ほぼ連続的に分布した吸収性粒子状ポリマー材料を含む封止された吸収性コアを備える使い捨て吸収性物品
使い捨て吸収性物品は、シャーシと、実質的にセルロースを含まない吸収性コアとを含む。シャーシは、トップシート及びバックシートを有してもよい。吸収性コアは、トップシートとバックシートとの間に配置することができ、(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する貯蔵層と、(ii)貯蔵層の着用者に面する側を覆う第1コアラップシートと、(iii)貯蔵層の衣類に面する側を覆う第2コアラップシートと、を含むことができ、第1コアラップシートは、少なくとも1つの横方向シーリングゾーンに沿って第2コアラップシートに接合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、吸収性物品に関し、より詳細には、おむつなど、吸収性粒子状ポリマー材料を備えた使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用下着のような吸収性物品は、身体排出物を吸収し封じ込める。これらはまた、身体排出物が着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品をよごし、濡らし、ないしは別の方法で汚染するのを防止するように意図されている。使い捨ておむつのような使い捨て吸収性物品は、乾燥した状態又は尿が沁み込んだ状態で数時間にわたって着用されることがある。したがって、物品の吸収及び封入機能を維持又は向上する一方で、物品が乾燥しているときと物品が液体排出物で全体的又は部分的に負荷されたときの両方において、着用者に対する吸収性物品のフィット性及び快適性を改善する努力がなされてきた。
【0003】
おむつのような幾つかの吸収性物品には、吸収性粒子状ポリマー材料のような吸収性ポリマー材料(超吸収性ポリマーとしても知られる)が含まれる。吸収性粒子状ポリマー材料は、液体を吸収して膨張し、最良の吸収性、フィット性、及び/又は快適性を意図する一定のパターン又は配列で吸収性物品内に配置されたときに、より効果的であることがある。それ故、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性物品においてその意図された位置に留まるのが望ましいことがあり、したがって、吸収性粒子状ポリマー材料は、望ましくは、吸収性物品が乾燥しているとき及び濡れているときに吸収性粒子状ポリマー材料が不動化された状態を維持するように、吸収性物品内で不動化される。
【0004】
吸収性であることに加えて、おむつなどの吸収性物品は、望ましくは、使いやすさ及び使用時の快適性のために、また、より便利で整ったパッケージ化及び保管のために、薄く可撓性のあるものとすることができる。吸収性物品は、大量に使用されることが多く、廉価であるのが望ましいこともある。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化する幾つかの技術によって、吸収性物品の嵩(かさ)が増し、これにより、厚さが増大し、可撓性が低減し、及び/又は吸収性物品のコストが増大する。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化するための他の技術は、吸収性物品が濡れた状態にあるときに、乾燥した状態にあるときほど不動化を維持するのに効果的でないことがある。したがって、乾燥した状態及び濡れた状態における物品内での吸収性粒子状ポリマー材料の不動化を向上させた吸収性粒子状ポリマー材料を含有する、薄く、可撓性の、及び/又は廉価な吸収性物品の必要性が残っている。
【0005】
更に、おむつなどの吸収性物品から吸収性粒子状ポリマー材料が漏れるのを防ぐことが一般に望ましい。例えば、ヒドロゲルと呼ばれることのある、そのような超吸収性材料の漏れは、最終的には着用者との接触をまねくおそれがある。そのようなゲル・オン・スキン(gel-on-skin)の発生は、多くの消費者が皮膚接触を不快なものと考えるので、望ましくないものと見なされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、吸収性物品の吸収性コアからの粒子状ポリマー材料の漏れを効率的に防ぐ、吸収性粒子状ポリマー材料を含む薄い可撓性吸収性物品が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の1つ以上の技術的問題に対処し、シャーシと、実質的にセルロースを含まない吸収性コアとを含むことのできる、使い捨て吸収性物品を提供する。シャーシは、トップシート及びバックシートを有してもよい。吸収性コアは、トップシートとバックシートとの間に配置することができ、物品が着用されているときに着用者の方を向く、着用者に面する側と、反対の、衣類に面する側とを有することができる。吸収性コアは、(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する貯蔵層と、(ii)貯蔵層の着用者に面する側を覆う第1コアラップシートと、(iii)貯蔵層の衣類に面する側を覆う第2コアラップシートと、を含むことができ、第1コアラップシートは、少なくとも1つの横方向シーリングゾーンに沿って第2コアラップシートに接合される。
【0008】
特定の一実施形態では、貯蔵層と、第1コアラップシートと、第2コアラップシートとは、相まって第1及び第2吸収層を構成しており、第1コアラップシートは、第1吸収層のための第1基材であり、第2コアラップシートは、第2吸収層のための第2基材であり、吸収性粒子状ポリマー材料は、第1及び第2基材上に付着され、熱可塑性接着剤材料は、それぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を覆う。第1及び第2吸収層は、前記第1吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が前記第2吸収層の熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わせることができ、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内で第1基材と第2基材との間に配置され、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域にわたってほぼ連続的に分布する。
【0009】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲を読めば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態によるおむつの平面図。
【図2】図1に示したおむつを図1の断面線2−2に沿って切断した断面図。
【図3】本発明の一実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図4】本発明の別の実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図5】図3に例示された吸収性コア層の平面図。
【図6】本発明の一実施形態による第2吸収性コア層の平面図。
【図7a】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図7b】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図8】図7a及び7bに例示された吸収性コアの平面図。
【図9】レオメーターの略図。
【図10】本発明の一実施形態による吸収性コア作製プロセスの模式図。
【図11】本発明の一実施形態による吸収性コアを作製するための装置の部分断面図。
【図12】図11に例示された印刷ロールの斜視図。
【図13】吸収性粒子状ポリマー材料リザーバを示す図12に例示された印刷ロールの部分断面図。
【図14】図12に例示された支持ロールの斜視図。
【図15】本発明の一実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【図16】本発明の他の実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【図17】本発明の更に他の実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の体に接して又は近接して配置されて、体から排出される様々な排出物を吸収し封じ込めるデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品及び同種のものを挙げてもよい。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」とは、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便を包含するが、これらに限定されない。
【0012】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封入するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。多層の吸収性コアにおいて、吸収性コアは被覆層を包含してもよい。1つ以上の基材及び被覆層は、不織布を備えてもよい。更に、吸収性コアは、実質的にセルロースを含まない。吸収性コアは、吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートを包含しない。特定の実施形態では、吸収性コアは、1つ以上の基材と、吸収性ポリマー材料と、熱可塑性組成物と、所望により被覆層とから本質的になる。
【0013】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離器保持容量(Centrifuge Retention Capacity)試験(エダナ(Edana)441.2−01)を使用して測定されたときに、水性の0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料を指す。
【0014】
「吸収性粒子状ポリマー材料」は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性ポリマー材料を指すために本明細書で使用される。
【0015】
「吸収性粒子状ポリマー材料領域」は、本明細書で使用するとき、第1基材64及び第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられているコアの領域を指す。図8では、吸収性粒子状ポリマー材料領域の境界は、重なり合った円の外辺部によって画定される。この外辺部の外側には、第1基材64と第2基材72との間に幾つかの外部超吸収性粒子が存在してもよい。
【0016】
「エアフェルト」は、本明細書において、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指すのに使用される。
【0017】
「含む」、「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば、構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知の又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外しない。
【0018】
本明細書において「本質的に〜からなる」とは、請求項におけるようなものの対象の範囲を、特定の材料又は工程、及び対象の基本的で新しい特徴に実質的に影響しないものに限定するのに使用される。
【0019】
「使い捨て」は、通常の意味では、様々な期間にわたって限定された使用回数、例えば、約20回未満、約10回未満、約5回未満、又は約2回未満の後に、処分される又は廃棄される物品を意味するのに使用される。
【0020】
「おむつ」とは、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周囲で幼児及び失禁症状のある人によって一般に着用され、特に尿及び糞便を受け取り封入するように構成されている吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0021】
「繊維」及び「フィラメント」は、同じ意味で使用される。
【0022】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットであるが、紙と、縫うかどうかを問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル又は連続フィラメントであっても、若しくはその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)、によって提供される。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなど、多くの方法により形成できる。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。
【0023】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入して、パンツを着用者の胴体下部周りの適所まで滑らせることによって、着用者の定位置に置かれてもよい。パンツは、いかなる好適な技法によって予備形成されてもよく、これには再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、縫い目、溶着、接着剤、粘着性結合、締結具など)を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。パンツは、物品の周囲沿いのいずれかの箇所で(例えば、側面締結、前側腰部締結)予備形成されてもよい。用語「パンツ(単数又は複数)」が本明細書では使用されるが、パンツは、一般に「密閉型おむつ」、「事前締着型(prefastened)おむつ」、「プルオン型おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツが、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら、1993年9月21日発行)、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、同第6,120,487号(アシュトン(Ashton)、2000年9月19日発行)、同第6,120,489号(ジョンソン(Johnson)ら、2000年9月19日発行)、同第4,940,464号(バン・ゴンペル(Van Gompel)ら、1990年7月10日発行)、同第5,092,861号(ノムラ(Nomura)ら,1992年3月3日発行)、米国特許公開第2003/0233082 A1号、名称「高可撓性及び低変形性締着装置(Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device)」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号(クライン(Kline)ら、1999年4月27日発行)、米国特許第5,957,908号(クライン(Kline)ら、1999年9月28日発行)に開示されている。
【0024】
「実質的にセルロースを含まない」とは、本明細書では、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又は微量を超えたセルロース繊維を含有しない、吸収性コアなどの物品を述べるのに使用される。微量のセルロース繊維は、吸収性コアの薄さ、吸収性コアの柔軟性、又は吸収性コアの吸収力に実質的に影響しない。
【0025】
「実質的に連続的に分布した」は、本明細書で使用するとき、吸収性粒子状ポリマー材料領域内において、第1基材64と第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられていることを示す。吸収性粒子状ポリマー材料領域において、第1基材64と第2基材72との間に小さな偶然接触領域が存在してもよいことが認められる。第1基材64と第2基材72との間にある偶然接触領域は、意図的であっても意図的でなくてもよい(例えば人工物の製造)が、枕状体(pillows)、ポケット、管、キルトパターンなどのような幾何学的配置を形成しない。
【0026】
「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において超吸収性材料を不動化する目的で超吸収性材料に塗布され、繊維が形成されるポリマー組成物を含むものと解される。本発明の熱可塑性接着剤材料は、超吸収性材料を覆って繊維性網状組織を形成する。
【0027】
「厚さ」及び「キャリパー」は、本明細書において同じ意味で使用される。
【0028】
図1は、本発明の特定の実施形態によるおむつ10の平面図である。おむつ10は、その広げられた非収縮(弾性による収縮がない)状態で示され、おむつ10の一部は、おむつ10の下層構造をより明瞭に示すために、切り取られている。着用者に接触するおむつ10の部分は、図1において観察者の方を向いている。おむつ10は、一般に、シャーシ12と、シャーシ内に配置される吸収性コア14とを含んでもよい。
【0029】
図1におけるおむつ10のシャーシ12は、おむつ10の本体を含んでもよい。シャーシ12は、液体透過性であり得るトップシート18、及び/又は液体不透過性であり得るバックシート20を包含する外側カバー16を含んでもよい。吸収性コア14は、トップシート18とバックシート20との間に包まれていることもある。シャーシ12は、サイドパネル22、弾性レッグカフ24、及び弾性ウエスト機構26を更に包含してもよい。
【0030】
レッグカフ24及び弾性ウエスト機構26は通常、弾性部材28をそれぞれ含んでもよい。おむつ10の1つの末端部は、おむつ10の第1腰部区域30として構成されてもよい。おむつ10の反対側の末端部は、おむつ10の第2腰部区域32として構成されてもよい。おむつ10の中間部分は、股部区域34として構成されてもよく、これは、第1腰部区域30と第2腰部区域32との間を長手方向に延びている。腰部区域30及び腰部区域32は、着用者のウエストの周りでギャザーを寄せて改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を包含してもよい(弾性ウエスト機構26)。股部区域34は、おむつ10が着用されたとき、通常、着用者の脚の間に配置される、おむつ10の部分である。
【0031】
おむつ10は、その長手方向軸36及び横断方向軸38と共に図1に描かれている。おむつ10の外周40は、長手方向縁部42がおむつ10の長手方向軸36に対して概ね平行に延び、終縁部44がおむつ10の横断方向軸38に対して概ね平行に長手方向縁部42の間を延びる、おむつ10の外側縁部によって画定される。シャーシ12は、締着装置もまた含んでよく、これは少なくとも1つの締着部材46と、少なくとも1つの格納されたランディング領域48とを包含してもよい。
【0032】
また、当該技術分野において既知のその他の機構(前及び後耳パネル、ウエストキャップ機構、弾性体などを包含する)をおむつ20に搭載して、フィット性、封入性、美的特性を向上させてもよい。このような追加機構は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,860,003号及び同第5,151,092号に記載されている。
【0033】
おむつ10を着用者の周りの定位置に保持するために、第1腰部区域30の少なくとも一部は、締着部材46によって第2腰部区域32の少なくとも一部に取り付けられて、脚部開口部(単数又は複数)及び物品の腰部を形成してもよい。締着するとき、締結装置が物品の腰部周辺の引張荷重を支える。締着装置により、物品のユーザーは、締着装置の1要素、例えば締着部材46を持ち、少なくとも2箇所で第1腰部区域30を第2腰部区域32に連結させることができる。これは、締着装置要素間の固着強度の操作により達成されてもよい。
【0034】
特定の実施形態によると、おむつ10は、再閉止可能な締着装置を備えてもよく、あるいは、パンツ型おむつの形態で提供されてもよい。吸収性物品がおむつである場合、おむつを着用者に固定するために、シャーシに接合した再閉止可能な締着装置を含んでもよい。吸収性物品がパンツ型おむつである場合、物品は、シャーシに、また互いに接合した少なくとも2つのサイドパネルを含み、パンツを形成してもよい。締着装置及びそのいずれの構成要素も、このような使用に好適ないずれの材料を包含してもよく、それにはプラスチック、フィルム、発泡体、不織布、織布、紙、ラミネート、繊維強化プラスチックなど、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、締着装置を構成する材料は、可撓性であり得る。可撓性により、締着装置を体の形状に適合させることができ、それ故に、締着装置が着用者の皮膚に刺激を与えたり傷つけたりする可能性を低減させることができる。
【0035】
一体型吸収性物品の場合、シャーシ12及び吸収性コア14は、おむつの複合構造を形成するために追加される他の機構と共におむつ10の主構造を形成してもよい。トップシート18、バックシート20、及び吸収性コア14は、様々な周知の構成に組み立てることができるが、好ましいおむつ構成は、米国特許第5,554,145号(ロー(Roe)ら、1996年9月10日発行)、名称「複数の領域の構造的に弾性様のフィルムウェブの伸張可能な腰部機構を有する吸収性物品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、名称「使い捨てプルオンパンツ(Disposable Pull-On Pant)」、及び同第6,004,306号(ローブルス(Robles)ら、1999年12月21日発行)、名称「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」に概ね記載される。
【0036】
図1のトップシート18は、全体的に又は部分的に伸縮性を持たせてもよく、又は縮小してトップシート18と吸収性コア14との間に空間を提供してもよい。伸縮性の又は縮小させたトップシートを包含する代表的な構造は、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、名称「弾性的延伸性のトップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Top sheet)」、及び同第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)、名称「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Top sheets for Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Top sheets)」に更に詳細に記載されている。
【0037】
バックシート26は、トップシート18に接合されてもよい。バックシート20は、吸収性コア14に吸収され、おむつ10内に収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着などの、おむつ10に接触する可能性があるその他の外部物品を汚すのを防いでもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、液体(例えば、尿)に対して実質的に不透過性であってもよく、不織布のラミネート及び約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを含んでもよい。好適なバックシートフィルムには、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、商標名X15306、X10962、及びX10964で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ10から逃がす一方で液体排出物がバックシート10を通過するのを依然として防止する通気性材料を挙げてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブのような材料、フィルムコートされた不織布ウェブのような複合材料、及び三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)によりエスポワール(ESPOIR)NOの表記で製造されるような、またエクソンケミカル社(EXXSON Chemical Co.)(テキサス州ベイシティー(Bay City))によりエクサエール(EXXAIRE)の表記で製造されるようなミクロ孔質フィルムを挙げてもよい。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、クロペイ社(Clopay Corporation)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))からハイトレル(HYTREL)ブレンドP18−3097の名称で入手できる。そのような通気性複合材料は、PCT出願WO95/16746(E.I.デュポンの名義で1995年6月22日公開)に更に詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを包含する他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号(ドブリン(Dobrin)ら、1996年11月5日発行)に記載されている。
【0038】
特定の実施形態において、本発明のバックシートは、WSP 70.5(08)に従って、37.8℃及び相対湿度60%で測定され、約2000g/24h/m2を超える、約3000g/24h/m2を超える、約5000g/24h/m2を超える、約6000g/24h/m2を超える、約7000g/24h/m2を超える、約8000g/24h/m2を超える、約9000g/24h/m2を超える、約10000g/24h/m2を超える、約11000g/24h/m2を超える、約12000g/24h/m2を超える、約15000g/24h/m2を超える透湿度(WVTR)を有してもよい。
【0039】
