ぶれ補正装置及び撮像装置
【課題】 圧電素子の破損を防止する。
【解決手段】 撮像素子4aを光軸方向に直交2方向へ移動させる一対のアクチュエーター10、17に、固定部材5に固定された錘部材11と、伸縮方向における一端面が錘部材に固定された圧電素子12と、固定部材の軸支持孔7a、8aに支持され一端面13aが圧電素子の他端面12aに連結され圧電素子の伸縮に伴って移動される駆動軸13とを設け、磁力によって駆動軸を圧電素子側へ付勢して駆動軸の一端面を圧電素子の他端面に連結させる第1の磁性体14と第2の磁性体15を設け、第1の磁性体と第2の磁性体の一方を駆動軸に固定し他方を固定部材又は錘部材に固定した。
【解決手段】 撮像素子4aを光軸方向に直交2方向へ移動させる一対のアクチュエーター10、17に、固定部材5に固定された錘部材11と、伸縮方向における一端面が錘部材に固定された圧電素子12と、固定部材の軸支持孔7a、8aに支持され一端面13aが圧電素子の他端面12aに連結され圧電素子の伸縮に伴って移動される駆動軸13とを設け、磁力によって駆動軸を圧電素子側へ付勢して駆動軸の一端面を圧電素子の他端面に連結させる第1の磁性体14と第2の磁性体15を設け、第1の磁性体と第2の磁性体の一方を駆動軸に固定し他方を固定部材又は錘部材に固定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はぶれ補正装置及び撮像装置についての技術分野に関する。詳しくは、磁力によって駆動軸を圧電素子側へ付勢する第1の磁性体と第2の磁性体を設けて圧電素子の破損を防止する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれ補正を行うぶれ補正装置が設けられているものがある。
【0003】
このようなぶれ補正装置には、圧電素子を有する一対のアクチュエーターによってレンズ又は撮像素子が光軸方向に直交する第1の方向と第2の方向の2方向へ移動可能とされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたぶれ補正装置にあっては、アクチュエーターが錘部材と圧電素子と駆動軸によって構成され、圧電素子の一端面が錘部材に固定され圧電素子の他端面が駆動軸に固定され、錘部材が固定部材に固定され、駆動軸が一対の軸支持部に摺動自在に支持されている。圧電素子が印加された電圧に応じて伸縮されると圧電素子に固定された駆動軸が軸方向へ移動され、駆動軸の軸方向への移動に伴ってレンズ又は撮像素子が光軸方向に直交する第1の方向又は第2の方向へ移動されてぶれ補正が行われる。
【0005】
錘部材は接着剤によって固定部材に固定されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−81348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記のようなぶれ補正装置にあっては、アクチュエーターの固定部材等に対する組付時に圧電素子の伸縮方向に直交する方向から圧電素子や錘部材に外力が付与される可能性がある。このような外力が付与されると、アクチュエーターが圧電素子の伸縮方向に長く形成されているため、圧電素子が駆動軸に対して屈曲され、その屈曲状態によっては圧電素子が破損するおそれがある。
【0008】
また、アクチュエーターが固定部材等に組み付けられた状態において、例えば、撮像装置の落下等による振動や衝撃によりアクチュエーターに圧電素子の伸縮方向に直交する方向から外力が付与される場合がある。この場合に、駆動軸は軸支持部に支持されているため屈曲し難いが、圧電素子や錘部材に接着剤の変形許容量以上の力が付与されると、やはり圧電素子が駆動軸に対して屈曲されて破損する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明ぶれ補正装置及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、圧電素子の破損を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ぶれ補正装置は、上記した課題を解決するために、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されたものである。
【0011】
従って、ぶれ補正装置にあっては、一方が駆動軸に固定され他方が固定部材又は錘部材に固定された第1の磁性体と第2の磁性体によって駆動軸が圧電素子側へ付勢されて駆動軸の軸方向における一端面が圧電素子の伸縮方向における他端面に連結される。
【0012】
上記したぶれ補正装置においては、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0013】
第1の磁性体と第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、第1の磁性体が第2の磁性体側へ引き寄せられて駆動軸が圧電素子側へ付勢されるようにすることにより、マグネットの吸引力によって駆動軸が圧電素子に連結される。
【0014】
上記したぶれ補正装置においては、前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくすることが望ましい。
【0015】
圧電素子を第2の磁性体の挿通孔に挿通し、圧電素子の外径を挿通孔の径より小さくすることにより、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子が挿通孔において移動される。
【0016】
上記したぶれ補正装置においては、前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0017】
第1の磁性体と第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、第2の磁性体が第1の磁性体に対して圧電素子側へ反発されて駆動軸が圧電素子側へ付勢されるようにすることにより、マグネットの反発力によって駆動軸が圧電素子に連結される。
【0018】
上記したぶれ補正装置においては、前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0019】
錘部材に圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設けることにより、圧電素子の駆動軸に対する軸方向に直交する方向への変位が保護壁部によって周囲から覆われた状態で行われる。
【0020】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、前記ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されたものである。
【0021】
従って、撮像装置にあっては、一方が駆動軸に固定され他方が固定部材又は錘部材に固定された第1の磁性体と第2の磁性体によって駆動軸が圧電素子側へ付勢されて駆動軸の軸方向における一端面が圧電素子の伸縮方向における他端面に連結される。
【発明の効果】
【0022】
本発明ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されている。
【0023】
従って、圧電素子が駆動軸に対して屈曲されず、圧電素子の破損を防止することができる。
【0024】
請求項2に記載した発明にあっては、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0025】
従って、駆動軸が圧電素子側へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0026】
請求項3に記載した発明にあっては、前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくしている。
【0027】
従って、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子の傷付きや損傷を防止することができる。
【0028】
請求項4に記載した発明にあっては、前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0029】
従って、駆動軸が圧電素子側へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0030】
請求項5に記載した発明にあっては、前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0031】
従って、圧電素子が保護壁部によって周囲から覆われて保護されているため、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子の傷付きや損傷を防止することができる。
【0032】
本発明撮像装置は、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、前記ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されている。
【0033】
従って、圧電素子が駆動軸に対して屈曲されず、圧電素子の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明ぶれ補正装置及び撮像装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0035】
以下に示した最良の形態は、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用し、本発明ぶれ補正装置をこのデジタルスチルカメラに設けられたぶれ補正装置に適用したものである。
【0036】
尚、本発明撮像装置及びぶれ補正装置の適用範囲はそれぞれデジタルスチルカメラ及びデジタルスチルカメラに設けられたぶれ補正装置に限られることはない。本発明撮像装置及びぶれ補正装置は、例えば、ビデオカメラ、パーソナルコンピューター、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の各種の機器に組み込まれた撮像装置又はこれらの撮像装置に設けられたぶれ補正装置に広く適用することができる。
【0037】
以下の説明にあっては、デジタルスチルカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0038】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0039】
また、以下に示すレンズは、単一のレンズによって構成されているもの及び複数のレンズによりレンズ群として構成されているものの両者を含む意味である。
【0040】
[ぶれ補正装置]
以下に、ぶれ補正装置の実施の形態について説明する。
【0041】
ぶれ補正装置1は第1のベース板2と第1のスライダー3を有し、第1のベース板2と第1のスライダー3は光軸方向Sに離隔して配置されている(図1参照)。尚、図1は、撮像素子を光軸方向に直交する2方向へ移動させるぶれ補正装置の内部構成としての一例を示したものであり、光軸方向に直交する2方向へ移動させるぶれ補正装置は図1の構成に限られることはない。また、ぶれ補正装置は撮像素子を光軸方向に直交する2方向へ移動させる構成に限られることはなく、レンズが光軸方向に直交する2方向へ移動させる構成とされていてもよい。
【0042】
第1のスライダー3には基板4が配置され、該基板4の前方には図示しない複数のレンズが光軸方向に離隔して配置されている。基板4には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子4aが組み込まれている。
