説明

めっき装置

【課題】基板表面上に形成されるめっき膜の厚さの均一性を向上させることができるめっき装置を提供すること。
【解決手段】めっき液Lを貯留するめっき槽1と、めっき槽1内に設けられるアノード2と、アノード2に対向して設けられカソードとして機能する基板3と、アノード2及び基板3間に設けられる管状又は板状の中空部材4と、中空部材4を通してめっき液Lを吸引させる吸引手段P1とを備え、中空部材4が、アノード2側に形成される複数の吸引孔4aと、複数の吸引孔4aを通して中空部材4の内側に導入されるめっき液Lを吸引手段P1により中空部材4の外側に排出させる排出口4c,4dとを有するめっき装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、チップコンデンサ、厚膜インダクタ等の電子部品の小型化に伴い、これら電子部品が薄膜プロセスを経て製造されるようになっている。このような薄膜プロセスの過程では、めっき装置を用いてめっき膜を形成する工程が行われることがある。
【0003】
めっき装置は一般に、めっき液を貯留するめっき槽と、めっき液中に設けられるアノードとを備えており、めっき槽内には、基板がアノードに対向配置されるようになっている。ここで、基板は、一般に全体が導電性材料で構成されるか、表面のみ導電性材料で構成されるものであり、カソードとして機能する。このため、基板とアノードとの間に電圧を印加すると、めっき液中の金属イオンが基板の表面上に付着し、これがめっき膜となる。
【0004】
このようなめっき装置として、従来、例えば下記特許文献1に記載されるものが知られている。このめっき装置では、アノードがめっき液の液面に対して垂直に延びている。そして、めっき液は、めっき槽の底部であってアノードの下端近くに形成されるドレン孔を通して排出され、フィルタにより浄化された後、めっき槽に返送されるようになっている。
【特許文献1】特開2002−97597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、めっき装置においては一般に、アノード表面に、アノード構成材料の酸化物膜が形成されたり、めっき液中のゴミやスラッジが膜として付着する。これらの膜がアノードの表面上に形成又は付着されると、アノードと基板との間の電界分布が不均一となる可能性が高くなり、基板表面上に形成されるめっき膜を均一に形成することが困難となる。このため、アノードの表面に付着する膜の厚さを均一にコントロールすることが望まれている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のめっき装置は以下に示す課題を有していた。
【0007】
即ち上記特許文献1に記載のめっき装置においては、めっき液が、めっき槽の底部であってアノードの下端近くに形成されたドレン孔を通して排出される。このため、アノードの下側でめっき液の流速が大きくなり、上側ではめっき液の流速が小さくなる。このため、アノードの表面に膜が形成されると、アノードの下側の部分については効果的に膜の除去が可能であるが、上側の部分では膜を効果的に除去することができなくなる。その結果、アノード表面に形成される膜の厚さが不均一となり、これに起因して、基板とアノードとの間の電界分布が不均一となり、基板に付着するめっき膜の厚さが不均一となってしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板表面上に形成されるめっき膜の均一性を向上させることができるめっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、めっき液を貯留するめっき槽と、前記めっき槽内に設けられるアノードと、前記アノードに対向して設けられカソードとして機能する基板と、前記アノード及び前記基板間に設けられる管状又は板状の中空部材と、前記中空部材を通して前記めっき液を吸引させる吸引手段と、を備え、前記中空部材が、前記アノード側に形成される複数の吸引孔と、前記複数の吸引孔を通して前記中空部材の内側に導入されるめっき液を前記吸引手段により前記中空部材の外側に排出する排出口とを有する、めっき装置である。
【0010】