図2は、図1の断面線2−2に沿った図1の断面図を示す。着用者に面する側から順に、おむつ10は、トップシート18と、吸収性コア14の構成要素と、バックシート20と、を含んでもよい。特定の実施形態によると、おむつ10はまた、液体透過性トップシート18と吸収性コア14の着用者に面する側との間に配置される捕捉システム50を含んでもよい。捕捉システム50は、吸収性コアと直接接触していてもよい。捕捉システム50は、単一層を含んでもよく、又は、着用者の皮膚に面する上部捕捉層52及び着用者の衣類に面する下部捕捉層54などの多層を含んでもよい。特定の実施形態によると、捕捉システム50は、尿の噴出のような急増する液体を受け取るように機能してもよい。換言すれば、捕捉システム50は、吸収性コア14が液体を吸収できるまで液体の一時的なリザーバとしての機能を果たしてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、捕捉システム50は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。このような架橋されたセルロース繊維は、望ましい吸収力特性を有してもよい。代表的な化学的に架橋されたセルロース繊維は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態では、化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づいて、約0.5モル%〜約10.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤、又は約1.5モル%〜約6.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤により架橋される。クエン酸は、代表的な架橋剤である。他の実施形態では、ポリアクリル酸が使用されてもよい。更に、特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、約25〜約60、又は約28〜約50、又は約30〜約45の保水度を有する。保水度を決定するための方法は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、又はカールされてもよく、あるいは、捲縮、撚り合わせ、及びカールを包含するそれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方は、親水性であり得る不織布を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方が化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよく、これらセルロース繊維は不織布材料の一部を形成しても形成しなくてもよい。代表的な実施形態によると、上部捕捉層52は、架橋されたセルロース繊維を有さない不織布を含んでもよく、下部捕捉層54は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。更に、一実施形態によると、下部捕捉層54は、天然又は合成高分子繊維などの他の繊維と混合された、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。代表的な実施形態によると、このような他の天然又は合成高分子繊維には、表面積の大きな繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リオセル繊維、及びこれらの混合物が含まれてもよい。特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、全乾燥重量を有し、架橋されたセルロース繊維は、上部捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約30重量%〜約95重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約70重量%〜約5重量%の量で存在している。別の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、第1捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約80重量%〜約90重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約20重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0042】
特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、望ましくは高い流体吸い上げ能力を有する。流体吸い上げは、吸収性材料のグラム当たりに吸収された流体のグラムで測定されて、「最大吸い上げ」値により表される。したがって、高い流体吸い上げは、材料の高い容量に対応しており、捕捉材料により吸収されるべき流体の完全な捕捉を確実にするので、有益である。代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、約10g/gの最大吸い上げを有する。
【0043】
上部捕捉層54の関連属性は、その中間脱着圧(MDP)である。MDPは、付加される2.06kPa(0.3psi)の機械的圧力の下で、0cmの毛管吸引高さにおいて、下部捕捉層54をその容量の約50%まで脱水するのに必要とされる、毛管圧力の度合いである。一般に、比較的より低いMDPが有用であってもよい。より低いMDPによって、下部捕捉層54は、上部捕捉材料からより効果的に排液させることが可能になってもよい。理論に束縛されるものではないが、所与の分配材料は、規定可能な(definable)毛管吸引力を有してもよい。下部捕捉層54が毛管力によって液体を縦方向に移動させる能力は、重力、及び上部捕捉層の脱着と関連した対向する毛管力によって直接的に影響される。これらの毛管力を最小限に抑えると、下部捕捉層54の性能に好影響を与えることがある。しかしながら、特定の実施形態では、下部捕捉層54はまた、上方の層(特に上部捕捉層52及びトップシート18)から排液するために、また、液体が吸収性コア構成要素によって離隔されるまで液体を一時的に保持するために、適切な毛管吸収吸引を有してもよい。したがって、特定の実施形態では、下部捕捉層54は、5cmを超える最小MDPを有してもよい。更に、代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、急速な捕捉を提供するために、約2.0kPa(20.5cm H2O)未満、又は約1.9kPa(19cm H2O)未満、又は約1.8kPa(18cm H2O)未満のMDP値を有する。
【0044】
MDP及び最大吸い上げを決定するための方法は、米国特許出願第11/600,691号(フロール(Flohr)ら)に開示されている。例えば、第1実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を含んでもよい。第2実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約20重量%のリオセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含んでもよい。第3実施形態によると、下部捕捉層54は、約68重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約16重量%の未処理のパルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含んでもよい。一実施形態では、下部捕捉層54は、約90〜100重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。
【0045】
上部捕捉層52及び下部捕捉層54に好適な不織布材料としては、スパンボンド層と、メルトブロウン層と、更なるスパンボンド層とを含むSMS材料が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい。別の好適な実施形態は、SMMS構造を含む。特定の実施形態では、不織布は多孔質である。
【0046】
特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維を挙げてもよいが、これらに限定されない。不織布の製造に使用されるポリマーは、本来的に疎水性であり得るため、親水性コーティングによってコーティングされてもよい。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するための1つの方法は、同時係属中の米国特許公開第2005/0159720号に記載されているように、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗り、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するためのもう1つの方法は、同時係属出願米国特許第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh)ら)及びPCT出願公開WO02/064877に記載されているように、親水性のナノ粒子を用いて不織布をコーティングすることである。
【0047】
典型的には、ナノ粒子は、750nm未満の最大寸法を有する。2〜750nmの範囲の寸法を有するナノ粒子が、経済的に製造されてもよい。ナノ粒子の利点は、その多くが水溶液中で容易に分散して、不織布上にコーティング塗布可能であり、典型的には透明なコーティングを形成し、また、水溶液から塗布されたコーティングは、典型的には水への曝露に対して十分に耐久性があることである。ナノ粒子は、有機又は無機、合成又は天然であり得る。無機ナノ粒子は、一般に酸化物、ケイ酸塩、及び/又は炭酸塩として存在する。好適なナノ粒子の典型例は、層状粘土鉱物(例えば、サザン・クレイ・プロダクツ(Southern Clay Products, Inc.)(米国)からのラポナイト(LAPONITE)(商標))、及びベーマイトアルミナ(例えば、ノース・アメリカン・セイソル(North American Sasol. Inc.)からのディスペラル(Disperal)P2(商標))である。特定の実施形態によると、好適なナノ粒子コーティング不織布は、同時係属特許出願第10/758,066号、名称「耐久性のある親水性コアラップを含む使い捨て吸収性物品(Disposable absorbent article comprising a durable hydrophilic core wrap)」(エカテリナ・アナトリエブナ・ポノマレンコ(Ekaterina Anatolyevna Ponomarenko)及びマティアスNMNシュミット(Mattias NMN Schmidt))に開示されたものである。
【0048】
更に有用な不織布は、米国特許第6,645,569号(クラーマー(Cramer))ら、同第6,863,933号(クラーマー(Cramer))ら、同第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh))ら、並びに同時係属特許出願10/338,603(クラーマー(Cramer))ら、及び同10/338,610(クラーマー(Cramer)ら)に記載されている。
【0049】
場合によっては、不織布表面は、ナノ粒子のコーティングを適用する前に、高エネルギー処置(コロナ、プラズマ)で前処理され得る。高エネルギーの前処理は、典型的には低表面エネルギー表面(PPなど)の表面エネルギーを一時的に増大して、その結果、水中のナノ粒子の分散による不織布のより良好な濡れを可能にする。
【0050】
特に、永久的に親水性の不織布は、吸収性物品の他の部分にも有用である。例えば、上記のような永久的に親水性の不織布を含むトップシート及び吸収性コア層は、うまく働くことが判明した。
【0051】
特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、外部圧力が加えられて取り除かれるときに良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、例えば、上述した高分子繊維の種類から選択される、異なる繊維のブレンドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、繊維の少なくとも一部分は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を呈してもよい。幾つかの実施形態では、上部捕捉層52は、異なる程度又は異なるタイプの捲縮、又は両方の捲縮を有する繊維を含んでもよい。例えば、一実施形態としては、1cm当たり約3.14個〜約4.72個の捲縮(1インチ当り8個〜約12個の捲縮(cpi))、又は1cm当たり約3.54個〜約3.93個の捲縮(9〜約10cpi)を有する繊維の混合物、及び1cm当たり約1.57個〜約3.14個の捲縮(4〜約8cpi)、又は1cm当たり約1.96個〜約2.75個の捲縮(5〜約7cpi)を有する他の繊維を挙げてもよい。異なる種類の捲縮としては、2D捲縮又は「平らな捲縮」、及び3D又はスパイラル捲縮が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によると、繊維は、異なる材料、通常は第1及び第2の高分子材料をそれぞれが含む個別の繊維である、バイコンポーネント繊維を包含してもよい。並列バイコンポーネント繊維の使用は、繊維にスパイラル捲縮を付与するのに有益であると考えられる。
【0052】
特定の実施形態では、上部捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって安定化されてもよい。そのような格子状構造を得る方法は、例えば、欧州特許EP第149 880号(クウォク(Kwok))とUS第2003/0105190号(ディール(Diehl)ら)から既知である。特定の実施形態では、結合剤は、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超えて上部捕捉層52に存在していてもよい。特定の実施形態に関して、SBラテックスは、商標名ジェンフロ(GENFLO)(商標)3160(オムノバソリューションズ(OMNOVA Solutions)社、オハイオ州アクロン(Akron))として入手可能である。
【0053】
図1〜8における吸収性コア14は、概してトップシート18とバックシート20との間に配置され、2つの層、第1吸収層60及び第2吸収層62を含む。図3に最良に示されるように、吸収性コア14の第1吸収層60は、基材64と、基材64上の吸収性粒子状(particular)ポリマー材料66と、第1基材64上の吸収性粒子状ポリマー材料66を覆い不動化するための接着剤としての、吸収性粒子状ポリマー材料66上及び第1基材64の少なくとも一部上の熱可塑性組成物68とを含む。図4に例示された別の実施形態によると、吸収性コア14の第1吸収層60はまた、熱可塑性組成物68上の被覆層70を包含してもよい。
【0054】
同様に、図2に最良に例示されるように、吸収性コア14の第2吸収層62もまた、基材72と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料74上及び第2基材72の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物66とを包含してもよい。例示されないが、第2吸収層62もまた、図4に例示された被覆層70のような被覆層を包含してもよい。
【0055】
第1吸収層60の基材64はダスティング層と呼ばれることがあり、おむつ10のバックシート20に面する第1表面78と、吸収性粒子状ポリマー材料66に面する第2表面80とを有する。同様に、第2吸収層62の基材72はコアカバーと呼ばれることがあり、おむつ10のトップシート18に面する第1表面82と、吸収性粒子状ポリマー材料74に面する第2表面84とを有する。第1基材64及び第2基材72は、外周の周辺部で接着剤により互いに付着して、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を吸収性コア14内に保持するための包みを、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の周りに形成してもよい。
【0056】
特定の実施形態によると、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72は、上述した不織布材料などの不織布材料であってもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、約32マイクロメートルの孔径を有する。
【0057】
図1〜8に例示されるように、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、各々、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72上に粒子の塊90になって付着され、ランド領域94とランド領域94の間の接合領域96とを含むグリッドパターン92を形成する。本明細書で定義されたように、ランド領域94は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触しない領域であり、接合領域96は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触する領域である。グリッドパターン92内の接合領域96は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を殆ど又は全く含有しない。ランド領域94及び接合領域96は、様々な形状を有することができ、それには円形、楕円形、正方形、矩形、三角形などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0058】
図8に示したグリッドパターンは、ランド領域の規則的な間隔と寸法を有する正方形のグリッドである。六角形、菱形、斜方晶形(orthorhombic)、平行四辺形、三角形、矩形、及びこれらの組み合わせを包含する他のグリッドパターンも使用されてもよい。グリッド線の間の間隔は、規則的であっても不規則であってもよい。
【0059】
グリッドパターン92内のランド領域94の寸法は、様々であってもよい。特定の実施形態によると、グリッドパターン92内のランド領域94の幅119は、約8mm〜約12mmの範囲である。特定の実施形態では、ランド領域94の幅は、約10mmである。その一方、接合領域96は、特定の実施形態では、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1.5mm未満、約1mm未満、又は約0.5mm未満の幅又はより大きな範囲を有する。
【0060】
図8に示すように、吸収性コア14は、後端102から前端104まで延びる長手方向軸100と、長手方向軸100に対して垂直な、第1縁部108から第2縁部110まで延びる横断方向軸106とを有する。吸収性粒子状ポリマー材料の塊90のグリッドパターン92は、ランド領域94及び接合領域96の配列によって形成されたグリッドパターン92がパターン角度112を形成するように、各吸収層60の基材64及び吸収層62の基材72上に配列される。パターン角度112は、0度、0度を超える、又は15〜30度、又は約5〜約85度、又は約10〜約60度、又は約15〜約30度であってもよい。
【0061】
図7a、7b、及び8に最良に見られるように、第1層60及び第2層62が、組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。吸収性コア14は、パターンの長さ116及びパターンの幅118によって境界付けされた、吸収性粒子状ポリマー材料領域114を有する。吸収性粒子状ポリマー材料領域114の範囲及び形状は、吸収性コア14の所望の用途、及び組み込まれ得る特定の吸収性物品に応じて、様々であってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料領域114は、図8に例示されているように、吸収性コア14の実質的に全体にわたって延びる。
【0062】
第1吸収層62及び第2吸収層64の各々のグリッドパターン92が吸収性コア14の長さ及び/又は幅に沿って互いにオフセットするように、第1吸収層60及び第2吸収層62は、共に組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。各グリッドパターン92は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74が吸収性粒子状ポリマー領域114にわたって実質的に連続的に分布するように、オフセットされてもよい。特定の実施形態では、個々のグリッドパターン92が第1基材64及び第2基材72にわたって塊90になって不連続的に分布している吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を含むにもかかわらず、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたって実質的に連続的に分布している。特定の実施形態では、グリッドパターンは、第1吸収層60のランド領域94が第2吸収層62の接合領域96に面し、第2吸収層62のランド領域が第1吸収層60の接合領域96に面するように、オフセットされてもよい。ランド領域94及び接合領域96が適切に寸法設定されて配列される場合、その結果生じる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の組み合わせは、吸収性コア14の吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたる吸収性粒子状(particular)ポリマー材料の実質的に連続的な層である(即ち、第1基材64及び第2基材72は、それらの間に吸収性粒子状ポリマー材料66の塊90をそれぞれが有する複数のポケットを形成しない)。特定の実施形態では、第1吸収層60及び第2吸収層62の各グリッドパターン92は、実質的に同じであってもよい。
【0063】
図8に例示されるような特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、グリッドパターン92の長さ116に沿って様々であってもよい。特定の実施形態では、グリッドパターンは、吸収性領域120、122、124、及び126に分割されてもよく、これらの領域において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、領域によって様々である。本明細書で使用するとき、「吸収性領域」は、図8に示した長手方向軸に対して垂直な境界を有する吸収性粒子状ポリマー材料領域の区域を指す。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、特定の実施形態では、複数の吸収性領域120、122、124、及び126のうちの一領域から別の領域へ漸進的に推移してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量のこの漸進的な推移により、吸収性コア14における亀裂形成の可能性が低減され得る。
【0064】
吸収性コア14内に存在する吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、様々であり得るが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%を超える、又は吸収性コアの約85重量%を超える、又は吸収性コアの約90重量%を超える、又はコアの約95重量%を超える量で、吸収性コア内に存在する。特定の実施形態では、吸収性コア14は、第1基材64及び第2基材72、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74、並びに熱可塑性接着性組成物68及び熱可塑性接着性組成物76から本質的になる。一実施形態では、吸収性コア14は、実質的にセルロースを含まなくてもよい。
【0065】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第1正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量は、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第2正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量より少なくとも約10%、又は20%、又は30%、40%又は50%高くてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2正方形は、長手方向軸の中央に位置する。
【0066】
吸収性粒子状ポリマー材料領域は、代表的な実施形態によると、着用時の快適性を増大するために、吸収性物品の股部領域において比較的狭い幅を有してもよい。故に、吸収性粒子状ポリマー材料領域は、一実施形態によると、吸収性物品の前縁部及び後縁部まで等間隔に位置する横断方向線に沿って測定したとき、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満の幅を有してもよい。
【0067】
おむつなどの殆どの吸収性物品に関して、液体の排出は、主におむつの前側半分において生じることが判明した。したがって、吸収性コア14の前側半分は、コアの吸収能力の大部分を含むべきである。それ故、特定の実施形態によると、前記吸収性コア14の前側半分は、超吸収性材料の約60%超、又は超吸収性材料の約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%超を含んでもよい。
【0068】
特定の実施形態では、吸収性コア14は、一般的に圧縮性であり、適合性があり、着用者の皮膚に刺激がなく、かつ尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することのできる、あらゆる吸収性材料を更に含んでもよい。このような実施形態では、吸収性コア14は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ、捲縮セルロース塊(creped cellulose wadding)、コフォームを包含するメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュラミネートを包含するティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。吸収性コア14は、少量(通常約10%未満)の材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを更に含んでもよい。
