説明

アクチュエータ装置および光ピックアップ装置

【課題】組み立て時の工数を削減してコストダウンを図ったアクチュエータ装置およびそのアクチュエータ装置を備えた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ1のアクチュエータ装置3に用いられるプリントコイル基板7a、7bにおいて、コイルやランドの位置およびそれらを接続する配線パターンといった配線レイアウトを互いに同一とした同じ部品を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置などに使用される光ピックアップ装置および、該光ピックアップ装置に使用され対物レンズをフォーカスおよびトラッキング方向に駆動するアクチュエータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク再生装置などに使用される光ピックアップ装置は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)などの光ディスクに記録された情報を読み取るために、光ディスクの反りや振れに対して光ディスクの記録面と対物レンズとの距離を制御するフォーカス制御と、光ディスクのトラックの偏心に対して対物レンズを追従するように制御するトラッキング制御を行っている。
【0003】
光ピックアップ装置は、例えば、特許文献1に示すように、対物レンズを内蔵し、両側面にプリントコイル基板が固定されたレンズホルダと、線状弾性部材としてのサスペンションでレンズホルダに連結しレンズホルダを移動可能に支持したアクチュエータベースとからなるアクチュエータ装置と、光源、コリメータレンズ、ビームスプリッタなどの光学部品が収容されているピックアップケースなどから構成されている。
【0004】
従来のアクチュエータ装置の要部を図1に示す。レンズホルダ90は樹脂で成形されており、導電性の部材で形成されたサスペンション110も一体にインサート成形される。そして、サスペンション110は、一対のプリントコイル基板70a、70bに電気的に接続されており、サスペンション110に外部からフォーカス駆動電流またはトラッキング駆動電流を供給することで、プリントコイル基板70a、70bにフォーカス駆動力やトラッキング駆動力を発生させて光ディスクから信号が正確に読み取れるようにしている。
【0005】
図2は、サスペンション110の形状を示した図1の透視図である。サスペンション110は帯状の部材がレンズホルダ90の両側面に固定された一対のプリントコイル基板70aと70bとを接続するように設けられている。サスペンション110は、図2に示したように図中Z方向で上側に位置する上側サスペンション110aと、図中Z方向で下側に位置する下側サスペンション110bと、を備えている。上側サスペンション110a、下側サスペンション110bはそれぞれ図中のX方向では対称な形状をしているが、上側サスペンション110aと下側サスペンション110bとは互いに異なる形状をしている。なお、サスペンション110aは、図中X方向の一端側(右側)と他端側(左側)とが独立しているが、インサート整形前は双方を接続する部材により一体となっておりインサート整形後に接続部材を除去し図中に示す形状となる。サスペンション110bも同様である。
【0006】
図3はプリントコイル基板70aの配線レイアウトを簡略的に示した図、図4はプリントコイル基板70bの配線レイアウトを簡略的に示した図であり、共に向かいあう面を図示している。
【0007】
プリントコイル基板70aは、サスペンション110とはんだ付けなどにより接続されるランド70a1、70a2、70a3、70a4と、フォーカス用コイル70a5、70a6と、トラッキング用コイル70a7、70a8と、が設けられている。
【0008】
プリントコイル基板70bは、サスペンション110とはんだ付けなどにより接続されるランド70b1、70b2、70b3、70b4と、フォーカス用コイル70b5、70b6と、トラッキング用コイル70b7、70b8と、が設けられている。
【0009】
上述した構成のサスペンション110とプリントコイル基板70a、70bは、サスペンション110a−ランド70a1−コイル70a5−コイル70a6−ランド70a3−サスペンション110a−ランド70b1−コイル70b5−コイル70b6−ランド70b4−サスペンション110bと接続された回路でフォーカスを制御し、サスペンション110a−ランド70a4−コイル70a8−コイル70a7−ランド70a2−サスペンション110a−ランド70b2−コイル70b8−コイル70b7−ランド70b3−サスペンション110bと接続された回路でトラッキングを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−103002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
