説明

ろ過分離用平膜セットとモジュールおよびそれらの保存方法

【課題】2枚以上の膜を積層してなる複合膜による分離精製を行う場合に、膜界面に生じる流速の低下や目詰まりの抑制を可能とするろ過用分離膜、またその分離膜およびモジュールの保存方法を提供する。
【解決手段】有用タンパク質等を含む溶液の多段ろ過の機構を利用して微粒子を高度に除去しつつタンパク質の分離精製を行う際に、同一モジュール内に多層構造を持ち、空孔率が65%以上で膜表面と膜裏面との平均孔径比が1対(3以上)の多孔性平膜複数枚を直接重ね合わせた事実上一体化した多段積多層膜であり、さらに、膜の素材が再生セルロース製平膜の多段積多層膜で、かつ、膜界面に疎水性で空孔率30%以上、平均孔径0.5μm以上、膜厚100μm以下の中間膜を設置する平膜セット。またその平膜セットを保存するために極性の小さな溶媒を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理活性物質等を分離精製する際に微粒子除去のために使用する膜に関する。
特に、溶液中で時間の経過により会合体を形成しやすいタンパク質や凝集体を形成しやす
いコロイド粒子等の精製・分離を効率的に行える膜に関する。また膜および平膜を充填したモジュールを長期的に保存する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微粒子状態で液体中に分散した固体状物質(力学的な力に対して流動変形せずに弾性変形し形状が維持される物質と定義)と液体の分離に使用される方法として中空糸膜や平膜を使用した膜ろ過による分離方法が一般的に利用されている。膜ろ過法は、固液分離に向いているが、使用する膜の種類、ろ過の条件や方法、さらにはろ過を行う溶液によっては、目詰まりを起こしやすく、回収される物質の膜透過率、回収率、除去される物質除去率などに影響を与える。膜間差圧を物質輸送の駆動力とする膜ろ過における目詰まりは2種の機構によって進行する。すなわち(1)血栓型目つまりで、平均孔径より大きな個体粒子による(2)梗塞塞型目詰まりで平均孔径より小さな液中に分散する固体状(粘弾性体粒子も含む)あるいは溶解している分子による。吸着作用による目詰まりも起こるがこの場合に膜を親水化することによってこれを防止する。
【0003】
膜ろ過法において、多段ろ過方法は、血漿や血漿分画製剤、バイオ医薬などにおける溶液から有用タンパク質を効果的に回収し、同時にウイルスによる汚染の危険性を低下させる方法として有効な手段の一つである。つまり、溶液中からあらかじめ大きな粒子を取り除いたり、会合体を形成してしまっているタンパク質を除去あるいは分子状に溶解した状態にすることで次のろ過での目詰まりの原因を少なくし、ウイルス除去性能やタンパク質の透過率を高める効果がある(非特許文献1)。
【0004】
例えば、ろ過膜が中空糸膜の場合、特開平2−167232号(特許文献1)公報では、
有用タンパク質をウイルスと分離する効率的なろ過方法として、前段の平均孔径の大きな
プレフィルターで目詰まりを起こしやすい大きな粒子等を除去し、その液を後段のメイン
フィルターでろ過することによりメインフィルターの性能が生かされている。さらに、特
開2000−005569号(特許文献2)公報では、直列多段ろ過に使用する中空糸膜
の性能を平均孔径・除去対象物質の除去率・回収対象物質の透過率を指定することにより
、よりその効率を向上させている。
【0005】
ろ過膜が平膜の場合は、特開2003−519005号(特許文献3)公報で、クロス
ローろ過により物質を分離し、ろ液および濃縮物中の目的物質を取得する装置により、多
段ろ過を行い、ろ過効率と製品収率を向上させている。また、従来の同一モジュール内に
複数の平膜を組み込むタイプの多段ろ過法としては、膜と膜の間に目の粗い支持体を挟みこむ、サンドウィッチ型がある。膜間に目の粗い支持体を挟み込まなければ多段ろ過の効果が現れず結果的に複数の支持体による有効ろ過面積の低下のためろ過速度が低下する場合が多い。
【0006】
