説明

アクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法及び自動化チャネル割当システム

【課題】分散制御方式よりも効率的なチャネル配置を可能とするアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法及び自動化チャネル割当システムを提供する。
【解決手段】無線LANシステム内に、複数のアクセスポイントの各々と交信するアプリケーション機能が配置され、複数のアクセスポイントの各々に対して、当該アクセスポイントの干渉量測定要求を送出する。各アクセスポイントは、当該アクセスポイントのビーコンを送出しながら、当該アクセスポイントから受信可能であったビーコンに係わる干渉量情報を前記アプリケーション機能に返送する。該アプリケーション機能は、返送された干渉量情報における前記信号強度の総和が大なる順に各アクセスポイントに高い優先順位を与える。各アクセスポイントは、該優先順位に従って予め定めた手順で使用チャネルを自動的に決定して当該アクセスポイントの動作を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANシステム内に配置されるアクセスポイントの使用チャネルの決定及び割当に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている無線LANシステム内の一般的なアクセスポイント(例えば、基地局)での使用チャネルの決定は、ネットワーク上に配置されたパーソナルコンピュータを用いて、アクセスポイントでの使用チャネルを手動で設定している。複数のアクセスポイントにおいて、1つ1つ手動で設定することは能率的ではないので、この欠点を解消するために、一般的ではないが自動設定する方法も存在し、自動設定する方式では分散制御方式と集中制御方式が存在する。分散制御方式では、アクセスポイント自体が周辺の通信環境を調査し、そのアクセスポイントが使用するチャネルを決定する。また、集中制御方式では、ネットワーク上に集中管理装置を配置してアクセスポイントから通信環境の情報を収集し、各アクセスポイントのチャネルを割り当てている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−283506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来例では、無線LANネットワークを構成するサービスエリアの各セルに設置される無線LAN基地局は、無線LANで使用可能な周波数チャネルをスキャンしていき、近接する基地局のビーコン信号をカウントして、近接基地局の数を通知していき、ネットワーク内の近接基地局数をネットワークテーブルに記録する。この近接基地局数を元に、近接基地局数の少ない基地局を無線チャネル決定のスタート点とし、その基地局が無線チャネルを決定後、次に無線チャネルを決定すべき基地局を決定する。これを繰り返し行うことによって、ネットワーク全体の無線チャネルを決定している。
このように、この文献で述べられている方法は、隣接基地局数の少ない基地局からチャネルの決定を行っている。しかし、隣接基地局数の少ない好条件の基地局から先にチャネルの決定を行うと、近接基地局数が多い悪条件の基地局では、チャネル決定の順位が後退するので、隣接基地局数の少ない好条件のチャネルに決定されることは殆ど不可能である。また、基地局全体についてみても、安定した通信を確保することができる基地局数をできる限り多くするとの好結果が得られるとは考え難い。
【0004】
このような従来技術の欠点を解消する方策について検討する。
いま、図1に示す如くA,B,C,D,Eの5つのアクセスポイントが存在し、1,2,3,4の4つのチャネルが使用可能であるとする。ここで、E,A,B,C,Dの順に各アクセスポイントがそのアクセスポイントの使用チャネルを選択する場合を考える。最初に、Eは1を選択する。次に、Aは1が使用されているので2を使用する。同様に、Bは3、Cは4を選択する。Dは4つのチャネルが既に使用されているが、通信環境を調査し、受信信号強度から2が最も遠くで使用されていることを知り、チャネル2の使用を決定する。
【0005】
次に、図2に示す如くA,B,C,D,Eの順にアクセスポイントの使用チャネルを選択する場合を考える。最初に、Aは1を選択する。次に、Bは1が使用されているので2を使用する。同様にCは3、Dは4を選択する。ここで、Eはチャネル1,2,3,4の内で最も通信環境が良いチャネル、例えば1を選択する。しかし、図1と図2では、図1の例が同じチャネルを使用するアクセスポイント間の距離が離れており、同じチャネルを使用しても互いの通信に対する影響が比較的少ないものと判断される。
【0006】
このことから、複数のアクセスポイントで使用するチャネルを決定する場合、チャネルを決定する順番も重要である。
しかし、分散制御方式では各アクセスポイントが独自にチャネル決定を行うため、チャネル決定の順番は不定である。一方、集中制御方式では管理装置を使用するため、管理装置が順番を決定することが可能であるが、高機能な製品が多いため高価である。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するため、分散制御方式よりも効率的なチャネル配置を可能とするアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法及び自動化チャネル割当システムを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、集中制御方式のような集中管理装置を必要とせず、既存のコンピュータを使用し、安価にチャネル決定を行うことができるアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法及び自動化チャネル割当システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明によるアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法は、無線LANシステム内の複数のアクセスポイントのおのおのに、予め定めた複数のチャネルから選択された一つを使用チャネルとして決定するために、
該無線LANシステム内に、前記複数のアクセスポイントのおのおのと交信するアプリケーション機能が配置され、
該アプリケーション機能は、前記複数のアクセスポイントのおのおのに対して、当該アクセスポイントの干渉量測定要求を送出し、
該干渉量測定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該アクセスポイントのビーコンを送出しながら、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎の各信号強度を測定し、前記アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記アプリケーション機能に返送し、
該アプリケーション機能は、前記複数のアクセスポイントのおのおのから返送されたおのおのの該干渉量情報を参照して、該干渉量情報における前記信号強度の総和が返送されたときには当該信号強度の総和に係わる平均信号強度和を計算し、該平均信号強度和が大なる順に該複数のアクセスポイントに高い優先順位を与え、
該アプリケーション機能は、該複数のアクセスポイントの内の該優先順位の高い順に選択される各アクセスポイントに対して、使用可能な指定チャネルのおのおのについての干渉量測定要求を送信し、
該干渉量測定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルのおのおのを用いて、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、当該アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記アプリケーション機能に返送し、
該アプリケーション機能は、該各信号強度の総和が返送されたときには該各信号強度の総和に係わる平均信号強度を計算し、前記指定チャネルの内、該平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定し、当該アクセスポイントに当該指定チャネルへのチャネル設定要求を送信し、
該チャネル設定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルを使用チャネルとして当該アクセスポイントの動作を開始する、
ように構成されている。
【0010】
