説明

アイス供給装置

【課題】シュートの変形による落下を防止するとともに、着脱容易なシュート取付構造を有するアイス供給装置を提供する。
【解決手段】排出口431を有した貯氷部42と、氷を案内するシュート50とを有したアイス供給装置において、貯氷部42の外面において排出口431の両側となる部位からそれぞれ突出し、互いに対向する位置に貫通孔433a,434aを有した一対の側壁433,434と、シュート50において一対の側壁433,434に対向する部位に配設し、貫通孔433a,434aに対向する部位にロッド挿入孔561b,57を有した一対の側壁部513,514と、側壁433,434の貫通孔433a,434aおよび側壁部513,514のロッド挿入孔561b,57に渡って着脱可能に貫通することにより、一対の側壁部513,514を介してシュート50を側壁433,434に支持させる支持ロッド60とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュートを介して貯氷部から排出した氷の供給を行うアイス供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コールド飲料にチップアイス等の氷を供給するアイス供給装置には、排出口を備えた貯氷部と、排出口に取付けられて氷をカップへ移送するシュートとが設けられている(例えば、特許文献1参照)。排出口にはソレノイド装置の駆動によって開閉する扉が設けられており、ソレノイド装置を駆動して扉を開成すると、貯氷部に貯留された氷がシュートを通じてカップに供給される。アイス供給装置のシュートは、衛生上の観点から取外して洗浄できるように貯氷部に対して着脱自在に取付けられている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−6253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したアイス供給装置におけるシュートの取付構造としては、図11Aおよび図11Bに示すように、樹脂製のシュート70に形成された挿入溝711,721に貯氷部80の排出口81の近傍に取付けられた段付ビス82,83を嵌入して固定するものがある。
【0005】
挿入溝711,721は、図11Aおよび図11Bに示すように、筒状のシュート本体73の両側面から外側に向けて突出した爪部71,72に形成されている。挿入溝711,721の幅は、図11Bに示すように、爪部71,72の上端から下方に向けて開口の幅が漸次狭くなった後、それぞれの下端部が段付ビス82,83の径より少し大きめに形成してある。
【0006】
この取付構造では、段付ビス82,83を挿入溝711,721の開口上部に位置した状態で排出口81の下方からシュート70を上方へ移動させると、爪部71,72の挿入溝711,721が弾性的に拡開するため段付ビス82,83を挿通させることができる。その後、段付ビス82,83が挿入溝711,721の下端部に至ると、挿入溝711,721の幅が再び狭くなり、段付ビス82,83の通過が阻止されるため、シュート70を保持することができるようになる。一方、シュート70を取外す場合には、強制的に下方に移動させることで、挿入溝711,721が拡開することになり、段付ビス82,83を逸脱させることでシュート70を貯氷部80から取外すことができる。
【0007】
上述したシュート取付構造を有するアイス供給装置では、段付ビス82,83を挿入溝711,721に挿入・逸脱させる構成であるため、シュート70の着脱が容易であるという利点がある。しかしながら、上記取付構造は、挿入溝711,721を弾性的に拡縮するものであり、使用が長期に渡ると、経年変化によって挿入溝711,721に変形を来した場合には、シュート70の取付状態が不安定となり、最悪の場合、シュート70が落下する可能性がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、長期間使用してもシュートの落下を防止するとともに、着脱容易なシュート取付構造を有するアイス供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明におけるアイス供給装置は、内部に貯留した氷を排出する排出口を有した貯氷部と、前記貯氷部の排出口から排出された氷を下流に案内するシュートとを有したアイス供給装置において、前記貯氷部の外面において前記排出口の両側となる部位からそれぞれ突出し、互いに対向する位置に貫通孔を有した一対の支持