説明

めっき装置及びめっき方法

【課題】広い表面積を持つ矩形平板状のガラス基板の表面に、均一な膜厚の金属膜を一連の動作で成膜できるようにする。
【解決手段】ロードステージ14に搬入されたガラス基板を該ガラス基板の端面間で挟持して保持する基板ホルダ16と、ガラス基板を保持した基板ホルダ16を把持して搬送するトランスポータ58と、基板ホルダ16で保持したままガラス基板をめっき液に浸漬させてガラス基板の表面にめっきを行うめっき槽32と、基板ホルダ16で保持しためっき後のガラス基板の表面を基板ホルダで保持したまま洗浄する後洗浄槽34,38と、洗浄後のガラス基板を基板ホルダ16から取出し一方向に走行させながら乾燥させ、乾燥後のガラス基板をアンロードステージ56に受渡す乾燥ステージ54を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形平板状で、広い表面積を持つ、例えば薄型テレビのスクリーン(ディスプレイ)に用いられるガラス基板の表面に、銅等の金属膜をその全面に亘って均一な膜厚で成膜するのに使用されるめっき装置及びめっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、矩形平板状のガラス基板の表面に金属膜をめっきするめっき装置としては、複数枚のガラス基板をバスケットに入れ、ガラス基板の表面をバスケットと共に洗浄槽で洗浄し、しかる後、ガラス基板をバスケットと共にめっき槽内のめっき液に浸漬させて、ガラス基板の表面に金属膜を成膜するようにしたものが一般に知られている。めっき槽は、例えば、その下部から導入しためっき液がめっき槽の内部を上方に向かって流れ、めっき槽の上端の1辺をオーバフローすることで、めっき槽の内部に挿入したガラス基板の表面に沿ってめっき液が流れるようになっている。
【0003】
ガラス基板の表面に、特に無電解めっきで銅等の金属膜をその全面に亘って均一な膜厚で成膜するためには、ガラス基板の表面温度がその全面に亘って均一で、ガラス基板の表面に沿ってめっき液が均一な流速で流れるようにすることが好ましい。このため、めっき槽内のめっき液をパドル等で攪拌することが一般に行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えば薄型テレビ用スクリーン(ディスプレイ)の製造工程においては、ガラス基板の表面に金属膜をめっきする工程が用いられ、例えば1300×800mmといった、広い表面積を有する矩形平板状のガラス基板の全面に均一な膜厚の金属膜を一連の動作で連続して成膜することが求められている。しかし、このように、広い面積を持つ矩形平板状のガラス基板の表面に無電解めっきで金属膜を成膜しようとすると、例えばガラス基板を入れるバスケットがめっき液のガラス基板の表面に沿った流れを阻害したり、ガラス基板やめっき液の熱を奪ったりするため、ガラス基板の表面温度をその全面に亘って一定にしたり、ガラス基板の表面に沿って流れるめっき液の流速を一定にしたりすることは一般に困難であった。
【0005】
また、広い面積を持つ矩形平板状のガラス基板の表面に無電解めっきで金属膜を成膜しようとすると、ガラス基板の表面状態や無電解めっき液の状態等によって、ガラス基板の表面の一部でめっき金属の析出が開始せず、ガラス基板の全面に亘って均一にめっき金属が析出しないことがあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、広い表面積を持つ矩形平板状のガラス基板の全表面に、均一な膜厚の金属膜を一連の動作で成膜できるようにしためっき装置及びめっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、ロードステージに搬入されたガラス基板を該ガラス基板の端面間で挟持して保持する基板ホルダと、前記ガラス基板を保持した前記基板ホルダを把持して搬送するトランスポータと、前記基板ホルダで保持したままガラス基板をめっき液に浸漬させてガラス基板の表面にめっきを行うめっき槽と、前記基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板の表面を前記基板ホルダで保持したまま洗浄する後洗浄槽と、洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させ、乾燥後のガラス基板をアンロードステージに受渡す乾燥ステージを有することを特徴とするめっき装置である。
【0008】
このように、ガラス基板の端面間で挟持してガラス基板を基板ホルダで保持することで、この基板ホルダで保持したガラス基板を基板ホルダごとめっき液中に浸漬させた時に、基板ホルダがガラス基板の表面に沿っためっき液の流れを阻害したり、ガラス基板の表面温度が均一になることを阻害したりすることを防止することができる。しかも、基板ホルダで保持したまま、ガラス基板の表面にめっき及びめっき後の洗浄等の各処理を行い、しかる後、基板ホルダの保持を解いてガラス基板を乾燥させることで、めっきから乾燥までの一連の処理を連続して行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、1枚のガラス基板の表面にめっきを行う複数のめっき槽を有することを特徴とする請求項1記載のめっき装置である。
例えば銅めっき槽、コバルトめっき槽及びニッケルめっき槽を備えることで、ガラス基板の表面に、銅、コバルト及びニッケルの3つの異なる金属膜を連続して成膜することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記めっき槽は、無電解めっきでガラス基板の表面にめっきを行うことを特徴とする請求項1または2記載のめっき装置である。
請求項4に記載の発明は、前記めっき槽は、ガラス基板を鉛直方向に立ててめっき槽の内部に前記基板ホルダとともに挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のめっき装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記めっき槽は、下部よりめっき液を導入し、上端で4方向にめっき液をオーバフローさせて、内部に配置した基板ホルダで保持したガラス基板の表面にめっきを行う反応槽を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のめっき装置である。
このように、反応槽の上端からめっき液を4方向にオーバフローさせることで、反応槽内のめっき液の液温を均一にして、ガラス基板の表面温度をその全面に亘ってより均一にすることができる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記めっき槽は、前記反応槽内のめっき液を加熱するヒータを有することを特徴とする請求項5記載のめっき装置である。
これにより、めっき液が反応槽内を流れる間にその液温が低下してしまうことを防止して、反応槽内のめっき液の液温が一定となるように管理することができる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記洗浄槽は、基板ホルダで保持したガラス基板の洗浄槽内への挿入時及び/または洗浄槽からの引出し時に前記ガラス基板の表面に向けて洗浄液を噴射するシャワーノズルを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のめっき装置である。
これにより、シャワーノズルから噴射される洗浄液、例えば純水でガラス基板及び基板ホルダの表面に付着しためっき液を洗い流すことができる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、端面間で挟持して基板ホルダで保持したガラス基板を基板ホルダと共にめっき液に浸漬させてガラス基板の表面にめっきを行い、基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板を基板ホルダで保持したまま洗浄し、洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させることを特徴とするめっき方法である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、基板ホルダで保持したガラス基板のめっき槽内への挿入時及び/またはめっき槽からの引出し時に、下部よりめっき槽内に導入しているめっき液の供給を一旦停止し、前記ガラス基板の垂直姿勢を保たせることを特徴とするめっき方法である。
【0016】
ガラス基板が傾いた姿勢でめっきを行うと、めっき液の上昇の流れが均一でなくなり、めっき膜の厚さが不均一となるが、基板ホルダで保持したガラス基板のめっき槽内への挿入時に、下部よりめっき槽内に導入しているめっき液の供給を一旦停止することで、ガラス基板をめっき槽内に挿入する時に、下部からのめっき槽内に導入されるめっき液の上昇流でガラス基板が傾き、傾いた姿勢のままめっきされることを防ぐことができる。また、基板ホルダで保持したガラス基板のめっき槽からの引出し時に、下部よりめっき槽内に導入しているめっき液の供給を一旦停止することで、ガラス基板を垂直のままめっき槽から引上げて、その後の搬送エラーを防ぐことができる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、ロードステージに搬入されたガラス基板を該ガラス基板の端面間で挟持して保持する基板ホルダと、前記ガラス基板を保持した前記基板ホルダを把持して搬送するトランスポータと、前記基板ホルダで保持したままガラス基板を無電解めっき液に浸漬させてガラス基板の表面に無電解めっきを行うめっき槽と、前記めっき槽に付設され、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に電圧を印加して無電解めっきによるめっき金属の析出を改善する析出改善装置と、前記基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板の表面を前記基板ホルダで保持したまま洗浄する後洗浄槽と、洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させ、乾燥後のガラス基板をアンロードステージに受渡す乾燥ステージを有することを特徴とするめっき装置である。
