説明

アイルキャップ装置及びアイルキャップ方法

【課題】機器の排熱を効率化を容易にし、あるいはキャッピングを容易にするためのアイルキャップ装置等を提供する。
【解決手段】ラックRに収納された機器の排熱のために流れる気流の経路を制御するため、ラックRの頂部からラックRの前面方向又は背面方向に突出するようにスライドバー4を固定し、気流を遮断する材質からなるアイルカーテン5を、冷気の導入口D(又は暖気の排出口)とラックRの前面又は背面とを囲むために、スライドバー4に着脱可能な形で装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の排熱の経路をコントロールするためのアイルキャップ装置及びアイルキャップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューターなどの電気機器には、その発熱による異常動作などを防ぐため、発熱により生じた暖気を排気する構造が採られているものが多い。また、機器を冷却するための冷気を外部から供給(給気)する手法も行われている。
【0003】
もっとも、排気された暖気が再び機器に熱を供給するような循環を起こすと、排気を行っても効率的に排熱を行うことができず、機器の異常動作等のおそれが除去されない。この問題は、多数の機器が同一の室内に配置されている等の場合には特に顕著になる。
【0004】
そこでこの問題を解消するため、たとえば特許文献1の図1に上面図を示すような配置を用いる手法がとられてきた。すなわち、図示されているように、機器が収納された複数のラックを直線状に横並びに配置して、これらのラックがなす列を境界とする通路を形成し、これらのラックに、冷気の給気口が同一方向を向くように機器を収納し、冷気が、これらの給気口が対向している通路(コールドアイル)を集中的に経由して給気されるようにする、という手法が用いられていた。また、給排気を効率化するために、空気の循環を遮断する部材によりコールドアイルを遮蔽(キャッピング)するという手法も採られてきた。なお、ラックの列を挟んでコールドアイルの反対側に位置する通路(ホットアイル)には、これらの機器が生成した暖気の排気が行われるのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−236335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ラックに収納される機器の発熱量や給排気の態様はさまざまであり、コールドアイルを経由する経路へと一括するように給気を行う上記の手法では、必ずしも各機器の排熱が効率化されない。ことに、ラックの形状や機器の形状またはその他の理由により給気口をコールドアイルに向けてラックに収納することができない機器を、やむを得ず反対方向(すなわち給気口がホットアイルに対向するするような向き)に収納した場合は、コールドアイルに暖気が混入して、各機器の排熱が極めて非効率になる。
また、コールドアイルをキャッピングする手法は、キャッピングを行う部材が大がかりとなり、部材の着脱が容易に行えない。
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、機器の排熱を効率化を容易にし、あるいはキャッピングを容易にするためのアイルキャップ装置及びアイルキャップ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るアイルキャップ装置は、
ラックに収納された機器の排熱のために流れる気流の経路を制御するためのアイルキャップ装置であって、
前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するように固定されるカーテン支持部と、
気流を遮断する材質からなり、外部にある前記気流の供給口又は排出口と前記ラックの前面又は背面とを囲むために、前記気流遮断部材支持部に着脱可能に装着されるカーテンと、
を備える。
【0009】
前記カーテン支持部は、スライドバーと、スライドバー支持部とより構成されていてもよく、
この場合、前記スライドバー支持部は、前記スライドバーが前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するようスライド可能な態様で、前記スライドバーを支持するものであればよい。
【0010】
前記スライドバー支持部は、前記スライドバー支持部を前記ラックに固定するためのクランプを備えるものであってもよい。
【0011】
前記アイルキャップ装置は、直立して、前記カーテン支持部を前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出する位置に保持する脚部をさらに備えていてもよい。
【0012】
また、本発明の第2の観点に係るアイルキャップ方法は、
ラックに収納された機器の排熱のために流れる気流の経路を制御するためのアイルキャップ方法であって、