このめっき装置によれば、アノードと基板との間に電圧を印加すると、基板のうちアノード側に、めっき液の電解により、めっき液中の金属によるめっき膜が形成される。こうして基板にめっき膜を形成していると、アノードの表面上に、アノードの構成材料の酸化物や、めっき液中のスラッジやゴミなどによる膜が形成される。このとき、吸引手段により、中空部材における複数の吸引孔を通してめっき液が中空部材の内側に吸引され、排出口を通して中空部材の外側に排出されていると、アノードとカソードとの間に設けられる中空部材から、アノード側に形成される複数の吸引孔を通してめっき液が吸引されるため、アノードの表面上に形成される膜を均一に除去することが可能となる。このため、アノードと基板との間の電界分布を均一にすることが可能となり、ひいては基板表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性を十分に向上させることができる。
【0011】
上記中空部材においては、アノードと反対側に複数の吸引孔が更に形成されていることが好ましい。
【0012】
この場合、アノード側にのみ複数の吸引孔が形成される場合と比較して、電界分布の乱れを少なくすることが可能となり、基板表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性をより十分に向上させることができる。
【0013】
上記中空部材は水平に配置されていることが好ましい。この場合、各吸引孔における液圧が等しくなる。このため、中空部材が水平に配置されていない場合に比べて、各吸引孔における液圧の違いによる吸引力の差をなくすことが可能となり、基板表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性をより十分に向上させることができる。
【0014】
上記中空部材は前記排出口を複数備えることが好ましい。
【0015】
この場合、複数の吸引孔を通して中空部材の内側に導入されためっき液を、複数の排出口を通してめっき槽の外側に排出すると、各吸引孔における吸引力の差を十分に小さくすることが可能となる。このため、アノード表面に形成される膜をより均一に除去することが可能となり、ひいては、基板表面上に形成されるめっき膜の厚さの均一性をより十分に向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のめっき装置によれば、基板表面上に形成されるめっき膜の厚さの均一性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明によるめっき装置の実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るめっき装置の一実施形態を示す縦断面図である。図1に示すように、本実施形態のめっき装置100は、めっき液Lを貯留するめっき槽1と、めっき槽1内に設けられる平板状のアノード2と、アノード2に対向して設けられる平板状の基板3と、アノード2と基板3との間に設けられる管状の中空部材4とを備えている。中空部材4は、めっき槽1内のめっき液Lを吸引してめっき槽1の外側に排出するものである。
【0019】
めっき槽1は、底部1aと、底部1aに対向する上部1bと、上部1bと底部1aとを接続する側壁部1cとで構成されている。
【0020】
めっき槽1の底部1aには、基板3によって閉塞される基板閉塞口5が形成されている。基板閉塞口5は、底部1aからめっき槽1の内側に向かって延びる筒状のガイド部20によって形成されている。基板閉塞口5の周囲には、めっき液Lを導入する底部めっき液導入口6が形成されている。
【0021】
上部1bには、アノード2をめっき槽1の内部に導入するためのアノード導入口7が形成されており、アノード導入口7は、上部1bのうち、基板閉塞口5と対向する位置に形成されている。アノード導入口7は、めっき槽1の内側に向かって延びる筒状のガイド部8によって形成されている。アノード導入口7の周囲にも、めっき液Lを導入する上部めっき液導入口9が形成されている。
【0022】
側壁部1cには、中空部材4から排出されるめっき液Lを溜める2つの液溜め部10a,10bが形成されている。具体的には、2つの液溜め部10a,10bは、側壁部1cにおける互いに対向する位置にそれぞれ形成されている。
【0023】
このようなめっき槽1に対し、基板閉塞口5は平板状の基板3で閉塞されている。基板3は、基板固定具11によってガイド部20に嵌め込まれることにより、基板閉塞口5を閉塞している。即ち基板3は、めっき槽1の外側から容易に脱着可能となっている。従って、基板3の交換作業を容易に行うことができる。
【0024】