また、本発明によるアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システムは、無線LANシステム内の複数のアクセスポイントのおのおのに、予め定めた複数のチャネルから選択された一つを使用チャネルとして決定するために、
該無線LANシステム内に、前記複数のアクセスポイントのおのおのと交信する管理装置機能が配置され、
該管理装置機能は、
前記複数のアクセスポイントのおのおのに対して、当該アクセスポイントで受信可能なアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、前記アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を該管理装置機能に返送することを指示する第一の干渉量測定要求を送出する第一の干渉量測定要求手段と、
前記複数のアクセスポイントのおのおのから返送されるおのおのの該干渉量情報を参照して、該干渉量情報における前記各信号強度の総和が返送されたときには当該各信号強度の総和に係わる平均信号強度和を計算し、該平均信号強度和が大なる順に該複数のアクセスポイントに高い優先順位を与える優先順位付与手段と、
該複数のアクセスポイントの内の該優先順位の高い順に選択される各アクセスポイントに対して、使用可能な指定チャネルのおのおのについて当該アクセスポイントで受信可能であるビーコンの信号強度を測定し、該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量を該管理装置機能に返送することを指示する第二の干渉量測定要求を送信する第二の干渉量測定要求手段と、
該各信号強度の総和が返送されたときには、該各信号強度の総和に係わる平均信号強度を計算し、前記指定チャネルの内、該平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定し、当該アクセスポイントに当該指定チャネルへのチャネル設定要求を送信するチャネル設定要求手段と、
を備え、
前記アクセスポイントは、
前記第一の干渉量測定要求を受信したとき、当該アクセスポイントのビーコンを送出しながら、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、アクセスポイント毎の該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記管理装置機能に返送する干渉量情報送出手段と、
該第二の干渉量測定要求を受信したときに、当該指定チャネルのおのおのを用いて、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの信号強度を測定し、アクセスポイント毎の該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量を前記管理装置機能に返送する干渉量送出手段と、
前記チャネル設定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルを使用チャネルとして当該アクセスポイントの動作を開始する動作開始手段と、
を備えた構成を有している。
【0011】
前記管理装置機能は、
前記複数のアクセスポイントを検索するアクセスポイント検索部と、
前記干渉量情報を測定することを要求する第1の干渉量測定要求と前記干渉量を測定することを要求する第二の干渉量測定要求とを前記複数のアクセスポイントに送出し、該複数のアクセスポイントから返送される前記干渉量情報と前記干渉量との少なくとも一方を取得する干渉量取得部と、
前記複数のアクセスポイントから返送される前記干渉量情報に対して、該干渉量情報から計算される前記平均信号強度和が大なる順に前記複数のアクセスポイントに与えられる優先順位を決定する優先順次決定部と、
前記指定チャネルの内、前記干渉量である前記平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定するチャネル決定部と、
前記使用チャネルを該当アクセスポイントに通知するチャネル通知部と、
前記アクセスポイント検索部と前記干渉量取得部と前記優先順次決定部と前記チャネル決定部と前記チャネル通知部に前記それぞれの該当動作をさせる制御部と
を備えた構成とすることができる。
また、前記アクセスポイントは、ビーコン制御部と、干渉量測定部と、チャネル設定部と、メモリと、制御部とを備え、
前記ビーコン制御部は、当該アクセスポイントのビーコンを発生し、
前記干渉量測定部は、前記制御部からの指示により、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントで受信可能であったビーコンの各信号強度を測定し、該受信したビーコンの信号強度を前記制御部に通知し、
前記チャネル設定部は、前記制御部からの指示により、当該指定チャネルを使用チャネルとして設定し、
前記メモリは、前記制御部から送られたビーコンの送信元アクセスポイントを識別するためのMACアドレスと該MACアドレス毎の受信ビーコン数とMACアドレス毎に受信ビーコンの信号強度を加算した信号強度の総和とを格納し、
前記制御部は、前記第1の干渉量測定要求を受信したとき、前記第2の干渉量測定要求を受信したとき、または、前記チャネル設定要求を受信したときに、前記ビーコン制御部と前記干渉量測定部と前記チャネル設定部に前記それぞれの該当の動作をさせて、前記干渉量情報または前記干渉量を送出する
ように構成することができる。
【0012】
本発明では、順位決めの際には、後に式(1)で示される平均信号強度和を使用する。また、チャネル決定の際には、後に式(2)で示される平均信号強度を使用する。
本発明方法は、複数のアクセスポイントと既存のパーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションとから構成される。アプリケーションは最初にネットワーク上に設置されたアクセスポイントを検索する。次に、アプリケーションはアクセスポイントの優先順位付けを行う。周辺アクセスポイントの数と干渉量が大きいアクセスポイントほどアプリケーションにより高い優先順位をつけられ、優先順位が高いアクセスポイントから順番に使用するチャネルの決定が行われる。以下に本発明方法について述べる。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いれば、分散制御方式よりも好適な順番でチャネルの決定が可能となる。また、専用の集中管理端末が不要であるので、安価に実施可能である。また、ビーコン数と信号強度を用いることにより、一層詳しく通信環境を調査することが可能となり、さらに効率的なチャネル選択が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(アクセスポイント検索)
アプリケーションはアクセスポイントと通信を行うため、アクセスポイントのIPアドレスを取得する必要がある。そこで、アプリケーションPCは図3に示す如く最初にIPブロードキャストを利用して(1)「IPアドレス通知要求」を有線ネットワークに送信する。この要求を受信したアクセスポイントAPは(2)「IPアドレス通知応答」によりそのアクセスポイントAPのIPアドレスをアプリケーションPCに通知する。
【0015】
(優先順位付け)
ネットワーク内のアクセスポイントAPのIPアドレス〔(0),…(m),(M−1)〕を取得後、アプリケーションPCはそのアクセスポイントAPのチャネル決定順を決めるために、アクセスポイントAPの優先順位付けを行う。
M個のアクセスポイントAPが検知された場合、アプリケーションPCは図4に示す如く、検知されたアクセスポイントAP(0),AP(1),…,AP(M−1)に対して(3)「干渉量測定要求」を送信する。「干渉量測定要求」を受信したアクセスポイントAPはビーコンを送信しながら、同時に周辺アクセスポイントAPから受信したビーコン数と信号強度を測定する。
一定時間が経過した後、アプリケーションPCは、アクセスポイントAPに対して、 (5)「干渉量通知要求」を送信する。「干渉量測定要求」を受信したアクセスポイントAPは、(4)「干渉量測定」とビーコン送信を停止し、干渉量情報を含んだ(6)「干渉量通知応答」をアプリケーションPCに送信する。「干渉量通知応答」を受信したアプリケーションPCはM個の干渉量情報を得る。ここで、「干渉量情報」とは、注目するアクセスポイントAPにおいて観測された周辺アクセスポイントAP毎のビーコン数と、周辺アクセスポイントAP毎に受信ビーコンの信号強度を加算した信号強度の総和である。
【0016】
本発明方法では、M個のアクセスポイントAPから取得したM個の干渉量情報を用いてM個の平均信号強度和を計算し、M個の平均信号強度和を比較してチャネル決定順番(優先順序)を決定する。
