説明

アイテム選択支援装置、方法およびプログラム

【課題】 ユーザに適合する推薦アイテムを提示しつつも、ユーザの能動的なアイテム選択を可能にして、利便性を向上する。
【解決手段】 アイテム選択支援装置は、個々の対象会員のためにアイテム選択作業ページを生成する。複数の代表推薦者から対象ユーザに類似する類似代表推薦者が抽出され、類似代表推薦者の推薦アイテムが、アイテム選択作業ページの類似代表推薦者領域に表示される。複数の会員から対象会員に類似する類似会員が抽出され、類似会員の選択アイテムが、アイテム選択作業ページの類似会員領域に表示される。類似代表推薦者および類似会員は、推薦アイテムおよび選択アイテムの類似度から求められる。類似代表推薦者領域および類似会員領域からアイテムが選択され、選択されたアイテムのデータが登録される。アイテムは例えば商品であり、類似代表推薦者は例えばマーカーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを経由して複数の推薦アイテムを提示し、それら複数の推薦アイテムの中からの選択アイテムの入力を受け付け、選択アイテムを特定する選択アイテムデータを登録するアイテム選択支援装置に関する。アイテムは典型的には商品である。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等のネットワークを介してユーザに商品等の推薦アイテムを提示する各種のコンピュータシステムが提案されている。このようなコンピュータシステムを本明細書ではアイテム選択支援装置といい、アイテムが商品の場合には商品選択支援装置という。
【0003】
従来の典型的なシステムは、ユーザの嗜好データを記憶したデータベースを備え、データベースを参照してユーザの嗜好に適合する商品を検索し、検索された商品の情報をインターネット経由でユーザ端末に送信している(例えば特許文献1)。
【0004】
また、従来のシステムは、ユーザの購買履歴に基づいて過去に購入された商品に類似する商品を検索することによって、推薦商品を求めている。
【0005】
さらに、複数のユーザの類似度に着目したシステムも提案されている。この種のシステムは、複数のユーザの購買履歴データから、対象ユーザと購買履歴が類似する類似ユーザを求める。そして、同システムは、類似ユーザが過去に購入した商品(対象ユーザが未購入の商品)を推薦商品として決定する(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−178317号公報(第4−13ページ、図1)
【特許文献2】特開2002−74142号公報(第2−3ページ、図1、2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、ユーザに合った推薦商品を提示してはいるものの、一方的に推薦商品を紹介するかたちをとっている。ユーザは、受動的に、システム側で自分に合っていると予め決められた推薦商品群から購入商品を選択しなければならない。
【0007】
本発明者は、従来技術の改良を検討し、ユーザが自分に合った商品をより自由に能動的に選択可能にすることを検討した。このような商品選択が可能であれば、ユーザの商品選択の楽しさを向上でき、結果的にユーザにとっての満足度を増大でき、ユーザにとっての利便性を向上できると考えられる。
【0008】
上記の説明では、アイテムの一例としての商品に着目して本発明の技術的背景を説明した。しかし、その他の種類のアイテムにも同様の背景事情が当てはまる。その他のアイテムは、例えば情報である。
【0009】
本発明は上記背景の下でなされたものであり、その目的は、ユーザに適合する推薦アイテムを提示しつつも、ユーザの能動的なアイテム選択を可能にして、利便性を向上できるアイテム選択支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のアイテム選択支援装置は、ネットワークを経由して複数の推薦アイテムを提示し、前記複数の推薦アイテムの中から選択される選択アイテムの入力を受け付け、前記選択アイテムを特定する選択アイテムデータを登録する。このアイテム選択支援装置は、複数のユーザのデータを記憶するユーザデータベースであって、少なくとも、各ユーザの前記選択アイテムデータを記憶するユーザデータベースと、予め登録された複数の代表推薦者のデータを記憶する代表推薦者データベースであって、少なくとも、各代表推薦者が推薦するアイテムを特定する推薦アイテムデータを記憶する代表推薦者データベースと、前記ユーザデータベースに登録された個々のユーザのために、前記推薦アイテムの情報の提供と選択作業に使用されるアイテム選択作業ページを生成するアイテム選択作業ページ生成手段と、各々のアイテム選択作業ページの対象ユーザについての処理として、前記ユーザデータベースに記憶された前記選択アイテムデータと前記代表推薦者データベースに記憶された前記推薦アイテムデータに基づいて、前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記推薦アイテムデータを持つ類似代表推薦者を抽出する類似代表推薦者抽出手段と、前記類似代表推薦者の前記推薦アイテムデータにより特定される類似代表推薦者推薦アイテムを前記アイテム選択作業ページ上に設定された類似代表推薦者領域に表示させるアイテム表示手段と、前記アイテム選択作業ページをネットワーク経由で前記対象ユーザに提供するアイテム選択作業ページ提供手段と、前記アイテム選択作業ページに表示された前記類似代表推薦者推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付ける選択受付手段と、前記選択受付手段により受け付けられた前記類似代表者推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する選択アイテム登録手段と、を備える。
【0011】
本発明は、上述の構成により、対象ユーザに類似する類似代表推薦者による推薦アイテムを、アイテム選択作業ページに設定された類似代表推薦者領域に表示する。このように、本発明では、対象ユーザとの類似度に基づいて類似代表推薦者の選別まではシステム側で行うが、類似代表推薦者の複数の推薦アイテムからのアイテム選択は対象ユーザに委ねられる。したがって、システムによる推薦処理の範囲が、対象ユーザとの類似度を基準にした類似代表推薦者とその推薦アイテムの紹介といった適当な範囲へと制限され、これにより、アイテムの選択は対象ユーザが能動的に行うことができる。
【0012】
本発明のアイテム選択支援装置は、前記ユーザデータベースに記憶された前記複数のユーザの前記選択アイテムデータに基づいて前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記選択アイテムデータを持つ類似ユーザを抽出する類似ユーザ抽出手段を備え、前記アイテム表示手段は、さらに、前記類似ユーザの前記選択アイテムデータにより特定される選択アイテムを類似ユーザ推薦アイテムとして前記アイテム選択作業ページに設定された類似ユーザ領域に表示させ、前記選択受付手段は、さらに、前記類似ユーザ推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、前記選択アイテム登録手段は、さらに、前記選択受付手段により受け付けられた前記類似ユーザ推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録してよい。
【0013】
上述の構成によれば、類似代表推薦者による推薦アイテムに加えて、さらに、類似ユーザにより選択されたアイテムが、類似ユーザ推薦アイテムとして、選択作業ページに設定された類似ユーザ領域に表示される。ここでも、類似度に基づいた類似ユーザの選別まではシステム側で行うが、類似ユーザの複数の推薦アイテムからのアイテム選択は対象ユーザに委ねられる。したがって、システムによる推薦処理の範囲が、ユーザ間の類似度を基準にした類似ユーザとその推薦アイテムの紹介といった適切な範囲に制限され、これにより、アイテムの選択は対象ユーザが能動的に行うことができる。
【0014】
本発明は、上述の構成により、ネットワークの情報提供システムを利用しているにも拘わらず、アナログ的で、直感的で、ヒューマンタッチで、雑誌を見る感覚のアイテム選択を可能にしている。例えば、典型的なファッション雑誌は、有名人のファッションのページと、一般人のファッションチェックのページで構成されている。読者は、有名人のページを見たり、一般人のページを見たりしながら、これらの2種類の情報を参考にして、次に買う服などを考える。上記の有名人が本発明の代表推薦者に相当し、一般人が本発明の他のユーザに相当する。対象ユーザは、代表推薦者が選ぶアイテムや、他のユーザが選ぶアイテムを見て、複数種類の多面的で豊富な情報を参考にして、雑誌的な感覚で、自分に合ったアイテムを選べる。しかも、対象ユーザは、自分に類似する代表推薦者およびユーザの選ぶアイテムの提示を受けられる。このことは、通常の万人向けの雑誌よりも対象ユーザに合った雑誌を対象ユーザに提供するのと同等の効果が得られることを意味する。したがって、対象ユーザが自分に合ったアイテムを見付ける可能性を高めることができ、利便性を向上できる。
【0015】
本発明のアイテム選択支援装置は、推薦対象になる各アイテム毎の画像であるタグイメージを記憶するタグイメージ記憶部を備え、前記アイテム表示手段は、前記類似代表推薦者推薦アイテムおよび前記類似ユーザ推薦アイテムのタグイメージを前記アイテム選択作業ページの前記類似代表推薦者領域および前記類似ユーザ領域にそれぞれ表示し、前記選択受付手段は、前記類似推薦代表者領域および前記類似ユーザ領域から、前記アイテム選択作業ページに設定された対象ユーザ領域への前記タグイメージのドラッグを前記アイテム選択の入力として受け付けてよい。