【0069】
吸収性組立体として使用される代表的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号(ワイズマン(Weisman)ら)、同第4,834,735号(アレメニー(Alemany)ら)、同第4,888,231号(アングスタット(Angstadt))、同第5,260,345号(デスマレイス(DesMarais)ら)、同第5,387,207号(ダイアー(Dyer)ら)、同第5,397,316号(ラボン(LaVon)ら)、及び同第5,625,222号(デスマレイス(DesMarais)ら)に記載される。
【0070】
熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆い、少なくとも部分的に不動化するのに役立つことがある。本発明の一実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74内で前記ポリマー間に本質的に均一に配置され得る。しかしながら、特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と少なくとも部分的に接触しており、第1吸収層60及び第2吸収層62の基材層64及び基材層72と部分的に接触している、繊維性層として提供されてもよい。図3、4、及び7は、このような構造体を示しており、この構造体において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、不連続な層として提供され、また繊維性熱可塑性接着剤材料68及び繊維性熱可塑性接着剤材料76の層は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の層の上に置かれ、その結果、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と直接接触しているが、基材64の第2表面80及び基材72の第2表面84とも直接接触しており、基材は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74によって覆われていない。このことは、それ自体が本質的に長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的小さい厚さの二次元構造体である熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の繊維性層に、本質的に三次元の構造体を付与する。換言すれば、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料68及び吸収性粒子状ポリマー材料76、並びに基材64及び基材72の第2表面の間で波状である。
【0071】
これにより、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆うための空洞を提供してもよく、これにより、この材料を不動化する。更なる態様では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、基材64及び基材72に結合し、その結果、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を基材64及び基材72に固着させる。したがって、特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、濡れたときに吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化し、それによって、吸収性コア14は、本明細書に記載の湿潤不動化試験に従って約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下の吸収性粒子状ポリマー材料の損失を達成する。幾つかの熱可塑性接着剤材料はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と基材64及び基材72との両方に浸透し、その結果、更なる不動化及び固着をもたらす。勿論、本明細書に開示される熱可塑性接着剤材料は、湿潤不動化(即ち、物品が濡れた状態であるとき又は少なくとも部分的に負荷されたときの吸収性材料の不動化)を大きく改善する一方、これらの熱可塑性接着剤材料は、吸収性コア14が乾燥状態であるときにも吸収性材料を非常に良好に不動化する。熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ホットメルト接着剤と呼ばれることもある。
【0072】
理論に束縛されるものではないが、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのに最も有用な熱可塑性接着剤材料は、良好な粘着挙動及び良好な接着挙動を組み合わせたものであることが判明した。良好な接着は、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76と、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74並びに基材64及び基材72との間の良好な接触を促進することがある。良好な粘着により、接着剤は、特に外力に反応して、即ち、ひずみに反応して破断する可能性が低下する。吸収性コア14が液体を吸収するとき、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は膨張し、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76が外力を受ける。特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、破断を伴わずに、また吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の膨張を抑制する過度に多くの圧縮力を付与せずに、このような膨張を可能にすることがある。
【0073】
特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ASTM法D−36−95「環球法(Ring and Ball)」によって決定されるように、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する単一熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドをそっくりそのまま含んでもよく、又は別の方法としては、熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には10,000を超える分子量(Mw)、及び通常は室温未満又は−6℃>Tg<16℃のガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲内である。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、非感水性であってもよい。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を包含する(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、またBブロックは、不飽和接合したジエン又はその(部分的に)水素添加したバージョンである。Bブロックは典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。
【0074】
使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、シングルサイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーである。その中で、少なくとも1つのコモノマーは、エチレンと重合されて、コポリマー、ターポリマー、又はより高い次数のポリマーを作製することができる。同様に適用可能なものは、C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリαオレフィン(APAO)である。
【0075】
代表的な実施形態では、粘着付与樹脂は、典型的には5,000未満のMw及び通常は室温を超えるTgを有し、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約30〜約60%の範囲内であり、可塑剤は、通常1,000未満の低いMw及び室温未満のTgを有し、約0〜約15%の典型的な濃度を有する。
【0076】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、繊維の形態で存在する。幾つかの実施形態では、繊維は、約1〜約50マイクロメートル又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの平均長さを有する。基材64及び基材72又はいずれかの他の層、特にいずれかの他の不織布層に対する熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着を改善するため、このような層は、補助接着剤で前処理されてもよい。
【0077】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、以下のパラメーターの少なくとも1つ、又は幾つか、又は全てを満たす。
【0078】
代表的な熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、少なくとも30,000Pa、及び300,000Pa未満、又は200,000Pa未満、又は140,000Pa〜200,000Pa、又は100,000Pa未満の、20℃で測定される貯蔵弾性率G’を有してもよい。更なる態様では、35℃で測定される貯蔵弾性率G’は、80,000Paを超えてもよい。更なる態様では、60℃で測定される貯蔵弾性率G’は、300,000Pa未満、及び18,000Pa超、又は24,000Pa超、又は30,000Pa超、又は90,000Pa超であってもよい。更なる態様では、90℃で測定される貯蔵弾性率G’は、200,000Pa未満、及び10,000Pa超、又は20,000Pa超、又は30,000Pa超であってもよい。60℃及び90℃で測定される貯蔵弾性率は、高い室温での熱可塑性接着剤材料の形状安定性に関する測定値であってもよい。60℃及び90℃での貯蔵弾性率G’が十分に高くない場合、熱可塑性接着剤材料がその一体性を失うことになる暑い気候で吸収性製品が使用される場合、この値は、特に重要である。
【0079】
G’は、一般的な説明だけのために図9に概略的に示したようなレオメーターを使用して測定される。レオメーター127は、接着剤に剪断応力を加え、一定温度で生じたひずみ(剪断変形)応答を測定することができる。接着剤は、下部固定プレート128として作用するペルチエ素子と、例えば10mmの半径Rを有する上部プレート129との間に配置され、これは、剪断応力を生成するためにモータの駆動軸に接続される。両方のプレート間の間隙は、例えば1500マイクロメートルの高さHを有する。ペルチエ素子は、材料の温度の調節(+0.5℃)を可能にする。ひずみ速度及び頻度は、全ての測定が直線状の粘弾性区域内で行われるように選択されるべきである。
【0080】
吸収性コア14はまた、図面に例示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の適用前に、各基材64及び基材72に対する吸収性粒子状ポリマー材料66及び74並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着性を向上させるために、補助接着剤が、第1吸収層60及び第2吸収層62の各々の第1基材64及び第2基材72上に付着されてもよい。補助の糊はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのを助けることがあり、上に記載されたものと同じ熱可塑性接着剤材料を含んでもよく、あるいは、また、H.B.フラー社(H. B. Fuller Co.)(ミネソタ州セントポール(St. Paul))製品番号HL−1620−Bのような噴霧可能なホットメルト接着剤が挙げられるが、これらに限定されない他の接着剤もまた含んでよい。補助の糊は、あらゆる好適な手段によって基材64及び基材72に塗布されてもよいが、特定の実施形態によると、約0.5〜約2mm離隔した幅約0.5〜約1mmのスロットで塗布されてもよい。
【0081】
図4に示した被覆層70は、基材64及び基材72と同じ材料を含んでもよく、あるいは異なる材料を含んでもよい。特定の実施形態では、被覆層70に好適な材料は、不織布材料、典型的には基材64及び基材72に有用な上述の材料である。
【0082】
特定の一実施形態では、吸収性コア14は、コアラップ材料によって包まれてもよい。一実施形態では、コアラップ材料は、最上層と最下層とを構成する。コアラップ材料、すなわち、最上層又は最下層は、不織布材料から提供されてもよい。そのようなコアラップは、2つ以上の別個の材料シートから提供されてもよく、又は代替的に単一の材料シートから提供されてもよい。単一の材料シートは、貯蔵層60の周りに、例えばC折りで、巻き付けられてもよい。
【0083】
本発明の他の態様では、トップシートとバックシートとを含むシャーシと、トップシートとバックシートとの間に配置された、実質的にセルロースを含まない吸収性コアと、を含む、使い捨て吸収性物品が提供される。吸収性コアは、物品が着用されているときに着用者の方を向く、着用者に面する側と、反対の、衣類に面する側とを有する。図15〜17に示される特定の諸実施形態では、吸収性コア214は、(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する貯蔵層274と、(ii)貯蔵層の着用者に面する側を覆う第1コアラップシート264と、(iii)貯蔵層274の衣類に面する側を覆う第2コアラップシート272と、を含むことができ、第1コアラップシート264は、少なくとも1つの横方向シーリングゾーン282に沿って第2コアラップシート272に接合される。特定の諸実施形態では、両方のシート272及び264は、それらの長手方向周囲に沿って接合され、他の諸実施形態では、それらのシートは、横断方向周囲に沿って、又は長手方向周囲及び横断方向周囲に沿って接合される。接合は、連続又は不連続パターンを使用して達成することができ、それらのパターンは、直線状若しくは曲線状パターンであってもよい。
【0084】
第1及び第2コアラップシート264及び272は、同一又は異なる材料で作製されてもよい。一実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、不織布ウェブの形態で提供されてもよい。例えば、それらは、ポリプロピレンなどのポリオレフィンから提供されてもよい。一実施形態では、不織布材料は、SMS材料構造(すなわち、スパンボンド層/メルトブロウン層/他のスパンボンド層)を含んでもよい。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に、耐久的親水性コーティングされた不織布が望ましい。他の実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、SMMS構造を含んでもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、それらは約32マイクロメートルの孔径を有する。特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維が挙げられるが、これらに限定されない。本質的に疎水性のポリマーを親水性コーティングでコーティングしてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、約3g/m2〜約50g/m2、例えば、約5g/m2〜約30g/m2、又は約8g/m2〜約15g/m2の坪量を有してもよい。
【0085】
貯蔵層274は、吸収性粒子状ポリマー材料を含み、実質的にセルロースを含まない。吸収性粒子状ポリマー材料は、当該技術分野において既知の、又は前述した、超吸収体若しくは吸収性ゲル材料であってもよい。一実施形態では、貯蔵層274は、吸収性粒子状ポリマー材料と、熱可塑性接着剤組成物とを含む。熱可塑性接着剤組成物を使用して、吸収性ポリマー材料の粒子を、例えば一体構造若しくは別個の領域へと、合わせて固定することもでき、又は、それらの粒子を第1及び第2コアラップシート若しくは他の(1つ若しくはそれより多くの)基材材料に固定することもできる。貯蔵層274は、接着剤、ワックス、油など、少量(通常は約10%未満)の非液体の吸収性材料を更に含んでもよい。一実施形態では、貯蔵層274は、本質的に、熱可塑性接着剤組成物とともに吸収性粒子状ポリマー材料からなる。
【0086】
横方向シーリングゾーン282は、全領域を覆うことができ、接合部のストライプ280並びに少なくとも1つの空き領域(open area)を含む。接合部のストライプ280は、本明細書で結合要素と呼ばれる、結合機能を有する異なる要素を含んでもよい。例えば、結合要素は、接着剤結合により、サーモメカニカル結合により、超音波結合などにより提供されることができる。本明細書で使用するとき、空き領域とは、結合要素が存在しない領域を意味する。
【0087】
第1コアラップシート及び第2コアラップシートを使用して、貯蔵層274を包む多数の方法がある。例えば、コアの着用者に面する側を被覆する第1コアラップシート、及びコアの衣類に面する側を被覆する第2コアラップシートの、2つの別個のラップシートが使用されてもよい。両方のラップシートは次に、接合部の長手方向に延びるストライプ、吸収性コアの各側への接合部の1つのストライプに沿って接合されることができる。あるいは、第1コアラップシートは、第2コアラップシートと一体であることができ、並びに材料の1枚及び同じシートから提供されることができる。その結果、接合部のただ1つの長手方向に延びるストライプが、被包を実現するために採用される必要がある。接合部のこうしたストライプは、コアのどちらかの側面上、コアの着用者に面する側であることも、又はコアの衣類に面する側であることもできる。接合部の前記ストライプにより接合されるべきである、ラップシート材料の重なる末端部は、突き合わせシールを作製するように配置されることもできるし、又は重ね合わせシールを作製するように配置されることもできる。重ね合わせシール及び付き合わせシールの両方を、本発明の特定の態様に従って接合部のストライプを使用して接合させることができる。
【0088】
コアラップシートは、長手方向に延びる接合部のストライプ(例えば、サイドシール)によって、また更に、通常は吸収性コアの前端部若しくは吸収性コアの後端部のいずれかに位置決めされた、又は吸収性コアの両端部に位置決めされた、横断方向に延びる接合部のストライプによって、接合されてもよい。こうした横断方向に延びる接合部のストライプは、長手方向に延びる接合部のストライプと同じ手段により提供され得る。
【0089】
図15に示される特定の一実施形態では、結合要素は、接着剤の細線(threads)である。一実施形態では、これらの細線は、スロットコーティングによって作り出されてもよく、又はスプレーの塗布によって提供されてもよい。複数の細線は、接着剤を含まない複数の領域によって隔てられる。様々な実施形態では、細線は、約0.5mm〜約2mm、特定の実施形態では約1mmの幅を有してもよい。様々な実施形態では、接着剤を含まない領域は、約0.5mm〜約2mm、特定の実施形態では約1mmの幅を有してもよい。両方の領域が同一の幅を有するときには、接合部のストライプ280は、全領域の50%の空き領域を有する。
【0090】
一般に、本発明によれば、シーリングゾーンは、それらの全領域の少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の空き領域を有することができる。空き領域は、信頼性の高い結合を保証するために、全領域の約95%を超えるべきではない。
【0091】
十分な巨視的結合強度を達成するために、一実施形態では、接着剤の細線は、約100マイクロメートルを超える直径を有する。特定の実施形態では、細線直径は、約250マイクロメートルを超えてもよく、又は約500マイクロメートルを超えてもよい。
【0092】
接合部のストライプは、コアラップシート間に一定の結合強度を提供する。接合部のストライプは、第1方向にその最大の延びを有する。本明細書で使用するとき、コアラップシート間の結合強度とは、第1方向に垂直であり、及びコアラップシートにより画定される平面内にある第2方向の引張り強度として理解されるべきである。引張り強度を試験するために、2.54cm(1インチ)幅の試験片が、代表的な(典型的には、中央の)位置で、第2方向に向いた2本の切断線により切断される。引張り強度が次に、材料のこの試験片を使用して、ASTM法D 1876−01により測定されるが、この方法は次のように変更される。試験片の長さは60mmであり、及び10mm長の非接着末端部が試験機の掴み部でのクランプ固定のために使用される(D 1876−01の段落5.2を参照のこと)。試験片の一部を形成する第1及び第2コアラップシートの部分は、可撓性被接着体として使用される(D 1876−01の段落5.1を参照のこと)。更に、引張り強度が、得られた自動記録曲線(autographic curve)の最大値として報告される(試験片の幅cmで割り算されたニュートンの単位;N/cmによる)(D 1876−01の段落8.1を参照のこと)。
【0093】
一実施形態では、接合部のストライプ280は、シーリングゾーンに、長手方向の引張強度として測定される第1コアラップシート(第1基材)264と第2コアラップシート(第2基材)272との間の少なくとも約0.5N/cmの結合強度を付与する。特定の一実施形態では、接合部のストライプ280は、シーリングゾーンに、少なくとも約1.0N/cm、約1.5N/cm、約2N/cm、又は約3N/cmの結合強度を付与する。
【0094】
図15〜17に示される吸収性物品は、更に、吸収性コアとトップシートとの間に配置された獲得システム(図示せず)を含むことができる。獲得システムは、吸収性コアの一部ではない。
【0095】
理論に束縛されるものではないが、比較的大きな空き領域を含むシーリングゾーン及び接合部のストライプを有することが特に有益であるように思われる。ゲル・オン・スキン(gel-on-skin)現象の発生は、1つには、製造プロセス中でこのような接合線内に捕捉される超吸収性粒子によって引き起こされるようである。シーリングゾーンが連続的な接着剤の塗布によって提供されるときには、超吸収性材料は、シーリングゾーンを提供する接着剤によって閉じ込められることにより、その膨張能力が制限される。しかしながら、超吸収性粒子は、物品が使用中となり、更に液体を受け取ると膨張しやすい。この膨張が、接着剤の存在によって高度に制限されるとき、典型的には、膨張力は、コアラップシートの方向に膨張できるほど十分に高い。これらのコアラップシートは、通常、不織布材料若しくはティッシュ材料、又は比較的弱い類似の材料によって提供される。したがって、シーリングゾーン自体が超吸収性粒子の膨張に対応するのに十分な空き領域を提供しない場所では、そのような粒子は、コアラップシートの方向に膨張することになる。したがって、それらの粒子は、コアラップシートを通って脱け出やすく、また、しばしばコアラップシートの損傷を引き起こす。この、超吸収性材料のコアからの漏れ、特にシーリングゾーンの領域からの漏れは、ゲル・オン・スキン(gel-on-skin)の発生に著しく寄与すると思われる。しかし、本発明によれば、十分に大きな空き領域を有するシーリングゾーンが提供される場合、この接着剤を塗布すると、シーリングゾーン内に膨張のためのより大きな空間をもたらすことになる。接着剤は、ラップシートにも周囲の接着剤材料にも圧力を及ぼすことなく膨張を可能にするのに十分な空き領域をシーリングゾーン内に見出すことになり、又は、周囲の接着剤材料は、コアラップシートに向かって圧力を全く、若しくはほとんど及ぼさずにシーリングゾーン内での膨張を可能にするほど十分に弾性となる。
【0096】
これらの考慮を踏まえて、特定の実施形態では、吸収性コア214から漏れるおそれのある超吸収性粒子のサイズを考慮して、結合要素と結合要素を含まない領域との寸法を選択することが望ましいことがある。具体的に考慮すべき値は、超吸収性粒子の平均径である。
【0097】
平均径は、EDANA法420.2−02、名称「粒径分布(Particle size distribution)」を使用して決定されるべきである。このEDANA法は、ふるい分け法であり、採用される異なるふるい上に残留する各粒径画分についてのパーセントによる質量分率を報告する。この報告に基づき、平均径が、ASTM試験法D 1921−96、即ち、その段落13の題名「粒子分布の分析(Analysis of Particle Distribution)」によって計算される。
【0098】
結合要素の最小寸法は、特定の諸実施形態では、超吸収性材料の平均直径(「MD」)の少なくとも0.2倍であってもよい。一実施形態では、結合要素の最小寸法は、MDの約0.2〜約3倍、例えば、MDの約0.5〜約2倍、又はMDの約0.8〜約1.2倍であってもよい。結合要素は、これで、巨視的に望ましい結合強度を生み出すのに十分に大きく、また、製造プロセスで結合要素によって閉じ込められる超吸収性材料の粒子を確実に捕捉して保持するのに十分に大きい。その一方で、それらは、利用できる空き領域を不必要に制限しない。
【0099】
特定の実施形態では、空き領域の最小寸法は、MDの少なくとも約0.5倍、例えば、MDの約0.5〜約10倍、又はMDの約1〜約5倍であってもよい。空き領域は、その結果、超吸収性粒子の相対的に制限されていない膨張を可能にするために十分なほど大きい。
【0100】
したがって、本発明による接合部のストライプ280は、マクロレベルでは(吸収性物品全体の性能を見たときには)十分な結合強度を提供し、同時に、ミクロレベルでは(超吸収性材料の単一粒子の環境を見たときには)十分な脆弱性及び膨張空間を提供する。