【0018】
無電解めっきによってガラス基板の表面に金属膜を成膜する際、無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に電圧を印加することで、ガラス基板の全表面に亘ってめっき金属を確実に析出させることができる。この時、カソード電極とアノード電極と間に印加する電圧は、ガラス基板の表面に0.1A〜3.0A程度の電流を流すことが可能な電圧であることが好ましい。これにより、ガラス基板表面のカソード電極との接触部にめっき金属の異常析出が発生することを防止しつつ、ガラス基板の全表面にめっき金属を析出させることができる。カソード電極とアノード電極との間に電圧を印加する時間は、めっき金属の析出が開始するまでで良く、その後、電圧印加を停止しても無電解めっき反応が継続される。このため、所定の膜厚が得られるまでガラス基板を無電解めっき液に浸漬させておく。カソード電極とアノード電極との間に電圧を印加する時間は、この時間が長過ぎると、ガラス基板表面にカソード電極痕が残りやすくなるため、数十秒から数分間程度であることが好ましい。
【0019】
請求項11に記載の発明は、前記カソード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接離自在に構成されていることを特徴とする請求項10記載のめっき装置である。
これにより、アノード電極とガラス基板の表面に接触させたカソード電極との間に電圧を印加した後、カソード電極をガラス基板から離すことで、ガラス基板表面のカソード電極と接触する部位にもめっき金属を析出させることができる。
【0020】
請求項12に記載の発明は、前記カソード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に接触しない待避位置まで移動自在であることを特徴とする請求項11記載のめっき装置である。
これにより、カソード電極の無電解めっき液との接触を最小限として、カソード電極表面にめっき金属が析出することを防止するとともに、カソード電極のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0021】
請求項13に記載の発明は、前記析出改善装置は、前記めっき槽内の無電解めっき液に接触しない位置に設置されて前記カソード電極を駆動するカソード電極駆動部を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のめっき装置である。
【0022】
請求項14に記載の発明は、前記カソード電極は、表面をフッ素系樹脂でコーティングした金属で構成されていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のめっき装置である。
この金属としては、ステンレス、チタン、金または白金等が挙げられる。
【0023】
請求項15に記載の発明は、前記カソード電極は、1つのめっき槽に対して複数設置されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のめっき装置である。
請求項16に記載の発明は、前記カソード電極は、1枚のガラス基板に対して複数設置されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のめっき装置である。
これにより、ガラス基板表面とカソード電極との接触を確保して、ガラス基板表面に確実に給電することができる。
【0024】
請求項17に記載の発明は、前記アノード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に対向する位置と、めっき槽内の無電解めっき液に接触しない位置との間を移動自在であることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載のめっき装置である。
【0025】
これにより、アノード電極の無電解めっき液との接触を最小限として、アノード電極表面にめっき金属が析出することを防止するとともに、カソード電極のメンテナンスを容易に行うことができる。更に、カソード電極を無電解めっき液に接触しない待避位置に移動させることと併せて、必要に応じて、無電解めっき液をパドル等で攪拌させることもできる。
アノード電極の表面積は、ガラス基板表面のめっき面積に対して0.1%以上であることが好ましい。これにより、抵抗が高くなって、ガラス基板表面に十分な電流が流れなくなることを防止して、ガラス基板表面にめっき金属を確実に析出させることができる。
【0026】
請求項18に記載の発明は、前記アノード電極は、ステンレス、チタン、金、白金またはカーボンからなることを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載のめっき装置である。
請求項19に記載の発明は、前記カソード電極と前記アノード電極との間に、外部電源としての直流電源から所定の電圧を印加することを特徴とする請求項10乃至18のいずれかに記載のめっき装置である。
【0027】
請求項20に記載の発明は、端面間で挟持して基板ホルダで保持したガラス基板を基板ホルダと共に無電解めっき液に浸漬させ、無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に所定時間電圧を印加し、前記カソード電極と前記アノード電極との間の電圧の印加を解いてガラス基板の表面に無電解めっきを行い、基板ホルダで保持した無電解めっき後のガラス基板を基板ホルダで保持したまま洗浄し、洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させることを特徴とするめっき方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、表面積が広い矩形平板状のガラス基板の表面にめっきによって金属膜を成膜する時に、ガラス基板の表面温度をその全面に亘ってより均一にするとともに、ガラス基板の表面に沿ってより均一な流速でめっき液が流れるようにして、ガラス基板の表面に成膜される金属膜の膜厚をより均一にすることができる。
【0029】
また、広い面積を持つ矩形平板状のガラス基板の表面に無電解めっきで金属膜を成膜する際、無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に電圧を印加することで、ガラス基板の全表面からめっき金属の析出を開始させて、ガラス基板の全表面に均一な膜厚の金属膜を一連の動作で成膜することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の例では、矩形平板状のガラス基板の表面に、無電解めっきによって、第1金属(例えば銅)、第2金属(例えばコバルト)及び第3金属(例えばニッケル)からなる3種類の金属膜を連続して成膜するようにした例を示す。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態のめっき装置の全体構成を示す平面図で、図2は、図1のA−A線拡大断面図である。図1及び図2に示すように、めっき装置の装置フレーム10の天井には、装置フレーム10の内部に流入する空気をろ過するフィルタ12(図2参照)が備えられている。装置フレーム10の内部には、上流側に位置して、ガラス基板搬送機等により装置フレーム10内に搬入されためっき前のガラス基板W(図2参照)を受取って水平に支持するロードステージ14と、このロードステージ14で水平に支持したガラス基板Wを基板ホルダ16(図2参照)に装着する第1脱着ステージ18が配置されている。
【0032】
更に、装置フレーム10の内部には、第1脱着ステージ18から下流側に向けて、脱脂等のめっき前洗浄を行う前洗浄槽20、前洗浄によってガラス基板W及び基板ホルダ16に付着した前洗浄液を純水等で洗い流す2つの前洗浄液水洗槽22,24、前洗浄後のガラス基板Wの表面を酸等で洗浄して活性化させる活性化槽26、活性化によってガラス基板W及び基板ホルダ16に付着した活性化剤を純水等で洗い流す2つの活性化剤水洗槽28,30が配置されている。
【0033】
この例では、活性化剤水洗槽30の下流側に位置して、ガラス基板Wの表面に、例えば銅めっき等の第1めっきを行う2個の第1めっき槽32が配置され、この下流側に第1めっき後にガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第1めっき液を純水等で洗い流す2つの第1めっき液水洗槽(後洗浄槽)34,36が配置されている。そして、この2つの第1めっき液水洗槽34,36の間に、複数の基板ホルダ16を吊下げ保持して貯蔵するストッカー38が配置されている。
【0034】
第1めっき液水洗槽36の下流側に位置して、ガラス基板Wの表面に、例えばコバルトめっき等の第2めっきを行う第2めっき槽40が配置され、この第2めっき槽40の下流側に、第2めっき後にガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第2めっき液を純水等で洗い流す2つの第2めっき液水洗槽(後洗浄槽)42,44が配置されている。第2めっき液水洗槽44の下流側に位置して、ガラス基板Wの表面に、例えばニッケルめっき等の第3めっきを行う第3めっき槽46が配置され、この第3めっき槽46の下流側に、第3めっき後にガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第3めっき液を純水等で洗い流す2つの第3めっき液水洗槽(後洗浄槽)48,50が配置されている。
【0035】
第3めっき液水洗槽50の下流側に位置して、めっき終了後のガラス基板Wを基板ホルダ16から取出す第2脱着ステージ52が配置され、この第2脱着ステージ52の下流側に、めっき終了後のガラス基板Wを水平状態で一方向に走行させながら表裏両面を乾燥させる乾燥ステージ54が配置されている。そして、乾燥ステージ54の下流側に位置して、乾燥後のガラス基板Wを装置フレーム10の外部に配置されたガラス基板搬送機等に受渡すアンロードステージ56が配置されている。