アクチュエータ装置においては、レンズホルダの駆動力中心や重量中心をレンズ位置に合わせなければならず、これを満たそうとすると、サスペンション110は図2に示したようにX方向で対称になるように構成することが望ましい。また、プリントコイル基板70aと70bとは上述したように回路上直列に接続しているために、サスペンション110はプリントコイル基板70aと70bとを接続する帯状部を複数備えているが、サスペンション110の形状が複雑になると重量増を招き、結果アクチュエータ装置の感度低下を招いてしまうという問題がある。そのため、プリントコイル基板70a、70bのランドやコイルの位置や配線パターンといった配線レイアウトはサスペンション110の構成を優先させて、プリントコイル基板70aと70bとは互いに異なる配線レイアウトとなっていることが一般的であった。
【0012】
しかしながら、このような従来のアクチュエータ装置では、プリントコイル基板70aと70bの配線レイアウトが互いに異なるため、誤って組み立ててしまうことがあり、誤って組み立てないためには部品管理などが必要となって組み立て時の工数が多くなってしまうという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、組み立て時の工数を削減してコストダウンを図ったアクチュエータ装置およびそのアクチュエータ装置を備えた光ピックアップ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のアクチュエータ装置は、対物レンズと、該対物レンズを収容するレンズ収容部と、前記レンズ収容部を挟んで当該レンズ収容部の側面に互いに向い合うように取り付けられた一対のプリントコイル基板と、前記レンズ収容部と一体に成形されるとともに前記一対のプリントコイル基板と電気的に接続される線状弾性部材と、を備えたアクチュエータ装置において、前記一対のプリントコイル基板は、互いの配線レイアウトが同一に構成されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のアクチュエータ装置の要部を示した斜視図である。
【図2】図1に示したアクチュエータ装置の透視図である。
【図3】プリントコイル基板の配線レイアウトを簡略的に示した図である。
【図4】プリントコイル基板の配線レイアウトを簡略的に示した図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる光ピックアップ装置の要部斜視図である。
【図6】図1に示された光ピックアップ装置のアクチュエータ装置の要部斜視図である。
【図7】図2に示されたアクチュエータ装置のアクチュエータ可動部の要部斜視図である。
【図8】本実施例におけるプリントコイル基板の配線レイアウトの一例を簡略化して示した図である。
【図9】本実施例におけるサスペンションと図4に示したプリントコイル基板との接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかるアクチュエータ装置を説明する。本発明の一実施形態にかかるアクチュエータ装置は、一対のプリントコイル基板の配線レイアウトが、同一になるように構成されているので、プリントコイル基板が1種類の部品で済み、組み立て時に部品管理を行うことが無く工数を削減することができる。また、部品の種類が削減されるのでコストダウンを図れる。
【0017】
また、同一形状である一対の線状弾性部材が、レンズ収容部の中心に対して互いに点対称となる位置に設けられてもよい。このようにすることにより、線状弾性部材も1種類にすることができ、工数や部品点数の更なる削減をすることができる。
【0018】
また、プリントコイル基板は、線状弾性部材と電気的に接続するための接続部が設けられ、さらに、線状弾性部材と電気的に接続されないダミー接続部がフォーカス用コイルの配線とトラッキング用コイルの配線に少なくとも1箇所ずつ設けられていてもよい。このようにすることにより、プリントコイル基板の配線レイアウトを同一にするのが容易となり、また、線状弾性部材も複雑な形状にする必要が無くなる。
【0019】
また、プリントコイル基板は、線状弾性部材と電気的に接続されてレンズ収容部を駆動させるコイルが設けられ、コイルを挟んで一方側に設けられた接続部と、他方側に設けられた接続部とが、プリントコイル基板の中心に対して点対称となる位置に設けられていてもよい。このようにすることにより、プリントコイル基板の配線レイアウトを同一にするのが容易となり、また、線状弾性部材も同じ形状を一対用いることができる。
【0020】