【0043】
第1のベース板2は固定されている。第1のベース板2には前後に貫通された光透過孔2aが形成されている。
第1のベース板2の後面には、例えば、下端部に固定部材5が取り付けられている。
【0044】
固定部材5は、図2及び図3に示すように、前後方向を向くベース部6と該ベース部6からそれぞれ後方へ突出された軸支持部7、8とベース部6からそれぞれ後方へ突出され各一端部が軸支持部8に連続された側面部9、9とから成る。軸支持部8と側面部9、9によって囲まれた空間は配置用空間5aとして形成されている。固定部材5はベース部6が第1のベース板2に取り付けられている。
【0045】
軸支持部7、8は左右に離隔して位置され、それぞれ軸支持孔7a、8aを有している。
【0046】
側面部9、9の内面側には、それぞれ軸支持部8寄りの位置に左方を向く段差面9a、9aが形成されている。
【0047】
固定部材5には第1のアクチュエーター10が配置されて保持される。第1のアクチュエーター10は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13とを有している。
【0048】
錘部材11は、例えば、ブロック状に形成されている。
【0049】
圧電素子12は角柱状に形成され電圧の印加状態によって軸方向に伸縮される。圧電素子12は軸方向における一端面が錘部材11に、例えば、接着によって固定されている。
【0050】
駆動軸13は圧電素子12より細径の丸軸状に形成されている。駆動軸13には後述する第2のスライダーが支持される。
【0051】
駆動軸13には軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定される。第1の磁性体14はマグネット又は金属等の磁性材料によって構成され、例えば、外形が円形の環状に形成され、駆動軸13に接着又は圧入によって外嵌状に固定されている。
【0052】
固定部材5の配置用空間5aには第2の磁性体15が配置されて固定される。第2の磁性体15はマグネット又は金属等の磁性材料によって構成され、第1の磁性体14と第2の磁性体15は少なくとも一方がマグネットによって構成されている。第2の磁性体15は、例えば、外形が矩形状に形成され、中心部に挿通孔15aを有し、該挿通孔15aの径が圧電素子12の外径より大きくされている。第2の磁性体15は配置用空間5aに挿入され一方の面の外周部が側面部9、9の段差面9a、9aに押し付けられて位置決めされ、接着又は圧入によって固定部材5に固定される。
【0053】
駆動軸13は軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定された状態において、配置用空間5a側から順に軸支持部8の軸挿通孔8aと軸支持部7の軸支持孔7aに挿通され、軸支持部7、8に軸方向へ摺動自在に支持される。駆動軸13が軸支持部7、8に支持された状態においては、第1の磁性体14が配置用空間5aにおける軸支持部8の近傍に位置される。
【0054】
圧電素子12及び錘部材11は固定部材5の配置用空間5aに挿入され、圧電素子12の軸方向における他端部が第2の磁性体15の挿通孔15aに挿通される。圧電素子12が挿通孔15aに挿通された状態においては、圧電素子12の外周面と第2の磁性体15の内周面との間に一定の隙間H1が形成される。錘部材11はベース部6及び側面部9、9に接着剤16、16、・・・によって固定される。
【0055】
圧電素子12及び錘部材11が配置用空間5aに配置され錘部材11が固定部材5に固定された状態において、第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられて駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結される。このとき固定部材5の軸支持部8と第2の磁性体15の間には、圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動したときに一体となって移動される第1の磁性体14の移動が軸支持部8と第2の磁性体15によって規制されない十分な距離H2が確保されている。
【0056】
第1のスライダー3の後面には、例えば、左端部に固定部材5が取り付けられている。第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5は、図2及び図3に示すように、ベース部が第1のスライダー3と共通化されていることを除いては第1のベース板2に取り付けられた固定部材5と構成が同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
固定部材5は軸支持部7、8が上下に離隔して位置する向きで第1のスライダー3に取り付けられている。
【0058】
第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5には第2のアクチュエーター17が配置されて保持される。第2のアクチュエーター17は第1のアクチュエーター10と構成が同じであるため、詳細な説明は省略するが、第1のアクチュエーター10と異なり駆動軸13の軸方向が上下方向となるように配置されている。
【0059】
第2のアクチュエーター17の駆動軸13には軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定され、第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5の配置用空間5aには第2の磁性体15が配置されて固定されている。
【0060】
第1のスライダー3の後側には第2のスライダー18が配置されている。第2のスライダー18はL字状に形成され、右端寄りの位置と上端寄りの位置にそれぞれ支持枠部18a、18bを有している。
【0061】
第2のスライダー18の前面には枠部18a、18bに対応する位置にそれぞれ支持体19、19が設けられている。支持体19、19にはそれぞれ左右又は上下に伸びるV字状の支持溝19a、19bが形成されている。
【0062】
支持体19、19には第1のアクチュエーター10と第2のアクチュエーター17の駆動軸13、13がそれぞれ支持溝19a、19bに押し付けられた状態で摺動自在に支持される。駆動軸13、13は図示しない押さえ部材と支持体19、19に挟み込まれた状態で支持され、押さえ部材は図示しないバネ部材によって支持体13、13側へ押し付けられている。押さえ部材は各一端部がそれぞれ枠部18a、18bに係合されて支持されている。
【0063】
以上のように構成されたぶれ補正装置1において、第1のアクチュエーター10の駆動により該第1のアクチュエーター10の圧電素子12が伸縮されると、該圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動される。
【0064】
このとき駆動軸13が緩やかに移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第2のスライダー18が一体となって移動され第1のスライダー3、該第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5、第2のスライダー18に支持された第2のアクチュエーター17及び第1のスライダー3に支持された基板4が図1に示すヨー方向(Y方向)へ移動される。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aがヨー方向へ移動される。
【0065】
また、駆動軸13が急峻に移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第2のスライダー18に滑りが生じ、駆動軸13のみが移動され第2のスライダー18は移動されない。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aも移動されない。
【0066】
このような駆動軸13の緩やかな移動と急峻な移動が連続して繰り返し行われることにより、撮像素子4aがぶれを補正する必要な位置までヨー方向へ移動される。
【0067】
一方、ぶれ補正装置1において、第2のアクチュエーター17の駆動により該第2のアクチュエーター17の圧電素子12が伸縮されると、該圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動される。
【0068】
このとき駆動軸13が緩やかに移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第1のスライダー3が一体となって移動され基板4が図1に示すピッチ方向(P方向)へ移動される。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aがピッチ方向へ移動される。このとき第2のスライダー18は第1のアクチュエーター10の左右に延びる駆動軸13が支持体19に支持されているため、P方向へ移動されない。
【0069】
また、駆動軸13が急峻に移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第1のスライダー3に滑りが生じ、駆動軸13のみが移動され第1のスライダー3は移動されない。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aも移動されない。このとき第2のスライダー18は第1のアクチュエーター10の左右に延びる駆動軸13が支持体19に支持されているため、P方向へ移動されない。
【0070】
このような駆動軸13の緩やかな移動と急峻な移動が連続して繰り返し行われることにより、撮像素子4aがぶれを補正する必要な位置までピッチ方向へ移動される。
【0071】
上記のような第1のアクチュエーター10及び第2のアクチュエーター17の固定部材5、5に対する組付時や第1のアクチュエーター10及び第2のアクチュエーター17の固定部材5、5に対する組付後には、各駆動軸13、13の軸方向に直交する方向から第1のアクチュエーター10又は第2のアクチュエーター17に外力が付与される可能性がある。
【0072】
このとき第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられ駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結されているため、付与された外力によって圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する(図4参照)。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。このとき圧電素子12及び錘部材11の駆動軸13に対する変位に伴って接着剤16、16、・・・が弾性変形される。
【0073】
第1のアクチュエーター10又は第2のアクチュエーター17に対する外力の付与が解除されると、圧電素子12及び錘部材11は接着剤16、16、・・・の弾性復帰により元の位置に戻る。
【0074】
また、万が一、外力によって駆動軸13が圧電素子12から軸方向へ離脱してしまった場合には、第1の磁性体14が固定部材5の軸支持部8に接触して駆動軸13の軸方向への移動が規制される(図5参照)。その後、第1の磁性体14が第2の磁性体15に磁力によって引き寄せられ駆動軸13が圧電素子12に再び連結される。
【0075】