壁体と、前記シュートにおいて前記一対の支持壁体に対向する部位に配設し、前記貫通孔に対向する部位にロッド挿入孔を有した一対の側壁部と、前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って着脱可能に貫通することにより、前記一対の側壁部を介して前記シュートを前記支持壁体に支持させる支持ロッドとを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述のアイス供給装置において、前記支持ロッドは、直線上に延在し、前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って貫通される貫通部と、前記貫通部の一端から屈曲して延在した壁当接部と、壁当接部の延在端部から貫通部とは反対方向に向けて延在した支持当接部とを有し、前記シュートの一方の側壁部には、前記ロッド挿入孔から径外方向に延在し、該ロッド挿入孔に支持ロッドの貫通部を挿入した場合に前記壁当接部を挿通させる挿入溝部と、前記挿入溝部の延在端部から前記貫通孔の軸心を中心とした円弧状に延在し、該貫通孔の鉛直下方に至る円弧溝部と、前記円弧溝部から前記貫通孔に近接する方向に屈曲した支持溝部とを有し、前記支持ロッドの貫通部を前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って貫通させ、かつ前記壁当接部を前記挿入溝部に挿通させた状態で、前記支持ロッドを前記貫通部の軸心回りに回転させ、前記支持当接部を前記支持溝部に係止させることによって前記シュートを前記一対の支持壁体に支持させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアイス供給装置によれば、支持壁体の貫通孔および側壁部のロッド挿入孔に渡って支持ロッドを着脱可能に貫通することにより、一対の側壁部を介してシュートを支持壁体に支持させているため、シュートの変形による落下を防止することができる。しかも、支持ロッドを着脱可能に貫通しているため、シュートを容易に着脱することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態であるアイス供給装置のシュート取付構造が適用された自動販売機の回路構成を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態であるアイス供給装置の斜視図である。
【図3】図3は、図2に示したアイス供給装置における製氷機の排出口を示す斜視図である。
【図4】図4は、図2に示したアイス供給装置におけるシュートを背面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、図4に示したシュートの正面図である。
【図6】図6は、図4に示したシュートの左側面図である。
【図7】図7は、図4に示したシュートの右側面図である。
【図8】図8は、図2に示したアイス供給装置におけるシュート取付状態を示す正面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態である支持ロッドを示す正面図である。
【図10】図10は、支持ロッドの移動状態を示す図である。
【図11A】図11Aは、従来のアイス供給装置のシュート取付構造を示す斜視図である。
【図11B】図11Bは、図11Aに示したアイス供給装置におけるシュート取付状態を示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係るアイス供給装置のシュート取付構造の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明のアイス供給装置が装備されたカップ式飲料自動販売機1は、所定の搬送機構(図示せず)によって搬送されてベンドステージSに載置した飲料容器であるカップCに対して、コールド飲料やホット飲料を抽出するものであり、図1に示すように、冷水・炭酸水供給回路10、シロップ供給回路20、温水・コーヒー供給回路30および製氷機40を備えている。
【0015】
冷水・炭酸水供給回路10は、冷水または炭酸水をカップCに注出するものであり、水リザーバ11、ポンプ12、冷水配管13、冷却水槽14、水冷却コイル15、カーボネータ16、冷水供給配管17および炭酸水供給配管18を備えている。
【0016】
