説明

めまい及びその他の高次脳神経機能障害を診断・治療する方法

【解決手段】めまいの症状を診断するに当たって、少なくとも(a) MR検査を施行して白質病変であるリムと斑点型のキャップの3点について観察する工程と、(b) 観察工程に基づく結果をコントロール群と比較して解析する工程と、(c) 解析工程の結果に基づいて脳内水分の変化を読み取る工程、を含んでいる。めまいの本質的かつ究極的原因として、ウイルスを最も視野に入れるべきであり、めまいの症状の究極の原因となるウイルスを発見することが必要である。そして、めまいの症状を抑制するためには、前記ウイルスに特異的な抗体を見付け出すことが最も早い解決法である。
この解析はめまい以外の高次脳神経機能障害においても同様である。
【効果】めまいの原因を追究するための理論であり、めまい及びその他の高次脳神経機能障害の診断・治療にとってきわめて画期的な技術である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めまい及びその他の高次脳神経機能障害(うつ病、てんかんなど)の症状を診断し、さらに治療法の発展につながる新規な方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大部分のめまいや高次脳神経機能障害の原因はいまだ謎である。めまいの本質的原因は一部疾患を除いてMR検査で見てもわからない。それは過去の研究が若年者を含まないで、高年齢のみを対象にしているため、加齢による高齢の疾患と混同してしまうからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
高年齢のみで観察すると加齢性の脳変化が混入し、評価が非常に困難である。めまいの原因を知るためには、厳密に選択された若年者を含む母集団での検討を必要とする。
このような視点から、本出願人は、めまいの原因究明について長年様々な研究を続けて来た。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この研究過程において、本出願人は、めまいと人間体内の水分とが密接に関連していることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明では、めまい及びその他の高次脳神経機能障害を診断・治療するに当たって、
少なくとも、
(a) MR検査を施行して白質病変であるリムと斑点型とキャップの3点について観察する工程と、
(b) 観察工程に基づく結果をコントロール群と比較して解析する工程と、
(c) 解析工程の結果に基づいて脳内水分の物理学的な変化を読み取る工程
を含んでいる。
【0005】
これらの工程からなる診断方法を実施することにより、脳内水分及び脳脊髄液の流量、容量、磁場反応性などの異常を観察することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、脳内水分の異常を診断することから、めまい及びその他の高次脳神経機能障害を診断・治療することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明をさらに詳しく説明する。今までの研究過程において、本出願人は、めまいとヒトの体内の水分異常とが密接に関連していることを見出し、脳内水分の物理学的な変化を読み取って脳内水分の異常を診断することから、めまいの症状の治療を行うことを試みた。
【0008】
めまいの症状を診断するに当って、厳密に選択された若年者を含む母集団での検討を必要とするため、本出願人が経営する医療機関に来院した各種めまい症状を有する2704人をもともとの母集団として、さらに、厳密な選択条件で最終的に301人のほぼ同一のめまいと考えられる患者を対象とした。また、コントロールとして、本出願人が経営する医療機関の脳ドックを受診した1620人の中から、厳密にめまい症状や過去の病気や脳腫瘍を有さない329人を選別した。
【0009】
全員にMR(T1、T2、フレア)を施行して、白質病変であるリムと斑点型とキャップの3点について観察した。リムとは脳室に沿った弓状の陰影のことであり、斑点型とは脳内の斑点のように現れる陰のことであり、キャップとは脳室の前方あるいは後方に見られる斑点のことである。また、めまいは高次脳神経機能障害としても理解されることからめまい以外のうつ病、てんかん、不眠症やさらに耳や目などに関連した耳鳴、難聴、視覚障害、冷え、のぼせなどの原因究明や治療法の開発につながる。それらについて観察することが、めまいの病態として全身的な水分異常と関連することを把握し、その水分異常を来たす未知の原因を究明することが治療に必須であることが判明した。

【0010】
そして、主要な白質病変であるこれらの観察結果を、コントロール群と比較して総統計解析した。なお、解析は条件付きのロディスティック回帰による。
その結果を表1−3に示す。これらの表からも分かるように、めまい群全体において、リムがきわめて高率にみられ(表3)、また、若年者では、斑点型が多いことがわかった(表1)。特に、リムは脳室周辺に存在する脳神経系のもとである幹細胞の流通する脳脊髄液の異常が原因の一理としてあると考えられる。
【0011】
【表1】

【0012】
【表2】

【0013】
【表3】

【0014】
この解析工程の結果に基づいて、脳内水分の変化を読み取ることにより、めまいや高次脳神経機能障害を治療するために役立つ。MRの原則理論が、フレア画像における異常(リム、キャップ、斑点など)の背景にある組織内や組織間の水分の磁場反応の変化を示し、脳内水分の変化を読み取ることで、将来めまいや高次脳神経機能障害の症状の治療に役立つ。
【0015】
前記症状(組織の水分の磁場反応性の変化、フレア画面上で検出される脳内水分の異常)は、脳脊髄液に代表される体内水分の異常を反映するものである。したがって、脳内水分の変化を読み取ることが、めまいや高次脳神経機能障害の症状を治癒させるために必須のものとなる。
【0016】
さらに研究を続けているうちに、めまいの究極的原因として、ウイルスを最も視野に入れるべきであることと考えている。今後の研究課題として、めまいや高次脳神経機能障害の症状の原因となるウイルスを発見することが必要である。
【0017】
そして、めまいの症状を抑制するためには、前記ウイルスに特異的な抗体を見付け出すことが最も早い解決法であると思われる。このような効能を有する医薬品はないし製剤が創製されれば、めまいの症状は完全に抑制されるものと思われる。また、めまいや高次脳神経機能障害の症状を抑制することができる飲料水やその他のドリンク、食料品、サプリメント(健康補助食品)、体表や自然界からの磁場や電磁波の簡易な磁場測定装置、携帯電話、パソコンなどから発せられる電磁波防止装置などが創製されれば、めまいの症状を抑制することができると思われる。
さらに、将来、血液や体液中のアクアポリンなどのウォーターチャンネルの解明にともない文明病として今後ますます増加するめまい及び高次脳神経機能障害に対する本質的治療につながる。
【0018】
以上述べたように、本発明に係る方法はめまいや高次脳神経機能障害の診断や治療にとってきわめて画期的な技術であって、めまいや高次脳神経機能障害の診断や治療に大いに役立つものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
(a) MR検査を施行して白質病変であるリムと斑点型とキャップの3点について観察する工程と、
(b) 観察工程に基づく結果をコントロール群と比較して解析する工程と、
(c) 解析工程の結果に基づいて脳内水分の物理学的な変化を読み取る工程
を含むことを特徴とするめまい及びその他の高次脳神経機能障害を診断・治療する方法。

【公開番号】特開2008−264130(P2008−264130A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109737(P2007−109737)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(507128849)
【Fターム(参考)】