上記したように、ぶれ補正装置1にあっては、第1の磁性体14を駆動軸13に固定し、第2の磁性体15を固定部材5に固定し、第1の磁性体14と第2の磁性体15の少なくとも一方をマグネットによって構成している。
【0076】
従って、駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子12の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0077】
また、第2の磁性体15の挿通孔15aの径を圧電素子12の外径より大きくして圧電素子12の外周面と第2の磁性体15の内周面との間に一定の隙間H1を形成している。従って、圧電素子12が駆動軸13に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子12の第2の磁性体15への接触を防止することが可能であり、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0078】
尚、第1の磁性体14又は第2の磁性体15に用いられる金属等の磁性材料はマグネットのように焼結によって形成されないため、一般に、高い加工精度を確保することが可能である。従って、第1の磁性体14と第2の磁性体15の一方をマグネットによって構成し他方を金属等の磁性材料によって構成する場合には、駆動軸13に固定される第1の磁性体14を金属等の磁性材料によって構成し、第1の磁性体14の駆動軸13に対する固定状態の安定化等を図ることが望ましい。
【0079】
上記には、第1のベース板2と第1のスライダー3にそれぞれ固定部材5、5が取り付けられた例を示したが、例えば、第1のベース板2と固定部材5が一体に形成されていてもよく、また、第1のスライダー3と固定部材5が一体に形成されていてもよい。
【0080】
また、上記には、接着剤16、16、・・・によって錘部材11が固定部材5に固定された例を示したが、錘部材の固定手段は接着剤に限られることはなく、例えば、以下のようにネジ部材を用いて錘部材を固定部材に固定することも可能である(図6参照)。
【0081】
錘部材11にはネジ挿通孔11aが形成されている。
【0082】
固定部材5のベース部6にはネジ挿入孔6aが形成されている。ベース部6には弾性変形可能な板状の緩衝体20が配置され、該緩衝体20には挿入孔20aが形成されている。
【0083】
錘部材11と緩衝体20の間には螺合部材21が配置される。螺合部材21は板状の基部22と該基部22の中央部から突出された円筒状のネジ挿通部23とから成り、該ネジ挿通部23の内面がネジ溝を有する螺合部23aとして形成されている。
【0084】
螺合部材21の基部22と緩衝体20が接着等により固定され、該緩衝体20がベース部6に接着等により固定される。螺合部材21のネジ挿通部23は緩衝体20の挿入孔20a及びベース部6のネジ挿入孔6aに挿入される。錘部材11のネジ挿通孔11aにはネジ部材24が挿入され、該ネジ部材24は螺合部材21の螺合部23aに螺合され、錘部材11が緩衝体20を介して固定部材5のベース部6に固定される。
【0085】
固定部材5に固定された錘部材11は緩衝体20の変形範囲内で変位可能とされる。
【0086】
<第1の変形例>
次に、第1の変形例について説明する(図7及び図8参照)。
【0087】
尚、以下に示す第1の変形例に係るアクチュエーター25は、上記した第1のアクチュエーター10(第2のアクチュエーター17)と比較して、第1の磁性体と第2の磁性体の構成が異なることのみが相違する。従って、以下の第1の変形例の説明においては、第1のアクチュエーター10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については第1のアクチュエーター10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0088】
固定部材5にはアクチュエーター25が配置されて保持される(図7参照)。アクチュエーター25は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13を有している。
【0089】
固定部材5の配置用空間5aには第1の磁性体26が配置されて固定される。第1の磁性体26はマグネットによって構成されている。第1の磁性体26は、例えば、外形が矩形状に形成され、中心部に挿通孔26aを有し、該挿通孔26aの径が駆動軸13の外径より大きくされている。第1の磁性体26は配置用空間5aに挿入され一方の面が軸支持部8に押し付けられて位置決めされ、接着又は圧入によって固定部材5に固定される。
【0090】
駆動軸13には軸方向における一端部に第2の磁性体27が固定される。第2の磁性体27はマグネットによって構成されている。第1の磁性体26と第2の磁性体27は互いに対向する面側の極性が同じにされており、第1の磁性体26と第2の磁性体27の間には反発力が生じるようにされている。第2の磁性体27は、例えば、リング状に形成され、駆動軸13に接着又は圧入によって外嵌状に固定されている。
【0091】
圧電素子12及び錘部材11が配置用空間5aに配置され錘部材11が固定部材5に固定された状態において、第1の磁性体26に対して第2の磁性体27が磁力によって反発されて駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結される。このとき第1の磁性体26と第2の磁性体27の間には、圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動したときに一体となって移動される第2の磁性体27の移動が第1の磁性体26によって規制されない十分な距離H3が確保されている。
【0092】
アクチュエーター25においては、第1の磁性体26に対して第2の磁性体27が磁力によって反発され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに連結されているため、圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する(図8参照)。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0093】
アクチュエーター25において、万が一、外力によって駆動軸13が圧電素子12から軸方向へ離脱してしまった場合には、第2の磁性体27が第1の磁性体26に接触して駆動軸13の軸方向への移動が規制される。その後、第2の磁性体27が第1の磁性体26に対して磁力によって反発され駆動軸13が圧電素子12に再び連結される。
【0094】
上記したように、アクチュエーター25にあっては、第2の磁性体27を駆動軸13に固定し、第1の磁性体26を固定部材5に固定し、第2の磁性体27と第1の磁性体26をマグネットによって構成している。
【0095】
従って、駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子12の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0096】
また、アクチュエーター25にあっては、第1の磁性体26の挿通孔26aに駆動軸13が挿通され圧電素子12の周囲に第1の磁性体26及び第2の磁性体27が存在しない。従って、外力によって圧電素子12が光軸方向へ直交する方向へ変位されたときに該圧電素子12が他の部材に接触することがなく、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0097】
<第2の変形例>
次に、第2の変形例について説明する(図9参照)。
【0098】
尚、以下に示す第2の変形例に係るアクチュエーター28は、上記した第1のアクチュエーター10(第2のアクチュエーター17)と比較して、第2の磁性体の位置が異なること及び錘部材の構成が異なることのみが相違する。従って、以下の第2の変形例の説明においては、第1のアクチュエーター10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については第1のアクチュエーター10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0099】
固定部材5にはアクチュエーター28が配置されて保持される。アクチュエーター28は錘部材11Aと圧電素子12と駆動軸13を有している。
【0100】
錘部材11Aには他端面から駆動軸13が位置する方向へ突出された保護壁部11b、11bが設けられ、該保護壁部11b、11bは周方向に離隔して位置されている。尚、保護壁部11bの数は周方向に離隔して位置されていれば任意であり、また、保護壁部11bは円筒状に形成されていてもよい。
【0101】
保護壁部11b、11bの内側には圧電素子12が配置されている。保護壁部11b、11bの先端面には第2の磁性体15が接着等により固定されている。
【0102】
アクチュエーター28においては、第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられ駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに連結されているため、圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0103】
また、圧電素子12が保護壁部11b、11bによって周囲から覆われて保護されているため、圧電素子12が駆動軸13に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子12の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0104】
<第3の変形例>
次に、第3の変形例について説明する(図10乃至図12参照)。
【0105】
尚、以下に示す第3の変形例は固定部材に関する変形例であり、この第3の変形例に係る固定部材5Aに配置されるアクチュエーターには第1の磁性体及び第2の磁性体が配置されない。従って、以下の第3の変形例の説明においては、固定部材5と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については固定部材5における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0106】
固定部材5Aにはアクチュエーター29が配置されて保持される。アクチュエーター29は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13とから成り、錘部材11と圧電素子12が固定され該圧電素子12と駆動軸13が固定されている。
【0107】
固定部材5Aの側面部9A、9Aは天面部30によって連結されている。天面部30は、例えば、側面部9A、9Aの一端部にベース部6と対向した状態で設けられている。従って、配置用空間5aにおける天面部30が設けられていない部分はベース部6と反対側が開放され、この開放された部分が開口部5bとして形成されている。
【0108】
尚、天面部30は側面部9A、9Aに一体に形成されていることが望ましい。天面部30を側面部9A、9Aに一体に形成することにより部品点数の削減を図ることができる。
【0109】
固定部材5Aの側面部9A、9Aは圧電素子12の側方及び錘部材11の側方に位置する部分9b、9b、9c、9cがそれぞれ圧電素子12及び錘部材11に近接して位置されている。
【0110】
上記のように固定部材5Aには天面部30が設けられているため、アクチュエーター29に駆動軸13の軸方向に直交する方向への外力が付与されたときに、圧電素子12又は錘部材11の変位がベース部6、側面部9A、9A及び天面部30によって規制され、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0111】