注目するアクセスポイントAP(m),(m=0,1,2,…,M−1)の平均信号強度和Pa(m)は式(1)で計算する。
【0017】
【数1】

【0018】
ここで、Na(m)はアクセスポイントAP(m)において観測された周辺アクセスポイントAPの数を表す。psa(m,n)は、アクセスポイントAP(m)においてn番目に検出された周辺アクセスポイントAPからのビーコン信号強度の総和であり、numa(m,n)はn番目に検出された周辺アクセスポイントAPからのビーコン数である。
ここで、式(1)における信号の平均化操作機能は、各アクセスポイントAPに持たせてもよく、また、アプリケーションPCに持たせてもよい。
【0019】
式(1)より、ビーコン1つ当たりの信号強度が大きい場合、または周辺アクセスポイントAPの数が多いほど平均信号強度和Paが大きな値となる。
【0020】
本発明方法ではM個のアクセスポイントAPの内、平均信号強度和Paが大きなアクセスポイントAPの優先順位を高くし、平均信号強度和Paが小さいアクセスポイントAPの優先順位を低くする。但し、アクセスポイントAPの平均信号強度和が相等しい場合には、周辺アクセスポイントAPの数が多いアクセスポイントAPの優先順位を高くする。また、周辺アクセスポイントAPの数も相等しい場合には、アプリケーションPCにおける登録順の早いアクセスポイントAPの優先順位を高くする。
【0021】
(アクセスポイントの使用チャネル決定)
M個のアクセスポイントAPの優先順位が決まると、優先順位の高いアクセスポイントAPから順番に、使用チャネルの決定を行う。アクセスポイントAPの使用可能なチャネルがH個ある場合、各チャネルのチャネル番号をC(0),C(1),…,C(H−1)で表す。
アプリケーションPCは図5に示す如く、最初に優先順位の一番高いアクセスポイントAPに対して、チャネルC(0)における干渉量を取得するため(8)「干渉量測定要求」を送信する。「干渉量測定要求」を受信したアクセスポイントAPは指定されたチャネルで周辺アクセスポイントAPからのビーコン数と信号強度の測定を開始する。
【0022】
一定時間が経過した後、アプリケーションPCはアクセスポイントAPに対して、(10)「干渉量通知要求」を送信する。「干渉量測定要求」を受信したアクセスポイントAPは、干渉量の測定を停止し、「干渉量情報」(周辺アクセスポイントAP毎のビーコン数と信号強度の総和)を含んだ(11)「干渉量通知応答」をアプリケーションPCに送信する。アプリケーションPCは使用を希望する全てのチャネルC(0),C(1),…,C(H−1)において、(9)「干渉量測定」を行う。アプリケーションPCは全てのチャネルにおける干渉量の測定を終了すると、(12)「チャネル決定」を行う。
【0023】
本発明方法では、H個のチャネルから取得したH個の「干渉量情報」を元にアプリケーションPCでH個の平均信号強度を計算する。注目するチャネルC(h),(h=0,1,…H−1)における平均信号強度Pc(h)は、式(2)で計算される。
【0024】
【数2】

【0025】
ここで、Nc(h)はチャネルC(h)において観測された周辺アクセスポイントAPの数を表す。psc(h,n)は、C(h)においてn番目に検出された周辺アクセスポイントAPからのビーコンの信号強度の総和であり、numc(h,n)はn番目に検出された周辺アクセスポイントAPからのビーコン数である。式(2)より、ビーコン1つ当たりの信号強度が大きいほど平均信号強度Pcが大きな値となる。
【0026】
本発明方法では、H個の平均信号強度の内、平均信号強度が一番小さなチャネルを使用チャネルとする。但し、複数のチャネルの平均信号強度が相等しい場合には、周辺アクセスポイントAPの数が少ないチャネルを選択する。また、周辺アクセスポイントAPの数も相等しい場合にはチャネル番号の小さいチャネルを選択する。
【0027】
使用チャネルが決まると(12)、図5に示すように、アプリケーションPCは注目するアクセスポイントAPに(13)「チャネル設定要求」を送信する。(13)「チャネル設定要求」を受信したアクセスポイントAPは指定されたチャネルを使用してアクセスポイントAPとしての動作を開始する。
【0028】
優先順位の一番高いアクセスポイントAPのチャネルが決まると、次に優先順位の高いアクセスポイントAPについても同様の手法でチャネルを決定し、全てのアクセスポイントAPの使用チャネルを決定する(15〜21)。
【0029】
アクセスポイントAPの使用チャネルを決定する場面としては、初回アクセスポイントAPの設置時、およびアクセスポイントAPの追加時が想定される。以下に、初回アクセスポイントAPの設置時、およびアクセスポイントAPの追加時におけるチャネル決定動作について説明する。
【0030】
図7にアクセスポイントAPとアプリケーションPCの構成図を示す。表1は、ここで用いられるメッセージ構成例である。
【0031】
【表1】

【0032】
アプリケーションPCとアクセスポイントAPの通信には、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いる。アプリケーションPCをSNMPマネージャとし、アクセスポイントAPをSNMPエージェントとする。アプリケーションPCはアクセスポイントAPに対して、SNMPを用いて <1> 要求メッセージ(「IPアドレス通知要求」,「干渉量測定要求」,「干渉量通知要求」,「チャネル設定要求」)を送信する。アクセスポイントAP内のSNMPエージェントはアプリケーションPCに対して、 <2> 応答(「IPアドレス通知応答」,「干渉量通知応答」)を送信する。また、アクセスポイントAP内では、SNMPエージェントがMAC(WLAN)に対して <3> 指示(チャネルの設定,ビーコンの送信/停止)を出す。また、MAC(WLAN)から <4> 受信ビーコン情報を取得し、周辺アクセスポイントAPから受信したビーコンの数とビーコンの信号強度の総和をメモリに格納する。
【0033】
表2にメモリの構成例を示す。メモリには取得したビーコンの送信元アクセスポイントAPを識別するための「MACアドレス」,「MACアドレス毎の受信ビーコン数」,「MACアドレス毎に受信ビーコンの信号強度を加算した信号強度の総和」が格納される。
【0034】
【表2】

【0035】
(初回アクセスポイントAP設置時のチャネル選択)
(アクセスポイント検索)
初回アクセスポイントAP導入時におけるチャネル決定動作について述べる。アプリケーションPCは、アクセスポイントAPと通信を行うため、アクセスポイントAPのIPアドレスを取得する必要がある。そこで、図8に示す如く、アプリケーションPCは「IPアドレス通知要求QA 」をネットワーク上に送信する。「IPアドレス通知要求QA 」は、送信先にIPブロードキャストを設定した「SNMPリクエスト」である。この「SNMPリクエスト」を受信したM個のアクセスポイントAP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)が送信元に各自のIPアドレスを格納して、アプリケーションPC宛てにIPアドレス通知応答A(0),…A(m),…A(M−1)を送信する。アプリケーションPCは、このIPアドレス通知応答の送信元IPアドレスを調べることで、アクセスポイントAPのIPアドレスを取得する。
【0036】
(優先順位付け)
ネットワーク内のアクセスポイントAPのIPアドレスを取得後、アプリケーションPCはアクセスポイントAPのチャネル決定順を決めるために、アクセスポイントAPの優先順位付けを行う。
アクセスポイントAPの使用可能なチャネルがH個ある場合、各チャネルのチャネル番号をC(0),C(1),…,C(H−1)で表す。例えば、Hを4とし1,6,11,14チャネルを使用する場合を表3に示す。
【0037】
【表3】

【0038】
アプリケーションPCは、図9に示す如く検知されたM個のアクセスポイントAP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)に対して、チャネルC(h)で干渉量測定を指示するため、「干渉量測定要求」M(0,h),M(1,h),…,M(M−1,h)を送信する。hは0,1,…,H−1の何れかを選択する。
【0039】
「干渉量測定要求」を受信したM個のアクセスポイントAP(0),…,AP(m),AP(M−1)のSNMPエージェントは、内部メモリに格納されていたアクセスポイントAP毎のビーコン数と信号強度の総和を0に設定する。アクセスポイントAP(m)のメモリ内の情報例を表4に示す。
【0040】
【表4】

【0041】