【0036】
前記各機器の側方に位置して、ストッカー38に貯蔵した基板ホルダ16を把持して第1脱着ステージ18に搬送し、この第1脱着ステージ18でガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を把持して順次下流側に向けて搬送し、第2脱着ステージ52でガラス基板Wの保持を解いた基板ホルダ16を把持してストッカー38まで搬送するトランスポータ58が走行自在に配置されている。
【0037】
次に、基板ホルダ16の詳細を図3乃至図7に示す。図3及び図4は、仮想線で示す第1めっき槽32の周壁に仮想線で示すガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を吊下げ支持した状態を示す。図3及び図4に示すように、基板ホルダ16は、水平方向に直線状に延びるハンガ60を有している。このハンガ60の長さは、ハンガ60を介して、基板ホルダ16を第1めっき槽32の周壁間に吊下げ支持できるよう、第1めっき槽32の長さよりも長く設定されている。
【0038】
ハンガ60には、例えばPPS等の樹脂製のベースプレート62が取付けられており、このベースプレート62には、トランスポータ58で基板ホルダ16のハンガ60を把持する時の把持部としての切欠き62aが設けられている。ベースプレート62には、平行に延びる一対のサポートプレート64の上端が取付けられており、このサポートプレート64の長さ方向に沿った所定の位置には、図5に詳細に示すように、ガラス基板Wを保持した時に、ガラス基板Wの裏面に当接する、例えばPTFE等の樹脂製の複数のブッシュ66がサポートプレート64の表面側にやや突出して取付けられている。また、ガラス基板Wが横にずれて外れることを防止するため、ベースプレート62の両側には、ストッパープレート65が取付けられている。
【0039】
サポートプレート64の下端には、図5に詳細に示すように、鉤状に前方に突出し、ガラス基板Wの下端面を当接させてガラス基板Wを支持するフック68が取付けられ、上部には、フック68で下端面を当接させて支持したガラス基板Wの上端面に当接し、更にガラス基板Wを下方に押圧して保持するプッシュシリンダ部70が設けられている。
【0040】
プッシュシリンダ部70は、図6及び図7に詳細に示すように、サポートプレート64に長さ方向に沿って摺動自在に支持されたプッシャ72と、サポートプレート64の裏面側に取付けられ、プッシャ72の下面に当接してプッシャ72を上方に持ち上げるシリンダ74と、プッシャ72の上面とサポートプレート64に取付けたスプリング押え76との間に介装され、ガイドピン78に沿ってプッシャ72を下方に付勢するスプリング80とを有している。プッシャ72の裏面側中央には、センサ検知用溝72aが設けられている。プッシャ72の表面は、サポートプレート64の表面より外方にやや突出し、表面側下面には、下方に突出して、ガラス基板Wの前方への脱出を防止する突出片72bが設けられている。
【0041】
これにより、下記のように、サポートプレート64が水平状態にある時に、シリンダ74を作動させてプッシャ72をフック68から離れる方向に移動させ、この状態で、サポートプレート64の上面の所定位置にガラス基板Wを水平状態で載置する。この時、ガラス基板Wは、その裏面でブッシュ66の表面に接触して支持される。そして、シリンダ74の作動を解き、プッシャ72をスプリング80の弾性力でフック68の方向に移動させ、これによって、ガラス基板Wをその両端面間でフック68とプッシャ72で挟持して保持する。この時の保持力は、スプリング80の弾性力で決まる。このように、ガラス基板Wの端面間で基板ホルダ16のフック68とプッシャ72で挟持してガラス基板Wを保持することで、この基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを鉛直方向に立てて基板ホルダ16ごとめっき液中に浸漬させた時に、基板ホルダ16がガラス基板Wの表面に沿っためっき液の流れを阻害したり、ガラス基板Wの表面温度が均一になることを阻害したりすることを防止することができる。基板ホルダ16の各部品は、めっき液に対する腐食を抑えるため、樹脂およびチタン鋼を用いて作られている。
【0042】
ロードステージ14と第1脱着ステージ18の詳細を図8及び図9に示す。ロードステージ14には、回転用モータ90の駆動に伴って回転する回転板92と、この回転板92に取付けられた昇降用シリンダ94の作動に伴って昇降し、回転板92と一体に回転する昇降板96とを有している。回転板92には、固定用シリンダ98の作動に伴って開閉する方向に移動する複数の支柱100が備えられ、この各支柱100の上端にコマ102がそれぞれ取付けられている。昇降板96の上面には、複数の支持ピン104が立設されている。
【0043】
第1脱着ステージ18には、一対のアーム110を有する支持体112の両端を支持して該支持体112を走行させる走行部114が備えられており、一対のアーム110は、モータ116の駆動に伴って、鉛直位置と水平位置との間を上下方向に揺動するようになっている。
【0044】
これにより、装置フレーム10の外部から縦長の状態で水平にロードステージ14に搬入されたガラス基板Wを、先ずロードステージ14の支持ピン104の上面に載置して保持する。次に、固定用シリンダ98を作動させて、コマ102を閉じる(近づく)方向に移動させ、このコマ102でガラス基板Wの周縁部を把持してガラス基板Wを保持する。この状態で、回転用モータ90を駆動させて、回転板92を昇降板96と共に水平方向に90°回転させ、これによって、ガラス基板Wを縦長の状態から横長の状態にする。次に、固定用シリンダ98を逆作動させ、コマ102を開く(遠ざかる)方向に移動させてガラス基板Wの周縁部の把持を解き、しかる後、昇降用シリンダ94を作動させて、ガラス基板Wを支持ピン104で支持したまま、下記の水平状態で前進した基板ホルダ16の上方位置まで上昇させる。
【0045】
一方、第1脱着ステージ18にあっては、アーム110は反ロードステージ側に後退した鉛直位置にあり、このアーム110の前面に、トランスポータ58で把持して搬送し、更に下降させた基板ホルダ16を位置させて保持する。そして、モータ116を駆動して、基板ホルダ16をアーム110と共に水平位置まで90°上方に揺動させ、しかる後、支持体112をロードステージ14の方向に走行させて、基板ホルダ16をアーム110と共に上昇させたガラス基板Wの下方に入り込ませる。次に、昇降板96を下降させて、支持ピン104で支持したガラス基板Wを基板ホルダ16に受渡し、昇降板96を更に下降させて、支持ピン104を元の位置に位置させる。
【0046】
基板ホルダ16にあっては、前述と同様にして、プッシュシリンダ部70のシリンダ74の作動を解き、プッシャ72をスプリング80の弾性力でフック68の方向に移動させて、ガラス基板Wの端面間でフック68とプッシャ72で挟持してガラス基板Wを保持し、しかる後、前記と逆の動作で、支持体112を後退させ、更にガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をアーム110と共に90°下方に揺動させて元の鉛直位置に戻す。これによって、ガラス基板Wの基板ホルダ16による保持が完了する。
【0047】
第1めっき槽32の詳細を図10乃至図13に示す。なお、第2めっき槽40及び第3めっき槽46も、使用するめっき液が異なるだけで、第1めっき槽32と同じ構成である。更に、前洗浄槽20及び活性化槽26も、使用する処理液(薬液)が異なるだけで、第1めっき槽32とほぼ同じ構成である。ただし、前洗浄槽20には、ヒータ及びそれに付帯する設備は備えられていない。ここでは、第2めっき槽40、第3めっき槽46、前洗浄槽20及び活性化槽26の説明を省略する。
【0048】
第1めっき槽32は、反応槽120と、この反応槽120の全周囲を取り囲んで、反応槽120の上端を4方向にオーバフローしためっき液を集めるオーバフロー槽122を有している。図3に示すように、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16は、オーバフロー槽122の周壁上面間にハンガ60を掛け渡して吊下げ保持され、これにより、ガラス基板Wは、基板ホルダ16で保持されたまま反応槽120の内部に鉛直方向に配置される。
【0049】
反応槽120の底部には、図11に示すように、反応槽120の内部にめっき液を下方から導入するヘッダ管124が横方向のほぼ全長に亘って水平に配置され、このヘッダ管124はめっき液供給管126に接続されている。このヘッダ管124には、長さ方向に沿った等間隔で上方に開口するめっき液吐出口が設けられている。このヘッダ管124の上方に、ヘッダ管124のめっき液吐出口から吐出さられるめっき液の流れを整える整流板128が配置されている。この整流板128には、例えば長さ方向に沿った等間隔で2列に亘って上下に連通するめっき液流通口が設けられている。ヘッダ管124のやや下方に位置して、図12に示すように、散気管130が横方向のほぼ全長に亘って配置されており、この散気管130には、長手方向に沿った等間隔で下方に開口する空気吐出口が設けられている。また、この反応槽120の底面には、液の入れ替え時に残液が少なくなるように傾きを設けてある。
【0050】
基板ホルダ16をオーバフロー槽122の周壁上面に吊下げ保持した時、反応槽120の内部の基板ホルダ16で保持したガラス基板Wの表面と対向する位置に、互いに平行に上下方向に延びる複数のパドル棒132を有するパドル134がガラス基板Wと水平に左右及び上下動自在に配置されている。また、反応槽120には、反応槽120の底部におけるめっき液の液温を検出して、下記のヒータ140を制御する温度センサ136が備えられている。
【0051】