【0016】
この構成により、タグイメージのドラッグによってアイテムを選択でき、ユーザは、アイテムを直感的に選択できる。タグイメージは、典型的には、付箋のような画像である。タグイメージは、商品の小型画像を含んでよく、さらに、商品の名称を含んでよく、さらに、商品の価格や内容等の簡単な情報を含んでよい。さらに、タグイメージをクリックすると、詳細な商品説明が表示されてもよい。
【0017】
前記選択アイテム登録手段は、前記対象ユーザ領域へドラッグされた前記タグイメージの前記対象ユーザ領域内での配置を前記ユーザデータベースに登録し、前記アイテム表示手段は、前記ユーザデータベースに登録された配置で前記タグイメージを前記対象ユーザ領域に表示してよい。
【0018】
この構成により、タグイメージを対象ユーザのドラッグ操作に応じた配置で表示でき、さらに直感的なアイテム選択を可能にできる。タグイメージの配置は典型的にはタグイメージの位置および角度である。
【0019】
前記ユーザデータベースは、前記選択アイテムデータとして、ユーザごとに、選択アイテムに対応するタグイメージの前記対象ユーザ領域での配置を記憶してよい。前記代表推薦者データベースは、前記推薦アイテムデータとして、代表推薦者ごとに、推薦アイテムに対応するタグイメージの前記代表推薦者領域での配置を記憶してよい。前記類似代表推薦者抽出手段は、前記ユーザデータベースおよび前記類似代表者データベースに記憶された前記タグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が前記対象ユーザと類似する代表推薦者を抽出してよい。前記類似ユーザ抽出手段は、前記ユーザデータベースに記憶された前記タグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が前記対象ユーザと類似するユーザを抽出してよい。
【0020】
より詳細には、タグイメージの配置の特徴を表す配置パラメータが求められ、配置パラメータに基づいて類似代表推薦者が抽出されてよい。配置パラメータは、複数のタグイメージの配置のばらつき(散布度)を統計的に表すパラメータである。典型的には、配置のデータはタグイメージの位置と角度であり、配置パラメータは、位置のばらつきを表す位置パラメータと、角度のばらつきを表す角度パラメータである。位置パラメータは、例えば、複数のタグイメージの位置の分散または標準偏差である。同様に、角度パラメータは、例えば、複数のタグイメージの角度の分散または標準偏差である。類似ユーザについても同様であり、上記の配置パラメータ、より詳細には位置パラメータと角度パラメータに基づいて類似ユーザが抽出されてよい。
【0021】
上記の構成により、タグイメージの配置の特徴が対象ユーザと類似する代表推薦者が抽出される。タグイメージの配置は、対象ユーザおよび代表推薦者の個性を反映している。したがって、タグイメージの配置が類似する代表推薦者を抽出することで、適当な類似代表推薦者を抽出できる。類似ユーザについても、類似代表推薦者と同様であり、ユーザの個性を表すタグイメージ配置に基づくことにより適当な類似ユーザを抽出可能である。
【0022】
なお、タグイメージの配置は、他の要素と共に類似の判定に利用されてよい。例えば、アイテムそのものの類似性(例えば選択された商品の類似性)とともに、タグイメージの配置の類似性が利用されてよい。
【0023】
前記ユーザデータベースは、各ユーザが前記類似ユーザに選ばれて該ユーザの選択アイテムが類似ユーザ推薦アイテムとして他のユーザから選択された回数である被選択回数に応じたポイントを記録してよい。アイテム選択装置は、昇格処理手段を備えてよく、昇格処理手段は、前記ポイントが所定の昇格ポイントに達したユーザをユーザ出身代表推薦者として前記代表推薦者データベースに登録するとともに、前記ユーザ出身代表出身者の前記選択アイテムデータを前記推薦アイテムデータとして前記代表推薦者データベースに登録してよい。
【0024】
この構成により、ユーザの被選択回数が増えてポイントが多く貯まると、そのユーザが代表推薦者に昇格する。良いアイテムをより多く選択しているほど、傾向としてポイントが増大し、したがって、代表推薦者に昇格する可能性が高くなる。代表推薦者に昇格すれば、類似代表推薦者として選ばれて、他のユーザのアイテム選択へより大きな影響を与えることができ、このことはユーザにとって名誉なことである。このようにして、よいアイテムの選択を促進することができ、しかも、よいアイテムの情報のユーザ間での伝達も促進することができ、ユーザにとっての利便性も向上できる。
【0025】
本発明は、上記のアイテム選択支援装置の態様に限定されない。本発明の別の態様は、例えば、アイテム選択支援方法であり、上述のアイテム選択支援装置の動作によってアイテム選択を支援してよい。また、本発明の別の態様は、アイテム選択支援プログラムであり、上述のアイテム選択支援方法をコンピュータに実現させてよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上述のように、ユーザに適合する推薦アイテムを提示しつつも、ユーザの能動的なアイテム選択を可能にして、利便性を向上できるアイテム選択支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、選択対象のアイテムが、商品である。そして、本実施の形態では、本発明のアイテム選択支援装置が、商品選択支援装置のかたちで実現される。本実施の形態の商品選択支援装置は、ネットワークを使った商品購入システムに好適に組み込まれる。
【0028】
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る商品選択支援装置を示している。図1は、商品選択支援装置1および関連構成からなるシステムを示している。
【0029】
図1において、商品選択支援装置1は、WWWサーバの機能を有するコンピュータシステムである。商品選択支援装置1は、ネットワークの一形態であるインターネット3を介して複数の会員端末コンピュータ5と接続される。会員端末コンピュータ5は、パーソナルコンピュータであり、商品選択支援装置1に登録された会員によって操作される。
【0030】
商品選択支援装置1は、各会員端末コンピュータ5からアクセスされ、各会員端末コンピュータ5に情報を提供する。商品選択支援装置1は、各会員端末コンピュータ5に商品の情報を提供し、各会員端末コンピュータ5への商品選択の入力を受け付ける。商品選択支援装置1のネットワーク通信機能が、データの入出力機能を実現し、商品選択の入力の受付手段としても機能する。
【0031】
商品選択支援装置1は、購入のための商品選択を支援する機能と共に、商品購入に関する処理を行う機能も有している。購入処理を実現するために、商品選択支援装置1は決済サーバ7と通信可能に接続されている。商品選択支援装置1は決済の要求を決済サーバ7に送り、決済サーバ7がカード会社のコンピュータとの通信により与信および決済の処理を行い、決済の結果を商品選択支援装置1に返す。決済サーバ7は、電子マネーの決済機能をもってもよく、また、オンライバンキングの決済機能をもってもよい。
【0032】
次に、図2は、商品選択支援装置1の構成を示している。商品選択支援装置1は、概要としては、WEBサイトを提供し、個々の会員毎にクリップボードページを提供し、クリップボードページに推薦商品を提示し、推薦商品からのクリッピングの入力を受け付ける。クリップボードページが、本発明のアイテム選択作業ページに相当し、クリッピングが商品選択に相当する。
【0033】
商品選択支援装置1は、まず、各種のデータを記憶する構成として、会員データベース11、マーカーデータベース13、タグイメージ記憶部15および商品情報データベース17を備えており、また、これらの記憶手段へデータを登録する登録部19を備えている。また、商品選択支援装置1は、各会員のためにクリップボードページを生成および提供するための構成として、クリップボードページ生成部21、マッチングマーカー抽出部23、マッチング会員抽出部25、クリップボードページ提供部27およびタグ表示部29を備える。さらに、商品選択支援装置1は、商品選択の受付に関する構成として、クリップ受付部31およびクリップ商品登録部33を備え、商品購入に関する構成として、購入要求受付部35および購入処理部37を備える。さらに、商品選択支援装置1は、後述するマーカー昇格機能を実現するために、ポイント更新部41および昇格処理部43を備えている。
【0034】
図3は、商品選択支援装置1に記憶される各種のデータを示している。図3(a)は、会員データベース11に記憶されるデータを示している。会員データベース11は複数の会員の情報を記憶している。会員データベース11は本発明のユーザデータベースに相当する。会員は本発明のユーザに相当し、予め会員データベース11に登録されている。
【0035】
会員データベース11は、会員ID、会員属性データ(氏名、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、職業、写真画像(顔など)、その他の個人情報)、クリップ商品データ、購入履歴データおよび獲得ポイントデータを記憶している。
【0036】