【0101】
特定の一実施形態では、吸収性コア214は、貯蔵層274とコアラップシート264及び272とが、図2、図7、及び図8に示した前述の第1及び第2吸収層60及び62の形態であるという点で、吸収性コア14に似ている。この実施形態では、第1コアラップシート264は、第1吸収層のための第1基材であり、第2コアラップシート272は、第2吸収層のための第2基材であり、吸収性粒子状ポリマー材料は、前記第1及び第2基材上に付着され、熱可塑性材料は、それぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を覆う。第1及び第2吸収層は、第1吸収層の前記熱可塑性材料の少なくとも一部分が第2吸収層の熱可塑性材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わされており、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内で第1基材と第2基材との間に配置され、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域にわたってほぼ連続的に分布する。特定の一実施形態では、貯蔵層は、本質的に、熱可塑性接着剤組成物とともに第1及び第2コアラップシート264及び272上に不連続に分布されてパターン化され、次いで吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットされるように組み合わされた、吸収性粒子状ポリマー材料からなる。
【0102】
図16は、横方向シーリングゾーンが第1及び第2コアラップシートの横縁部間及びその周りに付与された吸収性粒子状ポリマー材料(APPM)移動妨害剤284を含む、吸収性コア214の他の実施形態を示す。そのようなAPPM移動妨害剤は、例えば米国特許第6,562,168号(シュミット(Schmitt)ら)に記載のように、材料のウェブから個々のコア部材の両端を切断するプロセスの間の個々の吸収性コア部材を作り出す間に付与されてもよい。例えば、第1コアラップシートと、貯蔵層と、第2コアラップシートとを含む連続ウェブを切断ステーションに送り込むことができ、その切断ステーションでは、横方向シーリングゾーンの領域の周りの別個の場所でウェブにAPPM移動妨害剤284を付与し、それと同時に1つ若しくはそれより多くのナイフブレードを使用してウェブを個々の吸収性部材214に切断する操作が実施される。
【0103】
特定の一実施形態では、十分な量のAPPM移動妨害剤284が、横方向端縁部に付与されて、端部を完全に封止し、したがってAPPMが吸収性コア214の端部を通って漏れるのを防ぐ。APPM移動妨害剤284を端縁部だけに付与することによって、それぞれ個々の吸収性コア部材は、離隔された別個の1対のシーリングゾーンを有する。吸収性コアの性能、快適性、又は他の特性及び特徴に悪影響を与えることなくウェブの切断端を通じたAPPMの移動を妨害する所望の効果を達成するために、APPM移動妨害剤は、ウェブ全体には付与されず、離隔された別個のゾーンだけに適用される。
【0104】
APPM移動妨害剤284の薄いフィルムが、シーリングゾーンが比較的薄くなるようにウェブに付与される。ただし、APPM移動妨害剤284は、端縁部から内側に移動することがある。APPM移動妨害剤284の移動量は、一般に、各シーリングゾーンが約10cm未満、約5cm未満、又は約1cm未満の幅寸法をもつように、最小限である。
【0105】
一実施形態では、APPM移動妨害剤は、第1コアラップシート264から第2コアラップシート272まで吸収性コア214全体を通って横方向端縁部に沿って延びる。特定の一実施形態では、ゾーン286は、吸収性コア214の体積の約20%未満、例えば、吸収性コア214の体積の約10%未満を占めることができる。
【0106】
APPM移動妨害剤に適した剤としては、これらに限定するものではないが、液体が水若しくは他のいずれか適切な液体又は液体の混合物である、天然(例えば天然ゴムラテックス)及び合成の両方の、ポリマー溶液又はエマルションが挙げられる。特定の一実施形態では、水性エマルションが使用される。例えば、一実施形態では、APPM移動妨害剤には、アクリル又はビニル接着剤ポリマーの水性エマルションを含めることができる。
【0107】
APPM移動妨害剤に適した他の剤としては、また、ASTM方法E 28「リング・アンド・ボール(Ring and Ball)」によって決定される50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する、熱可塑性ポリマー又はポリマー組成物が挙げられる。一実施形態では、そのような熱可塑性ポリマー又はポリマー組成物は、ワックス、又は少なくとも約50重量%のワックスを含有する組成物であり、そのようなワックス又は組成物は、約180℃未満の軟化点を有することができる。一実施形態では、そのような熱可塑性剤(ポリマー、ワックス、若しくはそれらから誘導される組成物である)は、少なくともそのコモノマーのうちの1つとして、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸エステル、及び/若しくはそれらの誘導体を有するコポリマーであり、又はそのコポリマーを少なくとも約50重量%含有する。
【0108】
図17は、第1コアラップシート264及び第2コアラップシート272の長手方向縁部分が長手方向シーリングゾーン288のところで接合された、吸収性コア214の他の実施形態を示す。長手方向シーリングゾーン288は、横方向シーリングゾーンについて前述したような接合部のストライプを含んでもよい。一実施形態では、長手方向シーリングゾーン288は、両方の長手方向縁部の周りに、実質的に吸収性コアの長さに沿って延びる接着剤の1つ以上の細線を含む。
【0109】
本発明の一実施形態による吸収性コア14を作製するための印刷システム130は、図10に例示されており、吸収性コア14の第1吸収層60を形成するための第1印刷ユニット132と、吸収性コア14の第2吸収層62を形成するための第2印刷ユニット134とを概ね含んでもよい。
【0110】
第1印刷ユニット132は、補助接着剤を不織布ウェブであってもよい基材64に塗布するための第1補助接着剤塗布装置136と、基材64を受けるための第1回転自在支持ロール140と、吸収性粒子状ポリマー材料66を保持するためのホッパー142と、吸収性粒子状ポリマー材料66を基材64に移動するための印刷ロール144と、熱可塑性接着剤材料68を基材64及びその上の吸収性粒子状ポリマー66材料に塗布するための熱可塑性接着剤材料塗布装置146とを含んでもよい。
【0111】
第2印刷ユニット134は、補助接着剤を第2基材72に塗布するための第2補助接着剤塗布装置148と、第2基材72を受けるための第2回転自在支持ロール152と、吸収性粒子状ポリマー材料74を保持するための第2ホッパー154と、吸収性粒子状ポリマー材料74をホッパー154から第2基材72へ移動するための第2印刷ロール156と、熱可塑性接着剤材料76を第2基材72及びその上の吸収性粒子状ポリマー材料74に塗布するための第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158とを含んでもよい。
【0112】
印刷システム130はまた、第1回転自在支持ロール140と第2回転自在支持ロール152との間のニップ162から形成された吸収性コアを案内するためのガイドローラ160を包含する。
【0113】
第1補助塗布装置136及び第2補助塗布装置148、並びに第1熱可塑性接着剤材料塗布装置146及び第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、比較的薄いが、幅広い熱可塑性接着剤材料のカーテンを提供できるノズルシステムであってもよい。
【0114】
図11を参照すると、第1ホッパー142と、第1支持ロール140と、第1印刷ロール144との一部が例示されている。図14においても示されるように、第1回転自在支持ロール140は、第2回転自在支持ロール152と同一の構造を有しており、回転自在ドラム164と、第1基材64を受けるための外周部通気式支持グリッド166とを含む。
【0115】
また図12に例示されているように、第1印刷ロール144は、第2印刷ロール156と同一の構造を有しており、回転自在ドラム168と、該ドラム168の外周面172における複数の吸収性粒子状ポリマー材料リザーバ170とを含む。図13に最良に例示されるリザーバ170は、円筒形、円錐形、又は他のあらゆる形状を包含する種々の形状を有してもよい。リザーバ170は、ドラム168内の空気通路174に通じており、リザーバ内に接着剤粒子状ポリマー材料66を保持し、接着剤粒子状ポリマー材料66が空気通路174内に落下するか又は引き込まれるのを防ぐための通気式カバー176を含んでもよい。
【0116】
運転する際、印刷システム130は、第1基材64及び第2基材72を第1印刷ユニット132及び第2印刷ユニット134の各々内に受け、第1基材64は、第1補助接着剤を第1基材64に上記のようなパターンで塗布する第1補助接着剤塗布装置136を越えて、回転する第1支持ロール140によって引き寄せられる。第1支持ロール140内部の真空(図示せず)は、第1基材64を縦方向支持グリッド166に対して引き寄せ、第1基材64を第1支持ロール140に対して保持する。このことにより、第1基材64上に非平坦表面が提供される。重力により、又は真空手段を使用することにより、基材64は、非平坦表面の輪郭をたどり、これにより基材64は、山及び谷の形をとる。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、第1支持ロール140は、第1基材64を回転する第1印刷ロール144を越えて担送し、この回転する第1印刷ロール144が、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1ホッパー142から第1基材64へ、図5及び6に最良に例示されるグリッドパターン92で移動する。第1印刷ロール144内の真空(図示せず)は、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1基材64に供給する時まで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバ170内に保持してもよい。次いで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバから第1基材64上に排出するために、真空が解除されてもよく、あるいは、空気通路174を通って流れる空気が逆流してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、支持ロール140は、印刷された第1基材64を熱可塑性接着剤材料塗布装置136を越えて担送し、この熱可塑性接着剤材料塗布装置136が、熱可塑性接着剤材料68を塗布して、第1基材64上で吸収性粒子状ポリマー材料66を覆う。
【0117】
故に、支持ロール140及び支持ロール152の通気式支持グリッド166の非平坦表面は、吸収性コア14全体にわたる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の分布を決定し、また同様に、接合領域96のパターンを決定する。
【0118】
その一方、第2回転自在支持ロールは、第2基材72を第2補助接着剤塗布装置148を越えて引き寄せ、この第2補助接着剤塗布装置148が、補助接着剤を第2基材72に上記のようなパターンで塗布する。次いで、第2回転自在支持ロール152は、第2基材72を第2印刷ロール156を越えて担送し、この第2印刷ロール156が、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2ホッパー154から第2基材72へ移動し、上記の第1印刷ユニット132に関して説明したのと同じ方法で、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2基材72上にグリッドパターン92で付着させる。次いで、第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、熱可塑性接着剤材料76を塗布して、第2基材72上で吸収性粒子状ポリマー材料74を覆う。次いで、第1吸収層60及び第2吸収層62を共に圧縮して吸収性コア14を形成するために、印刷された第1基材64及び第2基材72は、第1支持ロール140と第2支持ロール152との間のニップ162を通過する。
【0119】
任意の更なるプロセス工程では、被覆層70は、基材64及び基材72上、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74上、並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76上に配置されてもよい。別の実施形態では、被覆層70及び各々の基材64及び基材72は、単一のシート材料から提供されてもよい。次いで、被覆層70を基材64及び基材72の各々の上に配置することには、単一の材料片の折り畳みが含まれてもよい。
【0120】
後述の試験方法及び装置は、本発明の実施形態を試験するのに有用であってもよい。
【0121】
湿潤不動化試験
機器
・メスシリンダー
・ストップウォッチ(±0.1秒)
・はさみ
・ライトボックス
・ペン
・試験溶液:37℃の0.90%食塩水溶液
・NIST、DIN、JIS又はその他の同等の国家規格に準拠している金属定規
・内側が平らな表面であり、測定されるコアバッグの長さの最小長が(n)及び最大長が(n)+30mm、幅が105±5mm、高さが30〜80mm、又はその等価である、PVC/金属皿
・電子フォースゲージ(0〜50kgの範囲)
・湿潤不動化衝撃試験機(Wet Immobilization Impact Tester Equipment - WAIIT)、デザインパッケージ番号BM−00112.59500−R01、T.M.G.Technisches Buero Manfred Grunaから入手可能。
【0122】
設備:
標準実験室条件、温度:23℃±2℃、相対湿度:55%未満
試料の調製
1.トップシート側を上にして、製品を開ける。
2.おむつを広げ、およそ2.5cm毎にカフの弾性体を切って、シャーシの張力を無効にする。
3.プルアップ製品に関しては、サイドシームを開け、腰バンドを取り除く。
4.コアバッグを平らに長方形のトップシート側を上にして折り目なしにライトボックスの表面上に置く。
5.ライトボックスをオンにして、吸収性コアの外側縁部を明確に特定する。
6.定規を用いて、前部吸収性コア外側縁部及び後部吸収性コア外側縁部で線を引く。
7.2つの標線の間の距離(A)を測り、その値を2で割ると、距離(B)が計算される。
8.前部標線からコアバッグの中央に向かって、計算された距離(B)を測り、印をつける。この標線で横断方向に線を引く。
【0123】
試験手順
WAIIT較正:
1.スライド板が下部位置にあることを確認する。WAIIT試験機の前扉を開き、フォースゲージのフックをWAIITの上部サンプルクランプに接続させる。ばね秤を接続する前に、クランプが閉じていることを確認する。
2.ばね秤に両手を使って、スライド板を上部位置に向かって継続的に、またできるだけゆっくりと持ち上げる。実行中の平均値(m1)を0.02kg単位で記録する。
3.スライド板を下部位置までできるだけゆっくりと下ろし、実行中に読み取られた平均値(m2)を0.02kg単位で記録する。
4.m1−m2のΔを計算し、0.01kgの単位で報告する。Δが0.6kg±0.3kgであるなら、測定を継続する。そうでない場合は、スライド板の調整が必要である。スライド板が下部位置にあることを確認し、汚染又は損傷に関してスライド通路を点検する。スライド通路に対するスライド板の位置が正しく調節されているかどうかを、板を振動させることによって点検する。容易な滑走のためには、いくらかの隙間が必要である。もしなければ、システムを再調整する。
【0124】
WAIIT試験設定:
・落高は50cmである。
・おむつの負荷(lD)はコア容量(cc)の73%である。lD=0.73×cc。
・コア容量(cc)は、cc=mSAP×SAPGVとして計算され、式中、mSAPは、おむつに存在する超吸収性ポリマー(SAP)の質量であり、SAPGVは、超吸収性ポリマーの自由膨張容量である。超吸収性ポリマーの自由膨張容量は、国際公開第2006/062258号に記載の方法によって決定される。おむつに存在する超吸収性ポリマーの質量は、10個の製品に存在する平均質量である。
【0125】
試験実施:
1.はかりを0にリセットし(風袋)、乾燥コアバッグをはかりに載せ、計量し0.1g単位で報告する。
2.メスシリンダーで適切な量の生理食塩水(脱イオン水中0.9%NaCl)を計る。
3.コアバッグをトップシート側を上にして平らにPVC皿内に置く。生理食塩水を均等にコアバッグの上に注ぐ。
4.PVC皿を取り、様々な方向に傾けて保持して、遊離した液体を吸収させる。ポリバックシートを有する製品は、バックシート下の液体が吸収されることができるように、2分間の最低待機時間後にひっくり返す必要がある。10分間(±1分間)待機して生理食塩水全てを吸収させる。何滴かはPVC皿に留まってもよい。均質の液体分配及びより少ない保留液体を確実にするために、規定されたPVC/金属皿のみを使用する。
5.はかりを0にリセットし(風袋)、湿潤コアバッグをはかりに載せる。計量し0.1g単位で報告する。はかり上に納まるように、コアバッグを1回だけ折る。湿潤コアバッグの重量が限界(「乾燥コアバッグの重量+おむつの負荷±4mL」として規定)外かどうかを確かめる。例えば、12gの乾燥コアバッグの重量+150mL負荷=162gの湿潤コアバッグの重量。はかり上の実際の湿潤重量が、158gと166gの間であるなら、そのパッドを振動に使用することができる。そうでなければ、そのパッドを廃棄し、次のパッドを使用する。
6.負荷されたコアバッグを取り、パッドを標線に沿って横断方向に切る。
7.湿潤コアバッグの後部をはかりの上に載せる(m1)。それを計量し0.1g単位で報告する。
8.湿潤コアを取り、末端封止側をWAIITのサンプルホルダーの上部クランプに固定する(コアの開放端は下に向く)。次に、製品が製品の全長に沿ってサンプルホルダーに固定されていることを確認しながら、コアの両側をサンプルホルダーの側部クランプで固定する。吸収性コア(不織布のみ)を固定しないよう確認するが、それは、一部の製品に関して、バリアレッグカフのみで製品を固定することを意味するためである。
9.スライド板が係合するまで、両手を使ってスライド板を上部位置まで持ち上げる。
10.安全前扉を閉め、スライドブレードを解放する。
11.はかりを0にリセットし(風袋)、試験されたコアバッグをWAIITから取り出し、はかりに載せる(m2)。重量を0.1g単位で報告する。
12.工程7〜11を湿潤コアバッグの前部で繰り返す。
【0126】
報告:
1.乾燥コアバッグの重量を0.1g単位で記録する。
2.試験前(m1前部/後部)及び試験後(m2前部/後部)の湿潤重量を、両方とも0.1g単位で記録する。
3.平均重量損失(Δm)を計算し、0.1g単位で報告する:Δm=(m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部)
4.重量損失をパーセントで計算し、1%単位で報告する:(Δmrel):(Δmrel)=(((m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部))×100)/(m1前部+m1後部)
5.湿潤不動化(WI)をWI=100%−Δmrelとして計算し報告する。
【0127】
プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)に譲渡された特許及び特許出願のうち、本明細書で引用する特許及び特許出願(明細書に記載されている特許も含む)は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に参考として組み入れる。
【0128】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0129】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0130】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、吸収性物品に関し、より詳細には、おむつなど、吸収性粒子状ポリマー材料を備えた使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用下着のような吸収性物品は、身体排出物を吸収し封じ込める。これらはまた、身体排出物が着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品をよごし、濡らし、ないしは別の方法で汚染するのを防止するように意図されている。使い捨ておむつのような使い捨て吸収性物品は、乾燥した状態又は尿が沁み込んだ状態で数時間にわたって着用されることがある。したがって、物品の吸収及び封入機能を維持又は向上する一方で、物品が乾燥しているときと物品が液体排出物で全体的又は部分的に負荷されたときの両方において、着用者に対する吸収性物品のフィット性及び快適性を改善する努力がなされてきた。
【0003】
おむつのような幾つかの吸収性物品には、吸収性粒子状ポリマー材料のような吸収性ポリマー材料(超吸収性ポリマーとしても知られる)が含まれる。吸収性粒子状ポリマー材料は、液体を吸収して膨張し、最良の吸収性、フィット性、及び/又は快適性を意図する一定のパターン又は配列で吸収性物品内に配置されたときに、より効果的であることがある。それ故、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性物品においてその意図された位置に留まるのが望ましいことがあり、したがって、吸収性粒子状ポリマー材料は、望ましくは、吸収性物品が乾燥しているとき及び濡れているときに吸収性粒子状ポリマー材料が不動化された状態を維持するように、吸収性物品内で不動化される。
【0004】
吸収性であることに加えて、おむつなどの吸収性物品は、望ましくは、使いやすさ及び使用時の快適性のために、また、より便利で整ったパッケージ化及び保管のために、薄く可撓性のあるものとすることができる。吸収性物品は、大量に使用されることが多く、廉価であるのが望ましいこともある。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化する幾つかの技術によって、吸収性物品の嵩(かさ)が増し、これにより、厚さが増大し、可撓性が低減し、及び/又は吸収性物品のコストが増大する。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化するための他の技術は、吸収性物品が濡れた状態にあるときに、乾燥した状態にあるときほど不動化を維持するのに効果的でないことがある。したがって、乾燥した状態及び濡れた状態における物品内での吸収性粒子状ポリマー材料の不動化を向上させた吸収性粒子状ポリマー材料を含有する、薄く、可撓性の、及び/又は廉価な吸収性物品の必要性が残っている。
【0005】
更に、おむつなどの吸収性物品から吸収性粒子状ポリマー材料が漏れるのを防ぐことが一般に望ましい。例えば、ヒドロゲルと呼ばれることのある、そのような超吸収性材料の漏れは、最終的には着用者との接触をまねくおそれがある。そのようなゲル・オン・スキン(gel-on-skin)の発生は、多くの消費者が皮膚接触を不快なものと考えるので、望ましくないものと見なされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、吸収性物品の吸収性コアからの粒子状ポリマー材料の漏れを効率的に防ぐ、吸収性粒子状ポリマー材料を含む薄い可撓性吸収性物品が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の1つ以上の技術的問題に対処し、シャーシと、実質的にセルロースを含まない吸収性コアとを含むことのできる、使い捨て吸収性物品を提供する。シャーシは、トップシート及びバックシートを有してもよい。吸収性コアは、トップシートとバックシートとの間に配置することができ、物品が着用されているときに着用者の方を向く、着用者に面する側と、反対の、衣類に面する側とを有することができる。吸収性コアは、(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する貯蔵層と、(ii)貯蔵層の着用者に面する側を覆う第1コアラップシートと、(iii)貯蔵層の衣類に面する側を覆う第2コアラップシートと、を含むことができ、第1コアラップシートは、少なくとも1つの横方向シーリングゾーンに沿って第2コアラップシートに接合される。
【0008】
特定の一実施形態では、貯蔵層と、第1コアラップシートと、第2コアラップシートとは、相まって第1及び第2吸収層を構成しており、第1コアラップシートは、第1吸収層のための第1基材であり、第2コアラップシートは、第2吸収層のための第2基材であり、吸収性粒子状ポリマー材料は、第1及び第2基材上に付着され、熱可塑性接着剤材料は、それぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を覆う。第1及び第2吸収層は、前記第1吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が前記第2吸収層の熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わせることができ、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内で第1基材と第2基材との間に配置され、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域にわたってほぼ連続的に分布する。
【0009】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲を読めば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態によるおむつの平面図。
