説明

アカヒゲホソミドリカスミカメ捕獲装置

【課題】性フェロモンに誘引されるアカヒゲホソミドリカスミカメを効率的かつ経済的に捕獲する捕獲装置及びこれを用いた発生予察方法を提供する。
【解決手段】アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するための捕獲部を有する床部材と、上記床部材を覆う屋根部材と、上記床部材と上記屋根部材との間に設けられ、少なくとも高さ5cmの開口部であって、該高さ方向を回転軸としたときの回転周囲360度のうち少なくとも180度から上記アカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能する開口部を形成するためのスペーサとを備え、性フェロモンを揮発する担体を上記捕獲部の上方に保持できる担体保持部を上記床部材、上記屋根部材又は上記スペーサに有するアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置を提供する。また、この捕獲装置を用いた発生予察方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水稲の重要害虫であるアカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)を捕獲する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アカヒゲホソミドリカスミガメは東北地方日本海側から北陸地方を中心に発生する水稲の害虫である。越冬世代は水田畦畔や周辺の草地に生息するが、稲が出穂すると水田へ移動し口針で玄米を吸汁する。本種に吸汁された部分は黒くなる。これを斑点米といい、米1000粒中、斑点米が2粒混入すると二等米となり商品価値が下落する。従って、アカヒゲホソミドリカスミカメが分布する地域では、斑点米の予防に過剰な殺虫剤が散布される傾向にあり、環境への悪影響が懸念されている。
【0003】
無用な殺虫剤の使用を避け、できるだけ効率的に殺虫剤を散布するには、アカヒゲホソミドリカスミカメが水田に侵入する時期や、侵入した虫の多寡を事前に知るいわゆる発生予察が必要となる。
【0004】
本種の性フェロモンは、n−ヘキサン酸n−ヘキシル、n−ヘキサン酸(E)−2−ヘキセニル、n−ブチル酸n−オクチルの質量比1000:400:30混合物と同定され(非特許文献1)、これらの化合物を用いて定期的に集めた野外虫の傾向から発生予察が可能であることが実験的に示されている(非特許文献2、特許文献1)。
【0005】
これら発生予察には2種類の捕獲装置が使用されている。
一つは、図5に示すように、例えば、直径45cmのタライ23に逆性石鹸を加えた水26を入れ、タライ23に接続したワイヤー22を用いてタライ23の上に配置した性フェロモン25に誘引される虫を水中で捕獲する「水盤型」捕獲装置である。
もう一つは、図6に示すように、例えば、性フェロモン35を配置した24cm×30cmの粘着プレート36の2枚を、非粘着面を背中合わせに組み合わせ、支柱33で立てる「むき出し粘着型」捕獲装置である。
いずれの捕獲装置とも性フェロモンに誘引されたアカヒゲホソミドリカスミカメを効率的に捕獲する。しかし、「水盤型」は、定期的な水交換など管理が重労働であり実用性に欠ける。また、「むき出し粘着型」も、通常1枚しか使用しない粘着プレートを2枚使うことに加え、粘着面をむき出して圃場に置くため、トンボやアゲハなど大型の対象外昆虫が付着し粘着プレートの交換回数が増え、コスト面が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−47889号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kakizaki M.and H.Sugie,(2001)J.Chem.Ecol.27:2447−2458.
【非特許文献2】石本万寿広ら(2006)日本応用動物昆虫学会誌 50(4):311−318.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現状は、やむを得ず「水盤型」(図5)や「むき出し粘着型」(図6)が使用されているが、本種の発生予察を実践している農業現場から改善が望まれていた。
本発明の目的は、性フェロモンに誘引されるアカヒゲホソミドリカスミカメを効率的かつ経済的に捕獲する捕獲装置及びこれを用いた発生予察方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、まず、図1に示す屋根付き粘着型捕獲装置を使用してアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲を検討した。この捕獲装置は、床部材13に載せた粘着プレート16を屋根部材11で覆い、粘着プレート16に置かれた性フェロモン15に誘引される虫を捕獲するものであり、侵入口の面積を小さくすることにより、フェロモンに誘引されないで飛び込む目的外昆虫の侵入を防止し、粘着プレート16の汚れを防ぐ。本発明者は、このような捕獲装置であれば、1枚の粘着プレートで調査が可能となり、経済的なメリットに加え、観察時間の節約にもなると考えた。しかし、実際には、捕獲数が極めて少なくなり発生予察の目途が達成できなかった(参考例1)。
【0010】
本発明者らは、アカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置に関する研究をさらに進めて本発明に到達した。