クリップ商品データは、会員により既にクリップされた商品のデータである。クリップ商品データは、本発明の選択アイテムデータに相当する。クリップ商品データは、商品IDに加えて、タグイメージの配置のデータを含み、具体的には、図示のようにタグイメージの位置および角度のデータを含む。タグイメージの位置および角度は、後述するクリップ作業におけるタグイメージの配置のデータである。購入履歴データは、会員により過去に購入された商品のデータであり、購入商品の商品IDと購入日時を含む。獲得ポイントデータは、各会員が獲得しているポイントの値であり、ポイントの内容は後述する。
【0037】
図3(b)は、マーカーデータベース13に記憶されたデータを示しており、マーカーデータベース13は複数のマーカーのデータを記憶している。マーカーデータベース13は本発明の代表推薦者データベースに相当する。マーカーは、本発明の代表推薦者に相当し、予めマーカーデータベース13に登録されている。マーカーは、多くのユーザの参考になる商品を推薦する人である。マーカーは典型的には有名人である。マーカーは、例えば料理研究家、コピーライタ、映画等のプロデューサ、インテリアコーディネータ、フードコーディネータ、スポーツ選手などである。
【0038】
マーカーデータベース13は、マーカーID、マーカー属性データ(氏名、職業、経歴、写真画像など)および推薦商品データを記憶している。推薦商品データは、マーカーが推薦する商品のデータであり、本発明の推薦アイテムデータに相当する。推薦商品データは、商品IDに加えて、タグイメージの配置のデータを含み、具体的には、タグイメージの位置および角度のデータを含む。タグイメージの位置および角度は、推薦商品データを表示するときのタグイメージの配置のデータであり、マーカーにより指定され、商品選択支援装置1に入力され、登録部19によりマーカーデータベース13に登録されている。
【0039】
図3(c)は、タグイメージ記憶部15に記憶されるデータを示している。タグイメージ記憶部15は、各商品の商品ID、タグIDおよびタグイメージを関連づけて記憶している。タグイメージは、付箋のような小型の画像である。タグイメージは、商品の小型画像、商品の名称および商品の価格を含んでいる。
【0040】
図3(d)は、商品情報データベース17に記憶されるデータを示している。商品情報データベース17は、各商品の商品IDと詳細情報とを含んでいる。図4に示されるように、詳細情報は、商品スペック、コメント、および同一カテゴリの商品リストを含んでいる。商品スペックは、商品画像、商品名および価格を含む。コメントは、マーカーおよび会員のコメントである。
【0041】
図1において、登録部19は、上述した各種のデータの登録処理を行う。登録部19は、新しい会員およびマーカーの登録処理を行い、また、タグイメージおよび商品情報の登録処理を行う。新しい商品のデータも登録部19により登録され、また、商品についてのマーカーおよび会員のコメントも登録部19により登録される。登録部19は、商品選択支援装置1のキーボード等の入出力機能を介して入力されたデータの登録処理を行う。また、登録部19は、ネットワークを介した通信により入力されたデータの登録処理も行う。
【0042】
次に、商品クリップ作業用のクリップボードページを生成および提供するための構成であるクリップボードページ生成部21、マッチングマーカー抽出部23、マッチング会員抽出部25、クリップボードページ提供部27およびタグ表示部29について説明する。これら構成は、会員データベース11に登録された個々の会員ごとにクリップボードページを生成および提供する。
【0043】
マッチングマーカー抽出部23は、クリップボードページの対象会員と類似するマッチングマーカーを、マーカーデータベース13に登録された複数のマーカーから抽出する。この抽出処理において、マッチングマーカー抽出部23は、会員データベース11に記憶されたクリップ商品データとマーカーデータベース13に記憶された推薦商品データに基づいて、対象会員のクリップ商品データと類似する推薦商品データを持つマーカーを求める。
【0044】
より詳細には、マッチングマーカー抽出部23は、対象会員のクリップ商品データと各マーカーの推薦商品データとの類似度を算出する。そして、マッチングマーカー抽出部23は、類似度が所定値以上のマーカーを選出する。
【0045】
図5は、マッチングマーカー抽出部23の抽出処理の例を示している。図5の例では、会員Aが、4人のマーカーP、Q、R、Sと比較される。図5のテーブルでは、会員Aのクリップ商品データに含まれる商品に円マークが付けられている。また、各マーカーの推薦商品データに含まれる商品にも円マークが付けられている。図5のマッチング数は、会員Aと各マーカーの両方にマークが付された商品の数である。例えば、会員AとマーカーPでは、商品b、c、gが重なってマークされており、マッチング数が3である。同様に、マーカーQ、R、Sのマッチング数は、0、2、1である。
【0046】
このように、マッチング数は、会員Aのクリップ商品データと各マーカーの推薦商品データで重なった商品の数である。このマッチング数(重複商品数)が、本実施の形態では、類似度として算出される。そして、マッチング数が所定の類似基準値と比較され、マッチング数が類似基準値以上であれば、マーカーが対象会員と類似すると判定される。
【0047】
図5の例では、類似基準値は、例えば2である。この場合、マーカーP、Rが会員Aに類似し、マッチングマーカーとして抽出される。マーカーQ、Sは会員Aに類似せず、会員Aのマッチングマーカーとして抽出されない。
【0048】
上記の説明から明らかなように、マッチングマーカー抽出部23は、本発明の類似代表推薦者抽出手段に相当し、マッチングマーカーは本発明の類似代表推薦者に相当する。
【0049】
次に、マッチング会員抽出部25について説明する。マッチング会員抽出部25は、上記と同様のマッチング処理を、会員間で行う。マッチング会員抽出部25は、クリップボードページの対象会員と類似するマッチング会員を、会員データベース11に登録された複数の会員から抽出する。この抽出処理において、マッチング会員抽出部25は、会員データベース11に記憶された複数の会員のクリップ商品データに基づいて、対象会員のクリップ商品データと類似するクリップ商品データを持つ会員を求める。
【0050】
より詳細には、マッチング会員抽出部25は、対象会員のクリップ商品データと他の各会員のクリップ商品データとの類似度を算出する。そして、マッチング会員抽出部25は、類似度が所定値以上の会員を選出する。
【0051】
図6は、マッチング会員抽出部25の抽出処理の例を示している。図6の例では、会員Aが、4人の他の会員B、C、D、Eと比較される。図6のテーブルでは、会員A〜会員Eのクリップ商品データに含まれる商品に円マークが付けられている。
【0052】
図6のマッチング数は、図5のマッチング数と同様である。すなわち、マッチング数は、会員Aと各会員B〜Dの両方にマークが付された商品の数である。例えば、会員Aと会員Bでは、商品b、c、gが重なってマークされており、マッチング数が3である。同様に、会員C、D、Eのマッチング数は、0、2、1である。
【0053】
このように、マッチング数は、会員Aのクリップ商品データと他の各会員のクリップ商品データで重なった商品の数である。このマッチング数(重複商品数)が、本実施の形態では、類似度として算出される。そして、マッチング数が所定の類似基準値と比較され、マッチング数が類似基準値以上であれば、該当会員が対象会員と類似すると判定される。
【0054】
図6の例では、類似基準値は、例えば2である。この場合、会員B、Dが会員Aに類似し、マッチング会員として抽出される。会員C、Eは会員Aに類似せず、会員Aのマッチング会員として抽出されない。
【0055】
上記の説明から明らかなように、マッチング会員抽出部25は、本発明の類似ユーザ抽出手段に相当し、マッチング会員は本発明の類似ユーザに相当する。
【0056】
上記の説明では、マッチングマーカーおよびマッチングユーザが、共通商品の数に応じた類似度に基づいて選択され、類似度が具体的にはマッチング数であった。しかし、類似度はマッチング数に限定されず、他の種類の類似度が抽出処理に用いられてよい。例えば、会員データベース11およびマーカーデータベース13は、クリップ商品データおよび推薦商品データの一部として、タグイメージの配置(位置および角度)を記憶している。各会員毎および各マーカー毎に、タグイメージの配置の特徴を表す配置パラメータが求められ、配置パラメータの類似度が求められてよい。配置パラメータは、タグイメージの配置のばらつき度合い(散布度)を表す統計的なパラメータであり、例えば、位置および角度の分散などである。このような配置パラメータの類似性に基づいてマッチングマーカーおよびマッチングユーザが抽出されてよい。配置パラメータは、上記のマッチング数のような商品選択の類似性と併用されてよい。配置パラメータについては後述にてより詳細に説明する。
【0057】
次にクリップボードページ生成部21について説明する。クリップボードページ生成部21は、上記のマッチングマーカー抽出部23およびマッチング会員抽出部25により抽出されたマッチングマーカーおよびマッチング会員の情報を利用して、対象会員のクリップボードページを生成する。クリップボードページは、推薦商品の提示とクリップ作業(選択作業)に使用される。
【0058】