しかしながら、溶液中にタンパク質を含む液をろ過する場合、(1)タンパク質の膜内部での濃度上昇、(2)タンパク質の疎水的・電気的性質による膜への吸着作用や会合体の
発生、などが原因となり目詰まりが起こりやすくなるが、特に会合体による膜の目詰まり
において複数のモジュールを直列的に組み合わせるタイプの多段ろ過では、予め平均孔径の大きなプレフィルターで会合体をなくし、単分散な状態にしたとしても、次段のろ過モジュールに濾液が到達するまでに時間がかかり、よって再びタンパク質が会合体を再形成しやすくなる。これにより、膜の平均孔径よりも大きくなった会合体は膜を通過し回収することが出来ないばかりか、目詰まりの積極的な原因ともなってしまう。さらには、後段で使用する膜の平均孔径が小さくなるにしたがってその傾向が大きくなる。
【0007】
タンパク質の会合体形成の対策として、特開2007−16016号(特許文献4)公報では、タンパク質またはペプチドを含有する水溶液を中空糸を用いたクロスフローろ過を行っているが、この際、タンパク質などを含む水溶液の性質をpHや塩などにより調製することで会合体の形成を防ぎ目的の低分子量のタンパク質と不要な高分子量のタンパク質の分画を行っているが、pHの調節や塩の添加など液の調整が複雑である。また、これらの調整で会合体の形成を常に防ぐことが可能とはいえない。
【0008】
多段ろ過法の欠点を解消する方法として特定された孔特性を持つ多層構造膜を特定された順番で重ね合わせた複合膜が提案された(特許文献5)。この膜を用いたろ過では微粒子除去性能が、複合化させることなくそれぞれの要素の膜を用いて多段でろ過した場合に比較して大きくなりしかもタンパクの膜透過率も上昇する。しかし該複合膜を長時間水に浸漬した状態で保持するとろ過速度が急速に低下するという問題点が新たに生じた。
【0009】
本発明中での多孔性膜とは、フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡によって膜中に孔の存在が認められる膜でかつ下記に定義される平均孔径が5nm以上、空孔率30%以上の膜を意味する。
【0010】
クロスフローろ過とは、膜表面に沿って溶液を流しながらろ過する方式であり、平行ろ過
あるいはタンジェンシャルろ過ともいわれる。デッドエンドろ過とは溶液を閉鎖された1
次側空間に圧入する方式である。
【0011】
平均孔径は、(純水の粘度・膜厚・ろ過速度/膜間差圧・空孔率)の平方根で与えられる
。ここでろ過速度は一平方メートル当たりの純水のろ過速度でml/分の単位で測定され
、膜厚はμm単位、粘度はセンチポイズ、膜間差圧はmmHg単位、空孔率は無次元単位
である。この際の平均孔径単位はnmとなる。
空孔率は、次式により与えられる。
空孔率=(1−膜の密度/素材高分子の密度)
膜の密度は、(膜の重量/膜の面積*膜厚)で算出される。素材高分子の密度は空孔率
0%時の膜の密度で、これはすでに文献で与えられている。
多層構造膜とは、膜の断面方向から透過型電子顕微鏡で観察すると10〜1000nmの厚さの層が認められ、層としては素材高分子の部分と空孔の部分との2種類が積層した形態が観察される。膜の表面からの走査型電子顕微鏡観察では網目状または粒子間の隙間が孔として、また粒子相互は融着した様子が観察される膜である。
タンパク質の膜透過率は次式により与えられる。
透過率(%)=(ろ液中のタンパク質濃度/ろ過前液中のタンパク質濃度)*100
また、本願明細書における実施例、比較例においてのタンパク質濃度の測定は、いずれ
も紫外部吸光度測定法により測定した。
【0012】
【非特許文献1】真鍋征一著「血液製剤のウイルス除去法」 続医薬品の開発、20巻、85頁〜103頁、1992年
【特許文献1】特開平2−167232号
【特許文献2】特開2000−005569号
【特許文献3】特開2003−519005号
【特許文献4】特開2007−16016号
【特許文献5】特開2009−095701号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