水リザーバ11は水道水を貯留するものであり、給水バルブ111を開成すると水道水が水リザーバ11に供給されて貯留される。ポンプ12を駆動することにより、水リザーバ11に貯留された水は冷水配管13に送出される。冷水配管13に送出された水は、冷却水槽14に貯留した冷却用水141に浸漬した水冷却コイル15を経由することにより冷却される。水冷却コイル15には冷水供給配管17とカーボネータ16が接続してある。
【0017】
冷水供給配管17は、冷水バルブ171を有しており、冷水バルブ171を開成すると水冷却コイル15で冷却された冷が冷水供給配管17を通じてベンドステージSに載置したカップCに注出される。
【0018】
カーボネータ16は、水冷却コイル15と逆止弁161を介して接続してある。カーボネータ16は、炭酸ガス導入配管211を介して炭酸ガスボンベ21と接続されており、炭酸ガスボンベ21から供給された炭酸ガスを、水冷却コイル15から供給された冷水に溶解することで炭酸水を生成している。カーボネータ16で生成された炭酸水は、炭酸水バルブ181を有した炭酸水供給配管18を通じてベンドステージSに載置したカップCに注出される。
【0019】
シロップ供給回路20は、飲料の原液となるシロップをカップCに注出するものであり、炭酸ガスボンベ21、シロップコンテナ22、シロップ売切検知器23およびシロップ冷却配管24を備えている。
【0020】
炭酸ガスボンベ21とシロップコンテナ22とは炭酸ガス導入配管211を介して接続してある。シロップコンテナ22はシロップ飲料の原料となる各種のシロップがそれぞれ貯留してある。シロップコンテナ22はシロップ売切検知器23とシロップバルブ241を設けたシロップ冷却配管24に接続してある。シロップ冷却配管24の一部は冷却水槽14の冷却用水141に浸漬されている。シロップバルブ241を開成すると、炭酸ガスボンベ21の炭酸ガスの圧力によって、シロップコンテナ22のシロップがシロップ冷却配管24に送出される。シロップ冷却配管24を経由して冷却されたシロップはベンドステージSに載置したカップCに注出される。
【0021】
温水・コーヒー供給回路30は、温水、ホット飲料またはコーヒー飲料をカップCに注出するものであり、温水配管31、貯湯タンク32、インスタント飲料調理部33およびレギュラーコーヒー飲料調理部34を備えている。
【0022】
温水配管31は、逆止弁311を介してポンプ12および水リザーバ11と接続してあり、ポンプ12を駆動することにより、水リザーバ11から供給される水が貯湯タンク32に送出される。貯湯タンク32は、加熱源としてのヒータ(図示せず)を有しており、温水配管31を通じて供給された水を加熱して湯として貯留する。
【0023】
インスタント飲料調理部33は、原料キャニスタ331、ミキシングボール332およびホット飲料供給配管333を備えている。
【0024】
原料キャニスタ331は、例えばココア、紅茶、砂糖、ミルクなどの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール332は、シュータ334を介して原料キャニスタ331に連設してあり、かつ、添加湯バルブ321を有した添加湯供給配管322を通じて貯湯タンク32に接続してある。ミキシングボール332は、原料キャニスタ331から投入された粉末原料と、貯湯タンク32から添加湯供給配管322を通じて供給された添加湯とを混合攪拌するものである。ミキシングボール332で混合攪拌されたインスタント飲料は、ミキシングボール332に接続されたホット飲料供給配管333を通じてベンドステージSに載置したカップCに注出される。
【0025】
レギュラーコーヒー飲料調理部34は、レギュラーコーヒー抽出部341、原料キャニスタ342、ミキシングボール343およびコーヒー飲料供給配管344を備えている。
【0026】
レギュラーコーヒー抽出部341は、コーヒー豆キャニスタ341a、ミル341b、コーヒー飲料抽出器341cを有している。コーヒー豆キャニスタ341aは、コーヒー豆を収容したものである。ミル341bは、コーヒー豆キャニスタ341aから投入されたコーヒー豆を挽くものであり、コーヒー豆キャニスタ341aの下方に配設してある。コーヒー飲料抽出器341cは、ミル341bの下方に配設してあり、かつ、添加湯バルブ321を有した添加湯供給配管322を通じて貯湯タンク32に接続してある。コーヒー飲料抽出器341cは、ミル341bから投入された挽き豆と、貯湯タンク32から添加湯供給配管322を通じて供給された添加湯とからレギュラーコーヒー飲料を抽出するものである。コーヒー飲料抽出器341cにおいてレギュラーコーヒー飲料を抽出した後の挽き豆の滓は、滓バケツBに投入される。