また、上述したアクチュエータ装置を光ピックアップ装置に備えてもよい。このようにすることにより、光ピックアップ装置における組み立て工数を削減することができる。また、部品の種類が削減されるのでコストダウンを図れる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の一実施例にかかる光ピックアップ装置としてのピックアップ装置1を図5ないし図9を参照して説明する。ピックアップ装置1は、CD、DVD、BD等の光ディスク再生装置などに用いられ、光ディスクに記録された情報を読み取るために、光ディスクの反りや振れに対して光ディスクの記録面と対物レンズとの距離を制御するフォーカス制御と、光ディスクのトラックの偏心に対して対物レンズを追従するように制御するトラッキング制御を行う。図5は本発明の一実施例にかかるピックアップ装置1の要部斜視図である。ピックアップ装置1は図5に示すようにピックアップケース2と、アクチュエータ装置3と、を備えている。
【0022】
ピックアップケース2は、アクチュエータ装置3が固定されるとともに、図示しない光源、コリメータレンズ、ビームスプリッタなどの光学部品が収容されている。また、ピックアップケース2は、図示しないモータやモータからの駆動力を伝達するリードスクリューなどによって、図5に示す軸20上を光ディスクの径方向に沿って移動可能となっている。
【0023】
一実施例にかかるアクチュエータ装置3は、図6に示すように、アクチュエータケース4と、アクチュエータ可動部5と、を備えている。
【0024】
アクチュエータケース4は、アクチュエータ可動部5の後述するレンズホルダ9をフォーカスやトラッキング方向に移動させるためのマグネットなどが含まれ、アクチュエータ可動部5のうち後述するホルダサスペンション8のサスペンションベース部10が固定されている。
【0025】
アクチュエータ可動部5は、図6や図7などに示すように、対物レンズ6と、プリントコイル基板7a、7bと、ホルダサスペンション8と、を備えている。なお、以下、図7などにおいて、アクチュエータ可動部5の後述するレンズホルダ9の長手方向(プリントコイル基板7a、7bが取り付けられている面)と平行な方向をX方向と記し、後述するサスペンション11の線状部11aと平行でかつ前記X方向と直交する方向をY方向と記し、前記X方向と前記Y方向の全てと直交する方向をZ方向と記す。
【0026】
対物レンズ6は、光源から発せられ光学部品を経由してきた光を光ディスクに照射することおよび光ディスクから反射された光を光学部品へ出力するためのレンズである。
【0027】
プリントコイル基板7a、7bは、基板上にフォーカス制御用コイル、トラッキング制御用コイル、サスペンション11をはんだ付けにて電気的に接続するための複数のランド、及び前記コイルとランドとを接続する配線が設けられており、ホルダサスペンション8のレンズホルダ9を挟んでレンズホルダ9の長手方向の側面に一対が接着剤などで取り付けられる。
【0028】
ホルダサスペンション8は図7に示すようにレンズホルダ9と、サスペンションベース部10と、サスペンション11と、を備えている。
【0029】
レンズ収容部としてのレンズホルダ9は、例えばLCP(液晶ポリマ)等の樹脂によって略箱型に成形され、略箱型の箱部9hと、箱部9hの端部から突出した固定アーム部9dと凸部9eから構成されている。箱部9hの天面部9aの略中央には対物レンズ6を設置するための開口孔9bが設けられている。
【0030】
サスペンションベース部10は、レンズホルダ9と同様に例えばLCP(液晶ポリマ)等の樹脂によって略箱型に成形されている。サスペンションベース部10は、アクチュエータ装置3をピックアップケース2にネジなどによって固定するための固定部10aが端部に設けられている。サスペンションベース部10の両端部にはサスペンション11を固定するためのサスペンション固定部10bが設けられている。
【0031】
サスペンション11は、例えば銅合金などの弾性力を備えるとともに導電性の良い部材で形成され、サスペンションベース部10のサスペンション固定部10bとレンズホルダ9の固定アーム部9dとを結びレンズホルダ9を移動可能に支持した線状部11aと、線状部11aから分岐しプリントコイル基板7と電気的に接続される接続部11bと、を備えている。また、サスペンション11は、サスペンションベース部10のサスペンション固定部10bにサスペンションベース部10を貫通するように固定され、サスペンション11の貫通した部分は、外部からフォーカス制御やトラッキング制御のための電流が供給される端子11dとなる。つまり、サスペンション11は、レンズホルダ9に対するサスペンション機能の他に、プリントコイル基板7に電流を供給する配線の機能も合わせて持つ。
【0032】
レンズホルダ9とサスペンションベース部10とサスペンション11は、インサート成形によりレンズホルダ9とサスペンションベース部10を成形する際に一体に成形される。すなわち、図7に示すようにサスペンション11の線状部11aの一端がサスペンションベース部10のサスペンション固定部10bに内包され、線状部11aの他端および接続部11bの一部がレンズホルダ9の固定アーム部9d、凸部9eに内包されるとともに、サスペンション11の他の部分は露出した状態で固定される。
【0033】