ここで、Na(m)はアクセスポイントAP(m)において観測された周辺アクセスポイントAPの数である。maca(m,n)はアクセスポイントAP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイントAPのMACアドレスである。numa(m,n)はアクセスポイントAP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイントAPからのビーコン数である。psa(m,n)はアクセスポイントAP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイントAPからのビーコン信号強度の総和である。
【0042】
次に、アクセスポイントAP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)のSNMPエージェントはチャネルをC(h)に設定するため、MAC(WLAN)に「チャネル設定」の指示を出す。その次に、AP(1),…,AP(M−1)はビーコンの送信を開始するため、MAC(WLAN)に「ビーコン送信」の指示を出す。最後にAP(1),…,AP(M−1)はMAC(WLAN)に「測定開始」の指示を出す。
【0043】
干渉量測定中にアクセスポイントAP(m)が周辺アクセスポイントAP(n)からのビーコンを受信すると、アクセスポイントAP(m)はメモリ内のMACアドレスmaca(m,n)に対応したビーコン数numa(m,n)を「1」増加し、同時に対応する信号強度の総和pas(m,n)に受信したビーコン信号強度を加算する。
【0044】
一定時間が経過した後、アプリケーションPCは、M個のアクセスポイントAP(0),…,AP(m),…AP(M−1)に対して、「干渉量通知要求」R(0),…R(m),…,R(M−1)を送信する。「干渉量通知要求」を受信したアクセスポイントAPはMAC(WLAN)に「干渉量測定停止」と「ビーコンの送信停止」を指示する。次に、表4に示された干渉量情報を含んだ「干渉量通知応答」P(0),…,P(m),…,P(M−1)をアプリケーションPCに送信する。
【0045】
「干渉量通知応答」P(0),…,P(m),…,P(M−1)を受信したアプリケーションPCは、以下に示す如く、M個の「平均信号強度和」Pa(0),Pa(1),…Pa(M−1)を計算し、Pa(0),Pa(1),…Pa(M−1)を用いて優先順位付けを行う。アクセスポイントAP(m)のビーコンの「平均信号強度」Pa(m)は、式(1)で計算される。ここで、numa(m,n)はアクセスポイントAP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイントAPからのビーコン数、psa(m,n)はビーコンの信号強度の総和を表す。M個のアクセスポイントAPの「平均信号強度和」Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)の計算フローを図10に示す。すなわち、動作開始後(S1)、まずm=0とし(S2)、式(1)によりPa(m)=Pa(0)を計算した後(S3)、m=m+1とし(S4)、m<Mであるかのテストをし(S5)、そのテストがyesであったときに、Pa(m)=Pa(1)を計算する。S5におけるテスト(m<M)がnoとなったときに、動作終了となる。
【0046】
M個の「平均信号強度和」Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)を用いてM個のアクセスポイントAPの優先順位付けを行う。アプリケーションPCは平均信号強度和の大きなアクセスポイントAPの優先度を高くする。但し、複数のアクセスポイントAPの「平均信号強度和」が相等しい場合には、周辺アクセスポイントAPの数が多いアクセスポイントAPの優先度を高くする。周辺アクセスポイントAPの数も相等しい場合には、アプリケーションPCにおける登録順の早いアクセスポイントAPの優先順位を高くする。
優先順位を0,1,…,k,…,M−1で表し、0を最優先とする。k番目の優先順位を持つアクセスポイントAPをPri(k)で表し、Pri(k)を以下の通り決定する。
【0047】
計算フローを図11に示す。優先順位k番目の候補をアクセスポイントAP(m')とし(S11,S12,S13)、アクセスポイントAP(m')の平均信号強度和Pa(m')とアクセスポイントAP(m)の平均信号強度和Pa(m)を比較し、Pa(m')+Da<Pa(m)かつX(m)=0であれば(S14=yes)、新たにm’=mとする(S15)。ここで、X(m)=0はアクセスポイントAP(m)の優先順位がまだ決まっていないことを表す。その他の場合、アクセスポイントAP(m')の「平均信号強度和」Pa(m')とアクセスポイントAP(m)の「平均信号強度和」Pa(m)を比較し(S16)、Pa(m')−Da<Pa(m)かつX(m)=0ならば(S16=yes)、さらに周辺アクセスポイント数Na(m')とNa(m)を比較し(S17)、Na(m)が大きければ新たにm’=mとする(S15)。ここでDaは二つの信号強度が等しいと見なす範囲を設定する数値である。mを0,1,…,M−1と増加させながら(S18,S19)、上記の操作を行い、最終的に優先順位k番目のアクセスポイントAP(Pri(k)=m’)として決定する(S20)。また、既にアクセスポイントAP(m')の優先順位が確定した事を示すため、X(m')=1とする(S20)。この操作をk=0,1,…,M−1と変化させながら行い(S21,S22)、M個のアクセスポイントAPの優先順位を決定する(S23)。
【0048】
(アクセスポイントAPの使用チャネル決定)
アクセスポイントAPの優先順位が決まると、優先順位の高いアクセスポイントAPから順番に、使用チャネルの決定を行う。アクセスポイントAPが使用できるチャネルがH個ある場合、H個のチャネルにおいて干渉量の測定を行う。表5は、H個のチャネルからの干渉量情報の例である。
【0049】
【表5】

【0050】
アプリケーションPCは、最初に優先順位の一番高いアクセスポイントAP(Pri(0))に対し、図12に示すように、チャネルC(0)における干渉量を取得するため「干渉量測定要求」M(Pri(0),0)を送信する。「干渉量測定要求」を受信したアクセスポイントAP(Pri(0))はアクセスポイントAP内のメモリに格納されていたアクセスポイントAP毎のビーコン数と信号強度の総和を0に設定する。次に、アクセスポイントAP(Pri(0))はチャネルをC(0)に設定するため、MAC(WLAN)に指示を出す。最後にアクセスポイントAP(Pri(0))はMAC(WLAN)に測定開始の指示を出す。ビーコンの送信は行わない。
【0051】
干渉量測定中にアクセスポイントAP(Pri(0))が周辺アクセスポイントAP(n)からのビーコンを受信すると、アクセスポイントAP(Pri(0))はメモリ内のMACアドレスmacc(0,n)に対応したビーコン数numc(0,n)を1増加し(表5の中列参照)、同時に対応する「信号強度の総和」psc(0,n)に受信したビーコンの信号強度を加算する(表5右列参照)。ここで、Nc(h)はチャネルC(h)において観測された周辺アクセスポイントAPの数である。macc(h,n)はC(h)においてn番目に検出されたアクセスポイントAPのMACアドレスである。numc(h,n)はC(h)において干渉量測定中に測定されて、n番目に検出されたアクセスポイントAPからのビーコン数である。psc(m,n)はC(h)において干渉量測定中に測定されてn番目に検出されたアクセスポイントAPからのビーコンの信号強度の総和である。
【0052】
一定時間が経過した後、アプリケーションPCは、アクセスポイントAP(Pri(0))に対して、「干渉量通知要求」R(Pri(0))を送信する。干渉量測定要求を受信したアクセスポイントAP(Pri(0))はMAC(WLAN)に干渉量測定停止を指示し、表5に示された干渉量情報を含んだ「干渉量通知応答」P(Pri(0))をアプリケーションPCに送信する。チャネルC(1),C(2),…,C(H−1)においても、同様に干渉量の測定を行う。
【0053】
全てのチャネルにおける干渉量測定を終了すると、アプリケーションPCはチャネルの決定を行う。アプリケーションPCは式(2)のとおり、チャネルC(h)において検出された周辺アクセスポイントAPからのビーコンの平均信号強度Pc(h)を図13のように計算する。本方法では、H個のチャネルC(0),C(1),…,C(h),…,C(H−1)における平均信号強度Pc(0),Pc(1),…,Pc(H−1)を計算し、平均信号強度が一番小さなチャネルを使用チャネルとする。但し、複数のチャネルの平均信号強度が等しい場合には、周辺アクセスポイントAPの数が少ないチャネルを選択する。また、周辺アクセスポイントAPの数も等しい場合にはチャネル番号の小さいチャネルを選択する。