【図2】図1に示したおむつを図1の断面線2−2に沿って切断した断面図。
【図3】本発明の一実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図4】本発明の別の実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図5】図3に例示された吸収性コア層の平面図。
【図6】本発明の一実施形態による第2吸収性コア層の平面図。
【図7a】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図7b】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図8】図7a及び7bに例示された吸収性コアの平面図。
【図9】レオメーターの略図。
【図10】本発明の一実施形態による吸収性コア作製プロセスの模式図。
【図11】本発明の一実施形態による吸収性コアを作製するための装置の部分断面図。
【図12】図11に例示された印刷ロールの斜視図。
【図13】吸収性粒子状ポリマー材料リザーバを示す図12に例示された印刷ロールの部分断面図。
【図14】図12に例示された支持ロールの斜視図。
【図15】本発明の一実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【図16】本発明の他の実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【図17】本発明の更に他の実施形態による、封止された吸収性コアの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収及び収容するデバイスを指し、より詳細には、着用者の体に接して又は近接して配置されて、体から排出される様々な排出物を吸収し封じ込めるデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品及び同種のものを挙げてもよい。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」とは、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便を包含するが、これらに限定されない。
【0012】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封入するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。多層の吸収性コアにおいて、吸収性コアは被覆層を包含してもよい。1つ以上の基材及び被覆層は、不織布を備えてもよい。更に、吸収性コアは、実質的にセルロースを含まない。吸収性コアは、吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートを包含しない。特定の実施形態では、吸収性コアは、1つ以上の基材と、吸収性ポリマー材料と、熱可塑性組成物と、所望により被覆層とから本質的になる。
【0013】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離器保持容量(Centrifuge Retention Capacity)試験(エダナ(Edana)441.2−01)を使用して測定されたときに、水性の0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料を指す。
【0014】
「吸収性粒子状ポリマー材料」は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性ポリマー材料を指すために本明細書で使用される。
【0015】
「吸収性粒子状ポリマー材料領域」は、本明細書で使用するとき、第1基材64及び第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられているコアの領域を指す。図8では、吸収性粒子状ポリマー材料領域の境界は、重なり合った円の外辺部によって画定される。この外辺部の外側には、第1基材64と第2基材72との間に幾つかの外部超吸収性粒子が存在してもよい。
【0016】
「エアフェルト」は、本明細書において、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指すのに使用される。
【0017】
「含む」、「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば、構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知の又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外しない。
【0018】
本明細書において「本質的に〜からなる」とは、請求項におけるようなものの対象の範囲を、特定の材料又は工程、及び対象の基本的で新しい特徴に実質的に影響しないものに限定するのに使用される。
【0019】
「使い捨て」は、通常の意味では、様々な期間にわたって限定された使用回数、例えば、約20回未満、約10回未満、約5回未満、又は約2回未満の後に、処分される又は廃棄される物品を意味するのに使用される。
【0020】
「おむつ」とは、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周囲で幼児及び失禁症状のある人によって一般に着用され、特に尿及び糞便を受け取り封入するように構成されている吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0021】
「繊維」及び「フィラメント」は、同じ意味で使用される。
【0022】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットであるが、紙と、縫うかどうかを問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル又は連続フィラメントであっても、若しくはその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)、によって提供される。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなど、多くの方法により形成できる。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。
【0023】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入して、パンツを着用者の胴体下部周りの適所まで滑らせることによって、着用者の定位置に置かれてもよい。パンツは、いかなる好適な技法によって予備形成されてもよく、これには再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、縫い目、溶着、接着剤、粘着性結合、締結具など)を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。パンツは、物品の周囲沿いのいずれかの箇所で(例えば、側面締結、前側腰部締結)予備形成されてもよい。用語「パンツ(単数又は複数)」が本明細書では使用されるが、パンツは、一般に「密閉型おむつ」、「事前締着型(prefastened)おむつ」、「プルオン型おむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツが、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら、1993年9月21日発行)、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、同第6,120,487号(アシュトン(Ashton)、2000年9月19日発行)、同第6,120,489号(ジョンソン(Johnson)ら、2000年9月19日発行)、同第4,940,464号(バン・ゴンペル(Van Gompel)ら、1990年7月10日発行)、同第5,092,861号(ノムラ(Nomura)ら,1992年3月3日発行)、米国特許公開第2003/0233082 A1号、名称「高可撓性及び低変形性締着装置(Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device)」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号(クライン(Kline)ら、1999年4月27日発行)、米国特許第5,957,908号(クライン(Kline)ら、1999年9月28日発行)に開示されている。
【0024】
「実質的にセルロースを含まない」とは、本明細書では、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又は微量を超えたセルロース繊維を含有しない、吸収性コアなどの物品を述べるのに使用される。微量のセルロース繊維は、吸収性コアの薄さ、吸収性コアの柔軟性、又は吸収性コアの吸収力に実質的に影響しない。
【0025】
「実質的に連続的に分布した」は、本明細書で使用するとき、吸収性粒子状ポリマー材料領域内において、第1基材64と第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられていることを示す。吸収性粒子状ポリマー材料領域において、第1基材64と第2基材72との間に小さな偶然接触領域が存在してもよいことが認められる。第1基材64と第2基材72との間にある偶然接触領域は、意図的であっても意図的でなくてもよい(例えば人工物の製造)が、枕状体(pillows)、ポケット、管、キルトパターンなどのような幾何学的配置を形成しない。
【0026】
「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において超吸収性材料を不動化する目的で超吸収性材料に塗布され、繊維が形成されるポリマー組成物を含むものと解される。本発明の熱可塑性接着剤材料は、超吸収性材料を覆って繊維性網状組織を形成する。
【0027】
「厚さ」及び「キャリパー」は、本明細書において同じ意味で使用される。
【0028】
図1は、本発明の特定の実施形態によるおむつ10の平面図である。おむつ10は、その広げられた非収縮(弾性による収縮がない)状態で示され、おむつ10の一部は、おむつ10の下層構造をより明瞭に示すために、切り取られている。着用者に接触するおむつ10の部分は、図1において観察者の方を向いている。おむつ10は、一般に、シャーシ12と、シャーシ内に配置される吸収性コア14とを含んでもよい。
【0029】
図1におけるおむつ10のシャーシ12は、おむつ10の本体を含んでもよい。シャーシ12は、液体透過性であり得るトップシート18、及び/又は液体不透過性であり得るバックシート20を包含する外側カバー16を含んでもよい。吸収性コア14は、トップシート18とバックシート20との間に包まれていることもある。シャーシ12は、サイドパネル22、弾性レッグカフ24、及び弾性ウエスト機構26を更に包含してもよい。
【0030】
レッグカフ24及び弾性ウエスト機構26は通常、弾性部材28をそれぞれ含んでもよい。おむつ10の1つの末端部は、おむつ10の第1腰部区域30として構成されてもよい。おむつ10の反対側の末端部は、おむつ10の第2腰部区域32として構成されてもよい。おむつ10の中間部分は、股部区域34として構成されてもよく、これは、第1腰部区域30と第2腰部区域32との間を長手方向に延びている。腰部区域30及び腰部区域32は、着用者のウエストの周りでギャザーを寄せて改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を包含してもよい(弾性ウエスト機構26)。股部区域34は、おむつ10が着用されたとき、通常、着用者の脚の間に配置される、おむつ10の部分である。
【0031】
おむつ10は、その長手方向軸36及び横断方向軸38と共に図1に描かれている。おむつ10の外周40は、長手方向縁部42がおむつ10の長手方向軸36に対して概ね平行に延び、終縁部44がおむつ10の横断方向軸38に対して概ね平行に長手方向縁部42の間を延びる、おむつ10の外側縁部によって画定される。シャーシ12は、締着装置もまた含んでよく、これは少なくとも1つの締着部材46と、少なくとも1つの格納されたランディング領域48とを包含してもよい。
【0032】
また、当該技術分野において既知のその他の機構(前及び後耳パネル、ウエストキャップ機構、弾性体などを包含する)をおむつ20に搭載して、フィット性、封入性、美的特性を向上させてもよい。このような追加機構は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,860,003号及び同第5,151,092号に記載されている。
【0033】
おむつ10を着用者の周りの定位置に保持するために、第1腰部区域30の少なくとも一部は、締着部材46によって第2腰部区域32の少なくとも一部に取り付けられて、脚部開口部(単数又は複数)及び物品の腰部を形成してもよい。締着するとき、締結装置が物品の腰部周辺の引張荷重を支える。締着装置により、物品のユーザーは、締着装置の1要素、例えば締着部材46を持ち、少なくとも2箇所で第1腰部区域30を第2腰部区域32に連結させることができる。これは、締着装置要素間の固着強度の操作により達成されてもよい。
【0034】
特定の実施形態によると、おむつ10は、再閉止可能な締着装置を備えてもよく、あるいは、パンツ型おむつの形態で提供されてもよい。吸収性物品がおむつである場合、おむつを着用者に固定するために、シャーシに接合した再閉止可能な締着装置を含んでもよい。吸収性物品がパンツ型おむつである場合、物品は、シャーシに、また互いに接合した少なくとも2つのサイドパネルを含み、パンツを形成してもよい。締着装置及びそのいずれの構成要素も、このような使用に好適ないずれの材料を包含してもよく、それにはプラスチック、フィルム、発泡体、不織布、織布、紙、ラミネート、繊維強化プラスチックなど、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、締着装置を構成する材料は、可撓性であり得る。可撓性により、締着装置を体の形状に適合させることができ、それ故に、締着装置が着用者の皮膚に刺激を与えたり傷つけたりする可能性を低減させることができる。
【0035】
一体型吸収性物品の場合、シャーシ12及び吸収性コア14は、おむつの複合構造を形成するために追加される他の機構と共におむつ10の主構造を形成してもよい。トップシート18、バックシート20、及び吸収性コア14は、様々な周知の構成に組み立てることができるが、好ましいおむつ構成は、米国特許第5,554,145号(ロー(Roe)ら、1996年9月10日発行)、名称「複数の領域の構造的に弾性様のフィルムウェブの伸張可能な腰部機構を有する吸収性物品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、名称「使い捨てプルオンパンツ(Disposable Pull-On Pant)」、及び同第6,004,306号(ローブルス(Robles)ら、1999年12月21日発行)、名称「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」に概ね記載される。
【0036】
図1のトップシート18は、全体的に又は部分的に伸縮性を持たせてもよく、又は縮小してトップシート18と吸収性コア14との間に空間を提供してもよい。伸縮性の又は縮小させたトップシートを包含する代表的な構造は、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、名称「弾性的延伸性のトップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Top sheet)」、及び同第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)、名称「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Top sheets for Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Top sheets)」に更に詳細に記載されている。
【0037】
バックシート26は、トップシート18に接合されてもよい。バックシート20は、吸収性コア14に吸収され、おむつ10内に収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着などの、おむつ10に接触する可能性があるその他の外部物品を汚すのを防いでもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、液体(例えば、尿)に対して実質的に不透過性であってもよく、不織布のラミネート及び約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを含んでもよい。好適なバックシートフィルムには、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、商標名X15306、X10962、及びX10964で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ10から逃がす一方で液体排出物がバックシート10を通過するのを依然として防止する通気性材料を挙げてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブのような材料、フィルムコートされた不織布ウェブのような複合材料、及び三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)によりエスポワール(ESPOIR)NOの表記で製造されるような、またエクソンケミカル社(EXXSON Chemical Co.)(テキサス州ベイシティー(Bay City))によりエクサエール(EXXAIRE)の表記で製造されるようなミクロ孔質フィルムを挙げてもよい。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、クロペイ社(Clopay Corporation)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))からハイトレル(HYTREL)ブレンドP18−3097の名称で入手できる。そのような通気性複合材料は、PCT出願WO95/16746(E.I.デュポンの名義で1995年6月22日公開)に更に詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを包含する他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号(ドブリン(Dobrin)ら、1996年11月5日発行)に記載されている。
【0038】
特定の実施形態において、本発明のバックシートは、WSP 70.5(08)に従って、37.8℃及び相対湿度60%で測定され、約2000g/24h/m2を超える、約3000g/24h/m2を超える、約5000g/24h/m2を超える、約6000g/24h/m2を超える、約7000g/24h/m2を超える、約8000g/24h/m2を超える、約9000g/24h/m2を超える、約10000g/24h/m2を超える、約11000g/24h/m2を超える、約12000g/24h/m2を超える、約15000g/24h/m2を超える透湿度(WVTR)を有してもよい。
【0039】
図2は、図1の断面線2−2に沿った図1の断面図を示す。着用者に面する側から順に、おむつ10は、トップシート18と、吸収性コア14の構成要素と、バックシート20と、を含んでもよい。特定の実施形態によると、おむつ10はまた、液体透過性トップシート18と吸収性コア14の着用者に面する側との間に配置される捕捉システム50を含んでもよい。捕捉システム50は、吸収性コアと直接接触していてもよい。捕捉システム50は、単一層を含んでもよく、又は、着用者の皮膚に面する上部捕捉層52及び着用者の衣類に面する下部捕捉層54などの多層を含んでもよい。特定の実施形態によると、捕捉システム50は、尿の噴出のような急増する液体を受け取るように機能してもよい。換言すれば、捕捉システム50は、吸収性コア14が液体を吸収できるまで液体の一時的なリザーバとしての機能を果たしてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、捕捉システム50は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。このような架橋されたセルロース繊維は、望ましい吸収力特性を有してもよい。代表的な化学的に架橋されたセルロース繊維は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態では、化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づいて、約0.5モル%〜約10.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤、又は約1.5モル%〜約6.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤により架橋される。クエン酸は、代表的な架橋剤である。他の実施形態では、ポリアクリル酸が使用されてもよい。更に、特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、約25〜約60、又は約28〜約50、又は約30〜約45の保水度を有する。保水度を決定するための方法は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、又はカールされてもよく、あるいは、捲縮、撚り合わせ、及びカールを包含するそれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方は、親水性であり得る不織布を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方が化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよく、これらセルロース繊維は不織布材料の一部を形成しても形成しなくてもよい。代表的な実施形態によると、上部捕捉層52は、架橋されたセルロース繊維を有さない不織布を含んでもよく、下部捕捉層54は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。更に、一実施形態によると、下部捕捉層54は、天然又は合成高分子繊維などの他の繊維と混合された、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。代表的な実施形態によると、このような他の天然又は合成高分子繊維には、表面積の大きな繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リオセル繊維、及びこれらの混合物が含まれてもよい。特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、全乾燥重量を有し、架橋されたセルロース繊維は、上部捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約30重量%〜約95重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約70重量%〜約5重量%の量で存在している。別の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、第1捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約80重量%〜約90重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約20重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0042】
特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、望ましくは高い流体吸い上げ能力を有する。流体吸い上げは、吸収性材料のグラム当たりに吸収された流体のグラムで測定されて、「最大吸い上げ」値により表される。したがって、高い流体吸い上げは、材料の高い容量に対応しており、捕捉材料により吸収されるべき流体の完全な捕捉を確実にするので、有益である。代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、約10g/gの最大吸い上げを有する。
【0043】
上部捕捉層54の関連属性は、その中間脱着圧(MDP)である。MDPは、付加される2.06kPa(0.3psi)の機械的圧力の下で、0cmの毛管吸引高さにおいて、下部捕捉層54をその容量の約50%まで脱水するのに必要とされる、毛管圧力の度合いである。一般に、比較的より低いMDPが有用であってもよい。より低いMDPによって、下部捕捉層54は、上部捕捉材料からより効果的に排液させることが可能になってもよい。理論に束縛されるものではないが、所与の分配材料は、規定可能な(definable)毛管吸引力を有してもよい。下部捕捉層54が毛管力によって液体を縦方向に移動させる能力は、重力、及び上部捕捉層の脱着と関連した対向する毛管力によって直接的に影響される。これらの毛管力を最小限に抑えると、下部捕捉層54の性能に好影響を与えることがある。しかしながら、特定の実施形態では、下部捕捉層54はまた、上方の層(特に上部捕捉層52及びトップシート18)から排液するために、また、液体が吸収性コア構成要素によって離隔されるまで液体を一時的に保持するために、適切な毛管吸収吸引を有してもよい。したがって、特定の実施形態では、下部捕捉層54は、5cmを超える最小MDPを有してもよい。更に、代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、急速な捕捉を提供するために、約2.0kPa(20.5cm H2O)未満、又は約1.9kPa(19cm H2O)未満、又は約1.8kPa(18cm H2O)未満のMDP値を有する。
【0044】