クリップボードページ生成部21は本発明のアイテム選択作業ページ生成手段に相当し、クリップボードページは本発明のアイテム選択作業ページに相当する。クリップボードページ生成部21(選択作業ページ生成手段)は、商品選択支援装置1(アイテム選択支援装置)に予め記憶されているクリップボードページ(アイテム選択作業ページ)のグラフィックのフォーマットのデータを読み出して、読み出したデータに従ってクリップボードページの画像を生成する。このデータは、クリップボードページに表示すべき各種画像や機能ボタンの位置等を規定するデータである。
【0059】
図7および図8は、クリップボードページ生成部21により生成されるクリップボードページを示している。クリップボードページ生成部21は、クリップボードページ上に、マーカーエリア、自分エリア(対象会員エリア)およびともだちエリアを設定する。図の例では、クリップボードページが3つに分割されて、3つのほぼ同じ大きさのエリアが設定されている。3つのエリアのサイズは異なってよく、また、各エリアのサイズを変更可能でよい。また、各エリアをクローズ可能でもよい。マーカーエリア、自分エリアおよびともだちエリアは、それぞれ、本発明の類似代表推薦者領域、対象ユーザ領域および類似ユーザ領域に相当する。
【0060】
図7では、クリップボードページ生成部21は、自分エリア(対象会員エリア)に、対象会員のクリップ商品データにより特定される商品を表示する。クリップボードページ生成部21は、上記の表示処理のために、タグ表示部29を備えている。タグ表示部29は、対象会員のクリップ商品データを会員データベース11から読み出す。クリップ商品データは、対象会員が既にクリップしてある商品の商品IDを含んでいる。また、会員データベース11は、クリップ商品データの一部として、クリップしてある商品のタグイメージの位置および角度も登録している。
【0061】
タグ表示部29は、クリップ商品データに含まれた全部の商品IDのタグイメージを、タグイメージ記憶部15から読み出す。そして、タグ表示部29は、クリップ商品データに含まれた位置および角度で、タグイメージを自分エリア中に表示させる。タグ表示部29は本発明のアイテム表示手段の一形態である。
【0062】
また、図7では、クリップボードページ生成部21は、マーカーエリアにマッチングマーカーの一覧を表示する。マッチングマーカーは、マッチングマーカー抽出部23によって抽出されたマーカーである。図5で抽出されるマーカーP、Rを含む複数のマッチングマーカーが表示されている。
【0063】
また、クリップボードページ生成部21は、ともだちエリアにマッチング会員の一覧を表示する。マッチング会員は、マッチング会員抽出部25によって抽出された会員である。図6の処理で抽出された会員B、Dを含む複数のマッチング会員が表示されている。
【0064】
マーカーエリアに表示されるマッチングマーカーの最大の数(上限)が設定されてもよい。この場合、抽出されたマッチングマーカーの数が設定数より大きければ、類似度が大きい順から設定数のマッチングマーカーが選ばれる。マッチング会員についても同様である。
【0065】
また、クリップボードページ生成部21は、自分エリアに、ポイント確認ボタンおよび購入マークを表示している。これらのボタンおよびマークの機能は後述する。
【0066】
図7のクリップボードページは、クリップボードページ提供部27によりインターネットを介して会員端末コンピュータ5に送られ、会員端末コンピュータ5の画面に表示される。会員端末コンピュータ5では、一人のマッチングマーカーが選択されて、その選択が入力される。また、一人のマッチング会員が選択されて、その選択が入力される。これらの選択の入力が、ネットワーク経由で商品選択支援装置1に送られ、受け付けられる。
【0067】
そして、図8に示されるように、クリップボードページ生成部21は、選択されたマッチングマーカーの推薦商品データにより特定される商品をマーカーエリアに表示し、また、選択されたマッチング会員のクリップ商品データにより特定される商品をともだちエリアに表示する。これらの処理は、本発明における類似代表推薦者推薦アイテムおよび類似ユーザ推薦アイテムの表示にそれぞれ相当する。
【0068】
マーカーエリアおよびともだちエリアの商品表示は、タグ表示部29により、自分エリアの商品表示と同様に行われる。タグ表示部29は、選択されたマッチングマーカーの推薦商品データをマーカーデータベース13から読み出す。推薦商品データは、各マーカーが推薦する商品の商品IDを含んでいる。マーカーデータベース13は、推薦商品データの一部として、タグイメージの位置および角度も登録している。
【0069】
タグ表示部29は、推薦商品データに含まれた全部の商品IDのタグイメージを、タグイメージ記憶部15から読み出す。そして、タグ表示部29は、推薦商品データに含まれた各々のタグの位置および角度で、各々のタグイメージをマーカーエリア中に表示させる。
【0070】
また、タグ表示部29は、選択されたマッチング会員のクリップ商品データを会員データベース11から読み出す。クリップ商品データは、マッチング会員が既にクリップしてある商品の商品IDを含んでおり、また、クリップしてある各商品のタグイメージの位置および角度を含んでいる。
【0071】
タグ表示部29は、クリップ商品データに含まれた全部の商品IDのタグイメージを、タグイメージ記憶部15から読み出す。そして、タグ表示部29は、クリップ商品データに含まれた各タグの位置および角度で、タグイメージをともだちエリア中に表示させる。タグ表示部29は本発明のアイテム表示手段の一形態である。
【0072】
図8のクリップボードページは、本発明のアイテム選択作業ページ提供手段に相当するクリップボードページ提供部27によりインターネットを経由して会員端末コンピュータ5に送られ、画面に表示される。会員は、タグの商品について更なる情報が欲しいときは、タグをクリックする。このクリック操作が会員端末コンピュータ5に入力されて、商品選択支援装置1のクリップボードページ生成部21に受け付けられる。クリップボードページ生成部21は、商品情報データベース17から、クリックされたタグに該当する商品の詳細情報を読み出し、クリップボードページ上に表示する。詳細情報の載ったクリップボードページが、クリップボードページ提供部27により会員端末コンピュータ5に送られる。
【0073】
次に、商品選択の受付に関する構成であるクリップ受付部31およびクリップ商品登録部33について説明する。会員は、会員端末コンピュータ5のディスプレイに表示されたクリップボードページを見て、マーカーエリアおよびともだちエリアに表示された商品から、クリップしたい商品を選択する。商品クリップが会員端末コンピュータ5に入力されて、インターネット経由で商品選択支援装置1に送られる。クリップ受付部31は、インターネット経由で送られてきた商品クリップの入力を受け付ける。クリップ商品登録部33は、クリップ受付部31により受け付けられた商品を、会員データベース11に対象会員と関連づけて登録する。受け付けられた商品を特定するクリップ商品データが会員データベース11に登録される。クリップ受付部31およびクリップ商品登録部33は、それぞれ、本発明の選択受付手段および選択アイテム登録手段に相当する。
【0074】
図9は、クリップボードページ上での商品クリップ処理を示している。本実施の形態では、タグイメージが下記のように好適に利用される。本実施の形態では、会員は、商品クリップ操作として、マーカーエリアおよびともだちエリアから自分エリアへと、所望の商品のタグイメージをドラッグし、移動する。ドラッグ操作により、タグイメージが、自分エリアにコピーされる。このドラッグ操作のデータが、クリップされた商品を特定するデータとなり、会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送信される。
【0075】
また、本実施の形態では、ドラッグされたタグイメージの自分エリア内での位置データが、商品選択支援装置1に送信され、クリップ受付部31に受け付けられる。クリップ商品登録部33は、タグイメージの位置を、該当商品のクリップ商品データの一部として会員データベース11に登録する。
【0076】
さらに、本実施の形態では、クリップボードページが、ドラッグ操作と共に、タグイメージを自分エリア内で回転可能に構成されている。回転後のタグイメージの角度データが、位置データと共に送信され、クリップ受付部31に受け付けられる。クリップ商品登録部33は、タグイメージの角度データも会員データベース11に登録する。このようなタグ位置および角度のデータが、タグ配置のデータとして、上述のクリップボードページの生成時に使用される。
【0077】
次に、商品購入に関する構成である購入要求受付部35および購入処理部37について説明する。図7に示されるように、クリップボードページの自分エリアには、購入マークが表示されている。購入マークは、いわゆるカートへのアイテム移動の機能を有し、実際のシステムでは購入マークがカートの画像でもよい。
【0078】
会員は、自分エリアにクリップされた商品を購入するとき、該当商品のタグイメージを選択し、それから、そのタグイメージを購入マークの上にドラッグする。タグイメージが購入マークにドラッグされると、そのタグイメージが、購入用のカートに入れられる。図示されないが、会員Aの操作に応じてカートページが表示されると、カートページに、購入対象の商品のタグイメージが表示される。そして、カートページの精算ボタンがクリックされると、購入要求が、会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送信されて、購入要求受付部35に受け付けられる。購入要求受付部35が購入要求を受け付けると、購入処理部37が、カートに入っているタグイメージに対応する商品の購入処理を行う。購入処理部37は、図1に示された決済サーバ7と通信を行って、対象商品の金額についての決済処理を行う。また、購入処理部37は、会員データベース11の該当会員の購入履歴を更新して、該当商品の購入履歴を記録する。購入履歴は、商品ID、購入日時、購入数量、購入金額を含む。なお、購入用のエリア(またはカートエリア)が設けられ、このエリアにも、クリップ用の自分エリアと同様に、タグイメージをマーカーエリアおよびともだちエリアからドラッグ可能でよい。このドラッグも本実施の形態のアイテム選択またはクリッピングに含まれてよく、このドラッグ操作が商品選択支援装置1の会員データベース11に登録されてよい。
