝6fが折損しないように結束手段7により支柱2に固定し、亜主枝6fより発芽した新芽は適当な間隔で芽かきをして、脇枝が多数発生しないように管理する。
また3年目になると主幹6や主枝2bが充実し、主枝6bから伸びた亜主枝6fの勢力も十分となるので、亜主枝6fからでた新芽の一部を残して結果母枝6gとし、残りの新芽は芽かきをして結果母枝6gに十分養分が行くようにすると共に、図10に示すように亜主枝6fの先端が最上段の横杆3に達したら、亜主枝6gの先端を×印の個所で剪定する。
【0019】
一方結果母枝6gに残した結果枝6hについた花房は、開花時期になると開花し、その後結実するが、この間に亜主枝6fより伸びた新梢や、結果母枝6gより伸びた副梢をかき取って、養分が無駄に消費されるのを防止したり、必要に応じて人口受粉やジベレリン処理を行う。
【0020】
以上はぶどう棚本体1のほぼ中心にぶどう樹の苗木を植えてから、ぶどう棚本体1の支柱2及び横杆3に沿って樹形を形成するまでの作業であるが、樹形が形成されるまでの期間は、不要な主枝6aや亜主枝6b,6d,6f、結果母枝6gの剪定作業、施肥や農薬の散布、摘房等の作業を行う必要がある。
これら作業の際作業者は、支柱2間を潜ってぶどう棚本体1の外側から内側へ、またその逆に移動しながら作業を行うことになるが、ぶどう棚本体1が環状に形成されているため、ぶどう棚本体1の外側と内側の両側からこれら作業が行える上、ぶどう棚本体1の内側または外側を移動しながら作業を行うことができるため、従来の支柱を一直線状に配列したぶどう棚の端部を回ってぶどう棚の外側から内側へ、またその逆に移動しながら作業を行う場合に比べて作業者が作業のために移動する距離を大幅に短縮することができる。
これによって作業時間の短縮が図れるため、作業能率が格段に向上すると共に、作業をする高さがで2m程度である上、ぶどう棚本体1の上面が開放されていて、腰をかがめて作業する必要がないため、作業者が早期に疲労することもない。
【0021】
以上のようにして手入れをしたぶどう樹は、ほぼ3年後に結果母枝6gより伸びた結果枝6hにぶどうの果房が形成されるため、果房が成熟して収穫期になったら収穫を行うが、ぶどう棚本体1に沿って樹形が形成されたぶどう樹は、前述したように作業が容易なことから手入れが行き届く上、葉全体に満遍なく日光が当るため、品質の良好なぶどうが収穫でき、また収穫量の増大が図れるようになる。
また3年目でぶどうを収穫した秋には、ぶどうを収穫した結果母枝6gがついた亜主枝6fを剪定して次の年の準備に入るが、亜主枝6fを全て剪定してしまうと、次の年は収穫ができなくなるので、図11に示すように例えば1本置きに亜主枝6gを基部から選定し、残りの亜主枝6gは1芽残してほぼ5cm程度となるよう亜主枝6gを切り戻す。
これによって4年目は、亜主枝6gに残した芽6jが成長して亜主枝6となり、この亜主枝により伸びた新梢が結果母枝となってぶどうの収穫が可能になるが、収穫量は半減する。
収穫を1年休む場合は、亜主枝6gの全てを基部から剪定し、次の年に主枝6bから発芽した新梢を成長させて亜主枝とすることにより、次々年度から再びぶどうの収穫が行えるようになる。
【0022】
なお前記実施の形態では、ぶどう棚本体1のほぼ中心に植えた幼木の主幹6から反対方向に2本の主枝6bを伸ばしてぶどう棚本体1へ誘引したが、主幹6から1本または3本以上の主枝6bを伸ばしてぶどう棚本体1へ誘引するようにしてもよい。
さらに前記実施の形態では、ぶどう棚本体1のほぼ中心にぶどう樹を1本植えて栽培する場合について説明したが、ぶどう棚本体1の支柱2近傍に、支柱2に沿って1本もしくは複数本のぶどう樹を植えた状態で、前記の栽培方法により栽培するようにしても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態になるぶどう棚の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態になるぶどう棚の接続金具を示す拡大正面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の展開説明図である。
【図7】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す初年度の展開説明図である。
【図8】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次年度の展開説明図である。
【図9】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次年度の展開説明図である。
【図10】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次々年度の展開説明図である。
【図11】本発明の実施の形態になるぶどう棚を使用したぶどうの栽培方法を示す次々年度の展開説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ぶどう棚本体
2 支柱
3 横杆
4 継手
5 連結手段
6 ぶどう樹の主幹
6a 主枝
6b 亜主枝
6c 芽
6d 亜主枝
6e 芽
6f 亜主枝
6g 結果母枝
6h 結果枝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、前記支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからぶどう棚本体を構成したことを特徴とするぶどう棚。
【請求項2】
ぶどう棚を使用してぶどうを栽培するぶどうの栽培方法であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、前記支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからなるぶどう棚本体の内側または外側にぶどう樹の幼木を植生し、前記幼木の主幹から伸びた新梢を主枝として前記各横杆に沿ってほぼ円形に誘引し、前記主枝から伸びた新梢を適当な間隔で剪定して、その際残した新梢を亜主枝として前記支柱に沿って上方へ誘引すると共に、その年の秋口に前記亜主枝の伸びが止まったら、前記亜主枝の基部に1芽残して前記亜主枝を剪定し、次年度は前記亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させ、次年度の秋口前記亜主枝の伸びが止まったら、前記亜主枝の基部に1芽残して前記亜主枝を再び剪定し、次々年度は前記亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させて、この亜主枝より生じた結果母枝にぶどうを結実させ、以後前記作業を毎年繰り返すことにより、ぶどう樹の樹形形成とぶどうの収穫を行うことを特徴とするぶどうの栽培方法。
【請求項1】
ぶどうを栽培するためのぶどう棚であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、前記支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからぶどう棚本体を構成したことを特徴とするぶどう棚。
【請求項2】
ぶどう棚を使用してぶどうを栽培するぶどうの栽培方法であって、間隔を存して環状に立設された複数本の支柱と、前記支柱の間に上下複数段に亘ってほぼ水平に取り付けられた環状の横杆とからなるぶどう棚本体の内側または外側にぶどう樹の幼木を植生し、前記幼木の主幹から伸びた新梢を主枝として前記各横杆に沿ってほぼ円形に誘引し、前記主枝から伸びた新梢を適当な間隔で剪定して、その際残した新梢を亜主枝として前記支柱に沿って上方へ誘引すると共に、その年の秋口に前記亜主枝の伸びが止まったら、前記亜主枝の基部に1芽残して前記亜主枝を剪定し、次年度は前記亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させ、次年度の秋口前記亜主枝の伸びが止まったら、前記亜主枝の基部に1芽残して前記亜主枝を再び剪定し、次々年度は前記亜主枝の基部に残した芽を新たな亜主枝として成長させて、この亜主枝より生じた結果母枝にぶどうを結実させ、以後前記作業を毎年繰り返すことにより、ぶどう樹の樹形形成とぶどうの収穫を行うことを特徴とするぶどうの栽培方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−11296(P2009−11296A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185247(P2007−185247)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(507182885)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(507182885)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]