MDP及び最大吸い上げを決定するための方法は、米国特許出願第11/600,691号(フロール(Flohr)ら)に開示されている。例えば、第1実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を含んでもよい。第2実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約20重量%のリオセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含んでもよい。第3実施形態によると、下部捕捉層54は、約68重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約16重量%の未処理のパルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含んでもよい。一実施形態では、下部捕捉層54は、約90〜100重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。
【0045】
上部捕捉層52及び下部捕捉層54に好適な不織布材料としては、スパンボンド層と、メルトブロウン層と、更なるスパンボンド層とを含むSMS材料が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい。別の好適な実施形態は、SMMS構造を含む。特定の実施形態では、不織布は多孔質である。
【0046】
特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維を挙げてもよいが、これらに限定されない。不織布の製造に使用されるポリマーは、本来的に疎水性であり得るため、親水性コーティングによってコーティングされてもよい。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するための1つの方法は、同時係属中の米国特許公開第2005/0159720号に記載されているように、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗り、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するためのもう1つの方法は、同時係属出願米国特許第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh)ら)及びPCT出願公開WO02/064877に記載されているように、親水性のナノ粒子を用いて不織布をコーティングすることである。
【0047】
典型的には、ナノ粒子は、750nm未満の最大寸法を有する。2〜750nmの範囲の寸法を有するナノ粒子が、経済的に製造されてもよい。ナノ粒子の利点は、その多くが水溶液中で容易に分散して、不織布上にコーティング塗布可能であり、典型的には透明なコーティングを形成し、また、水溶液から塗布されたコーティングは、典型的には水への曝露に対して十分に耐久性があることである。ナノ粒子は、有機又は無機、合成又は天然であり得る。無機ナノ粒子は、一般に酸化物、ケイ酸塩、及び/又は炭酸塩として存在する。好適なナノ粒子の典型例は、層状粘土鉱物(例えば、サザン・クレイ・プロダクツ(Southern Clay Products, Inc.)(米国)からのラポナイト(LAPONITE)(商標))、及びベーマイトアルミナ(例えば、ノース・アメリカン・セイソル(North American Sasol. Inc.)からのディスペラル(Disperal)P2(商標))である。特定の実施形態によると、好適なナノ粒子コーティング不織布は、同時係属特許出願第10/758,066号、名称「耐久性のある親水性コアラップを含む使い捨て吸収性物品(Disposable absorbent article comprising a durable hydrophilic core wrap)」(エカテリナ・アナトリエブナ・ポノマレンコ(Ekaterina Anatolyevna Ponomarenko)及びマティアスNMNシュミット(Mattias NMN Schmidt))に開示されたものである。
【0048】
更に有用な不織布は、米国特許第6,645,569号(クラーマー(Cramer))ら、同第6,863,933号(クラーマー(Cramer))ら、同第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh))ら、並びに同時係属特許出願10/338,603(クラーマー(Cramer))ら、及び同10/338,610(クラーマー(Cramer)ら)に記載されている。
【0049】
場合によっては、不織布表面は、ナノ粒子のコーティングを適用する前に、高エネルギー処置(コロナ、プラズマ)で前処理され得る。高エネルギーの前処理は、典型的には低表面エネルギー表面(PPなど)の表面エネルギーを一時的に増大して、その結果、水中のナノ粒子の分散による不織布のより良好な濡れを可能にする。
【0050】
特に、永久的に親水性の不織布は、吸収性物品の他の部分にも有用である。例えば、上記のような永久的に親水性の不織布を含むトップシート及び吸収性コア層は、うまく働くことが判明した。
【0051】
特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、外部圧力が加えられて取り除かれるときに良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、例えば、上述した高分子繊維の種類から選択される、異なる繊維のブレンドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、繊維の少なくとも一部分は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を呈してもよい。幾つかの実施形態では、上部捕捉層52は、異なる程度又は異なるタイプの捲縮、又は両方の捲縮を有する繊維を含んでもよい。例えば、一実施形態としては、1cm当たり約3.14個〜約4.72個の捲縮(1インチ当り8個〜約12個の捲縮(cpi))、又は1cm当たり約3.54個〜約3.93個の捲縮(9〜約10cpi)を有する繊維の混合物、及び1cm当たり約1.57個〜約3.14個の捲縮(4〜約8cpi)、又は1cm当たり約1.96個〜約2.75個の捲縮(5〜約7cpi)を有する他の繊維を挙げてもよい。異なる種類の捲縮としては、2D捲縮又は「平らな捲縮」、及び3D又はスパイラル捲縮が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によると、繊維は、異なる材料、通常は第1及び第2の高分子材料をそれぞれが含む個別の繊維である、バイコンポーネント繊維を包含してもよい。並列バイコンポーネント繊維の使用は、繊維にスパイラル捲縮を付与するのに有益であると考えられる。
【0052】
特定の実施形態では、上部捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって安定化されてもよい。そのような格子状構造を得る方法は、例えば、欧州特許EP第149 880号(クウォク(Kwok))とUS第2003/0105190号(ディール(Diehl)ら)から既知である。特定の実施形態では、結合剤は、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超えて上部捕捉層52に存在していてもよい。特定の実施形態に関して、SBラテックスは、商標名ジェンフロ(GENFLO)(商標)3160(オムノバソリューションズ(OMNOVA Solutions)社、オハイオ州アクロン(Akron))として入手可能である。
【0053】
図1〜8における吸収性コア14は、概してトップシート18とバックシート20との間に配置され、2つの層、第1吸収層60及び第2吸収層62を含む。図3に最良に示されるように、吸収性コア14の第1吸収層60は、基材64と、基材64上の吸収性粒子状(particular)ポリマー材料66と、第1基材64上の吸収性粒子状ポリマー材料66を覆い不動化するための接着剤としての、吸収性粒子状ポリマー材料66上及び第1基材64の少なくとも一部上の熱可塑性組成物68とを含む。図4に例示された別の実施形態によると、吸収性コア14の第1吸収層60はまた、熱可塑性組成物68上の被覆層70を包含してもよい。
【0054】
同様に、図2に最良に例示されるように、吸収性コア14の第2吸収層62もまた、基材72と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料74上及び第2基材72の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物66とを包含してもよい。例示されないが、第2吸収層62もまた、図4に例示された被覆層70のような被覆層を包含してもよい。
【0055】
第1吸収層60の基材64はダスティング層と呼ばれることがあり、おむつ10のバックシート20に面する第1表面78と、吸収性粒子状ポリマー材料66に面する第2表面80とを有する。同様に、第2吸収層62の基材72はコアカバーと呼ばれることがあり、おむつ10のトップシート18に面する第1表面82と、吸収性粒子状ポリマー材料74に面する第2表面84とを有する。第1基材64及び第2基材72は、外周の周辺部で接着剤により互いに付着して、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を吸収性コア14内に保持するための包みを、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の周りに形成してもよい。
【0056】
特定の実施形態によると、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72は、上述した不織布材料などの不織布材料であってもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、約32マイクロメートルの孔径を有する。
【0057】
図1〜8に例示されるように、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、各々、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72上に粒子の塊90になって付着され、ランド領域94とランド領域94の間の接合領域96とを含むグリッドパターン92を形成する。本明細書で定義されたように、ランド領域94は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触しない領域であり、接合領域96は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触する領域である。グリッドパターン92内の接合領域96は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を殆ど又は全く含有しない。ランド領域94及び接合領域96は、様々な形状を有することができ、それには円形、楕円形、正方形、矩形、三角形などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0058】
図8に示したグリッドパターンは、ランド領域の規則的な間隔と寸法を有する正方形のグリッドである。六角形、菱形、斜方晶形(orthorhombic)、平行四辺形、三角形、矩形、及びこれらの組み合わせを包含する他のグリッドパターンも使用されてもよい。グリッド線の間の間隔は、規則的であっても不規則であってもよい。
【0059】
グリッドパターン92内のランド領域94の寸法は、様々であってもよい。特定の実施形態によると、グリッドパターン92内のランド領域94の幅119は、約8mm〜約12mmの範囲である。特定の実施形態では、ランド領域94の幅は、約10mmである。その一方、接合領域96は、特定の実施形態では、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1.5mm未満、約1mm未満、又は約0.5mm未満の幅又はより大きな範囲を有する。
【0060】
図8に示すように、吸収性コア14は、後端102から前端104まで延びる長手方向軸100と、長手方向軸100に対して垂直な、第1縁部108から第2縁部110まで延びる横断方向軸106とを有する。吸収性粒子状ポリマー材料の塊90のグリッドパターン92は、ランド領域94及び接合領域96の配列によって形成されたグリッドパターン92がパターン角度112を形成するように、各吸収層60の基材64及び吸収層62の基材72上に配列される。パターン角度112は、0度、0度を超える、又は15〜30度、又は約5〜約85度、又は約10〜約60度、又は約15〜約30度であってもよい。
【0061】
図7a、7b、及び8に最良に見られるように、第1層60及び第2層62が、組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。吸収性コア14は、パターンの長さ116及びパターンの幅118によって境界付けされた、吸収性粒子状ポリマー材料領域114を有する。吸収性粒子状ポリマー材料領域114の範囲及び形状は、吸収性コア14の所望の用途、及び組み込まれ得る特定の吸収性物品に応じて、様々であってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料領域114は、図8に例示されているように、吸収性コア14の実質的に全体にわたって延びる。
【0062】
第1吸収層62及び第2吸収層64の各々のグリッドパターン92が吸収性コア14の長さ及び/又は幅に沿って互いにオフセットするように、第1吸収層60及び第2吸収層62は、共に組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。各グリッドパターン92は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74が吸収性粒子状ポリマー領域114にわたって実質的に連続的に分布するように、オフセットされてもよい。特定の実施形態では、個々のグリッドパターン92が第1基材64及び第2基材72にわたって塊90になって不連続的に分布している吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を含むにもかかわらず、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたって実質的に連続的に分布している。特定の実施形態では、グリッドパターンは、第1吸収層60のランド領域94が第2吸収層62の接合領域96に面し、第2吸収層62のランド領域が第1吸収層60の接合領域96に面するように、オフセットされてもよい。ランド領域94及び接合領域96が適切に寸法設定されて配列される場合、その結果生じる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の組み合わせは、吸収性コア14の吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたる吸収性粒子状(particular)ポリマー材料の実質的に連続的な層である(即ち、第1基材64及び第2基材72は、それらの間に吸収性粒子状ポリマー材料66の塊90をそれぞれが有する複数のポケットを形成しない)。特定の実施形態では、第1吸収層60及び第2吸収層62の各グリッドパターン92は、実質的に同じであってもよい。
【0063】
図8に例示されるような特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、グリッドパターン92の長さ116に沿って様々であってもよい。特定の実施形態では、グリッドパターンは、吸収性領域120、122、124、及び126に分割されてもよく、これらの領域において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、領域によって様々である。本明細書で使用するとき、「吸収性領域」は、図8に示した長手方向軸に対して垂直な境界を有する吸収性粒子状ポリマー材料領域の区域を指す。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、特定の実施形態では、複数の吸収性領域120、122、124、及び126のうちの一領域から別の領域へ漸進的に推移してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量のこの漸進的な推移により、吸収性コア14における亀裂形成の可能性が低減され得る。
【0064】
吸収性コア14内に存在する吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、様々であり得るが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%を超える、又は吸収性コアの約85重量%を超える、又は吸収性コアの約90重量%を超える、又はコアの約95重量%を超える量で、吸収性コア内に存在する。特定の実施形態では、吸収性コア14は、第1基材64及び第2基材72、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74、並びに熱可塑性接着性組成物68及び熱可塑性接着性組成物76から本質的になる。一実施形態では、吸収性コア14は、実質的にセルロースを含まなくてもよい。
【0065】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第1正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量は、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第2正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量より少なくとも約10%、又は20%、又は30%、40%又は50%高くてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2正方形は、長手方向軸の中央に位置する。
【0066】
吸収性粒子状ポリマー材料領域は、代表的な実施形態によると、着用時の快適性を増大するために、吸収性物品の股部領域において比較的狭い幅を有してもよい。故に、吸収性粒子状ポリマー材料領域は、一実施形態によると、吸収性物品の前縁部及び後縁部まで等間隔に位置する横断方向線に沿って測定したとき、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満の幅を有してもよい。
【0067】
おむつなどの殆どの吸収性物品に関して、液体の排出は、主におむつの前側半分において生じることが判明した。したがって、吸収性コア14の前側半分は、コアの吸収能力の大部分を含むべきである。それ故、特定の実施形態によると、前記吸収性コア14の前側半分は、超吸収性材料の約60%超、又は超吸収性材料の約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%超を含んでもよい。
【0068】
特定の実施形態では、吸収性コア14は、一般的に圧縮性であり、適合性があり、着用者の皮膚に刺激がなく、かつ尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することのできる、あらゆる吸収性材料を更に含んでもよい。このような実施形態では、吸収性コア14は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ、捲縮セルロース塊(creped cellulose wadding)、コフォームを包含するメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュラミネートを包含するティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。吸収性コア14は、少量(通常約10%未満)の材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを更に含んでもよい。
【0069】
吸収性組立体として使用される代表的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号(ワイズマン(Weisman)ら)、同第4,834,735号(アレメニー(Alemany)ら)、同第4,888,231号(アングスタット(Angstadt))、同第5,260,345号(デスマレイス(DesMarais)ら)、同第5,387,207号(ダイアー(Dyer)ら)、同第5,397,316号(ラボン(LaVon)ら)、及び同第5,625,222号(デスマレイス(DesMarais)ら)に記載される。
【0070】
熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆い、少なくとも部分的に不動化するのに役立つことがある。本発明の一実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74内で前記ポリマー間に本質的に均一に配置され得る。しかしながら、特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と少なくとも部分的に接触しており、第1吸収層60及び第2吸収層62の基材層64及び基材層72と部分的に接触している、繊維性層として提供されてもよい。図3、4、及び7は、このような構造体を示しており、この構造体において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、不連続な層として提供され、また繊維性熱可塑性接着剤材料68及び繊維性熱可塑性接着剤材料76の層は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の層の上に置かれ、その結果、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と直接接触しているが、基材64の第2表面80及び基材72の第2表面84とも直接接触しており、基材は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74によって覆われていない。このことは、それ自体が本質的に長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的小さい厚さの二次元構造体である熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の繊維性層に、本質的に三次元の構造体を付与する。換言すれば、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料68及び吸収性粒子状ポリマー材料76、並びに基材64及び基材72の第2表面の間で波状である。
【0071】
これにより、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆うための空洞を提供してもよく、これにより、この材料を不動化する。更なる態様では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、基材64及び基材72に結合し、その結果、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を基材64及び基材72に固着させる。したがって、特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、濡れたときに吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化し、それによって、吸収性コア14は、本明細書に記載の湿潤不動化試験に従って約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下の吸収性粒子状ポリマー材料の損失を達成する。幾つかの熱可塑性接着剤材料はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と基材64及び基材72との両方に浸透し、その結果、更なる不動化及び固着をもたらす。勿論、本明細書に開示される熱可塑性接着剤材料は、湿潤不動化(即ち、物品が濡れた状態であるとき又は少なくとも部分的に負荷されたときの吸収性材料の不動化)を大きく改善する一方、これらの熱可塑性接着剤材料は、吸収性コア14が乾燥状態であるときにも吸収性材料を非常に良好に不動化する。熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ホットメルト接着剤と呼ばれることもある。
【0072】
理論に束縛されるものではないが、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのに最も有用な熱可塑性接着剤材料は、良好な粘着挙動及び良好な接着挙動を組み合わせたものであることが判明した。良好な接着は、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76と、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74並びに基材64及び基材72との間の良好な接触を促進することがある。良好な粘着により、接着剤は、特に外力に反応して、即ち、ひずみに反応して破断する可能性が低下する。吸収性コア14が液体を吸収するとき、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は膨張し、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76が外力を受ける。特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、破断を伴わずに、また吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の膨張を抑制する過度に多くの圧縮力を付与せずに、このような膨張を可能にすることがある。
【0073】