アノード2は、アノード保持部21によって保持されており、アノード保持具21は、連結具12を介してガイド部8に固定されている。ここで、アノード導入口7と基板閉塞口5とは対向しており、アノード2は、アノード2の表面が基板3の表面に平行となるように基板3に対向している。アノード2は、本実施形態では銅で構成されるが、銅に限定されるものではない。基板3の表面上に形成しようとするめっき膜に応じて適宜変更すればよい。例えば基板3の表面上に形成しようとするめっき膜が銀である場合には、アノード2も銀で構成すればよい。
【0025】
またアノード2と基板3とは、電源13を介して電気的に接続されている。従って、電源13の作動により、アノード2と基板3との間に電圧を印加することが可能となっている。なお、基板3は、導電性材料で構成される層を有していればよい。即ち、全体が導電性材料で構成される層であってもよいし、一部の層のみが導電性材料で構成され残りの層が絶縁性材料で構成されるものであってもよい。
【0026】
図2は、図1の中空部材4を示す斜視図である。アノード2と基板3との間には、図2に示すように、管状の中空部材4が複数本設けられている。具体的には、複数本の管状中空部材4が互いに平行に配置されている。ここで、中空部材4は、アノード2の表面に平行となるように配置されている。なお、中空部材4は、基板3の表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性をより向上させる観点からは、めっき液Lの液面と平行、即ち水平に配置されていることが好ましい。
【0027】
また複数本の中空部材4の両端は板状部材22に接続され、板状部材22によって液溜め部10a,10bが塞がれている。そして、複数本の中空部材4から吸引されためっき液Lは、液溜め部10a,10bに集合されるようになっている。
【0028】
ここで、中空部材4について詳細に説明する。各中空部材4においては、アノード2側に複数の吸引孔4aが形成され、アノード2と反対側、つまり、基板3側にも複数の吸引孔4bが形成されている。ここで、より具体的に述べると、複数の吸引孔4aは、例えば中空状部材4の延び方向に沿って一定間隔で形成されている。また中空部材4の両端には、吸引孔4a,4bを通して中空部材4の内側に導入されるめっき液Lを中空部材4の外側に排出する排出口4c,4dが形成されている。吸引孔4a,4bの孔径は例えば0.5〜300mmとすればよい。
【0029】
中空部材4の両端はそれぞれ、板状部材22を介してめっき槽1の側壁部1cに形成された液溜め部10a,10bに接続されており、吸引孔4a,4bから吸引されるめっき液Lは、2つの液溜め部10a,10bを経てめっき槽1から排出されるようになっている。
【0030】
中空部材4は、導電性材料で構成されても絶縁性材料で構成されてもよいが、アノード2と基板3との間の電界分布をより均一にするという観点からは、絶縁性材料で構成されることが好ましい。このような絶縁性材料としては、例えばセラミック、合成樹脂等を用いることができる。
【0031】
まためっき槽1の側壁部1cに形成される2つの液溜め部10a,10bのそれぞれにはめっき液排出管15a,15bが接続されており、めっき液排出管15aは、めっき液収容タンク16に接続され、めっき液排出管15bは、めっき液排出管15aの途中で合流している。めっき液排出管15aには、めっき液吸引ポンプP1が設置されている。このため、めっき液吸引ポンプP1の作動により、めっき槽1内のめっき液Lが中空部材4の吸引孔4a,4bを通して吸引され、液溜め部10a,10bを経てめっき槽1から排出されるようになっている。なお、めっき液排出管15aには、めっき液フィルタF1が設けられてもよい。この場合には、めっき液フィルタF1によってブラックフィルム、スラッジ、ゴミ等を除去することが可能となる。本実施形態では、液溜め部10a,10b、めっき液排出管15a,15b、めっき液吸引ポンプP1によって吸引手段が構成されている。
【0032】
また底部めっき液導入口6にはめっき液導入管17a,17bが接続されており、めっき液導入管17aはめっき液収容タンク16に接続され、めっき液導入管17bは、めっき液導入管17aの途中で合流している。そして、めっき液導入管17aにはめっき液導入ポンプP2が設置されている。このため、めっき液収容タンク16に収容されためっき液Lは、めっき液導入ポンプP2により、めっき液導入管17a,17bを通して底部めっき液導入口6からめっき槽1内に導入される。なお、めっき液導入管17aには、めっき液フィルタF2が設けられてもよい。この場合には、めっき液フィルタF2によってブラックフィルム、スラッジ、ゴミ等を除去することが可能となる。