【0027】
原料キャニスタ342は、例えば砂糖、ミルクなどの各種粉末原料を収容したものである。ミキシングボール343は、シュータ345を介して原料キャニスタ342に連設してあり、かつ、レギュラーコーヒー飲料供給配管346を通じてコーヒー飲料抽出器341cに接続してあり、さらに、添加湯バルブ321を有した添加湯供給配管322を通じて貯湯タンク32に接続してある。ミキシングボール343は、シュータ345を通じて原料キャニスタ342から投入された各種粉末原料と、レギュラーコーヒー飲料供給配管346を通じてコーヒー飲料抽出器341cから送出されたレギュラーコーヒー飲料とを混合攪拌するものである。ミキシングボール343で攪拌混合されたレギュラーコーヒー飲料は、ミキシングボール343に接続されたコーヒー飲料供給配管344を通じてベンドステージSに載置したカップCに注出される。
【0028】
製氷機40は、製氷用水導入配管112を介して水リザーバ11に接続し、製氷用水導入配管112を通じて水リザーバ11から移送された水を用いて氷を製造・貯留するものである。図2に示すように、製氷機40は、製氷部41と貯氷部42とを有している。図には明示していないが、製氷部41は、円筒状のパイプ411の内部に配設したスクリュ形状のオーガの回転により、パイプ411の筒内に生じた氷を切削しつつ図2の上方に押し上げるようにしたオーガ式と称されるものである。パイプ411の上部には、固定刃が設けてあり、この固定刃により、オーガで押し上げられた氷を切削してチップ状の氷を生成する。貯氷部42は、図2に示すように円筒形に形成されておりパイプ411の上方に設けてある。
【0029】
貯氷部42には、氷を排出するための排出部43が設けてある。貯氷部42の排出部43から排出された氷は、シュート50、接続シュート501およびアイスノズル502を備えた氷供給配管5を通じてベンドステージSに載置したカップCの内部に投入される。
【0030】
排出部43は、図3に示すように、排出口431と、傾斜壁432と、一対の側壁(支持壁体)433,434とを備えている。排出口431は、貯氷部42を構成する壁の一部を切り欠いて形成した矩形状の開口である。傾斜壁432は、排出口431の下縁から外方に向けて漸次下方に傾斜する金属製の板材である。図3からも明らかなように、傾斜壁432の先端縁は、円弧の凹状に切り欠いてある。側壁433,434は、排出口431の両側縁から外方に向けて設けた金属製の板材であり、互いに平行、かつ個々の下端部が傾斜壁432の側縁に連続している。側壁433,434には、それぞれの上端部において外方に位置する部位に貫通孔433a,434aが形成してある。貫通孔433a,434aは、側壁433,434を貫通する円形の開口であり、個々の軸心が水平方向に沿って互いに合致する位置に設けてある。
【0031】
排出部43の上方にはソレノイド装置44が取付けられている。ソレノイド装置44は排出口431を開閉する扉45と接続してあり、図示しない制御装置により扉45の開動作および閉動作を行う。
【0032】
貯氷部42において排出部43の上方となる部位には、枠体46,47が設けられている。枠体46,47は、排出部43の両側から側壁433,434に対して平行となるように突出した板材であり、板材の一部を排出部43の外側に向けて90度屈曲して形成した固定部461,471を有している。固定部461,471には段付ネジ462,472が装着してある。枠体46と枠体47との間の幅は、側壁433と側壁434の間の幅より大きく確保してある。
【0033】
シュート50は、樹脂で形成されており、図4〜図7に示すように、シュート本体51と連結部53とを有している。連結部53は、シュート本体51の下方に形成してあり、接続シュート501と連結してある。接続シュート501の下流端にはアイスノズル502が接続してある。
【0034】
シュート本体51は、排出部43から排出された氷が通過する部位である。シュート本体51は断面が略四角形に形成された中空管であり、図4〜図7に示すように、シュート本体51の正面および背面は開口52から連結部53に向けて細くなるように傾斜して形成してある。図には示していないが、シュート本体51の所定の位置には、排出部43の扉45の開放時間をカウントすることで排出する氷の量を計測するための光センサが取付けられている。図4から明らかなように、シュート本体51の開口52は、上方および背面側に開口した形状となっている。
【0035】