前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するようにカーテン支持部を固定するステップと、
気流を遮断する材質からなるカーテンを、外部にある前記気流の供給口又は排出口と前記ラックの前面又は背面とを囲むために、前記気流遮断部材支持部に着脱可能に装着するステップと、
より構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機器の排熱を効率化を容易にし、あるいはキャッピングを容易にするためのアイルキャップ装置及びアイルキャップ方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るアイルキャップ装置を示す斜視図である。
【図2】図1のアイルキャップ装置を示す側面図である。
【図3】図1のアイルキャップ装置を示す上面図である。
【図4】図1のアイルキャップ装置を装着する態様の変形例を示す図である。
【図5】図1のアイルキャップ装置の変形例を示す分解斜視図である。
【図6】図1のアイルキャップ装置の変形例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態に係るアイルキャップ装置は、発熱する機器(たとえば、サーバーコンピュータ等の電気機器)を収納するためのラックに装着して用いられるものであり、斜視図を図1に、側面図を図2に、上面図を図3にそれぞれ示すように、天板1と、ラック固定金具2A及び2Bと、バー収納レール3A及び3Bと、スライドバー4と、アイルカーテン5と、天井板6とから構成されている。
【0016】
なお、以下では、このアイルキャップ装置を装着する対象であるラックRは、図示するように、互いに平行になるよう対向して直立する1対の側板R1A及びR1Bと、側板R1A及びR1Bの頂部同士の間に水平に配置されて当該頂部同士を互いに連結する天板R2と、側板R1A及びR1Bの底部同士の間に水平に配置されて当該底部同士を互いに連結する底板R3と、側板の同士の間に水平に配置された棚板R4−1、R4−2,…,R4−n(nは棚板の総枚数)とから構成されているものとして説明する。また、以下では、側板R1A及びR1B、天板R2並びに底板R3とにより形成される開口面のうち所定の一方がラックRの前面、他方がラックRの背面であるとして説明する。
【0017】
天板1は、たとえば、上面(及び下面)がラックRの天板R1の上面をほぼ覆う大きさの長方形である平板からなる。天板1の下面には、たとえば図示するように下面に垂直に延びる棒状の固定用脚部11A〜11Dが設けられている。
【0018】
固定用脚部11Aの下端には、たとえば、ロッカーRの天板R1と接触する際に天板R1を傷つけにくい部材(たとえば、ゴム等)からなる接触部12Aが設けられている。同様に、固定用脚部11B、11C及び11Dの下端には、それぞれ、接触部12Aと実質的に同一の接触部12B、12C及び12Dが設けられている。
【0019】
天板1の左右両端には、一対のラック固定金具2A及び2Bが配置されている。ラック固定金具2A及び2Bは、天板1をラックに固定するためのクランプの機能を行うものである。なお、図2及び図3は、ラックRの前面の側から見て天板1の右端にラック固定金具2Aが配置され、左端にラック固定金具2Bが配置されている場合を図示している。
ラック固定金具2Aは、たとえば、ボルト21Aと、前側口金22Aと、後側口金23Aと、ナット24Aとより構成されている。
【0020】
ボルト21Aは、たとえば、図示するように天板1の内部を天板1の後縁から前縁へと貫通している(なお、本明細書及び図面では、天板1の各側面のうち、天板1をラックRに装着したときラックRの前面と同方向を向く面が前縁、ラックRの背面と同方向を向く面が後縁であるとして説明を行う)。
【0021】
前側口金22Aは、ボルト21Aの底部(すなわち、天板1の前縁から露出している側の端部)に固定されており、ボルト21Aの軸に垂直な方向に延びる板状をなしている。
前側口金22Aの上面、すなわち天板1がラックRに固定されるときラックRの天板R1の前縁に対向する面には、たとえば、接触部11Aと同様な部材からなる接触部25Aが設けられている。
【0022】
後側口金23Aは、ボルト21Aが貫通するような孔部を有しており、ボルト21Aの頂部(すなわち、天板1の後縁から露出している側の端部)に、ボルト21Aの軸方向に移動可能となるよう配置され、この軸に垂直な方向に延びる板状をなしている。後側口金23Aの下面、すなわち天板1がラックRに固定されるときラックRの天板R1の後縁に対向する面には、たとえば、接触部11Aと同様な部材からなる接触部26Aが設けられている。
【0023】
ナット24Aは、ボルト21Aの頂部に螺合する。
【0024】
ラック固定金具2Bは、ラック固定金具2Aと実質的に同一の構成を有している。本明細書及び図面では、ラック固定金具2Bを構成する各部のうち、ラック固定金具2Aのボルト21A、前側口金22A、後側口金23A、ナット24A、接触部25A及び26Aに相当する部分を、それぞれボルト21B、前側口金22B、後側口金23B、ナット24B、接触部25B及び26Bとする。