【0033】
一方、上部めっき液導入口9にもめっき液導入管18a,18bが接続されており、めっき液導入管18bは、めっき液導入管18aのうちめっき液収容タンク16とめっき液フィルタF1との間の部分に接続されている。このため、めっき液排出管15aにおいてめっき液フィルタF1を通過しためっき液Lは、めっき液導入管18a,18bを通して上部めっき液導入口9からめっき槽1内に導入される。
【0034】
次に、上述しためっき装置100の作用について説明する。
【0035】
まずめっき液導入ポンプP2を作動し、めっき液収容タンク16からめっき液導入管17a,17b及び底部めっき液導入口6を経てめっき槽1内にめっき液Lを導入する。めっき液Lは、アノード2及び基板3が浸漬されるまで導入する。そして、めっき液Lの液面が所定のレベルに達したらめっき液吸引ポンプP2を作動する。これにより、めっき槽1内のめっき液Lは、吸引孔4a,4bから中空部材4に吸引され、液溜め部10a,10bを経てめっき槽1から排出される。そして、液溜め部10a,10bからめっき液排出管15a,15bを経てめっき液収容タンク16に収容される。こうして、めっき槽1内のめっき液Lの導入および排出が行われることにより、めっき液Lが常時攪拌される状態となり、めっき液L中の金属イオンの濃度が均一に維持されることになる。このとき、吸引流量および排出流量は特に制限されない。例えば吸引流量および排出流量は1〜20L/minの範囲で適宜調整すればよい。
【0036】
次に、電源13により、アノード2と基板3との間に電圧を印加する。すると、めっき液Lの電解により、アノード2を構成する金属が基板3の表面上に付着し、めっき膜が形成される。本実施形態では、アノード2の構成材料として銅が用いられる。このため、基板3の表面上には銅からなるめっき膜が形成される。
【0037】
こうして、めっき液Lの電解を継続すると、アノード2の表面上に、銅の酸化物であるブラックフィルムが形成されたり、めっき液L中のスラッジ、ゴミなどによる膜が付着したりする。この膜は、厚さが不均一になると、アノード2と基板3との間の電界分布を乱すことになるため、基板3の表面上に形成されるめっき膜の厚さの均一性を低下させるおそれがある。
【0038】
ところが、本実施形態では、アノード2と基板3との間に設けられた中空部材4から複数の吸引孔4a,4bを通してめっき液Lが吸引されている。このため、アノード2の表面上に形成される膜を均一に除去することが可能となる。このため、アノード2と基板3との間の電界分布を乱すことが十分に防止され、ひいては基板3の表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性が十分に向上する。
【0039】
また、本実施形態では、中空部材4の両端における排出口4c、4dからめっき液Lが排出される。即ち2箇所からめっき液Lが排出される。このため、各吸引孔4aにおける吸引力の差を小さくすることができ、アノード2の表面に形成される膜をより均一に除去することが可能となり、ひいては基板3の表面に形成されるめっき膜の厚さの均一性をより十分に向上させることができる。
【0040】
即ち、例えば排出口4cからのみめっき液Lを吸引する場合、排出口4cに近い側の吸引孔4a,4bでは吸引力が大きく、排出口4cから遠い側の吸引孔4a,4bでは吸引力が小さい。このため、排出口4cに近い吸引孔4a,4bと遠い吸引孔4a,4bとで吸引力の差が大きくなってしまうおそれがある。その点、本実施形態では、もう一方の排出口4dからもめっき液Lが吸引されるため、排出口4cから遠い吸引孔4a,4bにおける吸引力の低下が十分に防止される。よって、各吸引孔4a,4bにおける吸引力の差を十分に小さくすることができ、ひいては基板3の表面に形成されるめっき膜の均一性をより十分に向上させることができる。なお、この発明は、管状の中空部材4が短い場合よりも長い場合に特に有効である。
【0041】