【0054】
計算フローを図14に示す。h=0から計算を開始し(S40,S41)、候補チャネルをh’とし、チャネルh’の「平均信号強度」Pc(h')とチャネルhの「平均信号強度」Pc(h)を比較し、Pc(h')−Dc>Pc(h)ならば(S42=yes)、新たにh’=hとする(S45)。その他の場合(S42=no)、チャネルh’の「平均信号強度」Pc(h')とチャネルhの「平均信号強度」Pc(h)を比較し、Pc(h')+Dc>Pc(h)ならば(S43=yes)、さらに周辺アクセスポイント数Nc(h')とNc(h)を比較し(S44)、Nc(h)が小さければ(S44=yes)新たにh’=h(S45)とする。ここで、Dcは二つの信号強度が等しいと見なす範囲を設定する数値である。hを0,1,…,H−1と増加させながら(S46,S47)上記の操作を行い、最終的に使用チャネルC(u(0))をC(h')と決定する(S42,S49)。
【0055】
チャネルC(u(0))が決まると、アプリケーションPCはアクセスポイントAPに対してチャネル設定要求S(Pri(0),u(0))を送信する。要求を受信したアクセスポイントAP(Pri(0))はMAC(WLAN)のチャネルをC(u(0))に設定するように指示を出す。また、ビーコンの送信とアクセスポイント機能の有効化を指示する。
【0056】
優先順位が低いアクセスポイントAP(Pri(k))k=1,2,…,M−1についても図15のように同様の操作を行い、全てのアクセスポイントAP(Pri(k))の使用チャネルC(u(k))を決定する。
【0057】
(アクセスポイント追加時のチャネル選択)
M’個のアクセスポイントAP(M),AP(M+1),…,AP(M+M’−1)を追加する例を示す。アプリケーションPCは最初にIPアドレス通知要求QA を送信する。この要求を受信したアクセスポイントAP(0),…,AP(M−1),AP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)は、IPアドレス通知応答A(0),A(1),…,A(M−1),A(M),A(M+1)…,A(M+M’−1)により、そのアクセスポイントAPのIPアドレスをアプリケーションPCに通知する。
【0058】
アプリケーションPCは以前に通知されたアクセスポイントAPを記憶しており、初めて通知されたアクセスポイントAP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)に対して、既に述べた方法で優先順位を決定し、チャネルを決定する。アプリケーションPCはアクセスポイントAP追加時に、ネットワーク上の全てのアクセスポイントAP(0),AP(1),…,AP(M−1),AP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)を含めて再度優先順位を決定し、チャネル決定動作を行っても良い。
【0059】
次に、本発明によるアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システムについて説明する。
自動チャネル割当システムの構成例を図16に示す。システムは管理装置100内のチャネル割当管理部10、有線通信部40とアクセスポイント200内のMAC管理部20、有線通信部60、無線通信部70から構成される。チャネル割当管理部10はMAC管理部20から得られた干渉量情報を元にし、アクセスポイント200で使用するチャネルの決定を行う。MAC管理部20はチャネル割当管理部10からの指示に従い、干渉量の測定及び、使用チャネルの変更を行う。チャネル割当管理部10とMAC管理部20との通信には管理システムであるSNMP(マネージャ)30とネットワーク機器であるSNMP(エージェント)50を用いる。無線通信部70はMAC管理部20からの指示に基づき無線通信の制御を行う。
【0060】
チャネル割当管理部10の構成例を図17に示す。チャネル割当管理部10は、制御部13、アクセスポイント検索部14、干渉量取得部15、優先順位決定部12、チャネル決定部11、チャネル通知部16、送受信部17から構成される。
【0061】
MAC管理部20の構成例を図18に示す。MAC管理部20は、制御部22、メモリ21、送受信部23から構成される。無線通信部70は、干渉量測定部26、ビーコン制御部28、チャネル設定部27を内蔵している。
【0062】
表2にメモリ21の構成例を示す。メモリ21には取得したビーコンの送信元アクセスポイント200を識別するための「MACアドレス」、「MACアドレス毎の受信ビーコン数」、「MACアドレス毎に受信ビーコンの信号強度を加算した信号強度の総和」が格納される。
【0063】
〔初回AP設置時のチャネル選択〕
〔アクセスポイント検索〕
初回アクセスポイント導入時におけるチャネル決定動作について述べる。管理装置100はアクセスポイント200と通信を行うためにアクセスポイント200のIPアドレスを取得する必要がある。そこで、最初に管理装置100内の制御部13はアクセスポイント検索部14に対し、ネットワーク内に存在するアクセスポイント200のIPアドレス取得を指示する。
指示を受けたアクセスポイント検索部14は送受信部17を通してIPアドレス通知要求メッセージQA をネットワークにブロードキャストで送出する。IPアドレス通知要求メッセージQA は図8に示す如く、ネットワーク内のアクセスポイント(200)AP(0),…,AP(m),AP(M−1)に到達する。
【0064】
アクセスポイント(200)AP(m)の制御部22は、送受信部23を通してIPアドレス通知要求メッセージQA を受信すると、当該アクセスポイント200のIPアドレスを通知するため送受信部23を通してIPアドレス通知応答メッセージA(m)を送信する。通知応答メッセージの送信元IPアドレスにはアクセスポイント(200)AP(m)のIPアドレスが設定されている。
管理装置100内のチャネル割当管理部10におけるアクセスポイント検索部14は、決められた時間内に送受信部17を通して受信された全てのIPアドレス通知応答メッセージA(0),…,A(m),A(M−1)の送信元IPアドレスを取得し、取得したIPアドレスを制御部13に通知する。
【0065】
〔優先順位付け〕
ネットワーク内のアクセスポイント200のIPアドレスを取得後、管理装置100内のチャネル割当管理部10における制御部13はアクセスポイント(200)AP(0),…,AP(m),AP(M−1)のチャネル割当順を決めるため、優先順位付けを行う。アクセスポイント200の使用可能なチャネルがH個ある場合、各チャネルのチャネル信号をC(0),…,C(1),C(H−1)で表す。例えばHを4とし1,6,11,14チャネルを使用する場合を表3に示す。
管理装置100内のチャネル割当管理部10における制御部13は、アクセスポイント200が受ける干渉量を取得するため、干渉量取得部15に対して収集したIPアドレスを通知する。
IPアドレスを通知された干渉量取得部15は、チャネルC(h)での干渉量を取得するため、通知された全てのIPアドレス宛に送受信部17を通して干渉量測定要求メッセージM(0,h),…,M(m,h),M(M−1,h)の送信を行う。hは0,1,…,H−1の何れかを選択する。干渉量測定要求メッセージは図9に示す如く、アクセスポイント(200)AP(0),…,AP(m),…AP(M−1)に到達する。
【0066】
アクセスポイント(200)AP(m)内のMAC管理部20における制御部22は送受信部23を通して干渉量測定要求メッセージM(m,h)を受信すると、内部メモリ21に格納されていたアクセスポイント毎のビーコン数と信号強度の総和を0に設定する。アクセスポイント(200)AP(m)のメモリ21内の情報例を表4に示す。ここで、Na(m)はアクセスポイント(200)AP(m)において観測された周辺アクセスポイントの数である。maca(m,n)はアクセスポイント(200)AP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイント200のMACアドレスである。numa(m,n)はアクセスポイント(200)AP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイント200からのビーコン数である。psa(m,n)はアクセスポイント(200)AP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイント200からのビーコンの信号強度の総和である。
【0067】