【0079】
次に、マーカー昇格機能を実現するための構成であるポイント更新部41および昇格処理部43について説明する。
【0080】
ポイント更新部41は、各会員がマッチング会員に選ばれて、その会員のクリップ商品が他の会員によってクリップされたときに、会員データベース11に記憶された会員のポイントを更新し、増大させる。したがって、各会員のポイントは、他の会員から自分のクリップ商品がドラッグされると増加する。
【0081】
ポイントの更新は下記のようにして行われる。ここでは、会員Aのマッチング会員として会員Bが選ばれ、会員Aのクリップボードページのともだちエリアに会員Bのクリップ商品が表示されているとする。
【0082】
会員Aは、図9を用いて説明したように、ともだちエリアに表示された会員Bのクリップ商品のタグイメージを自分エリアにドラッグすることにより、商品をクリップできる。このドラッグ操作が、会員Aの商品クリップ動作のデータとして会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送られる。クリップ受付部31は、前述のように、商品クリップを受け付け、クリップ商品登録部33は、会員データベース11の会員Aのデータを更新してクリップ商品を登録する。このとき、ポイント更新部41は、商品をクリップされた会員Bの獲得ポイントを更新する処理を会員データベース11に対して行う。例えば、会員Bのクリップ商品が他の会員により1回クリップされるたびに、1ポイントが会員Bに与えられる。
【0083】
このようにして、会員データベース11は、各会員のポイントを記録する。ポイントは、各会員がマッチング会員に選ばれてその会員のクリップ商品が他のユーザからクリップされた回数である被選択回数に応じた値になっている(上記の例では、被選択回数とポイントが一致している)。別の言い方では、被選択回数は、他の会員により自分のページが閲覧されて自分のページの商品がクリップされた回数である。
【0084】
次に、昇格処理部43の機能を説明する。昇格処理部43は、会員データベース11に記録された各会員の獲得ポイントを参照し、獲得ポイントが所定の昇格ポイントに達したか否かを判定する。ある会員の獲得ポイントが昇格ポイントに達すると、昇格処理部43は、該当会員をマーカーに昇格する処理を行う。この処理では、該当会員のデータが、会員データベース11からマーカーデータベース13にコピーされる。そして、該当会員は、会員出身マーカーとしてマーカーデータベース13に登録される。該当会員のクリップ商品データもマーカーデータベース13に登録され、マーカーの推薦商品データとなる。上記の会員出身マーカーは、本発明のユーザ出身代表推薦者に相当する。
【0085】
会員出身マーカーのデータは、他の予め登録された有名人のデータと同様に処理される。したがって、会員出身マーカーも、類似度に応じてマッチングマーカーに選ばれ、会員出身マーカーの情報が他の会員のクリップボードページのマーカーエリアに提示される。
【0086】
会員出身マーカーになった会員のデータは、会員データベース11にも残されてよい。そして、会員データベース11は、該当会員がマーカーに昇格したことも記録する。以降は、会員出身マーカーがさらに商品クリップ等を行うと、会員データベース11とマーカーデータベース13の両方にデータが記録される。
【0087】
また、会員出身マーカーのデータは、マーカーデータベース13にコピーされず、会員データベース11に保持されてもよい。この場合、会員データベース11がマーカーデータベース13として機能してよい。そして、会員データベース11の会員出身マーカーのデータが、マーカーデータベース13のマーカーのデータと同様に処理されてよい。
【0088】
上記の昇格処理は、各会員のポイントが更新されるときに行われてよい。また、昇格処理は、全会員を対象として定期的に行われてよい。
【0089】
また、マーカーへの昇格は、昇格処理部43により、該当会員へ通知される。例えば、該当会員が自分のクリップボードページを表示したときに、クリップボードページ上に、マーカーへの昇格のメッセージが表示されてよい。また、商品選択支援装置1がメールサーバ機能を備え、マーカー昇格を伝えるメッセージを記載したメールを送信してもよい。
【0090】
また、図7に示したように、クリップボードページの自分エリアには、ポイント確認ボタンが表示される。会員は、ポイント確認ボタンをクリックして、自分のポイントを確認できる。ポイント確認ボタンのクリックが、会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1へ伝えられ、商品選択支援装置1は、獲得ポイントを会員データベース11から読み出して会員端末コンピュータ5に送信し、クリップボードページ上に表示させる。
【0091】
以上に、商品選択支援装置1の各部の構成および機能について説明した。次に、商品選択支援装置1の全体的な動作を説明する。ここでは、会員Aが本システムを利用する場合を例として用いる。
【0092】
会員Aの会員端末コンピュータ5は、商品選択支援装置1が提供するWEBサイトにアクセスし、会員Aにより入力された会員ID等のデータを商品選択支援装置1に送る。商品選択支援装置1では、クリップボードページ生成部21が会員IDを受け付けて、会員Aのクリップボードページを生成する。クリップボードページ生成部21は、マッチングマーカー抽出部23およびマッチング会員抽出部25に、会員Aのマッチングマーカーおよびマッチング会員の抽出を要求する。
【0093】
マッチングマーカー抽出部23およびマッチング会員抽出部25は、クリップボードページ生成部21の要求に応えて、マッチングマーカーおよびマッチング会員を抽出する。そして、クリップボードページ生成部21は、図7を用いて説明したように、会員Aのクリップボードページを生成する。
【0094】
図7のクリップボードページは、クリップボードページ提供部27により会員端末コンピュータ5に送られ、ディスプレイに表示される。図7のクリップボードページでは、マーカーエリアおよびともだちエリアに、複数のマッチングマーカーおよび複数のマッチング会員が表示されている。会員端末コンピュータ5に、一人のマッチングマーカーおよび一人のマッチング会員の選択が入力される。この選択が商品選択支援装置1に送られ、クリップボードページ生成部21に受け付けられる。クリップボードページ生成部21は、選択されたマーカーの推薦商品のタグイメージをマーカーエリアに表示し、また、選択された会員のクリップ商品のタグイメージをともだちエリアに表示する。これにより、会員端末コンピュータ5では、図8のクリップボードページが表示される。こうして会員Aはマーカーおよび他の会員のページを閲覧できる。
【0095】
会員Aは、図9に示したように、クリップボードページを見て、マーカーエリアおよびともだちエリアに表示された所望のタグイメージを自分エリアにドラッグする。このドラッグ操作のデータが、会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送られて、クリップ受付部31に受け付けられる。クリップ商品登録部33は、ドラッグされたタグイメージに対応する商品を、会員データベース11の会員Aのクリップ商品データとして登録する。このとき、自分エリア内でのタグイメージの位置および角度も登録される。
【0096】
会員Aは、会員端末コンピュータ5を操作して、マッチングマーカーを変えたり、マッチング会員を変えることができる。会員Aの操作のデータが商品選択支援装置1に送られ、会員Aに選択されたマーカーおよび会員のデータがクリップボードページに表示される。
【0097】
また、会員Aは、前にクリップしたタグイメージを消去することもできる。この消去操作のデータも会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送られ、該当商品のデータが、会員データベース11の会員Aのクリップ商品データから削除される。
【0098】
会員Aは、クリップしてある商品を購入したいときは、その商品のタグイメージを購入マークにドラッグする。そして、会員Aは、カートのページを開き、カート内のタグイメージを確認して、精算ボタンをクリックする。この操作のデータが、購入要求として商品選択支援装置1に送信され、購入要求受付部35および購入処理部37が上述した購入のための処理を行う。購入履歴は会員データベース11に記録される。
【0099】
会員Aのクリップボードページのともだちエリアに会員Bのデータが表示されたとする。そして、会員Bのクリップ商品が、会員Aによりドラッグされ、クリップされたとする。この場合、商品選択支援装置1では、ポイント更新部41が、会員データベース11の会員Bのポイントを増大させる。
【0100】