オーバフロー槽122には、図13に示すように、反応槽120内のめっき液を加熱してめっき液の温度を所定の温度、例えば65℃に管理するヒータ140と、オーバフロー槽122の内部に溜まっためっき液の液面を検知して、この液面が所定の位置以下に達したときに、安全のためにヒータ140の電源を切る液面センサ142が配置されている。オーバフロー槽122の側面には、ヒータ140の過熱を防止するヒータ過熱防止センサ144が備えられている。オーバフロー槽122の底部には、図11に示すように、内部に排水バルブ146を備えた排水管148が接続され、これによって、反応槽120の上端を4方向にオーバフローしてオーバフロー槽122に流れ込んだめっき液は、排水管148から外部に排水され、反応槽120の底部からこの内部に供給されて循環する。
【0052】
この第1めっき槽32にあっては、めっき液供給管126を通して、反応槽120の内部に、例えば無電解銅めっき液等の第1めっき液を底部から導入し、反応槽120内のめっき液(無電解めっき液)をオーバフローさせることで、反応槽120内のめっき液に上方に向かう一様な流れを形成する。そして、ヒータ140によって、反応槽120内のめっき液の液温を、例えば65℃の一定に管理しながら、パドル棒132を左右及び上下動させ、同時に、散気管130から反応槽120内のめっき液中に空気を吹き込んで反応槽120内のめっき液を攪拌する。この状態で、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して反応槽120の直上方まで搬送し、下降させて第1めっき槽32で吊下げ保持する。この、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を下降させるときに、めっき液の供給、空気の供給及びパドル棒の動作を一旦停止させる。これにより、ガラス基板Wにめっき液からの不規則な抵抗が作用することを防止しつつめっき液中を降下させて、ガラス基板を垂直な状態で反応槽120内に吊下げることができる。これによって、ガラス基板Wを基板ホルダ16で保持したまま、反応槽120内にめっき液中に浸漬させて、ガラス基板Wの表面に、例えば銅めっき膜等の第1金属膜を成膜する。
【0053】
そして、めっき終了後、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、ガラス基板Wを基板ホルダ16ごと反応槽120内のめっき液から引抜いた後、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を第1めっき液水洗槽34の直上方までトランスポータ58で搬送する。このガラス基板Wをめっき液から引抜く間に、めっき液の供給、空気の供給及びパドル棒の動作を一旦停止することにより、トランスポータ58への受け渡しを容易に行うことができる。
【0054】
特に、無電解めっきによってガラス基板Wの表面に均一な膜厚のめっき膜を成膜するには、ガラス基板Wの表面温度をその全面に亘って均一にすることが重要である。この第1めっき槽32にあっては、ヒータ140で反応槽120内を流れるめっき液を加熱し、反応槽120の上部の4面からオーバフローさせることで、ガラス基板Wの表面温度をより一定にすることができる。更に、反応槽120内にパドル棒132を設置して、めっき中に左右及び/または上下動させたり、反応槽120の底部に配置した散気管130から反応槽120内のめっき液中に空気を吹き込んだりすることによりめっき液を攪拌することで、ガラス基板Wの表面温度をその全面に亘ってより均一にすることができる。
【0055】
図27は、反応槽120の上部の4辺からめっき液をオーバフローさせた時のガラス基板の表面全面における格子状の各交点(25箇所)の表面温度を熱電対で測定した時の結果を示す。図28は、反応槽120の上部の3辺からめっき液をオーバフローさせた時のガラス基板の表面全面における格子状の各交点(25箇所)の表面温度を熱電対で測定した時の結果を示す。この図27及び図28により、反応槽120の上部の4辺からめっき液をオーバフローさせたることで、反応槽120の上部3辺からめっき液をオーバフローさせた場合に比較して、ガラス基板表面は、均一な温度分布を示すことが判る。なお、この時のめっき液の供給量は75L/min、設定温度は65℃である。
【0056】
第1めっき槽32には、図14及び図15に示すように、無電解めっきによるめっき金属の析出を改善する析出改善装置400が付設されている。つまり、広い面積を持つ矩形平板状のガラス基板Wの表面に無電解めっきで銅めっき膜等の金属膜を成膜しようとすると、ガラス基板Wの表面状態や無電解めっき液の状態等によって、ガラス基板Wの表面の一部でめっき金属の析出が開始せず、ガラス基板Wの全表面にめっき金属が析出しないことがある。この析出改善装置400は、このような弊害を防止して、ガラス基板Wの全表面にめっき金属を析出させるためのものである。
【0057】
析出改善装置400は、第1めっき槽32のオーバフロー槽122の上端の長さ方向に沿った両側に固定された一対の支持板402を有しており、この支持板402は、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を第1めっき槽32のオーバフロー槽122で吊下げ支持した時、ガラス基板Wの表面側に位置するようになっている。
【0058】
この支持板402の上面には、図15に示すように、カソード電極駆動部としての昇降用シリンダ404の駆動に伴って昇降する昇降板406が配置され、前後動ロッド408を有するカソード電極駆動部としての前後動機構410が昇降板406に固定されている。そして、前後動ロッド408の先端部に、この例では、棒状体を所定の形状に屈曲させて形成した、つまり下方に向けて屈曲させ、反応槽120内に配置されるガラス基板Wに向けて更に屈曲させて形成されたカソード電極412が連結されている。
【0059】
これにより、カソード電極412は、図15に示すように、通常は、処理槽120内のめっき液(無電解めっき液)に接触しない待避位置に位置し、昇降用シリンダ(カソード電極駆動部)404の駆動に伴って昇降板406と共に下降し、前後動機構(カソード電極駆動部)410の駆動に伴って反応槽120内に配置されるガラス基板Wに向けって前進して、その先端端面が、ガラス基板Wの表面に設けられた導電膜414にばね性を持って接触し、この逆の動作で、ガラス基板Wの表面に設けられた導電膜414から離れて待避位置に戻るようになっている。 このカソード電極412は、ステンレス、チタン、金または白金等の金属の表面をフッ素系樹脂でコーティングして構成されている。
【0060】
このように、カソード電極412をガラス基板Wの導電膜414に接離自在として、下記のように、アノード電極424とガラス基板Wの表面に接触させたカソード電極412との間に電圧を印加した後、カソード電極412をガラス基板Wから離すことで、ガラス基板Wの導電膜414のカソード電極412と接触する部位にもめっき金属を析出させることができる。しかも、カソード電極412を無電解めっき液に接触しない待避位置まで移動させることで、カソード電極412の無電解めっき液との接触を最小限として、カソード電極412の表面にめっき金属が析出することを防止するとともに、カソード電極412のメンテナンスを容易に行うことができる。特に、カソード電極412として、棒状体を使用し、この棒状体の端面をガラス基板Wの導電膜414に接触させることで、接触面積を最小に抑えることができる。
【0061】
なお、この例では、カソード電極412を2個備えているが、カソード電極412の数は、1個でも、3個以上でもよい。カソード電極412を複数とすることで、ガラス基板Wの表面とカソード電極412との接触を確保して、ガラス基板Wの表面に確実に給電することができる。
【0062】
一対の支持板402間に跨って、支持棒420が水平に配置されている。この支持棒420の軸方向に沿った、この例では2カ所に、鉛直位置と水平位置との間を90°揺動する揺動アーム422の基部が取付けられ、この揺動アーム422の自由端に、平板状のアノード電極424が連結されている。これにより、揺動アーム422が水平位置にあるとき、アノード電極424は反応槽120内のめっき液に接触せず、揺動アーム422が鉛直位置にあるとき、アノード電極424は反応槽120内のめっき液に浸漬し、かつガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に対向するようになっている。アノード電極424は、例えばステンレス、チタン、金、白金またはカーボンからなる。
【0063】
このように、アノード電極424を反応槽120内のめっき液と接触しない位置に位置させることで、アノード電極424のめっき液との接触を最小限として、アノード電極424の表面にめっき金属が析出することを防止するとともに、アノード電極424のメンテナンスを容易に行うことができる。更に、カソード電極412をめっき液に接触しない待避位置に移動させることと併せて、必要に応じて、反応槽120内のめっき液をパドル等で攪拌させることもできる。
【0064】
アノード電極424の表面積は、ガラス基板Wの表面のめっき面積に対して0.1%以上であることが好ましい。これにより、抵抗が高くなって、ガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に十分な電流が流れなくなることを防止して、ガラス基板Wの表面にのめっき金属を確実に析出させることができる。
【0065】
カソード電極412は、導線426aを介して、外部電源としての直流電源428の陰極に接続され、アノード電極424は、導線426bを介して、外部電源としての直流電源428の陽極に接続される。この直流電源428でカソード電極412とアノード電極424と間に電圧を印加した時に、ガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に、例えば0.1A〜3.0A程度の電流が流れるようになっている。
【0066】