2枚以上の膜が積層した複合膜に寄る分離精製を行う場合に、そのろ過特性が膜を保存した時間が長くなるほどろ過速度が低下する現象が認められた。従来はこうした課題を解決するために、膜を複合化せずに別々に使用して多段ろ過を行っていた。複合膜に較べて多段ろ過では会合体の発生とろ過速度の低下および微粒子の除去性能の低下が起こる。複合膜の持つ高い微粒子除去性能とタンパクの透過性能を損なうことなく長期の水中での保存が可能なような複合膜の改良が求められる。

【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、複合膜の問題点の発生原因を解明した。すなわち、膜界面が強く密着し、溶液の流れを阻害することがある。膜界面の密着の度合いは、膜界面の溶液成分から影響を受け、水の場合は特に進行がはやく、ろ過速度の低下が著しい。2枚以上の膜を積層してなる複合膜による分離精製を行う場合に、膜界面に生じる流速の低下や目詰まりを抑制するため、中間膜を設置することで、膜同士の密着を防ぐことができ、あるいは弱めることができ、溶液の流路を確保し、ろ過速度の低下を防ぐことができることを見出した。この発見によって本発明に至った。
【0015】
複合膜の膜界面に生じる流速の低下や目詰まりの原因は、膜の界面間で生じる物理化学的相互作用(分子間結合力)により両界面が接近し、二個の界面が一体化したことにある。この一体化により単独の膜では見られなかった種々の現象が起こる。たとえば膜中でのタンパク濃度の増加、浸透圧の増加、溶液粘度の上昇などである物理化学的相互作用たとえば膜界面において分子間水素結合が発達し、膜同士が密着し、かつ、互いに接する平膜表面が持つ平均孔径が見掛け上小さくなる。平均孔径の小さな層が生じそのため溶液の流れが阻害され同時にタンパク水溶液を流した場合にはこの界面でタンパクが濃縮さえ、年度の増加と浸透圧が上昇し、ろ過速度が低下する。
【0016】
本発明の最大の特徴は2枚の多層構造膜の間に該多層膜の素材と異なる素材で作製された多孔膜を介在させる点にある。介在させる膜を以降中間膜と略称する。仕様する中間膜の孔径を検討した結果、中間膜に接する多層構造を持つ平膜表面のより大きい孔径に対して2倍以上の孔径を持つもので良好な成果を得ることができることが分かった。中間膜の平均孔径が0.5μm以上1mm以下であることも必要である。
【0017】
また、特に溶液の粘度が大きい場合、膜界面で濃縮される溶液の粘度も相対的に上がるため、膜界面が密着した状態になると、溶液の流れはさらに悪くなる。
中間膜を設けることで、膜の表面同士の分子間水素結合を防ぐことができ、また、孔径の十分おおきな中間膜を使用することで、見掛け上の孔径が小さくなることも防ぐことができる。膜界面を通過する溶液の粘度が大きくなった場合でも、中間層を設置することで十分な流路を確保できるため、膜界面での流れが律速段階となることを防ぐことができる。
【0018】
さらに中間膜を使用した場合は、中間膜を使用しない複合膜に比べ、微粒子の除去性能が向上する傾向にあることも発見した。中間膜は、界面での溶液の流れを小さな流れに分割する。そのため、平膜に存在するピンホールなどの欠陥が複数の平膜間では同一箇所で重ならず、互いの欠陥を打ち消しあう関係となり、結果的に除去性能は向上することを見出した。その結果、中間膜を設置した平膜セットは、設置しないもの、あるいは膜間に空間を設けた場合(すなわち多段ろ過法)に比較して、微粒子の除去性能が向上する利点も有していることが分かった。
【0019】
本発明の第二の特徴は、中間膜の空孔率が30%以上95%未満で膜厚は100μm以下である点にある。空孔率が30%未満では中間膜の存在により逆にろ過速度が低下する場合がある。中間膜の素材として疎水性の平膜たとえばポリエチレン多孔性平膜が適する。疎水性の平膜により多層構造膜相互の密着が完全に防止される。中間膜の膜厚は薄ければ薄いほどろ過速度への負の効果が現れないが空孔率が50%を超えると膜厚が厚くなってもろ過速度への負の効果は消失する。中間膜の孔はいずれも貫通孔で構成されており、この貫通孔の比率が中間膜の空孔率に近い。
【0020】