上記の処理により、会員Bの獲得ポイントが昇格ポイントに達したとする。この場合、昇格処理部43は、会員Bを会員出身マーカーに昇格する処理を行う。上述したように、会員Bのデータがマーカーデータベース13にコピーされ、会員Bのデータが他のマーカーのデータと同様に処理される。マーカーへの昇格は、会員Bに通知される。
【0101】
各会員は、自分のクリップボードページのポイント確認ボタンをクリックして、自分の獲得ポイントを確認できる。このとき、商品選択支援装置1では獲得ポイントが会員データベース11から読み出され、ポイントが会員端末コンピュータ5に送られて表示される。
【0102】
上記より、本実施の形態の商品選択支援装置1を利用することにより、ユーザは、付箋のようなタグを動かすことで、ビジブルに商品を選択できる。このようなインターフェースの提供により、ユーザは、より直感的に買い物ができる。
【0103】
また、クリップボードページでは、ユーザ自身のエリアとマーカーエリアおよびともだちエリアがぴったり並べられている。マーカーが推奨する商品のタグを動かすことにより商品を容易に選択したり購入できる。ともだちエリアについても同様である。
【0104】
また、会員は、自分のエリアにあるタグを自由に動かし、自分の見やすいクリップボードページを作れ、直感的な商品選択ができる。一方、会員は、他の会員のタグは動かせない。しかし、上述したタグイメージの位置と角度の登録により、他の会員のタグ配置が、クリップボードページ上のともだちエリアで再現される。これにより、会員は、ともだちエリアに表示された他の会員の人柄を感じることができる。マーカーについても同様である。このようなタグ配置の再現が、アナログ的でヒューマンタッチな商品選択の実現に寄与し、商品選択の楽しさを増大することができる。
【0105】
また、会員がよい商品を選択しているほど、他の会員から参照される機会が増え、ポイントが増大する。マーカーになれば、他の会員に影響を与えることができ、マーカーになることは会員にとって名誉である。そこで、マーカーになりたい会員は、よい商品の情報を集めて、自分のクリップボードページを充実させていく。このようにして、よい商品の選択が促進され、また、よい商品の情報の会員間での伝達も促進される。
【0106】
以下、上記の実施の形態の変形例および応用例について説明する。まず、マッチングマーカーおよびマッチングユーザの抽出処理に使われる類似度に関する変形例および応用例を説明する。
【0107】
上記の実施の形態では、会員とマーカーの類似度を算出するとき、会員のクリップ商品とマーカーの推薦商品のデータが用いられ、より詳細には、両データでの商品のマッチング数が求められた。これに対して、会員の過去の購入商品のデータが、類似度の算出に使われてもよい。類似度(マッチング数)の計算方法は、クリップ商品のデータを使うときと同じでよい。本実施の形態では、クリップ商品の中から商品が選ばれて購入される。したがって、購入商品を使った類似度算出も、クリップ商品を使った類似度算出の一形態である。同様に、会員間の類似度を算出するときも、購入履歴の購入商品データが用いられてよい。
【0108】
上述の実施の形態では、類似度が所定の値以上の複数のマッチングマーカーが抽出された。これに対して、類似度が大きい方から所定の人数のマッチングマーカーが抽出されてもよい。また、類似度が最大のマッチングマーカーのみが抽出されてもよい。マッチング会員についても同様である。
【0109】
また、会員の登録初期段階では、クリップ商品が無いか少ないため、マッチングマーカーおよびマッチング会員が抽出されないことがあり得る。この場合には、適当なマーカーおよび会員のリストがクリップボードページに表示されて、所望のマーカーおよび会員が選択されて、選択されたマーカーの推薦商品および選択された会員のクリップ商品のタグイメージが表示されてよい。ある程度の数のクリップが行われれば、マッチングマーカーおよびマッチング会員が抽出可能になる。
【0110】
また、類似度は、上記のマッチング数に限定されない。マッチング数に加えて他の要素が加味されてよい。また、別の類似度が使われてよい。例えば、周知のJaccard係数が類似度として使われてよく、余弦の値が類似度として使われてよい。例えば、会員Aのクリップ商品がa、b、cであり、会員Bのクリップ商品がb、c、dであれば、類似度(Jaccard係数)は、2/4=0.5である。
【0111】
「配置の類似度」
また、上記で説明した類似度は、会員の選択商品とマーカーの推薦商品の共通商品の数に応じたパラメータであり、具体的にはマッチング数であった。会員同士の類似度も同様のパラメータで表された。しかし、類似度はこれに限定されず、他の類似度が用いられてよく、そして複数種類の類似度が利用されてよい。ここでは、好適な類似度として、タグイメージの配置を使った類似度について説明する。
【0112】
図3を参照して既に説明したように、会員データベース11は、クリップ商品データの一部として、会員ごとに、クリップ商品に対応するタグイメージの配置(自分エリアにおける位置と角度)を記憶している。また、マーカーデータベース13は、推薦商品データの一部として、マーカーごとに、推薦商品に対応するタグイメージの配置(マーカーエリアにおける位置と角度)を記憶している。マッチングマーカー抽出部23は、会員データベース11およびマーカーデータベース13に記憶されたタグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が対象会員と類似するマーカーをマッチングマーカーとして抽出する。また、マッチング会員抽出部25は、会員データベース11に記憶されたタグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が対象会員と類似する会員をマッチング会員として抽出する。
【0113】
より詳細には、タグイメージの配置の特徴を表す配置パラメータが求められ、配置パラメータに基づいてマッチングマーカーおよびマッチング会員が抽出される。配置パラメータは、複数のタグイメージの配置のばらつき(散布度)を統計的に表すパラメータである。本実施の形態では、配置のデータはタグイメージの位置と角度である。そして、配置パラメータは、位置のばらつきを表す位置パラメータと、角度のばらつきを表す角度パラメータである。配置パラメータを配置特性パラメータといい、位置パラメータおよび角度パラメータを位置特性パラメータおよび角度特性パラメータといってもよい。
【0114】
位置パラメータは、例えば、タグイメージの位置の分散である。一人の会員Aの位置パラメータは、下記のようにして得られる。まず、会員データベース11から、会員Aのクリップ商品データが参照されて、全クリップ商品のタグイメージの位置が求められる。この位置データを使って、各タグイメージのエリア中心(自分エリア中心)からの距離が求められ、そして、この距離の分散が求められる。分散は、周知のように、データの偏差を二乗した値の総和を、データ数Nで割った数である。偏差は、データの値Xiと平均Xの差である。マーカーの位置パラメータも、マーカーデータベース13の位置データを用いて同様に算出される。
【0115】
位置パラメータは、分散以外でもよく、例えば、位置パラメータは標準偏差(すなわち上記分散の平方根)でもよい。また、位置パラメータは、単に、中心からの距離の二乗の総和をデータ数で割った値でもよい。
【0116】
次に、角度パラメータは、例えば、タグイメージの角度の分散である。一人の会員Aの角度パラメータを求めるためには、会員データベース11から会員Aのクリップ商品データが参照されて、全クリップ商品のタグイメージの角度が求められ、そして、角度の分散が求められる。マーカーの角度パラメータも、マーカーデータベース13の角度データを用いて同様に算出される。角度パラメータも、分散以外でもよく、例えば、角度パラメータは標準偏差でもよい。
【0117】
上記の位置パラメータと角度パラメータを用いて、各会員と各マーカーのタグ配置の類似度が評価される。この評価は例えば下記のようにして行われる。一の会員の位置パラメータと一のマーカーの位置パラメータの差が、位置類似度として求められる。また、同会員の角度パラメータと同マーカーの角度パラメータの差が、角度類似度として求められる。位置類似度および角度類似度が小さいほど、位置と角度のばらつき度合いが似ており、配置の特徴が類似している。位置類似度(偏差)が所定の基準値(位置類似基準値)以下であり、角度類似度(偏差)が所定の基準値(角度類似基準値)以下であるとき、会員とマーカーが類似すると判定され、マーカーがマッチングマーカーになる。
【0118】
会員同士の類似の判定も同様でよい。二人の会員における位置パラメータの差が、位置類似度として求められる。また、これら会員における角度パラメータの差が、角度類似度として求められる。位置類似度(偏差)が所定の基準値(位置類似基準値)以下であり、角度類似度(偏差)が所定の基準値(角度類似基準値)以下であるとき、両会員が類似すると判定され、一方の会員が他方の会員のマッチング会員になる。
【0119】
上記の構成により、タグイメージの配置の特徴が対象会員と類似するマッチングマーカーが抽出される。タグイメージの配置は、対象会員およびマーカーの個性を反映している。したがって、タグイメージの配置が類似するマーカーを抽出することで、適当なマッチングマーカーを抽出できる。マッチング会員についても、マッチングマーカーと同様であり、会員の個性を表すタグイメージ配置に基づくことにより適当なマッチング会員を抽出可能である。
【0120】