図8に本実施例におけるプリントコイル基板7a、7bのコイルとランドの位置およびそれらを接続する配線パターンといった配線レイアウトの一例を簡略化して示す。図9に、本実施例におけるサスペンション11と図8に示したプリントコイル基板7a、7bとの接続を示す。なお、図9において、レンズホルダ9およびサスペンション11の形状は、説明の都合上図7よりも簡略化して示している。
【0034】
図8(a)では、プリントコイル基板7aのコイルとランドの位置およびそれらを接続する配線パターンといった配線レイアウトを示している。プリントコイル基板7aには、フォーカス制御用のコイル7a1とトラッキング制御用のコイル7a2、7a3と、後述するサスペンション11とはんだ付けにて電気的に接続するためのランド7a4、7a5、7a6、7a7、7a8、7a9と、が設けられ、これらコイルとランドとを接続する配線が設けられている。図8(b)はプリントコイル基板7bの配線レイアウトを示しているが、プリントコイル基板7aと配線レイアウトが同一となっている。つまり、プリントコイル基板7aと7bとは同じものが使用される。なお、図8(a)、(b)は互いに向かいあう面を図示している。
【0035】
本実施例では、図8に示すように、Z方向におけるプリントコイル基板7aの一方側に設けられたランド7a4、7a5、7a6と、コイル7a1、7a2、7a3を挟んで他方側に設けられたランド7a7、7a8、7a9と、はプリントコイル基板の中心に対して点対称となる位置に設けられている。プリントコイル基板7bも同様である。この配置は、後述するサスペンション11を1種類で構成するために必要な配置である。
【0036】
そして、図9に示すように図8で示したプリントコイル基板7a、7bがレンズホルダ9に固定されるとともに、サスペンション11と電気的に接続される。図9に示したサスペンション11も、従来と同様にインサート成型前は図中X方向の一端側(右側)と他端側(左側)とを接続する部材により一体に構成された1つの部品となっており、インサート成型後に接続部材を除去し図中に示す形状となる。また、図9に示したようにサスペンション11は、Z方向の一方側にあるサスペンション11と、コイル7a1、7a2、7a3を挟んで他方にあるサスペンション11とは、同じ形状のものを、レンズホルダの中心(図9のXZ平面上においてプリントコイル基板の中心と等しい)に対して点対称となるように設けられている。このように配置することで、レンズホルダの中心を挟んでサスペンション11がレンズホルダを支持する力が均等となるため、1種類のサスペンション11を用いてもレンズホルダを支持するバランスを適正に維持することができる。
【0037】
このようにして接続されたプリントコイル基板7a、7bとサスペンション11とは、フォーカス制御用として、サスペンション11−ランド7b4−コイル7b2−コイル7b3−ランド7b5−サスペンション11−ランド7a6−ランド7a5−コイル7a3−コイル7a2−ランド7a4−サスペンション11と接続された回路が構成され、トラッキング制御用として、サスペンション11−ランド7a9−コイル7a1−ランド7a8−ランド7a7−サスペンション11−ランド7b8−コイル7b1−ランド7b9−サスペンション11と接続された回路が構成される。
【0038】
上述した回路構成から明らかなように、プリントコイル基板7aのランド7a5と7a8、プリントコイル基板7bのランド7b6と7b7はサスペンション11が接続されないダミーランドとなっている。また、プリントコイル基板7bのランド7b5と7b6間の配線と、ランド7b7と7b8間の配線は電流が流れないダミー配線となっている。すなわち、ランド7a5と7b6はトラッキング制御用の回路に含まれるダミーランド、ランド7a8と7b7はフォーカス制御用の回路に含まれるダミーランドとなる。
【0039】
つまり、プリントコイル基板7aと7bとを同一の部品として構成するために、サスペンション11が接続されないダミーランドや電流が流れないダミー配線となる部分を持った配線レイアウトとしている。
【0040】
このような構成を持ったアクチュエータ装置3は、ホルダサスペンション8のサスペンションベース部10に固定されているサスペンション11の端子11dにフォーカス駆動電流やトラッキング駆動電流を流すと、サスペンション11を経由してプリントコイル基板7a、7bに電流が流れるため、フォーカス方向の駆動力やトラッキング方向の駆動力を発生させることができ、それにより対物レンズ6を光ディスクの信号が正確に読めるように移動させることができる。
【0041】
本実施例によれば、光ピックアップ1のアクチュエータ装置3に用いられるプリントコイル基板7a、7bのコイルやランドの位置およびそれらを接続する配線パターンといった配線レイアウトを互いに同一としたので、プリントコイル基板7a、7bが1種類の部品で済み、組み立て時に部品管理を行うことが無く工数を削減することができる。また、部品の種類が削減されるのでコストダウンを図れる。
【0042】