特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ASTM法D−36−95「環球法(Ring and Ball)」によって決定されるように、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する単一熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドをそっくりそのまま含んでもよく、又は別の方法としては、熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には10,000を超える分子量(Mw)、及び通常は室温未満又は−6℃>Tg<16℃のガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲内である。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、非感水性であってもよい。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を包含する(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、またBブロックは、不飽和接合したジエン又はその(部分的に)水素添加したバージョンである。Bブロックは典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。
【0074】
使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、シングルサイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーである。その中で、少なくとも1つのコモノマーは、エチレンと重合されて、コポリマー、ターポリマー、又はより高い次数のポリマーを作製することができる。同様に適用可能なものは、C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリαオレフィン(APAO)である。
【0075】
代表的な実施形態では、粘着付与樹脂は、典型的には5,000未満のMw及び通常は室温を超えるTgを有し、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約30〜約60%の範囲内であり、可塑剤は、通常1,000未満の低いMw及び室温未満のTgを有し、約0〜約15%の典型的な濃度を有する。
【0076】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、繊維の形態で存在する。幾つかの実施形態では、繊維は、約1〜約50マイクロメートル又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの平均長さを有する。基材64及び基材72又はいずれかの他の層、特にいずれかの他の不織布層に対する熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着を改善するため、このような層は、補助接着剤で前処理されてもよい。
【0077】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、以下のパラメーターの少なくとも1つ、又は幾つか、又は全てを満たす。
【0078】
代表的な熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、少なくとも30,000Pa、及び300,000Pa未満、又は200,000Pa未満、又は140,000Pa〜200,000Pa、又は100,000Pa未満の、20℃で測定される貯蔵弾性率G’を有してもよい。更なる態様では、35℃で測定される貯蔵弾性率G’は、80,000Paを超えてもよい。更なる態様では、60℃で測定される貯蔵弾性率G’は、300,000Pa未満、及び18,000Pa超、又は24,000Pa超、又は30,000Pa超、又は90,000Pa超であってもよい。更なる態様では、90℃で測定される貯蔵弾性率G’は、200,000Pa未満、及び10,000Pa超、又は20,000Pa超、又は30,000Pa超であってもよい。60℃及び90℃で測定される貯蔵弾性率は、高い室温での熱可塑性接着剤材料の形状安定性に関する測定値であってもよい。60℃及び90℃での貯蔵弾性率G’が十分に高くない場合、熱可塑性接着剤材料がその一体性を失うことになる暑い気候で吸収性製品が使用される場合、この値は、特に重要である。
【0079】
G’は、一般的な説明だけのために図9に概略的に示したようなレオメーターを使用して測定される。レオメーター127は、接着剤に剪断応力を加え、一定温度で生じたひずみ(剪断変形)応答を測定することができる。接着剤は、下部固定プレート128として作用するペルチエ素子と、例えば10mmの半径Rを有する上部プレート129との間に配置され、これは、剪断応力を生成するためにモータの駆動軸に接続される。両方のプレート間の間隙は、例えば1500マイクロメートルの高さHを有する。ペルチエ素子は、材料の温度の調節(+0.5℃)を可能にする。ひずみ速度及び頻度は、全ての測定が直線状の粘弾性区域内で行われるように選択されるべきである。
【0080】
吸収性コア14はまた、図面に例示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の適用前に、各基材64及び基材72に対する吸収性粒子状ポリマー材料66及び74並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着性を向上させるために、補助接着剤が、第1吸収層60及び第2吸収層62の各々の第1基材64及び第2基材72上に付着されてもよい。補助の糊はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのを助けることがあり、上に記載されたものと同じ熱可塑性接着剤材料を含んでもよく、あるいは、また、H.B.フラー社(H. B. Fuller Co.)(ミネソタ州セントポール(St. Paul))製品番号HL−1620−Bのような噴霧可能なホットメルト接着剤が挙げられるが、これらに限定されない他の接着剤もまた含んでよい。補助の糊は、あらゆる好適な手段によって基材64及び基材72に塗布されてもよいが、特定の実施形態によると、約0.5〜約2mm離隔した幅約0.5〜約1mmのスロットで塗布されてもよい。
【0081】
図4に示した被覆層70は、基材64及び基材72と同じ材料を含んでもよく、あるいは異なる材料を含んでもよい。特定の実施形態では、被覆層70に好適な材料は、不織布材料、典型的には基材64及び基材72に有用な上述の材料である。
【0082】
特定の一実施形態では、吸収性コア14は、コアラップ材料によって包まれてもよい。一実施形態では、コアラップ材料は、最上層と最下層とを構成する。コアラップ材料、すなわち、最上層又は最下層は、不織布材料から提供されてもよい。そのようなコアラップは、2つ以上の別個の材料シートから提供されてもよく、又は代替的に単一の材料シートから提供されてもよい。単一の材料シートは、貯蔵層60の周りに、例えばC折りで、巻き付けられてもよい。
【0083】
本発明の他の態様では、トップシートとバックシートとを含むシャーシと、トップシートとバックシートとの間に配置された、実質的にセルロースを含まない吸収性コアと、を含む、使い捨て吸収性物品が提供される。吸収性コアは、物品が着用されているときに着用者の方を向く、着用者に面する側と、反対の、衣類に面する側とを有する。図15〜17に示される特定の諸実施形態では、吸収性コア214は、(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する貯蔵層274と、(ii)貯蔵層の着用者に面する側を覆う第1コアラップシート264と、(iii)貯蔵層274の衣類に面する側を覆う第2コアラップシート272と、を含むことができ、第1コアラップシート264は、少なくとも1つの横方向シーリングゾーン282に沿って第2コアラップシート272に接合される。特定の諸実施形態では、両方のシート272及び264は、それらの長手方向周囲に沿って接合され、他の諸実施形態では、それらのシートは、横断方向周囲に沿って、又は長手方向周囲及び横断方向周囲に沿って接合される。接合は、連続又は不連続パターンを使用して達成することができ、それらのパターンは、直線状若しくは曲線状パターンであってもよい。
【0084】
第1及び第2コアラップシート264及び272は、同一又は異なる材料で作製されてもよい。一実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、不織布ウェブの形態で提供されてもよい。例えば、それらは、ポリプロピレンなどのポリオレフィンから提供されてもよい。一実施形態では、不織布材料は、SMS材料構造(すなわち、スパンボンド層/メルトブロウン層/他のスパンボンド層)を含んでもよい。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に、耐久的親水性コーティングされた不織布が望ましい。他の実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、SMMS構造を含んでもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、それらは約32マイクロメートルの孔径を有する。特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維が挙げられるが、これらに限定されない。本質的に疎水性のポリマーを親水性コーティングでコーティングしてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2コアラップシート264及び272は、約3g/m2〜約50g/m2、例えば、約5g/m2〜約30g/m2、又は約8g/m2〜約15g/m2の坪量を有してもよい。
【0085】
貯蔵層274は、吸収性粒子状ポリマー材料を含み、実質的にセルロースを含まない。吸収性粒子状ポリマー材料は、当該技術分野において既知の、又は前述した、超吸収体若しくは吸収性ゲル材料であってもよい。一実施形態では、貯蔵層274は、吸収性粒子状ポリマー材料と、熱可塑性接着剤組成物とを含む。熱可塑性接着剤組成物を使用して、吸収性ポリマー材料の粒子を、例えば一体構造若しくは別個の領域へと、合わせて固定することもでき、又は、それらの粒子を第1及び第2コアラップシート若しくは他の(1つ若しくはそれより多くの)基材材料に固定することもできる。貯蔵層274は、接着剤、ワックス、油など、少量(通常は約10%未満)の非液体の吸収性材料を更に含んでもよい。一実施形態では、貯蔵層274は、本質的に、熱可塑性接着剤組成物とともに吸収性粒子状ポリマー材料からなる。
【0086】
横方向シーリングゾーン282は、全領域を覆うことができ、接合部のストライプ280並びに少なくとも1つの空き領域(open area)を含む。接合部のストライプ280は、本明細書で結合要素と呼ばれる、結合機能を有する異なる要素を含んでもよい。例えば、結合要素は、接着剤結合により、サーモメカニカル結合により、超音波結合などにより提供されることができる。本明細書で使用するとき、空き領域とは、結合要素が存在しない領域を意味する。
【0087】
第1コアラップシート及び第2コアラップシートを使用して、貯蔵層274を包む多数の方法がある。例えば、コアの着用者に面する側を被覆する第1コアラップシート、及びコアの衣類に面する側を被覆する第2コアラップシートの、2つの別個のラップシートが使用されてもよい。両方のラップシートは次に、接合部の長手方向に延びるストライプ、吸収性コアの各側への接合部の1つのストライプに沿って接合されることができる。あるいは、第1コアラップシートは、第2コアラップシートと一体であることができ、並びに材料の1枚及び同じシートから提供されることができる。その結果、接合部のただ1つの長手方向に延びるストライプが、被包を実現するために採用される必要がある。接合部のこうしたストライプは、コアのどちらかの側面上、コアの着用者に面する側であることも、又はコアの衣類に面する側であることもできる。接合部の前記ストライプにより接合されるべきである、ラップシート材料の重なる末端部は、突き合わせシールを作製するように配置されることもできるし、又は重ね合わせシールを作製するように配置されることもできる。重ね合わせシール及び付き合わせシールの両方を、本発明の特定の態様に従って接合部のストライプを使用して接合させることができる。
【0088】
コアラップシートは、長手方向に延びる接合部のストライプ(例えば、サイドシール)によって、また更に、通常は吸収性コアの前端部若しくは吸収性コアの後端部のいずれかに位置決めされた、又は吸収性コアの両端部に位置決めされた、横断方向に延びる接合部のストライプによって、接合されてもよい。こうした横断方向に延びる接合部のストライプは、長手方向に延びる接合部のストライプと同じ手段により提供され得る。
【0089】
図15に示される特定の一実施形態では、結合要素は、接着剤の細線(threads)である。一実施形態では、これらの細線は、スロットコーティングによって作り出されてもよく、又はスプレーの塗布によって提供されてもよい。複数の細線は、接着剤を含まない複数の領域によって隔てられる。様々な実施形態では、細線は、約0.5mm〜約2mm、特定の実施形態では約1mmの幅を有してもよい。様々な実施形態では、接着剤を含まない領域は、約0.5mm〜約2mm、特定の実施形態では約1mmの幅を有してもよい。両方の領域が同一の幅を有するときには、接合部のストライプ280は、全領域の50%の空き領域を有する。
【0090】
一般に、本発明によれば、シーリングゾーンは、それらの全領域の少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の空き領域を有することができる。空き領域は、信頼性の高い結合を保証するために、全領域の約95%を超えるべきではない。
【0091】
十分な巨視的結合強度を達成するために、一実施形態では、接着剤の細線は、約100マイクロメートルを超える直径を有する。特定の実施形態では、細線直径は、約250マイクロメートルを超えてもよく、又は約500マイクロメートルを超えてもよい。
【0092】
接合部のストライプは、コアラップシート間に一定の結合強度を提供する。接合部のストライプは、第1方向にその最大の延びを有する。本明細書で使用するとき、コアラップシート間の結合強度とは、第1方向に垂直であり、及びコアラップシートにより画定される平面内にある第2方向の引張り強度として理解されるべきである。引張り強度を試験するために、2.54cm(1インチ)幅の試験片が、代表的な(典型的には、中央の)位置で、第2方向に向いた2本の切断線により切断される。引張り強度が次に、材料のこの試験片を使用して、ASTM法D 1876−01により測定されるが、この方法は次のように変更される。試験片の長さは60mmであり、及び10mm長の非接着末端部が試験機の掴み部でのクランプ固定のために使用される(D 1876−01の段落5.2を参照のこと)。試験片の一部を形成する第1及び第2コアラップシートの部分は、可撓性被接着体として使用される(D 1876−01の段落5.1を参照のこと)。更に、引張り強度が、得られた自動記録曲線(autographic curve)の最大値として報告される(試験片の幅cmで割り算されたニュートンの単位;N/cmによる)(D 1876−01の段落8.1を参照のこと)。
【0093】
一実施形態では、接合部のストライプ280は、シーリングゾーンに、長手方向の引張強度として測定される第1コアラップシート(第1基材)264と第2コアラップシート(第2基材)272との間の少なくとも約0.5N/cmの結合強度を付与する。特定の一実施形態では、接合部のストライプ280は、シーリングゾーンに、少なくとも約1.0N/cm、約1.5N/cm、約2N/cm、又は約3N/cmの結合強度を付与する。
【0094】
図15〜17に示される吸収性物品は、更に、吸収性コアとトップシートとの間に配置された獲得システム(図示せず)を含むことができる。獲得システムは、吸収性コアの一部ではない。
【0095】
理論に束縛されるものではないが、比較的大きな空き領域を含むシーリングゾーン及び接合部のストライプを有することが特に有益であるように思われる。ゲル・オン・スキン(gel-on-skin)現象の発生は、1つには、製造プロセス中でこのような接合線内に捕捉される超吸収性粒子によって引き起こされるようである。シーリングゾーンが連続的な接着剤の塗布によって提供されるときには、超吸収性材料は、シーリングゾーンを提供する接着剤によって閉じ込められることにより、その膨張能力が制限される。しかしながら、超吸収性粒子は、物品が使用中となり、更に液体を受け取ると膨張しやすい。この膨張が、接着剤の存在によって高度に制限されるとき、典型的には、膨張力は、コアラップシートの方向に膨張できるほど十分に高い。これらのコアラップシートは、通常、不織布材料若しくはティッシュ材料、又は比較的弱い類似の材料によって提供される。したがって、シーリングゾーン自体が超吸収性粒子の膨張に対応するのに十分な空き領域を提供しない場所では、そのような粒子は、コアラップシートの方向に膨張することになる。したがって、それらの粒子は、コアラップシートを通って脱け出やすく、また、しばしばコアラップシートの損傷を引き起こす。この、超吸収性材料のコアからの漏れ、特にシーリングゾーンの領域からの漏れは、ゲル・オン・スキン(gel-on-skin)の発生に著しく寄与すると思われる。しかし、本発明によれば、十分に大きな空き領域を有するシーリングゾーンが提供される場合、この接着剤を塗布すると、シーリングゾーン内に膨張のためのより大きな空間をもたらすことになる。接着剤は、ラップシートにも周囲の接着剤材料にも圧力を及ぼすことなく膨張を可能にするのに十分な空き領域をシーリングゾーン内に見出すことになり、又は、周囲の接着剤材料は、コアラップシートに向かって圧力を全く、若しくはほとんど及ぼさずにシーリングゾーン内での膨張を可能にするほど十分に弾性となる。
【0096】
これらの考慮を踏まえて、特定の実施形態では、吸収性コア214から漏れるおそれのある超吸収性粒子のサイズを考慮して、結合要素と結合要素を含まない領域との寸法を選択することが望ましいことがある。具体的に考慮すべき値は、超吸収性粒子の平均径である。
【0097】
平均径は、EDANA法420.2−02、名称「粒径分布(Particle size distribution)」を使用して決定されるべきである。このEDANA法は、ふるい分け法であり、採用される異なるふるい上に残留する各粒径画分についてのパーセントによる質量分率を報告する。この報告に基づき、平均径が、ASTM試験法D 1921−96、即ち、その段落13の題名「粒子分布の分析(Analysis of Particle Distribution)」によって計算される。
【0098】
結合要素の最小寸法は、特定の諸実施形態では、超吸収性材料の平均直径(「MD」)の少なくとも0.2倍であってもよい。一実施形態では、結合要素の最小寸法は、MDの約0.2〜約3倍、例えば、MDの約0.5〜約2倍、又はMDの約0.8〜約1.2倍であってもよい。結合要素は、これで、巨視的に望ましい結合強度を生み出すのに十分に大きく、また、製造プロセスで結合要素によって閉じ込められる超吸収性材料の粒子を確実に捕捉して保持するのに十分に大きい。その一方で、それらは、利用できる空き領域を不必要に制限しない。
【0099】
特定の実施形態では、空き領域の最小寸法は、MDの少なくとも約0.5倍、例えば、MDの約0.5〜約10倍、又はMDの約1〜約5倍であってもよい。空き領域は、その結果、超吸収性粒子の相対的に制限されていない膨張を可能にするために十分なほど大きい。
【0100】
したがって、本発明による接合部のストライプ280は、マクロレベルでは(吸収性物品全体の性能を見たときには)十分な結合強度を提供し、同時に、ミクロレベルでは(超吸収性材料の単一粒子の環境を見たときには)十分な脆弱性及び膨張空間を提供する。
【0101】
特定の一実施形態では、吸収性コア214は、貯蔵層274とコアラップシート264及び272とが、図2、図7、及び図8に示した前述の第1及び第2吸収層60及び62の形態であるという点で、吸収性コア14に似ている。この実施形態では、第1コアラップシート264は、第1吸収層のための第1基材であり、第2コアラップシート272は、第2吸収層のための第2基材であり、吸収性粒子状ポリマー材料は、前記第1及び第2基材上に付着され、熱可塑性材料は、それぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を覆う。第1及び第2吸収層は、第1吸収層の前記熱可塑性材料の少なくとも一部分が第2吸収層の熱可塑性材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わされており、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内で第1基材と第2基材との間に配置され、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域にわたってほぼ連続的に分布する。特定の一実施形態では、貯蔵層は、本質的に、熱可塑性接着剤組成物とともに第1及び第2コアラップシート264及び272上に不連続に分布されてパターン化され、次いで吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットされるように組み合わされた、吸収性粒子状ポリマー材料からなる。
【0102】
図16は、横方向シーリングゾーンが第1及び第2コアラップシートの横縁部間及びその周りに付与された吸収性粒子状ポリマー材料(APPM)移動妨害剤284を含む、吸収性コア214の他の実施形態を示す。そのようなAPPM移動妨害剤は、例えば米国特許第6,562,168号(シュミット(Schmitt)ら)に記載のように、材料のウェブから個々のコア部材の両端を切断するプロセスの間の個々の吸収性コア部材を作り出す間に付与されてもよい。例えば、第1コアラップシートと、貯蔵層と、第2コアラップシートとを含む連続ウェブを切断ステーションに送り込むことができ、その切断ステーションでは、横方向シーリングゾーンの領域の周りの別個の場所でウェブにAPPM移動妨害剤284を付与し、それと同時に1つ若しくはそれより多くのナイフブレードを使用してウェブを個々の吸収性部材214に切断する操作が実施される。
【0103】
特定の一実施形態では、十分な量のAPPM移動妨害剤284が、横方向端縁部に付与されて、端部を完全に封止し、したがってAPPMが吸収性コア214の端部を通って漏れるのを防ぐ。APPM移動妨害剤284を端縁部だけに付与することによって、それぞれ個々の吸収性コア部材は、離隔された別個の1対のシーリングゾーンを有する。吸収性コアの性能、快適性、又は他の特性及び特徴に悪影響を与えることなくウェブの切断端を通じたAPPMの移動を妨害する所望の効果を達成するために、APPM移動妨害剤は、ウェブ全体には付与されず、離隔された別個のゾーンだけに適用される。
【0104】
APPM移動妨害剤284の薄いフィルムが、シーリングゾーンが比較的薄くなるようにウェブに付与される。ただし、APPM移動妨害剤284は、端縁部から内側に移動することがある。APPM移動妨害剤284の移動量は、一般に、各シーリングゾーンが約10cm未満、約5cm未満、又は約1cm未満の幅寸法をもつように、最小限である。
【0105】
一実施形態では、APPM移動妨害剤は、第1コアラップシート264から第2コアラップシート272まで吸収性コア214全体を通って横方向端縁部に沿って延びる。特定の一実施形態では、ゾーン286は、吸収性コア214の体積の約20%未満、例えば、吸収性コア214の体積の約10%未満を占めることができる。
【0106】
APPM移動妨害剤に適した剤としては、これらに限定するものではないが、液体が水若しくは他のいずれか適切な液体又は液体の混合物である、天然(例えば天然ゴムラテックス)及び合成の両方の、ポリマー溶液又はエマルションが挙げられる。特定の一実施形態では、水性エマルションが使用される。例えば、一実施形態では、APPM移動妨害剤には、アクリル又はビニル接着剤ポリマーの水性エマルションを含めることができる。
【0107】
APPM移動妨害剤に適した他の剤としては、また、ASTM方法E 28「リング・アンド・ボール(Ring and Ball)」によって決定される50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する、熱可塑性ポリマー又はポリマー組成物が挙げられる。一実施形態では、そのような熱可塑性ポリマー又はポリマー組成物は、ワックス、又は少なくとも約50重量%のワックスを含有する組成物であり、そのようなワックス又は組成物は、約180℃未満の軟化点を有することができる。一実施形態では、そのような熱可塑性剤(ポリマー、ワックス、若しくはそれらから誘導される組成物である)は、少なくともそのコモノマーのうちの1つとして、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸エステル、及び/若しくはそれらの誘導体を有するコポリマーであり、又はそのコポリマーを少なくとも約50重量%含有する。
【0108】
図17は、第1コアラップシート264及び第2コアラップシート272の長手方向縁部分が長手方向シーリングゾーン288のところで接合された、吸収性コア214の他の実施形態を示す。長手方向シーリングゾーン288は、横方向シーリングゾーンについて前述したような接合部のストライプを含んでもよい。一実施形態では、長手方向シーリングゾーン288は、両方の長手方向縁部の周りに、実質的に吸収性コアの長さに沿って延びる接着剤の1つ以上の細線を含む。
【0109】
本発明の一実施形態による吸収性コア14を作製するための印刷システム130は、図10に例示されており、吸収性コア14の第1吸収層60を形成するための第1印刷ユニット132と、吸収性コア14の第2吸収層62を形成するための第2印刷ユニット134とを概ね含んでもよい。
【0110】
第1印刷ユニット132は、補助接着剤を不織布ウェブであってもよい基材64に塗布するための第1補助接着剤塗布装置136と、基材64を受けるための第1回転自在支持ロール140と、吸収性粒子状ポリマー材料66を保持するためのホッパー142と、吸収性粒子状ポリマー材料66を基材64に移動するための印刷ロール144と、熱可塑性接着剤材料68を基材64及びその上の吸収性粒子状ポリマー66材料に塗布するための熱可塑性接着剤材料塗布装置146とを含んでもよい。