また、天面部30を設けることにより、錘部材11を天面部30にも接着することが可能となり、錘部材11の固定状態の安定化及び錘部材11の天面部30側への変位の規制を図ることができる。
【0112】
さらに、固定部材5Aには開口部5bが形成されているため、錘部材11を固定部材5Aに固定するための接着剤16、16、・・・を開口部5bから確認することができ、接着剤16、16、・・・による接着状態の確認を行うことができると共に接着忘れを防止することができる。
【0113】
尚、錘部材11とベース部6等の各部との間には接着剤16、16、・・・を塗布するための一定の隙間が必要であるが、以下に示す固定部材5Bのように、ベース部6B、側面部9B、9B及び天面部30Bの内面の一部に錘部材11側へそれぞれ突出する突部31、31、・・・を設けてもよい(図12参照)。
【0114】
突部31、31、・・・を設けることにより、接着剤16、16、・・・を塗布するための一定の隙間を確保した上で、ベース部6B、側面部9B、9B及び天面部30Bと錘部材11の距離を短縮することができる。従って、アクチュエーター29に駆動軸13の軸方向に直交する方向への外力が付与されたときに、圧電素子12又は錘部材11の変位が突部31、31、・・・によって規制され、圧電素子12の破損の防止効果を高めることができる。
【0115】
[撮像装置]
次に、ぶれ補正装置を備えた撮像装置の一例について説明する(図13参照)。
【0116】
撮像装置100は、カメラ本体部101と撮影レンズ部102とから成る。
【0117】
カメラ本体部101にはカメラブロック110が設けられている。
【0118】
カメラブロック110はぶれ補正装置111を有し、該ぶれ補正装置111は上記したぶれ補正装置1に相当する。ぶれ補正装置111は第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111b及び撮像素子111cを有している。
【0119】
第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bはそれぞれ上記した第1のアクチュエーター10、第2のアクチュエーター17に相当する。また、第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bは上記したアクチュエーター25、28、29の何れかであってもよい。
【0120】
撮像素子111cとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等が用いられており、撮影レンズ部102によって取り込まれた被写体の画像信号を光電変換して画像信号を生成する機能を有する。
【0121】
カメラブロック110にはアクチュエーター駆動部112が設けられ、該アクチュエーター駆動部112から送出される駆動信号によって第1のアクチュエーター111a及び第2のアクチュエーター111bが動作される。
【0122】
カメラブロック110には振動センサー113、撮像素子位置センサー114及びぶれ制御部115が設けられている。
【0123】
振動センサー113は、例えば、角速度測定センサーであり、手ぶれや像ぶれが生じたときのカメラ本体部101の角速度を検出し、測定した角速度を検出信号としてぶれ制御部115に送出する。
【0124】
撮像素子位置センサー114は撮像素子111cの位置に基づいてホール素子等によって磁束の変化を検出し、検出結果に基づいて生成した検出信号をぶれ制御部115に送出する。
【0125】
ぶれ制御部115は振動センサー113及び撮像素子位置センサー114から入力された検出信号に基づいて制御信号を生成しアクチュエーター駆動部112に送出する。
【0126】
カメラ本体部101にはカメラ制御部116が設けられている。カメラ制御部116は、CPU(Central Processing Unit)116a、ROM(Read Only Memory)116b及びRAM(Random Access Memory)116cを有している。
【0127】
CPU116aは撮像装置100の全体の制御を司り、例えば、ぶれ制御部115との間で信号の授受を行う。
【0128】
ROM116bには、CPU116aによって実行される種々のプログラムや各処理に必要となるデーター等が記憶されている。
【0129】
RAM116cは、主に、処理の途中結果を一時的に記憶する作業領域として用いられる。
【0130】
カメラ本体部101にはシャッター釦117、操作部118及び表示部119が設けられている。
【0131】
シャッター釦117が操作されることにより操作信号がカメラ制御部116に送出され、撮影レンズ部102によって被写体の画像信号が取り込まれる。
【0132】
操作部118は撮像装置100に設けられた各種のタッチパネルやコントロールキー等である。操作部118に対する操作が行われると、操作に応じた信号がCPU116aに入力され、入力された信号に基づいてCPU116aから各部に指令信号が送出される。
【0133】
表示部119は、例えば、液晶パネルであり、カメラ制御部116によって制御される。表示部119には画像データー等の各種の情報が表示される。
【0134】
撮影レンズ部102はレンズブロック120を備え、該レンズブロック120は複数のレンズ121、121、・・・を備えている。被写体の画像信号はレンズ121、121、・・・を介して撮像素子111cに取り込まれる。
【0135】
撮像装置100には、上記のように構成されたぶれ補正装置111(ぶれ補正装置1)が備えられているため、第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bに外力が付与されたときの圧電素子の破損を防止することができる。
【0136】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】図2乃至図12と共に本発明ぶれ補正装置の実施の形態を示すものであり、本図は、分解斜視図である。
【図2】一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図3】一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図4】圧電素子及び錘部材が駆動軸に対して変位した状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図5】駆動軸が圧電素子から離脱した状態を一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図6】錘部材が固定部材にネジ部材によって固定された例を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図7】図8と共に第1の変形例を示すものであり、本図は、一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図8】圧電素子及び錘部材が駆動軸に対して変位した状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図9】第2の変形例を一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図10】図11及び図12と共に第3の変形例を示すものであり、本図は、一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図11】一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図12】固定部材の各面部の内面に突部を設けた例を示す拡大断面図である。
【図13】撮像装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0138】
1…ぶれ補正装置、4a…撮像素子、5…固定部材、6…ベース部、7…軸支持部、7a…軸支持孔、8…軸支持部、8a…軸支持孔、10…第1のアクチュエーター、11…錘部材、12…圧電素子、12a…他端面、13…駆動軸、13a…一端面、14…第1の磁性体、15…第2の磁性体、15a…挿通孔、17…第2のアクチュエーター、25…アクチュエーター、26…第1の磁性体、27…第2の磁性体、28…アクチュエーター、11A…錘部材、11b…保護壁部、100…撮像装置、111…ぶれ補正装置、111a…第1のアクチュエーター、111b…第2のアクチュエーター、111c…撮像素子、121…レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明はぶれ補正装置及び撮像装置についての技術分野に関する。詳しくは、磁力によって駆動軸を圧電素子側へ付勢する第1の磁性体と第2の磁性体を設けて圧電素子の破損を防止する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれ補正を行うぶれ補正装置が設けられているものがある。
【0003】
このようなぶれ補正装置には、圧電素子を有する一対のアクチュエーターによってレンズ又は撮像素子が光軸方向に直交する第1の方向と第2の方向の2方向へ移動可能とされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されたぶれ補正装置にあっては、アクチュエーターが錘部材と圧電素子と駆動軸によって構成され、圧電素子の一端面が錘部材に固定され圧電素子の他端面が駆動軸に固定され、錘部材が固定部材に固定され、駆動軸が一対の軸支持部に摺動自在に支持されている。圧電素子が印加された電圧に応じて伸縮されると圧電素子に固定された駆動軸が軸方向へ移動され、駆動軸の軸方向への移動に伴ってレンズ又は撮像素子が光軸方向に直交する第1の方向又は第2の方向へ移動されてぶれ補正が行われる。
【0005】
錘部材は接着剤によって固定部材に固定されている。
【0006】
【特許文献1】特開2006−81348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記のようなぶれ補正装置にあっては、アクチュエーターの固定部材等に対する組付時に圧電素子の伸縮方向に直交する方向から圧電素子や錘部材に外力が付与される可能性がある。このような外力が付与されると、アクチュエーターが圧電素子の伸縮方向に長く形成されているため、圧電素子が駆動軸に対して屈曲され、その屈曲状態によっては圧電素子が破損するおそれがある。
【0008】
また、アクチュエーターが固定部材等に組み付けられた状態において、例えば、撮像装置の落下等による振動や衝撃によりアクチュエーターに圧電素子の伸縮方向に直交する方向から外力が付与される場合がある。この場合に、駆動軸は軸支持部に支持されているため屈曲し難いが、圧電素子や錘部材に接着剤の変形許容量以上の力が付与されると、やはり圧電素子が駆動軸に対して屈曲されて破損する可能性がある。
【0009】
そこで、本発明ぶれ補正装置及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、圧電素子の破損を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ぶれ補正装置は、上記した課題を解決するために、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されたものである。
【0011】