この析出改善装置400において、カソード電極412は上昇した待避位置に位置し、アノード電極424は揺動アーム422が水平位置に位置して反応槽120内のめっき液に接触しない位置に位置する。そして、前述のようにして、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して反応槽120の直上方まで搬送し、下降させて第1めっき槽32のオーバフロー槽122で吊下げ保持して、ガラス基板Wを基板ホルダ16と共に反応槽120内のめっき液(無電解めっき液)に浸漬させた後、カソード電極412をガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に接触させ、同時に揺動アーム422を下方に向けて90°揺動させて鉛直位置に位置させることで、アノード電極424を反応槽120内のめっき液に浸漬させ、かつガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に対向させる。
【0067】
次に、カソード電極412とアノード電極424との間に、ガラス基板Wの表面の導電膜414(図15参照)に、例えば0.1A〜3.0A程度の電流が流れるように、直流電源(外部電源)428から電圧を印加する。そして、カソード電極412とアノード電極424との間に所定時間電圧を印加した後、カソード電極412及びアノード電極424を直流電源428から切り離し、更に、カソード電極412を待避位置に待避させ、同時に揺動アーム422を上方に向け90°揺動させて水平位置に位置させることで、アノード電極424を反応槽120内のめっき液から引上げる。
【0068】
この状態で、例えば前述のように、ガラス基板Wを基板ホルダ16で保持したまま、反応槽120内にめっき液中に所定時間浸漬させて、ガラス基板Wの表面に、例えば銅めっき膜等の第1金属膜を成膜する。
【0069】
このように、無電解めっきによってガラス基板Wの表面に金属膜を成膜する際、無電解めっき液に浸漬させたガラス基板Wの表面に接触させたカソード電極412と該表面と対向する位置に配置したアノード電極424との間に電圧を印加することで、ガラス基板Wの全表面に亘ってめっき金属を確実に析出させることができる。この時、カソード電極412とアノード電極424との間に印加する電圧は、ガラス基板の表面に0.1A〜3.0A程度の電流を流すことが可能な電圧であることが好ましく、これにより、ガラス基板Wの表面のカソード電極412との接触部にめっき金属の異常析出が発生することを防止しつつ、ガラス基板Wの全表面にめっき金属を析出させることができる。カソード電極412とアノード電極424との間に電圧を印加する時間は、めっき金属の析出が開始するまでで良いが、この時間が長過ぎると、ガラス基板Wの表面にカソード電極痕が残りやすくなるため、数十秒から数分間程度であることが好ましい。
【0070】
なお、第2めっき槽40にあっては、第1めっき液の代わりにコバルトめっき液等の第2めっき液が、第3めっき槽46にあっては、ニッケルめっき液等の第3めっき液が、前洗浄槽20にあっては、界面活性剤を含む溶液等の前洗浄液が、活性化槽26にあっては、酸溶液等の活性剤溶液がそれぞれ使用される。そして、第2めっき槽40及び第3めっき槽46には、必要に応じて、前記構成の析出改善装置400が付設される。
【0071】
第1めっきの直後にガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した、例えば銅めっき液等の第1めっき液(無電解めっき液)を純水等で洗い流す第1めっき液水洗槽(シャワー式水洗槽)34の詳細を図16及び図17に示す。前洗浄液水洗槽22、活性化剤水洗槽28、第2めっき液水洗槽42及び第3めっき液水洗槽48も、第1めっき液水洗槽34と同じ構成であるので、ここでは、これらの説明を省略する。
【0072】
すなわち、この第1めっき液水洗槽34は、シャワー方式を採用したもので、槽本体150と、この槽本体150の上部内周面の互いに対峙した位置に横方向のほぼ全長に亘って延びる一対の洗浄液供給管152とを有している。この各洗浄液供給管152は、内部を流れる純水等の洗浄液の流量をコントロールする定圧コントロールバルブを介装した配管(図示せず)にそれぞれ接続されており、各洗浄液供給管152の長さ方向に沿った所定の位置に、下方に向け拡がるように純水等の洗浄液を噴霧する複数のシャワーノズル154が所定間隔離間して配置されている。第1めっき液水洗槽34の底部には、第1めっき液水洗槽34の内部に溜まった廃液を外部に排出する排水管(図示せず)が接続されている。
【0073】
この第1めっき液水洗槽34では、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し鉛直方向に向けた状態でガラス基板Wと共に第1めっき液水洗槽34の槽本体150の内部に挿入する。しかる後、シャワーノズル154からガラス基板Wを保持した基板ホルダ16に向けて、純水等の洗浄液を噴霧しながら、基板ホルダ16を第1めっき液水洗槽34から徐々に引出することで、ガラス基板W及び基板ホルダ16に付着した第1めっき液を純水等の洗浄液で洗い流して粗洗浄する。なお、シャワーノズル154から純水等の洗浄液を噴霧しながら、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を第1めっき液水洗槽34の槽本体150の内部に挿入するようにしてもよく、また両者を併用しても良い。
【0074】
上記粗洗浄後にガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第1めっき液を洗い流す第1めっき液水洗槽(浸漬式水洗槽)36の断面を図18に示す。前洗浄液水洗槽24、活性化剤水洗槽28、第2めっき液水洗槽44及び第3めっき液水洗槽50も、第1めっき液水洗槽36と同じ構成であるので、ここでは、これらの説明を省略する。
【0075】
すなわち、この第1めっき液水洗槽36は、浸漬方式を採用したもので、上部にオーバフロー槽160を一体に設けた槽本体162と、槽本体162の底部に配置した幅方向のほぼ全長に亘って延びる洗浄液供給管164と、この洗浄液供給管164の上部に配置された整流板166を有している。この洗浄液供給管164の長さ方向に沿った等間隔位置には、上方に開口した洗浄液供給口が設けられている。オーバフロー槽160の底部には、オーバフロー槽160の内部に溜まった洗浄液(廃液)を外部に排出する排水管(図示せず)が接続されている。
【0076】
この第2めっき液水洗槽36では、洗浄液供給管164を通して供給した純水等の洗浄液で槽本体162の内部を満たしておく。そして、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して第2めっき液水洗槽36の直上方まで搬送し、下降させて槽本体162に吊下げ保持する。これによって、ガラス基板W及び基板ホルダ16を純水等の洗浄液に浸漬させて洗浄する。洗浄終了後、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し上昇させて、ガラス基板Wを基板ホルダ16ごと槽本体162内の純水等の洗浄液から引抜く。
槽本体162内の純水等の洗浄液を新しい純水等の洗浄液に少量ずつ入れ替えることにより、槽本体162内の純水等の洗浄液の汚れをなくすことができる。
【0077】
第2脱着ステージ52、乾燥ステージ54及びアンロードステージ56の詳細を図19及び図20に示す。第2脱着ステージ52は、枢軸170を中心に鉛直位置と水平位置との間を上下方向に揺動自在で、走行部171に両端を支持されて走行自在な支持体172を有し、この支持体172に、該支持体172が水平位置にある時に、上下動自在で、且つ乾燥ステージ54に向けて走行自在なゴムベルト174を有する複数のベルトコンベア176が平行に取付けられている。
【0078】
そして、先ず、ガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58から受取って支持体172の前面に保持する。図19は、基板ホルダ16をトランスポータ58から受取って保持した状態を示している。そして、基板ホルダ16を保持した支持体172を乾燥ステージ54に向けて走行させ、しかる後、水平位置まで上方に向けて揺動させる。この状態で、前述のように、基板ホルダ16のシリンダ74を作動させ、プッシャ72をフック68から離れる方向に移動させて、基板ホルダ16によるガラス基板Wの保持を解く。
【0079】
次に、ベルトコンベア176を上昇させて、基板ホルダ16による保持を解いたガラス基板Wをベルトコンベア176のゴムベルト174の上面で受取り、ゴムベルト174を乾燥ステージ54に向けて走行させて、めっき後のガラス基板Wを乾燥ステージ54に送り込む。
【0080】
一方、ガラス基板Wを取外した基板ホルダ16を保持した支持体172にあっては、水平位置から鉛直位置に下方に揺動させ、しかる後、反乾燥ステージ側に前進させて、図19に示す元の位置に復帰させる。この位置で、トランスポータ58は、支持体172から空となった基板ホルダ16を受取って把持し、例えばストッカー38まで搬送する。
【0081】
乾燥ステージ54は、水平位置にある第2脱着ステージ52のベルトコンベア176に連続するように配置されたころコンベア180と、例えば図示しない排気ブロアとミストセパレータを有するハウジング182と、このハウジング182の内部に配置された一対のエアナイフ184を有している。ころコンベア180は、横方向に互いに平行に配置されて同時に回転する複数の回転軸186を有し、この回転軸186の長さ方向に沿った所定間隔離間した位置に複数のころ188が取付けられている。エアナイフ184は、この先端から乾燥したエアを吹付けるもので、ハウジング182の幅方向のほぼ全長に亘って延びており、ころコンベア180を挟んだ上下の位置に互いに対向して配置されている。
【0082】
これにより、水平位置にある第2脱着ステージ52のベルトコンベア176で搬送されたガラス基板Wは、乾燥ステージ54のころコンベア180に乗り移ってハウジング182の内部を搬送される。そして、一対のエアナイフ184で挟まれた位置を通過するときに、エアナイフ184からガラス基板Wに向けて吹付けられる乾燥エアによって、その表裏両面が乾燥されてアンロードステージ56に搬送される。
