説明

ろう材、ろう材ペーストおよび熱交換器

【課題】低融点で流動性と接合強度を両立したろう材、ろう材ペーストおよびそれらによって接合される熱交換器を提供する。
【解決手段】0.1〜27.4質量%のスズ、0.8〜5.1質量%のニッケル、2.2〜10.9質量%のリン、残部が銅および不可避不純物の組成比率で構成された4元合金粉未と、銅粉末とを混合してろう材を構成する。これにより、ろう材の溶融点と流動性を共晶ろう材と同等にすることができ、さらに強度向上の因子である銅相が増加するので接合強度を向上させることができる。また、先に溶融した4元系合金により銅粉末が輸送されるので、傾斜する部位を接合する場合においても均質な組成を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅または銅合金の部材の接合に用いられるろう材、ろう材ペーストおよびこれらにより接合された熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、銅または銅合金を接合するためのろう材として、母材の高温軟化を回避するために銅、スズ、ニッケル、リンからなる4元系の低融点ろう材が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
上述の4元系のろう材は、共晶合金であるため600℃程度の低融点であり、低温でのろう付を可能としているが、脆いために強度を必要とする部位の接合(熱交換器おけるチューブとヘッダープレートの接合等)には適していない。このため、ろう材のスズの含有量を減らして銅の含有量を増やすことで、強度を向上させた4元系のろう材が用いられている。
【特許文献1】特許第3081230号公報
【特許文献2】米国特許第5378294号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スズの含有量を減らして銅の含有量を増やした4元系のろう材は流動性が悪くなり、傾斜する部位の接合に用いた場合には、重力の影響によってろう材の共晶部分が下方へ流出し、銅リッチで高粘度な部分が上方に残留してしまう。このため、均質な組成の継ぎ手を作ることができないという問題が発生する。また、上方に残留する銅リッチな部分はフィレットを形成することができない場合が多く、ろう材の使用効率が悪くなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、低融点で流動性と接合強度を両立したろう材、ろう材ペーストおよびそれらによって接合される熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明では、銅または銅合金からなる複数の部材間の接合に用いられるろう材であって、0.1〜27.4質量%のスズ、0.8〜5.1質量%のニッケル、2.2〜10.9質量%のリン、残部が銅および不可避不純物の組成比率で構成された4元合金粉未と、銅粉末とを含有することを特徴としている。
【0007】
このような共晶に近い組成比率の4元系合金に銅粉末を混合することにより、ろう材の溶融点と流動性を共晶ろう材と同等にすることができ、さらに強度向上の因子である銅相が増加するので接合強度を向上させることができる。また、4元系合金は銅より低融点なので、溶融した4元系合金により銅粉末が輸送されることとなり、傾斜する部位を接合する場合においても均質な組成を形成することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のように、銅粉末の混合比率を2〜20質量%とすることができる。また、請求項3に記載の発明のように、銅粉末の粒径を1〜50μmとすることができる。また、請求項4に記載の発明のように、4元合金粉末におけるスズの組成比率を10〜20質量%とすることできる。さらに、請求項5に記載の発明のように、4元合金粉末におけるスズの組成比率を12〜18質量%とすることできる。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のろう材と、有機系バインダと、有機溶剤とを含有することを特徴とするろう材ペーストである。
【0010】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のろう材、または請求項6に記載のろう材ペーストにより接合されていることを特徴とする熱交換器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。
【0012】
図1(a)は、本実施形態の熱交換器100の正面図である。熱交換器100は、例えば車両用エンジンの冷却水と空気とを熱交換して冷却水を冷却するラジエータ(熱交換器)とすることができる。本実施形態の熱交換器100は、銅または銅合金から構成されている。熱交換器100には、冷却水(流体)が流通する扁平状のチューブ111が設けられており、これら複数本のチューブ111は、互いに平行に配設されている。各チューブ111間には、空気と冷却水との熱交換を促進する波状のフィン112が設けられている。そして、このフィン112とチューブ111とをろう付けすることにより、冷却水と空気とを熱交換するラジエータコア部110が構成されている。
【0013】