シュート本体51において開口52の側方を覆う左側壁部513と右側壁部514とは、互いの間の幅が排出部43の二つの側壁433,434の間の幅より大きく形成してある。シュート本体51の左側壁部513には、第一爪部54および異形孔56が形成してあり、シュート本体51の右側壁部514には第二爪部55およびロッド挿入孔57が形成してある。
【0036】
第一爪部54および第二爪部55は、図4および図5に示すように、板状部材であって左側壁部513および右側壁部514の外側面から直角方向に突出している。第一爪部54および第二爪部55は、シュート50のシュート本体51に対して互いに対称であり、それぞれに溝部541,551が形成してある。溝部541,551は、板状の第一爪部54および第二爪部55の上端部に形成した第一溝部541a,551aと、第一溝部541a,551aの下方に連接して細く切欠いた第二溝部541b,551bとを有している。第一溝部541a,551aにはそれぞれのほぼ中央となる高さ位置に凸部541c,551cが形成してある。
【0037】
異形孔56は、図6に示すように、シュート本体51の左側壁部513を水平方向に延在して切欠いた第一切欠部(挿入溝部)561と、第一切欠部561の一端561aから第一切欠部561の他端(ロッド挿入孔)561bの下方に向かって円弧状に切欠いた第二切欠部(円弧溝部)562と、第二切欠部562の下端562aから上方に幅広く切欠いた溝(支持溝部)562bとを一連に形成したものである。第一切欠部561は、貯氷部42の排出部43に対してシュート50を取付けた場合に、側壁433,434に形成した貫通孔433a,434aに対向する高さ位置に形成してある。
【0038】
ロッド挿入孔57は、図7に示すように、シュート本体51の右側壁部514の一部を水平方向に幅広く切欠いて形成した開口である。このロッド挿入孔57は、第一爪部54に形成した異形孔56の第一切欠部561と同じ高さ位置であり、第一切欠部561の他端561bに対向する位置に形成してある。
【0039】
このシュート50を貯氷部42の排出部43に取付けるには、第一爪部54および第二爪部55の溝部541,551にそれぞれ段付ネジ462,472を合致させた状態で開口52の内部に排出部43を下方から挿入し、そのままシュート50を上方に移動させ、さらに異形孔56の第一切欠部561およびロッド挿入孔57の位置が貫通孔433a,434aと一直線上に位置した状態で支持ロッド60を貫通させる。
【0040】
支持ロッド60は、一様な外形を有した金属製の円柱状部材であり、図9に示すように、貫通部61、壁当接部62および支持当接部63を有している。貫通部61は、直線上に延在する部分であり、シュート本体51の二つの左側壁部513および右側壁部514の相互間距離よりも大きな長さに形成してある。壁当接部62は、貫通部61の一端から直角方向に屈曲した部分である。この壁当接部62は、シュート50に形成した第一切欠部561よりも僅かに短く形成されており、第一切欠部561を挿通させることが可能である。支持当接部63は、壁当接部62の延在端部から貫通部61とは反対方向に向けて延在した部分である。
【0041】
上記のように構成した支持ロッド60によってシュート50を排出部43に支持させるには、異形孔56の第一切欠部561およびロッド挿入孔57の位置が貫通孔433a,434aと一直線上に位置した状態で異形孔56から貫通部61を挿入し、貫通孔433a、貫通孔434aを経てロッド挿入孔57まで挿通させる。このとき、図10(a)に示すように、壁当接部62がほぼ水平となる姿勢で支持ロッド60を挿入することにより、壁当接部62を異形孔56の第一切欠部561に挿入する。
【0042】
次に、壁当接部62が第一切欠部561に挿通された状態で、貫通孔434aの軸心周りに支持ロッド60を回転させ、図10(b)に示すように、支持当接部63を第二切欠部562に沿って下方に位置させる。第二切欠部562の下端562aに移動した支持当接部63は、図10(c)に示すように、シュート50の自重により第二切欠部562の下端562aの溝562bに挿入され、第二切欠部562内の移動が制限されたロック状態となる。また、左側壁部513の内面と側壁433の外面との間に、支持ロッド60の壁当接部62が挟装され、図8に示す支持ロッド60の長手方向への移動が制限される。従って、図10(d)に示すように、シュート50の右側壁部514側では、貫通部61が貫通孔434aおよびロッド挿入孔57を貫通した状態で保持される。
【0043】