【0025】
一対のバー収納レール3A及び3Bは、天板1の上面の左右両端に固定されている。なお、図1〜図3は、ラックRの前面の側から見て天板1の上面右端にバー収納レール3Aが固定され、上面左端にバー収納レール3Bが固定されている場合を図示している。
【0026】
バー収納レール3Aは、スライドバー4の後述する側部4Aを収納できるようなパイプ状の形状をなしており、一端に開口部31Aを有している。そしてバー収納レール3Aは、天板1を上述のようにラックRに装着したとき開口部31AがラックRの前面と同方向を向くような向きで、天板1の上面に固定されている。
バー収納レール3Bは、バー収納レール3Aと実質的に同一の構成を有しており、その一端に設けられた開口部31Bが、天板1を上述のようにラックRに装着したときラックRの前面と同方向を向くような向きで、天板1の上面に固定されている。
【0027】
なお、バー収納レール3A及び3Bは、たとえば図1及び図3に示すように、補強用部材32により相互に連結されていてもよい。
【0028】
スライドバー4は、側部4A及び4Bと、前部4Cとより構成されている。
側部4Aは、バー収納レール3Aの開口部31Aの内径より小さな外径を有する棒状をなしており、開口部31Aを介してスライドバー収納レール3Aの内部にスライドさせて収納しまた引き出すことができるように配置されている。
【0029】
側部4Aは、多段階に伸縮可能となるように、入れ子構造をなす複数のパイプから構成されていてもよい。すなわち、たとえば図示するように、側部4Aは1段目の側部4A−1と2段目の側部4A−1とからなる2段の入れ子構造を有するよう構成されていてもよいし、3段以上の入れ子構造を有していてもよい。
図1〜図3に示す構成では、1段目の側部4A−1は、バー収納レール3Aの開口部31Aの内径より小さな外径を有するパイプより構成されており、開口部31Aを介してスライドバー収納レール3Aの内部にスライドさせて収納しまた引き出すことができるように配置されている。一方で1段目の側部4A−1は、2段目の側部4A−2を収納するための開口部41Aを有するパイプより構成されている。
2段目の側部4A−2は、1段目の側部4A−1の開口部41Aの内径より小さな外径を有するパイプより構成されており、開口部41Aを介して1段目の側部4A−1の内部にスライドさせて収納しまた引き出すことができるように配置されている。
【0030】
側部4Bは、側部4Aと実質的に同一の構成を有しており、バー収納レール3Bの開口部31Bを介してスライドバー収納レール3Bの内部に収納可能となるように配置されている。本明細書及び図面では、側部4Bを構成する各部のうち、1段目の側部4A−1、2段目の側部4A−2、開口部41Aに相当する部分を、それぞれ1段目の側部4B−1、2段目の側部4B−2、開口部41Bとする。
【0031】
前部4Cは棒状をなしており、その一端が側部4Aの前端(すなわち、側部4Aの両端のうち、バー収納レール3Aから側部4Aを引き出したとき突出する側の端)に接続されており、他端が側部4Bの前端に接続されている。従って、側部4A、側部4B及び前部4Cは全体として、上方から見て「コ」の字形をなしている。
【0032】
側部4A、側部4B及び前部4Cの各外表部分には、たとえば図示するように、アイルカーテン5を繰り返し着脱可能な形で装着するための任意の構造を有する着脱部42が設けられている。着脱部42は、具体的には、たとえばファスナー(マジックテープ(登録商標)など)、あるいはフックなどより構成されていればよい。
【0033】
アイルカーテン5は、たとえば、高さがラックRの高さにほぼ等しい短冊形のシート51−1〜51−m(mはシートの総枚数)より構成されている。シート51−1〜51−mは、空気を遮断する任意の材質からなり、屈曲可能な材質からなっていてもよいし、屈曲しない、あるいはたわみを生じない材質からなっていてもよい。
【0034】
シート51−1〜51−mの各々の頂辺近傍には、たとえば、シート51−1〜51−mをスライドバー4に装着するための着脱部52が設けられている。すなわち着脱部52は、たとえば着脱部42がファスナーより構成されている場合は、これに繰り返し着脱可能なファスナーより構成されており、着脱部42がフックより構成されている場合は、このフックに懸架可能なフックなどより構成されている。
なお、図2は、アイルカーテン5のうち、スライドバー4の側部4Aに装着する部分をなすシートがシート51−1〜51−6の6枚である場合を例示するものである。また、図2は、アイルカーテン5がスライドバー4に装着されていない状態を図示している。
【0035】
天井板6は、空気を遮断する材質からなり、スライドバー4の側部4A及び4Bがスライドバー収納レール3A及び3Bから引き出された状態(加えて、側部4A及び4Bが多段階に伸縮可能な構成をとっているときはこれらが伸長された状態)で、側部4A、側部4B、前部4C及び天板1の前縁に囲まれる平面を覆うように配置される。