なお、タグイメージの配置は、上述の実施の形態で説明してきた共通商品数に応じた類似度と共に、類似の判定に好適に利用される。共通商品数の類似度は、上記の例ではマッチング数である。マッチングマーカー抽出部23は、マッチング数に基づいて対象会員に類似すると判定され、かつ、タグ配置に基づいて対象会員に類似すると判定されるマーカーを、マッチングマーカーとして抽出してよい。同様に、マッチング会員抽出部25は、マッチング数に基づいて対象会員に類似すると判定され、かつ、タグ配置に基づいて対象会員に類似すると判定される会員を、マッチング会員として抽出してよい。
【0121】
さらに、上記の判定に優劣が付けられてもよい。例えば、マッチング数を使った判定とタグ配置を使った判定で、共通のマーカーが見つからないとする。この場合、マッチング数だけに基づいてマッチングマーカーが決定される。同様に、マッチング数の判定とタグ配置の判定で共通の会員が見つからないとき、マッチング数だけに基づいてマッチング会員が決定される。このような判定は、商品の好みを重視でき、適切なマッチングマーカーおよびマッチング会員を選択できると考えられる。
【0122】
また、マッチング数を使った判定で類似するマーカーが見つからないとき、タグ配置だけを使って類似するマーカーが決定されてよい。同様に、マッチング数を使った判定で類似する会員が見つからないとき、タグ配置だけを使って類似する会員が決定されてよい。これにより、共通商品の観点から類似するマーカーおよび会員がいない場合でも、マッチング会員およびマッチング会員を抽出可能である。
【0123】
以上に、マッチングマーカーおよびマッチングユーザの抽出処理に使われる類似度に関する変形例および応用例について説明した。次に、その他の事項についての変形例および応用例を説明する。
【0124】
上述の実施の形態では、アイテムが商品であった。商品は物品に限られない。商品は、映像や音楽などのコンテンツの電子データでもよい。また、アイテムは商品以外でもよい。例えば、アイテムは、情報である。情報は、例えば、時事ニュースであり、また例えばお勧めプレイスポットである。本発明の装置が、商品と情報の両方を提供してもよい。
【0125】
また、上述の実施の形態では、ポイントは、被選択回数(他の会員から自分のクリップ商品がクリップされた回数)の累積値であった。ポイントは、他の要因でも加算されてよい。例えば、ポイントは、さらに購入実績を含んでよい。この場合、会員が商品を購入したときに自分のポイントが増大する。また、ポイントの加算要因に応じて、付加ポイント数が異なってよい。
【0126】
また、ポイントは、マーカーへの昇格処理以外にも利用可能であってよい。例えば、貯まったポイントを商品購入に利用可能であってよい。
【0127】
クリップボードページの自分エリアには、さらに他の機能が備えられてよい。例えば、定期購入および履歴確認のボタンが表示される。各ボタンがクリックされると、ボタン操作のデータが商品選択支援装置1に送られ、商品選択支援装置1は、操作されたボタンに応じてクリップボードページへの情報の表示等の処理を行う。
【0128】
また、各会員は、クリップボードページを使って、商品についてのコメントを入力してよい(情報の投稿)。例えば、会員は、自分で使ってよかったと思う商品のコメントを入力する。この推薦コメントは、会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送られ、登録部19により商品情報データベース17に登録される。そして、商品情報データベース17の商品詳細情報にコメントが加えられる。
【0129】
また、各会員は、新しい商品を紹介することもできる(商品の登録)。商品選択支援装置1のWEBページを利用して新しい商品の情報が入力され、商品情報が会員端末コンピュータ5から商品選択支援装置1に送信され、登録部19により商品情報データベース17に登録される。また、ウェブページを利用してタグイメージも生成され、タグイメージがタグイメージ記憶部15に格納されてよい。
【0130】
マーカーデータベース13は、マーカーの推薦商品データとして、既存商品の他に、マーカーのオリジナル商品のデータも記憶してよい。オリジナル商品は、例えば、「マーカー“P”の朝食セット」である。オリジナル商品のタグイメージおよび詳細情報も、既存商品のデータと同様に、タグイメージ記憶部15および商品情報データベース17に記憶される。そして、オリジナル商品の情報も同様にして提供される。
【0131】
また、マーカーデータベース13は、マーカーの商品開発アイデアも記憶してよい。商品開発アイデアも同様に処理される。そして、タグイメージがマーカーエリアに並べられ、詳細情報も提供される。
【0132】
商品選択支援装置1は、上記のようなマーカーおよび他の会員からの推薦を受ける機能の他に、通常の商品検索の機能も備えてよい。商品データベースが備えられ、カテゴリ検索や商品名検索により商品が選択されてよい。
【0133】
マーカーデータベース13は、各マーカーを紹介する紹介情報を記憶してよい。そして、クリップボードページのマーカーエリアには、紹介ボタンが表示されてよい。紹介ボタンが操作されると、紹介情報がマーカーデータベース13から読み出され、会員端末コンピュータ5を介して出力される。紹介情報は、動画でもよく、ブログでもよい。紹介情報は、雑誌の記事のような画像でもよい。
【0134】
会員がマーカーにメールを送信可能でもよい。例えば、一人のマッチングマーカーのデータがマーカーエリアに表示されるとき、マーカーエリア内にメールボタンが表示される。メールボタンがクリックされ、メッセージがメールに書き込まれ、そして、メールが送信される。メールには、マーカーのアドレスは自動的に設定されてよい。同様のメールボタンがともだちエリアにも設けられてよく、メールがマッチング会員にも送られてよい。
【0135】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上のように、本発明にかかるアイテム選択支援装置は、ネットワーク経由でユーザ端末上に商品等の推薦アイテムを提示してアイテム選択を支援することができ、情報提供装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態における商品選択支援装置および関連構成からなるシステムを示す図である。
【図2】商品選択支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】商品選択支援装置に備えられたデータベースを示す図である。
【図4】商品情報データベースに記憶される商品詳細情報を示す図である。
【図5】会員とマーカーの類似度を求める処理を示す図である。
【図6】会員同士の類似度を求める処理を示す図である。
【図7】クリップボードページを示す図である。
【図8】クリップボードページを示す図である。
【図9】クリップボードページ上での商品クリップ操作を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
1 商品選択支援装置
3 インターネット
5 会員端末コンピュータ
7 決済サーバ
11 会員データベース
13 マーカーデータベース
15 タグイメージ記憶部
17 商品情報データベース
19 登録部
21 クリップボードページ生成部
23 マッチングマーカー抽出部
25 マッチング会員抽出部
27 クリップボードページ提供部
29 タグ表示部
31 クリップ受付部
33 クリップ商品登録部
35 購入要求受付部
37 購入処理部
41 ポイント更新部
43 昇格処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを経由して複数の推薦アイテムを提示し、前記複数の推薦アイテムの中から選択される選択アイテムの入力を受け付け、前記選択アイテムを特定する選択アイテムデータを登録するアイテム選択支援装置であって、
複数のユーザのデータを記憶するユーザデータベースであって、少なくとも、各ユーザの前記選択アイテムデータを記憶するユーザデータベースと、
予め登録された複数の代表推薦者のデータを記憶する代表推薦者データベースであって、少なくとも、各代表推薦者が推薦するアイテムを特定する推薦アイテムデータを記憶する代表推薦者データベースと、
前記ユーザデータベースに登録された個々のユーザのために、前記推薦アイテムの情報の提供と選択作業に使用されるアイテム選択作業ページを生成するアイテム選択作業ページ生成手段と、
各々のアイテム選択作業ページの対象ユーザについての処理として、前記ユーザデータベースに記憶された前記選択アイテムデータと前記代表推薦者データベースに記憶された前記推薦アイテムデータに基づいて、前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記推薦アイテムデータを持つ類似代表推薦者を抽出する類似代表推薦者抽出手段と、
前記類似代表推薦者の前記推薦アイテムデータにより特定される類似代表推薦者推薦アイテムを前記アイテム選択作業ページ上に設定された類似代表推薦者領域に表示させるアイテム表示手段と、
前記アイテム選択作業ページをネットワーク経由で前記対象ユーザに提供するアイテム選択作業ページ提供手段と、
前記アイテム選択作業ページに表示された前記類似代表推薦者推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた前記類似代表者推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する選択アイテム登録手段と、
を備えたことを特徴とするアイテム選択支援装置。
【請求項2】