従って、ぶれ補正装置にあっては、一方が駆動軸に固定され他方が固定部材又は錘部材に固定された第1の磁性体と第2の磁性体によって駆動軸が圧電素子側へ付勢されて駆動軸の軸方向における一端面が圧電素子の伸縮方向における他端面に連結される。
【0012】
上記したぶれ補正装置においては、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0013】
第1の磁性体と第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、第1の磁性体が第2の磁性体側へ引き寄せられて駆動軸が圧電素子側へ付勢されるようにすることにより、マグネットの吸引力によって駆動軸が圧電素子に連結される。
【0014】
上記したぶれ補正装置においては、前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくすることが望ましい。
【0015】
圧電素子を第2の磁性体の挿通孔に挿通し、圧電素子の外径を挿通孔の径より小さくすることにより、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子が挿通孔において移動される。
【0016】
上記したぶれ補正装置においては、前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0017】
第1の磁性体と第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、第2の磁性体が第1の磁性体に対して圧電素子側へ反発されて駆動軸が圧電素子側へ付勢されるようにすることにより、マグネットの反発力によって駆動軸が圧電素子に連結される。
【0018】
上記したぶれ補正装置においては、前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにすることが望ましい。
【0019】
錘部材に圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設けることにより、圧電素子の駆動軸に対する軸方向に直交する方向への変位が保護壁部によって周囲から覆われた状態で行われる。
【0020】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、前記ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されたものである。
【0021】
従って、撮像装置にあっては、一方が駆動軸に固定され他方が固定部材又は錘部材に固定された第1の磁性体と第2の磁性体によって駆動軸が圧電素子側へ付勢されて駆動軸の軸方向における一端面が圧電素子の伸縮方向における他端面に連結される。
【発明の効果】
【0022】
本発明ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されている。
【0023】
従って、圧電素子が駆動軸に対して屈曲されず、圧電素子の破損を防止することができる。
【0024】
請求項2に記載した発明にあっては、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0025】
従って、駆動軸が圧電素子側へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0026】
請求項3に記載した発明にあっては、前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくしている。
【0027】
従って、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子の傷付きや損傷を防止することができる。
【0028】
請求項4に記載した発明にあっては、前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0029】
従って、駆動軸が圧電素子側へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0030】
請求項5に記載した発明にあっては、前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにしている。
【0031】
従って、圧電素子が保護壁部によって周囲から覆われて保護されているため、圧電素子が駆動軸に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子の傷付きや損傷を防止することができる。
【0032】
本発明撮像装置は、レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、前記ぶれ補正装置は、レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、前記アクチュエーターは、前記固定部材に固定された錘部材と、印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定されている。
【0033】
従って、圧電素子が駆動軸に対して屈曲されず、圧電素子の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明ぶれ補正装置及び撮像装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0035】
以下に示した最良の形態は、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用し、本発明ぶれ補正装置をこのデジタルスチルカメラに設けられたぶれ補正装置に適用したものである。
【0036】
尚、本発明撮像装置及びぶれ補正装置の適用範囲はそれぞれデジタルスチルカメラ及びデジタルスチルカメラに設けられたぶれ補正装置に限られることはない。本発明撮像装置及びぶれ補正装置は、例えば、ビデオカメラ、パーソナルコンピューター、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の各種の機器に組み込まれた撮像装置又はこれらの撮像装置に設けられたぶれ補正装置に広く適用することができる。
【0037】
以下の説明にあっては、デジタルスチルカメラの撮影時において撮影者から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側が前方となり、撮影者側が後方となる。
【0038】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0039】
また、以下に示すレンズは、単一のレンズによって構成されているもの及び複数のレンズによりレンズ群として構成されているものの両者を含む意味である。
【0040】
[ぶれ補正装置]
以下に、ぶれ補正装置の実施の形態について説明する。
【0041】
ぶれ補正装置1は第1のベース板2と第1のスライダー3を有し、第1のベース板2と第1のスライダー3は光軸方向Sに離隔して配置されている(図1参照)。尚、図1は、撮像素子を光軸方向に直交する2方向へ移動させるぶれ補正装置の内部構成としての一例を示したものであり、光軸方向に直交する2方向へ移動させるぶれ補正装置は図1の構成に限られることはない。また、ぶれ補正装置は撮像素子を光軸方向に直交する2方向へ移動させる構成に限られることはなく、レンズが光軸方向に直交する2方向へ移動させる構成とされていてもよい。
【0042】
第1のスライダー3には基板4が配置され、該基板4の前方には図示しない複数のレンズが光軸方向に離隔して配置されている。基板4には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子4aが組み込まれている。
【0043】
第1のベース板2は固定されている。第1のベース板2には前後に貫通された光透過孔2aが形成されている。
第1のベース板2の後面には、例えば、下端部に固定部材5が取り付けられている。
【0044】
固定部材5は、図2及び図3に示すように、前後方向を向くベース部6と該ベース部6からそれぞれ後方へ突出された軸支持部7、8とベース部6からそれぞれ後方へ突出され各一端部が軸支持部8に連続された側面部9、9とから成る。軸支持部8と側面部9、9によって囲まれた空間は配置用空間5aとして形成されている。固定部材5はベース部6が第1のベース板2に取り付けられている。
【0045】
軸支持部7、8は左右に離隔して位置され、それぞれ軸支持孔7a、8aを有している。
【0046】
側面部9、9の内面側には、それぞれ軸支持部8寄りの位置に左方を向く段差面9a、9aが形成されている。
【0047】
固定部材5には第1のアクチュエーター10が配置されて保持される。第1のアクチュエーター10は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13とを有している。
【0048】
錘部材11は、例えば、ブロック状に形成されている。
【0049】
圧電素子12は角柱状に形成され電圧の印加状態によって軸方向に伸縮される。圧電素子12は軸方向における一端面が錘部材11に、例えば、接着によって固定されている。
【0050】
駆動軸13は圧電素子12より細径の丸軸状に形成されている。駆動軸13には後述する第2のスライダーが支持される。
【0051】
駆動軸13には軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定される。第1の磁性体14はマグネット又は金属等の磁性材料によって構成され、例えば、外形が円形の環状に形成され、駆動軸13に接着又は圧入によって外嵌状に固定されている。
【0052】
固定部材5の配置用空間5aには第2の磁性体15が配置されて固定される。第2の磁性体15はマグネット又は金属等の磁性材料によって構成され、第1の磁性体14と第2の磁性体15は少なくとも一方がマグネットによって構成されている。第2の磁性体15は、例えば、外形が矩形状に形成され、中心部に挿通孔15aを有し、該挿通孔15aの径が圧電素子12の外径より大きくされている。第2の磁性体15は配置用空間5aに挿入され一方の面の外周部が側面部9、9の段差面9a、9aに押し付けられて位置決めされ、接着又は圧入によって固定部材5に固定される。
【0053】
駆動軸13は軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定された状態において、配置用空間5a側から順に軸支持部8の軸挿通孔8aと軸支持部7の軸支持孔7aに挿通され、軸支持部7、8に軸方向へ摺動自在に支持される。駆動軸13が軸支持部7、8に支持された状態においては、第1の磁性体14が配置用空間5aにおける軸支持部8の近傍に位置される。
【0054】
圧電素子12及び錘部材11は固定部材5の配置用空間5aに挿入され、圧電素子12の軸方向における他端部が第2の磁性体15の挿通孔15aに挿通される。圧電素子12が挿通孔15aに挿通された状態においては、圧電素子12の外周面と第2の磁性体15の内周面との間に一定の隙間H1が形成される。錘部材11はベース部6及び側面部9、9に接着剤16、16、・・・によって固定される。
【0055】
圧電素子12及び錘部材11が配置用空間5aに配置され錘部材11が固定部材5に固定された状態において、第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられて駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結される。このとき固定部材5の軸支持部8と第2の磁性体15の間には、圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動したときに一体となって移動される第1の磁性体14の移動が軸支持部8と第2の磁性体15によって規制されない十分な距離H2が確保されている。