本発明の第三の特徴は多段で積層される膜として再生セルロース製の平膜を採用している点にある。再生セルロースは親水性が高く、水溶液中ではほとんどタンパク等を吸着しない。そのためろ過中での目詰まりが起こりにくい。しかし中間膜がない場合には水中に長時間該平膜を密着状態で保持すると膜界面で分子間水素結合が発達し平膜界面間の一体化が進行する。この一体化を防止するには水に比べて極性の小さな溶媒、たとえばエチールアルコール中で平膜セットやモジュールを保存するのが膜性能の経時的な変化を防止するのに望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、多層構造をもつ多孔性膜を多段に積層した平膜であることで、有用タンパク質が透過するのに必要な空間と、会合体が再生しないための短時間のろ過とを確保することができタンパク水溶液のろ過を高透過率を達成できる。膜同士が中間膜を介するために、平膜/中間膜/平膜との組み合わせで密着するため、前段の平膜から次段の平膜へのタンパ
ク質を含む溶液の通過時間がほとんど同時であり、タンパク質が再び会合体を形成するの
を防ぐことができる。このため、微粒子除去性能を持つ層の部分を透過する溶液中ではほ
とんど単分散な状態のタンパク質を含む溶液となり、会合体による目詰まりが起こりにく
くなる。よって、目詰まりによる圧力上昇を抑えられ、タンパク質の高透過率を実現でき
る。しかも水での湿潤状態で平膜セットやモジュールが保存されていても膜としての透過性能の経時的な低下が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1に本発明の平膜セットの模式図を示す。本発明で使用する平膜(図中1および2)は親水性素材であり、湿式または乾式のミクロ相分離法で作製される。例えば、銅安法再生セルロース平膜は親水性素材として最適であるが。現在公知のミクロ層分離法を適用した場合には膜厚を100μm以上に、また、平均孔径を100nm以上にするのが難しい。製法は特公昭62−044018号に与えられている。他の再生セルロース製の平膜の製法として多孔性アセテート膜を0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液でケン化処理することによって得られる。この方法では、蒸発面の膜面(表面)での平均孔径が小さく、裏面の平均孔径は表面のそれの3倍以上となる。この方法により0.005μm〜数μmの平均孔径を持つ多孔性多層構造膜が得られ、膜厚は20μm〜数mmまで可能である。このようにして得られた多孔性再生セルロース平膜をろ過器の支持体の上に複数枚、原液側からろ液側に向かって膜の平均孔径がだんだんに小さくなるように積層し、膜と膜の間には中間膜(図中3)を設ける。中間膜3としては、中間膜に接する2枚の平膜表面の内、より大きい平均孔径を持つ平膜表面に対して2倍以上の平均孔径を持つ膜状物を使用する。中間膜の素材としては、OH基を有しない、たとえばPEなどの多孔膜シート、PETなどのメッシュ、不織布などからなるものを使用する。中間膜の平均孔径は10μmのポリエチレン多孔膜で空孔率40%以上がその例である。このように作製した平膜セットおよび膜モジュールは、極性の小さな溶媒を用いて湿潤状態とし、保存する。溶媒の極性(双極子モーメントの大きさ、誘電率の大きさなどで表示される)は、下式であらわされ、通常は誘電率などを元に実測値として与えられる。
μ=eγ
ここで、μは双極子モーメント(D)、eは電荷、γは両極間の距離である。用いる溶媒は水の双極子モーメント1.85D以下でなければならず、たとえばエタノール(1.44D)やIPAなどで湿潤状態にして保存する。セルロース中の水酸基と分子間水素結合を作りやすい水は浸漬用液体としては適さない。平膜セット(図中4)は弾力性のあるスペーサー(図中5)および支持体(図中6)とともにモジュール枠(図中7)で挟まれる。該モジュール枠には原液入り口(図中8)、エア抜き孔(図中9)とろ液出口(図中10)が準備されている。
【0023】
分離・精製を行う方法は、ろ過でも拡散でもよく、ろ過では、デッドエンド方式やクロス