また、上側と下側のサスペンション11を同一形状として、レンズホルダ9の中心に対して互いに点対称な位置に設けられているので、サスペンション11も1種類にすることができ、工数や部品点数の更なる削減をすることができる。
【0043】
また、プリントコイル基板7a、7bには、サスペンション11が接続されないダミーランドがフォーカス用コイルの配線とトラッキング用コイルの配線に少なくとも1箇所ずつ設けられているので、プリントコイル基板7a、7bの配線レイアウトを同一にするのが容易となり、また、サスペンション11も複雑な形状にする必要が無くなる。
【0044】
また、プリントコイル基板7aの中心線xの一方側に設けられたランド7a4、7a5、7a6と、他方側に設けられたランド7a7、7a8、7a9とは、プリントコイル基板の中心に対して互いに点対称な位置に設けられているので、プリントコイル基板7aの配線レイアウトを同一にするのが容易となり、また、サスペンション11も複雑な形状にする必要が無くなる。勿論プリントコイル基板7bも同様である。
【0045】
前述した実施例によれば、以下のアクチュエータ装置3が得られる。
【0046】
(付記)対物レンズ6と、樹脂で成形されかつ該対物レンズ6を収容するレンズホルダ9と、レンズホルダ9を挟んで当該レンズホルダ9の側面に互いに向い合いように取り付けられた一対のプリントコイル基板7a、7bと、レンズホルダ9と一体に成形されるとともにプリントコイル基板7a、7bと電気的に接続されるサスペンション11と、を備えたアクチュエータ装置3において、
一対のプリントコイル基板7a、7bは、互いの配線レイアウトが同一に構成されていることを特徴とするアクチュエータ装置3。
【0047】
このアクチュエータ装置3によれば、プリントコイル基板7a、7bが1種類の部品で済み、組み立て時に部品管理を行うことが無く工数を削減することができる。また、部品の種類が削減されるのでコストダウンを図れる。
【0048】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ピックアップ装置(光ピックアップ装置)
3 アクチュエータ装置
6 対物レンズ
7a プリントコイル基板
7a1 ランド(接続部)
7a2 ランド(接続部)
7a3 ランド(接続部)
7a4 ランド(接続部)
7a5 ダミーランド(ダミー接続部)
7a6 ランド(接続部)
7a7 ランド(接続部)
7a8 ダミーランド(ダミー接続部)
7a9 ランド(接続部)
7b プリントコイル基板
7b1 ランド(接続部)
7b2 ランド(接続部)
7b3 ランド(接続部)
7b4 ランド(接続部)
7b5 ランド(接続部)
7b6 ダミーランド(ダミー接続部)
7b7 ダミーランド(ダミー接続部)
7b8 ランド(接続部)
7b9 ランド(接続部)
9 レンズホルダ(レンズ収容部)
11 サスペンション(線状弾性部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対物レンズと、該対物レンズを収容するレンズ収容部と、前記レンズ収容部を挟んで当該レンズ収容部の側面に互いに向い合うように取り付けられた一対のプリントコイル基板と、前記レンズ収容部と一体に成形されるとともに前記一対のプリントコイル基板と電気的に接続される線状弾性部材と、を備えたアクチュエータ装置において、
前記一対のプリントコイル基板は、互いの配線レイアウトが同一に構成されていることを特徴とするアクチュエータ装置。
【請求項2】
同一形状である一対の前記線状弾性部材が、前記レンズ収容部の中心に対して互いに点対称となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ装置。
【請求項3】
前記プリントコイル基板は、前記線状弾性部材と電気的に接続するための接続部が設けられ、さらに、前記線状弾性部材と電気的に接続されないダミー接続部がフォーカス用コイルの配線とトラッキング用コイルの配線に少なくとも1箇所ずつ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ装置。
【請求項4】
前記プリントコイル基板は、前記線状弾性部材と電気的に接続されて前記レンズ収容部を駆動させるコイルが設けられ、前記コイルを挟んで一方側に設けられた前記接続部と、他方側に設けられた前記接続部とが、前記プリントコイル基板の中心に対して点対称となる位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のアクチュエータ装置を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−257520(P2010−257520A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105867(P2009−105867)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】