次にアクセスポイント(200)AP(m)内のMAC管理部20における制御部22はチャネルをC(h)に設定するため、チャネル設定部27にチャネル変更指示を出す。次に、制御部22はビーコンの送信を開始するため、ビーコン制御部28にビーコン送信の指示を出す。最後に制御部22は干渉量測定部26に測定開始指示を出す。指示を受けた無線通信部70はチャネルをC(h)に変更し、ビーコンの送信を開始し、干渉量の測定を開始する。
【0068】
干渉量測定中にアクセスポイント(200)AP(m)が周辺アクセスポイント(200)AP(n)からのビーコンを受信すると、アクセスポイント(200)AP(m)内の無線通信部70における干渉量測定部26は制御部22に測定結果を通知する。制御部22はメモリ21内のMACアドレスmaca(m,n)に対応したビーコン数numa(m,n)を1増加し、同時に対応する信号強度の総和psa(m,n)に受信したビーコンの信号強度を加算する。
【0069】
一定時間が経過した後、管理装置100内のチャネル割当管理部10における干渉量取得部15は、干渉量の測定結果を取得するため、通知された全てのIPアドレス宛に送受信部17を通して干渉量通知要求メッセージR(0),…,R(m),…,R(M−1)の送信を行う。干渉量通知要求メッセージは図9に示すごとく、アクセスポイント(200)AP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)に到達する。
【0070】
干渉量通知要求を受信したアクセスポイント(200)AP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)内のMAC管理部20における制御部22はビーコン制御部28にビーコンの送信停止を指示し、干渉量測定部26に干渉量の測定停止を指示する。指示を受けた無線通信部70はビーコンの送信と干渉量の測定を停止する。次にアクセスポイント200AP(0),…,AP(m),…,AP(M−1)内のMAC管理部20における制御部22は送受信部23を通して表4に示された干渉量情報を含んだ干渉量通知応答メッセージP(0),…,P(m),…,P(M−1)を管理装置100に送信する。干渉量通知応答メッセージP(0),…,P(m),…,P(M−1)は図9に示す如く、管理装置100に到達する。
【0071】
管理装置100内のチャネル割当管理部10における干渉量取得部15は送受信部17を通して干渉量通知応答P(0),…,P(m),…,P(M−1)を受信すると、干渉量を制御部13に通知する。制御部13は優先順位を決定するため干渉量を優先順位決定部12に通知する。
干渉量の通知を受けた優先順位決定部12は以下に示すごとくM個の平均信号強度和Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)を計算し、Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)を用いて優先順位付けを行う。アクセスポイント(200)AP(m)のビーコンの平均信号強度和Pa(m)は式(1)で計算される。ここで、numa(m,n)はアクセスポイント(200)AP(m)においてn番目に検出されたアクセスポイント200からのビーコン数、psa(m,n)はビーコンの信号強度の総和を表す。M個のアクセスポイント200の平均信号強度和Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)の計算フローを図10に示す。
優先順位決定部12はM個の平均信号強度和Pa(0),Pa(1),…,Pa(M−1)を用いてM個のアクセスポイント200の優先順位付けを行う。チャネル割当管理部10は平均信号強度和の大きなアクセスポイント200の優先度を高くする。但し、複数のアクセスポイント200の平均信号強度和が等しい場合には、周辺アクセスポイント200の数が多いアクセスポイント200の優先順位を高くする。また、周辺アクセスポイント200の数も等しい場合にはチャネル割当管理部10における登録順の早いアクセスポイント200の優先順位を高くする。優先順位を0,1,…,k,…M−1で表し、0を最優先とする。k番目の優先順位を持つアクセスポイント200をPri(k)で表し、Pri(k)を以下のとおり決定する。
【0072】
計算フローを図11に示す。優先順位k番目候補をアクセスポイント(200)AP(m')とし(S11〜S13)、アクセスポイント(200)AP(m')の平均信号強度和Pa(m')とアクセスポイント(200)AP(m)の平均信号強度和Pa(m)を比較し(S14)、Pa(m')+Da<Pa(m)かつX(m)=0であれば(yes)、新たにm’=mとする(S15)。ここでX(m)=0はアクセスポイント(200)AP(m)の優先順位がまだ決まっていないことを表す。その他の場合、アクセスポイント(200)AP(m')の平均信号強度和Pa(m')とアクセスポイント(200)AP(m)の平均信号強度和Pa(m)を比較し(S16)、Pa(m')−Da<Pa(m)かつX(m)=0ならば(yes)、さらに周辺アクセスポイント数Na(m')とNa(m)を比較し(S17)、Na(m)が大きければ(yes)、新たにm’=mとする。ここで、Daは二つの信号強度が等しいと見なす範囲を設定する数値である。mを0,1,…,M−1と増加させながら上記の操作を行い(S18),(S19)、最終的に優先順位k番目のアクセスポイント(200)AP(Pri(k)=m’)として決定する(S20)。また、既にアクセスポイント(200)AP(m')の優先順位が確定したことを示すためX(m')=1とする(S20)。この操作をk=0,1,…,M−1と変化させながら行い(S21),(S22)、M個のアクセスポイント200の優先順位を決定する。
【0073】
〔アクセスポイントの使用チャネル決定〕
アクセスポイント200の優先順位が決まると、優先順位の高いアクセスポイント200から順番に、使用チャネルの決定を行う。アクセスポイント200が使用できるチャネルがH個ある場合、H個のチャネルにおいて干渉量の測定を行う。
管理装置内のチャネル割当管理部10における制御部13は、最初に優先順位の一番高いアクセスポイント(200)AP(Pri(0))の干渉量を再度取得するため、干渉量取得部15にPri(0)を通知する。
通知を受けた干渉量取得部15はチャネルC(0)における干渉量を取得するため、送受信部17を通してアクセスポイント(200)AP(Pri(0))に対して干渉測定要求メッセージM(Pri(0),0)を送信する。送信された干渉量測定要求メッセージは図12に示すごとく、アクセスポイントAP(200)(Pri(0))に到達する。
【0074】
干渉測定要求メッセージM(Pri(0),0)を受信したアクセスポイント(200)AP(Pri(0))内のMAC管理部20における制御部22はメモリ21に格納されていたアクセスポイント(200)毎のビーコン数と信号強度の総和を0に設定する。チャネル設定部27にチャネルをC(0)に変更する指示を出す。次に、制御部22は干渉量測定部26に測定開始指示を出す。指示を受けた無線通信部70はチャネルをC(0)に変更し、干渉量の測定を開始する。ビーコン送信は行わない。
【0075】
干渉量測定中にアクセスポイント(200)AP(Pri(0))が周辺アクセスポイント(200)AP(n)からのビーコンを受信すると、干渉量測定部26は制御部22に干渉量を通知し、制御部22はメモリ21内のMACアドレスmacc(h,n)に対応したビーコン数numc(h,n)を1増加し、同時に対応する信号強度の総和psc(h,n)に受信したビーコンの信号強度を加算する。ここで、Nc(h)はチャネルC(h)において観測された周辺アクセスポイント200の数である。macc(h,n)はC(h)においてn番目に検出されたアクセスポイント200のMACアドレスである。numc(h,n)はC(h)において干渉量測定中に測定されn番目に検出されたアクセスポイント200からのビーコンの信号強度の総和である。
一定時間が経過した後、管理装置100内のチャネル割当管理部10における干渉量取得部15は、干渉量の測定結果を取得するため、送受信部17を通して干渉量通知要求メッセージR(Pri(0))の送信を行う。干渉量通知要求メッセージR(Pri(0))は図12に示す如く、アクセスポイント(200)AP(Pri(0))に到達する。
【0076】
干渉量通知要求メッセージR(Pri(0))を受信したアクセスポイント(200)AP(Pri(0))内のMAC管理部20における制御部22は無線通信部70内の干渉量測定部26に測定停止を指示する。指示を受けた無線通信部70は干渉量の測定を停止する。次に、制御部22は表5に示された干渉量情報を含んだ干渉量通知応答メッセージP(Pri(0))を送受信部23を通して管理装置100に送信する。干渉量通知応答メッセージP(Pri(0))は図12に示すごとく、管理装置100に到達する。