【0083】
アンロードステージ56は、乾燥ステージ54のころコンベア180に連続して配置され、ガラス基板Wの側縁部を支持してガラス基板Wを搬送する一対のローラコンベア190と、回転用モータ192の駆動に伴って回転する回転板194と、この回転板194に取付けられた昇降用シリンダ196の作動に伴って昇降する昇降板198とを有している。回転板194には、固定用シリンダ200の作動に伴って開閉する方向に移動する複数の支柱202が備えられ、この各支柱202の上端にコマ204がそれぞれ取付けられている。昇降板198には、上端を真空チャックとした複数の支持ピン206が立設されている。
【0084】
これにより、乾燥ステージ54のころコンベア180で搬送された乾燥後のガラス基板を、ローラコンベア190に移して更に搬送させ、アンロードステージ56の所定の位置に停止させる。次に、昇降用シリンダ196を作動させ、支持ピン206でガラス基板Wを吸着保持してローラコンベア190の上方まで持ち上げる。この状態で、回転用モータ192を駆動させて、昇降板198を回転板194と共に90°水平方向に回転させ、これによって、ガラス基板Wを横長の状態から縦長の状態にする。
【0085】
次に、昇降用シリンダ196を逆作動させて昇降板198を下降させ、縦長となったガラス基板Wをローラコンベア190の間を通過させてローラコンベア190の下方の所定位置に停止させる。そして、固定用シリンダ200を作動させて、コマ204を閉じる方向に移動させ、このコマ204で乾燥後のガラス基板Wの周縁部を把持して待機する。そして、装置フレーム10外部に配置したガラス基板搬送機によって、乾燥後のガラス基板をアンロードステージ56から取出して次工程に搬送する。
【0086】
トランスポータ58の詳細を図21乃至図26に示す。図21及び図22は、トランスポータ58の走行部であるリニアモータ部280を示すもので、このリニアモータ部280は、長尺状に延びるベース282と、このベース282に沿って走行する2台のスライダ284,286とから主に構成され、この各スライダ284,286の上面にトランスポータ58が搭載されている。また、ベース282の側部には、ケーブルベアブラケット288とケーブルベア受け290が設けられ、このケーブルベアブラケット288とケーブルベア受け290に沿ってケーブルベア292が延びるようになっている。
【0087】
このように、トランスポータ58の移動方式としてリニアモータ方式を採用することで、長距離移動を可能にするとともに、トランスポータ58の長さを短く抑えて装置の全長をより短くし、更に長いボールネジなどの精度とメンテナンスを要する部品を削減することができる。なお、この例では、2台のトランスポータを備えているが、トランスポータは1台でも良いことは勿論である。
【0088】
図23乃至図26は、トランスポータ58を示すものである。このトランスポータ58は、トランスポータ本体300と、このトランスポータ本体300から横方向に突出するアーム部302と、アーム部302を昇降させるアーム部昇降機構304と、アーム部302を回転させるアーム部回転機構306と、アーム部302の内部に設けられて基板ホルダ16を着脱自在に把持する把持機構308とから主に構成されている。
【0089】
アーム部昇降機構304は、図23及び図24に示すように、鉛直方向に延びる回転自在なボールねじ310と、このボールねじ310に螺合するナット312とを有し、このナット312にLMベース314が連結されている。そして、トランスポータ本体300に固定した昇降用モータの駆動軸に固着した駆動プーリ318とボールねじ310の上端に固着した従動プーリ320との間にタイミングベルト322が掛け渡されている。これによって、昇降用モータの駆動に伴ってボールねじ310が回転し、このボールねじ310に螺合するナット312に連結したLMベース314がLMガイドに沿って上下に昇降する。
【0090】
アーム部回転機構306は、図24に仮想線で示すように、内部に回転軸330を回転自在に収納し取付け台332を介してLMベース314に固着したスリーブ334と、このスリーブ334の端部にモータベース336を介して取付けた回転用モータ338とを有している。そして、この回転用モータ338の駆動軸に固着した駆動プーリ340と回転軸330の端部に固着した従動プーリ342との間にタイミングベルト344が掛け渡されている。これによって、回転用モータ338の駆動に伴って回転軸330が回転する。そして、アーム部302は、この回転軸330にカップリング346を介して連結されて回転軸330と一体となって昇降し回転する。
【0091】
アーム部302は、図24の仮想線、図25及び図26に示すように、回転軸330に連結されて該回転軸330と一体に回転する一対の側板350,350を備え、この側板350,350間に把持機構308が配置されている。
【0092】
把持機構308は、端部を側板350,350間に幅方向に移動自在に収納した固定ホルダ352と、この固定ホルダ352の内部を挿通させたガイドシャフト354と、このガイドシャフト354の一端(図26における下端)に連結した可動ホルダ356とを有している。そして、固定ホルダ352は、一方の側板350に取付けた幅方向移動用シリンダ358にシリンダジョイント360を介して連結されている。一方、ガイドシャフト354の他端(図26における上端)には、シャフトホルダ362が取付けられ、このシャフトホルダ362は、上下移動用シリンダ366にシリンダコネクタ364を介して連結されている。
【0093】
これにより、幅方向移動用シリンダ358の作動に伴って、固定ホルダ352が可動ホルダ356と共に側板350,350間をその幅方向に移動し、上下移動用シリンダ366の作動に伴って、可動ホルダ356がガイドシャフト354にガイドされつつ上下に移動する。
【0094】
この把持機構308でストッカー38等に吊下げ保持した基板ホルダ16を把持する時には、固定ホルダ352を基板ホルダ16のハンガ60の上方に、可動ホルダ356をハンガ60の下方にそれぞれ位置させる。そして、幅方向移動用シリンダ358を作動させて、固定ホルダ352と可動ホルダ356を、基板ホルダ16のハンガ60を上下から挟む位置に位置させる。この時、可動ホルダ356は、ベースプレート62に設けた切欠き62a内に位置する。この状態で、上下移動用シリンダ366を作動させて、ハンガ60を固定ホルダ352と可動ホルダ356で上下から狭持して基板ホルダ16を把持する。そして、この逆の動作を行わせることで、この把持を解く。
【0095】
次に、上記構成のめっき装置における一連の操作について説明する。
先ず、矩形平板状のめっき前のガラス基板Wを装置フレーム10の内部に横長の状態で搬入し、ロードステージ14の支持ピン104で水平に支持する。そして、ガラス基板Wの周縁部をコマ102で把持してガラス基板Wを保持し、90°水平に回転させて横長の状態にした後、支持ピン104で支持して上昇させる。一方、トランスポータ58は、ストッカー38に吊下げ保持されて貯蔵されていた基板ホルダ16を把持して上昇させ、第1脱着ステージ18のアーム110前面まで搬送した後、下降させて、基板ホルダ16をアーム110に受渡す。
【0096】
次に、アーム110を水平状態となるように90°上方に揺動させ、しかる後、ロードステージ14の方向に前進させて、上昇させたガラス基板Wの下方に基板ホルダ16を入り込ます。そして、ガラス基板Wを下降させて支持ピン104から基板ホルダ16で受取り、しかる後、基板ホルダ16のシリンダ74の作動を解き、プッシャ72をスプリング80の弾性力でフック68の方向に移動させ、これによって、ガラス基板Wをその両端面間でフック68とプッシャ72で挟持して水平に保持する。
【0097】
このガラス基板Wを保持した基板ホルダ16を有するアーム110を、上記と逆の動作で後退させ、更に下方に90°揺動させて鉛直状態となす。そして、このガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、前洗浄槽20の上方まで搬送した後、下降させて、前洗浄槽20で吊下げ保持する。これによって、基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを基板ホルダ16で保持したまま、前洗浄槽20内の前処理液に浸漬させて、脱脂等のめっき前洗浄を行う。この前処理後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、前洗浄液水洗槽22,24に順次搬送して、ガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した前処理液を純水等の洗浄液で洗い流す。
【0098】
前処理後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、活性化槽26の上方まで搬送した後、下降させて、活性化槽26で吊下げ保持する。これによって、基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを活性化槽26内の活性剤溶液に浸漬させて、ガラス基板Wの表面の酸による洗浄等の活性化処理を行う。この活性化処理のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、活性化剤水洗槽28,30に順次搬送して、ガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した活性化剤溶液を純水等の洗浄液で洗い流す。
【0099】