フロー方式などが利用できる。拡散では、定常孔拡散方式であることが望ましい。定常孔
拡散法は、特開2005−349268号公報に与えられている。定常孔拡散法とろ過法との特徴を共に生かした孔拡散・ろ過法も適用できる。
【実施例1】
【0024】
ミクロ相分離法によって公知の方法でアセテート多孔膜を作製し、これを0.1規定水酸化ナトリウム水溶液に12時間浸漬し、得られた平膜をアセトンにより脱水乾燥した。このようにして得られた平均孔径80nm、空孔率85%、膜厚90μm、膜表面平均孔径50nm、膜裏面平均孔径450nmと平均孔径20nm、空孔率85%、膜厚70μm、膜表面の平均孔径15nm、膜裏面平均孔径80nmの再生セルロース多孔性膜、および平均孔径17μm、膜厚100μmのポリエチレン中間膜(日東電工(株)製)を、平型モジュール (有効膜面積22cm2)のろ過器((株)セパシグマ製)内に、平均孔径20nmの平膜の裏面と、平均孔径100nmの平膜の表面との間に中間膜を挟んでセットした。また比較対象として中間膜を挟まないものも作製した。作製した平膜セットは、水、あるいはエタノールによる湿潤状態で保存した。ろ過に供するタンパク質溶液として、5wt%牛アルブミン溶液を使用して、デッドエンド方式で0.2MPaの定圧ろ過を行った。ろ過実験は、保存期間1日、および46日後に行った。試験の結果、セット直後の場合は、中間膜を挟んだ場合も、挟まなかった場合もほぼ同等のろ過性能を示したが、46日後には、中間膜を挟まなかったものはろ過性能が約35.6%低下したが、中間膜を挟んだものは3%のみの低下であった。水保存の場合は低下率約80%であった。(図2参照)
タンパク透過性能比較

【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、タンパク質などの生理活性を持つ物質の分離、精製に利用できる。また、コロ
イド系を取り扱う工業においてコロイド粒子を含めて特定の微粒子を精製、分離する多層
構造を持つ多段積多層膜として工業的プロセスに組み込むことができる。特に単位膜面積
当たりの処理液量が大きいので、バイオ医薬品製造工程のみでなく、バイオリアクターと
連結させて機能性食品の製造工程にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の平膜セットの模式図
【図2】実施例1の実測データ(ろ過速度:浸漬液中での保持日数)
【符号の説明】
【0027】
1,平膜1
2,平膜2
3,中間膜
4,膜セット
5,ラバー
6,支持体
7,モジュール枠
8,原液入口
9,エア抜き孔
10,ろ液出口



















【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均孔径5nm以上で2000nm以下の再生セルロース製多層構造を持つ平膜を2枚以上積層してなる複合膜を用いて膜ろ過による分離精製を行う場合に、平膜と平膜との間に設置する膜状介在層(中間膜と略称)が、空孔率30%以上、平均孔径0.5μm以上1 mm以下、膜厚100μm以下のであることを特徴とする平膜セットおよび該セットを装着したモジュール。
【請求項2】
請求項1において、平膜と平膜の間に設置する中間膜が疎水性の素材であることを特徴とする平膜セットおよび該平膜セットと支持体とで構成されるモジュール。
【請求項3】
請求項1、2において、平膜セットを湿潤状態で保存する際に、極性の小さな溶媒を使用する平膜セットおよびモジュールの保存方法。
















【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−131173(P2011−131173A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293668(P2009−293668)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(307002932)株式会社セパシグマ (23)
【Fターム(参考)】