本発明は、アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するための捕獲部を有する床部材と、上記床部材を覆う屋根部材と、上記床部材と上記屋根部材との間に設けられ、少なくとも高さ5cmの開口部であって、該高さ方向を回転軸としたときの回転周囲360度のうち少なくとも180度から上記アカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能する開口部を形成するためのスペーサとを備え、性フェロモンを揮発する担体を上記捕獲部の上方に保持できる担体保持部を上記床部材、上記屋根部材又は上記スペーサに有するアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置を提供する。
また、本発明は、この捕獲装置を用いてアカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するステップを少なくとも含むアカヒゲホソミドリカスミカメの発生予察方法を提供する。
本発明の捕獲装置の具体例の一つとして、図1に示す屋根付き粘着型捕獲装置の屋根部材と、床部材との間に柱を設け、柱の高さを5cm以上とするものが挙げられ、目的外の大型昆虫の侵入を防ぎながら、屋根付き粘着型においても性フェロモンに誘引されたアカヒゲホソミドリカスミカメが捕獲される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって提供される捕獲装置を用いることにより、性フェロモンに誘引されたアカヒゲホソミドリカスミカメを経済的かつ効率的に捕獲することが可能となり、該害虫の発生状況を知ることにより無用な殺虫剤の使用を避けるいわゆる発生予察が達成され、環境保全型農業の形成に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】参考例1で使用したアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置を示す。
【図2】本発明のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置の一実施形態の正面斜視図を示す。
【図3】図2の捕獲装置の側面斜視図である。
【図4】折り曲げることにより梁とスペーサを形成できる細長い断片を示す。
【図5】従来の水盤型捕獲装置を示す。
【図6】従来のむき出し粘着型を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
捕獲部を有する床部材と、床部材を覆う屋根部材と、床部材と屋根部材の間に設けられる開口部を形成するスペーサとを備えるアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置の全体としての形状は、特に限定されるものではなく、屋根部材と床部材を平板した円柱状、三角柱状、四角柱状や、これらのうち屋根部材を一枚の平板に換えて二枚の平板を逆V字に組み合わせたものが挙げられる。屋根部材に雨が溜まることがない点から、二枚の平板を逆V字に組み合わせたものを屋根部材とするのが好ましく、性フェロモンを揮発する担体の設置やすさの点から、この逆V字に組み合わせた二枚の平板の間に梁を備えるものがさらに好ましい。
【0014】
性フェロモンを揮発する担体を捕獲部の上方に保持できる担体保持部は、床部材、屋根部材又はスペーサに設けることができる。例えば、床部材、屋根部材又はスペーサに接続され、捕獲部の上方に延びるワイヤーが挙げられ、その先端に担体を保持できる。また、逆V字に組み合わせた二枚の平板の間に梁を備えるものを屋根部材としたときは、梁に性フェロモンを揮発する担体を取り付けるための穴を設けて担体保持部とすることができる。梁に担体保持部を設けても、アカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲数を低下させないことを確認しており、また、担体の交換が容易になるため、性フェロモンを放出する担体を定期的に交換する作業性を向上できる。
性フェロモンを揮発する担体としては、公知のものが使用でき、性フェロモンを含浸させたゴムキャップ(ゴムは例えばイソプロピレンゴム)、ポリエチレンキャップ、ろ紙、綿ロープ等が挙げられる。
性フェロモンは、アカヒゲホソミドリカスミカメの天然性フェロモンでも良いが、入手の容易性やコストの面から合成性フェロモンが好ましい。合成性フェロモンは、n−ヘキサン酸n−ヘキシルと、n−ヘキサン酸(E)−2−ヘキセニルと、n−ブチル酸n−オクチルとを質量比1000:(100〜1000):(3〜300)で含む混合物が好ましく、酸化防止剤等を含有させてもよい。
【0015】
床部材は、アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するための捕獲部を有する。
捕獲部は、タライに逆性石鹸を入れたものであっても良いが、水交換が重労働となるため、好ましくは、片面に粘着物質を有する粘着プレートであり、粘着物質が屋根部材に対向するように床部材の面に着脱可能に設置されるものである。粘着プレートの大きさは、好ましくは24cm×30cmであり、従来のむき出し粘着型捕獲装置に用いられる粘着シートと同じ大きさとすると、むき出し粘着型捕獲装置の粘着シートが利用できる点で好ましい。粘着シートは、着脱可能とするため、床部材に粘着プレートの留め具を配設することが好ましい。また、床部材に切込みを入れて、その切込みで粘着シートの角部を保持することもできる。
床部材の大きさは、捕獲部を保持できる大きさであればよい。
【0016】
スペーサは、床部材と屋根部材との間に設けられ、少なくとも高さ5cmの開口部であって、該高さ方向を回転軸としたときの回転周囲360度のうち少なくとも180度からアカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能する開口部を形成するものである。