【0077】
管理装置100内のチャネル割当管理部10における干渉量取得部15はチャネルC(1),C(2),…,C(H−1)においても、同様に干渉量の取得を行う。全てのチャネルにおける干渉量測定を終了すると、干渉量取得部15は干渉量を制御部13に通知する。
通知を受けた制御部13はチャネル決定部11に干渉量を通知する。通知を受けたチャネル決定部11は使用チャネルの決定を行う。チャネル決定部11は式(2)のとおり、チャネルC(h)において検出された周辺アクセスポイント200からのビーコンの平均信号強度Pc(h)を計算する。本方式ではH個のチャネルC(0),C(1),…,C(h),…,C(H−1)における平均信号強度Pc(0),Pc(1),…,Pc(h),…,Pc(H−1)を計算し、平均信号強度が一番小さなチャネルを使用チャネルとする。但し、複数のチャネルの平均信号強度が等しい場合には、周辺アクセスポイント200の数が少いチャネルを選択する。また、周辺アクセスポイント200の数も等しい場合にはチャネル番号の小さいチャネルを選択する。
【0078】
計算フローを図14に示す。候補チャネルをh’とし、チャネルh’の平均信号強度Pc(h')とチャネルhの平均信号強度Pc(h)を比較し、Pc(h')−Dc>Pc(h)ならば(S42)、新たにh’=hとする(S45)。その他の場合には、チャネルh’の平均信号強度Pc(h')とチャネルhの平均信号強度Pc(h)を比較し(S43)、Pc(h')+Dc>Pc(h)ならば(yes)、さらに周辺アクセスポイント数Nc(h')とNc(h)を比較し(S44)、Nc(h)が小さければ(yes)、新たにh’=hとする(S45)。ここでDcは二つの信号強度が等しいと見なす範囲を設定する数値である。hを0,1,…,H−1と増加させながら上記の操作を行い(S46),(S47)、最終的に使用チャネルC(u(0))をC(h')と決定する。チャネルC(u(0))が決まると、チャネル決定部11は制御部13にチャネルを通知する。
【0079】
通知を受けた制御部13は使用チャネルをチャネル通知部16に通知する。通知を受けたチャネル通知部16は、使用チャネルをアクセスポイント(200)AP(Pri(0))に通知するため、送受信部17を通してチャネル設定要求メッセージS(Pri(0),u(0))の送信を行う。チャネル設定要求メッセージS(Pri(0),u(0))は図12に示す如く、アクセスポイント(200)AP(Pri(0))に到達する。
【0080】
要求を受信したアクセスポイント(200)AP(Pri(0))内のMAC管理部20における制御部22は無線通信部70内のチャネル設定部27にC(u(0))を使用するように指示を出す。また、ビーコンの送信とアクセスポイント機能の有効化を指示する。指示を受けた無線通信部70はチャネルの変更、ビーコンの送信を行い、アクセスポイント200としての動作を開始する。優先順位が低いアクセスポイント(200)AP(Pri(k)) k=1,2,…,M−1についても同様の操作を行い、全てのアクセスポイント(200)AP(Pri(k))の使用チャネルC(u(k))を決定する。
【0081】
〔アクセスポイント追加時のチャネル選択〕
M’個のアクセスポイント(200)AP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)を追加する例を示す。チャネル割当管理部10は最初にIPアドレス通知要求QA を送信する。この要求を受信したアクセスポイント(200)AP(0),…,AP(M−1),AP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)はIPアドレス通知応答A(0),A(1),…,A(M−1),A(M),A(M+1)…,A(M+M’−1)により自アクセスポイント200のIPアドレスをチャネル割当管理部10に通知する。
チャネル割当管理部10は以前に通知されたアクセスポイント200を記憶しており、初めて通知されたAP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)に対して、既に述べた方法で優先順位を決定し、チャネルを決定する。チャネル割当管理部10はアクセスポイント200追加時に、ネットワーク上の全てのアクセスポイント(200)AP(0),AP(1),…,AP(M−1)…,AP(M),AP(M+1)…,AP(M+M’−1)を含めて再度優先順位決定、チャネル決定動作を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、無線LANネットワークを構成する場合に必須である使用チャネルの決定を自動化して効率的に実行することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】5つのアクセスポイントが存在する場合における一般的なチャネル決定例を説明するための配置図である。
【図2】5つのアクセスポイントが存在する場合における他のチャネル決定例を説明するための配置図である。
【図3】本発明におけるアクセスポイントの検索例を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明におけるアクセスポイントの優先順位付けの例を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明におけるアクセスポイントの使用チャネル決定例を説明するためのブロック図である。
【図6】本発明におけるアクセスポイントの他の使用チャネル決定例を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明を実施する装置構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明を実施する際のアクセスポイントのIPアドレスの取得例を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明によりアクセスポイント設置時の初回チャネル選択をする場合を説明するためのフロー図である。
【図10】本発明により周辺アクセスポイントの平均信号強度の和を求める場合の動作例を説明するためのフロー図である。
【図11】本発明によりアクセスポイントの優先順位付けを行う場合の動作例を説明するためのフロー図である。
【図12】本発明により優先順位が最も高いアクセスポイントのチャネル決定の動作を説明するためのフロー図である。
【図13】本発明により平均信号強度の計算をする動作例を説明するためのフロー図である。
【図14】本発明によりアクセスポイントが使用するチャネルの決定をする動作を説明するためのフロー図である。
【図15】本発明により優先順位がK+1番目のアクセスポイントのチャネル決定の動作を説明するためのフロー図である。
【図16】本発明によるアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システムの構成例を示すブロック図である。
【図17】図16のシステムに用いられるチャネル割当管理部の構成例を示すブロック図である。
【図18】図16のシステムに用いられるMAC管理部の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
1,2,3,4 使用チャネル
A,B,C,D,E アクセスポイント
AP アクセスポイント
PC アプリケーション(パソコン)
10 チャネル割当管理部
11 チャネル決定部
12 優先順位決定部
13 制御部
14 アクセスポイント検索部
15 干渉量取得部
16 チャネル通知部
17 送受信部
20 MAC管理部
21 メモリ
22 制御部
23 送受信部
26 干渉量測定部
27 チャネル設定部
28 ビーコン制御部
30 SNMP(マネージャ) 40 有線通信部
50 SNMP(エージェント)
60 有線通信部
70 無線通信部
100 管理装置
200 アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANシステム内の複数のアクセスポイントのおのおのに、予め定めた複数のチャネルから選択された一つを使用チャネルとして決定するために、
該無線LANシステム内に、前記複数のアクセスポイントのおのおのと交信するアプリケーション機能が配置され、
該アプリケーション機能は、前記複数のアクセスポイントのおのおのに対して、当該アクセスポイントの干渉量測定要求を送出し、