【0111】
第2印刷ユニット134は、補助接着剤を第2基材72に塗布するための第2補助接着剤塗布装置148と、第2基材72を受けるための第2回転自在支持ロール152と、吸収性粒子状ポリマー材料74を保持するための第2ホッパー154と、吸収性粒子状ポリマー材料74をホッパー154から第2基材72へ移動するための第2印刷ロール156と、熱可塑性接着剤材料76を第2基材72及びその上の吸収性粒子状ポリマー材料74に塗布するための第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158とを含んでもよい。
【0112】
印刷システム130はまた、第1回転自在支持ロール140と第2回転自在支持ロール152との間のニップ162から形成された吸収性コアを案内するためのガイドローラ160を包含する。
【0113】
第1補助塗布装置136及び第2補助塗布装置148、並びに第1熱可塑性接着剤材料塗布装置146及び第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、比較的薄いが、幅広い熱可塑性接着剤材料のカーテンを提供できるノズルシステムであってもよい。
【0114】
図11を参照すると、第1ホッパー142と、第1支持ロール140と、第1印刷ロール144との一部が例示されている。図14においても示されるように、第1回転自在支持ロール140は、第2回転自在支持ロール152と同一の構造を有しており、回転自在ドラム164と、第1基材64を受けるための外周部通気式支持グリッド166とを含む。
【0115】
また図12に例示されているように、第1印刷ロール144は、第2印刷ロール156と同一の構造を有しており、回転自在ドラム168と、該ドラム168の外周面172における複数の吸収性粒子状ポリマー材料リザーバ170とを含む。図13に最良に例示されるリザーバ170は、円筒形、円錐形、又は他のあらゆる形状を包含する種々の形状を有してもよい。リザーバ170は、ドラム168内の空気通路174に通じており、リザーバ内に接着剤粒子状ポリマー材料66を保持し、接着剤粒子状ポリマー材料66が空気通路174内に落下するか又は引き込まれるのを防ぐための通気式カバー176を含んでもよい。
【0116】
運転する際、印刷システム130は、第1基材64及び第2基材72を第1印刷ユニット132及び第2印刷ユニット134の各々内に受け、第1基材64は、第1補助接着剤を第1基材64に上記のようなパターンで塗布する第1補助接着剤塗布装置136を越えて、回転する第1支持ロール140によって引き寄せられる。第1支持ロール140内部の真空(図示せず)は、第1基材64を縦方向支持グリッド166に対して引き寄せ、第1基材64を第1支持ロール140に対して保持する。このことにより、第1基材64上に非平坦表面が提供される。重力により、又は真空手段を使用することにより、基材64は、非平坦表面の輪郭をたどり、これにより基材64は、山及び谷の形をとる。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、第1支持ロール140は、第1基材64を回転する第1印刷ロール144を越えて担送し、この回転する第1印刷ロール144が、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1ホッパー142から第1基材64へ、図5及び6に最良に例示されるグリッドパターン92で移動する。第1印刷ロール144内の真空(図示せず)は、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1基材64に供給する時まで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバ170内に保持してもよい。次いで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバから第1基材64上に排出するために、真空が解除されてもよく、あるいは、空気通路174を通って流れる空気が逆流してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、支持ロール140は、印刷された第1基材64を熱可塑性接着剤材料塗布装置136を越えて担送し、この熱可塑性接着剤材料塗布装置136が、熱可塑性接着剤材料68を塗布して、第1基材64上で吸収性粒子状ポリマー材料66を覆う。
【0117】
故に、支持ロール140及び支持ロール152の通気式支持グリッド166の非平坦表面は、吸収性コア14全体にわたる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の分布を決定し、また同様に、接合領域96のパターンを決定する。
【0118】
その一方、第2回転自在支持ロールは、第2基材72を第2補助接着剤塗布装置148を越えて引き寄せ、この第2補助接着剤塗布装置148が、補助接着剤を第2基材72に上記のようなパターンで塗布する。次いで、第2回転自在支持ロール152は、第2基材72を第2印刷ロール156を越えて担送し、この第2印刷ロール156が、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2ホッパー154から第2基材72へ移動し、上記の第1印刷ユニット132に関して説明したのと同じ方法で、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2基材72上にグリッドパターン92で付着させる。次いで、第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、熱可塑性接着剤材料76を塗布して、第2基材72上で吸収性粒子状ポリマー材料74を覆う。次いで、第1吸収層60及び第2吸収層62を共に圧縮して吸収性コア14を形成するために、印刷された第1基材64及び第2基材72は、第1支持ロール140と第2支持ロール152との間のニップ162を通過する。
【0119】
任意の更なるプロセス工程では、被覆層70は、基材64及び基材72上、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74上、並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76上に配置されてもよい。別の実施形態では、被覆層70及び各々の基材64及び基材72は、単一のシート材料から提供されてもよい。次いで、被覆層70を基材64及び基材72の各々の上に配置することには、単一の材料片の折り畳みが含まれてもよい。
【0120】
後述の試験方法及び装置は、本発明の実施形態を試験するのに有用であってもよい。
【0121】
湿潤不動化試験
機器
・メスシリンダー
・ストップウォッチ(±0.1秒)
・はさみ
・ライトボックス
・ペン
・試験溶液:37℃の0.90%食塩水溶液
・NIST、DIN、JIS又はその他の同等の国家規格に準拠している金属定規
・内側が平らな表面であり、測定されるコアバッグの長さの最小長が(n)及び最大長が(n)+30mm、幅が105±5mm、高さが30〜80mm、又はその等価である、PVC/金属皿
・電子フォースゲージ(0〜50kgの範囲)
・湿潤不動化衝撃試験機(Wet Immobilization Impact Tester Equipment - WAIIT)、デザインパッケージ番号BM−00112.59500−R01、T.M.G.Technisches Buero Manfred Grunaから入手可能。
【0122】
設備:
標準実験室条件、温度:23℃±2℃、相対湿度:55%未満
試料の調製
1.トップシート側を上にして、製品を開ける。
2.おむつを広げ、およそ2.5cm毎にカフの弾性体を切って、シャーシの張力を無効にする。
3.プルアップ製品に関しては、サイドシームを開け、腰バンドを取り除く。
4.コアバッグを平らに長方形のトップシート側を上にして折り目なしにライトボックスの表面上に置く。
5.ライトボックスをオンにして、吸収性コアの外側縁部を明確に特定する。
6.定規を用いて、前部吸収性コア外側縁部及び後部吸収性コア外側縁部で線を引く。
7.2つの標線の間の距離(A)を測り、その値を2で割ると、距離(B)が計算される。
8.前部標線からコアバッグの中央に向かって、計算された距離(B)を測り、印をつける。この標線で横断方向に線を引く。
【0123】
試験手順
WAIIT較正:
1.スライド板が下部位置にあることを確認する。WAIIT試験機の前扉を開き、フォースゲージのフックをWAIITの上部サンプルクランプに接続させる。ばね秤を接続する前に、クランプが閉じていることを確認する。
2.ばね秤に両手を使って、スライド板を上部位置に向かって継続的に、またできるだけゆっくりと持ち上げる。実行中の平均値(m1)を0.02kg単位で記録する。
3.スライド板を下部位置までできるだけゆっくりと下ろし、実行中に読み取られた平均値(m2)を0.02kg単位で記録する。
4.m1−m2のΔを計算し、0.01kgの単位で報告する。Δが0.6kg±0.3kgであるなら、測定を継続する。そうでない場合は、スライド板の調整が必要である。スライド板が下部位置にあることを確認し、汚染又は損傷に関してスライド通路を点検する。スライド通路に対するスライド板の位置が正しく調節されているかどうかを、板を振動させることによって点検する。容易な滑走のためには、いくらかの隙間が必要である。もしなければ、システムを再調整する。
【0124】
WAIIT試験設定:
・落高は50cmである。
・おむつの負荷(lD)はコア容量(cc)の73%である。lD=0.73×cc。
・コア容量(cc)は、cc=mSAP×SAPGVとして計算され、式中、mSAPは、おむつに存在する超吸収性ポリマー(SAP)の質量であり、SAPGVは、超吸収性ポリマーの自由膨張容量である。超吸収性ポリマーの自由膨張容量は、国際公開第2006/062258号に記載の方法によって決定される。おむつに存在する超吸収性ポリマーの質量は、10個の製品に存在する平均質量である。
【0125】
試験実施:
1.はかりを0にリセットし(風袋)、乾燥コアバッグをはかりに載せ、計量し0.1g単位で報告する。
2.メスシリンダーで適切な量の生理食塩水(脱イオン水中0.9%NaCl)を計る。
3.コアバッグをトップシート側を上にして平らにPVC皿内に置く。生理食塩水を均等にコアバッグの上に注ぐ。
4.PVC皿を取り、様々な方向に傾けて保持して、遊離した液体を吸収させる。ポリバックシートを有する製品は、バックシート下の液体が吸収されることができるように、2分間の最低待機時間後にひっくり返す必要がある。10分間(±1分間)待機して生理食塩水全てを吸収させる。何滴かはPVC皿に留まってもよい。均質の液体分配及びより少ない保留液体を確実にするために、規定されたPVC/金属皿のみを使用する。
5.はかりを0にリセットし(風袋)、湿潤コアバッグをはかりに載せる。計量し0.1g単位で報告する。はかり上に納まるように、コアバッグを1回だけ折る。湿潤コアバッグの重量が限界(「乾燥コアバッグの重量+おむつの負荷±4mL」として規定)外かどうかを確かめる。例えば、12gの乾燥コアバッグの重量+150mL負荷=162gの湿潤コアバッグの重量。はかり上の実際の湿潤重量が、158gと166gの間であるなら、そのパッドを振動に使用することができる。そうでなければ、そのパッドを廃棄し、次のパッドを使用する。
6.負荷されたコアバッグを取り、パッドを標線に沿って横断方向に切る。
7.湿潤コアバッグの後部をはかりの上に載せる(m1)。それを計量し0.1g単位で報告する。
8.湿潤コアを取り、末端封止側をWAIITのサンプルホルダーの上部クランプに固定する(コアの開放端は下に向く)。次に、製品が製品の全長に沿ってサンプルホルダーに固定されていることを確認しながら、コアの両側をサンプルホルダーの側部クランプで固定する。吸収性コア(不織布のみ)を固定しないよう確認するが、それは、一部の製品に関して、バリアレッグカフのみで製品を固定することを意味するためである。
9.スライド板が係合するまで、両手を使ってスライド板を上部位置まで持ち上げる。
10.安全前扉を閉め、スライドブレードを解放する。
11.はかりを0にリセットし(風袋)、試験されたコアバッグをWAIITから取り出し、はかりに載せる(m2)。重量を0.1g単位で報告する。
12.工程7〜11を湿潤コアバッグの前部で繰り返す。
【0126】
報告:
1.乾燥コアバッグの重量を0.1g単位で記録する。
2.試験前(m1前部/後部)及び試験後(m2前部/後部)の湿潤重量を、両方とも0.1g単位で記録する。
3.平均重量損失(Δm)を計算し、0.1g単位で報告する:Δm=(m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部)
4.重量損失をパーセントで計算し、1%単位で報告する:(Δmrel):(Δmrel)=(((m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部))×100)/(m1前部+m1後部)
5.湿潤不動化(WI)をWI=100%−Δmrelとして計算し報告する。
【0127】
プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)に譲渡された特許及び特許出願のうち、本明細書で引用する特許及び特許出願(明細書に記載されている特許も含む)は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に参考として組み入れる。
【0128】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0129】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0130】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性物品であって、
トップシート及びバックシートを含むシャーシと、
実質的にセルロースを含まず、トップシートとバックシートとの間に配置され、物品が着用されるときに着用者の方を向く着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する、吸収性コアと、を含んでおり、吸収性コアは、
(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する、貯蔵層と、
(ii)前記貯蔵層の前記着用者に面する側を覆う第1コアラップシートであって、第1吸収層のための第1基材である第1コアラップシートと、
(iii)前記貯蔵層の前記衣類に面する側を覆う第2コアラップシートであって、第2吸収層のための第2基材である第2コアラップシートと、を含んでおり、
前記第1コアラップシートは、少なくとも1つの横方向シーリングゾーンに沿って前記第2コアラップシートに接合されており、前記横方向シーリングゾーンは、全領域を覆っており、
前記貯蔵層と、前記第1コアラップシートと、前記第2コアラップシートとは、相まって前記第1吸収層及び前記第2吸収層を構成しており、
前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記第1基材及び前記第2基材上に付着されており、熱可塑性接着剤材料が、それぞれの第1及び第2基材上の前記吸収性粒子状ポリマー材料を覆っており、前記第1吸収層及び前記第2吸収層は、前記第1吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が前記第2吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わされており、前記吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内の前記第1基材と前記第2基材との間に配置されており、前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記吸収性粒子状ポリマー材料領域全体にほぼ連続的に分布している、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記横方向シーリングゾーンは、全領域の少なくとも20%、又は全領域の30%〜95%の空き領域を含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記横方向シーリングゾーンは、接着剤のない複数の領域によって隔てられた接着剤の複数の細線を含んでおり、接着剤のない前記横方向シーリングゾーン内の前記領域は、前記吸収性粒子状ポリマー材料の平均直径の少なくとも0.5倍の幅を有しており、前記細線は、100マイクロメートル〜2ミリメートルの直径を有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記横方向シーリングゾーンは、前記第1コアラップシート及び前記第2コアラップシートの横縁部間及びその周りに付与された吸収性粒子状ポリマー材料移動妨害剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記第1コアラップシートは、更に、少なくとも1つの長手方向シーリングゾーンに沿って前記第2コアラップシートに接合される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記長手方向シーリングゾーンは、実質的に前記吸収性コアの長さに沿って延びる接着剤の少なくとも1つの細線を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記吸収性粒子状ポリマー材料が前記第1基材及び前記第2基材上に不連続に分布されるように、ランド領域とランド領域間の接合領域とのそれぞれのパターンで前記第1基材及び前記第2基材上に付着されており、前記第1吸収層及び第2吸収層は、前記吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットされるように組み合わされており、前記吸収性コアは、前端部及び後端部と、前記後端部から前記前端部まで延びる長手軸とを有しており、前記それぞれのパターンの前記ランド領域は、前記吸収性コアの長手軸から5〜85度、又は10〜60度、又は15〜30度の角度に位置決めされたグリッドで配置されており、前記吸収性コアは、後端部から前端部まで延びる長さと、前記長さに垂直に第1の縁部から第2の縁部まで延びる幅とを有しており、前記それぞれのパターンは、前記長さに平行な方向と前記幅に平行な方向との両方で互いにオフセットしている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性粒子状ポリマー材料領域は、前記吸収性コアのほぼ全体にわたって延びる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性コアは、前端部及び後端部と、前記後端部から前記前端部まで延びる長手軸と、複数の吸収ゾーンとを有しており、前記複数の吸収ゾーンは、それぞれ、異なる量で存在する吸収性粒子状ポリマー材料を有しており、吸収性粒子状ポリマー材料の量は、前記複数の吸収ゾーンのうちの1つのゾーンから別のゾーンへと漸次移行する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品は、おむつを着用者に固定するシャーシに接合された再閉止可能な締着装置を含むおむつであり、又は、前記吸収性物品は、パンツを形成するためにシャーシに接合され互いに接合された少なくとも2つのサイドパネルを含むパンツ型おむつである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項1】
使い捨て吸収性物品であって、
トップシート及びバックシートを含むシャーシと、
実質的にセルロースを含まず、トップシートとバックシートとの間に配置され、物品が着用されるときに着用者の方を向く着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する、吸収性コアと、を含んでおり、吸収性コアは、
(i)吸収性粒子状ポリマー材料を含み、着用者に面する側と反対の衣類に面する側とを有する、貯蔵層と、
(ii)前記貯蔵層の前記着用者に面する側を覆う第1コアラップシートであって、第1吸収層のための第1基材である第1コアラップシートと、
(iii)前記貯蔵層の前記衣類に面する側を覆う第2コアラップシートであって、第2吸収層のための第2基材である第2コアラップシートと、を含んでおり、
前記第1コアラップシートは、少なくとも1つの横方向シーリングゾーンに沿って前記第2コアラップシートに接合されており、前記横方向シーリングゾーンは、全領域を覆っており、
前記貯蔵層と、前記第1コアラップシートと、前記第2コアラップシートとは、相まって前記第1吸収層及び前記第2吸収層を構成しており、
前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記第1基材及び前記第2基材上に付着されており、熱可塑性接着剤材料が、それぞれの第1及び第2基材上の前記吸収性粒子状ポリマー材料を覆っており、前記第1吸収層及び前記第2吸収層は、前記第1吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が前記第2吸収層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分に接触するように組み合わされており、前記吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料領域内の前記第1基材と前記第2基材との間に配置されており、前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記吸収性粒子状ポリマー材料領域全体にほぼ連続的に分布している、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記横方向シーリングゾーンは、全領域の少なくとも20%、又は全領域の30%〜95%の空き領域を含む、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
前記横方向シーリングゾーンは、接着剤のない複数の領域によって隔てられた接着剤の複数の細線を含んでおり、接着剤のない前記横方向シーリングゾーン内の前記領域は、前記吸収性粒子状ポリマー材料の平均直径の少なくとも0.5倍の幅を有しており、前記細線は、100マイクロメートル〜2ミリメートルの直径を有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記横方向シーリングゾーンは、前記第1コアラップシート及び前記第2コアラップシートの横縁部間及びその周りに付与された吸収性粒子状ポリマー材料移動妨害剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
前記第1コアラップシートは、更に、少なくとも1つの長手方向シーリングゾーンに沿って前記第2コアラップシートに接合される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
前記長手方向シーリングゾーンは、実質的に前記吸収性コアの長さに沿って延びる接着剤の少なくとも1つの細線を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性粒子状ポリマー材料は、前記吸収性粒子状ポリマー材料が前記第1基材及び前記第2基材上に不連続に分布されるように、ランド領域とランド領域間の接合領域とのそれぞれのパターンで前記第1基材及び前記第2基材上に付着されており、前記第1吸収層及び第2吸収層は、前記吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットされるように組み合わされており、前記吸収性コアは、前端部及び後端部と、前記後端部から前記前端部まで延びる長手軸とを有しており、前記それぞれのパターンの前記ランド領域は、前記吸収性コアの長手軸から5〜85度、又は10〜60度、又は15〜30度の角度に位置決めされたグリッドで配置されており、前記吸収性コアは、後端部から前端部まで延びる長さと、前記長さに垂直に第1の縁部から第2の縁部まで延びる幅とを有しており、前記それぞれのパターンは、前記長さに平行な方向と前記幅に平行な方向との両方で互いにオフセットしている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性粒子状ポリマー材料領域は、前記吸収性コアのほぼ全体にわたって延びる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性コアは、前端部及び後端部と、前記後端部から前記前端部まで延びる長手軸と、複数の吸収ゾーンとを有しており、前記複数の吸収ゾーンは、それぞれ、異なる量で存在する吸収性粒子状ポリマー材料を有しており、吸収性粒子状ポリマー材料の量は、前記複数の吸収ゾーンのうちの1つのゾーンから別のゾーンへと漸次移行する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品は、おむつを着用者に固定するシャーシに接合された再閉止可能な締着装置を含むおむつであり、又は、前記吸収性物品は、パンツを形成するためにシャーシに接合され互いに接合された少なくとも2つのサイドパネルを含むパンツ型おむつである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2010−529900(P2010−529900A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512827(P2010−512827)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052386
【国際公開番号】WO2008/155722
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052386
【国際公開番号】WO2008/155722
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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