チューブ111の長手方向両端部には、チューブ111の長手方向と直交する方向に延びて複数本のチューブ111と連通するヘッダタンク120が設けられている。一方のヘッダタンク120により各チューブ111に冷却水が分配供給され、他方のヘッダタンク120により熱交換を終えた冷却水が集合回収される。ヘッダタンク120は、チューブ111がろう付けされた金属製のヘッダプレート121と、このヘッダプレート121と共にタンク内空間を構成するタンク本体122とからなる。
【0014】
コア110の端部には、チューブ111と略平行に延びてコア110を補強するサイドプレート130が設けられおり、このサイドプレート130は、長手方向端部がヘッダタンク120(ヘッダプレート121)に接合され、コア110側がコア110(フィン112)にろう付けされている。
【0015】
図1(b)は、チューブ111とヘッダプレート121との接合部位を拡大した断面図である。図1(b)に示すように、チューブ111とヘッダプレート121は、ヘッダプレート121に形成された貫通孔にチューブ111が挿入された状態で、ろう材140により接合されている。
【0016】
熱交換器100は、具体的には内燃機関の過給気を冷却するインタークーラに用いることができる。熱交換器100は、種々の熱交換器に用いることができる。例えば、熱交換器100は、内燃機関などの機械の潤滑油を冷却するオイルクーラ、または内燃機関の排気還流装置(EGR)に用いられ排気を冷却するEGRクーラに適用してもよい。さらに、熱交換器100の製造方法のうちろう付け工程の前工程においてろう材ペーストが用いられ、熱交換器100のろう付け箇所に付与される。ろう付け工程の後は、熱交換器100を構成する複数の部品はろう材により接合された状態となる。
【0017】
本実施形態では、ろう材140の扱いを容易にするために、ろう材140を有機系バインダおよび有機溶剤と練り合わせ、ペースト状にして用いている。ペースト状にしたろう材140は、粘度を調整することにより、スプレー、ディスペンサ、スクリーンコートやロールコートで接合部位に塗布することができる。ろう材ペーストは、熱交換器100を組み立てる前の各部品に塗布してもよく、若しくは熱交換器100を組み立てた後で接合部に塗布してもよい。ろう材ペーストを塗布する位置は、接合部の全域に塗布してもよいが、重力による流れ込みを見込んでろう付姿勢の上側のみに塗布してもよく、その際の塗布位置は接合部から離れていてもよい。ろう付方法は、窒素などの不活性雰囲気ろう付や、水素などを用いた還元雰囲気ろう付による一般的な方法を用いることができる。
【0018】
有機系バインダとしては、(メタ)アクリル酸重合物、(メタ)アクリル酸エステル重合物、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルの共重合物、ポリスチレン、スチレンおよび(メタ)アクリル酸エステル共重合物、ポリブテン、ポリイソブチレン、グリセリン等を使用することができる。有機溶剤としては、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルアセテート、n−プロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、芳香族系炭化水素、脂肪族系炭化水素等を使用することができる。
【0019】
本実施形態のろう材140は、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、リン(P)、銅(Cu)からなる4元系合金の粉末と、銅粉末とを混合した状態で用いられる。4元系合金の組成比率は、スズが0.1〜27.4質量%、ニッケルが0.8〜5.1質量%、リンが2.2〜10.9質量%、残部が銅および不可避不純物となっている。ろう材140全体の混合比率は、銅粉末が2〜20質量%、残部が4元系合金であることが好ましい。
【0020】
このような共晶に近い組成比率の4元系合金に銅粉末を混合することにより、ろう材140の溶融点と流動性を共晶ろう材と同等にすることができ、さらに強度向上の因子である銅相が増加するので接合強度を向上させることができる。また、4元系合金は銅より低融点なので、先に溶融する4元系合金により銅粉末が輸送される。このため、傾斜する部位を接合する場合においても、上方に銅リッチな部分が残留することなく均質な組成を形成することができる。さらに4元系合金の組成比率を過共晶に設定した場合には、共晶組成よりも優れた流動性が得られるが、その反面ボイドが発生しやすくなる。本実施形態のろう材140では、4元系合金に銅粉末を混合することでボイドの発生を抑制することができる。
【0021】
図2は、本実施形態のろう材140の具体例および比較例を示している。図2において、ろう材A−1、ろう材A−2、ろう材A−3、ろう材A−4、ろう材B’−1が本実施形態のろう材140の具体例であり、ろう材A、ろう材B、ろう材B’が本実施形態のろう材140の比較例である。なお、図2に示した各ろう材は、ガスアトマイズ法により作製し、目開き87μmの篩を通過した粉末であり、ろう材A−1、A−2、A−3、A−4、B’−1に含有される銅粉末の平均粒径D50は34μmである。
【0022】
ろう材Aは、銅または銅合金を接合するための低融点ろう材である。ろう材Aは、4元系合金のみからなり、その組成比率はスズ15.6質量%、ニッケル4.2質量%、リン5.3質量%であり、さらに亜鉛0.03質量%を含み、残部が銅となっている。ろう材A−1〜A−4は、ろう材Aに銅粉末を混合して構成されており、混合比率は、銅粉末が5、10、15、20質量%であり、残部がろう材Aと同一の組成比率の4元系合金である。