【0056】
第1のスライダー3の後面には、例えば、左端部に固定部材5が取り付けられている。第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5は、図2及び図3に示すように、ベース部が第1のスライダー3と共通化されていることを除いては第1のベース板2に取り付けられた固定部材5と構成が同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
固定部材5は軸支持部7、8が上下に離隔して位置する向きで第1のスライダー3に取り付けられている。
【0058】
第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5には第2のアクチュエーター17が配置されて保持される。第2のアクチュエーター17は第1のアクチュエーター10と構成が同じであるため、詳細な説明は省略するが、第1のアクチュエーター10と異なり駆動軸13の軸方向が上下方向となるように配置されている。
【0059】
第2のアクチュエーター17の駆動軸13には軸方向における一端部に第1の磁性体14が固定され、第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5の配置用空間5aには第2の磁性体15が配置されて固定されている。
【0060】
第1のスライダー3の後側には第2のスライダー18が配置されている。第2のスライダー18はL字状に形成され、右端寄りの位置と上端寄りの位置にそれぞれ支持枠部18a、18bを有している。
【0061】
第2のスライダー18の前面には枠部18a、18bに対応する位置にそれぞれ支持体19、19が設けられている。支持体19、19にはそれぞれ左右又は上下に伸びるV字状の支持溝19a、19bが形成されている。
【0062】
支持体19、19には第1のアクチュエーター10と第2のアクチュエーター17の駆動軸13、13がそれぞれ支持溝19a、19bに押し付けられた状態で摺動自在に支持される。駆動軸13、13は図示しない押さえ部材と支持体19、19に挟み込まれた状態で支持され、押さえ部材は図示しないバネ部材によって支持体13、13側へ押し付けられている。押さえ部材は各一端部がそれぞれ枠部18a、18bに係合されて支持されている。
【0063】
以上のように構成されたぶれ補正装置1において、第1のアクチュエーター10の駆動により該第1のアクチュエーター10の圧電素子12が伸縮されると、該圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動される。
【0064】
このとき駆動軸13が緩やかに移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第2のスライダー18が一体となって移動され第1のスライダー3、該第1のスライダー3に取り付けられた固定部材5、第2のスライダー18に支持された第2のアクチュエーター17及び第1のスライダー3に支持された基板4が図1に示すヨー方向(Y方向)へ移動される。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aがヨー方向へ移動される。
【0065】
また、駆動軸13が急峻に移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第2のスライダー18に滑りが生じ、駆動軸13のみが移動され第2のスライダー18は移動されない。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aも移動されない。
【0066】
このような駆動軸13の緩やかな移動と急峻な移動が連続して繰り返し行われることにより、撮像素子4aがぶれを補正する必要な位置までヨー方向へ移動される。
【0067】
一方、ぶれ補正装置1において、第2のアクチュエーター17の駆動により該第2のアクチュエーター17の圧電素子12が伸縮されると、該圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動される。
【0068】
このとき駆動軸13が緩やかに移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第1のスライダー3が一体となって移動され基板4が図1に示すピッチ方向(P方向)へ移動される。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aがピッチ方向へ移動される。このとき第2のスライダー18は第1のアクチュエーター10の左右に延びる駆動軸13が支持体19に支持されているため、P方向へ移動されない。
【0069】
また、駆動軸13が急峻に移動されると、該駆動軸13の移動に伴って第1のスライダー3に滑りが生じ、駆動軸13のみが移動され第1のスライダー3は移動されない。従って、基板4に組み付けられた撮像素子4aも移動されない。このとき第2のスライダー18は第1のアクチュエーター10の左右に延びる駆動軸13が支持体19に支持されているため、P方向へ移動されない。
【0070】
このような駆動軸13の緩やかな移動と急峻な移動が連続して繰り返し行われることにより、撮像素子4aがぶれを補正する必要な位置までピッチ方向へ移動される。
【0071】
上記のような第1のアクチュエーター10及び第2のアクチュエーター17の固定部材5、5に対する組付時や第1のアクチュエーター10及び第2のアクチュエーター17の固定部材5、5に対する組付後には、各駆動軸13、13の軸方向に直交する方向から第1のアクチュエーター10又は第2のアクチュエーター17に外力が付与される可能性がある。
【0072】
このとき第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられ駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結されているため、付与された外力によって圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する(図4参照)。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。このとき圧電素子12及び錘部材11の駆動軸13に対する変位に伴って接着剤16、16、・・・が弾性変形される。
【0073】
第1のアクチュエーター10又は第2のアクチュエーター17に対する外力の付与が解除されると、圧電素子12及び錘部材11は接着剤16、16、・・・の弾性復帰により元の位置に戻る。
【0074】
また、万が一、外力によって駆動軸13が圧電素子12から軸方向へ離脱してしまった場合には、第1の磁性体14が固定部材5の軸支持部8に接触して駆動軸13の軸方向への移動が規制される(図5参照)。その後、第1の磁性体14が第2の磁性体15に磁力によって引き寄せられ駆動軸13が圧電素子12に再び連結される。
【0075】
上記したように、ぶれ補正装置1にあっては、第1の磁性体14を駆動軸13に固定し、第2の磁性体15を固定部材5に固定し、第1の磁性体14と第2の磁性体15の少なくとも一方をマグネットによって構成している。
【0076】
従って、駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子12の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0077】
また、第2の磁性体15の挿通孔15aの径を圧電素子12の外径より大きくして圧電素子12の外周面と第2の磁性体15の内周面との間に一定の隙間H1を形成している。従って、圧電素子12が駆動軸13に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子12の第2の磁性体15への接触を防止することが可能であり、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0078】
尚、第1の磁性体14又は第2の磁性体15に用いられる金属等の磁性材料はマグネットのように焼結によって形成されないため、一般に、高い加工精度を確保することが可能である。従って、第1の磁性体14と第2の磁性体15の一方をマグネットによって構成し他方を金属等の磁性材料によって構成する場合には、駆動軸13に固定される第1の磁性体14を金属等の磁性材料によって構成し、第1の磁性体14の駆動軸13に対する固定状態の安定化等を図ることが望ましい。
【0079】
上記には、第1のベース板2と第1のスライダー3にそれぞれ固定部材5、5が取り付けられた例を示したが、例えば、第1のベース板2と固定部材5が一体に形成されていてもよく、また、第1のスライダー3と固定部材5が一体に形成されていてもよい。
【0080】
また、上記には、接着剤16、16、・・・によって錘部材11が固定部材5に固定された例を示したが、錘部材の固定手段は接着剤に限られることはなく、例えば、以下のようにネジ部材を用いて錘部材を固定部材に固定することも可能である(図6参照)。
【0081】
錘部材11にはネジ挿通孔11aが形成されている。
【0082】
固定部材5のベース部6にはネジ挿入孔6aが形成されている。ベース部6には弾性変形可能な板状の緩衝体20が配置され、該緩衝体20には挿入孔20aが形成されている。
【0083】
錘部材11と緩衝体20の間には螺合部材21が配置される。螺合部材21は板状の基部22と該基部22の中央部から突出された円筒状のネジ挿通部23とから成り、該ネジ挿通部23の内面がネジ溝を有する螺合部23aとして形成されている。
【0084】
螺合部材21の基部22と緩衝体20が接着等により固定され、該緩衝体20がベース部6に接着等により固定される。螺合部材21のネジ挿通部23は緩衝体20の挿入孔20a及びベース部6のネジ挿入孔6aに挿入される。錘部材11のネジ挿通孔11aにはネジ部材24が挿入され、該ネジ部材24は螺合部材21の螺合部23aに螺合され、錘部材11が緩衝体20を介して固定部材5のベース部6に固定される。
【0085】
固定部材5に固定された錘部材11は緩衝体20の変形範囲内で変位可能とされる。
【0086】
<第1の変形例>
次に、第1の変形例について説明する(図7及び図8参照)。
【0087】
尚、以下に示す第1の変形例に係るアクチュエーター25は、上記した第1のアクチュエーター10(第2のアクチュエーター17)と比較して、第1の磁性体と第2の磁性体の構成が異なることのみが相違する。従って、以下の第1の変形例の説明においては、第1のアクチュエーター10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については第1のアクチュエーター10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0088】
固定部材5にはアクチュエーター25が配置されて保持される(図7参照)。アクチュエーター25は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13を有している。
【0089】
固定部材5の配置用空間5aには第1の磁性体26が配置されて固定される。第1の磁性体26はマグネットによって構成されている。第1の磁性体26は、例えば、外形が矩形状に形成され、中心部に挿通孔26aを有し、該挿通孔26aの径が駆動軸13の外径より大きくされている。第1の磁性体26は配置用空間5aに挿入され一方の面が軸支持部8に押し付けられて位置決めされ、接着又は圧入によって固定部材5に固定される。