シュート50を排出部43から取外すには、シュート50を上方に移動し、図10(c)に位置する支持ロッド60の支持当接部63を異形孔56の溝562bから逸脱させる。次に、支持ロッド60を貫通孔434aの軸心周りに回転させ、図10(b)に示すように第二切欠部562に沿って第一切欠部561の一端561aへ移動し、図10(a)に示す位置に配置する。この状態で支持ロッド60を図10(a)の表面側に引抜くことにより、シュート50と排出部43の係合が解除される。その後、シュート50を排出部43の下方に移動して、第一溝部541a,551aから段付ネジ462,472を逸脱することでシュート50が取外される。
【0044】
上述したシュート50では、支持ロッド60を異形孔56、貫通孔433a,434aおよびロッド挿入孔57に挿入する構造であるため、支持ロッド60を外さない限りシュート50が落下することがない。また、シュート50を排出部43に取付けた状態において、支持ロッド60はシュート本体51側面と排出部43の側壁433との間に壁当接部が配設され、長手方向への移動が制限されるため、不意に支持ロッド60が外れる虞もない。また、支持ロッド60を挿入、引抜きする動作によってシュート50を排出部43に取付け、取外しすることができる。従って、シュート50の着脱作業が煩雑になることもない。
【0045】
なお、本発明の好適な実施の形態としてカップ式飲料自動販売機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の飲料供給装置またはアイスディスペンサに設置されるアイス供給装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 カップ式飲料自動販売機
42 貯氷部
43 排出部
50 シュート
56 異形孔
57 ロッド挿入孔
60 支持ロッド
61 貫通部
62 壁当接部
63 支持当接部
431 排出口
433,434 側壁
433a,434a 貫通孔
513 左側壁部
514 右側壁部
561 第一切欠部
561a 一端
561b 他端
562 第二切欠部
562a 下端
562b 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に貯留した氷を排出する排出口を有した貯氷部と、
前記貯氷部の排出口から排出された氷を下流に案内するシュートとを有したアイス供給装置において、
前記貯氷部の外面において前記排出口の両側となる部位からそれぞれ突出し、互いに対向する位置に貫通孔を有した一対の支持壁体と、
前記シュートにおいて前記一対の支持壁体に対向する部位に配設し、前記貫通孔に対向する部位にロッド挿入孔を有した一対の側壁部と、
前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って着脱可能に貫通することにより、前記一対の側壁部を介して前記シュートを前記支持壁体に支持させる支持ロッドと
を備えたことを特徴とするアイス供給装置。
【請求項2】
前記支持ロッドは、直線上に延在し、前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って貫通される貫通部と、前記貫通部の一端から屈曲して延在した壁当接部と、壁当接部の延在端部から貫通部とは反対方向に向けて延在した支持当接部とを有し、
前記シュートの一方の側壁部には、前記ロッド挿入孔から径外方向に延在し、該ロッド挿入孔に支持ロッドの貫通部を挿入した場合に前記壁当接部を挿通させる挿入溝部と、前記挿入溝部の延在端部から前記貫通孔の軸心を中心とした円弧状に延在し、該貫通孔の鉛直下方に至る円弧溝部と、前記円弧溝部から前記貫通孔に近接する方向に屈曲した支持溝部とを有し、
前記支持ロッドの貫通部を前記支持壁体の貫通孔および前記側壁部のロッド挿入孔に渡って貫通させ、かつ前記壁当接部を前記挿入溝部に挿通させた状態で、前記支持ロッドを前記貫通部の軸心回りに回転させ、前記支持当接部を前記支持溝部に係止させることによって前記シュートを前記一対の支持壁体に支持させることを特徴とする請求項1に記載のアイス供給装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−117739(P2012−117739A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267282(P2010−267282)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)