活性化処理後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、第1めっき槽32の上方まで搬送した後、下降させて、第1めっき槽32で吊下げ保持する。これによって、基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを、第1めっき槽32内の第1めっき液、例えば銅めっき液に浸漬させて、ガラス基板Wの表面に第1金属膜、例えば銅膜を成膜する。この時、前述のように、めっき液に浸漬させたガラス基板Wの表面に接触させたカソード電極412と該表面と対向する位置に配置したアノード電極424との間に電圧を印加することで、ガラス基板Wの全表面に亘ってめっき金属を確実に析出させる。このことは、以下のめっき槽でのめっき処理においても同様である。この第1めっき終了後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、第1めっき液水洗槽34,36に順次搬送して、ガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第1めっき液を純水等の洗浄液で洗い流す。
【0100】
第1めっき膜を成膜したガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、第2めっき槽40の上方まで搬送した後、下降させて、第2めっき槽40で吊下げ保持する。これによって、基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを、第2めっき槽40内の第2めっき液、例えばコバルトめっき液に浸漬させて、ガラス基板Wの表面に形成した第1金属膜、例えば銅膜の表面に、第2金属膜、例えばコバルト膜を成膜する。この第2めっき終了後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、第2めっき液水洗槽42,44に順次搬送して、ガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第2めっき液を純水等の洗浄液で洗い流す。
【0101】
第2めっき膜を成膜したガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持して上昇させ、第3めっき槽46の上方まで搬送した後、下降させて、第3めっき槽46で吊下げ保持する。これによって、基板ホルダ16で保持したガラス基板Wを、第3めっき槽46内の第3めっき液、例えばニッケルめっき液に浸漬させて、ガラス基板Wの表面に形成した第2金属膜、例えばコバルト膜の表面に、第3金属膜、例えばニッケル膜を成膜する。この第3めっき終了後のガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、第3めっき液水洗槽48,50に順次搬送して、ガラス基板W及び基板ホルダ16の表面に付着した第3めっき液を純水等の洗浄液で洗い流す。
【0102】
そして、第3めっき膜を成膜したガラス基板Wを保持した基板ホルダ16をトランスポータ58で把持し、第2脱着ステージ52の支持体172の前面まで搬送し、下降させて、支持体172に受渡す。そして、支持体172をアンロードステージ56の方向に走行させ、90°上方に揺動させることで、水平状態にする。この状態で、前述のように、基板ホルダ16のシリンダ74を作動させ、プッシャ72をフック68から離れる方向に移動させて、基板ホルダ16によるガラス基板Wの保持を解く。次に、ベルトコンベア176を上昇させて、基板ホルダ16による保持を解いたガラス基板Wをベルトコンベア176のゴムベルト174の上面で受取り、ゴムベルト174を乾燥ステージ54に向けて走行させる。
【0103】
ガラス基板Wを取外した基板ホルダ16を保持した支持体172にあっては、支持体172を水平位置から鉛直位置に90°下方に揺動させ、しかる後、反乾燥ステージ側に前進させて元の位置に復帰させる。トランスポータ58は、この位置で、支持体172から空となった基板ホルダ16を受取って把持し、例えばストッカー38まで搬送して、ストッカー38で吊下げ支持する。
【0104】
第2脱着ステージ52のベルトコンベア176で搬送したガラス基板Wを、乾燥ステージ54のころコンベア180でハウジング182の内部を搬送し、この間に、ガラス基板Wの表裏両面に一対のエアナイフ184からガラス基板Wに向けて乾燥エアを吹付けて乾燥させる。しかる後、この乾燥させたガラス基板Wをアンロードステージ56に搬送する。
【0105】
アンロードステージ56で、乾燥後のガラス基板Wを、昇降用シリンダ196で保持してローラコンベア190の上方まで持ち上げ、昇降板198を回転板194と共に90°回転させて、横長の状態から縦長の状態にする。そして、縦長となったガラス基板Wをローラコンベア190の間を通過させてローラコンベア190の下方の所定位置まで下降させ、コマ204で乾燥後のガラス基板Wの周縁部を把持して待機する。そして、装置フレーム10外部に配置したガラス基板搬送機によって、乾燥後のガラス基板をアンロードステージ56から取出して次工程に搬送する。
【0106】
なお、上記の例では、3つのめっき槽と、各めっき槽によるめっきによってガラス基板及び基板ホルダの表面に付着しためっき液を洗い流す各1対の3つのめっき液水洗槽を備えた例を示しているが、例えば、ガラス基板の表面に、銅膜等の1種類の金属膜を成膜する場合には、めっき槽及びめっき液を洗い流すめっき液水洗槽は、それぞれ1つでもよいことは勿論である。また、前洗浄槽や活性化槽、及びこれらに付帯する水洗槽は、必要に応じて備えられる。
【0107】
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されないことは勿論である。
【実施例1】
【0108】
ガラス基板を無電解銅めっき液の入っためっき槽に挿入した後、ステンレスをフッ素系樹脂でコーティングしたカソード電極をガラス基板表面に接触させ、めっき液に浸漬させてガラス基板表面に対面させて配置したステンレス製アノード電極と前記カソード電極との間に直流電源により1.0Vの電圧を1分間印加した。このときアノード電極の表面積はガラス基板のめっき面積に対して2%であった。その後、電圧の印加を停止させ、カソード電極をガラス基板表面から離して無電解銅めっきを20分間継続した。めっき終了後は、洗浄から乾燥まで一連の動作で行い、めっき金属析出の有無を目視で確認した。
【実施例2】
【0109】
ガラス基板を無電解銅めっき液の入っためっき槽に挿入した後、ステンレスをフッ素系樹脂でコーティングしたカソード電極をガラス基板表面に接触させ、めっき液に浸漬させてガラス基板表面に対面させて配置したステンレス製アノード電極と前記カソード電極との間に直流電源により1.5Vの電圧を30秒間印加した。このときアノード電極の表面積はガラス基板のめっき面積に対して2%であった。その後、電圧印加を停止させ、カソード電極をガラス基板表面から離し、さらに自動でカソード電極とアノード電極をめっき液中から引上げて、パドルによる撹拌を開始して無電解銅めっきを20分間継続した。めっき終了後は洗浄から乾燥まで一連の動作で行い、めっき析出の有無を目視で確認した。
【実施例3】
【0110】
ガラス基板を無電解銅めっき液の入っためっき槽に挿入した後、ステンレスをフッ素系樹脂でコーティングしたカソード電極をガラス基板表面に接触させ、めっき液に浸漬させてガラス基板表面に対面させて配置したステンレス製アノード電極と前記カソード電極との間に直流電源により5.0Vの電圧を5分間印加した。このときアノード電極の表面積はガラス基板のめっき面積に対して2%であった。その後、電圧印加を停止させ、カソード電極をガラス基板表面から離して無電解銅めっきを15分間継続した。めっき終了後は洗浄から乾燥まで一連の動作で行い、めっき金属析出の有無を目視で確認した。
【実施例4】
【0111】
ガラス基板を無電解銅めっき液の入っためっき槽に挿入した後、ステンレスをフッ素系樹脂でコーティングしたカソード電極をガラス基板表面に接触させ、めっき液に浸漬させてガラス基板表面に対面させて配置したステンレス製アノード電極と前記カソード電極との間に直流電源により1.0Vの電圧を1分間印加した。このときアノード電極の表面積はガラス基板のめっき面積に対して2%であった。電圧印加を停止させた後も、カソード電極をガラス基板表面から離さずに無電解銅めっきを20分間継続した。めっき終了後は洗浄から乾燥まで一連の動作で行い、めっき金属析出の有無を目視で確認した。
【0112】
上記実施例1〜4の結果を下記の表1に示す
【表1】

【0113】
この表1から、ガラス基板を無電解銅めっき液の入っためっき槽に挿入した後、カソード電極をガラス基板表面に接触させ、めっき液に浸漬させてガラス基板表面に対面させて配置したアノード電極とカソード電極との間に直流電源により電圧を印加することによって、ガラス基板の全面にめっき金属が析出することが判る。しかし、アノード電極とカソード電極との間に直流電源により5.0Vの電圧を5分間印加したり(実施例3)、電圧印加を停止させた後も、カソード電極をガラス基板表面から離さずに無電解銅めっきを継続すると(実施例4)、カソード接触部分に接触痕が残る。このため、カソード接触部分に接触痕が残るのを防止するためには、アノード電極とカソード電極との間の電圧の印加時間は、数十秒から数分以内で、また電圧印加を停止させた後にカソード電極をガラス基板表面から離すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態のめっき装置の全体平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】基板ホルダの正面図である。
【図4】基板ホルダの断面図である。
【図5】図4の一部拡大図である。
【図6】プッシュシリンダ部を拡大して示す拡大図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】ロードステージと第1脱着ステージを示す側面図である。
【図9】図8の左側面図である。
【図10】第1めっき槽の断面図である。
【図11】第1めっき槽の反応槽の縦断側面図である。
【図12】第1めっき槽の反応槽の散気管を示す縦断側面図である。
【図13】第1めっき槽のオーバフロー槽の縦断側面図である。
【図14】第1めっき槽の付設した析出改善装置の正面図である。
【図15】第1めっき槽に付設した析出改善装置の要部拡大側面図である。
【図16】第1めっき液水洗槽(シャワー式水洗槽)の断面図である。