開口部の高さは、5cm以上、好ましくは10cm〜15cmである。開口部の高さを15cmより高くしても、アカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲数は大幅に増えないばかりか、大型の昆虫が粘着プレートに付着する危険性が存在する場合がある。
スペーサは、捕獲部の設置を邪魔しないように、床部材の内側又は外側に沿った位置やその近傍に設けることが好ましい。
スペーサは、床部材の上方に屋根部材を維持できるものあれば良く、例えば、細長い断片、棒、パイプ、ワイヤー、ひも又は板である。ワイヤーは、上下方向にワイヤーを延ばして屋根部材と床部材を連結しても良いが、網目状にして両者を連結しても良い。単独では屋根部材を保持できないスペーサでも、例えば、鉄棒状に組立てた支持体に屋根部材をぶら下げたり、吊るす等により、床部材の上方に屋根部材を維持できるため使用可能である。また、スペーサとして板を用い、床部材の内周又は外周上に板を配置し、床部材と屋根部材との間の壁とする場合は、高さ方向を回転軸としたときの回転周囲360度のうち少なくとも180度からアカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能するため、例えば、壁に少なくとも高さ5cmの複数の開口部を設けることができる。また、少なくとも高さ5cmの板2つを捕獲部を隔てて互いに平行に配置して板を配置しない方向からのアカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能にしてもよい。スペーサとして、細長い断片、棒、パイプ、ワイヤー又はひもを用いると、その本数を調整することにより、トンボやアゲハ等の大型の対象外昆虫の侵入が防げるため、粘着プレート等の交換回数を減らすことができて好ましい。
【0017】
また、逆V字に組み合わせた二枚の平板の間に梁を備えるものを屋根部材としたときは、例えば細長い断片をスペーサとすると、折り曲げて梁とスペーサを形成できるため、梁とスペーサが一体化できる。梁とスペーサが一体化されている場合、これらを別部品としたものに比べ強度に優れた構造となるため好ましい。また、部品点数を減らすことで製造コストを抑制することが可能となる。
なお、細長い断片のうち少なくとも1つは、梁となる部分に担体を取り付けるための穴を設けておくことが好ましい。
【0018】
屋根部材、スペーサ、梁、床部材の素材は、耐候性を有し、風によって破壊されない強度を有するものが良く、プラスチック、木材、金属、紙のいずれでも構わないが、ポリプロピレン製の段ボールシートが最適である。
【0019】
本発明のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置の例を、図面を用いて説明する。
図2の正面斜視図と図3の側面斜視図に示す捕獲装置は、アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するための粘着プレート6を有する床部材3と、床部材3を覆い、性フェロモンを揮発する担体5を保持するための穴4を有する梁2aを備える屋根部材1と、床部材3の内周上の位置で屋根部材1との間に設けられ、少なくとも高さ5cmの開口部であって、高さ方向を回転軸としたときの回転周囲ほぼ360度から上記アカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能する開口部を形成するスペーサ2bとを備える。床部材3には、粘着プレート6を固定する切込み3aがある。
【0020】
梁2aとスペーサ2bは、図4に示すように、床部材への固定部2cと粘着プレート保持部2dとともに細長い断片2を折り曲げて形成されており、一体化されている。床部材とスペーサ、屋根部材とスペーサは、それぞれネジ穴7を通してネジ8で固定されている。合成性フェロモンを放出する担体5は、梁2aの中央の穴4に取り付けている。粘着プレート保持部2dは、粘着プレート6の固定に利用する。
床部材と屋根部材の間の高さ(スペーサ2bの長さ)は5cm以上である。
図1の捕獲装置では、粘着プレート上の空間が狭く、粘着プレート上に合成性フェロモンを放出する担体を載せており、担体の交換が面倒であった。しかし、本発明の捕獲装置は担体の交換が容易であり、梁2aの穴4にこれを設置する場合は担体の交換が特に容易になる。屋根部材と床部材とを連結するスペーサ2bと梁2a(図2では床部材への固定部2cと粘着プレート保持部2dとともに)を一体化することで安価で強度に優れた捕獲装置となる。
【0021】
前記の如く構成されたアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置は、当該カメムシの活動期間である4月乃至10月の期間の、当該カメムシの生息場所である水田及び雑草地に、植物体の草丈程度の高さに水平に取り付ける。そして、おおよそ5日から10日間隔で粘着プレートに付着した虫数を数えることにより、該当年の発生数の変遷を知ることが可能となる。このようなデータを数年間積み重ねることにより、異常発生年を早期に検出することが可能となる。
また、前述の長期的な発生予察に加え、アカヒゲホソミドリカスミカメが水田に侵入する時期を見極め要防除の可否を策定する短期的な発生予察の場合は、出穂期の前後1か月間、1〜2日間隔で粘着プレートに付着した虫数を計測することにより達成できる。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の具体的態様を実施例及び比較例によって説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1、参考例1