該干渉量測定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該アクセスポイントのビーコンを送出しながら、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎の各信号強度を測定し、前記アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記アプリケーション機能に返送し、
該アプリケーション機能は、前記複数のアクセスポイントのおのおのから返送されたおのおのの該干渉量情報を参照して、該干渉量情報における前記信号強度の総和が返送されたときには当該信号強度の総和に係わる平均信号強度和を計算し、該平均信号強度和が大なる順に該複数のアクセスポイントに高い優先順位を与え、
該アプリケーション機能は、該複数のアクセスポイントの内の該優先順位の高い順に選択される各アクセスポイントに対して、使用可能な指定チャネルのおのおのについての干渉量測定要求を送信し、
該干渉量測定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルのおのおのを用いて、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、当該アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記アプリケーション機能に返送し、
該アプリケーション機能は、該各信号強度の総和が返送されたときには該各信号強度の総和に係わる平均信号強度を計算し、前記指定チャネルの内、該平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定し、当該アクセスポイントに当該指定チャネルへのチャネル設定要求を送信し、
該チャネル設定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルを使用チャネルとして当該アクセスポイントの動作を開始する、
ことを特徴とするアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法。
【請求項2】
前記平均信号強度和は、次式
【数1】

に従って、得られることを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法。
【請求項3】
前記平均信号強度は、次式
【数2】

に従って、得られることを特徴とする請求項1に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル決定方法。
【請求項4】
無線LANシステム内の複数のアクセスポイントのおのおのに、予め定めた複数のチャネルから選択された一つを使用チャネルとして決定するために、
該無線LANシステム内に、前記複数のアクセスポイントのおのおのと交信する管理装置機能が配置され、
該管理装置機能は、
前記複数のアクセスポイントのおのおのに対して、当該アクセスポイントで受信可能なアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、前記アクセスポイント毎のビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を該管理装置機能に返送することを指示する第一の干渉量測定要求を送出する第一の干渉量測定要求手段と、
前記複数のアクセスポイントのおのおのから返送されるおのおのの該干渉量情報を参照して、該干渉量情報における前記各信号強度の総和が返送されたときには当該各信号強度の総和に係わる平均信号強度和を計算し、該平均信号強度和が大なる順に該複数のアクセスポイントに高い優先順位を与える優先順位付与手段と、
該複数のアクセスポイントの内の該優先順位の高い順に選択される各アクセスポイントに対して、使用可能な指定チャネルのおのおのについて当該アクセスポイントで受信可能であるビーコンの信号強度を測定し、該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量を該管理装置機能に返送することを指示する第二の干渉量測定要求を送信する第二の干渉量測定要求手段と、
該各信号強度の総和が返送されたときには、該各信号強度の総和に係わる平均信号強度を計算し、前記指定チャネルの内、該平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定し、当該アクセスポイントに当該指定チャネルへのチャネル設定要求を送信するチャネル設定要求手段と、
を備え、
前記アクセスポイントは、
前記第一の干渉量測定要求を受信したとき、当該アクセスポイントのビーコンを送出しながら、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの各信号強度を測定し、アクセスポイント毎の該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量情報を前記管理装置機能に返送する干渉量情報送出手段と、
該第二の干渉量測定要求を受信したときに、当該指定チャネルのおのおのを用いて、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントから受信可能であったアクセスポイント毎のビーコンの信号強度を測定し、アクセスポイント毎の該ビーコンの総数と該受信したビーコンの各信号強度の総和を少なくとも含む干渉量を前記管理装置機能に返送する干渉量送出手段と、
前記チャネル設定要求を受信した当該アクセスポイントは、当該指定チャネルを使用チャネルとして当該アクセスポイントの動作を開始する動作開始手段と、
を備えたことを特徴とするアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システム。
【請求項5】
前記管理装置機能は、
前記複数のアクセスポイントを検索するアクセスポイント検索部と、
前記干渉量情報を測定することを要求する第1の干渉量測定要求と前記干渉量を測定することを要求する第二の干渉量測定要求とを前記複数のアクセスポイントに送出し、該複数のアクセスポイントから返送される前記干渉量情報と前記干渉量との少なくとも一方を取得する干渉量取得部と、
前記複数のアクセスポイントから返送される前記干渉量情報に対して、該干渉量情報から計算される前記平均信号強度和が大なる順に前記複数のアクセスポイントに与えられる優先順位を決定する優先順次決定部と、
前記指定チャネルの内、前記干渉量である前記平均信号強度が最も小さい値を示した指定チャネルを当該アクセスポイントの使用チャネルとして決定するチャネル決定部と、
前記使用チャネルを該当アクセスポイントに通知するチャネル通知部と、
前記アクセスポイント検索部と前記干渉量取得部と前記優先順次決定部と前記チャネル決定部と前記チャネル通知部に前記それぞれの該当動作をさせる制御部と
を備えていることを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システム。
【請求項6】
前記アクセスポイントは、ビーコン制御部と、干渉量測定部と、チャネル設定部と、メモリと、制御部とを備え、
前記ビーコン制御部は、当該アクセスポイントのビーコンを発生し、
前記干渉量測定部は、前記制御部からの指示により、前記複数のアクセスポイントのビーコンの内の当該アクセスポイントで受信可能であったビーコンの各信号強度を測定し、該受信したビーコンの信号強度を前記制御部に通知し、
前記チャネル設定部は、前記制御部からの指示により、当該指定チャネルを使用チャネルとして設定し、
前記メモリは、前記制御部から送られたビーコンの送信元アクセスポイントを識別するためのMACアドレスと該MACアドレス毎の受信ビーコン数とMACアドレス毎に受信ビーコンの信号強度を加算した信号強度の総和とを格納し、
前記制御部は、前記第1の干渉量測定要求を受信したとき、前記第2の干渉量測定要求を受信したとき、または、前記チャネル設定要求を受信したときに、前記ビーコン制御部と前記干渉量測定部と前記チャネル設定部に前記それぞれの該当の動作をさせて、前記干渉量情報または前記干渉量を送出する
ように構成されていることを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システム。
【請求項7】
前記平均信号強度和は、次式
【数3】

に従って、得られることを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システム。
【請求項8】
前記平均信号強度は、次式
【数4】

に従って、得られることを特徴とする請求項4に記載のアクセスポイントにおける自動化チャネル割当システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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