【0090】
駆動軸13には軸方向における一端部に第2の磁性体27が固定される。第2の磁性体27はマグネットによって構成されている。第1の磁性体26と第2の磁性体27は互いに対向する面側の極性が同じにされており、第1の磁性体26と第2の磁性体27の間には反発力が生じるようにされている。第2の磁性体27は、例えば、リング状に形成され、駆動軸13に接着又は圧入によって外嵌状に固定されている。
【0091】
圧電素子12及び錘部材11が配置用空間5aに配置され錘部材11が固定部材5に固定された状態において、第1の磁性体26に対して第2の磁性体27が磁力によって反発されて駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに面接触して連結される。このとき第1の磁性体26と第2の磁性体27の間には、圧電素子12の伸縮に伴って駆動軸13が軸方向へ移動したときに一体となって移動される第2の磁性体27の移動が第1の磁性体26によって規制されない十分な距離H3が確保されている。
【0092】
アクチュエーター25においては、第1の磁性体26に対して第2の磁性体27が磁力によって反発され駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに連結されているため、圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する(図8参照)。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0093】
アクチュエーター25において、万が一、外力によって駆動軸13が圧電素子12から軸方向へ離脱してしまった場合には、第2の磁性体27が第1の磁性体26に接触して駆動軸13の軸方向への移動が規制される。その後、第2の磁性体27が第1の磁性体26に対して磁力によって反発され駆動軸13が圧電素子12に再び連結される。
【0094】
上記したように、アクチュエーター25にあっては、第2の磁性体27を駆動軸13に固定し、第1の磁性体26を固定部材5に固定し、第2の磁性体27と第1の磁性体26をマグネットによって構成している。
【0095】
従って、駆動軸13が圧電素子12に近付く方向へ付勢される構成を簡素な機構によって実現することができ、圧電素子12の破損を防止する機構の簡素化を図ることができる。
【0096】
また、アクチュエーター25にあっては、第1の磁性体26の挿通孔26aに駆動軸13が挿通され圧電素子12の周囲に第1の磁性体26及び第2の磁性体27が存在しない。従って、外力によって圧電素子12が光軸方向へ直交する方向へ変位されたときに該圧電素子12が他の部材に接触することがなく、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0097】
<第2の変形例>
次に、第2の変形例について説明する(図9参照)。
【0098】
尚、以下に示す第2の変形例に係るアクチュエーター28は、上記した第1のアクチュエーター10(第2のアクチュエーター17)と比較して、第2の磁性体の位置が異なること及び錘部材の構成が異なることのみが相違する。従って、以下の第2の変形例の説明においては、第1のアクチュエーター10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については第1のアクチュエーター10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0099】
固定部材5にはアクチュエーター28が配置されて保持される。アクチュエーター28は錘部材11Aと圧電素子12と駆動軸13を有している。
【0100】
錘部材11Aには他端面から駆動軸13が位置する方向へ突出された保護壁部11b、11bが設けられ、該保護壁部11b、11bは周方向に離隔して位置されている。尚、保護壁部11bの数は周方向に離隔して位置されていれば任意であり、また、保護壁部11bは円筒状に形成されていてもよい。
【0101】
保護壁部11b、11bの内側には圧電素子12が配置されている。保護壁部11b、11bの先端面には第2の磁性体15が接着等により固定されている。
【0102】
アクチュエーター28においては、第2の磁性体15に第1の磁性体14が磁力によって引き寄せられ駆動軸13の一端面13aが圧電素子12の他端面12aに連結されているため、圧電素子12及び錘部材11が駆動軸13に対して外力が付与された方向へ変位する。従って、圧電素子12は駆動軸13に対して屈曲されず、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0103】
また、圧電素子12が保護壁部11b、11bによって周囲から覆われて保護されているため、圧電素子12が駆動軸13に対して軸方向に直交する方向へ変位されたときに、圧電素子12の他の部材への接触を防止することが可能であり、圧電素子12の傷付きや損傷を防止することができる。
【0104】
<第3の変形例>
次に、第3の変形例について説明する(図10乃至図12参照)。
【0105】
尚、以下に示す第3の変形例は固定部材に関する変形例であり、この第3の変形例に係る固定部材5Aに配置されるアクチュエーターには第1の磁性体及び第2の磁性体が配置されない。従って、以下の第3の変形例の説明においては、固定部材5と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については固定部材5における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0106】
固定部材5Aにはアクチュエーター29が配置されて保持される。アクチュエーター29は錘部材11と圧電素子12と駆動軸13とから成り、錘部材11と圧電素子12が固定され該圧電素子12と駆動軸13が固定されている。
【0107】
固定部材5Aの側面部9A、9Aは天面部30によって連結されている。天面部30は、例えば、側面部9A、9Aの一端部にベース部6と対向した状態で設けられている。従って、配置用空間5aにおける天面部30が設けられていない部分はベース部6と反対側が開放され、この開放された部分が開口部5bとして形成されている。
【0108】
尚、天面部30は側面部9A、9Aに一体に形成されていることが望ましい。天面部30を側面部9A、9Aに一体に形成することにより部品点数の削減を図ることができる。
【0109】
固定部材5Aの側面部9A、9Aは圧電素子12の側方及び錘部材11の側方に位置する部分9b、9b、9c、9cがそれぞれ圧電素子12及び錘部材11に近接して位置されている。
【0110】
上記のように固定部材5Aには天面部30が設けられているため、アクチュエーター29に駆動軸13の軸方向に直交する方向への外力が付与されたときに、圧電素子12又は錘部材11の変位がベース部6、側面部9A、9A及び天面部30によって規制され、圧電素子12の破損を防止することができる。
【0111】
また、天面部30を設けることにより、錘部材11を天面部30にも接着することが可能となり、錘部材11の固定状態の安定化及び錘部材11の天面部30側への変位の規制を図ることができる。
【0112】
さらに、固定部材5Aには開口部5bが形成されているため、錘部材11を固定部材5Aに固定するための接着剤16、16、・・・を開口部5bから確認することができ、接着剤16、16、・・・による接着状態の確認を行うことができると共に接着忘れを防止することができる。
【0113】
尚、錘部材11とベース部6等の各部との間には接着剤16、16、・・・を塗布するための一定の隙間が必要であるが、以下に示す固定部材5Bのように、ベース部6B、側面部9B、9B及び天面部30Bの内面の一部に錘部材11側へそれぞれ突出する突部31、31、・・・を設けてもよい(図12参照)。
【0114】
突部31、31、・・・を設けることにより、接着剤16、16、・・・を塗布するための一定の隙間を確保した上で、ベース部6B、側面部9B、9B及び天面部30Bと錘部材11の距離を短縮することができる。従って、アクチュエーター29に駆動軸13の軸方向に直交する方向への外力が付与されたときに、圧電素子12又は錘部材11の変位が突部31、31、・・・によって規制され、圧電素子12の破損の防止効果を高めることができる。
【0115】
[撮像装置]
次に、ぶれ補正装置を備えた撮像装置の一例について説明する(図13参照)。
【0116】
撮像装置100は、カメラ本体部101と撮影レンズ部102とから成る。
【0117】
カメラ本体部101にはカメラブロック110が設けられている。
【0118】
カメラブロック110はぶれ補正装置111を有し、該ぶれ補正装置111は上記したぶれ補正装置1に相当する。ぶれ補正装置111は第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111b及び撮像素子111cを有している。
【0119】
第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bはそれぞれ上記した第1のアクチュエーター10、第2のアクチュエーター17に相当する。また、第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bは上記したアクチュエーター25、28、29の何れかであってもよい。
【0120】
撮像素子111cとしては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等が用いられており、撮影レンズ部102によって取り込まれた被写体の画像信号を光電変換して画像信号を生成する機能を有する。
【0121】
カメラブロック110にはアクチュエーター駆動部112が設けられ、該アクチュエーター駆動部112から送出される駆動信号によって第1のアクチュエーター111a及び第2のアクチュエーター111bが動作される。
【0122】
カメラブロック110には振動センサー113、撮像素子位置センサー114及びぶれ制御部115が設けられている。
【0123】
振動センサー113は、例えば、角速度測定センサーであり、手ぶれや像ぶれが生じたときのカメラ本体部101の角速度を検出し、測定した角速度を検出信号としてぶれ制御部115に送出する。
【0124】
撮像素子位置センサー114は撮像素子111cの位置に基づいてホール素子等によって磁束の変化を検出し、検出結果に基づいて生成した検出信号をぶれ制御部115に送出する。
【0125】
ぶれ制御部115は振動センサー113及び撮像素子位置センサー114から入力された検出信号に基づいて制御信号を生成しアクチュエーター駆動部112に送出する。
【0126】
カメラ本体部101にはカメラ制御部116が設けられている。カメラ制御部116は、CPU(Central Processing Unit)116a、ROM(Read Only Memory)116b及びRAM(Random Access Memory)116cを有している。
【0127】
CPU116aは撮像装置100の全体の制御を司り、例えば、ぶれ制御部115との間で信号の授受を行う。
【0128】
ROM116bには、CPU116aによって実行される種々のプログラムや各処理に必要となるデーター等が記憶されている。
【0129】
RAM116cは、主に、処理の途中結果を一時的に記憶する作業領域として用いられる。
【0130】