【0023】
ろう材Bは、ろう材Aに対して、スズの組成比率を低くするとともに銅の組成比率を増加させたろう材であり、流動性と低融点を犠牲にして、接合強度を向上させたろう材である。ろう材Bは、4元系合金のみからなり、その組成比率はスズ8.9質量%、ニッケル6.7質量%、リン6.3質量%であり、残部が銅となっている。ろう材B’は、ろう材Bのスズの比率を15.0質量%に高め、これに伴い銅の比率を低下させた組成比率になっている。ろう材B’−1は、ろう材B’に銅粉末を混合して構成されており、混合比率は、銅粉末が10質量%であり、残部がろう材B’と同一の組成比率の4元系合金である。
【0024】
次に、ろう材140の銅相面積率について説明する。図3は、ろう材A、B、B’、B’−1の銅相面積率を示している。図3の試験では、銅板上に、穴径6.5mm、厚さ250μmのマスクを用いてろう材A、B、B’、B’−1の粉末を塗布し、窒素雰囲気中で、2℃/分の昇温速度で650℃まで加熱し、30分保持した後で冷却した。凝固後のろう材A、B、B’、B’−1の断面を光学顕微鏡で観察し、銅相面積率を画像解析装置にて測定した。
【0025】
図3に示すように、4元系合金に銅粉末が混合されたろう材B’−1は、銅粉末が混合されていないろう材A、B、B’に比較して銅相面積が大幅に大きくなっている。銅相面積の増加は強度(靭性)の向上に寄与するため、本実施形態のろう材140は4元系合金に銅粉末を混合することで、強度を向上できることがわかる。
【0026】
また、ろう材140の混合される銅粉末の平均粒径D50は1μm〜50μmとすることが好ましい。ろう材140に含有される銅粉末は、粒径が大きいとろう付け時に芯が溶け残り、特に粒径が50μmより大きいと大部分の銅粉末に芯が溶け残って銅相が析出しない可能性がある。このため、ろう材140の混合される銅粉末の粉末粒径は50μm以下とすることが好ましい。さらに、ろう材140に含有される銅粉末の粒径が1μmより小さいと、ろう付け時に表面酸化の影響が大きくなり、濡れ不良となることが多い。このため、ろう材140の混合される銅粉末の粉末粒径は1μm以上とすることが好ましい。
【0027】
次に、ろう材140の融点および流動性について説明する。図4(a)はろう材の流動性に関する試験装置を示し、図4(b)はろう材A、B、B’、B’−1の流動性の試験結果を示している。図4の流動性の試験では、ろう材A、B、B’、B’−1にバインダと有機溶剤を練り合わせてペースト状にして用いた。バインダとしてポリイソブチレンを用い、有機溶剤として脂肪酸炭化水素を用いた。ろう材粉末とバインダと有機溶剤の比率は、89:1.32:9.68とした。
【0028】
図4(a)に示すように、水平面に対して45°に設置した銅板上にろう材ペーストを塗布し、水素10%と窒素90%の雰囲気中で加熱し、670℃に到達したときの流動長を測定した。図4(b)に示すように、銅粉末を混合したろう材B’−1の流動開始温度は、ろう材Bより低く、低融点ろう材であるろう材Aと同等である。つまり、本実施形態のろう材140は、充分に低融点であることがわかる。また、ろう材B’−1は、流動長が長くなっており、ろう材B’−1の流動性が良好であることを示している。さらに、ろう材B’−1は、塗布部の溶け残りが生じておらず、ろう材Bよりもろう付け厚みが薄くなっている。
【0029】
次に、ろう材140の強度と、銅粉末の混合比率の関係について説明する。図5(a)は、ろう材A、A−1、A−2、A−3、A−4、Bの銅の初晶面積率とボイド面積率を示している。図5(b)は、各ろう材と銅の初晶面積率の関係を示し、図5(c)は、各ろう材とボイド面積率の関係を示している。図5の試験では、アルミナ板上に、穴径6.5mm、厚さ250μmのマスクを用いてろう材A、A−1、A−2、A−3、A−4、Bの粉末を塗布し、窒素雰囲気中で、2℃/分の昇温速度で650℃まで加熱し、30分保持した後で冷却した。凝固後のろう材A、A−1、A−2、A−3、A−4、Bの断面を光学顕微鏡で観察し、ボイド面積率と銅の初晶面積率を画像解析装置にて測定した。
【0030】
図5(a)、(b)に示すように、ろう材Aに銅粉末を混合したろう材A−1、A−2、A−3、A−4では、銅粉末の混合比率増加にしたがって、銅の初晶面積率が増加している。銅の初晶面積率増加は強度(靭性)が増加したことを示している。一方、銅の初晶面積率が2%以下では強度向上が望めない。このため、銅の初晶面積率を2%を上回るようにするために、ろう材140における銅粉末の混合比率を2質量%以上とすることが望ましい。
【0031】
図5(a)、(c)に示すように、ろう材Aに銅粉末を混合したろう材A−1、A−2、A−3、A−4では、銅粉末の混合比率増加にしたがって、ボイド面積率が増加している。これは、銅粉末の増加に伴ってろう材の流動性が悪化し、内部の気泡がトラップされたものと考えられる。銅粉末の混合比率が20質量%のろう材A−4では、ろう材Bと同等のボイド面積率となっている。このため、ろう材140における銅粉末の混合比率は、20質量%以下とすることが望ましい。
【0032】
次に、ろう材140に含まれる4元系合金中のスズの組成比率について説明する。ろう材140に含まれる4元系合金におけるスズの組成比率は10〜20質量%とすることができ、12〜18質量%とすることが望ましい。以下、この点について説明する。