【0036】
このアイルキャップ装置を使用する際は、たとえば、このアイルキャップ装置を以下(1)〜(5)として示す手順を施した状態にする。
(1) ラックRを、たとえば図2に示すように、冷気の導入口Dを備えた床F上に設置する。この際、(4)で後述するようにアイルカーテン5が装着されたときアイルカーテン5とラックRの前面とによって囲まれる空間が、冷気の導入口Dの上方に位置するようにする。
(2) ラック固定金具2Aの前側口金22AがラックRの天板R1の前縁右端部分(ラックRの前面に向かって右端)に対向し、後側口金23Aが天板R1の後縁左端部分(ラックRの背面に向かって左端)に対向するようにして、天板R1を前側口金22Aと後側口金23Aとの間で奥行き方向に挟み、ナット24Aをボルト21Aの頂部からねじ止めすることにより締め付ける。同様に、ラック固定金具2Bの前側口金22Bが天板R1の前縁左端部分(ラックRの前面に向かって左端)に、後側口金23Bが天板R1の後縁右端部分(ラックRの背面に向かって右端)にそれぞれ対向するようにして、天板R1を前側口金22Bと後側口金23Bとの間で奥行き方向に挟み、ナット24Bをボルト21Bの頂部からねじ止めすることにより締め付ける。
(3) また、スライドバー4の側部4A及び4Bをスライドバー収納レール3A及び3Bからスライドさせて引き出された状態とする。
(4) そして、アイルカーテン5を構成するシート51−1〜51−mに設けられた着脱部52を、スライドバー4の側部4A、側部4A及び前部4Cに設けられた着脱部42に接着することによって、アイルカーテン5をスライドバー4に装着する。シート51−1〜51−mの装着は、具体的には、たとえば図示するように、隣接するシート同士が互いに一定量以上の幅で重なるようにして行われればよい。
(5) 天井板6を、側部4A、側部4B、前部4C及び天板1の前縁に囲まれる平面を覆うように配置する。
【0037】
上述した(1)〜(5)の手順を行った状態で、排熱を行うべき機器を、たとえばその給気口がラックRの前面方向を向くようにしてラックRに収納して動作させ、一方で、冷気の導入口Dからは冷気を供給すると、冷気は、アイルカーテン5、天井板6及びラックRの前面とによって囲まれる空間に供給され、この空間の外部への流出をアイルカーテン5によって遮断された状態で、ラックRに収納された機器の給気口へと導かれる。
【0038】
図1〜図3の構成では、冷気の導入口DからラックR内の機器に向かう冷気の流れが、個々のラックごとに確保される。従って、ラックRに収納される機器の発熱量や吸排気の態様がさまざまであっても、各機器の排熱を効率的に行うことができる。
【0039】
また、アイルカーテン5は、個々のスライドバー4に、着脱可能な形で装着されるので、個々のアイルカーテン5は大型のものである必要がなく、また、アイルカーテン5の着脱は容易になる。
【0040】
また、給気口をラックRの前面方向に向けて収納することができない等の理由で、機器を反対方向に収納する場合は、たとえば図4に例示するような、当該機器が収納されるラック(参照符号「RR」を付して示す)については、上述の(1)〜(5)の手順を行うにあたって、ラックRRの背面が前面であるものとしてこれらの手順を行ってもよい。
ラックRRについてこのような手順を施せば、複数のラックに対して冷気の供給をコールドアイルから一括して行う手法に比べて、ラックRR内の機器の給気口に供給される冷気を確保することが可能になり、また、ラックRR内の機器が排気する暖気が他のラック内の機器に供給されることを防止できるので、各機器の排熱の効率化が可能となる。
【0041】
また、たとえば床Fが暖気の排出口を有する場合は、上述した(1)〜(5)の手順を、冷気の導入口Dを当該排出口と読み替えて行った状態で、排熱を行うべき機器を、たとえばその排気口がラックRの前面方向を向くようにしてラックRに収納して動作させるようにしてもよい。この場合、機器が排出する暖気は、アイルカーテン5、天井板6及びラックRの前面とによって囲まれる空間に供給され、この空間の外部への流出をアイルカーテン5によって遮断された状態で、床Fが備える暖気の排出口へと導かれる。
【0042】
なお、このアイルキャップ装置の構成は上述のものに限られない。
たとえば、ラック固定金具2A及び2Bは、必ずしもこのアイルキャップ装置をラックRにクランプして固定するものである必要はなく、他の手法、たとえば図5に示すように、ねじ止めにより固定するものであってもよい。
【0043】