【図17】第1めっき液水洗槽(シャワー式水洗槽)の平面図である。
【図18】第1めっき液水洗槽(浸漬式水洗槽)の断面図である。
【図19】第2脱着ステージ、乾燥ステージ及びアンロードステージを示す側面図である。
【図20】第2脱着ステージ、乾燥ステージ及びアンロードステージを示す平面図である。
【図21】トランスポータのリニアモータ部(走行部)を示す平面図である。
【図22】図21の正面図である。
【図23】トランスポータの正面図である。
【図24】トランスポータのアーム部回転機構を仮想線で示す平面図である。
【図25】アーム部に備えられた把持機構の平面図である。
【図26】アーム部に備えられた把持機構の縦断正面図である。
【図27】反応槽の上部の4辺からめっき液をオーバフローさせた時のガラス基板の表面全面における格子状の各交点(25箇所)の表面温度を熱電対で測定した時の結果を示すグラフである。
【図28】反応槽の上部の3辺からめっき液をオーバフローさせた時のガラス基板の表面全面における格子状の各交点(25箇所)の表面温度を熱電対で測定した時の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0115】
10 装置フレーム
12 フィルタ
14 ロードステージ
16 基板ホルダ
18 脱着ステージ
20 前洗浄槽
22,28,34,42,48 シャワー式水洗槽
24,36,44,50 浸漬式水洗槽
26 活性化槽
32,40,46 めっき槽
38 ストッカー
52 脱着ステージ
54 乾燥ステージ
56 アンロードステージ
58 トランスポータ
60 ハンガ
62 ベースプレート
64 サポートプレート
65 ストッパープレート
66 ブッシュ
68 フック
70 プッシュシリンダ部
72 プッシャ
80 スプリング
92 回転板
96 昇降板
100 支柱
102 コマ
104 支持ピン
110 アーム
112 支持体
114 走行部
120 反応槽
122 オーバフロー槽
124 ヘッダ管
128 整流板
130 散気管
132 パドル棒
134 パドル
140 ヒータ
148 排水管
150 槽本体
152 洗浄液供給管
154 シャワーノズル
160 オーバフロー槽
162 槽本体
164 洗浄液供給管
166 整流板
170 枢軸
172 支持体
174 ゴムベルト
176 ベルトコンベア
180 ころコンベア
182 ハウジング
184 エアナイフ
190 ローラコンベア
194 回転板
198 昇降板
204 コマ
206 支持ピン
280 リニアモータ部
284,286 スライダ
300 トランスポータ本体
304 アーム部昇降機構
306 アーム部回転機構
308 把持機構
350 側板
352 固定ホルダ
356 可動ホルダ
400 析出改善装置
404 昇降シリンダ(カソード電極駆動部)
408 前後動ロッド
410 前後動機構(カソード電極駆動部)
412 カソード電極
414 導電膜
420 支持棒
422 揺動アーム
424 アノード電極
426a,426b 導線
428 直流電源(外部電源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードステージに搬入されたガラス基板を該ガラス基板の端面間で挟持して保持する基板ホルダと、
前記ガラス基板を保持した前記基板ホルダを把持して搬送するトランスポータと、
前記基板ホルダで保持したままガラス基板をめっき液に浸漬させてガラス基板の表面にめっきを行うめっき槽と、
前記基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板の表面を前記基板ホルダで保持したまま洗浄する後洗浄槽と、
洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させ、乾燥後のガラス基板をアンロードステージに受渡す乾燥ステージを有することを特徴とするめっき装置。
【請求項2】
1枚のガラス基板の表面にめっきを行う複数のめっき槽を有することを特徴とする請求項1記載のめっき装置。
【請求項3】
前記めっき槽は、無電解めっきでガラス基板の表面にめっきを行うことを特徴とする請求項1または2記載のめっき装置。
【請求項4】
前記めっき槽は、ガラス基板を鉛直方向に立ててめっき槽の内部に前記基板ホルダと共に挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項5】
前記めっき槽は、下部よりめっき液を導入し、上端で4方向にめっき液をオーバフローさせて、内部に配置した基板ホルダで保持したガラス基板の表面にめっきを行う反応槽を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項6】
前記めっき槽は、前記反応槽内のめっき液を加熱するヒータを有することを特徴とする請求項5記載のめっき装置。
【請求項7】
前記後洗浄槽は、基板ホルダで保持したガラス基板の洗浄槽内への挿入時及び/または洗浄槽からの引出し時に前記ガラス基板の表面に向けて洗浄液を噴射するシャワーノズルを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項8】
端面間で挟持して基板ホルダで保持したガラス基板を基板ホルダと共にめっき液に浸漬させてガラス基板の表面にめっきを行い、
基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板を基板ホルダで保持したまま洗浄し、
洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させることを特徴とするめっき方法。
【請求項9】
基板ホルダで保持したガラス基板のめっき槽内への挿入時及び/またはめっき槽からの引出し時に、下部よりめっき槽内に導入しているめっき液の供給を一旦停止し、前記ガラス基板の垂直姿勢を保たせることを特徴とするめっき方法。
【請求項10】
ロードステージに搬入されたガラス基板を該ガラス基板の端面間で挟持して保持する基板ホルダと、
前記ガラス基板を保持した前記基板ホルダを把持して搬送するトランスポータと、
前記基板ホルダで保持したままガラス基板を無電解めっき液に浸漬させてガラス基板の表面に無電解めっきを行うめっき槽と、
前記めっき槽に付設され、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に電圧を印加して無電解めっきによるめっき金属の析出を改善する析出改善装置と、
前記基板ホルダで保持しためっき後のガラス基板の表面を前記基板ホルダで保持したまま洗浄する後洗浄槽と、
洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させ、乾燥後のガラス基板をアンロードステージに受渡す乾燥ステージを有することを特徴とするめっき装置。
【請求項11】
前記カソード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接離自在に構成されていることを特徴とする請求項10記載のめっき装置。
【請求項12】
前記カソード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に接触しない待避位置まで移動自在であることを特徴とする請求項11記載のめっき装置。
【請求項13】
前記析出改善装置は、前記めっき槽内の無電解めっき液に接触しない位置に設置されて前記カソード電極を駆動するカソード電極駆動部を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項14】
前記カソード電極は、表面をフッ素系樹脂でコーティングした金属で構成されていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項15】
前記カソード電極は、1つのめっき槽に対して複数設置されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項16】
前記カソード電極は、1枚のガラス基板に対して複数設置されていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項17】
前記アノード電極は、前記めっき槽内の無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に対向する位置と、めっき槽内の無電解めっき液に接触しない位置との間を移動自在であることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項18】
前記アノード電極は、ステンレス、チタン、金、白金またはカーボンからなることを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項19】
前記カソード電極と前記アノード電極との間に、外部電源としての直流電源から所定の電圧を印加することを特徴とする請求項10乃至18のいずれかに記載のめっき装置。
【請求項20】
端面間で挟持して基板ホルダで保持したガラス基板を基板ホルダと共に無電解めっき液に浸漬させ、
無電解めっき液に浸漬させたガラス基板の表面に接触させたカソード電極と該表面と対向する位置に配置したアノード電極との間に所定時間電圧を印加し、
前記カソード電極と前記アノード電極との間の電圧の印加を解いてガラス基板の表面に無電解めっきを行い、
基板ホルダで保持した無電解めっき後のガラス基板を基板ホルダで保持したまま洗浄し、
洗浄後のガラス基板を前記基板ホルダから取出し一方向に走行させながら乾燥させることを特徴とするめっき方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−115457(P2008−115457A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167171(P2007−167171)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】