【0033】
図6は、ろう材A、B、B’、B’−1のボイド面積率を示している。図6の試験では、図5の試験と同様の方法でボイド面積率を測定した。図6に示すように、4元系合金中のスズの組成比率が約15質量%以上のろう材A、B’、B’−1は、4元系合金中のスズの組成比率が8.9質量%のろう材Bに比較して、ボイド面積率が大幅に小さくなっている。つまり、ろう材140に含まれる4元系合金中のスズの組成比率を15質量%程度にすることで、流動性が良好になるため、ボイド面積率を小さくすることができる。さらに、スズ組成比率は4元系合金の融点にも影響する。そこで、望ましいボイド面積率と、望ましい4元系合金の融点とを両立するようにスズ組成比率が選定されている。発明者らの知見によると、ボイド面積率の低下と4元系合金の融点の低下とに貢献を認めうるスズ組成比率は15±5質量%、すなわち10〜20質量%(10質量%以上20質量%以下)である。さらに、実用的なボイド面積率と4元系合金の融点とを実現するためには、スズ組成比率は15±3質量%、すなわち12〜18質量%(12質量%以上18質量%以下)の値が望ましい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態のろう材140を用いることで、低いろう付温度(600〜650℃)で接合強度の高い、均質で高品質な銅ろう付継ぎ手を得ることができる。また、本実施形態のろう材140は、流動性も優れることからフィレットを良好に形成することができ、使用量(コスト)を低減することが可能となる。
【0035】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、ろう材140を熱交換器100の接合に用いたが、これに限らず、本発明のろう材140は、銅または銅合金製の配管の接合や、大型建機用の部材もしくは高温環境・高腐食環境で使用される部材の接合に好適に用いることができる。
【0036】
また、上記実施形態では、ろう材140と有機系バインダと有機溶剤を練り合わせてペースト状にして用いたが、これに限らず、ろう材140を粉末状のまま用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】(a)は上記実施形態の熱交換器の正面図であり、(b)はチューブとヘッダプレートとの接合部位を拡大した断面図である。
【図2】上記実施形態のろう材の具体例および比較例を示す図表である。
【図3】ろう材の銅相面積率を示す図表である。
【図4】(a)はろう材の流動性に関する試験装置を示し、(b)はろう材の流動性の試験結果を示す説明図である。
【図5】(a)はろう材の銅の初晶面積率とボイド面積率を示す図表であり、(b)はろう材とボイド面積率の関係を示すグラフであり、(c)はろう材と銅の初晶面積率の関係を示すグラフである。
【図6】ろう材のボイド面積率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0038】
100 熱交換器
111 チューブ
121 ヘッダプレート
140 ろう材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅または銅合金からなる複数の部材間の接合に用いられるろう材であって、
0.1〜27.4質量%のスズ、0.8〜5.1質量%のニッケル、2.2〜10.9質量%のリン、残部が銅および不可避不純物の組成比率で構成された4元合金粉未と、銅粉末とを含有することを特徴とするろう材。
【請求項2】
前記銅粉末の混合比率が2〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載のろう材。
【請求項3】
前記銅粉末の粒径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のろう材。
【請求項4】
前記4元合金粉末におけるスズの組成比率が10〜20質量%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のろう材。
【請求項5】
前記4元合金粉末におけるスズの組成比率が12〜18質量%であることを特徴とする請求項4に記載のろう材。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のろう材と、有機系バインダと、有機溶剤とを含有することを特徴とするろう材ペースト。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載のろう材、または請求項6に記載のろう材ペーストにより接合されていることを特徴とする熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−285702(P2009−285702A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142365(P2008−142365)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000233860)ハリマ化成株式会社 (167)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)