図5に示す例では、ラック固定金具2Aは、前側部201Aと、後側部202Aとより構成されており、前側部201A及び202Aは、それぞれ、スライドバー収納レール3Aの前端及び後端に結合されている。そして、前側部201Aは、たとえばラックRの天板R1の前縁右端(ラックRの前面に向かって右端)付近で天板R1にねじ止めされ、後側部202Aは、たとえば天板R1の後縁左端(ラックRの背面に向かって左端)付近で天板R1にねじ止めされる。ラック固定金具2Bも同様に、前側部201Bと、後側部202Bとより構成されており、これらはそれぞれ、スライドバー収納レール3Bの前端及び後端に結合されている。前側部201B及び後側部202Bはそれぞれ、たとえば天板R1の前縁左端(ラックRの前面に向かって左端)付近及び後縁右端(ラックRの背面に向かって右端)付近で天板R1にねじ止めされる。
【0044】
なお、図5の構成では、スライドバー4の側部4Aを構成する1段目及び2段目の側部4A−1及び4A−1、側部4Bを構成する1段目及び2段目の側部4B−1及び4B−1並びに前部4Cはいずれも板状をなしている。1段目の側部4A−1及び2段目の側部4A−2は、たとえば板状のスライドバー固定金具43Aの両端にそれぞれねじ止めされることにより、互いに連結される。同様に、1段目の側部4B−1及び2段目の側部4B−2は、たとえば板状のスライドバー固定金具43Bの両端にそれぞれねじ止めされることにより、互いに連結される。着脱部42は、前部4Cのほか、たとえばスライドバー固定金具43A及び43Bに設けられている。
【0045】
また、このアイルキャップ装置は、スライドバー4が天板1に固定される代わりに、アイルカーテン5が自立できるような構成を有していてもよい。
具体的には、たとえば図6に示すように、直立する4本の脚部7A〜7Dを備え、脚部7A、7B、7C及び7Dの各頂部が、それぞれ、スライドバー4の1段目の側部4A−1の後端、2段目の側部4A−2の前端、2段目の側部4B−1の後端及び2段目の側部4B−2の前端に結合された構造を有していてもよい。なお、図6の構成において、1段目の側部4A−1及び4B−2の各後端は、必ずしもスライドバー収納レール3A及び3Bを介して天板1に固定されている必要はない。
【符号の説明】
【0046】
1 天板
11A〜11D 固定用脚部
12A〜12D 接触部
2A,2B ラック固定金具
21A,21B ボルト
22A,22B 前側口金
23A,23B 後側口金
24A,24B ナット
25A,25B,26A,26B 接触部
3A,3B バー収納レール
31A,31B 開口部
32 補強用部材
4 スライドバー
4A,4B 側部
4A−1,4B−1 1段目の側部
4A−2,4B−2 2段目の側部
4C 前部
41A,41B 開口部
42 着脱部
5 アイルカーテン
51−1〜51−m シート
52 着脱部
6 天井板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに収納された機器の排熱のために流れる気流の経路を制御するためのアイルキャップ装置であって、
前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するように固定されるカーテン支持部と、
気流を遮断する材質からなり、外部にある前記気流の供給口又は排出口と前記ラックの前面又は背面とを囲むために、前記気流遮断部材支持部に着脱可能に装着されるカーテンと、
を備えるアイルキャップ装置。
【請求項2】
前記カーテン支持部は、スライドバーと、スライドバー支持部とより構成されており、
前記スライドバー支持部は、前記スライドバーが前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するようスライド可能な態様で、前記スライドバーを支持する、
請求項1に記載のアイルキャップ装置。
【請求項3】
前記スライドバー支持部は、前記スライドバー支持部を前記ラックに固定するためのクランプを備える、
請求項2に記載のアイルキャップ装置。
【請求項4】
直立して、前記カーテン支持部を前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出する位置に保持する脚部をさらに備える、
請求項1又は2に記載のアイルキャップ装置。
【請求項5】
ラックに収納された機器の排熱のために流れる気流の経路を制御するためのアイルキャップ方法であって、
前記ラックの頂部から前記ラックの前面方向又は背面方向に突出するようにカーテン支持部を固定するステップと、
気流を遮断する材質からなるカーテンを、外部にある前記気流の供給口又は排出口と前記ラックの前面又は背面とを囲むために、前記気流遮断部材支持部に着脱可能に装着するステップと、
より構成されるアイルキャップ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−84700(P2012−84700A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230011(P2010−230011)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(399121092)ダブル・アイ・テー・ジャパン株式会社 (3)
【Fターム(参考)】