前記ユーザデータベースに記憶された前記複数のユーザの前記選択アイテムデータに基づいて前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記選択アイテムデータを持つ類似ユーザを抽出する類似ユーザ抽出手段を備え、
前記アイテム表示手段は、さらに、前記類似ユーザの前記選択アイテムデータにより特定される選択アイテムを類似ユーザ推薦アイテムとして前記アイテム選択作業ページに設定された類似ユーザ領域に表示させ、
前記選択受付手段は、さらに、前記類似ユーザ推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、
前記選択アイテム登録手段は、さらに、前記選択受付手段により受け付けられた前記類似ユーザ推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録することを特徴とする請求項1に記載のアイテム選択支援装置。
【請求項3】
推薦対象になる各アイテム毎の画像であるタグイメージを記憶するタグイメージ記憶部を備え、
前記アイテム表示手段は、前記類似代表推薦者推薦アイテムおよび前記類似ユーザ推薦アイテムのタグイメージを前記アイテム選択作業ページの前記類似代表推薦者領域および前記類似ユーザ領域にそれぞれ表示し、
前記選択受付手段は、前記類似推薦代表者領域および前記類似ユーザ領域から、前記アイテム選択作業ページに設定された対象ユーザ領域への前記タグイメージのドラッグを前記アイテム選択の入力として受け付けることを特徴とする請求項2に記載のアイテム選択支援装置。
【請求項4】
前記選択アイテム登録手段は、前記対象ユーザ領域へドラッグされた前記タグイメージの前記対象ユーザ領域内での配置を前記ユーザデータベースに登録し、
前記アイテム表示手段は、前記ユーザデータベースに登録された配置で前記タグイメージを前記対象ユーザ領域に表示することを特徴とする請求項3に記載のアイテム選択支援装置。
【請求項5】
前記ユーザデータベースは、前記選択アイテムデータとして、ユーザごとに、選択アイテムに対応するタグイメージの前記対象ユーザ領域での配置を記憶し、
前記代表推薦者データベースは、前記推薦アイテムデータとして、代表推薦者ごとに、推薦アイテムに対応するタグイメージの前記代表推薦者領域での配置を記憶し、
前記類似代表推薦者抽出手段は、前記ユーザデータベースおよび前記類似代表者データベースに記憶された前記タグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が前記対象ユーザと類似する代表推薦者を抽出し、
前記類似ユーザ抽出手段は、前記ユーザデータベースに記憶された前記タグイメージの配置のデータに基づき、タグイメージの配置の特徴が前記対象ユーザと類似するユーザを抽出することを特徴とする請求項4に記載のアイテム選択支援装置。
【請求項6】
前記ユーザデータベースは、各ユーザが前記類似ユーザに選ばれて該ユーザの選択アイテムが類似ユーザ推薦アイテムとして他のユーザから選択された回数である被選択回数に応じたポイントを記録し、
前記ポイントが所定の昇格ポイントに達したユーザをユーザ出身代表推薦者として前記代表推薦者データベースに登録するとともに、前記ユーザ出身代表出身者の前記選択アイテムデータを前記推薦アイテムデータとして前記代表推薦者データベースに登録する昇格処理手段が備えられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のアイテム選択支援装置。
【請求項7】
ネットワークを経由して複数の推薦アイテムを提示し、前記複数の推薦アイテムの中から選択される選択アイテムの入力を受け付け、前記選択アイテムを特定する選択アイテムデータを登録するコンピュータシステムであるアイテム選択支援装置によるアイテム選択支援方法であって、
複数のユーザのデータを記憶するユーザデータベースであって、少なくとも、各ユーザの前記選択アイテムデータを記憶するユーザデータベースを利用し、
予め登録された複数の代表推薦者のデータを記憶する代表推薦者データベースであって、少なくとも、各代表推薦者が推薦するアイテムを特定する推薦アイテムデータを記憶する代表推薦者データベースを利用し、
前記ユーザデータベースに登録された個々のユーザのために、前記推薦アイテムの情報の提供と選択作業に使用されるアイテム選択作業ページを生成し、
各々のアイテム選択作業ページの対象ユーザについての処理として、前記ユーザデータベースに記憶された前記選択アイテムデータと前記代表推薦者データベースに記憶された前記推薦アイテムデータに基づいて、前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記推薦アイテムデータを持つ類似代表推薦者を抽出し、
前記類似代表推薦者の前記推薦アイテムデータにより特定される類似代表推薦者推薦アイテムを前記アイテム選択作業ページ上に設定された類似代表推薦者領域に表示し、
前記アイテム選択作業ページをネットワーク経由で前記対象ユーザに提供し、
前記アイテム選択作業ページに表示された前記類似代表推薦者推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、
受け付けられた前記類似代表者推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する、
ことを特徴とするアイテム選択支援方法。
【請求項8】
前記ユーザデータベースに記憶された前記複数のユーザの前記選択アイテムデータに基づいて前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記選択アイテムデータを持つ類似ユーザを抽出し、
前記類似ユーザの前記選択アイテムデータにより特定される選択アイテムを類似ユーザ推薦アイテムとして前記アイテム選択作業ページに設定された類似ユーザ領域に表示させ、
前記類似ユーザ推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、
前記選択受付手段により受け付けられた前記類似ユーザ推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する、
ことを特徴とする請求項7に記載のアイテム選択支援方法。
【請求項9】
ネットワークを経由して複数の推薦アイテムを提示し、前記複数の推薦アイテムの中から選択される選択アイテムの入力を受け付け、前記選択アイテムを特定する選択アイテムデータを登録する処理をコンピュータシステムであるアイテム選択支援装置に実行させるアイテム選択支援プログラムであって、
複数のユーザのデータを記憶するユーザデータベースであって、少なくとも、各ユーザの前記選択アイテムデータを記憶するユーザデータベースを利用し、
予め登録された複数の代表推薦者のデータを記憶する代表推薦者データベースであって、少なくとも、各代表推薦者が推薦するアイテムを特定する推薦アイテムデータを記憶する代表推薦者データベースを利用し、
前記ユーザデータベースに登録された個々のユーザのために、前記推薦アイテムの情報の提供と選択作業に使用されるアイテム選択作業ページを生成し、
各々のアイテム選択作業ページの対象ユーザについての処理として、前記ユーザデータベースに記憶された前記選択アイテムデータと前記代表推薦者データベースに記憶された前記推薦アイテムデータに基づいて、前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記推薦アイテムデータを持つ類似代表推薦者を抽出し、
前記類似代表推薦者の前記推薦アイテムデータにより特定される類似代表推薦者推薦アイテムを前記アイテム選択作業ページ上に設定された類似代表推薦者領域に表示し、
前記アイテム選択作業ページをネットワーク経由で前記対象ユーザに提供し、
前記アイテム選択作業ページに表示された前記類似代表推薦者推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、
受け付けられた前記類似代表者推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する、
処理を前記コンピュータシステムに実行させることを特徴とするアイテム選択支援プログラム。
【請求項10】
前記ユーザデータベースに記憶された前記複数のユーザの前記選択アイテムデータに基づいて前記対象ユーザの前記選択アイテムデータと類似する前記選択アイテムデータを持つ類似ユーザを抽出し、
前記類似ユーザの前記選択アイテムデータにより特定される選択アイテムを類似ユーザ推薦アイテムとして前記アイテム選択作業ページに設定された類似ユーザ領域に表示させ、
前記類似ユーザ推薦アイテムからのアイテム選択の入力を受け付け、
前記選択受付手段により受け付けられた前記類似ユーザ推薦アイテムを前記選択アイテムとして特定する前記選択アイテムデータを前記対象ユーザと関連づけて前記ユーザデータベースに登録する、
処理を前記コンピュータシステムに実行させることを特徴とする請求項9に記載のアイテム選択支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−200099(P2007−200099A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18913(P2006−18913)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(391058381)キリンビバレッジ株式会社 (94)
【出願人】(000151092)株式会社電通 (57)
【Fターム(参考)】