また本実施形態において、中空部材4が水平に配置される場合、各吸引孔4aにおける液圧が等しくなる。このため、中空部材が水平に配置されていない場合に比べて、各吸引孔における液圧の違いによる吸引力の差を小さくすることが可能となり、基板3の表面に形成されるめっき膜の均一性をより十分に向上させることができる。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、中空部材4が管状となっているが、本発明のめっき装置を構成する中空部材は、図3に示すように板状であってもよい。この場合の中空部材24は、図3に示すように、一対の板状部25a,25bと、一対の板状部25a,25bを連結する環状の側壁部26とで構成されている。板状部25aには、図示しない複数の吸引孔が形成され、板状部25bには、複数の吸引孔27bが形成されている。そして、側壁部26には、吸引孔27bを通して中空部材24の内側に導入されためっき液を中空部材24の外側に排出させる複数の排出口28が形成されている。なお、この場合、各排出口28には、図3の二点鎖線で示されるように、中空部材24の内側のめっき液を液溜め部10a,10bに導くチューブ29が接続される。
【実施例】
【0043】
以下、本発明の内容を、実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
図1に示すめっき装置を用いて以下のようにして基板の表面上にめっき膜を形成した。即ちまずめっき液導入ポンプP2を作動し、めっき液収容タンク16からめっき液導入管17a,17b及び底部めっき液導入口6を経てめっき槽1内にめっき液Lを導入した。このとき、めっき液Lは、硫酸銅・5水和物(CuSO・5HO)、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、ポリエチレングリコールで構成した。めっき液Lは、アノード2及び基板3が浸漬されるまで導入した。そして、めっき液Lの液面が所定のレベルに達したらめっき液吸引ポンプP1を作動し、めっき槽1からめっき液Lを排出させた。このとき、吸引流量および排出流量はいずれも10L/minとした。
【0045】
次に、電源13により、アノード2と基板3との間の電流密度が2A/dmとなるようにアノード2と基板3との間に電圧を印加した。こうして基板3の表面上に、銅からなるめっき膜を形成した。
【0046】
こうして形成しためっき膜について、接触式膜厚測定装置(触針式表面形状測定器、Dektak製)により、厚さのバラツキを調べた。その結果、めっき膜の平均厚さは10μmであり、平均厚さからのバラツキは、±5%であり、十分に小さいことが分かった。
【0047】
このことから、本発明のめっき装置によれば、基板表面上に形成されるめっき膜厚の均一性を十分に向上させることができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明に係るめっき装置の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1の中空部材を示す斜視図である。
【図3】図3は、中空部材の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1…めっき槽、2…アノード、3…基板、4…中空部材、4a,4b…吸引孔、4c,4d…排出口、100…めっき装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき液を貯留するめっき槽と、
前記めっき槽内に設けられるアノードと、
前記アノードに対向して設けられカソードとして機能する基板と、
前記アノード及び前記基板間に設けられる管状又は板状の中空部材と、
前記中空部材を通して前記めっき液を吸引させる吸引手段と、
を備え、
前記中空部材が、
前記アノード側に形成される複数の吸引孔と、前記複数の吸引孔を通して前記中空部材の内側に導入されるめっき液を前記吸引手段により前記中空部材の外側に排出させる排出口とを有する、
めっき装置。
【請求項2】
前記中空部材において、前記アノードと反対側に複数の吸引孔が更に形成されている、請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
前記中空部材が水平に配置されている、請求項1又は2に記載のめっき装置。
【請求項4】
前記中空部材が前記排出口を複数備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のめっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−204801(P2007−204801A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23462(P2006−23462)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)