カメラ本体部101にはシャッター釦117、操作部118及び表示部119が設けられている。
【0131】
シャッター釦117が操作されることにより操作信号がカメラ制御部116に送出され、撮影レンズ部102によって被写体の画像信号が取り込まれる。
【0132】
操作部118は撮像装置100に設けられた各種のタッチパネルやコントロールキー等である。操作部118に対する操作が行われると、操作に応じた信号がCPU116aに入力され、入力された信号に基づいてCPU116aから各部に指令信号が送出される。
【0133】
表示部119は、例えば、液晶パネルであり、カメラ制御部116によって制御される。表示部119には画像データー等の各種の情報が表示される。
【0134】
撮影レンズ部102はレンズブロック120を備え、該レンズブロック120は複数のレンズ121、121、・・・を備えている。被写体の画像信号はレンズ121、121、・・・を介して撮像素子111cに取り込まれる。
【0135】
撮像装置100には、上記のように構成されたぶれ補正装置111(ぶれ補正装置1)が備えられているため、第1のアクチュエーター111a、第2のアクチュエーター111bに外力が付与されたときの圧電素子の破損を防止することができる。
【0136】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】図2乃至図12と共に本発明ぶれ補正装置の実施の形態を示すものであり、本図は、分解斜視図である。
【図2】一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図3】一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図4】圧電素子及び錘部材が駆動軸に対して変位した状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図5】駆動軸が圧電素子から離脱した状態を一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図6】錘部材が固定部材にネジ部材によって固定された例を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図7】図8と共に第1の変形例を示すものであり、本図は、一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図8】圧電素子及び錘部材が駆動軸に対して変位した状態を一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図9】第2の変形例を一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図10】図11及び図12と共に第3の変形例を示すものであり、本図は、一部を断面にして示す拡大平面図である。
【図11】一部を断面にして示す拡大側面図である。
【図12】固定部材の各面部の内面に突部を設けた例を示す拡大断面図である。
【図13】撮像装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0138】
1…ぶれ補正装置、4a…撮像素子、5…固定部材、6…ベース部、7…軸支持部、7a…軸支持孔、8…軸支持部、8a…軸支持孔、10…第1のアクチュエーター、11…錘部材、12…圧電素子、12a…他端面、13…駆動軸、13a…一端面、14…第1の磁性体、15…第2の磁性体、15a…挿通孔、17…第2のアクチュエーター、25…アクチュエーター、26…第1の磁性体、27…第2の磁性体、28…アクチュエーター、11A…錘部材、11b…保護壁部、100…撮像装置、111…ぶれ補正装置、111a…第1のアクチュエーター、111b…第2のアクチュエーター、111c…撮像素子、121…レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、
ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、
前記アクチュエーターは、
前記固定部材に固定された錘部材と、
印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、
前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、
磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定された
ぶれ補正装置。
【請求項2】
前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、
前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、
前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項3】
前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、
前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、
前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくした
請求項2に記載のぶれ補正装置。
【請求項4】
前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、
前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、
前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項5】
前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、
前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、
前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、
前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項6】
レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、
前記ぶれ補正装置は、
レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、
ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、
前記アクチュエーターは、
前記固定部材に固定された錘部材と、
印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、
前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、
磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定された
撮像装置。
【請求項1】
レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、
ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、
前記アクチュエーターは、
前記固定部材に固定された錘部材と、
印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、
前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、
磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定された
ぶれ補正装置。
【請求項2】
前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、
前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記固定部材に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、
前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項3】
前記第2の磁性体を挿通孔を有する環状に形成し、
前記圧電素子を前記第2の磁性体の挿通孔に挿通し、
前記圧電素子の外径を前記挿通孔の径より小さくした
請求項2に記載のぶれ補正装置。
【請求項4】
前記第1の磁性体を前記駆動軸側に配置して前記固定部材に固定し、
前記第2の磁性体を前記圧電素子側に配置して前記駆動軸に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の双方をマグネットによって構成し、
前記第2の磁性体が前記第1の磁性体に対して前記圧電素子側へ反発されて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項5】
前記錘部材に前記圧電素子の少なくとも一部を外周側から覆う保護壁部を設け、
前記第1の磁性体を前記駆動軸に固定し、
前記第2の磁性体を前記第1の磁性体より前記圧電素子側に配置して前記錘部材の前記保護壁部の先端面に固定し、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の少なくとも一方をマグネットによって構成し、
前記第1の磁性体が前記第2の磁性体側へ引き寄せられて前記駆動軸が前記圧電素子側へ付勢されるようにした
請求項1に記載のぶれ補正装置。
【請求項6】
レンズ又は撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれを補正するぶれ補正装置を備え、
前記ぶれ補正装置は、
レンズ又は撮像素子を光軸に直交し互いに直交する2方向へそれぞれ移動させる一対のアクチュエーターと、
ベース部と該ベース部から突出され軸支持孔が形成された一対の軸支持部とを有し前記一対のアクチュエーターをそれぞれ保持する一対の固定部材とを備え、
前記アクチュエーターは、
前記固定部材に固定された錘部材と、
印加される電圧に応じて伸縮され伸縮方向における一端面が前記錘部材に固定された圧電素子と、
前記固定部材の一対の軸支持孔に軸方向へ摺動自在に支持されると共に前記軸方向における一端面が前記圧電素子の伸縮方向における他端面に連結され前記圧電素子の伸縮に伴って前記軸方向へ移動される駆動軸とを有し、
磁力によって前記駆動軸を前記圧電素子側へ付勢して前記駆動軸の前記軸方向における前記一端面を前記圧電素子の前記伸縮方向における前記他端面に連結させる第1の磁性体と第2の磁性体を設け、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体が前記軸方向において離隔して配置されると共に前記固定部材の前記圧電素子側に位置する軸支持部より前記圧電素子側に配置され、
前記第1の磁性体と前記第2の磁性体の一方が前記駆動軸に固定され他方が前記固定部材又は前記錘部材に固定された
撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−69882(P2011−69882A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218887(P2009−218887)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]