図2に示すアカヒゲホソミドリカスミカメ捕獲装置において、床部材と屋根部材を連結する柱の高さを15cmとし、当該虫の合成性フェロモン0.01mgを含浸させたイソプロピレンゴムを徐放性担体として捕獲装置の梁に取り付けた。合成フェロモンとして、n−ヘキサン酸n−ヘキシルと、n−ヘキサン酸(E)−2−ヘキセニルと、n−ブチル酸n−オクチルの質量比1000:400:30混合物を用いた。この捕獲装置を耕起前水田の雑草地(4箇所)に設置した。そして、これら捕獲装置に捕獲された虫数を5日間継続して数えた(実施例1)。また、この捕獲装置を取付けた同一の雑草地内に、この捕獲装置から10m離れた地点に、前述の合成性フェロモンを放出する担体を備えた図1に示した屋根付き粘着型の捕獲装置を取付け、同期間の捕獲数を計測した(参考例1)。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
表1に示すように、実施例1の捕獲装置には、平均16.3匹ものアカヒゲホソミドリカスミカメが捕獲されたが、参考例1の捕獲装置には、同型の性フェロモン放出担体を備えているにもかかわらず、平均捕獲数はわずか1.0匹であった。
スペーサをもたない参考例1の捕獲装置は、蛾類の捕獲装置としては一般的で広く利用されているが、アカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲には5cm以上の空間が必要である。これは、アカヒゲホソミドリカスミカメが、プルームの下側を飛翔する性質に由来する可能性を示唆するものであり、このような現象は他の昆虫では知られていない。
調査期間中、いずれの捕獲装置にも、大型昆虫は捕獲されなかった。したがって、本願捕獲装置は、調査の妨げとなる大型昆虫が捕獲されず、対象となるアカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲することがわかる。
【0025】
実施例2〜4
図2に示すアカヒゲホソミドリカスミカメ捕獲装置において、床部材と屋根を連結する柱の高さを5cm(実施例2)、10cm(実施例3)、15cm(実施例4)とした3種類の捕獲装置それぞれに、当該虫の合成性フェロモン0.01mgを含浸させたイソプロピレンゴムを徐放性の担体として捕獲装置の梁に取り付け、これらを6ブロックの水田地に取付けた。そして、これら捕獲装置に捕獲された虫数を5日間継続して数えた。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】

【0027】
表2に示すように、柱の高さ5cmの実施例2では平均捕獲数5.3匹、柱の高さ10cmの実施例3では平均捕獲数6.8匹、柱の高さ15cmの実施例4では平均捕獲数9.7匹であり、いずれの捕獲装置とも、大型昆虫を捕獲すること無く、アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲することが分かった。また、柱高は、高いほど捕獲数が多くなることがわかる。
【符号の説明】
【0028】
1 屋根部材
2a 梁
2b スペーサ
2c 床部材への固定部
2d 粘着プレート保持部
3 床部材
3a 切込み
4 担体保持用穴
5 担体
6,36 粘着プレート
7 ネジ用穴
8 ネジ
22 ワイヤー
23 タライ
25,35 性フェロモン
26 水
33 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するための捕獲部を有する床部材と、
上記床部材を覆う屋根部材と、
上記床部材と上記屋根部材との間に設けられ、少なくとも高さ5cmの開口部であって、該高さ方向を回転軸としたときの回転周囲360度のうち少なくとも180度から上記アカヒゲホソミドリカスミカメの侵入を可能する開口部を形成するためのスペーサと
を備え、性フェロモンを揮発する担体を上記捕獲部の上方に保持できる担体保持部を上記床部材、上記屋根部材又は上記スペーサに有するアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置。
【請求項2】
上記屋根部材が、逆V字に組み合わせた二枚の平板の間に梁を備えるものであり、上記担体保持部が、上記担体を取り付けるために該梁に設けた穴である請求項1に記載のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置。
【請求項3】
上記梁と上記スペーサとが一体となっている請求項2に記載のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置。
【請求項4】
上記スペーサが、細長い断片、棒、パイプ、ワイヤー、ひも又は板である請求項1〜3のいずれかに記載のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置。
【請求項5】
上記捕獲部が、片面に粘着物質を有する粘着シートであり、該粘着物質が上記屋根部材に対向するように上記床部材の面に着脱可能に設置される請求項1〜4のいずれかに記載のアカヒゲホソミドリカスミカメの捕獲装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の捕獲装置を用いてアカヒゲホソミドリカスミカメを捕獲するステップを少なくとも含むアカヒゲホソミドリカスミカメの発生予察方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−21958(P2013−21958A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158952(P2011−158952)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(592102940)新潟県 (41)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】